JP2016024349A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘導加熱方式の定着装置においてコアを小型化した場合、磁束飽和を防止するために上限電力を設定すると、FPOTが遅くなってしまう。【解決手段】コア温度を検知する手段を設け、コア温度に応じて上限電力の設定値を変更する。【選択図】図4
Description
本発明は、電磁誘導加熱方式の定着装置、及び、この定着装置を具備した画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載される定着装置は、加熱回転体とそれに圧接する加圧ローラとで形成されたニップ部で未定着トナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱してトナー像を記録材に定着するものが一般的である。
近年、加熱回転体の導電層を直接発熱させることができる電磁誘導加熱方式の定着装置が提案されており、これらはウォーミングアップ時間が短く、消費電力も低いという利点を持つ。
特許文献1には、交番磁束が通る磁気回路内に導電体にて形成した筒体を備え、前記筒体に誘起された起電流と筒体の電気抵抗とにより該筒体を発熱される方式の定着装置が開示されている。本方式は、筒体そのものがヒータとして作用するため、簡単な構成で熱効率が高い等のメリットがある。
近年、定着装置の小型化や加熱回転体の低熱容量化を目的として加熱回転体の小径化の要望が高まっている。そのための手段として、加熱回転体内部に配設されるコイルおよびコアを小型化する方法があるが、コアを小型化するとコアの磁気飽和を考慮する必要がある。
コアが磁気飽和してしまうと、コイルのインダクタンスが急激に低下してしまいコイルに大電流が流れることで電源が故障してしまうためである。磁気飽和はコア内部に発生する磁束が飽和磁束を超えてしまった時に起こる。
図10はコアの断面積(磁束発生方向と垂直な面の面積)と飽和磁束の関係を表したものであが、コアの断面積が小さいほど飽和磁束も小さくなっている。また、図10に示すように飽和磁束はコア温度にも依存しており、コア温度が高いほど小さくなる。
そこで従来は、画像形成装置使用下におけるコアの最も高い到達温度における飽和磁束以上の磁束を発生させないようにコア内部に発生させる磁束を制限する必要があった。すなわち、加熱回転体の小型化のためにコアを小さくすると、発生させる磁束が制限される。そのため、加熱回転体の小型化による低熱容量化の効果を十分に発揮できず、却って加熱装置の立ち上げに時間がかかるため、FPOT(First Print Out Time)が長くなってしまうという課題があった。
本発明は上記課題を解決するためのものであって、コアを小型化してもFPOTを遅延させない定着装置を提供するものである。
上記の目的を達成するための本発明に係る定着装置の代表的な構成は、磁性芯材と励磁コイルと加熱回転体とを有し前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記加熱回転体が電磁誘導により発熱し画像を記録材に定着する定着装置であって、前記磁性芯材の温度を取得する温度取得部と、前記温度取得部の取得温度に応じて前記励磁コイルで発生させる上限磁束を設定する設定部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、FPOTを満足しつつ、さらなる磁性芯材の小型化を達成することができる。
[実施例1]
1.定着装置を備えた画像形成装置の概略説明
図1は本実施例の定着装置を用いた画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、電子写真方式のレーザービームプリンタである。101は像担持体としての感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)にて回転駆動する。感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
1.定着装置を備えた画像形成装置の概略説明
図1は本実施例の定着装置を用いた画像形成装置100の概略構成図である。画像形成装置100は、電子写真方式のレーザービームプリンタである。101は像担持体としての感光体ドラムであり、矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)にて回転駆動する。感光体ドラム101はその回転過程で帯電ローラ102により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
103は画像露光手段としてのレーザービームスキャナである。スキャナ103は、不図示のコンピュータ等の外部機器から入力され、画像処理手段によって生成されたデジタル画像信号に対応してオン/オフ変調されたレーザー光Lを出力して、感光体ドラム101の帯電処理面を走査露光する。この走査露光により感光体ドラム101表面の露光明部の電荷が除電されて感光体ドラム101表面に画像信号に対応した静電潜像が形成される。
104は現像装置であり、現像ローラ104aから感光体ドラム101表面に現像剤(トナー)が供給されて、感光体ドラム101表面の静電潜像は、可転写像であるトナー像として順次に現像される。
105は給送カセットであり、記録材Pを積載収納させてある。給送スタート信号に基づいて給送ローラ106が駆動されて、給送カセット105内の記録材Pは、一枚ずつ分離給送される。そして、レジストローラ対107を介して、感光体ドラム101と接触して従動回転する転写ローラ108との当接ニップ部である転写部位108Tに、所定のタイミングで導入される。すなわち、感光体ドラム101上のトナー像の先端部と記録材Pの先端部とが、同時に転写部位108Tに到達するように、レジストローラ107で記録材Pの搬送が制御される。
その後、記録材Pは転写部位108Tを挟持搬送され、その間、転写ローラ108には不図示の転写バイアス印加電源から所定に制御された転写電圧(転写バイアス)が印加される。転写ローラ108にはトナーと逆極性の転写バイアスが印加され、転写部位108Tにおいて感光体ドラム101表面側のトナー像が記録材Pの表面に静電的に転写される。転写後の記録材Pは、感光体ドラム101表面から分離されて搬送ガイド109を通り画像加熱装置としての定着装置(定着器)Aに導入される。
記録材Pは定着装置Aにおいて、トナー画像の熱定着処理を受ける。一方、記録材Pに対するトナー像転写後の感光体ドラム101表面はクリーニング装置110で転写残トナーや紙粉等の除去を受けて清浄面化され、繰り返して作像に供される。定着装置Aを通った記録材Pは、排出口111から排出トレイ112上に排出される。
2.定着装置の概略説明
本実施例において、定着装置Aは電磁誘導加熱方式の加熱装置である。図2は本例の定着装置Aの要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の斜視図である。
本実施例において、定着装置Aは電磁誘導加熱方式の加熱装置である。図2は本例の定着装置Aの要部の横断側面模型図、図3は要部の正面模型図、図4は要部の斜視図である。
加圧部材(ニップ形成部材)としての加圧ローラ8は、芯金8aと、前記芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた耐熱性・弾性材層8bとで構成されており、表層に離型層8cを設けてある。弾性層8bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等で耐熱性がよい材質が好ましい。芯金8aの両端部は装置の不図示のシャーシ側板金間に導電性軸受けを介して回転自由に保持させて配設してある。
また、図3中加圧用ステイ5の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材18a、18bとの間にそれぞれ加圧バネ17a、17bを縮設することで加圧用ステイ5に押し下げ力を作用させている。なお、本実施例の定着装置Aでは、総圧約100N〜250N(約10kgf〜約25kgf)の押圧力を与えている。
これにより、耐熱性を有するPPS等の樹脂で構成されたスリーブガイド部材6の下面と加圧ローラ8の上面とが、導電層を有し回転可能な円筒形の加熱回転体である定着スリーブ1を挟んで圧接し記録材搬送方向において所定幅の定着ニップNが形成される。
加圧ローラ8は不図示の駆動手段により矢示の反時計方向に回転駆動され、定着ニップNにおける定着スリーブ1の外面との摩擦力で定着スリーブ1に回転力が作用する。これにより、定着スリーブ1が、その内面が定着ニップNにおいてスリーブガイド部材6の面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に従動回転する。記録材Pは定着ニップNに導入されて挟持搬送される。
フランジ部材12a・12bはスリーブガイド6の左右両端部(一端側と他端側)に外嵌され、左右位置を規制部材13a・13bで固定しつつ回転自在に取り付けられている。そして、定着スリーブ1の回転時に前記定着スリーブ1の端部を受けて定着スリーブのスリーブガイド部材長手に沿う寄り移動を規制する役目をする。フランジ部材12a・12bの材質としては、LCP(Liquid Crystal Polymer:液晶ポリマー)樹脂等の耐熱性の良い材料が好ましい。
ここで、定着装置Aに関して、正面側とは記録材Pを導入する側である。左右とは定着装置Aを正面側から見て左または右である。
定着スリーブ1は、基層となる導電性部材でできた発熱層(導電層)1aと、その外面に積層した弾性層1bと、その外面に積層した離型層1cの複合構造の筒形の加熱回転体である。定着スリーブ1の径は小さいほど加熱装置全体を小型化でき、また熱容量も小さくなるため、定着スリーブ1を加熱した際の昇温速度が速くなる。導電層1aの材料は、透磁率の小さいオーステナイト系ステンレス、銅、アルミニウム、銀を用いる。
しかし、定着スリーブ1の径を小さくし過ぎると、定着スリーブ1と定着スリーブ内部に配設される励磁コイル3などの部材が接触して、定着スリーブ1の回転を妨げたり、熱を奪ってしまい、記録材の搬送性や定着性能に影響を及ぼしてしまう。
本実施例では後述の方法により磁性コアを小径化することにより定着スリーブ内径をφ30mmまで小径化したものを採用することができた。発熱層1aは、膜厚10〜50μmの金属フィルムとし、弾性層1bは、硬度が20度(JIS−A、1kg加重)のシリコーンゴムを0.3mm〜0.1mm成形している。そして、弾性層1b上に表層1c(離型層)として50μm〜10μmの厚さのフッ素樹脂チューブを被覆している。
この発熱層1aに対し、交番磁束を作用させ、誘導電流を発生させて発熱する。この熱が弾性層1b、離型層1cに伝達されて、定着スリーブ1全体が加熱され、定着ニップ部Nに通紙される記録材Pを加熱してトナー像Tの定着がなされる。
発熱層1aに対し、交番磁束を作用させ、誘導電流を発生させる機構について詳述する。図4は定着装置構成の斜視図である。磁性芯材としての磁性コア2は、不図示の固定手段で定着スリーブ1の中空部を貫通(挿入)して配置させ、磁極NP,SPを持つ直線状の開磁路を形成している。即ち、定着スリーブ1の中空部には、定着スリーブ1の母線方向に長い磁性コア2が挿通されている。磁性コア2は、定着スリーブ1の外側でループを形成しない形状、つまり有端形状であり、磁路の一部が断絶した開磁路を形成している。
磁性コア2の材質は、ヒステリシス損が小さく比透磁率の高い材料、例えば、焼成フェライト、フェライト樹脂、非晶質合金(アモルファス合金)や、パーマロイ等の高透磁率の酸化物や合金材質で構成される強磁性体が好ましい。
本実施例においては、磁性コア2として比透磁率1800の焼成フェライトを用いる。形状は円柱形状をしており、長手長さは240mmである。本実施例では、図4のX方向(定着)スリーブ1の回転軸線方向、もしくは母線方向)から見たコアの断面積は、後述する上限磁束の設定により120mm2まで小型化したものを採用することができた。
励磁コイル3は、通常の単一導線を定着スリーブ1の中空部において、磁性コア2に螺旋状に巻き回して形成される。即ち、励磁コイル3は、中空部において磁性コアの外側に前記母線方向に交差する方向に磁性コアに直接もしくはボビンなどの他物を介して巻かれている。そのため、この励磁コイル3に給電接点部3a,3bを介して高周波コンバータ16などで高周波電流(交番電流、交流電流)を流すと、定着スリーブ1の母線方向に平行な方向に磁束を発生させることができる。
本実施例の定着装置の定着スリーブ1の発熱原理について説明する。本実施例の定着装置は、図11の(a)に示すように、磁性コア2の一端から出た磁束のうち少なくとも70%以上、好ましくは90%以上、が導電層の外側を通って磁性コア2の他端に戻るようにする。これにより、導電層1aとコイル3との結合係数が高い構成を有する。そして、図11の(b)に示すように、導電層1aに流れる周方向の電流Jによるジュール熱で導電層を発熱させる。
3.定着装置の温度制御
図4を用いて定着装置Aの温度制御方法を説明する。40は制御回路部(制御部)である。温度検知素子9、10、11は非接触型サーミスタなどによって構成され、定着スリーブ1の温度を検知する(定着スリーブ1の温度取得部)。温度検知素子9、10、11の信号(検知温度に関する電気的信号)は制御回路部40の定着温度制御部44において設定温度に対応する信号値と比較される。制御回路部40のエンジン制御部(設定部)43はその比較結果から高周波コンバータ16に投入する電力を決定する。制御回路部40の電力制御部46は上記決定された電力を高周波コンバータ16に投入する。
図4を用いて定着装置Aの温度制御方法を説明する。40は制御回路部(制御部)である。温度検知素子9、10、11は非接触型サーミスタなどによって構成され、定着スリーブ1の温度を検知する(定着スリーブ1の温度取得部)。温度検知素子9、10、11の信号(検知温度に関する電気的信号)は制御回路部40の定着温度制御部44において設定温度に対応する信号値と比較される。制御回路部40のエンジン制御部(設定部)43はその比較結果から高周波コンバータ16に投入する電力を決定する。制御回路部40の電力制御部46は上記決定された電力を高周波コンバータ16に投入する。
また、磁性コア2には磁性コア温度を検知(取得)するための温度取得部としての温度検知素子14が当接されている。温度検知素子14の検知温度情報がエンジン制御部43に入力する。エンジン制御部43はその温度検知結果(取得温度)に応じて磁性コア2に発生させる磁束の上限値を設定する。磁束の上限値設定については以下で詳細に説明する。
4.上限磁束設定方法
図5は磁性コア2の温度と磁性コア2が磁束飽和する磁束の関係を示したものである。磁性コア温度が高くなる程、磁束飽和する磁束が小さくなっている。また、本実施例の画像形成装置において、磁性コア温度が最も高くなる条件は記録材を長時間連続プリントした時であり、約60分の連続プリントで最も高い温度に到達し、その到達温度は190〜200℃であった。
図5は磁性コア2の温度と磁性コア2が磁束飽和する磁束の関係を示したものである。磁性コア温度が高くなる程、磁束飽和する磁束が小さくなっている。また、本実施例の画像形成装置において、磁性コア温度が最も高くなる条件は記録材を長時間連続プリントした時であり、約60分の連続プリントで最も高い温度に到達し、その到達温度は190〜200℃であった。
そこで、本実施例では磁性コア温度200℃以下の範囲で、磁性コア温度に応じて磁束飽和しないように励磁コイル3に発生させる上限磁束を設定する。上限磁束の設定は、図6のように磁束を電力に換算し、上限電力を設定することにより行う。図5と図6から、磁性コア温度と磁束飽和しないための電力の関係式を図7に示す。図7の実線が磁束飽和しないための電力であるが、本実施例では磁性コア温度に応じて図7の点線で示すように上限電力を設定した。
5.効果確認
表1に示す本実施例の上限電力設定において、磁性コア温度が25℃、100℃、150℃、180℃の状態から電力を投入した時に、定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
表1に示す本実施例の上限電力設定において、磁性コア温度が25℃、100℃、150℃、180℃の状態から電力を投入した時に、定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
比較例1:磁性コア温度に依らず上限電力を450Wに設定したものでも同様に定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
比較例2:磁性コア断面積を、磁性コア温度が200℃の場合に1500Wの電力を投入しても磁束飽和を起こさないように250mm2とした。それに伴い、定着スリーブ内径をφ40mmと大きくした構成においても定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
結果を表2に示す。本実施例では到達時間目標を7.5秒以内と設定した。
本実施例においては磁性コア温度が高い場合、上限電力が小さい値に制限される。即ちエンジン制御部(設定部)43は、上限電力の設定値を磁性コア温度(取得温度)が高いほど小さく設定する。しかし、定着装置自体の暖まっているため、定着スリーブ1を定着可能温度に到達させるのに多くの熱量を必要としない。したがって上限電力が小さくても短い時間で定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることができる。また、磁性コア温度が低い場合は上限電力が大きいため、加熱装置自体が暖まっていなくても短い時間で定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることができる。
一方、比較例1では磁性コア温度が高い場合は本実施例と同様に目標時間以内で定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることができる。しかし、磁性コア温度が低い場合においては投入電力を磁性コア温度が高い場合と同様の値に制限されているため、目標時間以内に定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることが出来なかった。
また、比較例2では投入電力が磁性コア温度に寄らず1500Wと高いが、定着スリーブ1の内径が大きくなったことにより定着スリーブ1の熱容量が大きくなる。そのため、磁性コア温度が高い場合は目標時間以内に定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることができるが、磁性コア温度が低い場合に目標温度以内に定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることが出来なかった。
以上説明したように、磁性コア温度を検知する手段を設け、磁性コア温度に応じて励磁コイルに発生させる磁束の上限値を変更することにより、磁性コアを小型化しても短い時間で定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることができた。
なお、上限電力の設定は本実施例のようにコア温度に対して段階的に設定する方法に限られるものではなく、例えばコア温度に対して連続的に上限電力を設定する方法等も適用できる。
[実施例2]
以下に実施例2について説明する。実施例1では磁性コア2の温度を取得する温度取得部が磁性コア2に設けられた温度検知素子14であるが、磁性コア2の温度を取得する温度取得部はこれに限られるものではない。磁性コア温度を推測(予測)する手段(温度推測部)にすることもできる。本実施例2はその手段について説明する。
以下に実施例2について説明する。実施例1では磁性コア2の温度を取得する温度取得部が磁性コア2に設けられた温度検知素子14であるが、磁性コア2の温度を取得する温度取得部はこれに限られるものではない。磁性コア温度を推測(予測)する手段(温度推測部)にすることもできる。本実施例2はその手段について説明する。
本実施例2では磁性コア温度は定着スリーブ1の温度を検知する温度検知素子9、10、11および画像形成装置のプリント履歴から予測する。即ち、磁性コア2の温度を取得する温度取得部は、定着スリーブ1の温度を検知する温度検知素子9、10、11と、この温度検知素子9、10、11の検知温度に基づいて磁性コア2の温度を推測する温度推測部(エンジン制御部)43である構成である。
図8は記録材を連続プリントした時の定着スリーブ温度と磁性コア温度を示したものである。プリント枚数が増加するに従って磁性コア温度が上昇しており、約2500枚で190℃に到達している。特に温度上昇率の高い初期500枚では約90℃温度上昇しており、温度上昇率は0.18℃/枚である。また、定着スリーブ温度との相関はほとんど見られない。次に連続プリント終了後の定着スリーブ温度と磁性コア温度プロファイルを図9に示す。プリント終了後の磁性コア温度は時間経過とともに定着スリーブ温度に近づいていき、約3000秒後に定着スリーブ温度と同じ温度になる。
以上より、エンジン制御部43は、プリント開始時の磁性コア温度T0およびプリント中の磁性コア温度T1を以下のように予測する。
T1=T0+0.18×n(但し、T1>190℃の場合はT1=190℃とする)
T0=T2−(T2−Ts)×t/3000
n:プリント枚数
T2:前ジョブのプリント終了時の磁性コア予測温度
t:前ジョブ終了からの経過時間
Ts:定着スリーブ温度
表3に本実施例の上限電力設定を示す。実施例1と異なり磁性コア温度が予測値のため、上限電力は実施例1よりも若干小さい値に設定した。磁性コア予測温度が25℃、100℃、150℃、180℃の状態から電力を投入した時に、定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
T0=T2−(T2−Ts)×t/3000
n:プリント枚数
T2:前ジョブのプリント終了時の磁性コア予測温度
t:前ジョブ終了からの経過時間
Ts:定着スリーブ温度
表3に本実施例の上限電力設定を示す。実施例1と異なり磁性コア温度が予測値のため、上限電力は実施例1よりも若干小さい値に設定した。磁性コア予測温度が25℃、100℃、150℃、180℃の状態から電力を投入した時に、定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
比較例1として、実施例1と同様に磁性コア温度に依らず上限電力を450Wに設定したものでも同様に定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
また、比較例2として、磁性コア断面積を、磁性コア温度が200℃の場合に1500Wの電力を投入しても磁束飽和を起こさないように250mm2とする。それに伴い、定着スリーブ内径をφ40mmと大きくした構成においても定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間を測定した。
結果を表4に示す。本実施例においても到達時間目標を7.5秒以内と設定した。
本実施例においても定着スリーブ1が定着可能温度に到達する時間は目標である7.5秒以内を達成しているのに対し、比較例1および比較例2では磁性コア温度が低い場合に目標時間を達成できていない。
以上説明したように、磁性コア温度を予測する温度推測部を設け、磁性コア予測温度に応じて励磁コイルに発生させる磁束の上限値を変更することにより、磁性コアを小型化しても短い時間で定着スリーブ1を定着可能温度に到達させることができた。
また、本実施例における磁性コア予測温度は定着スリーブ温度とプリント履歴から計算しているが、プリント履歴のみまたは定着スリーブ温度のみから予測してもよい。即ち、温度取得部は、定着装置Aを搭載している画像形成装置100のプリント履歴に基づいて磁性コア2の温度を推測する温度推測部(エンジン制御部)43である構成である。
さらに、画像形成装置にその他の温度検知素子(雰囲気温度、機内温度)が配置されている場合は、その情報を用いることによりさらに高精度な予測が可能となる。即ち、温度取得部は、定着装置Aを搭載している画像形成装置100の内部の雰囲気温度を検知する温度検知素子15(図4)と、この温度検知素子15の検知温度に基づいて磁性コア2の温度を推測する温度推測部(エンジン制御部)43である構成である。
ここで、定着装置には、未定着トナー画像を固着像として定着する以外にも、記録材に仮定着されたトナー画像あるいは一度加熱定着されたトナー像を再度加熱加圧して光沢度を向上させる装置(この場合も定着装置と呼ぶ)も包含される。
また、実施例1、2においては、導電層1aを有する筒状の加熱回転体として、可撓性を有する定着スリーブ1を用いた。これに限られず、導電層1aを有する筒状の回転体1は、複数の張架部材間に懸回張設されて回転駆動される可撓性を有するエンドレスベルト形態のものにすることもできる。また、導電層1aを有する筒状の回転体1は、硬質の中空ローラあるいはパイプの形態のものにすることもできる。
尚、実施例1、2は、導電層1aに流れる周方向の電流によるジュール熱で導電層1aが発熱するものであったが、導電層1aに渦電流を発生させて渦電流によるジュール熱によって導電層1aを発熱させる定着装置にも適用可能である。
1‥‥定着スリーブ、2‥‥磁性コア、3‥‥励磁コイル、8‥‥加圧ローラ、9・10・11‥‥スリーブ温度検知素子、14‥‥コア温度検知素子
Claims (10)
- 磁性芯材と励磁コイルと加熱回転体とを有し前記励磁コイルに交番電流を流すことで前記加熱回転体が電磁誘導により発熱し画像を記録材に定着する定着装置であって、
前記磁性芯材の温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部の取得温度に応じて前記励磁コイルで発生させる上限磁束を設定する設定部と、
を有することを特徴とする定着装置。 - 前記設定部は、前記上限磁束を電力に換算して上限電力を設定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記設定部は、前記上限磁束の設定値を前記取得温度が高いほど小さく設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
- 前記温度取得部は、前記磁性芯材に設けられた温度検知素子であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記温度取得部は、前記加熱回転体の温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に基づいて前記磁性芯材の温度を推測する温度推測部であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記温度取得部は、定着装置を搭載している画像形成装置のプリント履歴に基づいて前記磁性芯材の温度を推測する温度推測部であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記温度取得部は、定着装置を搭載している画像形成装置の内部の雰囲気温度を検知する温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に基づいて前記磁性芯材の温度を推測する温度推測部であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記磁性芯材は前記加熱回転体を挿入した開磁路で形成され、前記励磁コイルは前記磁性芯材に対し直接もしくは他物を介して前記加熱回転体の母線方向に交差する方向に巻き線を施すことによって構成されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の定着装置。
- 前記加熱回転体に当接して前記記録材を搬送する定着ニップを形成するニップ形成部材を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の定着装置。
- 請求項1乃至9の何れか一項に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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