JP2007078998A - 画像加熱装置 - Google Patents

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理彦 横田
Kazuhisa Okuda
和久 奥田
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道昭 遠藤
Takatoshi Chiba
敬要 千葉
Shinsuke Unobayashi
伸介 鵜林
Hiromasa Katayama
弘雅 片山
Hiromitsu Uchida
洋光 内田
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Abstract

【課題】 定着ベルトと加圧ベルトを用いた定着装置において、定着ニップにおいて圧が不十分な領域が存在することにより、光沢ムラなどの画像不良が発生してしまった。
【解決手段】 定着パッドと加圧パッドによる定着ニップの入口側端部を基点にして定着ベルトと加圧ベルトが互いに離間するように、定着ベルトと加圧ベルトのそれぞれの懸架ローラの配置位置を設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は記録材上の画像を加熱する画像加熱装置に関する。この画像加熱装置としては、記録材上の未定着画像を定着する定着装置、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢度を向上させる光沢付与装置を挙げることができる。
従来より、記録材上のトナー画像に熱と圧を付与する定着ニップの記録材搬送方向長さを十分に長くすることにより画像形成の高速化を図るため、定着ベルトと加圧ベルトの2つのベルトを用いたベルト定着装置が提案されている(特許文献1、2)。
具体的には、特許文献1の定着装置では、定着ベルトを懸架する2つローラと、加圧ベルトを懸架する2つのローラをそれぞれ対向配置することにより、定着ベルトと加圧ベルトとの接触領域、即ち、定着ニップを長くしている。この定着装置の定着ニップの記録材搬送方向における圧分布は、定着ニップの入口付近と出口付近が非常に高く、その間では非常に低くなっているものと思われる。
特許文献2の定着装置では、特許文献1の定着装置とほぼ同様な構成を採用しつつ、定着ベルトと加圧ベルトとの定着ニップの途中に定着ベルトの内面側から加圧ベルトに向けて加圧するパッドを設けている。この定着装置の定着ニップの記録材搬送方向における圧分布は、定着ニップの入口付近と出口付近が非常に高く、次にパッド付近が高く、それ以外の両ベルトの接触領域では非常に低くなっているものと思われる。
特開2003−98889号公報 特開2004−341346号公報
しかしながら、従来の構成では以下のような問題があった。
特許文献1や特許文献2において、定着ニップ内の非常に圧が低くなっている領域は、所謂“フリーニップ“と呼ばれる状態にある。
つまり、このフリーニップでは、記録材に形成されたトナー像を定着させるのに要する十分な加圧力を与えることができない。その結果、定着ベルトと記録材の画像面との間で記録材から発生した水蒸気により画像不良が発生した。具体的には、定着画像に光沢ムラが発生した。
これは、フリーニップの部分において、十分に圧力を与えられない状況下で加熱だけされるので記録材から放出される水蒸気が画像面に閉じ込められ、光沢低下を招くおそれがある。
また、特許文献1や特許文献2では、定着装置の小型化、即ち、定着ベルト、加圧ベルトを懸架するローラの小径化を図った場合、先端がカールした記録材が定着ニップの入口でジャムしてしまうことが考えられる。即ち、記録材の搬送不良が発生してしまうことが考えられる。
そこで、本発明の目的は、画像加熱不良の発生を抑制することができる画像加熱装置を提供することである。
本発明の他の目的は、記録材の搬送不良の発生を抑制することができる画像加熱装置を提供することである。
本発明の更なる目的は添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
本発明によれば上記目的は達成することができる。本発明は、記録材上の画像をニップ部にて加熱する第1のエンドレスベルトと、この第1のベルトとの間でニップ部を形成する第2のエンドレスベルトと、第1のベルトを懸架する第1の懸架手段と、第2のベルトを懸架する第2の懸架手段と、第1のベルトをニップ部にて加圧する第1の加圧パッドと、第2のベルトをニップ部にて加圧する第2の加圧パッドと、を有する画像加熱装置において、
第1のベルトと第2のベルトは、第1の加圧パッドと第2の加圧パッドの記録材搬送方向上流側端部を基点にしてそれぞれのベルト走行面が離れるように懸架されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、画像加熱不良の発生を抑制することができる。また、記録材の搬送不良の発生を抑制することができる。
(実施例1)
本発明に係る画像加熱装置としての定着装置の説明を行う前に、まず、図8を用いて定着装置を備えた画像形成装置の説明を行う。この画像形成装置はカラー電子写真プリンタである。
図8に示すプリンタ100は、トナー像を形成する画像形成部に、感光体121、帯電器127、レーザスキャナ128、現像器113、1次転写器121、中間転写体122、二次転写器219が設けられている。なお、現像器113は、Y(イエロ)、M(マジェンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色毎に設けられている。トナー像の形成方式は公知の電子写真画像形成方式を採用しており、以下のような過程でトナー像が形成される。
(1)帯電器127が感光ドラム121を均一に帯電させる。
(2)レーザスキャナ128が感光ドラム121表面上に潜像を形成する。
(3)感光ドラム上の潜像は、現像器113によってトナーが付着されて可視像になる。
(4)感光ドラム121のトナー像は、一次転写器(ローラ)121によって、像担持体である中間転写ベルト122に順次転写される。
上記(1)〜(4)の工程を、他の3色のトナー像について繰り返し行うことにより、中間転写ベルト122上にフルカラー画像が形成される。
一方、給紙カセット223内に収納されている記録材としてのシートSは、ピックアップローラ224により1枚ずつ送り出され搬送ローラ対226を通りレジストローラ対225に向けて搬送される。
そして、レジストローラ対225は、中間転写ベルト122上のトナー像と同期を取って、シートSを中間転写ベルト122と二次転写器(ローラ)219との間に搬送する。このレジストローラ対225はシートSの先端を整列させ斜行を補正する機能も併せ持っている。
中間転写ベルト122上のカラートナー像は二次転写ローラ219によってシートSに転写される。その後、未定着トナー像が形成されたシートSは定着装置Aに向けて搬送される。
定着装置AはシートS上のトナー像を加熱加圧することによりシートSに定着する。トナー像が定着されたシートSは、機外へ排出され、一連の画像形成が終了する。
なお、記録材としてのシートは、トナー像が形成される媒体で、普通紙、厚紙、トランスペアレントシート、封筒、などがある。
次に、本発明に係る画像加熱装置としての定着装置について説明する。
図1は定着装置Aの断面図、図2は定着装置Aの矩形Q部(図1)の詳細図である。
定着装置Aは、第1のエンドレスベルトとしての定着ベルト1(定着手段)と、第2のエンドレスベルトとしての加圧ベルト2(加圧手段)とを備えている。
本例の定着装置では、後述する定着パッド8、加圧パッド11、定着ローラ2、加圧ローラ7により、定着ベルト1と加圧ベルト2間においてシート搬送方向に十分に長いニップ部を形成している。このニップ部においてシート上のトナー像に熱と圧力を十分に与えることが可能となり、画像形成の高速化に寄与している。
定着ベルト1は厚み75μmのNiを基層とし、基層の外周には300μmの弾性層が設けられている。弾性層の材料としては、公知の弾性材料を使用することができ、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いることができる。本実施例では、シリコーンゴムを用い、硬度はJIS−A20度、熱伝導率は0.8W/mKである。
この弾性層の変形によって、定着ベルト1へのシートの巻きつきを防止し、ベルトからの良好な分離性能を得ることができる。
更に弾性層の外周には、表面離型層としてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
加圧ベルト2は、厚み75μmのNiを基層とし、基層の外周には300μmの弾性層が設けられている。表面は離型層としてフッ素樹脂であるPFAチューブを30μmの厚みで設けられている。
定着ベルト1は、懸架手段としての、定着ローラ3と加熱ローラ4により回転自在に懸架されている。この定着ローラ3は定着ニップを形成する機能の他に定着ベルト1を回転駆動する駆動ローラとしての機能を有し、加熱ローラは内部に設置された熱源5により加熱されることにより定着ベルト1を加熱する機能を有している。
加熱ローラ4は、外径が20mmで、内径が18mmである厚さ1mmの鉄製の中空ローラである。この加熱ローラの内部に設置された熱源5としてはハロゲンヒータを使用している。
また、加熱ローラ4は、そのジャーナルを図5に示すばね6aで矢印X方向へ付勢され(図1)、所謂、テンションローラとしての機能も有している。なお、反対側のジャーナルも同様にばねで張架されている。
定着ローラ3は、外径が20mmで、径が18mmである鉄系合金の芯金に、弾性層としてのシリコーンゴム層が設けられた弾性ローラである。このような弾性層を設けることによって、定着ベルト1との間で摩擦伝達力が生じ、駆動源(モータ)から駆動ギア列を介して入力された駆動力を定着ベルト1へ良好に伝達することができる。
また、定着ローラ3は、加圧ローラ7との間で定着ベルト1からシートの分離性を確保するための定着ニップの分離部を形成するための機能を有している。
このシリコーンゴムの硬度はJIS−A15度、熱伝導率は0.8W/mKである。シリコーンゴム層によって、芯金への熱伝導も少なくなるためウォーミングアップタイムの短縮にも効果がある。
定着ベルト1と加圧ベルト2とを接触加圧させる第1の加圧パッド(固定部材)としての定着パッド8が、定着ベルト1内面の定着ローラ3よりシート材搬送方向の上流側に配置されている。
定着パッド8は、SUS製の剛体と、この剛体の表面を被覆する低摺動シート9aと、を有しており、定着ベルト1との摺動抵抗が小さくなるように構成されている。この低摺動シート9aはガラス繊維製の不織布をフッ素樹脂でコーティングしたシートを用いた。
一方、定着ベルトとの間でニップ部を形成する加圧ベルト2は、懸架手段としての、加圧ローラ7とテンションローラ10とによって懸架(張架)されている。
このテンションローラ10は、外径が20mmで、径が16mmである鉄合金製の芯金に、熱伝導率を小さくして加圧ベルト2からの熱伝導を少なくするためにシリコーンスポンジ層が設けられている。このテンションローラは、加熱ローラ4と同様に、加圧ベルト2に所定の張力を付与する機能を有しており、その回転軸の両端がバネにより矢印Y方向へ(図1)付勢されている。
加圧ローラ7は、外径が23.5mmで、内径が19.5mmである厚さ2mmの鉄合金製の中空ローラである。
ニップ部において加圧ベルト2を内面から定着ベルト1に向けて加圧する第2の加圧パッド(固定部材)としての加圧パッド11が設けられている。この加圧パッド11は、弾性体15と、この弾性体15よりもシート搬送方向上流側の位置に配置された剛体である加圧クロスメンバ17とにより構成されている。また。この加圧パッド11は加圧ローラ7よりもシート搬送方向上流側の位置に配置されている。
加圧パッド11の弾性体15はシリコーンゴムやフッ素系ゴムで構成することができ、本実施例では硬度JIS−A15度のシリコーンゴムを用いた。
加圧クロスメンバ17は弾性体15を支持する機能を有している。また、後述するように、テンションローラ10が加圧パッド11よりも下方に設置されている(図1)関係上、弾性体15のシート搬送方向上流端の部分が潰れてしまう恐れがある。そこで、加圧クロスメンバ17に加圧ベルト2の屈曲位置(ニップ部の入口部)を規定するガイドの機能も併せ持たせている。
即ち、加圧クロスメンバ17は弾性体15と隣り合う位置(ニップ部の入口部)においてほぼ同じ高さを有している。なお、本例では、加圧クロスメンバ17は弾性体15よりも加圧ベルト2側へ僅かに1mmだけ突出させて設けている。
また、加圧パッド11の弾性体15及び加圧クロスメンバ17の表面は、定着パッド8と同様に、低摺動シート9bにて被覆し加圧ベルト2の内面との摺動抵抗が小さくなるように構成している。
図7は加圧ベルトの斜視図である。定着パッド8と加圧パッド11間において定着ニップを形成するために、加圧パッド11を保持した支持板12が加圧機構Gにより750Nの加圧力にて矢印Z方向へ(図1)加圧されている。
加圧機構Gは、ヒンジ50を回動中心にした加圧枠体14と、加圧ローラ7の両端ジャーナル7aを回動自在に支持するベアリング25と、を有している。さらに、テンションローラ10のジャーナル7aをベアリング25で支持し、ベアリング25を加圧ベルト2に張力を与える方向に加圧するバネ16を有している。さらに、加圧枠体14を定着ローラ3の方向へ加圧する加圧バネ13を有している。
定着パッド8および加圧パッド11によって両ベルト間に形成されるニップ部は搬送方向におよそ18mm程度に広がり、シート材に対して短時間で所定の定着エネルギーを供給することが可能である。すなわち、画像形成の高速化に寄与できる。
また、ニップ部の出口部を形成するために、加圧ローラ7はそのジャーナルが加圧機構により定着ローラ3に向けて350Nの加圧力で加圧されて、小さい曲率のニップによりシートの定着ベルト1に対する分離作用が生じる。この分離部では加圧ローラ7が定着ベルト1および加圧ベルト2を挟持したまま定着ローラ3の弾性層に食い込む状態となっており、シートの分離作用が良好となるように構成されている。
定着ローラ3および加圧ローラ7は、駆動モータにより駆動力を与えられ、定着動作時には所定の周速で回転する。定着ローラ3と加圧ローラ7には周速差が付与されている。この周速差を設けるための方法としては、定着ローラ3と加圧ローラ7の各々を駆動する駆動モータを設ける方法がある。また、1つのモータで各ベルトに駆動力を伝えるギア列もしくはタイミングベルト等の動力伝達手段の減速比を違える方法、各々のローラ径を異ならせる方法、各々のベルトの厚みを異ならせる方法などで実現できる。
本実施例では、定着に関係する部材として定着側、加圧側共にエンドレスベルトを採用したことで従来よりも低熱容量化を図ることが可能となった。その結果、ウォームアップ時間(画像形成装置の電源オン時から定着可能な状態となるまでに要する時間)の短縮化に寄与している。
定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、モータによって定着ローラ3が回転駆動され、摩擦力により定着ベルト1も回転力を得る。
なお、定着装置Aによりシート搬送力のほうが2次転写部のそれに比べて非常に大きいため、2次転写部と定着装置Aの双方によりシートが挟持されているときシートが定着器側に引っ張られると画像の転写ズレが生じる可能性がある。そのため、本例では、定着装置による記録材搬送速度(ニップ部での記録材搬送速度)が2次転写部のそれに比して僅かに遅くなるように、定着ベルトと加圧ベルトの周速を設定している。その結果、2次転写部と定着装置Aとの間でシートに僅かなループが形成される。
なお、定着装置Aにはシートのループ量を検知する定着入口センサ16が設けられており、このセンサ16が所定のループ量を検知すると、定着ベルトや加圧ベルトを駆動するモータの回転数を微調してシートに形成されるループ量を制御している。
定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、定着ベルト1と加圧ベルト2間の定着ニップ部に向けて、未定着トナー画像Tを有するシートSが矢印W方向に沿って(図1)搬送されてくる。シートSは、未定着トナー画像を担持した面を、定着ベルト1側に向けて導入される。そして、シートSの未定着トナー画像Tが定着ベルト1の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト1から熱が付与され、また加圧力を受けてシートSの表面に定着される。
また、定着ベルト1内の定着ローラ3がゴム層を有する弾性ローラであり、加圧ベルト2内の加圧ローラ7は鉄合金製の剛性ローラであるため、定着ベルト1と加圧ベルト2との定着ニップ出口では定着ローラ3のゴム層での変形が大きくなっている。その結果、定着ベルトも大きく変形し、トナー画像を担持したシートSは定着ベルト1から自らのこしにより曲率分離される。
次に、上述したフリーニップによる画像不良や記録材搬送不良を防止するための定着装置の構成を説明する。
図2は、図1中において四角く囲ったQで示した部分の拡大図である。
本例では、定着パッド8と加圧パッド11によるニップ部のシート搬送方向上流端を基点にして、定着ベルトと加圧ベルトの走行面が互いに離間するように、加熱ローラ4とテンションローラ10の配置位置を設定している。このように、ニップ部の入口側端部を基点にして定着ベルトと加圧ベルトの走行面が離れるように設定し上述したフリーニップを無くしたことにより、定着画像に光沢ムラが生じたり、カールしたシートがジャムしてしまう問題を回避することが可能となる。
定着ベルト1と加圧ベルト2は、前述のように、加圧機構Gにより加圧力を得て互いの表面の一部を接触させた状態では、矢印Pで示したように加圧パッド11が加圧ベルト2に対してベルトの表面に垂直な方向に荷重をかけている。なお、定着ベルト1側の部材は画像形成装置本体側に不動となるように固定配置されている。従って、定着パッド8は不動であり、加圧パッド11を加圧することにより所定のニップ内圧力を得る構成とされている。
加圧パッド8の弾性体15と加圧クロスメンバ17との間には、上述したように、高さ方向で微小な段差を設けており、ニップ部の圧力は加圧パッド11により生成されている。
加熱ローラ4は、図6に示すように、側板18aおよび18bに設けたスリット18c(反対側も同様にて図省略)により移動方向と範囲が制限されている。
本例では、定着パッド8がニップを開始する点O(図2)におけるニップ接線Kと、定着パッド8と加熱ローラ4とを結ぶ線、即ち、定着ベルトの走行ラインK1との間に角度αを生じさせている(図1)。
同様に、加圧クロスメンバ17とテンションローラ10とを結ぶ線、即ち、加圧ベルトの走行ラインK2と、点Oにおけるニップ接線Kとの間に角度βを生じさせている(図1)。
シートSはその上面に未定着画像を担持したまま、入口ガイド18に沿って搬送され、シート材先端が加圧クロスメンバ17とテンションローラ10との間で張る加圧ベルト2に接触し、ニップ開始点Oに進入する。
定着ベルトと加圧ベルトは、ニップ開始点Oを基点にしてシート搬送上流側が離間するように加熱ローラ4とテンションローラ10により懸架されているため、フリーニップ区間B以外にベルト同士が接触することはなく、定着不良を起こすことがない。
シートSは上面に画像を担持しているため、ニップ部に侵入する前に定着ベルト1に接触すると画像に乱れが生じるため、入口ガイド18により搬送されるシートSが加圧ベルトに先に接触するように配置するのが好ましい。
ここで、ベルトは弾性体であるため、引っ張り力T1およびT2によってベルトが引っ張られている状態であっても幾許かの復元力、即ち曲げモーメントが働いている。
例えば、図10において、無端ベルト801(定着ベルト、加圧ベルトを定着装置に装着する前の状態)は、ローラなどにより所定の張力で懸架されていない状態ではほぼ円筒形を維持し、この状態では曲げ応力は発生していない。
この無端ベルト801を直径方向で圧縮するとベルト内に曲げ応力が発生し、ベルトの復元力が生じる。ベルトの復元力は円筒に戻ろうとする力であり、円筒半径より小さい曲げ部はベルト外側に復元力802が働き、円筒半径より大きい曲げ部はベルト内側に復元力803が働く。
そこで、本例では、加圧パッド11を加圧機構により加圧する加圧力はベルトの総復元力の5倍以上とし、加圧パッド部分のニップ部の総荷重が400Nとなるように設定されている。それに対して、ベルトの総復元力は3N程度であり、ニップ圧に影響を与えるものではない。
しかしながら、図2において、ニップ内の圧が0.05MPaとなる境界地点Oよりもシート搬送方向上流側では、ベルトの復元力のみでシートSを狭持する領域Bが僅かながら存在してしまう。この領域Bは、上述したように、ニップ圧が0.05MPaよりも小さく不安定なフリーニップとも言えるため、このフリーニップの長さによっては画像不良やシート搬送不良(ジャム)が生じる恐れがある。
そこで、本例では、この領域Bのシート材搬送方向の長さを後述のように設定し、画像不良やシート搬送不良を回避している。
領域Bの長さは、ベルトの剛性、ベルトの引っ張り力、両ベルトの引っ張り方向の角度などのパラメータによって決まり、各々の関係は以下のとおりである。
(1)ベルトの剛性が大きいとき、範囲Bは大きくなる。
(2)ベルトの引っ張り力が大きいとき、範囲Bは小さくなる。
(3)両ベルトの引っ張り角度(後述のα+β°)が大きいとき、範囲Bは小さくなる。
一方、領域Bによる画像不良の影響はシートSの搬送速度と定着温度によってその許容範囲が変化するものであり、単位時間当たりにシートSに与える定着エネルギー(圧力と温度)を小さくすることで画像不良の影響を回避することが出来る。すなわち、以下の関係がある。
(1)シートSの搬送速度が速いとき、範囲Bの許容範囲は大きくなる。
(2)定着温度が高いとき、範囲Bの許容範囲は小さくなる。
本発明者の実験によれば、シートSの搬送速度をVpとしたとき、領域B(mm)はVp(mm/sec)に対して、以下の関係が見出された。
温度が200℃のとき、B≦0.01Vp
温度が180℃のとき、B≦0.02Vp
温度が160℃のとき、B≦0.035Vp
なお、範囲Bは、図3においてベルト接触圧が0MPaより大きく0.05MPaより小さい部分を示しており、この範囲が広いと画像不良(光沢ムラ)を起こす。
図3はシート搬送方向に沿った定着装置の圧分布を示し、右側がニップ部の入口側、左側が出口側である。圧力が0〜0.05MPaの領域Bがニップ部の入口側に発生するフリーニップで、0.6MPaの圧力がピークとなる部分が定着ローラ3と加圧ローラ11とで形成する分離部である。
加圧ローラ7と定着ローラ3により形成される分離部のニップ圧は約0.6MPa、定着パッド8と加圧パッド11により形成されるニップ圧は約0.1MPa、総荷重では約800Nである。
すなわち、定着性を確保できる最低限の温調温度である160℃において、
B≦0.035Vp
の関係が成り立つように領域Bの長さを設定することが望ましい。
本装置でのシートの搬送速度Vpは200(mm/sec)であるので、領域Bの上限値は7mmとなるが、本例では領域Bの長さが3mmとなるように、加熱ローラ4、テンションローラ10の配置位置を設定している。
なお、領域Bの下限値は、定着パッド8と加圧パッド11のシート搬送方向における設置位置のばらつきの最小値で決まり、部品精度および組み立て精度に依存する。本例のように、ニップ部を構成するのに必要な最小部品数(定着パッド、定着パッドを固定する部材、加圧パッド、加圧パッドを固定する部材)で構成した場合には、加圧パッドと定着パッドを調整治具を用いて組み立てるのが最も精度の高い方法となる。この方法では0.1mmの精度で調整可能であり、領域Bの下限値は0.1mmとなる。
また、本例においては、ニップ線Kに対して加熱ローラ4およびテンションローラ10が互いに離れる方向にベルトを引っ張る角度をα、βとすると、以下の関係が成り立っている。
5°≦α
5°≦β かつ
10°≦α+β≦90°
この角度αは、ニップ部に沿うニップ線Kと、ニップ部入口側において定着ベルトが加圧ベルトから離間し始める領域の定着ベルトの走行面に沿う線K1(図1)とのなす角度である。
また、角度βは、ニップ部に沿うニップ線Kと、ニップ部入口側において加圧ベルトが定着ベルトから離間し始める領域の加圧ベルトの走行面に沿う線K2(図1)とのなす角度である。
なお、ベルトの走行面に沿う線K1、K2は、それぞれ、ベルトをその幅方向端部側から見たとき(図1)、ベルトの幅方向端部に沿った線である。また、ニップ部がベルトの搬送方向に沿って直線的となっていない場合、ニップ部の入口端部と出口端部を結ぶ線をニップ線Kとする。
以上のような角度に設定したことで、上述した画像不良やシート搬送不良の発生を防止することができた。本例では、αは25°、βは26°に設定されている。なお、αやβを大きめに設定した場合、ベルトの材質によっては永久変形の影響が大きくなり耐久性が低下してしまう可能性もある。そこで、以下の角度に設定するのが好ましい。
α≦30°
β≦30°
10°≦α+β≦60°
なお、以上において説明したばね荷重は、コイルばね圧縮引張試験機(JIS B 7738に準拠)にて測定可能である。また、ニップのシート搬送方向における圧力分布は接触抵抗法を用いた圧分布測定器にて測定可能である。また、ベルトのヤング率は圧縮荷重と変位の関係から測定することができる。また、シートSの搬送速度はレーザードップラ速度計LDで測定することができる。定着ローラ3の近傍にてシートSの搬送方向に対して90°±5°の角度でレーザーを照射することが望ましい(図1)。
このように、本例の構成によれば、定着ベルト1と加圧ベルト2をニップ部の入口端部を基点に離間させる手段として、加熱ローラ4とテンションローラ10を兼用させたことにより、装置の簡易化並びにコストダウンを図ることができる。
また、従来のような、ニップ部の入口側を形成するローラの偏芯の影響を受けずに、安定したニップ部を得ることができる。
(実施例2)
本例は、ベルトを懸架するローラを固定のガイド部材に変更した点を除き、実施例1と同じ構成とされている。
図9に示すように、定着ベルト1は固定の定着ガイド151により懸架されている。この定着ガイド151はバネ152により所定の張力にて定着ベルト1を張架する構成とされ、外周面が低摺動シート151aにより被覆されている。一方、加圧ベルト2も、テンションガイド153により懸架されている。このテンションガイド153はバネ154により所定の張力にて加圧ベルト2を張架する構成とされ、外周面が低摺動シート153aにより被覆されている。
本例でも、実施例1と同様に、フリーニップを無くす目的で、定着ガイド151およびテンションガイド152の配置位置を設定している。その結果、両パッドによるニップ部の入口端部を基点にしてシート搬送方向上流側において定着ベルト1と加圧ベルト2の走行面が互いに離れる構成とされている。なお、本例では、実施例1での熱源5の代わりに、加圧ローラ7内に熱源(ハロゲンヒータ)155を設けている。
このように、ベルトを懸架する固定のガイド部材に変更する構成の場合であっても、実施例1と同様に画像不良やシート搬送不良を防止することが可能となる。
なお、以上の実施例1、2では、シートに形成された未定着トナー像を定着する定着装置を例に説明したが、本発明はこのような構成だけに限られない。例えば、シートに既に定着された(仮定着された)トナー像を再度加熱することにより画像の光沢度を増大させる光沢付与装置にも本発明を同様に適用することが可能である。
定着装置の概略断面図 定着装置の要部の詳細断面図 定着ニップの搬送方向における圧分布を示す図 定着装置の斜視図 定着装置の斜視図 定着装置の斜視図 定着装置の斜視図 画像形成装置の概略断面図 定着装置の概略断面図 無端ベルトを示す図
符号の説明
1 定着ベルト
2 加圧ベルト
3 定着ローラ
4 加熱ローラ
5 ハロゲンヒータ
7 加圧ローラ
8 定着パッド
9a、9b 摺動シート
10 テンションローラ
11 加圧パッド
12 支持板
13 加圧ばね
14 加圧枠体
15 弾性体
16 入り口センサ
17 加圧クロスメンバ
18 入り口ガイド

Claims (5)

  1. 記録材上の画像をニップ部にて加熱する第1のエンドレスベルトと、この第1のベルトとの間でニップ部を形成する第2のエンドレスベルトと、第1のベルトを懸架する第1の懸架手段と、第2のベルトを懸架する第2の懸架手段と、第1のベルトをニップ部にて加圧する第1の加圧パッドと、第2のベルトをニップ部にて加圧する第2の加圧パッドと、を有する画像加熱装置において、
    第1のベルトと第2のベルトは、第1の加圧パッドと第2の加圧パッドの記録材搬送方向上流側端部を基点にしてそれぞれのベルト走行面が離れるように懸架されていることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記ニップ部に沿う線と前記第1のベルトの走行面に沿った線とのなす角度をα(°)、前記ニップ部に沿う線と前記第2のベルトの走行面に沿った線とのなす角度をβ(°)とすると、以下を満足することを特徴とする請求項1の画像加熱装置。
    5°≦α
    5°≦β
    10°≦α+β≦90°
  3. 以下を満足することを特徴とする請求項2の画像加熱装置。
    α≦30°
    β≦30°
    10°≦α+β≦60°
  4. 前記ニップ部での圧力が0.05MPaより小さい領域の記録材搬送方向長さをB(mm)、記録材搬送速度をVp(mm/sec)としたとき、
    0.1 ≦ B ≦0.035×Vp
    を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの画像加熱装置。
  5. 前記第2の加圧パッドは、弾性体と、この弾性体の記録材搬送方向上流側端部の変形を規制する剛体と、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの画像加熱装置。
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