JP2007140309A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1定着部材たる定着ローラ72を定着ベルト71と加圧ベルト81を介して加圧手段たる加圧ローラ83に圧接させて、第1定着ニップを形成した。また、第2定着部材たる板状の定着パッド77を定着ベルト71と加圧ベルト81を介して加圧手段たる加圧パッド87に圧接させた。
【選択図】図2
Description
そこで、図5に示すような構成の定着装置が考えられる。すなわち、加圧ローラ183と定着ベルト171を介して圧接して、第1定着ニップN1を形成する第1定着ローラ172を備える。また、この第1定着ローラ172よりも転写紙搬送方向下流側で加圧ローラ183と定着ベルト171を介して圧接して、第2定着ニップN2を形成する第2定着ローラ177を備える定着装置である。このように構成することで、第1定着ニップN1および第2定着ニップN2の両方を、定着ベルト171を両面から圧接するニップ部にすることができる。よって、第1定着ニップN1と第2定着ニップN2の両方で転写紙上のトナー像と定着ベルトとの密着性を良好にすることができる。その結果、第1定着ニップN1と第2定着ニップN2とでトナーを均一に加熱することができ、光沢ムラを抑制することができる。しかしながら、かかる構成においては、第1定着ニップN1および第2定着ニップN2を所望のニップ幅にするためには、各定着ローラ172、177の径を大きくする必要がある。これは、各定着ローラは、その表面に弾性層を有しており加圧ローラと圧接することで、弾性層が変形してニップ幅を形成している。このため、ローラの径が小さいと弾性層が変形する部分が少なくなり、所望のニップ幅が得られないので、各定着ローラ172、177の径を大きくする必要がある。よって、所望のニップ幅を得るために、各定着ローラ172、177の径を大きくすると、第1定着ニップN1と第2定着ニップN2との間隔Mが広がってしまう。第1定着ニップN1と第2定着ニップN2との間は、加圧ローラ183が定着ベルト171とのみ接触する領域である。この領域が広がってしまうと、転写紙上のトナーが不均一に加熱されてしまう時間が増加してしまい、光沢ムラなどの異常画像が生じてしまう。また、かかる構成では、転写紙上のトナーは、第1定着ニップを突入してから第2定着ニップを抜けるまで、定着ベルトと接触し、定着ベルトから熱量が付与される。第1定着ニップN1と第2定着ニップN2との間隔Mが広がると、定着ベルトから熱量が付与される領域も広がる。定着ベルトから熱量が付与される領域が広がると、定着ベルトの設定温度が低くても、転写紙上のトナーに所望の光沢性が得られる熱量を付与することができるが、広すぎると、ホットオフセットに対する余裕度が小さくなってしまう。ホットオフセットに対する余裕度が小さくなると、定着ベルト171の温度が少し上昇したり、転写紙の搬送速度が少し低下しただけで、ホットオフセットが生じてしまう問題があった。これは、定着ベルトの温度が少し増加したり転写紙の搬送速度が少し低下しただけでも、トナー像に付与する熱量が、転写紙上のトナー像が加熱される領域が狭いものに比べて大幅に上昇するためである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記第1定着部材に、層厚3[mm]以上の弾性と断熱性とを有する弾性兼断熱層を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の定着装置において、上記第1定着部材と上記加圧手段との面圧、及び、上記第2定着部材と上記加圧手段との面圧を、1×105[N/m2]以上としたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの定着装置において、上記第2定着部材を上記第1定着部材よりも、転写材搬送方向下流側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の定着装置において、上記第1定着ニップで、上記未定着トナー像が転写材上に定着するために必要な熱量を、該未定着トナー像に付与することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の定着装置において、上記第2定着ニップで、定着後の転写紙上の画像が所望の光沢となるために必要な熱量をトナー像に付与することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの定着装置において、上記第1定着ニップの転写材搬送方向長さをr、上記第2定着ニップの転写材搬送方向長さをp、上記第1定着ニップの転写材搬送方向最上流の位置から、上記第2定着ニップの転写材搬送方向最下流の位置までの距離Lとしたとき、{(p+r)/L}>(1/2)上記関係式が成り立つことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの定着装置において、上記第2定着部材の少なくとも上記定着ベルトと接触摺動する箇所を、摺動性および耐熱性に優れた樹脂材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの定着装置において、上記第2定着部材の転写材搬送方向下流側を10[mm]以下の曲率半径で転写材対向面と反対側に曲がる湾曲部を形成し、該湾曲部に上記定着ベルトを巻き付かせたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの定着装置において、上記定着ベルトを加熱する加熱部材以外で、該定着ベルトを張架する回転部材に、断熱層を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかの定着装置において、上記加圧手段は、上記第1定着部材と上記定着ベルトを介して圧接するローラ状の第1加圧部材と、上記第2定着部材と上記定着ベルトを介して圧接する板状の第2加圧部材とで構成されており、該第1加圧部材と、該第2加圧部材とに張架されて無端移動する加圧ベルトを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の定着装置において、上記第2加圧部材の少なくとも上記加圧ベルトと接触摺動する箇所を、摺動性および耐熱性に優れた樹脂材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項11または12の定着装置において、上記第2加圧部材の転写材搬送方向下流側を10[mm]以下の曲率半径で転写材対向面と反対側に曲がる湾曲部を形成し、該湾曲部に上記加圧ベルトを巻き付かせたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項11乃至13いずれかの定着装置において、上記加圧ベルトを加熱する加熱部材以外で、該加圧ベルトを張架する回転部材に、断熱層を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項1乃至14いずれかの定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
また、第1定着ニップでは、第1定着部材を定着ベルトを介して加圧手段に圧接させて、第2定着ニップでは、第2定着部材を定着ベルトを介して加圧手段に圧接させて、第1定着ニップおよび第2定着ニップの両方のニップにおいて、定着ベルトを両面から圧接するようにしている。よって、第1定着ニップおよび第2定着ニップ両方で転写紙上のトナーを均一に加熱することができる。よって、第1定着ニップと第2定着ニップの一方が、定着ベルトとのみ加圧手段と圧接させるものに比べて、光沢ムラが生じるのを抑制することができる。
さらに、第2定着部材を板状とすることで、ローラ状の定着部材に比べてスペースを取らずに所定のニップ幅を形成することができる。よって、第2定着部材の一部を、ローラ状の第1定着部材と定着ベルトとの隙間に配置することができ、第1定着ニップの近傍に第2定着ニップを形成することができる。これにより、第1定着部材と第2定着部材の両方をローラ状にしたものに比べて、第1定着ニップと第2定着ニップとの間隔を狭めることができる。これにより、転写紙上のトナーが不均一に加熱されてしまう時間を短くでき、光沢ムラなどの異常画像が生じてしまうのを抑制することができる。また、第1定着ニップと第2定着ニップとの間隔を狭めることができるため、第1定着部材と第2定着部材の両方をローラ状にしたものに比べて、転写紙上のトナー像が加熱される領域を狭めることができる。これにより、ホットオフセットに対する余裕度が向上し、環境などにより定着ベルトの温度が多少上昇したり、転写紙搬送速度が多少低下したりしても、ホットオフセットが生じることがない。
図1は、本実施形態に係る複写機の概略構成図である。この複写機はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの北面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。すると、照射部(露光部)の電位が減衰する。この減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ(18M,C,K)についても同様である。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ14、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ14を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y,M,C,Kに向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体と一次転写バイアスローラとの間に一次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このYトナー像の上には、M,C,K用の感光体1M,C,K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録シートたる転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
加圧ベルト側は、テンションローラ82の表面に発泡シリコンゴムからなる断熱層を設ける。これにより、加圧ベルト81に蓄熱された熱が、テンションローラ82に奪われてしまうの抑制することができる。これにより、装置立ち上げ時に、加圧ベルト81をすばやく所定の温度に昇温することができ。また所定の温度に昇温するまでに加圧ベルト81に与える熱量が少なくてすむので、消費電力を少なくすることができる。
以上、本実施形態の定着装置によれば、第1定着部材たる定着ローラを定着ベルトを介して加圧手段に圧接させて、第1定着ニップを形成し、第2定着部材たる板状の定着パッドを定着ベルトを介して加圧手段に圧接させている。かかる構成とすることで、定着ニップがひとつのものに比べて、ニップ幅を大きくとることができる。よって、定着ベルトの加熱温度を上げたり、転写紙の搬送速度を下げたりしなくても、転写紙上にトナーを良好に定着でき、定着後の画像に所望の光沢性が得られるような熱量を転写紙上のトナーに付与することができる。従って、定着ニップがひとつのものに比べて、省エネルギー化することができ、また、生産性を向上させることができる。
また、かかる構成では、第1定着ニップおよび第2定着ニップの両方のニップ部で、定着ベルトを両面から圧接している。よって、第1定着ニップおよび第2定着ニップ両方で転写紙上のトナーを均一に加熱することができる。よって、第1定着ニップと第2定着ニップの一方が、定着ベルトとのみ加圧手段と圧接させるものに比べて、光沢ムラなどの異常画像が生じるのを抑制することができる。
さらに、第2定着部材を板状の定着パッドとすることで、スペースを取らずに所定のニップ幅を形成することができる。よって、定着パッドの一部を、定着ローラと定着ベルトとの隙間に配置することができ、第1定着ニップの近傍に第2定着ニップを形成することができる。これにより、第1定着部材と第2定着部材の両方をローラ状にしたものに比べて、第1定着ニップと第2定着ニップとの間隔を狭めることができる。これにより、転写紙上のトナーが不均一に加熱されてしまう時間を短くでき、光沢ムラなどの異常画像が生じてしまうのを抑制することができる。また、第1定着ニップから第2定着ニップまでの間隔を狭めることができるため、第1定着部材と第2定着部材の両方をローラ状にしたものに比べて、転写紙上のトナー像が加熱される領域を狭めることができる。これにより、ホットオフセットに対する余裕度が向上し、環境などにより定着ベルトの温度が多少上昇したり、転写紙搬送速度が多少低下したりしても、ホットオフセットが生じることがない。
(2)
また、定着ローラに、層厚3[mm]以上の弾性と断熱性とを有する弾性兼断熱層を設けている。これにより、加圧手段と当接したときに、良好に弾性変形して、所望のニップ幅を形成することができる。また、断熱性を有することで、定着ベルト71に蓄熱された熱量が定着ローラに奪われることを抑制することができる。なお、層厚が3[mm]未満だと、良好な弾性を得ることができず、所望のニップ幅を得ることができず、断熱性も低下して、定着ベルトが所望の温度に到達するまでの時間が増加してしまう。
(3)
また、上記定着ローラと上記加圧手段との面圧、及び、上記定着パッドと上記加圧手段との面圧を、1×105[N/m2]以上とすることで、転写紙上のトナー像を均一に加熱することができ、光沢ムラなどの異常画像を抑制することができる。
(4)
また、上記定着パッドを上記定着ローラよりも転写紙搬送方向下流側に設けている。回転しない定着パッドは、回転する定着ローラに比べて定着ベルトの移動負荷が大きい。このため、定着パッドを定着ローラより転写紙搬送方向上流側に設けると、定着パッドの負荷によって、定着パッドより転写紙搬送方向下流側の定着ベルトの移動速度が安定しなくなる。その結果、第1定着ニップ及び第2定着ニップで転写紙上のトナー像に所望の熱量を付与することができず、所望の光沢性が得られなかったり、ホットオフセットなどが発生したりするおそれがある。一方、定着ローラは定着ベルトの移動とともに回転するため、定着パッドに比べて定着ベルトの移動に対する負荷が少ない。よって、定着パッドよりも転写紙搬送方向上流側に定着ローラを配置することで、定着パッドより転写紙搬送方向下流側の定着ベルトの移動速度が、定着パッドを転写紙搬送方向上流側に設けたものに比べて安定させることができる。その結果、第1定着ニップおよび第2定着ニップにおける定着ベルトの移動速度が安定し、転写紙上のトナー像に所望の熱量を付与することができ、所望の光沢性を得ることができる。
(5)
また、上記第1定着ニップで、上記未定着トナー像が転写紙上に定着するために必要な熱量を、転写紙上の未定着トナー像に付与することで、第1定着ニップでトナー像を転写紙上に定着させることができる。これにより、第1定着ニップから第2定着ニップへ移動する間に、定着ベルトと擦れて、転写紙上のトナー像が乱れることがない。よって、良好な画像を得ることができる。
(6)
また、上記第2定着ニップで、定着後の転写紙上の画像が所望の光沢となるために必要な熱量をトナー像に付与することで、所望の光沢性を有する画像を得ることができる。
(7)
また、上記第1定着ニップの転写紙搬送方向長さをr、上記第2定着ニップの転写材搬送方向長さをp、上記第1定着ニップの転写紙搬送方向最上流の位置から、上記第2定着ニップの転写材搬送方向最下流の位置までの距離Lとしたとき、{(p+r)/L}>(1/2)の関係式が成り立つようにしている。上記式の左辺の値が(1/2)よりも小さいと、第1定着ニップと第2定着ニップとの間の加圧手段が定着ベルトとのみ圧接する領域で、転写紙上のトナー像に不均一に付与される熱量が多くなり、光沢ムラが生じてしまう。また、転写紙上のトナー像が加熱される領域が長くなり、オフセットに対する余裕度が低下してしまい、環境変動などによる少しの温度の昇温や、転写紙搬送速度の低下でオフセットが生じてしまう。上記左辺の値が(1/2)以上とすることで、第1定着ニップと第2定着ニップとの間の加圧手段が定着ベルトとのみ圧接する領域で、転写紙上のトナー像に不均一に付与される熱量が少なくなり、光沢ムラを抑制することができる。また、オフセットに対する余裕度を向上させることができ、環境変動などにより定着ベルトが昇温したり転写紙搬送速度が低下したりしても、ホットオフセットすることがない。
(8)
また、上記定着パッドの少なくとも上記定着ベルトと接触摺動する箇所を、摺動性および耐熱性に優れた樹脂材料で構成したので、定着ベルトとの摺動性が向上し、定着ベルトおよび定着パッドの摩耗を抑制することができる。また、耐熱性に優れているので、定着パッドが定着ベルトの熱によって劣化するのを抑制することができる。これにより、定着パッドおよび定着ベルトを長寿命化することができる。また。金属等に比べて断熱性が優れている樹脂とすることが、定着ベルトに蓄熱された熱が定着パッドに奪われることを抑制することができる。その結果、装置立ち上げ時に、定着ベルトをすばやく所定の温度に昇温することができる。
(9)
また、上記定着パッドの転写紙搬送方向下流側を10[mm]以下の曲率半径で転写紙対向面と反対側に曲がる湾曲部を形成し、湾曲部に上記定着ベルトを巻き付かせている。これにより、定着パッドと加圧手段によって形成された第2定着ニップを転写紙が抜ける際に、転写紙を定着ベルトから良好に曲率分離することができる。その結果、転写紙を定着ベルトから分離するために、分離爪等を設ける必要が無くなり、定着ベルトに分離爪との摺動痕が形成されることがない。その結果、定着ベルトに形成された摺動痕が画像に形成されてしまう不具合が生じることがない。また、曲率半径が10[mm]を越えると、坪量52[g/m2]の薄紙が曲率分離することができず、装置が種々の紙種に対して対応することができなくなってしまう。
(10)
また、上記定着ベルトを加熱する加熱部材たる加熱ローラ以外で、定着ベルトを張架する回転部材に、断熱層を形成したことで、定着ベルトに蓄熱された熱が回転部材に奪われることを抑制することができる。その結果、装置立ち上げ時に、定着ベルトを所定の温度にすばやく昇温することができる。
(11)
また、加圧手段を加圧ローラのみとしたものは、加圧ローラの曲率に沿って、転写紙が第1定着ニップおよび第2定着ニップを通過する。このため、加圧ローラの径が小径だと、転写紙がカールしてしまうおそれがある。転写紙がカールせずに、第1定着ニップおよび第2定着ニップに所定のニップ幅を得られるようにするためには、加圧ローラの径を大きくする必要があり、装置が大型化する問題がある。そこで、本実施形態は、上記加圧手段は、上記定着ローラと上記定着ベルトを介して圧接する第1加圧部材たる加圧ローラと、上記定着パッドと上記定着ベルトを介して圧接する第2加圧部材たる非ローラ状の加圧パッドとで構成している。このように、第1定着ニップを形成する加圧部材と、第2定着ニップを形成する加圧部材とを設けることで、以下の効果を得ることができる。加圧手段を加圧ローラとしたものに比べて、スペースをとることなく、所望にニップ幅を備えた第1定着ニップおよび第2定着ニップに真直な姿勢で転写紙を通過させることができる。よって装置を小型化することができる。
また、この加圧ローラと加圧パッドとに張架される加圧ベルトを設けることで、加圧ベルト上の転写紙を担持して、第1定着ニップから第2定着ニップへ搬送することができる。これにより、加圧ローラと加圧パッドとの間で転写紙が撓んで用紙ジャムなどの転写紙搬送不良が生じるのを抑制することができる。
(12)
また、上記加圧パッドの少なくとも上記加圧ベルトと接触摺動する箇所を、摺動性および耐熱性に優れた樹脂材料で構成したことで、加圧ベルトとの摺動性が向上し、加圧ベルトおよび加圧パッドの摩耗を抑制することができる。また、耐熱性に優れているので、加圧パッドが加圧ベルトの熱によって劣化するのを抑制することができる。これにより、加圧パッドおよび加圧ベルトを長寿命化することができる。また。金属等に比べて断熱性が優れている樹脂とすることで、加圧ベルトに蓄熱された熱が加圧パッドに奪われることを抑制することができる。その結果、装置立ち上げ時に、加圧ベルトをすばやく所定の温度に昇温することができる。
(13)
また、上記加圧パッドの転写材搬送方向下流側を10[mm]以下の曲率半径で転写紙対向面と反対側に曲がる湾曲部を形成し、湾曲部に上記加圧ベルトを巻き付かせたている。これにより、加圧パッドと定着パッドによって形成された第2定着ニップを転写紙が抜ける際に、転写紙を加圧ベルトから良好に曲率分離することができる。その結果、転写紙を加圧ベルトから分離するために、分離爪等を設ける必要が無くなり、加圧ベルトに分離爪との摺動痕が形成されることがない。また、曲率半径が10[mm]を越えると、坪量52[g/m2]の薄紙が曲率分離することができず、装置が種々の紙種に対して対応することができなくなってしまう。
(14)
また、上記加圧ベルトを加熱する加熱部材以外で、加圧ベルトを張架する回転部材に、断熱層を形成することで、定着ベルトに蓄熱された熱が回転部材に奪われることを抑制することができる。その結果、装置立ち上げ時に、定着ベルトを所定の温度にすばやく昇温することができる。
(15)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記(1)〜(14)のいずれかの特徴を備えた定着装置を備えているので、光沢性が良好な高品位な画像を得ることができる。また、装置の立ち上がり時間が早く、紙種対応性に優れ、消費電力の少ない装置を提供することができる。
21:光書込ユニット
22:二次転写装置
70:定着装置
71:定着ベルト
72:定着ローラ
73:加熱ローラ
75:定着クリーニングローラ
76:定着クリーニング補助ローラ
77:定着パッド
81:加圧ベルト
82:テンションローラ
83:加圧ローラ
85:加圧クリーニングローラ
87:加圧パッド
Claims (15)
- 加熱部材により加熱されて無端移動する定着ベルトと、該定着ベルトに圧接する加圧手段とを備え、該加圧手段が該定着ベルトを圧接する圧接部に未定着トナー像を担持した転写材を通して未定着トナー像を転写紙上に定着させる定着装置において、
該定着ベルトを介して該加圧手段と圧接して第1定着ニップを形成するローラ状の第1定着部材と、該定着ベルトを介して該加圧手段と圧接して第2定着ニップを形成する板状の第2定着部材とを備えたことを特徴とする定着装置。 - 請求項1の定着装置において、
上記第1定着部材に、層厚3[mm]以上の弾性と断熱性とを有する弾性兼断熱層を設けたことを特徴とする定着装置。 - 請求項1または2の定着装置において、
上記第1定着部材と上記加圧手段との面圧、及び、上記第2定着部材と上記加圧手段との面圧を、1×105[N/m2]以上としたことを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至3いずれかの定着装置において、
上記第2定着部材を上記第1定着部材よりも、転写材搬送方向下流側に設けたことを特徴とする定着装置。 - 請求項4の定着装置において、
上記第1定着ニップで、上記未定着トナー像が転写材上に定着するために必要な熱量を、該未定着トナー像に付与することを特徴とする定着装置。 - 請求項4または5の定着装置において、
上記第2定着ニップで、定着後の転写紙上の画像が所望の光沢となるために必要な熱量をトナー像に付与することを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至6いずれかの定着装置において、
上記第1定着ニップの転写材搬送方向長さをr、上記第2定着ニップの転写材搬送方向長さをp、上記第1定着ニップの転写材搬送方向最上流の位置から、上記第2定着ニップの転写材搬送方向最下流の位置までの距離Lとしたとき、
{(p+r)/L}>(1/2)
上記関係式が成り立つことを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至7いずれかの定着装置において、
上記第2定着部材の少なくとも上記定着ベルトと接触摺動する箇所を、摺動性および耐熱性に優れた樹脂材料で構成したことを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至8いずれかの定着装置において、
上記第2定着部材の転写材搬送方向下流側を10[mm]以下の曲率半径で転写材対向面と反対側に曲がる湾曲部を形成し、該湾曲部に上記定着ベルトを巻き付かせたことを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至9いずれかの定着装置において、
上記定着ベルトを加熱する加熱部材以外で、該定着ベルトを張架する回転部材に、断熱層を形成したことを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至10いずれかの定着装置において、
上記加圧手段は、上記第1定着部材と上記定着ベルトを介して圧接するローラ状の第1加圧部材と、上記第2定着部材と上記定着ベルトを介して圧接する板状の第2加圧部材とで構成されており、該第1加圧部材と、該第2加圧部材とに張架されて無端移動する加圧ベルトを備えたことを特徴とする定着装置。 - 請求項11の定着装置において、
上記第2加圧部材の少なくとも上記加圧ベルトと接触摺動する箇所を、摺動性および耐熱性に優れた樹脂材料で構成したことを特徴とする定着装置。 - 請求項11または12の定着装置において、
上記第2加圧部材の転写材搬送方向下流側を10[mm]以下の曲率半径で転写材対向面と反対側に曲がる湾曲部を形成し、該湾曲部に上記加圧ベルトを巻き付かせたことを特徴とする定着装置。 - 請求項11乃至13いずれかの定着装置において、
上記加圧ベルトを加熱する加熱部材以外で、該加圧ベルトを張架する回転部材に、断熱層を形成したことを特徴とする定着装置。 - 請求項1乃至14いずれかの定着装置を備えたことを特徴とする定着装置。
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