JP7306164B2 - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、トナー像をシートに定着させる定着装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、シートに転写されたトナー像を加熱および加圧する定着装置を備える。また、前記定着装置が、幅方向に沿って並ぶ複数の発熱体からなるヒーターと、前記ヒーターを内包する筒状の摺動部材と、前記摺動部材との間にシートが通過するニップを形成する加圧ローラーとを備える場合がある。
前記加圧ローラーが回転すると、前記摺動部材が従動回転し、前記摺動部材の内周面が前記ヒーターの表面に対してシート搬送方向へ摺動する。前記摺動部材の前記内周面には、潤滑剤が塗布されている。
前記摺動部材は、摩耗、前記潤滑剤の経時劣化、または前記摺動部材の前記内周面への異物の混入などの原因によって劣化する。前記摺動部材の劣化は、前記摺動部材と前記ヒーターとの間の摩擦抵抗の増大として現れる。
前記摺動部材の劣化が進行すると,異音の発生、または、前記摺動部材に対する前記加圧ローラーのスリップに起因する画質不良などの不都合が生じる。
また、前記定着装置において、前記加圧ローラーを駆動するモーターの起動トルクと前記モーターの起動後の駆動トルクとの差に基づいて、前記摺動部材の推定寿命を判断することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2018-31836号公報
ところで、前記定着装置において、前記摺動部材の劣化度合いを正しく判定することは、異音の発生、または、画質不良などの不都合の回避のために重要である。
一方、前記加圧ローラーを駆動するモーターの起動トルクは、前記摺動部材の劣化の他に、周囲の気温および湿度などの周囲環境の影響を受けやすい。しかしながら、前記摺動部材の劣化度合いを周囲環境の状況に関わらず正しく判定できることが望まれる。
本発明の目的は、定着装置の摺動部材の劣化度合いを周囲環境の状況に関わらず正しく判定できる定着装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る定着装置は、シートの搬送路の定着位置において前記シート上のトナー像を加熱および加圧することにより前記トナー像を前記シートに定着させる装置である。前記定着装置は、基部材と、摺動部材と、ヒーターと、加圧部材と、駆動装置と、温度センサーと、負荷検出装置と、温度制御部と、劣化判定部と、を備える。前記基部材は、前記定着位置においてシート搬送方向に直交する幅方向に沿って配置されている。前記摺動部材は、前記基部材を内包する筒状の部材であり、回転可能に支持され、回転することによって潤滑剤が塗布された内周面が前記基部材の表面に対し前記シート搬送方向に沿って摺動する。前記ヒーターは、前記摺動部材を加熱する。前記加圧部材は、前記基部材へ向けて付勢されつつ回転可能に支持され、前記摺動部材との間に前記シートが通過するニップを形成し、回転することによって前記摺動部材を従動回転させる。前記駆動装置は、前記摺動部材または前記加圧部材の一方を回転駆動する。前記温度センサーは、前記基部材または前記摺動部材の温度を計測する。前記負荷検出装置は、前記駆動装置の駆動負荷を検出する。前記温度制御部は、前記加圧部材が一定速度で回転しているときに、前記ヒーターへの給電量を制御することにより、前記温度センサーの計測温度を、前記シートが前記定着位置を通過するときに設定される目標温度より低い第1調査温度から前記目標温度よりも高い第2調査温度へ変化させる。前記劣化判定部は、前記計測温度が前記第1調査温度から前記第2調査温度へ変化する過程において前記負荷検出装置の検出駆動負荷が最小値になるときの前記計測温度である負荷最小温度によって前記摺動部材の劣化度合いを判定する。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートにトナー像を転写する転写装置と、前記トナー像を前記シートに定着させる前記定着装置と、を備える。
本発明によれば、定着装置の摺動部材の劣化度合いを周囲環境の状況に関わらず正しく判定できる定着装置および画像形成装置を提供することが可能になる。
図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。 図2は、実施形態に係る画像形成装置における定着装置の構成図である。 図3は、実施形態に係る画像形成装置における制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、実施形態に係る画像形成装置における劣化判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図5は、定着装置の摺動部材が許容状態であるときの定着装置における計測温度および検出駆動負荷の変化の一例を示すグラフである。 図6は、定着装置の摺動部材が非許容状態であるときの定着装置における計測温度および出負荷の変化の一例を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、シート9に画像を形成するプリント処理を行う装置である。画像形成装置10は、電子写真方式で前記プリント処理を行う。シート9は、用紙またはシート状の樹脂部材などの画像形成媒体である。
図1に示されるように、画像形成装置10は、本体部1内に設けられたシート搬送装置3およびプリント装置40と、制御装置8と、操作装置801と、表示装置802とを備える。
シート搬送装置3は、シート送出装置30および複数組の搬送ローラー対31を備える。シート送出装置30は、シート収容部2に収容されたシート9を本体部1内の搬送路300へ送り出す。
複数組の搬送ローラー対31は、モーターによって回転駆動され、シート9を挟んで回転することによってシート9を搬送路300に沿って搬送する。さらに、複数組の搬送ローラー対31は、シート9を搬送路300の出口から排出トレイ101へ排出する。以下の説明において、搬送路300に沿ってシート9が搬送される方向のことをシート搬送方向D1と称する。また、シート搬送方向D1に直交し、搬送路300に沿う方向のことを幅方向D2と称する。
プリント装置40は、シート搬送装置3によって搬送路300に沿って搬送されるシート9にトナー像を形成する。プリント装置40は、作像装置4、光走査装置46、転写装置47および定着装置48を備える。作像装置4は、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43およびドラムクリーニング装置45などを含む。
図1に示される画像形成装置10は、タンデム式のカラー画像形成装置である。そのため、プリント装置40は、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの4色のトナーに対応した4つの作像装置4を備える。さらに、転写装置47は、中間転写ベルト471と、4つの作像装置4に対応する4つのベルト転写装置472と、シート転写装置473と、ベルトクリーニング装置474とを備える。
作像装置4において、感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を帯電させる。さらに、光走査装置46が、レーザー光の走査によって感光体41の表面に静電潜像を書き込む。感光体41は、像担持体の一例である。
さらに、現像装置43が、感光体41の表面にトナーを供給することにより、前記静電潜像をトナー像として現像する。
転写装置47は、搬送路300において前記トナー像をシート9に転写する。転写装置47において、ベルト転写装置472は、感光体41の表面の前記トナー像を中間転写ベルト471の表面へ転写する。これにより、中間転写ベルト471の表面にカラーの前記トナー像が形成される。
シート転写装置473は、搬送路300において、中間転写ベルト471に形成された前記トナー像をシート9に転写する。
なお、画像形成装置10が、モノクロ画像形成装置である場合、シート転写装置473が、搬送路300において感光体41上の前記トナー像をシート9へ転写する。
ドラムクリーニング装置45は、感光体41の表面に残存するトナーを除去する。ベルトクリーニング装置474は、中間転写ベルト471に残存するトナーを除去する。
定着装置48は、搬送路300の定着位置P1において、シート9に転写された前記トナー像を加熱および加圧することにより、前記トナー像をシート9に定着させる。
定着装置48は、加熱装置5、加圧ローラー6、モーター60およびモーター駆動回路61を備える。加熱装置5は、ヒーター51、支持部材52、摺動部材53およびヒーター給電回路50を備える。
摺動部材53は、筒状の可撓部材である。加圧ローラー6は、表層にゴムなどの弾性部材の層が形成されたローラーである。
ヒーター51は、定着位置P1において幅方向D2に沿って配置されている。例えば、ヒーター51は、幅方向D2に沿って並ぶ複数の発熱体によって構成されている。前記発熱体各々は、電力が供給されることによって発熱する。
支持部材52は、ヒーター51を支持する部材である。ヒーター51および支持部材52は、長手方向が幅方向D2に沿う状態で配置されている。ヒーター51は、摺動部材53を加熱する。
摺動部材53は、可撓性の筒状の部材である。即ち、摺動部材53は、無端のベルト状の部材である。例えば、摺動部材53は筒状のフィルム部材である。
摺動部材53は、ヒーター51および支持部材52を内包する状態で回転可能に支持されている。例えば、図2に示されるように、定着装置48は、円弧に沿う起立部55aを有する一対のガイド部材55を備える。
一対のガイド部材55は、それぞれの起立部55aが摺動部材53の内周面における幅方向D2の両端部に対向する状態で支持されている。これにより、一対のガイド部材55は、摺動部材53を回転可能に支持している。
摺動部材53が、ヒーター51および支持部材52の周囲で回転することより、摺動部材53の内周面がヒーター51の表面に対しシート搬送方向D1に沿って摺動する。摺動部材53の内周面には、潤滑剤54が塗布されている。
ヒーター51は、摺動部材53を加熱する。ヒーター51は、摺動部材53の内周面と接する基部材の一例である。即ち、ヒーター51は、摺動部材53を加熱する発熱部材であるとともに、前記基部材の内周面と接する前記基部材でもある。
加圧ローラー6は、ヒーター51へ向けて付勢された状態で回転可能に支持されている。例えば、加圧ローラー6は、不図示のバネによってヒーター51へ向けて付勢されている。シート9上の前記トナー像は、ヒーター51によって加熱され、加圧ローラー6によって加圧される。加圧ローラー6は加圧部材の一例である。
加圧ローラー6は、摺動部材53との間にシート9が通過するニップNp1を形成する。ニップNp1が形成される位置が定着位置P1である。
モーター60は、加圧ローラー6を回転駆動する。モーター駆動回路61は、モーター60が予め定められた回転速度で一定に回転するように、モーター60に電力を供給する。これにより、加圧ローラー6が予め定められた一定の速度で回転する。例えば、モーター駆動回路61は、インバーター駆動回路である。
加圧ローラー6が回転することにより、摺動部材53は、加圧ローラー6に対して従動回転する。即ち、加圧ローラー6は、回転することによって摺動部材53を従動回転させる。
ヒーター給電回路50は、制御装置8からの指令に従って、ヒーター51に電力を供給する。さらに、ヒーター給電回路50は、制御装置8からの指令に従って、ヒーター51への給電量を調節する。
また、加熱装置5は、ヒーター51の温度を計測する定着温度センサー56をさらに備える。定着温度センサー56は、ヒーター51の温度を予め設定される目標温度に維持するためのフィードバック制御に用いられる温度センサーである。例えば、定着温度センサー56はサーミスタである。
定着温度センサー56は、定着位置P1の温度、即ち、ニップNp1の温度の代替指標となる温度を計測する。そのため、定着温度センサー56が、摺動部材53の温度を計測する位置に配置されてもよい。
操作装置801は、人の操作を受け付ける装置であり、例えば、操作ボタンおよびタッチパネルを含む。表示装置802は、情報を表示する装置であり、例えば、液晶表示ユニットなどのパネル表示装置を含む。
制御装置8は、各種のデータ処理と、シート搬送装置3、プリント装置40および表示装置802などの機器の制御とを実行する。
図3に示されるように、制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81と、RAM(Random Access Memory)82、二次記憶装置83および信号インターフェイス84などの周辺機器とを備える。
CPU81は、コンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。RAM82は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM82は、CPU81が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU81が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
CPU81は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主制御部8a、温度制御部8b、搬送制御部8cおよびプリント制御部8dなどを含む。
主制御部8aは、操作装置801に対する操作に応じて各種の処理を開始させる開始制御、および、表示装置802の制御などを実行する。
温度制御部8bは、定着温度センサー56の計測温度と予め設定される目標温度との比較に基づくフィードバック制御により加熱装置5への給電量を調節する。温度制御部8bは、ヒーター給電回路50を制御することにより、加熱装置5への給電量を調節する。
搬送制御部8cは、シート搬送装置3を制御する。プリント制御部8dは、シート9の搬送に同期して、プリント装置40に前記プリント処理を実行させる。
二次記憶装置83は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置83は、前記コンピュータープログラムおよび各種のデータの記憶および更新が可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置83として採用される。
信号インターフェイス84は、定着温度センサー56などの各種のセンサーが出力する信号をデジタルデータへ変換し、変換後のデジタルデータをCPU81へ伝送する。さらに、信号インターフェイス84は、CPU81が出力する制御指令を制御信号へ変換し、前記制御信号を制御対象の機器へ伝送する。
ところで、摺動部材53は、摩耗、潤滑剤54の経時劣化、または摺動部材53の前記内周面への異物の混入などの原因によって劣化する。摺動部材53の劣化は、摺動部材53とヒーター51との間の摩擦抵抗の増大として現れる。
摺動部材53の劣化が進行すると,異音の発生、または、摺動部材53に対する加圧ローラー6のスリップに起因する画質不良などの不都合が生じる。
従って、定着装置48において、摺動部材53の劣化度合いを正しく判定することは、異音の発生、または、画質不良などの不都合の回避のために重要である。なお、本明細書において、摺動部材53の劣化は、摺動部材53に塗布された潤滑剤54の劣化を含む。
一方、加圧ローラー6を駆動するモーター60の起動トルクは、摺動部材53の劣化の他に、周囲の気温および湿度などの周囲環境の影響を受けやすい。しかしながら、摺動部材53の劣化度合いを周囲環境の状況に関わらず正しく判定できることが望まれる。
定着装置48において、CPU81は、後述する劣化判定処理を実行する(図4参照)。これにより、定着装置48は、摺動部材53の劣化度合いを周囲環境の状況に関わらず正しく判定することができる。
本実施形態において、CPU81が前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される前記複数の処理モジュールは、劣化判定部8eをさらに含む。主制御部8a、温度制御部8b、搬送制御部8cおよび劣化判定部8eが前記劣化判定処理を実行する。
なお、前記劣化判定処理を実行する主制御部8a、温度制御部8b、搬送制御部8cおよび劣化判定部8eは、定着装置48の一部を構成している。
また、モーター駆動回路61は、モーター60に供給される電流を検出する駆動電流検出回路61aを含む。駆動電流検出回路61aにより検出される電流の大きさは、モーター60の駆動負荷を表す。
本実施形態において、モーター60は、加圧ローラー6を回転駆動する駆動装置の一例である。また、駆動電流検出回路61aは、モーター60の駆動負荷を検出する負荷検出装置の一例である。
[劣化判定処理]
以下、図4に示されるフローチャートを参照しつつ、前記劣化判定処理の手順の一例について説明する。
主制御部8aは、予め定められた調査開始条件が成立するときに、前記劣化判定処理を開始させる。例えば、前記調査開始条件は、以下に示される第1開始条件および第2開始条件を含む。
前記第1開始条件は、操作装置801に対して予め定められた劣化判定開始操作が行われたという条件である。
前記第2開始条件は、前回の前記劣化判定処理が実行されてから予め定められた時間が経過しており、前記プリント処理のジョブが終了したときに、次の前記プリント処理のジョブが受け付けられていないという条件である。
後述するように、前記劣化判定処理において、温度制御部8bが、定着温度センサー56の計測温度が所定の温度になるまでヒーター51を作動させる。そのため、前記劣化判定処理が、前記プリント処理が終了したときに行われることにより、前記劣化判定処理が、ヒーター51が常温の状態であるときに行われる場合よりも、ヒーター51の消費電力を抑制することができる。
以下の説明において、定着温度センサー56により計測される温度のことを計測温度と称する。また、駆動電流検出回路61aにより検出される電流のことを検出駆動負荷と称する。また、シート9が定着位置P1を通過するときに前記計測温度の比較対象として設定される目標温度のことを目標定着温度Tx1と称する。
以下に示されるS1,S2,…は、前記劣化判定処理における複数の工程の識別符号を表す。なお、前記劣化判定処理が開始されるときに、ヒーター51およびモーター60は停止している。
<工程S1>
前記劣化判定処理において、搬送制御部8cは、モーター60を作動させることにより、加圧ローラー6を回転させる。
<工程S2>
次に、温度制御部8bが、前記計測温度が予め定められた第1調査温度T1未満になることを待って、処理を工程S3へ移行させる。
第1調査温度T1は、シート9が定着位置P1を通過するときに設定される目標定着温度Tx1より低い温度である(図5,6参照)。例えば、第1調査温度T1が、目標定着温度Tx1に対して50度から100度程度低い温度であることが考えられる。
<工程S3>
工程S3において、温度制御部8bは、ヒーター給電回路50にヒーター51へ給電させることにより、摺動部材53の昇温を開始する。
<工程S4>
そして、温度制御部8bは、ヒーター給電回路50にヒーター51への給電を継続させながら、前記計測温度が第1調査温度T1に達するまで待つ。そして、前記計測温度が第1調査温度T1に達したときに処理を工程S5へ移行させる。
<工程S5>
工程S5において、温度制御部8bは、前記計測温度が第2調査温度T2に達するまで前記計測温度を随時監視する。そして、前記計測温度が第2調査温度T2に達するまでの間に、劣化判定部8eが工程S6の処理を随時実行する。
工程S3~S5において、温度制御部8bは、加圧ローラー6が一定速度で回転しているときに、ヒーター51への給電量を制御することにより、前記計測温度を、目標定着温度Tx1より低い第1調査温度T1から目標定着温度Tx1よりも高い第2調査温度T2へ変化させる。
そして、前記計測温度が第2調査温度T2に達したときに、温度制御部8bは、処理を工程S7へ移行させる。
<工程S6>
工程S6において、劣化判定部8eが、前記検出駆動負荷の値を取得する。さらに、劣化判定部8eは、取得した前記検出駆動負荷がそれ以前に取得した前記検出駆動負荷よりも小さい場合に、負荷最小温度Tm1を現時点の前記検出温度に更新する(図5,6参照)。
負荷最小温度Tm1は、前記計測温度が第1調査温度T1から第2調査温度T2へ変化する過程において前記検出駆動負荷が最小値Lm1になるときの前記計測温度である。
前記計測温度が第2調査温度T2に達する前に工程S6で設定される負荷最小温度Tm1は暫定値である。工程S6の処理が、前記計測温度が第1調査温度T1から第2調査温度T2までに随時実行され、前記計測温度が第2調査温度T2に達したときに、負荷最小温度Tm1が確定する。
<工程S7>
工程S7において、劣化判定部8eが、負荷最小温度Tm1によって摺動部材53の劣化度合いを判定する。
本実施形態において、劣化判定部8eは、負荷最小温度Tm1と目標定着温度Tx1との比較により、前記劣化度合いを判定する。
例えば、劣化判定部8eは、負荷最小温度Tm1と目標定着温度Tx1との差である負荷最小温度差dT1に応じて前記劣化度合いを判定する(図5,6参照)。この場合、劣化判定部8eは、負荷最小温度差dT1に応じて、前記劣化度合いを許容状態および非許容状態を含む予め定められた複数の候補状態の中から選択する。
ここで、負荷最小温度差dT1が前記劣化度合いの判定に用いられる理由について説明する。
周知のストライベック曲線の理論によれば、ヒーター51および摺動部材53の間の摩擦係数は、潤滑剤54の粘度と、ヒーター51に対する摺動部材53の滑り速度と、摺動部材53がヒーター51に付勢される圧力とにより定まる。
定着装置48において、前記滑り速度および前記圧力は概ね一定である。一方、潤滑剤54の粘度は、潤滑剤54の高温化によって大幅に変化する。
即ち、前記ストライベック曲線の理論によれば、定着装置48におけるヒーター51および摺動部材53の間の摩擦状態は、潤滑剤54の粘度の低下に応じて、前記摩擦抵抗が徐々に低下する流体潤滑領域の状態から、前記摩擦抵抗が急激に上昇する混合潤滑領域の状態へ移行する。
前記流体潤滑領域の状態は、潤滑剤54が正常に機能している状態であり、前記混合潤滑領域の状態は、潤滑剤54が正常に機能していない状態である。定着装置48は、前記流体潤滑領域の状態で使用される必要がある。
本実施形態において、第1調査温度T1は、摺動部材53が良好な状態である状況下で、潤滑剤54の粘度が、前記ストライベック曲線の理論における前記流体潤滑領域に対応する粘度となるように設定される。
一方、第2調査温度T2は、摺動部材53が良好な状態である状況下で、潤滑剤54の粘度が、一時的に前記ストライベック曲線の理論における前記混合潤滑領域に対応する粘度となるように設定される。
従って、図5に示されるように、前記計測温度が第1調査温度T1から第2調査温度T2へ変化する過程において、前記検出駆動負荷は、最初は徐々に下降し、途中で上昇する。前記検出駆動負荷が徐々に下降する状態が、前記流体潤滑領域の状態に相当し、前記検出駆動負荷が途中で上昇に転じる状態は、前記流体潤滑領域から前記混合潤滑領域へ移行する状態に相当する。
従って、図5に示されるように、負荷最小温度Tm1が目標定着温度Tx1よりも十分に高い温度であれば、摺動部材53は、継続使用に特に問題がない前記許容状態である。
一方、図6に示されるように、摺動部材53の劣化が進むにつれて、負荷最小温度Tm1が低下する傾向がある。負荷最小温度Tm1が、目標定着温度Tx1よりも高くても、目標定着温度Tx1との差が小さい場合、ヒーター51および摺動部材53が、前記ストライベック曲線の理論における前記混合潤滑領域に相当する状態で動作するおそれがある。
例えば、劣化判定部8eは、負荷最小温度Tm1から目標定着温度Tx1を差し引いて得られる負荷最小温度差dT1が、予め定められた基準値よりも大きい場合に、摺動部材53の劣化状態が前記許容状態であると判定する。
一方、劣化判定部8eは、負荷最小温度差dT1が前記基準値よりも小さい場合に、前記劣化状態が前記非許容状態であると判定する。
また、劣化判定部8eが、負荷最小温度差dT1が予め定められた下限値から前記基準値までの値である場合に、前記劣化状態が要注意状態であると判定し、負荷最小温度差dT1が前記下限値よりも小さい場合に、前記劣化状態が前記非許容状態であると判定することも考えられる。
そして、劣化判定部8eは、前記劣化状態が前記許容状態であると判定するときに、処理を工程S9の処理を実行し、前記劣化状態が前記要注意状態または前記非許容状態であると判定するときに、工程S8および工程S9の処理を実行する。
<工程S8>
工程S8において、劣化判定部8eは、予め定められた通知処理を実行する。
例えば、劣化判定部8eは、前記劣化状態が前記要注意状態であると判定するときに、摺動部材53の交換準備を促すメッセージを表示装置802に表示させる。また、劣化判定部8eは、前記劣化状態が前記非許容状態であると判定するときに、摺動部材53の交換を促すメッセージを表示装置802に表示させる。
<工程S9>
工程S9において、劣化判定部8eは、前記劣化状態の判定結果の情報およびその判定結果が得られた日時の情報を含む判定記録情報を、二次記憶装置83に記憶させ、前記劣化判定処理を終了させる。
前記判定記録情報は、例えば前記第2開始条件の成否の判定が行われるときに、前回の前記劣化判定処理が行われてからの経過時間の判定のために用いられる。
また、制御装置8が、通電の停止または休止状態への移行の後に再起動した場合に、劣化判定部8eは、前記判定記録情報を参照する。そして、劣化判定部8eは、前記判定記録情報が前記要注意状態または前記非許容状態の判定結果を表す場合に、工程S8の処理を実行する。
前記劣化判定処理において、第1調査温度T1が、目標定着温度Tx1に対して50度から100度程度低い温度であれば、第1調査温度T1は、画像形成装置10の設置環境における気温の変動範囲よりも十分に高い温度である。
そして、第1調査温度T1が、前記気温の変動範囲おりも十分高い温度であれば、前記検出温度が第1調査温度T1から第2調査温度T2まで変化する状況下において、気温または湿度などの周囲環境が潤滑剤54の状態に及ぼす影響はほとんど無視することができる。
従って、画像形成装置10の定着装置48において、劣化判定部8eは、摺動部材53の前記劣化度合いを周囲環境の状況に関わらず正しく判定できる。
[第1応用例]
以下、定着装置48の第1応用例について説明する。
本応用例において、モーター60は、加圧ローラー6を回転駆動する代わりに、摺動部材53を回転駆動する。本応用例において、モーター60は、摺動部材53を回転駆動する駆動装置の一例である。
本応用例が採用される場合も、定着装置48が採用される場合と同様の効果が得られる。
[第2応用例]
以下、定着装置48の第2応用例について説明する。
本応用例において、ヒーター51が摺動部材53におけるニップNp1とは異なる部分を加熱するIHヒーターなどであることが考えられる。この場合、定着温度センサー56は、摺動部材53の温度を計測する位置に配置される。
また、本応用例において、摺動部材53の内周面は、支持部材52における定着位置P1に対向する部分である被摺動部の表面に対して手動する。本応用例において、支持部材52が、定着位置P1において幅方向D2に沿って配置された基部材の一例である。
本応用例が採用される場合も、定着装置48が採用される場合と同様の効果が得られる。
1 :本体部
2 :シート収容部
3 :シート搬送装置
4 :作像装置
5 :加熱装置
6 :加圧ローラー
8 :制御装置
8a :主制御部
8b :温度制御部
8c :搬送制御部
8d :プリント制御部
8e :劣化判定部
9 :シート
10 :画像形成装置
30 :シート送出装置
31 :搬送ローラー対
40 :プリント装置
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
45 :ドラムクリーニング装置
46 :光走査装置
47 :転写装置
48 :定着装置
50 :ヒーター給電回路
51 :ヒーター
52 :支持部材
53 :摺動部材
54 :潤滑剤
55 :ガイド部材
55a :起立部
56 :定着温度センサー
60 :モーター
61 :モーター駆動回路
61a :駆動電流検出回路
81 :CPU
82 :RAM
83 :二次記憶装置
84 :信号インターフェイス
101 :排出トレイ
300 :搬送路
471 :中間転写ベルト
472 :ベルト転写装置
473 :シート転写装置
474 :ベルトクリーニング装置
801 :操作装置
802 :表示装置
D1 :シート搬送方向
D2 :幅方向
Lm1 :最小値
Np1 :ニップ
P1 :定着位置
T1 :第1調査温度
T2 :第2調査温度
Tm1 :負荷最小温度
Tx1 :目標定着温度
dT1 :負荷最小温度差

Claims (6)

  1. シートの搬送路の定着位置において前記シート上のトナー像を加熱および加圧することにより前記トナー像を前記シートに定着させる定着装置であって、
    前記定着位置においてシート搬送方向に直交する幅方向に沿って配置された基部材と、
    前記基部材を内包する筒状の部材であり、回転可能に支持され、回転することによって潤滑剤が塗布された内周面が前記基部材の表面に対し前記シート搬送方向に沿って摺動する摺動部材と、
    前記摺動部材を加熱するヒーターと、
    前記基部材へ向けて付勢されつつ回転可能に支持され、前記摺動部材との間に前記シートが通過するニップを形成し、回転することによって前記摺動部材を従動回転させる加圧部材と、
    前記摺動部材または前記加圧部材の一方を回転駆動する駆動装置と、
    前記基部材または前記摺動部材の温度を計測する温度センサーと、
    前記駆動装置の駆動負荷を検出する負荷検出装置と、
    前記加圧部材が一定速度で回転しているときに、前記ヒーターへの給電量を制御することにより、前記温度センサーの計測温度を、前記シートが前記定着位置を通過するときに設定される目標温度より低い第1調査温度から前記目標温度よりも高い第2調査温度へ変化させる温度制御部と、
    前記計測温度が前記第1調査温度から前記第2調査温度へ変化する過程において前記負荷検出装置の検出駆動負荷が最小値になるときの前記計測温度である負荷最小温度によって前記摺動部材の劣化度合いを判定する劣化判定部と、を備える定着装置。
  2. 前記ヒーターが前記基部材を兼ねる、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記劣化判定部は、前記負荷最小温度と前記目標温度との比較により、前記劣化度合いを判定する、請求項1または請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記劣化判定部は、前記負荷最小温度と前記目標温度との差に応じて、前記摺動部材の前記劣化度合いを許容状態および非許容状態を含む予め定められた複数の候補状態の中から選択する、請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記劣化判定部は、前記摺動部材の前記劣化度合いが前記非許容状態であると判定するときに、予め定められた通知処理を実行する、請求項4に記載の定着装置。
  6. シートにトナー像を転写する転写装置と、
    前記トナー像を前記シートに定着させる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を備える画像形成装置。
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