JP5839839B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置に関する。
従来、電子写真方式を採用する画像形成装置においては、いわゆる熱ローラ方式の像加熱装置が広く用いられている。熱ローラ方式の像加熱装置は、未定着トナー像を担持した記録材を互いに圧接して回転する定着ローラと加圧ローラとで形成される定着ニップ部を通過させることにより、トナー像を加熱定着させる。また、近年ではスタンバイ時に像加熱装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えたフィルム加熱方式の像加熱装置が実用化されている。
これらの像加熱装置(以下、定着装置と呼ぶ)においては、オーバーシュート/アンダーシュートやリップルを発生させずに目標温度になるように制御することが必要である。そのためにPI制御(比例(Proportional)+積分(Integral)制御)またはPID制御(比例+積分+微分(Differential)制御)を採用することが一般的である。PI制御またはPID制御により、ヒータを点灯するデューティ(点灯すべき時間)を決定し、そのデューティに応じてスイッチング素子の通電制御を行って精細な温度制御を行っている。
通電制御方式には、波数制御及び位相制御がある。以下に一例である波数制御方式について説明する。
波数制御とは、入力するAC電圧の1半波毎にON/OFFする制御であり、この1半波の集まりを所定周期とし、所定周期内のON/OFFの通電比率で点灯デューティを制御する方式である。
例えば交流電源の電源周波数が50Hzでは1半波=10msecとなる。20半波(200msec)の集まりを1周期とした場合、20半波毎に加熱体への供給電力を更新する。最小電力は全OFF(20半波全OFF)であり、最大電力は全ON(20半波全ON)となる。1周期毎の供給電力量は、0半波〜20半波ONとなる21レベルとなる。
この周期は、点灯デューティ同様、定着装置や画像形成装置の構成により、最適な設定が異なる。また、それぞれの構成のなかでも、通紙前か通紙中かによっても、最適な更新周期が異なる。例えば、ヒータ立ち上げ区間等の比較的温度が急峻に変化するような非定常時においては、オーバーシュートやアンダーシュートを防止し、速やかに目標温度に到達させることが主に求められている。一方、通紙区間等の比較的温度が急峻に変化しないような定常時においては、温度リップルを抑制することで、画像の光沢ムラや定着性のムラ、フリッカーノイズを低減することが主に求められている。
したがって、それぞれの区間において適切な範囲の点灯デューティと更新周期のバランスをとり、最適な制御を決定する必要がある。例えば、特許文献1において、目標温度に立ち上げる像加熱装置立ち上げ時における制御周期を加熱材通紙時の制御周期よりも長くし、オーバーシュートや温度リップルを抑制することで画像弊害を改善する提案がなされている。
特許第3535529号公報
しかしながら、昨今プリンタ・複写機の高速化に伴い、制御の高速化が求められるとと
もに、定着のために記録材が単位時間に必要とする熱エネルギーは増加する傾向にある。言い換えると、単位時間当たりの制御周期の回数が減少し、かつ取り扱う電力が大きくなることから、単位時間当たりの電力の変動量が今まで以上に大きくなる傾向がある。その結果、ヒータ立ち上げ時の要求(オーバーシュート低減)と、通紙時等の比較的定常時の要求(フリッカーノイズ、及び温度リップルの低減)のいずれも満たす点灯デューティと制御周期を見いだすことが難しくなってきている。
本発明の目的は、ヒータ立ち上げ時にはオーバーシュートおよびアンダーシュートを低減し、通紙時には温度リップルを低減することにより、画像の光沢ムラや定着性のムラ、フリッカーノイズを低減可能な像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は
ヒータを有する加熱部材と、
前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、
前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
前記ヒータに供給する電力を前記温度検知部の検知温度に応じて制御周期毎に更新しつつ前記検知温度が目標温度になるように制御する制御部と、
を有し、前記ニップ部未定着トナー像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー像を記録材に定着する定着装置において、
記制御周期は、前記ヒータへの電力供給を開始してから前記検知温度が前記目標温度に達するまでの期間であるウォームアップ期間の方が、前記ニップ部において記録材を搬送しながら定着処理を行う期間である定着処理期間よりも短く、
前記ウォームアップ期間における前記制御周期は、前記ウォームアップ期間における前記検知温度の時間変化率が所定値よりも大きい場合は小さい場合よりも短いことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明は
ヒータを有する加熱部材と、
前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、
前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
前記ヒータに供給する電力を前記温度検知部の検知温度に応じて制御周期毎に更新しつつ前記検知温度が目標温度になるように制御する制御部と、
を有し、前記ニップ部で未定着トナー像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー像を記録材に定着する定着装置において、
前記制御周期は、前記ヒータへの電力供給を開始してから前記検知温度が前記目標温度に達するまでの期間であるウォームアップ期間の方が前記ニップ部において記録材を搬送しながら定着処理を行う期間である定着処理期間よりも短く、
前記ウォームアップ期間の前記制御周期は、前記ウォームアップ期間における前記目標温度と前記検知温度との差が閾値よりも小さい場合は大きい場合よりも短いことを特徴とする定着装置。
本発明によれば、ヒータ立ち上げ時のオーバーシュートおよびアンダーシュートを低減し、通紙時には温度リップルを低減することが可能となり、画像の光沢ムラ、定着性ムラ、及びフリッカーノイズを低減することが可能となる。
像加熱装置の概略構成図 実施例に係るレーザービームプリンタの要部を示す概略構成図 加熱体の正面図及び通電制御を行う回路を表す図
[実施例1]
以下、図面を参照し本発明の第1の実施例を説明する。
(1.画像形成装置)
図2は本実施例に従う画像形成装置例の概略構成図である。本実施例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンタである。本実施例では、プロセススピードは約200mm/s、FPOT(ファーストプリントアウトタイム)は約6秒、スループットはA4通紙で約33ppmの構成を例にとり説明を行う。
像担持体としての電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラム)1は、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
帯電手段である接触帯電ローラ等(以下、帯電ローラ)2は、感光体ドラム1の面が所定の極性・電位に一様になるよう帯電処理(一次帯電)する。
画像露光手段としてのレーザービームスキャナ3は、不図示のイメージスキャナ・コンピュータ等の外部機器から入力する目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応
してオン/オフ変調したレーザー光Lを出力する。このレーザー光Lによって、感光体ドラム1の帯電処理面が走査露光(照射)される。この走査露光により感光体ドラム1の表面の露光明部の電荷が除電されて感光体ドラム1面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
現像装置4は、現像スリーブ4aから感光体ドラム1に現像剤(トナー)が供給されて感光体ドラム1の静電潜像が可転写像であるトナー像として順次に現像させる。レーザービームプリンタの場合、一般的に、静電潜像の露光明部にトナーを付着させて現像する反転現像方式が用いられる。
給紙カセット5は、記録材Pを積載収納している。給紙スタート信号に基づいて給紙ローラ6が駆動されて給紙カセット5内の記録材Pが一枚ずつ分離給紙される。記録材Pは、レジストローラ7、シートパス8aを通って、感光体ドラム1と接触・回転型の転写部材としての転写ローラ9との当接ニップ部である転写部位Tに所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム1上のトナー像の先端部が転写部位Tに到達したとき、記録材Pの先端部もちょうど転写部位Tに到達するタイミングとなるようにレジストローラ7で記録材Pの搬送が制御される。
転写部位Tに導入された記録材Pはこの転写部位Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ9には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。この転写部材としての転写ローラ9及び転写電圧制御については後述する。転写ローラ9にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加されることで転写部位Tにおいて感光体ドラム1上のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。
転写部位Tにおいてトナー像の転写を受けた記録材Pは感光体ドラム1から分離されてシートパス8bを通って加熱装置11へ搬送導入され、トナー像の加熱・加圧定着処理を受ける。
一方、記録材分離後(記録材Pに対するトナー像転写後)の感光体ドラム1はクリーニング装置10で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。
加熱装置11を通った記録材Pは、シートパス8c側に進路案内されて排紙口13から排紙トレイ14上に排出される。
接触型・回転型の転写部材としての転写ローラ9は、一般にSUS、Fe等の芯金上にカーボン、イオン導電性フィラー等で1×10〜1×1010Ω程度の抵抗に調整された半導電性のスポンジ弾性層を形成した弾性スポンジローラが用いられる。本実施例では、芯金9bの外回りに同心一体に、NBRゴムと界面活性剤等を反応させ、導電性を有する弾性層9aをローラ状に成形具備させてなるイオン導電系の転写ローラを用いた。抵抗値は1×10〜5×10Ωの範囲のものを用いた。
転写ローラの抵抗は雰囲気環境の温湿度に応じて変動しやすいことが知られており、この転写ローラの抵抗変動は転写不良や紙跡などの発生を招来する。そこで、転写ローラの抵抗変動に起因する転写不良や紙跡などの発生を防止するために、転写ローラの抵抗値を測定し、その抵抗値測定結果に応じて転写ローラに印加する転写電圧を適正に制御する「印加転写電圧制御」が採択される。
そのような印加転写電圧制御例として特開平2−123385号公報に開示されるATVC制御(Active Transfer Voltage Control)がある。ATVC制御は、転写時、転写ローラに
印加する転写バイアスを最適化する手段であり、転写不良、紙跡の発生を防止したもので
ある。画像形成装置の前回転行程中(非通紙時)に転写ローラから感光体ドラムに所望の定電流バイアスを印加し、その時のバイアス値から転写ローラの抵抗を検知し、抵抗値に応じた転写バイアスが定められる。転写バイアスは、印字行程の転写時に転写ローラに印加される。本実施例においても、上記のATVC制御を用いた。
(2.像加熱装置)
次に、本実施例における像加熱装置11について説明する。本実施例ではフィルム加熱方式の加熱装置を例にとり、説明する。
図1は本実施例のフィルム加熱方式の加熱装置の概略構成図である。
このテンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置は、耐熱性フィルムとしてエンドレスベルト状もしくは円筒状のものを用いる。このフィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧部材の回転駆動力で回転駆動する。
定着ローラ(加熱部材)は、ステー21、耐熱性フィルム22、加熱体23等から構成される。ステー21は、加熱体保持部材兼フィルムガイド部材としての耐熱性・剛性部材である。セラミックヒータ等の加熱部材(以下、加熱体)23は、上記のステー21の下面にステー長手に沿って配設して保持させてある。エンドレス(円筒状)の耐熱性フィルム22は、加熱体23を含むフィルムガイド部材であるステー21に外嵌させてある。このエンドレスの耐熱性フィルム22の内周長と加熱体23を含むステー21の外周長は、フィルム22の方を例えば3mm程度大きくしてあり、従ってフィルム22は周長に余裕を持って外嵌している。
ステー21はポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PPS、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス、金属、ガラス等との複合材料等で構成できる。本実施例では液晶ポリマーを用いた。
フィルム22には、耐熱性のあるPTFE、PFA、FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムを使用できる。熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上とすることが好ましい。本実施例では膜厚約50μmのポリイミドフィルムの外周表面にPTFEをコーティングしたものを用いた。フィルム22の外径は18mmとした。
加圧ローラ(加圧部材)24は、加熱体23との間にフィルム22を挟んで定着ニップ部Nを形成し、フィルム22を回転駆動させるフィルム外面接触駆動手段として機能する。この加圧ローラ24は芯金と弾性体層と最外層の離形層からなり、不図示の軸受け手段・付勢手段により所定の押圧力をもってフィルム22を挟ませて加熱体23の表面に圧接させて配設してある。本実施例では、芯金はアルミニウムを、弾性体層はシリコーンゴムを、離形層は厚さ約30μmのPFAのチューブを用いた。加圧ローラ24の外径は20mm、弾性体層の厚さは約3.5mmとした。
この加圧ローラ24は不図示の駆動系により矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ24の回転駆動により、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ24とフィルム22外面との摩擦力でフィルム22に回転力が作用する。この回転力により、フィルム22はその内面側が定着ニップ部Nにおいて加熱体23の表面に密着して摺動しながらステー21の外回りを矢印の方向に加圧ローラ24の回転周速度とほぼ同じ周速度で従動回転状態になる。
図3は本実施例における加熱体23の正面図及び通電制御を行う回路を表す図である。加熱体23は基板27、抵抗発熱体26、耐熱性オーバーコート層28、給電用電極29・30等からなり、全体に低熱容量である。基板27は、被加熱材としての記録材Pの搬送方向aに対して直角方向を長手とする細長の形状であり、耐熱性・絶縁性・良熱伝導性を有する。抵抗発熱体26は、基板27の表面(フィルム摺動面)側に基板長手に沿って形成具備される。耐熱性オーバーコート層28は、抵抗発熱体26を形成した加熱体表面を保護する。給電用電極29・30は、抵抗発熱体26の長手端部に設けられる。
本実施例の抵抗発熱体26は、銀・パラジウム・ガラス粉末(無機結着剤)・有機結着剤を混練して調合したペーストをスクリーン印刷により、加熱体基板27上に線帯状に形成して得たものである。抵抗発熱体の材料としては、銀パラジウム(Ag/Pd)以外にRuO、TaN等の電気抵抗材料を用いても良い。抵抗発熱体の抵抗値は常温で48.4Ωとした。
加熱体基板27は耐熱性・絶縁性を有し、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等のセラミックス材料が用いられる。本実施例では幅7mm・長さ270mm・厚さ1mmのアルミナ基板を使用している。給電用電極29・30は銀パラジウムのスクリーン印刷パターンを用いた。抵抗発熱体26を被覆するオーバーコート層28は、抵抗発熱体26と加熱体23表面との電気的な絶縁性とフィルム22の摺動性とを確保することが主な目的である。本実施例では、オーバーコート層28として厚さ約50μmの耐熱性ガラス層を用いた。
図3には加熱体23の裏面(非フィルム摺動面)も示している。加熱体23の裏面には、加熱体の温度を検知するために検温素子(温度検知手段)25が設けられている。本実施例では、検温素子として加熱体23から分離した外部当接型のサーミスタを用いている。この外部当接型サーミスタ25は、例えば支持体上に断熱層を設けその上にチップサーミスタの素子を固定し、素子を下側(加熱体裏面側)に向けて所定の加圧力により加熱体裏面に当接するような構成をとる。本実施例では、支持体として高耐熱性の液晶ポリマーを、断熱層としてセラミックスペーパーを積層したものを用いた。外部当接型サーミスタ25は最小通紙域内に設けられており、CPU31に通じている。加熱体23は、オーバーコート層28を形成してある表面側を下向きに露呈させてステー21の下面側に保持させて固定配設してある。以上の構成をとることにより、加熱体全体を熱ローラ方式に比べて低熱容量にすることができ、クイックスタートが可能になる。
加熱体23は、抵抗発熱体26の長手端部の給電用電極29・30に対する給電により抵抗発熱体26が長手全長にわたって発熱することで昇温する。その昇温が外部当接型サーミスタ25で検知され、外部当接型サーミスタ25の出力をA/D変換しCPU31に取り込む。CPU31は、その情報に基づいてトライアック32により抵抗発熱体26に通電する電力を位相制御あるいは波数制御等により制御して、加熱体23の温度を制御する。すなわち、外部当接型サーミスタ25の検知温度が所定の設定温度より低いと加熱体23が昇温するように、設定温度より高いと降温するように通電を制御することで、加熱体23は一定温度に保たれる。本実施例で用いたヒータ抵抗は、48.4Ωであるため、220V電圧を投入した場合、加熱体23は0W〜1000Wの範囲の電力が投入される。
上記の電力制御により、加熱体23の温度が所定に立ち上がり、かつ加圧ローラ24の回転によるフィルム22の回転周速度が定常化する。この状態において、フィルム22を挟んで加熱体23と加圧ローラ24とで形成される定着ニップ部Nに被加熱材としての画像定着すべき記録材Pが転写部より導入される。そして、記録材Pがフィルム22と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体23の熱がフィルム22を介して記録材Pに付与され記録材P上の未定着顕画像(未定着トナー像)が記録材P上に加熱定着
される。定着ニップ部Nを通過した記録材Pはフィルム22の面から分離されて搬送される。
(3.定着制御)
次に、本実施例における定着制御(電力制御)について説明する。本実施例ではPI制御を例にとり、説明する。PI制御とは、比例制御(以下、P制御と称する。)、積分制御(以下、I制御と称する。)を制御対象からの出力値に応じて組み合わせることにより、制御値を定めていく制御である。
本実施例のPI制御で用いる点灯デューティは、商用電源の半波を最低単位とし、その半波の所定の集まりを一周期している。点灯デューティは前記半波毎のオンオフの通伝比率により、複数の電力レベルで設定されている。なお、本実施例ではPI制御を例にとり電力制御を説明しているが、本発明はこれに限られるものではなく、微分制御(D制御)を含めたPID制御でも同様な効果が得られる。
PI制御では、外部当接型サーミスタの検知温度に基づいて、適切な点灯デューティをフィードバックさせている。ここで表したように、デューティーレベルのなめらかさと、フィードバックの応答性はトレードオフとなることが分かる。したがって、本実施例では、プリント動作の所定の作業に応じて、適正な更新周期を独立して設定するようにした。例えば、定着ニップ内に記録材を通過させる前のヒータ立ち上げ区間等の急峻に温度が変化する場合においては、更新周期を短め[一制御波数10半波(電力レベル11段階)、更新周期100ms(50Hz時)]に設定する。これにより、加熱体のオーバーシュート、アンダーシュートを改善することで画像の光沢ムラや定着性のムラ、フリッカーノイズが低減する。一方、定着ニップ内に記録材を通過させている通紙区間等の安定時においては、更新周期を長め[一制御波数20半波(電力レベル21段階)、更新周期200ms(50Hz時)]に設定する。これにより、加熱体の温度リップルを改善することで、画像レベルやフリッカーレベルが良好になる。このように、各区間に点灯デューティと更新周期のバランスをとることで、高速化に伴う弊害を防止することができる。
本実施例では通紙前のヒータの立ちあげ時の温調制御は、10半波を1制御周期[電力レベル11段階、更新周期100ms(50Hz時)]とした、次のようなPI制御により行っている。
D(t) = DP(t) + DI(t) = DP(t-1) + ΔDP + DI(t-1) + ΔDI = D(t-1) + ΔDP + ΔDI
= D(t-1) + 0.25×e(t) + ΔDI
ここで、
・D(t):次回に点灯するデューティ
・DP(t):点灯デューティのうちのP(比例制御)成分
・DI(t):点灯デューティのうちのI(積分制御)成分
・e(t):(目標温度)−(実温度)
・ΔDP:1制御周期毎に0.25×e(t)で計算されるレベルを増減する
(例えば、 e(t)=10の場合、0.25×10=2.5 →小数点以下切り捨て +2レベル)
・ΔDI:6制御周期連続してe(t)>0℃なら+1レベル
6制御周期連続してe(t)<0℃なら-1レベル。
である。
本実施例では定着器通紙区間の温調制御は、20半波を1制御周期[電力レベル21段階、更新周期200ms(50Hz時)]とした、次のようなPI制御により行っている。
D(t) = DP(t) + DI(t) = DP(t-1) + ΔDP + DI(t-1) + ΔDI = D(t-1) + ΔDP + ΔDI
= D(t-1) + 0.5×e(t) + ΔDI
ここで、
・D(t):次回に点灯するデューティ
・DP(t):点灯デューティのうちのP(比例制御)成分
・DI(t):点灯デューティのうちのI(積分制御)成分
・e(t):(目標温度)−(実温度)
・ΔDP:1制御周期毎に0.5×e(t)で計算されるレベルを増減する
(例えば、 e(t)=-5の場合、0.5×(-5)=-2.5 →小数点以下切り捨て -2レベル)
・ΔDI:3制御周期連続してe(t)>0℃なら+1レベル
3制御周期連続してe(t)<0℃なら-1レベル。
である。
(4.比較例)
本実施例の効果を示すために、以下の比較例と比較した。その際、比較したのは、ヒータ立ち上げ区間の、オーバーシュート、アンダーシュートによる温度リップルと、通紙区間の温度リップルである。ヒータ立ち上げ区間の温度リップルは、オーバーシュートと、その次のアンダーシュートをした際の、温度差の値である。また、通紙区間の温度リップルは坪量80g/mのA4の普通紙を、コールド状態から、連続100枚通紙した際の通紙時で最も大きな値を表している。通紙環境は、通常のオフィス環境を想定した23℃/50%で、投入電圧は220Vである。
(比較例1)ヒータ立ち上げ区間と、通紙区間でPI制御及び、更新周期は同じ。
点灯デューティは、20半波を1制御周期とし、電力レベルは0〜1000Wを21段階に区切り、更新周期200ms(50Hz時)とした構成。
(比較例2)ヒータ立ち上げ区間と、通紙区間でPI制御及び、更新周期は同じ。
点灯デューティは、10半波を1制御周期とし、電力レベルは0〜1000Wを電力レベル6段階に区切り、更新周期100ms(50Hz時)とした構成。
(比較例3)ヒータ立ち上げ区間と、通紙区間でPI制御及び、更新周期は異なり、通紙時の方がヒータ立ち上げ区間に対して、更新周期が短い。
ヒータ立ち上げ区間の点灯デューティは、20半波を1制御周期とし、電力レベルは0〜1000Wを21段階に区切り、更新周期200ms(50Hz時)とした構成。
一方、通紙時の点灯デューティは、10半波を1制御周期とし、電力レベルは0〜1000Wを電力レベル11段階に区切り、更新周期100ms(50Hz時)とした構成。
本実施例および上記3つの比較例の結果を以下の表1に示す。
Figure 0005839839
本発明者等の実験によれば、表1に表した通り、比較例1のようにヒータ立ち上げ区間に更新周期を長く設定すると、フィードバックが遅れ、20℃程度の温度リップルが発生することがわかった。なお、立ちあげ時の温度リップルは、10℃を超えると、立ち上げ直後の通紙時の温度リップルへも影響を及ぼし画像不良を出すことが分かっている。従って、ヒータ立ち上げ区間の温度リップルを10℃以下に抑えることが好ましい。
また、本発明者等の実験によれば、比較例2のように通紙区間に更新周期を短くすると
、デューティーレベルのなめらかさが低いため、特に定着器が温まってきた状態において、所定の温度に収束させられず、6℃程度の温度リップルが発生することがわかった。なお、通紙区間の温度リップルは5℃を超えると、画像等に光沢ムラ及び、定着性のムラが発生し、フリッカーノイズが悪化することが確認された。従って、通紙区間の温度リップルを5℃以下に抑えることが好ましい。
また、本発明者の実験によれば、比較例3のように通紙区間よりも、ヒータ立ち上げ区間の更新周期を長くすると、いずれの温度リップルも大きいことがわかった。
本実施例1の構成を採用することで、ヒータ立ち上げ区間にも通紙区間にも、加熱体のオーバーシュート、アンダーシュート、温度リップルを低減することが可能となる。したがって、プリンタ・複写機の高速化に伴う、画像の光沢ムラや定着性のムラ、フリッカーノイズを低減することが可能となる。
本実施例では、加熱ヒータの立ち上げ開始から、定着目標温度に応じたオフセット電力を投入しPI制御を行っている。よりヒータ立ち上げ時間を短縮する為には、例えば、初期に所定の立ち上げ電力(初期オフセット電力1)で与えられる最大電力でヒータを立ち上げてもよい。この場合、目標温度ぎりぎりまで初期オフセット電力1で点灯すると、オーバーシュートしてしまう。そこで、目標温度よりも低い温度(レディ温度)まで初期オフセット電力1で点灯し、レディ温度に到達した時点で、改めて初期オフセット電力(初期オフセット電力2)を設定したのち、PI制御に移行するような立ち上げ方法であっても良い。こうすることで、ヒータ立ち上げ時間を短縮し、かつ温度リップルのさらなる低減を可能とする。この際、初期オフセット電力1及び初期オフセット電力2は定着器の状態によって最適な値に決定されることで、さらに温度リップルの低減を可能とする。たとえば、定着器の温度状態が反映されるサーミスタ等の出力値に応じてそれぞれの値が変更される構成であると好ましい。
本実施例では、加熱ヒータの立ち上げ開始から定着目標温度までを立ち上げ区間として、この区間内では制御更新周期を一定としているが、この区間の中でも制御更新周期を可変としても良い。例えば、目標温度まで温度差が大きいときは更新周期を長めにし、目標温度まで温度差が小さい時は更新周期を短めにすることでも同様な効果が得られる。この制御は、立ち上げ区間において区間後半の方が区間前半よりも制御更新周期が短い制御と表現することもできる。また、本実施例では、加熱ヒータの立ち上げ開始から、定着目標温度までを立ち上げ区間として表してきたが、目標温度まで温度差があるときであれば適用できる。たとえば、紙間において温調を下げたのち、次の紙で目標温度まで立ち上げるときに本実施の構成を用いても同様な結果が得られる。
[実施例2]
本実施例は、実施例1とほぼ同様な構成をとる。主に異なる点に関し以下に記す。
国、地域によって様々な商用電源の電圧値が存在する。例えば、欧州圏のイギリスでは230V/240V、ドイツ・フランス等では127V/230V、アジア圏の中国、韓国などでは110V/220V、北米圏などのアメリカは120V、カナダは120V/240Vである。そこで、各国に供給する画像形成装置を共通化し、コストダウンを図るといった理由で、100V〜127V程度に対応した100V機と、200V〜240V程度の電圧に対応した200V機の二つに絞り供給を行っている。100V機、200V機とも、それぞれの電圧範囲内で使用できるように設定している。そういった状況を受けて、本実施例は、それぞれ電圧の変動による、ヒータ立ち上げ区間のオーバーシュート、アンダーシュート及び、通紙区間の温度リップルを抑制する構成を提供するものである。
実施例1では、加熱ヒータの立ち上げ開始から、定着目標温度までを立ち上げ区間とし
て一律の制御更新周期としたものの、本実施例2は、さらに、加熱ヒータの立ち上げスピードによって、制御更新周期を可変とする。例えば、投入する電圧が高い場合は、投入電力が高くなるため、加熱ヒータの立ち上げスピードは速くなる。その結果、ヒータ立ち上げ区間のオーバーシュート、アンダーシュートが大きくなるため、さらに更新周期を速めることが好ましい。例えば、200V機に240Vの電圧が投入された場合は、220Vの電圧が投入されているよりも、1.2倍の電力が投入されるため、加熱ヒータの立ち上げスピードはその分速くなる。立ち上げスピードを表わす一例であるサーミスタの検出温度の変化率に応じて、制御の更新周期を多段階的に可変とさせることで、さらに電圧変動等によって立ち上がりスピードが異なる場合も、温度リップルを低減させることができる。
本実施例は、サーミスタによる加熱ヒータの検知温度の時間変化を、ヒータ立ち上げ開始前と、開始後約1.0秒後のサーミスタの温度の差分として検出する。もちろん、その他の方法によって温度変化率を求める構成としてもかまわない。そして、本実施例では検知された温度変化率に応じて、制御周期を変化させる。また、本実施例では、220Vと240Vの電力の差を切り分けるような閾値(ΔT1)をあらかじめ設定しておき、温度差分と閾値の比較により投入電力を判断している。
ヒータの立ち上がりの際、加熱ヒータの温度変化率が、閾値ΔT1よりも小さい場合は、実施例1と同様に10半波を1制御周期[電力レベル11段階、更新周期100ms(50Hz時)]としてPI制御を行う。
一方、加熱ヒータの温度変化率が、閾値ΔT1よりも大きい場合は、8半波を1制御周期[電力レベル9段階、更新周期80ms(50Hz時)]として、次のようなPI制御により行う。
D(t) = DP(t) + DI(t) = DP(t-1) + ΔDP + DI(t-1) + ΔDI = D(t-1) + ΔDP + ΔDI
= D(t-1) + 0.25×e(t) + ΔDI
ここで、
・D(t):次回に点灯するデューティ
・DP(t):点灯デューティのうちのP(比例制御)成分
・DI(t):点灯デューティのうちのI(積分制御)成分
・e(t):(目標温度)―(実温度)
・ΔDP:1制御周期毎に0.20×e(t)で計算されるレベルを増減する
(ex. e(t)=9の場合、0.20×9=1.8 →小数点以下切り捨て +1レベル)
・ΔDI:8制御周期連続してe(t)>0℃なら+1レベル
8制御周期連続してe(t)<0℃なら-1レベル。
である。なお、定着器通紙区間の温調制御は、実施例1と同様である。
本実施例の効果を表すために、実施例1と電圧が異なった場合の温度リップルを比較する。その際、比較したのは、ヒータ立ち上げ区間の、オーバーシュート、アンダーシュートによる温度リップルと、通紙区間の温度リップルである。ヒータ立ち上げ区間の温度リップルは、オーバーシュートと、その次のアンダーシュートをした際の、温度差の値である。また、通紙区間の温度リップルは坪量80g/mのA4の普通紙を、コールド状態から、連続100枚通紙した際の通紙時で最も大きな値を表している。通紙環境は、通常のオフィス環境を想定した23℃/50%である。
Figure 0005839839
本発明者等の実験によれば、表2に表したとおり、本実施例2で240Vを投入したときの温度リップルは9℃であり、実施例1の14℃に対し、低減することがわかる。したがって、以上述べてきたように本実施例2の構成において、投入電力が異なり、加熱体の立ち上げスピードが異なった場合でも、加熱体のオーバーシュート、アンダーシュート、温度リップルを低減することが可能となる。ひいては、プリンタ・複写機の高速化に伴う、画像の光沢ムラや定着性のムラ、フリッカーノイズを低減することが可能となる。
本実施例では、加熱ヒータの立ち上げ開始から定着目標温度までを立ち上げ区間として、この区間内では制御更新周期を一定としているが、この区間の中でも制御更新周期を可変としても良い。例えば、目標温度まで温度差が大きいときは更新周期を長めにし、目標温度まで温度差が小さい時は更新周期を短めにすることでも同様な効果が得られる。この制御は、立ち上げ区間において区間後半の方が区間前半よりも制御更新周期が短い制御と表現することもできる。
[実施例3]
本実施例は、実施例1とほぼ同様な構成をとる。主に異なる点に関し以下に記す。
実施例1は、商用電源の1半波を最低単位として点灯デューディを制御する波数制御を採用しているが、本実施例は、商用電源の1半波内の位相角を制御する方式である位相制御と波数制御を組み合わせた制御で採用する。
波数制御と位相制御を組み合わせた制御に関して、以下説明を行う。
波数制御は、上記のように所定周期内の1半波に対して、100%通電もしくは非通電(0%通電)のいずれかとする制御である。これに対して位相制御は、同じ周期内に1半波に対して通電角を制御した波形を含ませることで、所定周期での点灯デューティを多段階に制御するものである。本実施例は、連続する複数半波のうち一部に位相制御を採用し、その他に波数制御を採用することで、多段階の点灯デューティ設定を可能とする。ここでは、このような制御をハイブリッド制御と定義する。すなわちハイブリッド制御は、特開2003−123941号公報に提案されているように、基本的に数半波を1単位とした波数制御であり、その内の数半波に対して位相制御を行うものである。
ハイブリッド制御では制御周期内に位相制御を行う波形を含むため、ここで細かい点灯デューティの設定ができ、波数制御だけで点灯デューティを制御する場合よりも制御周期を短くできる。
本実施例では点灯デューティの制御周期は、ヒータ立ち上げ区間を4半波単位、通紙区間を8半波単位としたことから、ここで交流電源が50Hzの場合には制御周期(更新周期)はそれぞれ40msec、と80msecとなる。
例えば、8半波単位で通常の波数制御を行った場合は、点灯デューティは12.5%刻みでしか制御できないため、ヒータに供給される電力の変動幅が大きくなる。するとヒータの温度リップルも大きくなるため、光沢ムラ及び、定着性のムラが発生し、フリッカーノイズが悪化しやすい。これに対して、本実施例に用いるハイブリッド制御では波数制御
中に位相制御を行う半波を数波含むことで、4半波単位、もしくは8半波単位でも細かい点灯デューティを設定でき、上記問題を改善できる。
ハイブリッド制御では1単位あたりの波数(制御周期=更新周期)をより少なくすることができるが、あまり少なくすると全体における位相制御の比率が高くなるため高調波電流が増大する。したがって本実施例ではバランスのとれた8半波を点灯デューティの更新周期として設定した。無論、装置構成によってこれは異なるものであり、この設定に限定するものではない。
なお、実際の制御では各点灯デューティごとにあらかじめAC電圧の波形パターンを設定しておき、PI制御によって設定される点灯デューティごとに各パターンにしたがった波形で通電する。
表3、及び表4に本実施例の点灯デューティごとの波形パターンを示す。本実施例では4半波を所定周期とし、点灯デューティを10%刻みとして計11パターンの波形設定(表3)と、8半波を所定周期とし、点灯ディーティーを5%刻みとして0%から100%まで計21パターンの波形設定(表4)と、を有する。なお、通紙前のヒータ立ち上げ区間に関しては表3の制御を使用し、通紙区間に関しては表4の制御を使用する。
Figure 0005839839
Figure 0005839839
先に述べたように、本実施例では通紙前のヒータの立ちあげ時の温調制御は、4半波を1制御周期[電力レベル11段階、更新周期40ms(50Hz時)]とした、次のようなPI制御により行っている。
D(t) = DP(t) + DI(t) = DP(t-1) + ΔDP + DI(t-1) + ΔDI = D(t-1) + ΔDP + ΔDI
= D(t-1) + 0.25×e(t) + ΔDI
ここで、
・D(t):次回に点灯するデューティ
・DP(t):点灯デューティのうちのP(比例制御)成分
・DI(t):点灯デューティのうちのI(積分制御)成分
・e(t):(目標温度)―(実温度)
・ΔDP:1制御周期毎に0.25×e(t)で計算されるレベルを増減する
(例えば、 e(t)=10の場合、0.25×10=2.5 →小数点以下切り捨て +2レベル)
・ΔDI:10制御周期連続してe(t)>0℃なら+1レベル
10制御周期連続してe(t)<0℃なら-1レベル。
である。
本実施例では定着器通紙区間の温調制御は、8半波を1制御周期[電力レベル21段階
、更新周期80ms(50Hz時)]とした、次のようなPI制御により行っている。
D(t) = DP(t) + DI(t) = DP(t-1) + ΔDP + DI(t-1) + ΔDI = D(t-1) + ΔDP + ΔDI
= D(t-1) + 0.5×e(t) + ΔDI
ここで、
・D(t):次回に点灯するデューティ
・DP(t):点灯デューティのうちのP(比例制御)成分
・DI(t):点灯デューティのうちのI(積分制御)成分
・e(t):(目標温度)―(実温度)
・ΔDP:1制御周期毎に0.5×e(t)で計算されるレベルを増減する
(例えば、e(t)=-5の場合、0.5×(−5)=−2.5 →小数点以下切り捨て −2レベル)
・ΔDI:5制御周期連続してe(t)>0℃なら+1レベル
5制御周期連続してe(t)<0℃なら-1レベル。
本実施例の効果を示すために、以下の比較例と比較した。
(比較例4)ヒータ立ち上げ区間と、通紙区間でPI制御及び、更新周期は同じ。
点灯デューティは、4半波を1制御周期とし、電力レベルは0〜1000Wを11段階に区切り、更新周期40ms50Hz時)とした構成。
(比較例5)ヒータ立ち上げ区間と、通紙区間でPI制御及び、更新周期は同じ。
点灯デューティは、8半波を1制御周期とし、電力レベルは0〜1000Wを21段階に区切り、更新周期80ms(50Hz時)とした構成。
本実施例の効果を表すために、比較例4、比較例5の温度リップルと比較する。その際、比較したのは、ヒータ立ち上げ区間の、オーバーシュート、アンダーシュートによる温度リップルと、通紙区間の温度リップルである。ヒータ立ち上げ区間の温度リップルは、オーバーシュートと、その次のアンダーシュートをした際の、温度差の値である。また、通紙区間の温度リップルは坪量80g/mのA4の普通紙を、コールド状態から、連続100枚通紙した際の通紙区間で最も大きな値を表している。通紙環境は、通常のオフィス環境を想定した23℃/50%である。投入電圧は220Vである。
Figure 0005839839
本発明者等の実験によれば、表5に表した通り、本実施例の構成により、ヒータ立ち上げ区間の温度リップルは3℃、通紙区間の温度リップルは1℃であり、比較例4、比較例5よりも良好であることが確認された。
したがって、本実施例の構成において、加熱体のオーバーシュート、アンダーシュート、温度リップルを低減することが可能となり、プリンタ・複写機の高速化に伴う、画像の光沢ムラや定着性のムラ、フリッカーノイズを低減することが可能となる。
本実施例では、加熱ヒータの立ち上げ開始から、定着目標温度に応じたオフセット電力を投入しPI制御を行っている。よりヒータ立ち上げ時間を短縮する為には、例えば、初期に所定の立ち上げ電力(初期オフセット電力1)で与えられる最大電力でヒータを立ち上げてもよい。この場合、目標温度ぎりぎりまで初期オフセット電力1で点灯すると、オーバーシュートしてしまう。そこで、目標温度よりも低い温度(レディ温度)まで初期オ
フセット電力1で点灯し、レディ温度に到達した時点で、改めて初期オフセット電力(初期オフセット電力2)を設定したのち、PI制御に移行するような立ち上げ方法であっても良い。こうすることで、ヒータ立ち上げ時間を短縮し、かつ温度リップルのさらなる低減を可能とする。この際、初期オフセット電力1及び初期オフセット電力2は定着器の状態によって最適な値に決定されることで、さらに温度リップルの低減を可能とする。たとえば、定着器の温度状態が反映されるサーミスタ等の出力値に応じてそれぞれの値が変更される構成であると好ましい。
また、本実施例では、加熱ヒータの立ち上げ開始から、定着目標温度までを立ち上げ区間として、この区間内では制御更新周期を一定としているが、この区間の中でも制御更新周期を可変としても良い。例えば、目標温度まで温度差が大きいときは更新周期を長めにし、目標温度まで温度差が小さい時は更新周期を短めにすることでも同様な効果が得られる。この制御は、立ち上げ区間において区間後半の方が区間前半よりも制御更新周期が短い制御と表現することもできる。また、本実施例では、加熱ヒータの立ち上げ開始から、定着目標温度までを立ち上げ区間として表してきたが、目標温度まで温度差があるときであれば適用できる。たとえば、紙間において温調を下げたのち、次の紙で目標温度まで立ち上げるときに本実施の構成を用いても同様な結果が得られる。
11‥‥加熱装置
23‥‥加熱体(ヒータ)
24‥‥加圧ローラ
25‥‥検温素子(サーミスタ)
32‥‥トライアック
N‥‥定着ニップ部
P‥‥記録材

Claims (3)

  1. ヒータを有する加熱部材と、
    前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
    前記ヒータに供給する電力を前記温度検知部の検知温度に応じて制御周期毎に更新しつつ前記検知温度が目標温度になるように制御する制御部と、
    を有し、前記ニップ部未定着トナー像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー像を記録材に定着する定着装置において、
    記制御周期は、前記ヒータへの電力供給を開始してから前記検知温度が前記目標温度に達するまでの期間であるウォームアップ期間の方が、前記ニップ部において記録材を搬送しながら定着処理を行う期間である定着処理期間よりも短く、
    前記ウォームアップ期間における前記制御周期は、前記ウォームアップ期間における前記検知温度の時間変化率が所定値よりも大きい場合は小さい場合よりも短いことを特徴とする定着装置。
  2. ヒータを有する加熱部材と、
    前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
    前記ヒータに供給する電力を前記温度検知部の検知温度に応じて制御周期毎に更新しつつ前記検知温度が目標温度になるように制御する制御部と、
    を有し、前記ニップ部で未定着トナー像が形成された記録材を搬送しながら加熱して前記未定着トナー像を記録材に定着する定着装置において、
    前記制御周期は、前記ヒータへの電力供給を開始してから前記検知温度が前記目標温度に達するまでの期間であるウォームアップ期間の方が前記ニップ部において記録材を搬送しながら定着処理を行う期間である定着処理期間よりも短く、
    前記ウォームアップ期間の前記制御周期は、前記ウォームアップ期間におけ記目標温度と前記検知温度との差が閾値よりも小さい場合は大きい場合よりもことを特徴とする定着装置。
  3. 前記ヒータに供給する電力の制御は、交流電源を利用した波数制御もしくは波数制御と
    位相制御を組み合わせた制御であることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
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