JP2012133043A - 定着装置 - Google Patents

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Akira Kato
加藤  明
Yuki Nishizawa
祐樹 西沢
Kentaro Yamashita
賢太郎 山下
Tomoaki Nakai
智朗 中居
Tetsuya Sano
哲也 佐野
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Abstract

【課題】 定着装置においては、記録材の表面性によって最適な定着処理条件が異なる。特に、記録材の表面の紙繊維がガサついているラフ紙等においては、記録材に熱が伝わりにくく、定着性が悪化しやすいので、最適な定着処理条件に合わせる必要がある。
メディアセンサ等を用いて紙種判別をする方法があるものの、装置がコストアップしたり、大型化するという課題があった。
【解決手段】 メディアセンサ等を用いずに、フィルム定着方式の定着装置のニップ部下流の温度を検知することで、記録材の表面性を判別し、その記録材に最適なヒーターの温度制御を行う。
【選択図】 図1

Description

記録材上に形成されたトナー像を定着する定着装置に関するものである。
定着装置においては、記録材の表面性によって最適な定着処理条件(温度・加圧力等)が異なる。
特に、記録材の表面の紙繊維がガサついているラフ紙等においては、記録材に熱が伝わりにくく、定着性が悪化しやすいので、最適な定着処理条件に合わせる必要がある。
従来、ユーザーに定着装置を備える画像形成装置本体に設けられた操作パネル等を使って記録材の種類を設定させることで、最適な定着処理条件が選択されるようにしていた。
また、近年では記録材の表面性を判別するために、定着前の記録材の表面に所定角度で光を照射し、その光照射領域内を映像として読み取るメディアセンサを用いて、最適な定着処理条件が選択されるようにするものがある(引用文献1)。
特開2002−182518号公報
しかしながら、ユーザーが画像形成装置又はPCで記録材の設定を行うことは、ユーザーの負担が大きく、ユーザビリティが良くないという課題があった。
映像読取センサ等のメディアセンサは、高価でサイズも大きいため、装置がコストアップ、あるいは大型になるという課題があった。
本出願に係る発明の目的は、メディアセンサ等を用いずに記録材の表面性を判別し、記録材に最適な定着処理条件に設定できる定着装置を提供することである。
上述の課題を解決するための本発明は、加熱体と、前記加熱体と接触摺動するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧体と、前記加熱体の温度を検知する第一の温度検知手段と、前記第一の温度検知手段による検知温度が目標温度に維持されるように加熱体を制御する制御手段と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材上の画像を加熱及び加圧する定着装置において、前記第一の温度検知手段よりも前記フィルムの回転方向下流に前記加熱体の温度を検知するための第二の温度検知手段を有し、前記制御手段によって前記第一の温度検知手段による検知温度が目標温度に維持されるように加熱体が制御されている状態で、前記第一の温度検知手段と前記第二の温度検知手段の双方の前記加熱体の温度検知領域を通過可能な幅を持つ記録材が前記ニップ部を通過した際に、前記第二の温度検知手段での検知温度が第一の所定温度よりも高くなった場合には、記録材が前記ニップを通過する間に記録材に与える熱量を増やすことを特徴とする。
本発明によれば、定着装置のニップ部下流側の温度を検知することで、メディアセンサ等を用いずに記録材の表面性を判別し、記録材に最適な定着処理条件に変更することができる定着装置を提供できる。
本発明に係る定着装置(a)と加熱体(b)の概略構成図 位相制御方法の説明図 普通紙とラフ紙搬送時の加熱体非摺動面の温度分布を示す図 実施例1と通常モードの定着性比較図 普通紙と平滑紙搬送時の加熱体非摺動面の温度分布を示す図 実施例1と通常モードの定着性と電力比較図 実施例2に係る加熱体に対する温度検知手段の配置図 実施例2に係る定着装置(a)と加熱体(b)(c)の別構成の例 実施例3に係る制御変更フロー(a)と温度テーブル(b)を示す図
(実施例1)
本実施例における定着装置について説明する。図1は本実施例のフィルム加熱方式の定着装置の概略構成図である。この装置は特開平4−44075に開示のフィルムテンションレスタイプとした装置である。
このテンションレスタイプのフィルム加熱方式の定着装置は、耐熱性フィルム(以下、フィルム22と記す)としてエンドレスベルト状のものを用いている。フィルム22の周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)として、フィルム22は加圧体(以下、加圧ローラー24と記す)の回転駆動力で回転するようにした装置である。
図1(a)の21は加熱体保持部材兼フィルムガイド部材としての耐熱性・剛性部材(以下、ステー21と記す)である。23は加熱体としてのセラミックヒーター(以下、ヒーター23と記す)であり、上記のステー21の加圧ローラー24側にステー長手に沿って配設して保持させてある。ステー21にはヒーター23保持部のヒーター23短手方向(フィルム22の回転方向)両端に断熱性を高めるための空隙(図1(a)のヒーター23上部の切り欠き)が設けられている。22はエンドレスベルト状のフィルム22であり、ヒーター23を含むフィルムガイド部材であるステー21に外嵌させてある。
フィルム22は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させる。よって、フィルム22の膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性を有するフィルム材料を選択する。
そのような材料としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(以下、PFAと記す)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(以下、PTFEと記す)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン樹脂(以下、FEPと記す)等の単層フィルムがある。あるいは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等を基層とした樹脂製フィルム、あるいはSUS等を基層とした金属製フィルムである。そして外周表面にPFA、PTFE、FEP等を被覆した複合層フィルムを使用できる。
本実施例では膜厚50μmのポリイミドフィルムの外周表面にPFAチューブを被覆したものを用い、フィルム22の外径は24mmとした。
加圧ローラー24はフィルム22を介してヒーター23と圧接し、ニップ部Nを形成し、且つフィルム22の駆動手段としてフィルム22を回転させる役割を担う。
この加圧ローラー24は駆動源(不図示)からの駆動力により矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラー24の回転駆動により、ニップ部Nにおける加圧ローラー24とフィルム22外面との摩擦力でフィルム22に回転力が作用する。フィルム22はその内面側がニップ部Nにおいてヒーター23の摺動面に接触摺動しながらステー21の外回りを矢印の方向に加圧ローラー24の回転周速度とほぼ同じ周速度で従動回転状態になる。
図1(b)は本実施例におけるヒーター23の摺動面、及び非摺動面を表す図である。
ヒーター23は被加熱材としての記録材Pの搬送方向aに対して直角方向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・良熱伝導性の基板27を有する。その基板27のフィルム摺動面側に基板27長手に沿って形成具備させた抵抗発熱体26、この抵抗発熱体を形成した基板27面を保護させた耐熱性オーバーコート層28、抵抗発熱体26の長手端部の給電用電極29・30等からなる。本実施例では抵抗発熱体側を摺動面としている。
本実施例の抵抗発熱体26は、銀・パラジウム・ガラス粉末(無機結着剤)・有機結着剤を混練して調合したペーストを、スクリーン印刷により、基板27上に線帯状に形成して得たものである。抵抗発熱体の材料としては、銀パラジウム(Ag/Pd)以外にRuO2、Ta2N等の電気抵抗材料を用いても良い。本実施例の抵抗発熱体の総抵抗値は常温で20Ωとした。
基板27は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミック材料が用いられる。本実施例では幅10mm・長さ270mm・厚さ1mmのアルミナ基板を使用している。給電用電極29・30は銀のスクリーン印刷パターンを用いた。オーバーコート層28は、抵抗発熱体26とヒーター23表面との電気的な絶縁性や定着フィルム22との摺動性を確保することが主な目的である。本実施例では、オーバーコート層28として厚さ約50μmの耐熱性ガラス層を用いたが、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等の高摺動性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等で構成できる。
図1(b)にはヒーター23の非摺動面側(本実施例では基板側を非摺動面としている)も示している。25と31は、それぞれ、ヒーター23の温度を検知するために設けられた第一の温度検温手段、及び、第二の温度検知手段である。本実施例では、温度検温手段としてヒーター23の非摺動面に接触させた外部当接型のサーミスターを用いている。この外部当接型サーミスターは、例えば支持体上に断熱層を設けその上にチップサーミスターの素子を固定し、素子を図1(a)における下方向(ヒーター23側)に向けて所定の加圧力によりヒーター23非摺動面に当接するような構成をとる。本実施例では、支持体として高耐熱性の液晶ポリマーを、断熱層としてセラミックペーパーを積層したものを用いた。第一の温度検知手段25の外部当接型サーミスター(以下、メインサーミスター25と記す)は、プリント可能な最小サイズ記録材を含むあらゆる記録材が通過する範囲内に設けられている。
尚、本実施例では記録材を抵抗発熱体の長手中央を基準で搬送する。使用可能な最小サイズ記録材幅は76mmとしており、メインサーミスター25は、中央から20mmの左側に、且つ基板短手方向の中央部に配置している。
このヒーター23にオーバーコート層28を形成具備させた摺動面側を図1(a)において下向きに露呈させてステー21の下面側に保持させて固定配設してある。以上の構成をとることにより、ヒーター23全体を低熱容量にすることができ、クイックスタートが可能になる。
ヒーター23は、抵抗発熱体の長手端部の給電用電極29・30に対する給電により抵抗発熱体26が長手全長にわたって発熱することで昇温する。その昇温がメインサーミスター25で検知される。
そのメインサーミスター25の出力をA/D変換してCPUに取り込み、その情報に基づいてトライアック(不図示)により抵抗発熱体26に給電する商用電源からの交流電力を位相制御あるいは波数制御等をする。すなわち、メインサーミスター25の検知温度が目標温度より低いとヒーター23が昇温するように、目標温度より高いと降温するように給電を制御することで、ヒーター23のメインサーミスター25による温度検知領域は目標温度に維持される。なお、本実施例の投入波形は図2に示すように、商用電源波形(100V・50Hz)の4周期分を1区間(80msec)として、出力レベル0%から100%まで5%(4msec)刻みの21段階で変化させた位相制御をおこなっている。ここでは4周期分を1区間として、5%刻みに設定しているが、周期や刻み幅は定着装置の構成によって適宜変更できる。
メインサーミスター25の検知温度が目標温度に到達し、且つ、加圧ローラー24の回転によるフィルム22の回転周速度が定常化した状態において、ニップ部Nに記録材Pが突入する。そして、記録材Pがフィルム22と一緒にニップ部Nを挟持搬送されることによりヒーター23の熱がフィルム22を介して記録材Pに付与され記録材P上の未定着顕画像(トナー像)が記録材P面に加熱加圧される。ニップ部Nを通った記録材Pはフィルム22の面から分離されて搬送される。
本実施例の図1(b)の31はヒーター23の温度を検知するために設けられた第二の温度検知手段(以下、サブサーミスター31と記す)である。サブサーミスター31はメインサーミスター25同様の外部当接型サーミスターを用い、メインサーミスター25よりもフィルム回転方向下流側に配置して、ヒーター23非摺動面の下流側の温度を検知する。
尚、本実施例ではサブサーミスター31は、短手方向においてはヒーター23の下流側の端から2mm、長手方向においては、使用可能な最小サイズ記録材を含むあらゆる記録材が通過するように、中央から20mmの右側に配置した。
図3は、ヒーター23非摺動面の温度分布を測定した結果である。本実験では15℃環境下で電力700W投入開始から3.8秒後にニップ部Nに記録材が突入して、さらにフィルム1周(100msec)した後の普通紙とラフ紙の比較をしている。
ヒーター23は抵抗発熱体2本が基板27の短手方向(フィルム22の回転方向)両端に配置されている。給電開始からの変化をみると、給電開始後100msecで両端部の温度が上昇し始め、記録材が突入する時にはメインサーミスター25の検知温度が210℃を保つように給電制御されている。
本実験では、普通紙としてキヤノン製Business Extra80g(A4)を用い、ラフ紙としてFoxRiverPaper社製 FoxRiverBondWriting(以下、FRBと記す)90g(LTR)を用いた。上記の普通紙、及び、ラフ紙の紙サイズは、それぞれA4とLTRであるので、メインサーミスター25及びサブサーミスター31によるヒーター23の非摺動面の温度検知領域の双方を通過可能である。加圧ローラー24は、240mm/secの表面速度で回転する。そして、抵抗発熱体に最大700Wを投入して、メインサーミスター25が210℃になるようにヒーター23を制御している。
図3から、ヒーター23の非摺動面の温度分布は、ラフ紙と普通紙を通紙した場合を比較すると、ヒーター23の上流側では差はほとんどないものの、下流側ではラフ紙を通紙したときの方が普通紙よりも温度が高くなっている。そのメカニズムについて説明する。
ヒーター23から熱がフィルム22を介して記録材に伝わる過程は大きく分けて2つの工程からなり、ヒーター23の熱がフィルム22に伝わり、その後、フィルム22の熱が記録材に伝わる。
よって、ヒーター23の上流側においては、熱容量の小さいフィルム22は放熱された状態でニップ部上流に突入するため、ヒーター23から供給される熱量の大部分がフィルム22に吸収されることになる。よって、ヒーター23の上流側での非摺動面の温度は、ニップ部Nに突入する記録材の種類による影響を受けにくく、ラフ紙と普通紙でほとんど差がない。
一方、ヒーター23の下流側においては、フィルム22は十分に温まった状態であるため、フィルム22の熱が記録材に伝わる。フィルム22から記録材に伝わる熱量は、フィルム22と接触する記録材の表面性によって差があり、その差がヒーター23下流側の温度差として表れる。表面に凹凸があるラフ紙は普通紙よりもフィルム22との接触面積が小さく熱が伝わりにくい。
よって、ニップ部Nの下流側においては、フィルム22の温度は、普通紙よりもラフ紙を通紙している方が下がりにくいので、ヒーター23の非摺動面の温度も普通紙よりもラフ紙の方が高くなるのである。本実施例の実験においては、ヒーター23の非摺動面下流側に配置したサブサーミスター31の検知温度は、普通紙の場合250℃、ラフ紙の場合260℃となった。
本実施例は、このヒーター23の下流側の温度が、ニップ部Nを通過した記録材の表面性によって異なることを利用して、記録材の表面性を判別し、その記録材に最適な温度で定着できるようにヒーター23の温度制御を行うことを特徴としている。
具体的には、本実施例ではニップ部Nを記録材が通過している時に、サブサーミスター31が260℃(第一の所定温度)以上を検知した場合、記録材がラフ紙であると判断する。そして、ヒーター23の目標温度を220℃に変更して制御する。ラフ紙は前述したように熱が伝わりにくいため、定着性が悪化しやすい。よって、ラフ紙と判別した場合には、ニップ部Nで記録材が搬送される間に与える熱量を増やす必要がある。その方法としては、ヒーター23の温度を上げることや、記録材の搬送速度を低速にするというやり方がある。
図4に本実験における定着性を測定した結果を示す。
本実験での定着性の測定方法は、ハーフトーンのトナー像を載せた普通紙とラフ紙を定着装置のニップ部Nで搬送して得られた定着処理済の記録材Pについて、擦り試験をおこない、ある一定条件下で擦り試験前後での光学式濃度差を測定する。即ち記録材の画像形成面上に紙を介して所定重量(200g)のおもりを載せ、重量をかけつつ介在させた紙で画像形成面を摺擦し、その摺擦の前後で画像の濃度低下率を求めて評価した。なお、各記録材で先端から後端にかけてフィルム22の1周分(75.4mm)で4分割して、抵抗発熱体長手方向3点の最悪値を用いた。
工場出荷状態のヒーター23の温度制御設定(以下、通常モードと記す)は、普通紙を最適に出力する条件となっている。この通常モードで定着性が十分でない場合(例えば、表面性が粗い紙)は、前述したように目標温度を高温にする、あるいは搬送速度を低速にする等(以下、ラフ紙モードと記す)に設定変更する必要がある。
図4は通常モード(210℃)の普通紙(○)とラフ紙(●)と、ユーザー選択によるラフ紙モード(初期から220℃)でのラフ紙(■)と、本実施例のラフ紙判別(フィルム22の2周目より温度変更220℃)でのラフ紙(□)の濃度低下率を比較している。
電力投入から記録材がニップ部Nに突入するまでにフィルム22に蓄熱されるため、1枚目の先端は定着性が良く、2周目以降から徐々に記録材に熱を奪われて定着性が悪くなる傾向にある。通常モードの普通紙では濃度低下率が約10%で推移するのに対して、ラフ紙では濃度低下率が約30%で推移する。ユーザー選択、あるいは映像読取センサによる検知によってラフ紙モードが選択された場合は、電力投入時から220℃制御するため、ラフ紙の定着性も良く約20%で推移する。定着性は濃度低下率が25%以下になることが望ましく、ラフ紙モードを選択しないでラフ紙をプリントした場合は、濃度低下率25%を上回ってしまい定着性を満足しない。
そこで、ニップ部Nを記録材が通過している時にサブサーミスター31の検知温度が第一の所定温度(260℃)以上になった場合に、ラフ紙と判断して、ヒーター23の目標温度を220℃に変更する。よって、フィルム22の2周目以降から徐々に定着性が良くなり、1枚目の定着フィルム22の4周目以降であっても十分な定着性能を得られる。
次に、本実施例の紙種判別方法を用いると、紙表面の凹凸が普通紙よりも少ない平滑紙も判別できることを説明する。
本実験では平滑紙としてキヤノン製CS−814(A4)、普通紙としてキヤノン製Business Extra80g(A4)を用いた。平滑紙が通紙された場合のヒーター23非摺動面温度分布を図5に示す。普通紙のサブサーミスター31検知温度が250℃であるのに対して、平滑紙の場合は245℃となる。ヒーター23の下流側では平滑紙を通紙したときの方が普通紙よりも温度が低い。これは、平滑紙は普通紙よりも凹凸が少ない分、フィルム22との接触面積が大きくなるため、フィルム22から記録材に熱が伝わりやすく、ヒーター23の下流側の温度が下がるためである。
本実施例ではサブサーミスター31が245℃(第二の所定温度)以下を検知した場合、記録材が平滑紙であると判断して、ヒーター23の目標温度を205℃に変更して制御する。
図6(a)(b)を用いて、平滑紙におけるヒーター23の目標温度の変更による効果を説明する。
図6(a)の定着処理済の記録材の濃度低下率の推移から、通常モード(ヒーター23の目標温度が210℃)で平滑紙がプリントされた場合は濃度低下率が5%以下で定着性は良好であることがわかる。しかしながら、本実施例で205℃に変更された場合でも濃度低下率は約10%で推移しており、定着性は十分に満足している。この時の消費電力の違いを図6(b)に示す。通常モードでは2枚目以降でも510〜520Wの電力が必要である。本実施例は1枚目途中から205℃で制御することになり、2枚目以降で480〜490Wの消費電力になるので、20〜40Wの消費電力を減らすことができる。
このように、本実施例によれば、記録材の表面性の判別を、メディアセンサ等を用いずに行うことができ、記録材の表面性に応じた最適な定着処理条件に変更することができる。
(実施例2)
本実施例と実施例1の違いは、図7に示すように、サブサーミスター31のヒーター23の長手方向の位置である(短手方向は実施例1と同じ)。
小サイズの記録材が搬送されると、その記録材が搬送されない箇所の温度が上昇(以下、非通紙部昇温と記す)するため、その非通紙昇温を監視するために、利用可能な最小サイズの記録材が通過しない位置に温度検知手段を配置した定着装置がある。小サイズ紙を連続通紙している際に、非通紙部の温度が所定温度以上になった場合には、記録材の搬送間隔を広げる等の非通紙部昇温抑制を行うことがある。
本実施例では、定着装置に元々設けられていた非通紙部温度検知用の温度検知手段を記録材の表面性の判別に利用することで、新たに温度検知手段を追加せずに記録材の表面性の判別を行うことが特徴である。非通紙部温度検知用の温度検知手段をサブサーミスター31とする。
本実施例におけるサブサーミスター31のヒーター23の長手方向の位置は、A4サイズ記録材が通過して、且つ、利用可能な最小サイズのB5サイズの記録材が通過しない中央から98mmの位置とする。サブサーミスター31のヒーター32の短手方向の位置は、実施例1と同じヒーター23の下流側端部から2mmの位置とする。メインサーミスター25、及び、サブサーミスター31の双方の温度検知領域を通過可能なサイズの記録材の表面性は、実施例1と同様に判別できる。
本実施例によれば、非通紙部昇温を監視するための温度検知手段を有する定着装置においては、新たに温度検知手段を追加せずに、実施例1と同様に記録材の表面性を判別することができる。
本実施例、及び、実施例1では外部当接型サーミスターを用いたが、本発明はこれに限らない。その他の構成例を示すと、図8(b)に示すようにヒーターにサーミスターを直接接着するオンチップのサーミスターを備えた加熱体や、サーミスターを直接印刷する加熱体にも適用可能である。
また本実施例では、サーミスターを基板27側に配置したヒーター23を例にとって説明したが、これに限らない。図8(a)に示すようにガラスコート28を図の上方向に配置して、基板の下側にオーバーコート層28−1を設けた加熱体を用いた定着装置にも適用可能である。また、図8(b)に示すようにガラスコート側にサーミスターを配置した加熱体にも適用可能である。
更に、本実施例は発熱体2本のヒーター23を例にとって説明したが、図8(c)に示すように発熱体が1本や他にも複数本でも、様々な接続の加熱体にも適用可能である。
(実施例3)
本実施例は、実施例1又は2の構成において、サブサーミスター31とメインサーミスター25の検知温度の温度差ΔTを用いることでサブサーミスター31の温度検知精度を上げて、記録材の表面性の判別精度を上げることが特徴である。
図9(a)は、ヒーター23の制御開始からヒーター23の温度制御変更までの流れを示したフローである。図9(b)は、上記の温度差ΔTに対応する記録材の紙種(表面性)と、その紙種における最適な制御温度を示した温度テーブルである。
普通紙の場合、記録材がニップ部Nに突入してからフィルム22の1周回転後のサブサーミスター31の検知温度は250℃となり、メインサーミスター25の検知温度(210℃)との温度差分値ΔTは40℃となる。ここで、図8(b)の温度テーブルを参照すると、本実験に用いた定着装置では、この温度差ΔT40で、最適なヒーター23の目標温度は210℃であるので、目標温度は変更しない。
一方、ラフ紙の場合、サブサーミスター31の検知温度は260℃となり、メインサーミスター25の検知温度210℃との温度差ΔTは50℃となる。そして、ヒーター23の目標温度を図9(b)の温度テーブルに従って220℃に変更する。更に、平滑紙の場合は、サブサーミスター31検知温度が245℃となり、メインサーミスター25の温度210℃との温度差ΔTは35℃となる。ここで、ヒーター23の制御温度を図8(b)のテーブルに従って205℃に変更する。
本実施例ではニップ部Nの下流のサブサーミスター31とメインサーミスター25の検知温度の温度差ΔTを用いることで、より精度良く記録材の表面性を判別し、記録材に最適なヒーター23の温度制御が可能になる。その結果、最適な定着性を得ることができると同時に、省エネルギー性も実現することができる。
尚、本実施例では、図9(a)に示すように、フィルム22の1周回転後にサブサーミスター31温度を検知している。これは記録材の紙表面性を安定的に判別できるからであるが、必ずしもこれに限らない。記録材の先端がニップ部Nのサブサーミスター31の温度検知領域を通過した直後に検知することでより早く検知することもできる。
21 ステー
22 フィルム
23 ヒーター
24 加圧ローラー
25 第一の温度検知手段
26 抵抗発熱体
27 基板
28 オーバーコート層
29・30 給電用電極
31 第二の温度検手段
N 定着ニップ部
P 記録材

Claims (3)

  1. 加熱体と、前記加熱体と接触摺動するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と圧接してニップ部を形成する加圧体と、前記加熱体の温度を検知する第一の温度検知手段と、前記第一の温度検知手段による検知温度が目標温度に維持されるように加熱体を制御する制御手段と、を有し、前記ニップ部で記録材を挟持搬送しつつ、記録材上の画像を加熱及び加圧する定着装置において、
    前記第一の温度検知手段よりも前記フィルムの回転方向下流に前記加熱体の温度を検知するための第二の温度検知手段を有し、
    前記制御手段によって前記第一の温度検知手段による検知温度が目標温度に維持されるように加熱体が制御されている状態で、前記第一の温度検知手段と前記第二の温度検知手段の双方の前記加熱体の温度検知領域を通過可能な幅を持つ記録材が前記ニップ部を通過した際に、前記第二の温度検知手段での検知温度が第一の所定温度よりも高くなった場合には、記録材が前記ニップを通過する間に記録材に与える熱量を増やすことを特徴とする定着装置。
  2. 前記制御手段によって前記第一の温度検知手段による検知温度が目標温度に維持されるように加熱体が制御されている状態で、前記第一の温度検知手段と前記第二の温度検知手段の双方の前記加熱体の温度検知領域を通過可能な幅を持つ記録材が前記ニップ部を通過した際に、前記第二の温度検知手段での検知温度が前記第一の所定温度よりも低い第二の所定温度よりも低くなった場合には、記録材が前記ニップを通過する間に記録材に与える熱量を減らすことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記第二の温度検知手段は、前記加熱体の長手方向において前記装置で使用可能な最小サイズの記録材が通過しない領域に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015001597A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 株式会社沖データ 定着制御装置及び画像形成装置
JP2016139075A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 キヤノン株式会社 画像形成装置

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JP2015001597A (ja) * 2013-06-14 2015-01-05 株式会社沖データ 定着制御装置及び画像形成装置
JP2016139075A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 キヤノン株式会社 画像形成装置

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