JP2007079048A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録材内の空気の膨張や水蒸気の発生によって画像が乱れることを防止する。
【解決手段】定着装置の加熱部材との間でニップ部を形成する無端状のベルトの内部に設けられ、ニップ部での圧力を付与する圧力付与部材100が、弾性層101と、ベースプレート102と、低摩擦シート103と、ロッド104とから構成され、圧力付与部材の比熱をc(kJ/kg・K)、密度をρ(kg/m3)、A(kJ/m3・K)=c・ρとした時、弾性
層101が、ニップ部の搬送方向上流側のAの小さいシリコーンゴム101(a)と、ニップ部の搬送方向下流側のAの大きいシリコーンゴム101(b)とからなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式を利用して、画像を記録材上に形成してハードコピーを得る複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる画像加熱装置に関し、特にベルトニップ方式の定着装置に備えられる画像加熱装置に関するものである。
従来、記録シート上に担持された未定着トナー像を加熱・溶融して定着する装置としてローラ定着装置が知られている。図7に示すように回転可能に支持された定着ローラ151と、同じく回転可能に支持された加圧ローラ152とを圧接し、これらの間に記録シートを送り込んで加熱、加圧して定着する構成となっている。定着ローラ151および加圧ローラ152はAl、Feなどからなる芯金上にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆した構成になっている。
定着ローラ151の内部には、ハロゲンランプ等のヒーター158が配設されている。また、定着ローラ151には不図示のサーミスタが接触または非接触に配設されており、温度調節回路を介してヒーター158への電圧を制御することにより定着ローラ151の表面の温度調節を行っている。加圧ローラ152の内部にもヒーター158を配設する場合もある。
しかし、従来のローラ方式の定着装置では、定着装置の高速化や省エネの点から限界がある。図7に示すように、ローラ方式で形成される定着ニップの幅では、高速化したときに記録材に熱を伝える時間が短くなり、十分な熱量を付与することが困難となってくる。十分な熱量を伝えるためにはローラ対を大径化したり、定着ローラの温度を上げることもできるが、装置が大型化したり、必要な電力が増えたりというデメリットが多くなってくる。外径をなるべく大きくしないでニップを広げようとすると、弾性体層を厚くして変形させることもできるが(図9ローラ方式加圧力アップの圧分布参照)、ニップ幅を広げる効果は小さく、熱容量が大きくなり省エネに対して不利になってしまう。
そこで、エンドレスベルトを用いて定着ニップを広げたベルトニップ方式の定着装置が提案されている。回転可能に支持された加熱定着ロールと、無端移動が可能な加圧ベルトとを圧接し、これらの間に記録シートを送り込んで定着するベルトニップ方式のものが知られつつある。
特許文献1には、定着ローラにエンドレスベルトを巻きつけることで定着ニップを広げ、エンドレスベルト内部に加圧ローラを設けて加圧力を付与している方式が提案されている。
しかし、定着ローラにベルトを巻きつけてはいるが加圧ローラにより加圧力を受けていない部分は、ベルトがたるむことがあり未定着トナー像と記録材がずれてしまうなどの画像不良が発生してしまう。
特許文献2には、圧力付与部材の圧接面に作用する圧力は、加熱定着ロールとエンドレスベルトとの間に取り込まれた気体の温度上昇による体積膨張を抑止する圧力以上に設定する方式が提案されている。この圧力付与部材の圧接面に作用する圧力を、記録シートやトナー粒子間にある空気や水蒸気の熱膨張を抑制することができる値以上にすることにより、ベルトニップ内での気泡の発生および成長を抑制でき、熱膨張した気泡によって未定着のトナーが攪乱されるのを防止することができる。
しかし、圧力付与部材を設けることによって、大部分の画像の乱れを解決することが可能となったが、シート材料としてコート紙等の透気度の低い用紙を用いた場合、上記対策だけでは完全に画像乱れを防止することができない。
次に、特許文献3のようなベルトニップ方式の定着装置について図8にもとづいて詳細に説明する。
回転自在に配設された定着ローラ51と、複数のローラ55、56、57に張架され定着ローラ251に圧接しながら回転するエンドレスベルト52とエンドレスベルト52を定着ローラ51へ加圧する圧力付与部材200とを有した構成となっている。
定着ローラ51はAl、Feなどからなる芯金上にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆した構成になっている。エンドレスベルト52はポリイミド等の樹脂またはニッケル等の金属からなる基材の表面にシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体層を被覆した構成になっている。
圧力付与部材200は金属のベースプレート202上にシリコーンゴム等の弾性層201と表層にPTFEなどの低磨耗層205をそなえている。
定着ローラ51の内部には、ハロゲンランプ等のヒーター58が配設されている。また、定着ローラ51には不図示のサーミスタが接触または非接触に配設されており、温度調節回路を介してヒーター58への電圧を制御することにより定着ローラ51の表面の温度調節を行っている。
ローラ56はSUSなどの金属からなる分離ローラでエンドレスベルト52を介して定着
ローラ51に食い込むように加圧することにより定着ローラ51の弾性体を変形させ記録材Pを定着ローラ51表面から分離させている。
また、定着ローラ51には不図示のクリーニング装置及び離型剤塗布装置が取り付けられ、このクリーニング装置により定着ローラ251上にオフセットしたトナー等のクリーニングがなされていると共に、離型剤塗布装置により、離型剤であるシリコーンオイル等が定着ローラ51に塗布され、該定着ローラ51からの記録材Pの分離の容易化及びトナーのオフセットの防止が図られる場合もある。
以上のように定着ローラ51とエンドレスベルト52、圧力付与部材200によって定着ニップを形成すると定着ローラ51の外周に巻きつくように幅広いニップを形成することが可能なる。このときの定着ニップの圧分布例は図9のベルトニップ方式のようになる。圧分布からわかるように、分離ローラ56と圧力付与部材200の間は、図8に示すように離れているものの圧力はゼロではなく、ベルトの張力により実質的に圧力が連続的につながっている。
このベルトニップ方式の定着装置は、前述のメリットの他、幅広い定着ニップを形成してピーク圧力を下げることで、定着ローラのゴム変形を少なくすることによって寿命を延ばす、また、定着温度を下げることで省エネを可能にする等の多くのメリットがある。
しかし、ベルトニップ方式の定着装置は、記録材種の対応性については有利とは限らない。
例えば、従来の定着ローラと加圧ローラ対からなるローラ定着方式では、普通紙(薄紙
)よりも厚紙では定着速度を遅くしたり、定着温度を上げたりすることで与える熱量を増加させている。このため、厚紙のときに定着速度を遅くすることで定着性は維持するものの生産性は大きく低下したり、定着温度を変更することで定着温度の切替時間が発生し、やはり生産性が低下したりしていた。また、ローラ対間の加圧力を可変としてニップ幅を可変とし、幅広い紙に最適に熱量を付与しようとする構成も提案されている。
前記ベルトニップ方式でも、薄紙から厚紙まで対応しようとするとローラ定着方式と同様に、記録材に応じて最適に与える熱量を可変とする対応が必要となる。しかし、定着速度や定着温度の変更は生産性の低下につながり、ベルトニップ方式で分離ローラや圧力付与部材の加圧力を可変としても、そもそもニップが広いためニップ幅の変化率はローラ定着方式に対して小さいという問題点がある。
また、印刷用のコート紙などの透気性の低い紙をベルトニップ方式の定着装置に対応させようとすると、従来のローラ定着方式には無い、特許文献3に記載の次のような問題がある。
特許文献3によれば、シート材料としてコート紙等の透気性の低い用紙を用いた場合、ベルトニップ内の空気の膨張や水蒸気の発生による画像乱れが発生する。この原因については、コート紙等の透気性の低い用紙上の未定着トナー像を定着する場合、未定着トナー層内に存在している空気はニップ内の圧力の低い部分、つまり圧力付与部材と加圧ロールとの境界領域に滞留する。この空気が部分的にシートと定着ロールとに界面に空隙を生じさせるとともに、完全に定着が完了していないトナー像を乱してしまうというものである。
普通紙の場合は透気性が大きいため、トナー層内に存在している空気は容積の大きい多孔質体である普通紙内部に保持されるか、または通過して逃げてしまうので、画像乱れの発生は少ないと考えられる。普通紙とコート紙の画像乱れの発生状況を、圧力付与部材の荷重および加熱定着ロールの温度をほぼ一定として比較すると、コート紙の方が画像乱れが起きやすく、またコート紙の中でも透気度の小さい方が画像乱れが発生しやすい。
以上のような問題点に対し、特許文献3では、圧力付与部材の圧力分布をニップ入口側では低く、そして下流側に行くに従って圧力が上昇し、「圧力付与部材の下流側」で最大圧力となるように設定することによって、コート紙の画像乱れを防止しようとしている(図9ベルトニップ方式参照)。つまり、圧力付与部材と加圧ロールとの境界領域の圧力の低い部分はあっても、圧力付与部材の圧力分布を前述のようにすることでトナー層内部から脱気された空気は圧力の低い方、つまりニップ入口側に向かって流れ、大気中に逃げていくことになるため、圧力付与部材と加圧ロールとの境界領域の圧力の低い部分に空気は滞留しないというものである。
特開平5-150679号公報 特開平9-034291号公報 特開平11-045025号公報
しかし、本発明者が前述の特許文献3記載の構成を用いて連続でコート紙を定着すると、通紙初期は画像のニジミやズレ、乱れは発生しないが、数十枚通紙後から画像のニジミやズレ、乱れが発生するようになってしまった。
これは、連続で通紙し定着させていく場合、ベルトの温度が上昇していくことによって、ベルト側から記録材に与える熱量が大きくなり、記録材内の空気の膨張や水蒸気の発生
によって画像が乱れてしまうものである。
つまり、前記特許文献3記載の構成では、圧力付与部材の圧力分布は、ニップ入口側では低く、下流側に行くに従って圧力が上昇するような設定になっている。しかし、ベルトの温度が上昇してきた時には、ニップ上流側の低圧力部分においては、記録シートやトナー粒子間にある空気や水蒸気の熱膨張を抑制することができなくなり、画像乱れが発生してしまう。
また、薄紙を連続で通紙し定着させていく場合は、さらにベルトの温度が上昇していき、画像乱れがさらに顕著になってしまう。
このベルトの温度上昇を抑える方法として、定着ローラの温度を下げるなどが挙げられるが、生産性やメディア対応を考えると、制御が複雑になってしまうという問題が発生する。
本願発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、記録材内の空気の膨張や水蒸気の発生によって画像が乱れることを防止しうる定着装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材と、この画像加熱部材との間でニップ部を形成するエンドレスベルトと、このベルトをニップ部にて加圧する弾性パッドと、を有する画像加熱装置において、弾性パッドの比熱をc(kJ/kg・K)、密度をρ(kg/m3)としたとき、このc・ρ(kJ/m3・K)は記録
材搬送方向下流側よりも記録材搬送方向上流側の方が小さいことを特徴とする。
前記弾性パッドはスポンジ層とこれよりも記録材搬送方向下流側に並置されたゴム層とを有することが好適である。
前記画像加熱部材は記録材上の未定着画像を定着することを特徴とする。
本発明に係る画像加熱装置では、弾性パッド材のニップ部の搬送方向上流側で記録材に与える熱量を抑えることによって、記録材内の空気の膨張や水蒸気の発生によって画像が乱れることを防止することが可能である。
つまり、弾性パッドの圧力分布が、ニップ部入口側では低くして、後端側に行くにしたがって増大し、弾性パッドの下流側で最大圧力となるように設定された状態においても、ニップ部入口側で記録材に与える熱量を抑えることによって、特に連続通紙によってベルト温度が上昇している時においても、画像乱れを防止することが可能である。
さらに、薄紙を連続で通紙し、ベルト部の温度が上昇したときにおいても、画像乱れを防止することが可能である。
以下に、実施形態を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施形態により限定されるものではない。
<第1の実施形態>
図5は、本発明が適用された画像加熱装置としての定着装置1の実施形態を示す。この定着装置1を備えた画像形成装置については、後述する。
図5において、画像加熱部材としての定着ローラ51は、内径φ37.8、外径φ38.4の0.3mm厚みのFeからなる芯金上に、シリコーンゴムを0.5mm成形し、さらにその表面に30μm厚みのPFAチューブを被覆した外径φ40の定着ローラを用いた。また、定着ローラ51
の内部には、加熱源として出力800Wのハロゲンヒータ58が配置されている。定着ローラ
表面には温度センサ(不図示)が配置されている。この温度センサの計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンヒータ58がフィードバック制御され、定着ローラ51の表面温度が170℃に調節されるようになっている。
無端状の定着ベルト(または「エンドレスベルト」と称する)52は、厚み100μmポ
リイミド基層にシリコーンゴム層を厚み0.2mmで被覆した外形φ90のシームレスベルト
を用いた。定着ベルト52は、入口ローラ55、分離ローラ56、テンションローラ57の3本のローラに張架させた。入口ローラ55は定着器の入口のローラであり記録材が侵入してくる所であり記録材の搬送路を変更しないよう固定されている。テンションローラ57は定着ベルト52にテンションを与えるようバネ付勢されている。また、テンションローラ57の内部には、過熱源として出力400Wのハロゲンヒータ59が配置されている
。定着ベルト表面には温度センサ(不図示)が配置され、この温度センサの計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンヒータ59がフィードバック制御され、定着ベルト52の表面温度が110℃に調節されるようになっている。
分離ローラ56はSUSの中実ローラでエンドレスベルト52を介して定着ローラ51に
食い込むように加圧することにより定着ローラ51の弾性体を変形させ転写紙Pを定着ローラ51表面から分離している。本例では外形φ15mm、総圧40kgの加圧を行なった。
なお、加熱部材に対する分離部を形成する分離ローラが一定の回転速度以下になると、駆動力を作用させる駆動力印加手段(不図示)を設けても良い。
圧力付与部材100は、図1に示すように構成されている。すなわち、圧力付与部材100は、定着ニップ上流側と下流側で異なるA(kJ/m3・K)(=cρ;cは比熱、ρは密
度)を持つ弾性層101とベースプレート102と低摩擦シート103と金属製の断面円形状のロッド104から構成されている。ここで、弾性層101は、本発明の弾性パッドに相当する。弾性層101はベースプレート102の表面に積層されており、金属製の断面円形状のロッド104は弾性層101の先端(定着ロールの回転方向下流側端部)に当該弾性層の101の先端の加圧力を高めるため一体的に設けられている。また、低摩擦シート103は弾性層101の表面を被覆するように設けられている。圧力付与部材100は、ベースプレート102側に配置された不図示のバネによって定着ローラ51に向けて押圧されている。
上記圧力付与部材100は、弾性層101が設けられていることにより、低摩擦シート103のエンドレスベルト52と接触する接触面が定着ローラ51の外周面と整合可能になっている。すなわち、一定以上の荷重によって圧力付与部材100を定着ローラ51に向けて押圧すれば、弾性層101が変形し、低摩擦シート103の接触面が定着ローラ51の外周面に沿った形状に変形するようになっている。したがって、圧力付与部材100が不図示のバネによってエンドレスベルト52を介して定着ローラ51に押圧されると、エンドレスベルト52は定着ローラ51に隙間なく圧接される。本例では、圧力付与部材に総圧60kgの加圧を行った。このため圧力付与部材60kgと分離ローラ40kgで総圧100kgの
加圧力となる。この時、定着ニップ内の圧力付与部材におけるピーク圧は分離ローラにおけるピーク圧よりも低くなるように設定されている。
ベースプレート102は、厚さ5mmのステンレス鋼製の部材であり、後端部が弾性層をバックアップするように定着ローラと分離ローラの圧接部に向かって楔形状をしている。ベースプレートの後端部が弾性層をバックアップすることで、圧力付与部材と分離ローラ間の圧力の落ち込みを減少させている。
弾性層101は、ニップ下流側のシリコーンゴム(101(b))と、ニップ上流側のシ
リコーンゴム(101(a))とからなる。ニップ下流側には、密度1.3(g/cm3)、比熱1.1(kJ/kg・K)、A=1.41×103(kJ/m3・K)のシリコーンゴム(101(b))を用いた。ニ
ップ上流側には下流側よりもAが小さい、ここでは密度1.3(g/cm3)、比熱0.8(kJ/kg・K)、A=1.04×103(kJ/m3・K)のシリコーンゴム(101(a))を用いた。ゴム硬度は上
流側がHs20°、下流側がHs30°のシリコーンゴムからなり、下流側シリコーンゴムはベルトの搬送方向にベースプレート102よりも徐々に拡大するように構成されている。本例では下流側弾性層101(a)は半径16mmの曲率をもつ形状とし、上流側弾性層101(a)はベースプレートに平行な直線に接する形状となっている。弾性層101(a)のゴム厚みは3mmと
した。さらに、弾性層101の先端には、直径1.2mmの金属製のロッド104が設けられ
ており、弾性層101の先端の加圧力を高めるようになっている。弾性層101はその側面が、低摩擦シート103を介して隣接する分離ローラと摺擦部F(不図示)を形成して
いる。弾性層101は、分離ローラと定着ローラに挟まれて弾性変形することで、圧力付与部材と分離ローラとの間の圧力の落ち込みを減少させている。
低摩擦シート103としては、PTFEをコーティングしたガラスクロスシートを使用し、潤滑材としてシリコーンオイルを塗布している。本例では低摩擦シートの厚みを100μmとした。
次に、上記定着装置1の定着動作について説明する。上記定着装置1では、図示しない転写装置により記録材上にトナー像が転写され、ベルトニップに向けてこの記録材が搬送されてくる。記録材は、ベルトニップの圧力付与部材100の配置されている位置に侵入する。そして、ベルトニップに作用する圧力と、定着ローラ51およびベルト52を介して与えられる熱により、トナー像が記録材上に定着される。
しかし、このベルトニップ通過中に記録材が加熱されることにより、記録材中およびトナー粒子間に含まれていた空気や水分が膨張または蒸発して、記録材と定着ローラあるいは記録材とベルトとの間に浸出する。この空気や水蒸気がベルトニップ内で気泡となって未定着トナー像を乱すことが懸念される。
ここで、ベルトの温度上昇について説明する。前述のように、定着ローラ51の表面温度は170℃、ベルトの温度は110℃になるように、温度コントローラにより調節されている。そして、記録材上にトナー像を定着させる工程においては、定着ベルト52は圧力付与部材及び分離ローラを介して定着ローラ51に押圧される。従って、ベルトの温度は記録材が通紙されない状態においては、定着ローラ51の表面温度に近づいていくことになる。定着ベルト52が定着ローラ51に押圧されたまま記録材が通紙されていない状態、例えば連続通紙中における紙間が長いような場合、ベルトの温度は上昇していくことになる。
また、記録材として薄紙を連続通紙するような場合においては、記録材が奪う熱量自体が少ないため、さらにベルトの温度が上昇していくことになる。
ここで、本実施形態において記録材がニップを通過する際のベルト面側での記録材の温度変化を図3に示す。また比較例1として用いた圧力付与部材の特性は以下の通りである
。すなわち、A(=cρ)がニップ上流側と下流側が均一で、A=1.41×103(kJ/m3・K)のシリコーンゴム、ゴム硬度は上流側がHs20°、下流側がHs30°のシリコーンゴムからなる弾性層を設けた圧力付与部材である。また、比較例2として用いた圧力付与部材の特性は以下の通りである。すなわち、A(=cρ)がニップ上流側と下流側が均一で、A=1.04×103(kJ/m3・K)のシリコーンゴム、ゴム硬度は上流側がHs20°、下流側がHs30°のシリコーンゴムからなる弾性層を設けた圧力付与部材である。これらの圧力付与部材を用いた場合の記録材がニップを通過する際のベルト面での記録材の温度変化を示す。
まず、本実施形態、比較例1及び比較例2における圧力付与部材の圧力分布は、ニップ入口側では低くして、後端側に行くにしたがって増大し、圧力付与部材の下流側で最大圧力となるように設定されている。(図2)
このような圧力分布の設定において、比較例1では弾性層の上下流のA(=cρ)が同じであるため、記録材がニップを通過する際のベルト面側での記録材の温度変化は通紙初期には図4のようになる。ところが、連続通紙等により、ベルトの温度が高い状態においては、図4に示すような温度の変化になる。すなわち、ニップ入り口側、つまり加圧力が低い状態でベルト面側での記録材の温度が高くなってしまい、ここで発生した気泡を抑制しきれず、画像乱れとなってしまう。
また、比較例2ではA(=cρ)が小さいため、ベルト面側での記録材の温度が低くな
ってしまい、定着性が低下してしまう。
一方、本実施形態においては、弾性層の上流側のA(=cρ)を下流側よりも低く設定し
ている。このため、連続通紙等により、ベルトの温度が高くなった状態においても、記録材がニップを通過する際のベルト面での記録材の温度変化は図3に示すような状態になる。つまり、ニップ入り口側の加圧力が低い状態においてもベルト面側での記録材の温度を低くでき、過剰な熱量を与えることなく、従って、気泡の発生を抑えることが可能となり、画像乱れを防止することが可能になる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、圧力付与部材における弾性層として、ニップ下流側のシリコーンゴム(101(b))と、ニップ上流側のシリコーンスポンジ(101(a))とからなる。ニップ下流側には、密度1.3(g/cm3)、比熱1.1(kJ/kg・K)、A=1.41×103(kJ/m3・K)のシ
リコーンゴム(101(b))を用いた。ニップ上流側には下流側よりもAが小さい、ここでは密度0.28(g/cm3)、比熱1.1(kJ/kg・K)、A=3.08×102(kJ/m3・K)(101(a))
のシリコーンスポンジを用いた。ゴム硬度は上流側のシリコーンスポンジがHs20°、下流側のシリコーンゴムがHs30°のものを用いた。シリコーンスポンジはベースプレートから容易に取り外し可能なように、シリコーンスポンジとベースプレートは耐熱性両面カプトンテープ(不図示)により接着されている構成となっている。
また、本実施形態においてシリコーンスポンジは、ニップ下流側に積層されているシリコーンゴムの最上流側の高さとほぼ同等になるような厚みに設定されている。
圧力付与部材以外の構成は、第1の実施形態で示したものと同様である。
本実施形態における圧力付与部材の圧力分布は、第1の実施形態と同様にニップ入り口側では低くして、後端側に行くにしたがって増大し、圧力付与部材の下流側で最大圧力となるように設定されている。(図2)
このような圧力付与部材の構成及び圧力分布の設定では、薄紙の連続通紙によりベルトの温度がさらに高い状態になった場合においても、ニップ入口側に配置されたシリコーンスポンジ部のベルト部分の温度を低く抑えることが可能である。このため、過剰な熱量を
与えることない。従って、気泡の発生を抑えることが可能となり、画像乱れを防止することが可能になる。
また、本実施形態においては、圧力付与部材における弾性層を上流側でシリコーンスポンジ、下流側でシリコーンゴムとし、シリコーンスポンジはベースプレートから取り外し可能な構成にしている。このように構成することによって、弾性層の上下流側における経時変化に差が出てきた場合においても、容易に交換可能で、メンテナンス面、コスト面においても非常に有利である。
次に、上記第1及び2の実施形態における定着装置の画像乱れへの効果を確認した結果を説明する。圧力付与部材における弾性層の上下流側の材質、比熱c(kJ/kg・K)、密度
ρ(kg/m3)、及びA(kJ/m3・K)(=c・ρ)を第1及び2の実施形態及び比較例についてまとめたものを表1に示す。
Figure 2007079048
このとき、圧力付与部材に60kg、分離ローラに40kgで総圧100kgの加圧力を与えた。圧
力付与部材におけるニップは19mm、分離ローラにおけるニップは4mm、トータルニップは23mmになる。
また、定着条件の一例として、定着ローラの表面温度を170℃に温調、定着ベルトの表
面温度を110℃〜150℃まで振り、プロセススピードは300mm/secとした。通紙する記録材
はコート紙85g/m2とし、未定着トナー像の条件は、100%デューティーのべた画像を用いた。
この条件において、表1に示す各実施形態における画像乱れの発生の有無をベルト温度別に調べた実験結果を表2に示す。
Figure 2007079048
表2において、記号×は記録材上に目視で認識できるレベルの画像乱れが発生したことを示している。同表において、△は目視では分からないが拡大すると認識できるレベルの画像乱れが発生したことを示している。同表において、○は拡大しても画像乱れが発生しておらず良好な画像が得られたことを示す。
なお、比較例2については定着不良が起こる。
また、本例では3本のローラに掛けまわすエンドレスベルトに関して説明したが、分離ローラおよび圧力付与部材があれば、2本のローラに掛けまわすタイプや、分離ローラと圧力付与部材のみのタイプであってもよい。
なお、本発明の定着装置は、上述したような記録材に形成された未定着トナー像を定着する用途に限られない。例えば、記録材に形成される画像の光沢度を向上させるために、トナー像を仮定着するような用途や、既に仮定着されたトナー像を再加熱して光沢度を向上させる用途としても使用できる。本例ではこれらを総称して定着装置と呼ぶことにする。
(画像形成装置)
図6により本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置を備えた画像形成装置について説明する。
図6に示す装置内には第1、第2、第3、第4の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdが併設され、各々異なった色のトナー像が潜像、現像、転写のプロセスを経て形成される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ専用の像担持体、本例では電子写真感光ドラム303a、303b、303c、303dを具備し、各感光ドラム303a、303b、303c、303d上に各色のトナー像が形成される。各感光ドラム303a、303b、303c、303dに隣接して中間転写体1130が設置される。感光ドラム303a、303b、303c、303d上に形成された各色のトナー像が、中間転写体330上に1次転写され、2次転写部で記録材p上に転写される。さらにトナー像が転写された記録材pは、定着装置1で加熱及び加圧によりトナー像を定着した後、記録画像として装置外に排出される。
感光ドラム303a〜dの外周には、それぞれドラム帯電器302a〜d、現像器301a〜d、1次転写帯電器324a〜d及びクリーナ304a〜dが設けられる。装置の上方部にはさらに図示しない光源装置およびポリゴンミラーが設置されている。
光源装置から発せられたレーザー光を、ポリゴンミラーを回転して走査し、その走査光の光束を反射ミラーによって偏向し、fθレンズにより感光ドラム303a、303b、
303c、303dの母線上に集光して露光する。これにより、感光ドラム303a、3
03b、303c、303d上に画像信号に応じた潜像が形成される。
現像器301a、301b、301c、301dには、現像剤としてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナーが、図示しない供給装置により所定量充填されている。現像器301a、301b、301c、301dは、それぞれ感光ドラム303a、303b、303c、303d上の潜像を現像して、シアントナー像、マゼンタトナー像、イエロートナー像及びブラックトナー像として可視化する。
中間転写体330は矢示の方向に感光ドラム303と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光ドラム303a上に形成担持された上記第1色のイエロートナー画像は、感光ドラム3と中間転写体330とのニップ部を通過する。この過程で、中間転写体330に印加される1次転写バイアスにより形成される電界と圧力により、中間転写体330の外周面に中間転写されていく。
同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写体330上に重畳転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
311は2次転写ローラを示し、中間転写体330に対応し平行に軸受させて下面部に接触させて配設してある。2次転写ローラ311には、2次転写バイアス源によって所望の2次転写バイアスが印加されている。中間転写体330上に重畳転写された合成カラートナー画像の記録材Pへの転写は、次のように行われる。すなわち、給紙カセット300からレジストローラ312、転写前ガイドを通過して中間転写体330と2次転写ローラ311との当接ニップに所定のタイミングで記録材Pが給送される。これと同時に2次転写バイアスがバイアス電源からに印加される。この2次転写バイアスにより中間転写体330から記録材Pへ合成カラートナー画像が転写される。
一次転写が終了した感光ドラム303a、303b、303c、303dは、それぞれのクリーナ304a、304b、304c、304dにより転写残トナーをクリーニング、除去され、引き続き次の潜像の形成以下に備えられる。中間転写体330上に残留したトナー及びその他の異物は、中間転写体330の表面にクリーニングウエブ(不織布)を当接して、拭い取るようにしている。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは定着装置1へ順次導入され、転写材に熱と圧力を加えることで定着された後に排紙部363を経て出力される。
本発明の第1の実施形態における圧力付与部材の構成を示す説明図である。 第1及び2の実施形態、比較例における圧力付与部材部での圧力分布を示す図である。 第1及び2の実施形態、比較例における圧力付与部材部でのベルト面側記録材の温度変化を示す説明図である。 比較例におけるベルト温度上昇時の圧力付与部材部でのベルト面側記録材の温度変化を示す説明図である。 第1の実施形態の定着装置の構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す説明図である。 従来例のベルトニップ定着装置の構成を示す説明図である。 従来例のローラ定着装置の構成を示す説明図である。 従来例のローラ方式とベルトニップ方式の定着ニップの圧力分布を比較する説明図である。
符号の説明
1:定着装置
51:定着ローラ
52:定着ベルト(エンドレスベルト)
56:分離ローラ
58:ハロゲンヒータ
100:圧力付与部材
101:弾性層
102:ベースプレート
103:低摩擦シート
104:金属製ロッド
P:記録材

Claims (3)

  1. 記録材上の画像をニップ部にて加熱する画像加熱部材と、この画像加熱部材との間でニップ部を形成するエンドレスベルトと、このベルトをニップ部にて加圧する弾性パッドと、を有する画像加熱装置において、
    弾性パッドの比熱をc(kJ/kg・K)、密度をρ(kg/m3)としたとき、このc・ρ(kJ/
    3・K)は記録材搬送方向下流側よりも記録材搬送方向上流側の方が小さいことを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記弾性パッドはスポンジ層とこれよりも記録材搬送方向下流側に並置されたゴム層とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記画像加熱部材は記録材上の未定着画像を定着することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の画像加熱装置。
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