JP5347726B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5347726B2
JP5347726B2 JP2009132892A JP2009132892A JP5347726B2 JP 5347726 B2 JP5347726 B2 JP 5347726B2 JP 2009132892 A JP2009132892 A JP 2009132892A JP 2009132892 A JP2009132892 A JP 2009132892A JP 5347726 B2 JP5347726 B2 JP 5347726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
fixing belt
roller
paper
nip
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009132892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010281871A (ja
Inventor
正道 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2009132892A priority Critical patent/JP5347726B2/ja
Priority to US12/801,237 priority patent/US8320808B2/en
Priority to EP10164481A priority patent/EP2261753A3/en
Publication of JP2010281871A publication Critical patent/JP2010281871A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5347726B2 publication Critical patent/JP5347726B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • G03G15/2028Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means with means for handling the copy material in the fixing nip, e.g. introduction guides, stripping means

Description

本発明は、シート材を搬送し且つ熱を供給する装置に関し、とくにレーザビームプリンタ、デジタル複写機、普通紙ファックス等のOA機器の定着装置及び該定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
可視像形成のためにトナーを用いる画像形成装置においては、トナー画像を転写紙等の記録媒体に永久画像として定着するために定着装置が備えられている。その定着装置では、加熱され回転している定着ローラや定着ベルトと、それに圧接・回転している加圧ローラや加圧ベルト等によって形成された圧接部(ニップ部)を記録媒体が通過することによって、記録媒体上に担持されたトナーが溶融され記録媒体上にトナー画像が定着される。
主に、樹脂で構成されているトナーはこの圧接部で溶融し、定着ローラや定着ベルトと粘着する性質があるため、トナーへワックス成分付加、定着ローラや定着ベルト表面を離型性の材質で被覆、定着ローラや定着ベルト表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布する等の様々な手段を用いて定着ローラや定着ベルトとトナーが粘着することを防止している。さらには、分離板を備えたシート分離機構を定着ローラや定着ベルトに付設して、溶融したトナーによって定着ローラや定着ベルトに巻き付こうとしている用紙を強制的に分離している。
しかしながら、上記分離板による分離手段では分離板と定着ベルトや定着ローラ等の定着部材と摺接しているために、接触箇所にトナーが溜まり易く、あるときその溜まったトナーがとれ、記録媒体を汚す等の不具合が発生している。さらに分離板と定着部材である回転体とが摺動している為に、摺動跡が回転体に発生し、寿命低下、更にはその摺動跡が記録媒体に異常画像として発生する等の課題が生じている。
近年、定着装置の離型剤は取り扱い性が悪い等の理由でトナーにワックス成分を付加し、定着部材である回転体表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布することを無くす傾向にある為、上記課題は益々顕著になってきており、上記課題を解決するために、定着部材である回転体と非接触状態で分離する分離板等に関する発明が開示されている。
しかしながら、分離板等のように定着部材である回転体と非接触状態で分離板と同等以上に分離性能を維持するには、分離部先端と定着部材である回転体とのギャップ(隙間)を極力微小にし、0.1mm単位でその隙間を管理しなければならない。更に、分離部先端をニップ直後の極力近傍に配置しなければならない。
また、上記位置に分離板先端を配置するには、分離板先端を配置するニップ直後の回転体表面の位置や駆動時の微小な変動、さらにはニップ直後であるために、非常に狭い空間が課題となる。例えば、特許文献1では、定着ベルト方式の分離手段として非接触分離板を採用する際、ニップ出口のベルト浮きや変動によってその非接触のギャップを精度良く管理することができないので、ベルト浮きやベルトの変動を抑える目的でベルトの外周に駆動ローラを当接したり、定着ベルト基体の厚みを薄くしたり、ベルト内面にテンションローラを設けた発明が提案されている。
しかし、上記発明の分離板は非接触に配置されたものであり、定着ベルトの変動に追従するものではない。従って、部品精度のばらつきによって、分離板とベルトとのギャップを管理するにも限界があった。また、上記発明によって、定着ベルト変動を初期的には抑えることができ、初期的な分離板ギャップの変動は抑えることができるが、経時的に定着ローラの弾性層が硬度低下を起こしたり、変形を生じたりした場合の分離板ギャップの変動には対応できない課題があった。例えば、定着ローラ弾性層が硬度低下を起こした場合、定着ベルト表層に駆動ローラを当接していると、初期より多く駆動ローラが定着ベルトを移動させてしまい、初期に設定した分離板ギャップより広がってしまう。また逆に定着ベルト内面にテンション部材を配置していると、定着ローラの硬度低下が発生すると初期より多くテンション部材が引張ってしまい、分離板ギャップが少なくなり、最悪の場合には分離板と定着ベルトが干渉し、定着ベルトを傷つけてしまう課題があった。
また同様に、特許文献2では、定着ベルト方式の定着ニップ後の分離手段として、ニップ後に定着ベルト内面から曲率を変化させる剥離部材を配置して分離性を向上させることが提案されている。しかしながら、剥離部材を配置すること自体は特許文献1記載の構成と同じであり、分離板等の非接触な分離部材との位置関係について前述したような経時的な変動が発生する場合も含めて、そのギャップを管理する必要があった。また、特に近年では塗工紙で薄紙等の需要も増えてきており、分離性に問題がある紙種に対応する必要もあるが、この装置では対応が困難であった。また、この構成では、分離板先端と近接する定着ベルトの変動に感度良く分離板先端位置が反応することが難しく、分離板先端が定着ベルト表面を傷つけたり、ある一定値よりも分離板先端と回転体表面とのギャップ(隙間)を狭くできない課題があった。
また、近年では、小スペースでも定着性を確保する為に定着ローラの弾性部材として発泡シリコン材質等のスポンジ部材を用いて、加圧ローラとの食い込み量を増やしニップ幅を広げたものが多くなってきている。更に発泡シリコン材質の定着ローラを用いると立ち上がり時間も短くなり、消費電力も少なくなる。このような定着ユニットにおいて、上記課題は顕著である。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、定着ベルトの長寿命化を図りつつ良好な分離性能を安定して有する定着装置及び該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 表面に弾性層を有する定着ローラ(定着ローラ12)と、前記定着ローラを含む複数のローラ(加熱ローラ15、テンションローラ16a,16b)に架け渡される無端状の定着ベルト(定着ベルト11)と、前記定着ベルトを介して定着ローラに圧接してニップ部(ニップ部N1)を形成する加圧部材(加圧ローラ14、加圧ベルト)と、前記定着ベルトの内周側であって前記ニップ部の出口側の定着ローラと定着ベルトの間に配置され、前記定着ベルトの内面と摺動しつつ前記ニップ部出口における該定着ベルトの位置を一定に支持する摺動支持体(摺動支持体17)と、前記定着ベルトの前記摺動支持体で支持された位置に先端部(先端部44cc)が非接触に配置される分離部材(分離板44c)と、を備え、前記摺動支持体は、前記定着ベルト内面と摺動する面(摺動支持部材17aの摺動面)において、前記分離部材の前記先端部に前記定着ベルトを挟んで対向する位置を含む所定範囲が、前記定着ベルトの内面側に凸となった曲面部と、前記ニップ部出口と前記曲面部との間に、前記定着ベルトを内面から押し出して該定着ベルトの外周曲率を調整する凸部(凸部17b)と、を有することを特徴とする定着装置(定着装置5、図1,図3)。
[2] 前記摺動支持体は、当該定着装置のフレームに固定される支持部材を備えることを特徴とする前記[1]に記載の定着装置。
〔3〕 前記摺動支持体は、前記定着ベルト内面と摺動する面にフッ素系樹脂層を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置
〔4〕 前記加圧部材を定着ベルトを介して定着ローラに押圧させて前記ニップ部を形成するとともに、該押圧状態を変更して、前記ニップ部のニップ幅を複数段階に切り替える加圧手段を備えることを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置(図4)。
前記分離部材は、前記ニップ部から排出される用紙を前記定着ベルトから分離し、該分離部材と、先端部分が前記定着ベルトに当接して前記分離部材の先端を該定着ベルトから所定距離だけ離間させた非接触状態に保持する突き当て部材(突き当て部材44b)と、前記分離部材及び突き当て部材それぞれの先端を前記定着ベルト側に付勢する付勢手段(回転レバー44f、引張スプリング44g)とを有する分離手段(分離手段44)と、を備え、前記突き当て部材の前記定着ベルトと当接する先端部分(曲率形状部分)は、前記定着ベルトの幅方向に一定の幅を持ち、該定着ベルトの回動方向に曲率を有する曲率形状を有し、該先端部分の曲率半径は、その幅方向中央部で最大であり、該中央部から両端部に向けて徐々に小さくなっていることを特徴とする前記[1]から[4]までのいずれかに記載の定着装置(定着装置5,5’、図1,図3,図7,図8,図15)。
〕 前記突き当て部材は、前記定着ベルトの最大画像領域外の両端に配置され、前記分離部材は、前記定着ベルトの最大画像領域内に1又は複数配置されることを特徴とする前記〔〕に記載の定着装置(図5)。
〕 前記突き当て部材の先端部分の曲率中心は、前記定着ベルトの幅方向に垂直な断面において、前記分離部材の先端と略一致していることを特徴とする前記〔〕に記載の定着装置(図3(b))。
〕 前記突き当て部材の先端部分における幅方向両端部の曲率半径は、中央部よりも0.03mm以上小さいことを特徴とする前記〔〕に記載の定着装置。
〕 前記〔1〕〜〔〕のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置100、図12〜図14)。
本発明の定着装置によれば、定着装置のニップ部出口において、定着ベルトが内面から摺動支持体により支持されることにより、定着ローラの弾性層の硬度低下や変形等の影響を受けずに該定着ベルトが一定の位置に保持されるので、定着ベルトと分離部材(分離板)の先端部とのギャップを精度良く微小に設定でき、良好な分離性能を得ることができる。また、分離部材(分離板)の先端部が定着ベルトに接触して該定着ベルトを損傷することも防止でき、長寿命化を図ることもできる。
また、本発明の画像形成装置によれば、本発明の定着装置を備えているので、幅広い紙種に対応可能で、経時的にも安定した分離性能が確保でき、更に長寿命化が可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明に係る定着装置の構成を示す断面図である。 本発明で用いる摺動支持体の構成例を示す斜視図である。 図1の定着装置におけるニップ部の出口周辺部分の詳細構成図である。 図1の定着装置における加圧手段の構成を示す断面図である。 定着ベルト側の分離手段の構成を示す斜視図である。 図5の分離手段に用いる分離板の構成を示す断面図である。 図5の分離手段に用いる突き当て部材の構成を示す図である。 図6の分離板を支持フレームに装着した状態を示す断面図である。 ニップ部出口における分離手段の配置関係を示す断面図である。 ニップ部出口における分離手段の配置位置による用紙詰まりへの影響を示す断面図である。 ニップ部出口における分離手段の配置位置による定着ベルトへの影響を示す断面図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。 図12に示した画像形成装置の要部構成例(1)を示す概略図である。 図12に示した画像形成装置の要部構成例(2)を示す概略図である。 図5の分離手段をその他の定着装置に適用した例を示す断面図である。
以下、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の構成を示す概略断面図である。
定着装置5は、円筒形状の定着ローラ12と、加熱ローラ15と、テンションローラ16a,16bと、摺動支持体17と、該定着ローラ12,加熱ローラ15,テンションローラ16a,16b及び摺動支持体17に一定のテンションで架け渡された定着ベルト11と、該定着ベルト11に対して回転自在に圧接しニップ部N1を形成する加圧ローラ14と、を備える。ここでは、加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12に圧接する構成となっている。なお、ニップ部N1の用紙排出側である出口側に、分離部材(分離板)の先端が加圧ローラ14に近接して配置され該加圧ローラ14への用紙の巻き付きを防止する分離手段43と、分離部材(分離板)の先端が定着ベルト11に近接して配置され該定着ベルト11への用紙の巻き付きを防止する分離手段44を備える。
ここで、定着ベルト11は、用紙(記録媒体ともいう)S上の未定着トナーTを定着する無端ベルトであり、断面構造としては、例えばニッケル、ステンレス、ポリイミドなどの基材にシリコーンゴム層などの弾性層、更にその上に離型層を形成した3層構造となっている。例えば、定着ベルト11は、耐熱性が高く、熱膨張量が少なく、しかも比較的強度が大きな、内径150mmで厚み90μmの無端状のポリイミド樹脂からなる基材の上に弾性層として厚み200μmのシリコーンゴムの層が形成され、更に最外層に離型層としてトナーとの離型性に優れたフッ素樹脂(PFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)など)のチューブが被覆され、あるいは厚さ20μmの該フッ素樹脂がコーティングされたものである。
定着ローラ12は、中空円筒状の基体ローラの外周にシリコーンゴム(ソリッドシリコーンゴム)又はシリコーンスポンジ(発泡シリコーンゴム)などの耐熱弾性層を形成してなるローラであり、例えば基体ローラ外周に厚み14mmの発泡シリコーンゴムからなる耐熱弾性層を形成して外径60mmとしたものである。
テンションローラ16a,16bは、摺動支持体17と加熱ローラ15間に配置され、定着ベルト11を支持しつつ、スプリングバネを使用した機構により定着ベルト11に所定の張力を付与する機能を有する。定着装置5では、例えば軸方向片側9.8N、両側で合計19.6Nの張力を付与する。
加熱ローラ15は、アルミ又は鉄の中空ローラであり、例えば外径35mm、厚み0.6mmのアルミ製中空円筒ローラである。また、内部に定着ベルト11を加熱するためのハロゲンヒータなどのヒータ15hからなる熱源を有していて、定着ベルト11の内周側の加圧ローラ14とは圧接しない位置に、すなわちニップ部N1に加熱源を有しないように配置されている。熱源は誘導加熱機構(IH)でもよい。また、定着ベルト11が加熱ローラ15に接触している領域の温度を検知する温度検知センサ(不図示)を備えている。
摺動支持体17は、定着ベルト11の内周側であってニップ部N1の出口側の定着ローラ12と定着ベルト11の間に配置され、ニップ部N1出口の定着ベルト11の位置が一定となるように該定着ベルト11の内面と摺動しつつ支持するものである。
図2は、摺動支持体17の構成例である。
摺動支持体17は、定着ローラ12のニップ部N1出口側に該定着ローラ12に近接して配置され、定着ローラ12の幅方向、すなわち定着ベルト11の幅方向に延びる板状の摺動支持部材17aと、該摺動支持部材17aの両端と一体的に設けられる連結部材17cと、該連結部材17cそれぞれと連結され、定着装置5のフレームに固定される支持部材17dと、から構成されている。
ここで、摺動支持部材17aは、定着ベルト11の内面と当接する面を有しており、その当接面は当接する側に凸となる曲面となっている。また、摺動支持部材17aは、定着ローラ12の耐熱弾性層よりも高硬度の材料、例えばアルミニウムなどの金属材料からなることが好ましい。なお、摺動支持部材17aは定着ベルト11の内面に当接してニップ部N1出口における定着ベルト11の位置を一定に支持できるものであればその形状は特に限定されず、例えばここで示した板状のもの以外に、棒状であってもよい。あるいは極小径のローラでもよい。
図3は、図1の定着装置5におけるニップ部N1の出口周辺部分の詳細構成図である。図3(a)は図1のA部詳細図であり、図3(b)は図3(a)のB部詳細図である。なお、図3では図面手前側の突き当て部材を非表示にしている。
図3(a)に示すように、ニップ部N1の出口において、定着ベルト11は、摺動支持体17の摺動支持部材17aに当接して該摺動支持部材17aの曲面に沿って張り出される状態で一定の位置に支持されている。また、定着ベルト11の摺動支持部材17aとの当接部分は、加圧ローラ14とは接触していない。このとき、摺動支持部材17aは、定着装置5のフレームに支持されているので、加圧手段(後述)の調整によってニップ部N1のニップ幅が変動しても、それとは関わりなく、ニップ部N1の出口における定着ベルト11の位置は一定に保持されることになる。これにより、ニップ部N1出口において定着ベルト11と分離手段44とが一定の位置関係(詳細は後述)となるので、定着ベルト11からの良好な分離性能を得ることができる。
なお、従来の定着装置では、定着ローラ12のニップ部N1の出口側において、該定着ローラ12と定着ベルト11の間に、小径の分離ローラを配置した構成が提案されている。この構成では、加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12と分離ローラと圧接することによりニップ幅が確保されており、同時にニップ部出口の曲率半径が分離ローラの曲率となって小さくなるため分離性能が向上するが、定着ローラ12と分離ローラとの間にニップ圧が不安定な領域(中間ニップ領域)が存在することとなり、それに起因する画質劣化が発生する可能性があった。本発明では、分離性能を向上させたまま、このような分離ローラを省略して中間ニップ領域をなくしたので、画質劣化を防止することができる。
なお、摺動支持部材17aの定着ベルト11内面と摺動する面にフッ素系樹脂層を有することが好ましい。これにより、定着ベルト11内面と摺動支持部材17aとの摺動抵抗が小さくなり、定着ベルト11内面及び摺動支持部材17aの摩耗が少なくなり、長寿命化を図ることができる。
また、摺動支持部材17aは、ニップ部N1出口直後の定着ベルト11を内面から押し出して該定着ベルト11の外周曲率を調整する凸部17bを有することが好ましい。ここで、ニップ部N1出口直後とは、摺動支持部材17aの定着ベルト11を介して分離手段44の最大画像領域外両端に設けられた突き当て部材44b(後述)が当接する点(接触点G)とニップ部N1出口の間の領域である。これにより、分離手段44の先端部44ccより少し上流において、凸部17bの曲率分離により用紙の定着ベルト11からの剥離が行われる。特に、用紙の先端余白部分で剥離されるので、該用紙の先端部分が搬送され分離手段44の先端部44ccに達するときに、用紙先端が先端部44ccと定着ベルト11とのギャップに潜りこむ危険性が非常に少なくなり、分離性能の向上を図ることができる。
図1に戻り、加圧ローラ14は、通常はアルミ又は鉄等の芯金の上にシリコーンゴム(ソリッドシリコーンゴム)又はシリコーンスポンジ(発泡シリコーンゴム)などの耐熱弾性層が設けられた円筒形状のローラであり、例えば、厚み1mmの鋼製中空芯金の外周を厚み1.5mmのシリコーンゴムで覆い、更に最外層をPFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブで被覆した外径50mmのローラである。また、加圧ローラ14は、内部にヒータ14hを有し、温度検知センサ72により検知される加圧ローラ14の温度に基づいてヒータ14hの点灯制御が行われて、ニップ部N1を用紙が通過する時に該用紙から加圧ローラ14が熱を奪うことを防止している。
また、加圧ローラ14の外周には、ローラ上のオフセットトナーや紙粉等を取り除くウェブクリーニングユニット(不図示)が設けられている。
また、図4に示すように、加圧ローラ14には、加圧レバー76、スプリング77、加圧中間部材76a、カム78からなる加圧手段が設けられている。該加圧手段により加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12に圧接してニップ部N1を形成したり、該ニップ部N1を開放したりするようになっている。また、そのニップ部N1のニップ幅は用紙の種類(紙種)やモード(光沢を付与するモード、光沢を付与しないモード)によって複数の通紙状態に可変可能な構成になっている。
この加圧手段により加圧ローラ14を加圧状態とする動作としては、まず、外部からの駆動力によりカム78が図4中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該カム78が加圧中間部材76aを押し上げる(図4中矢印方向)。加圧中間部材76aが押されると、該加圧中間部材76aに固定されているスプリング77が一定の圧力で加圧レバー76の端部を押し上げる。つぎに、加圧レバー76のスプリング77側の端部が押し上げられると、該加圧レバー76は支持軸76bを中心軸として回転する(図4では反時計回り方向)。ついで、加圧レバー76のスプリング77側の端部と支持軸76bの中間にある加圧部76cが加圧ローラ14の軸に当接し、定着ローラ12方向に押すように作用する。最後に、加圧ローラ14が定着ベルト11を介して定着ローラ12に圧接して、一定の圧力で加圧する状態の定着用のニップ部N1となる。なお、加圧手段として、スプリング77は省略可能であり、その場合にはカム78が直接加圧レバー76の端部を押し上げるように作用する。
このとき、加圧ローラ14は、定着ベルト11を介して定着ローラ12に対して所定の深さ(例えば、2〜4mm)食い込む。これにより、ニップ部N1は、所定のニップ幅を有することになる。
なお、定着装置5では、前記加圧手段により加圧ローラ14の加圧状態を変更して、定着ベルト11内の定着ローラ12と加圧ローラ14の当接状態を変化させ、ニップ部N1のニップ幅を複数段階に切り替えることが可能である。これは、定着装置5においてニップ幅を一定としていると、画像光沢を付与するモードにおいて用紙の厚さによって光沢が異なることがあったり、画像光沢を付与しないモードにおいて薄い用紙では光沢が増加することがあったりすることに対応するものであり、画像光沢に関するモードごと、用紙の厚さや種類などの条件に応じて、前記加圧手段によりニップ部N1のニップ幅を調整して光沢度を調整することを行う。
例えば、厚紙(坪量124〜300g/m2の用紙)の用紙を用いる場合には、カム78を調整して、ニップ幅を増大させる。また、普通紙以下の坪量の用紙を用いる場合には、そのままではニップ部N1から該用紙に定着に必要な熱量以上の熱量を供給することになり、画像の光沢度が予定以上に上昇するため、これを抑制する必要があり、カム78を調整して、ニップ幅を減少させ、光沢を抑えることが可能となる。これにより、光沢を付与しないモードにおいて、用紙として熱量過多となる傾向のある普通紙以下の坪量の用紙を使っても、ニップ圧の調整により、厚紙の場合と同等の画像光沢を維持することができる。
また、光沢を付与するモードにおいても、用紙の厚さを考慮してカム78を調整し定着装置5におけるニップ部N1のニップ幅を調整して、定着後の画像(定着トナー)の光沢度を10〜30%、より好ましくは20〜30%、さらに好ましくは25%以上、例えば25〜30%とする。これにより、最終的な画像の光沢度を用紙の光沢度に合わせて一定にすることが可能となる。
なお、加圧条件の例としては、ニップ部N1における荷重を15〜30N/cm2とする。そして、前記加圧手段により、用紙Sがグロスコート紙の場合(光沢を付与するモード)、ニップ部N1におけるニップ幅を20mmとする。また、用紙Sが普通紙の場合(光沢を付与しないモード)、ニップ部N1におけるニップ幅を15mmとする。その結果、ニップ部N1は、線速に対する総ニップ時間を50msec以上有し、それを減少調整させることで、厚紙(坪量300g/m2程度の用紙)を含めて定着装置5で十分な定着を行うことが可能である。
以上のように、光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードそれぞれでの希望光沢の信頼性を向上させることができる。また、この広いニップ部により、多種多様な紙種の定着性を良好にし、高速化・高生産性を実現することが可能となる。
図5に、分離手段44の構成を示す。
分離手段44は、複数の分離板44c(図5では7個)を定着ベルト11の幅方向に配置して支持フレーム44dに固定されてなるものである。そして、分離板44cは、定着ベルト11の摺動支持体17で支持された位置に対して非接触に配置されるようになる。
なお、ここでは分離板44cが複数個設けられた例を示したがこの限りではなく、1つの分離板44cを備えた構成でもよい。ただし、複数個の分離板44cを配置して、個々に定着ベルト11とのギャップを調整できるようにしたほうがより分離性能を高めることが可能となるため望ましい。
ここで、分離板44cは、図6に示すように、支軸44cbを有する板状の基材44caの先端に先端部44ccとして基材44caよりも柔らかいフッ素樹脂がインサート成形によって一体的に射出成形されてなるものである。すなわち、基材44ca及び該基材44caの少なくとも用紙排出経路に面する主面に設けられたフッ素樹脂層からなるボディ部と、フッ素樹脂のみからなり定着ベルト11の幅方向に沿って幅をもち断面が鋭角な先端を有する先端部44ccと、からなるものである。これにより、前記ボディ部は基材44caに基づいた剛性を有することとなり、紙詰まりした用紙Sが衝突しても変形することなく良好な形状が保たれる。さらに分離板44cの先端近傍まで基材44caがいきわたっているため、熱による変形によって分離板44cと定着ベルト11との隙間が狂うことも無い。また、先端部44ccはフッ素樹脂のみからなることにより、定着ベルト11に接触しても該定着ベルト11を傷つけることがない。さらに、前記ボディ部の用紙排出経路側及び先端部44ccはフッ素樹脂からなるため、トナー離型性にも優れるものとなっており、トナーで分離板44cが汚れない効果がある。
また、基材44caと先端部44ccとはインサート成形により一体的に成形されているので、基材44caが有する支軸と先端部44ccとの位置精度を精度良く成形することができる。そのため同一材料で成形された分離手段同様に分離性能にも優れている。なお、基材44caの先端部分の厚みを0.1〜0.4mmと薄くして、先端部44ccを鋭角の先端に成形し易くしている。
また、分離手段44は、支持フレーム44dの幅方向の両端側に、定着ベルト11の幅方向両端部に突き当てられる突き当て部材44bを有している(図5)。この突き当て部材44bは、支持フレーム44dを介して定着装置5のフレームを基準として配置され、スプリングなどによる一定の圧力で定着ベルト11の幅方向両端部にその先端が突き当てられるようになっている。その結果、複数の分離板44cと定着ベルト11との間の基本的な間隔が設定されることになる。なお、突き当て部材44bは定着装置5の最大画像領域、あるいは最大通紙幅(すなわち用紙搬送領域)よりも外側に設置してあるため、用紙S上の画像あるいは用紙Sの搬送に対しては悪影響を及ぼさない。
図7に、突き当て部材44bの構成を示す。
図7(a)に示すように、突き当て部材44bは、板状の部材であり、定着ベルト11に突き当てられるその一辺の先端部分は定着ベルト11の移動方向(回動方向)に丸みを帯びた曲率を有している。このとき、弾性のある定着ベルト11が下方から斜め上方に走行している状態にあるところに突き当て部材44bの先端部分を突き当てるため、突き当て部材44bの先端部分及び上面の一部が定着ベルト11と当接するようになる。そのため、従来の突き当て部材44bでは、定着ベルト11との当接部において該突き当て部材44bの幅方向の両端に定着ベルト11からの応力が集中するようになり、その部分で定着ベルト11に摺動跡や傷を発生させやすくなっていた。そこで、突き当て部材44bの突き当て先端部分の曲率形状において、曲率半径中心を通り、定着ベルト11と摺動する軸方向(幅方向)の断面(図7(b)C−C断面)において中央部が最大曲率半径(本実施例ではR0.5mm、直径では1mm)であり、該中央部から両端部に向けて徐々に曲率半径が小さくなるタイコ形状としている。このとき、突き当て部材4bの先端部分における幅方向両端部の曲率半径は、中央部よりも0.03mm以上小さいことが好ましい。この形状によって、定着ベルト11と摺動する当接部での突き当て部材44bのエッジへの応力集中が緩和され、定着ベルト11に対する摺動跡の発生や傷の発生を防止することができる。
図8は、分離板44cを支持フレーム44dに装着した状態を示す断面図である。図8(a)は分離板44c単体の状態、図8(b)は分離板44cが支持フレーム44dに装着された状態を示している。
支持フレーム44dには、板バネ部材44eが一体的にカシメ止められており、該板バネ部材44eに設けられた穴に分離板44cの支軸44cbの同軸上に形成されたボスが嵌合されている。これにより、分離板44cは支持フレーム44dに対して支軸44cbを中心に回動自在な構成となっている。また、調整ネジ44kが圧縮スプリング44sを挟んで基材44caの先端部44ccとは反対側端部に設けられた穴に差し込まれ、さらに支持フレーム44dに螺合されており、支持フレーム44dへの調整ネジ44kのねじ込み程度によって、先端部44ccが支軸44cbを中心に回転して支持フレーム44d及び突き当て部材44bに対して位置調整が可能な構成となっている。
ここで、図3を用いて、摺動支持体17と分離手段44の関係について説明する。
摺動支持体17では、前述したように、摺動支持部材17aがニップ部N1の出口において定着ベルト11の内面に当接し、該定着ベルト11を摺動支持部材17aの曲面に沿わせて張り出させて、一定の位置に支持している。
一方、分離手段44は、支持フレーム44dの両端に設けられたボス状の回転支点44aを2つの回転レバー44fそれぞれに設けられた穴に差し込んだ状態で支持されている。また、回転レバー44fは、定着装置5のフレームを基準に設けられたL字型のレバーであり、一方のアーム部は支持フレーム44dの両端であって回転支点44aよりも定着ベルト11側に設けられた鉤爪部44a’を支持している。また、回転レバー44fの他方のアーム部は引張スプリング44gの一端が該他方のアーム部を引張る状態で取り付けられている。したがって、該引張スプリング44gの引張力が作用して回転レバー44f及び分離手段44が回転支点44aを中心に、分離板44cの先端部44ccが定着ベルト11側に付勢される方向に回転される(図3では反時計回り方向)。
このとき、分離手段44の両端にある突き当て部材44bが定着ベルト11に接触点Gで当接するようになる。この接触点Gは、定着ベルト11において摺動支持体17により張り出して支持された領域における点である。
ここで、分離板44cの先端部44ccは、突き当て部材44b先端の曲率形状の曲率中心と、軸方向に垂直な断面において略一致した配置としており、これにより先端部44ccの先端位置は支持フレーム44dにおいて突き当て部材44bの先端位置よりもわずかに定着ベルト11から離れる方向にずれることになる。したがって、図3(b)に示すように、突き当て部材44bを定着ベルト11に当接させると、分離板44cの先端部44ccと定着ベルト11とを一定のギャップの非接触な配置関係とすることができる。なお、分離板44cの先端部44ccの位置を別のところから規制する構成とすると構成部品のバラつきや、定着ベルトの位置変動がそのまま分離板ギャップのばらつきになってしまい、それらのばらつきを考慮した広い分離板ギャップで設定せざるをえないが、近年では薄紙の塗工紙等の需要も高まり、こうした設定では分離できない紙種も多くなってきているため好ましくない。
また、図3の構成とすることにより、定着ベルト11の位置変動にも分離板44cの先端部44ccの位置は追従するようになる。さらに、摺動支持部材17aの材質は定着ローラ12の耐熱弾性層の発泡シリコーンゴムと比べると、はるかに固く熱膨張もないアルミニウムなどの材料からなるため、経時的な変化が殆ど無く、最初に設定した分離板44cと定着ベルト11とのギャップを温度や駆動及び経時的な変化を含めて略一定に保つことができる。
以上の結果、ニップ部N1の出口において、摺動支持体17により一定の位置に保持された定着ベルト11と、分離板44cの先端部44ccとのギャップを精度良く微小に設定することが可能となり、良好な分離性能を得ることができるとともに、分離可能な紙種範囲を広げることもできる。また、先端部44ccが定着ベルト11に接触して定着ベルト11を損傷することも防止できる。
図9に、分離手段44の配置位置の説明図を示す。
突き当て部材44bの曲率形状部分と、摺動支持部材17aの曲面によって支持された定着ベルト11表層との接触点Gにおいて、定着ベルト11表層曲面に対して用紙搬送方向下流側へ引いた接線Aと、同じ接触点Gから接線Aに対してなす角が30°となるように引いた直線Bとに挟まれた領域に分離手段44の回転支点44aが位置するように分離手段を配置している。
仮に、分離手段44の回転支点44aが上前記線Aより定着ベルト11側にあると、図10(a)に示すように、用紙Sと分離板44cとの摺動によるせん断力Fpによって発生するモーメントMpが大きくなってしまい、分離手段44が回転支点44aを中心に先端部44ccが定着ベルト11との隙間が広がる方向に回転してしまい、その隙間に用紙Sが巻き込まれることによって発生する用紙詰まりが発生しやすくなる。(図10(b)参照)。
逆に、分離手段44の回転支点44aが前記直線Bよりも定着ベルト11と反対側(加圧ローラ14側)にあると、図11に示すように、突き当て部材44bと定着ベルト11との接触点Gで発生するせん断力Fbによって発生するモーメントMbが大きくなり、突き当て部材44bが定着ベルト11に食い込む方向へ力が働くことによって、定着ベルト11が傷ついてしまう不具合が発生する可能性が高くなる。
そこで、本発明では、図9に示すように、分離手段44の回転支点44aが接線Aと直線Bとの挟まれた領域に位置するように配置することにより、上記不具合の発生を防ぐことを図っている。
なお、図9に示す構成より、分離手段44の回転支点44aが、接線Aより定着ベルト11と反対側(加圧ローラ14側)にあると、少なからず最大画像領域外両端に設けられた曲率形状を有する突き当て部材44bは、定着ベルト11との接触点Gで発生するせん断力Fbによって、定着ベルト11に食い込む方向へモーメントMbが発生する。このモーメントMbを小さくするために、接線Aと直線Bに挟まれた領域に分離手段44の回転支点44aを配置する構成も重要であるが、接触点Gで発生するせん断力Fbを小さくすることも効果的である。
このせん断力Fbを小さくする方法としては、突き当て部材44bの曲率形状部分の半径Rを大きくするのが効果的である。しかしながら、あまり大きくしすぎると、突き当て部材44bの曲率半径部が大きくなりすぎて、非常に狭いニップ部N1出口においてニップ部N1極近傍に配置することができなくなる。
そこで、図11に示すように、突き当て部材44bの曲率形状部の曲率半径を0.2〜0.8mmの範囲にすることが好ましい。これにより、せん断力Fbも小さくすることができ、突き当て部44b引いては先端部44ccをニップ部N1の極近傍に配置することもできるようになる。
ところで、用紙Sにおける先端余白の最小値は、通常、画像形成装置の仕様から2〜5mmが一般的である。また、紙種としても薄い塗工紙等の分離に不利な用紙の使用も望まれている。このような用紙の仕様に対応しつつ分離品質を確保するためには、分離手段44における先端部44ccと定着ベルト11とのギャップは0.1〜0.6mmで管理する必要がある。
本発明では、上記構成に対応するために、突き当て部材44bの曲率形状部分の中央部の最大半径を0.8mm以下とし、軸方向において突き当て部材44bの曲率中心と分離板44cの先端部44ccは略一致した位置となるように配置している。しかしながら、異常画像防止やシワ発生防止の観点から、摺動支持部材17aにおける定着ベルト11との摺動面の形状として、軸方向に微小な正クラウン形状や逆クラウン形状を施すこともあり、軸方向(定着ベルト11幅方向)で分離板44cの先端部44ccと定着ベルト11とのギャップがばらつく原因にもなる。
また、支持フレーム44dに多少の撓みや反りが発生したり、定着ベルト11や摺動支持体17にブレや撓みが生じることによっても、分離板44cの先端部44ccと定着ベルト11とのギャップがばらつくことがある。
そこで、本発明では、図8に示すように、調整ネジ44kの調整により、分離板44cごとに支持フレーム44dを基準とした先端部44ccの突き当て部材44bに対する位置の微調整が可能な構成としている。これにより、分離板44cそれぞれの先端部44ccと定着ベルト11とのギャップ(隙間)は、全て0.1〜0.6mmの隙間に調整でき、非接触式の分離手段44によって接触式の分離爪と同等以上の分離性能を実現することが可能となる。
定着装置5の駆動の際には、例えば図1において、定着装置5用に設けられた駆動モータにより加圧ローラ14が図中反時計回り方向に回転駆動する。また別の駆動モータにより定着ローラ12が図中時計回り方向に回転駆動し、定着ベルト11が適切なテンションが付与された状態で用紙Sを排出する方向(図1では時計回り方向)に回動する。なお本発明では、加圧ローラ14が定着装置5における主駆動ローラとして制御される。ここで、主駆動ローラとは、モータなどの駆動機構により回転駆動され、そのローラ外周の周速が定着装置5における用紙の搬送速度(用紙搬送速度または単に搬送速度という)となるローラである。ここでは、加圧ローラ14のほうが、定着ローラ12よりも弾性層が薄く、表面温度の変動が小さいことから、外径変動が小さくなり、主駆動ローラに好適である。
また、定着の際には、定着ベルト11は、従動ローラである加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱により温度検知センサ62で検出される温度が所定の温度(例えばトナー定着に適する温度)まで加熱される。
ついで、ニップ部N1に未定着トナーTが形成された用紙Sが通され(図1中、右側から左側方向への通紙)、ニップ部N1における加圧及び加熱により未定着トナーTを用紙S上に熱融着させて定着が行なわれる。
そして、ニップ部N1の排出側で用紙Sは、分離手段44により定着ベルト11から分離され、あるいは分離手段43により加圧ローラ14から分離されて排出される。
ニップ出口で分離手段44により定着ベルト11から分離した用紙Sは分離ニップ出口に配置されたガイド板45(後述)にガイドされて、搬送経路に誘導され、適正な搬送が可能となっている。また、両面印刷のときに用紙Sの1面目がベタ画像、2面目が白紙等のトナー画像が少ない場合に加圧ローラ14に巻きつき易くなるが、この場合にはニップ出口の下方に配置された分離手段43により用紙Sが加圧ローラ14から分離され、搬送経路に誘導される。
なお、ここまで図1に示した定着装置5の構成を前提に本発明を説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、加圧ローラ14に代えて加圧ベルト方式の加圧部材としてもよい。例えば、複数のローラに加圧部材としての加圧ベルトを架け渡したものとし、該複数のローラのうちの1つのローラが加圧ベルト及び定着ベルト11を介して定着ローラ12に圧接する構成とするとよい。
つぎに、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。
本発明に係る画像形成装置は、前述した本発明の定着装置(定着装置5)を備えることを特徴とするものである。また、本発明に係る画像形成装置は、用紙搬送のパスライン上であって、前記定着装置の下流側に、加熱手段を有する第1回転体及びトナーに光沢を付与する光沢付与ニップ部を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体を有する光沢付与装置を備えることを特徴とする。
図12は、本発明に係る画像形成装置の一態様であるデジタルカラー複写機装置本体の全体構成を示す断面概略図である。
カラー複写機100は、装置本体上部に位置する画像読取部100Aと、装置本体中央部に位置する画像形成部200Bと、装置本体下部に位置する給紙部200Cと、を有する。
画像読取部100Aには、原稿の画像情報を光学読み取りするスキャナ部1と、原稿を連続してスキャナ部1に搬送するADF(自動原稿送り装置)10と、を備える。
画像形成部100Bには、水平方向に延びる転写面を有するベルト状の中間転写体30が配置されており、該中間転写体30の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての4つの感光体31が中間転写体30の転写面に沿って並置されている。
感光体31の上方には、スキャナ画像情報、外部画像情報に基づいた露光光を各感光体31の周面に照射する書込み部2が配置されている。また、各感光体31はそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置、現像装置、1次転写装置からなる現像部3と、転写後の感光体31の残留トナーを回収するクリーニング部36と、が配置されている。また、各現像装置には、それぞれのカラートナーが収容されている。
中間転写体30は、駆動ローラと従動ローラに掛け回されて各感光体31との対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。また、従動ローラの1つに対向する位置に転写ローラである2次転写部34が設けられている。また、2次転写部34の位置からの用紙搬送のパスライン上に、搬送ベルト35、定着装置5、光沢付与装置6、搬送ローラ対7がこの順番で配置されている。
給紙部200Cは、用紙としての用紙を積載収容する給紙トレイ41(各給紙トレイとして41a,41b,41c,41dがある)と、該給紙トレイ41内の用紙を最上のものから順に1枚ずつ分離して、2次転写部の位置まで搬送する搬送路37、画像形成とのタイミングやスキュー補正を行うレジスト部38を含む搬送機構を有している。
本発明の画像形成装置100における画像形成に当たっては、感光体31の表面が現像部3の帯電装置により一様に帯電され、画像読取部100Aからのスキャナ画像情報、あるいは外部画像情報に基づいて書込み部2により各感光体31上にその色に応じた静電潜像が形成される。該静電潜像は対応する色のトナーを収容した現像装置によりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置により中間転写体30上に1次転写される。これにより、それぞれの色のトナー像が中間転写体30上に静電気力で順に転写されて重ね合わせられることになる。
つぎに、中間転写体30上に1次転写されたトナー像は、2次転写部34で搬送されてきた用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、さらに定着装置5まで搬送され、定着部材と加圧部材との定着ニップ部にて定着が行なわれる。つぎに、用紙上の定着トナーは必要に応じて光沢付与装置6にて光沢が付与され、搬送ローラ対7で搬送され、排紙部8から排出経路に沿って送出された後に、出力画像として装置本体から排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
本発明に係る画像形成装置では、高度な定着、光沢付与機能が得られ、さまざまな紙種(薄紙から厚紙まで)・画像(光沢付与、光沢付与なし)への対応が用紙生産性を低下させることなしに可能となる。
図13は、図12に示した画像形成装置(カラー複写機)の要部構成例(1)を示す概略図である。
本発明に係る画像形成装置100は、用紙上の画像に光沢を付与するモードと光沢を付与しないモードを有する画像形成装置であって、定着部材(定着ベルト11)及び該定着部材に圧接してトナーを用紙に定着させるニップ部(定着ニップ部ともいう)N1を形成する加圧部材(加圧ローラ14)を有する定着装置(定着装置5)と、加熱手段(ヒータ85)を有する第1回転体(加熱ローラ80)及びトナーに光沢を付与するニップ部(光沢付与ニップ部ともいう)N2を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体(加圧ローラ90)を有する光沢付与装置(光沢付与装置6)と、を用紙搬送のパスライン上に備えるものである。
ここで、前記用紙上の画像に光沢を付与しないモードの場合、光沢付与装置6は、加熱ローラ80への加圧ローラ90のニップ圧を、光沢を付与するモードのときの該加熱ローラ80への加圧ローラ90のニップ圧よりも低くして前記用紙の搬送を行う。
また、図14は、図12に示した画像形成装置(カラー複写機)の要部構成例(2)を示す概略図である。
本発明に係る画像形成装置100は、用紙上の画像に光沢を付与するモードと光沢を付与しないモードを有する画像形成装置であって、回動可能に設けられる定着部材(定着ベルト11)と該定着部材に圧接してトナーを用紙に定着させるニップ部(定着ニップ部ともいう)N1を形成する加圧部材(加圧ローラ14)とを有する定着装置(定着装置5)と、加熱手段(ヒータ85)を有する第1回転体(加熱ローラ80)と定着トナーに光沢を付与するニップ部(光沢付与ニップ部ともいう)N2を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体(加圧ローラ90)とを有する光沢付与装置(光沢付与装置6)と、前記定着装置のニップ部後端から距離L1として210mm以内に配置され、前記用紙を搬送する搬送ローラ対(搬送ローラ対7)と、を1つの用紙搬送のパスラインPL上にこの順番で備えるものである。
ここで、前記用紙上の画像に光沢を付与しないモードの場合であって、該用紙の搬送方向の長さ(以下、単に用紙の長さという)が210mm未満のときに、光沢付与装置6は、加熱ローラ80への加圧ローラ90のニップ圧を、光沢を付与するモードのときの該加熱ローラ80への加圧ローラ90のニップ圧よりも低くして前記用紙の搬送を行う。また、前記用紙の長さが210mm以上のときに、光沢付与装置6は加熱ローラ80と加圧ローラ90の間を開放し、搬送ローラ対7が該用紙の搬送を行う。なお、ここでいう開放とは、加熱ローラ80と加圧ローラ90を離間させ、その間を前記用紙が通過可能な状態とすることである。これらの制御の詳細は後述する。
(定着装置)
定着装置5は、前述した本発明に係る定着装置であり、定着ベルト11、加圧ローラ14が回転駆動された状態で、定着ベルト11の表面は所定の温度まで加熱されており、ニップ部N1に未定着トナーTが形成された用紙が通され(図中、右側から左側方向への通紙)、ニップ部N1における加圧及び加熱により未定着トナーを用紙上に熱融着させて定着が行なわれる。ついで、トナー定着された用紙はニップ部N1から排出されるが、分離手段43,44により用紙が加圧ローラ14,定着ベルト11から分離されて排出される。
定着装置5から排出された用紙は、つぎに光沢付与装置6に送られるが、定着装置5と光沢付与装置6との間に、例えば2枚の板状部材がパスラインPLの上下に配置され、搬送される用紙を通す隙間を定着装置5から光沢付与装置6に向かって狭くしたガイド板45を設けるとよい。定着装置5から排出される用紙がカールした状態にあっても、ガイド板45が用紙のカール等を補正して用紙先端が搬送方向に向くようになるため、光沢付与装置6でのシワやジャムを防止することができ、搬送品質を安定化させることができる。なお、本発明では定着装置5により用紙上のトナーは十分に定着されているので、通常の搬送においてガイド板45に接触しても画像品質が損なわれることはない。
(光沢付与装置)
光沢付与装置6は、加熱手段(ヒータ85)を内部に有する中空円筒形状の第1回転体(加熱ローラ80)と、用紙上の画像(定着トナー)に光沢を付与するニップ部N2を形成可能に該第1回転体に圧接する第2回転体(加圧ローラ90)と、を有する。
ここで、加熱ローラ80は、円筒形状のアルミ又は鉄等の芯金の円周上にシリコーンゴム等の弾性層が設けられ、芯金内部にヒータ85を内蔵している。
また、加圧ローラ90は、丸棒形状のアルミ又は鉄等の芯金の円周上にシリコーンゴム等の弾性層が設けられている。
また、加熱ローラ80のニップ部N2入側に近い表面温度を検知する温度検知センサ82を備えており、該温度検知センサ82で検知される温度に基づいて加熱手段85であるハロゲンヒータなどのヒータの点灯制御が行われ、加熱ローラ80の表面温度が一定に保たれている。
この加熱ローラ80の表面温度は、画像に光沢を付与するモードのときに、定着トナーに適切に光沢を付与するためにコントロールされる温度である。例えば、用紙上の定着トナーに接触する加熱ローラ80の表面温度は、定着装置5の定着部材(定着ベルト11)の表面温度より低い。あるいは、加熱ローラ80の表面温度は、光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下であることが好ましい。
あるいは、加熱ローラ80の表面温度は、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下であることが好ましく、軟化温度以上、流出開始温度以下であることがより好ましい。ここで、これらのトナー物性温度は、例えばフローテスター(CFT−500D(島津製作所製))を使って、荷重5kg/cm2、昇温速度3.0℃/min、ダイ口径1.00mm、ダイ長さ10.0mmの条件で測定し、温度に対するピストンストロークの関係から求めるとよい。なお、1/2流出開始温度とは、流出開始温度と流出終了温度の中点となる温度である。
具体的な加熱ローラ80の表面温度は、例えば60℃(使用トナーの物性温度における軟化温度)〜137℃(使用トナーの物性温度における1/2流出開始温度)が好ましく、60〜120℃(使用トナーの物性温度における流出開始温度)が好ましく、さらに好ましくは80〜100℃である。なお、トナーに関する温度(トナー物性温度)は、トナーロットや色によりばらつきがあり、ここで示す温度はその平均値である。
画像形成装置100において、定着装置5通過時(定着工程)では、用紙上の未定着状態のトナーは、ニップ部N1で熱と圧力を受けて、トナー表面から用紙上までトナー層全体が溶融されており、これにより定着が完了する。また、トナーはある程度の平滑化等とともに用紙に密着するようになり、トナー表面にも強い粘着力が発生している。
これに対して、光沢付与装置6通過時(光沢付与工程)では、すでに定着が完了しているので、トナー表面をレベリングするだけの熱量を付与する。ここでいう「レベリング」とは、トナー表面を平滑化して光沢度を上げることである。光沢付与装置6に入ってきた用紙上のトナーはニップ部N2で熱と圧力を受けるが、加熱ローラ80の表面温度が光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下(あるいは、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下。またあるいは、60〜120℃)であるため、トナー層の全体を溶かすのではなく表層を軟化させるのみとなり、トナーとしての色はそのまま保持されつつ、表層のみが平滑な加熱ローラ80の表面によりレベリングされ光沢が向上する。このときのトナー表面は定着工程のときほどの粘着力はないため、加熱ローラ80の直径を30mm以上、40mm以下としても、用紙の分離性が良好である。すなわち、光沢付与装置6の用紙排出側に設けた分離部材83を省略することができ、装置構成の簡素化によるコストダウンが可能となる。また、定着工程のようにトナー層全体を溶かすことによるオフセットが発生しないため、加圧ローラ90の表面のトナー汚れを除去するためのクリーニング部材を省略することができ、装置構成の簡素化によるコストダウンが可能となる。
なお、本発明の画像形成装置100において、用紙の種類や紙厚、搬送速度によっては、定着装置5通過時に定着が完了していなくてよく、例えば定着装置5を1段目の定着装置とし、光沢付与装置6を2段目の定着装置として2段の定着装置により定着を完了させるようにする。これは、秤量124g/m2の以上の厚紙を高速で搬送する場合などに有効である。
また、加圧ローラ90には、加圧レバー96、スプリング97、加圧中間部材96a、カム98からなる加圧調整手段が設けられており、画像に光沢を付与するモードのときには、この加圧調整手段により加圧ローラ90を所定の圧力での加圧状態とする(図14)。
その動作としては、まず、外部からの駆動力によりカム98が図中矢印方向に一定の回転角だけ回転されると、該カム98が加圧中間部材96aを押し上げる(図中矢印方向)。加圧中間部材96aが押されると、該加圧中間部材96aに固定されているスプリング97が一定の圧力で加圧レバー96の端部を押し上げる。つぎに、加圧レバー96のスプリング97側の端部が押し上げられると、該加圧レバー96は支持軸96bを中心軸として回転する(図14では時計回り方向)。ついで、加圧レバー96のスプリング97側の端部と支持軸96bの中間にある加圧部96cが加圧ローラ90の軸に当接し、加熱ローラ80方向に押すように作用する。最後に、加圧ローラ90が加熱ローラ80に当接し、所定の圧力で加圧する状態となり光沢付与用のニップ部N2を形成する。なお、加圧調整手段として、スプリング97は省略可能であり、その場合にはカム98が直接加圧レバー96の端部を押し上げるように作用する。
加圧調整手段による圧力の調整はカム98の回転角の調整で行われ、カム98の所定の回転位置で加熱ローラ80と加圧ローラ90とを離間させ、ニップ部N2を開放することが可能である。
なお、ニップ部N2におけるニップ圧は、用紙上の画像に光沢を付与するモードのとき、前記加圧調整手段により、15〜30N/cm2に調整されることが好ましい。これにより、定着装置5から搬送されてきた用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーに熱を加えるとともに所定の圧力が加えられることにより、該定着トナー表層のレベリングが行われて光沢が付与されることになる。
また、光沢を付与しないモードのとき、前記加圧調整手段により、ニップ部N2におけるニップ圧は光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整される。例えば、15N/cm2未満に調整されることが好ましく、5N/cm2以下に調整されることがより好ましい。このときのニップ圧とは、ニップ幅全体の平均値である。これにより、用紙は加熱ローラ80、加圧ローラ90でニップされるが、ニップ圧が弱いため、画像の光沢を上昇させることなく、用紙を搬送するだけの装置として機能する。
なお、光沢を付与しないモードで、搬送方向の長さが基準長さ以上の用紙を搬送する場合、光沢付与装置6では、前記加圧調整手段により、加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ニップ部N2)を開放し、搬送ローラ対7が前記用紙の搬送を行うとよい(図14)。また、光沢を付与しないモードで、搬送方向の長さが基準長さ未満の用紙を搬送する場合、光沢付与装置6では、前記加圧調整手段により、前述のようにニップ部N2におけるニップ圧を光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整し、前記用紙の搬送を行うとよい。
ここでいう、「基準長さ」とは、画像形成装置100における装置レイアウト(距離L1、L2)から適宜設定される長さであることが好ましい。例えば、装置レイアウトの決まった画像形成装置100において、光沢付与装置6の加熱ローラ80、加圧ローラ90間を開放した状態で、定着装置5のニップ部N1を出た用紙の先端が該用紙の後端がニップ部N1を出る前に搬送ローラ対7に到達して適切に搬送することが可能な用紙の長さの最大値、あるいはその長さの範囲に装置特性を加味して導き出した値である。
ここで例えば、基準長さがB5版用紙の長手方向の長さやB4版用紙の短手方向の長さ(257mm)の場合、光沢を付与しないモードであって、用紙の長さが257mm未満のとき(例えば、A4版用紙の短手方向を搬送方向とするとき)、前記加圧調整手段により、前述のようにニップ部N2におけるニップ圧を光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整し、用紙の長さが257mm以上のとき、前記加圧調整手段により、加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ニップ部N2)を開放する。
あるいは、例えば、基準長さがA4版用紙の短手方向の長さ(210mm)の場合、光沢を付与しないモードであって、用紙の長さが210mm未満のとき、前記加圧調整手段により、前述のようにニップ部N2におけるニップ圧を光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整し、用紙の長さが210mm以上のとき、前記加圧調整手段により、加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ニップ部N2)を開放する。
なお、ここまで用紙サイズの値を基準長さとした例を示したが、基準長さは必ずしも用紙サイズと一致するものではない。
例えば、基準長さが200mmである場合もありうる。この場合、光沢を付与しないモードであって、用紙の長さが200mm未満のとき、前記加圧調整手段により、前述のようにニップ部N2におけるニップ圧を光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整し、用紙の長さが200mm以上のとき、前記加圧調整手段により、加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ニップ部N2)を開放する。
あるいは、基準長さが装置レイアウトから導き出されるある値の範囲から適宜設定される場合もある。例えば、距離L1=210mm、距離L2≦182mmのとき、その値の範囲を182mmより大、210mm以下とし、その範囲から基準長さを200mmと設定する。この場合、光沢を付与しないモードであって、B5版用紙をその短手方向(長さ182mm)を搬送方向として搬送するとき、前記加圧調整手段により、前述のようにニップ部N2におけるニップ圧を光沢を付与するモードのときのニップ部N2におけるニップ圧よりも低く調整し、A4版用紙をその短手方向(長さ210mm)を搬送方向として搬送するとき、前記加圧調整手段により、加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ニップ部N2)を開放することになる。
また「基準長さ」を、光沢を付与しないモードで、定着装置5と光沢付与装置6との間の用紙線速差に起因する撓みや引張り合いにより用紙に微小シワ等が発生しうる最小用紙長さとしてもよい。
光沢を付与しないモードでは、薄紙長手用紙として秤量80g/m2以下のA3版等の用紙を使用することがあるが、この用紙の場合には、定着装置5と光沢付与装置6との間のわずかな用紙線速差によっても撓みや引張り合いにより用紙に微小シワ等が発生する。そのため、光沢付与装置6の加熱ローラ80と加圧ローラ90とを離間させて、この問題を解決するものである。このとき、用紙は光沢付与装置6を通過するだけであるが、用紙の長さが基準長さ(例えば、210mm)以上であるため、定着装置5のニップ部N1から出てきた用紙先端は搬送ローラ対7まで到達し、搬送ローラ対7が用紙をニップして搬送することになる。これにより、形成された画像にローラが接触する機会を減らして画像品質を確保するとともに、確実に搬送することができる。この場合、画像形成装置100における距離L1はこの基準長さ以下とされる。
また、この開放するときの加熱ローラ80と加圧ローラ90の間(ローラ間ギャップ)は2mm以下にするとよい。ローラ間ギャップを2mmより大きくすると、用紙がパスラインPLから外れてジャムが発生しやすくなるためである。
なお、加熱ローラ80、加圧ローラ90のそれぞれの表層にフッ素樹脂で被覆することが好ましい。これによれば、用紙の離型性を改善するだけでなく、光沢を付与しないモードで前記のようにローラ間ギャップを2mm以下として加熱ローラ80と加圧ローラ90を離間させて、この間を用紙を通過させる際に、画像面が加熱ローラ80に部分的に接触することがあるが、表面のフッ素樹脂層80aが離型性を有しているために、画像が部分的に接触したとしても画像削れ等の発生を防止することができる。
以上のように光沢付与装置6を構成することにより、光沢を付与するモードにおいて目標光沢を安定して得ることができ、また光沢を付与するモード、光沢を付与しないモードそれぞれにおける目標光沢の信頼性を向上させている。
また、光沢付与装置6の配置位置として、定着装置5のニップ部N1の後端から該光沢付与装置6のニップ部N2の先端までの距離L2が50mm以上、例えば60〜182mmとなるように、より好ましくは70〜150mmとなるように、さらに好ましくは80〜100mmとなるように、加熱ローラ80及び加圧ローラ90が配置されることが好ましい。
距離L2が50mm未満となると、ガイド板45の2枚の板部材の入り側の間隔と出側の間隔は決まっていることから、該板部材の傾斜が急となりすぎて、ガイド板45でジャムが発生しやすくなり不適である。なお、距離L2の下限は、画像形成装置100の構成、例えば定着装置5や光沢付与装置6それぞれのニップ部の構成により変わりうる。
また、距離L2の上限は最小用紙長さとするとよい。例えば、距離L2=182mmはB5版用紙の短手方向を搬送方向として搬送する場合に対応するための距離である。また、ハーフレターサイズの用紙の短手方向を搬送方向として搬送する場合には、距離L2の上限を150mmとする。また、官製はがきの用紙の短手方向を搬送方向として搬送する場合には、距離L2の上限を100mmとする。
なお、A4版用紙の短手方向が最小用紙長さとなる場合には、距離L2の上限を210mmとしてもよい。あるいは、B5版用紙の長手方向が最小用紙長さとなる場合には、距離L2の上限を257mmとしてもよい。これらの場合には、距離L1の上限も距離L2の上限の距離に対応して変更する必要がある。
光沢付与装置6から排出された、または通過した用紙は、つぎに搬送ローラ対7に送られるが、光沢付与装置6と搬送ローラ対7との間に、例えば2枚の板状部材がパスラインPLの上下に配置され、搬送される用紙を通す隙間を光沢付与装置6から搬送ローラ対7に向かって狭くしたガイド板95を設けるとよい。ガイド板95が用紙のカール等を補正して用紙先端が搬送方向に向くようになるため、搬送ローラ対7でのシワやジャムを防止することができ、搬送品質を安定化させることができる。
(搬送ローラ対)
搬送ローラ対7は、クロロプレンゴムやシリコーンゴムなどからなる円筒形状のローラ7aと樹脂からなる円筒形状のローラ7bとが当接した構成となっている。ローラ7a,7bのいずれか一方、あるいは両方が回転駆動しており、搬送されてきた用紙を挟み込んで排出経路に搬送する。ここで、搬送ローラ対7は、定着装置5のニップ部N1の後端から基準長さ(例えば、210mm)以内に配置されているので、画像に光沢を付与しないモードであって、用紙の搬送方向の長さが基準長さ(例えば、210mm(A4版用紙の短手方向の長さ))以上の場合、光沢付与装置6の加熱ローラ80、加圧ローラ90間が開放されているが、定着装置5のニップ部N1を出た用紙の先端は該用紙の後端がニップ部N1を出る前に搬送ローラ対7に到達するために、適切に搬送することが可能である。
なお、本発明では光沢付与装置6では加熱ローラ80の表面温度が低め(光沢付与装置6への用紙進入時の用紙温度以上、定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度以下(あるいは、使用されるトナーのフローテスターによる軟化温度以上、1/2流出開始温度以下。またあるいは、60〜120℃)とされているので、光沢を付与するモードのときの搬送ローラ対7に到達したときの用紙の温度は定着装置5からの該用紙排出直後の用紙温度と同等以下となっており、搬送ローラ対7へのトナーの固着等を防止することができる。また、同様の理由からガイド板95等へのトナー固着も防止できる。
(光沢付与モード・光沢非付与モード)
本発明の画像形成装置100では、同じ連量(秤量)の用紙を用いて、該用紙上の画像に光沢を付与するモード(光沢付与モード)と、光沢を付与しないモード(光沢非付与モード)と、を選択可能に有している。例えば、画像形成装置100の表示モニタに、光沢付与モードと光沢非付与モードとをユーザが選択可能なように表示する。ここで、光沢付与モードとは、コート紙などの光沢度の高い(30〜50%)の用紙を用いて、画像(定着トナー画像)を形成し、画像に対して下地である用紙と同等の光沢を付与するモードであり、グラビア写真印刷用として好適である。また、光沢非付与モードとは、普通紙など光沢度のあまり高くない用紙を用いて、画像を形成し、該画像にとくに光沢を付与する処理を行わないモードである。
光沢付与モードが選択された場合、用紙として光沢度30〜50%のコート紙などを用いて、以下のように処理が行われる。ここでは、図14の装置構成で、距離L1=210mm、距離L2=60〜182mmとした場合を前提に説明する。
(S11) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ圧が15〜30N/cm2の所定のニップ幅としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上のトナーは完全に定着されるとともに、画像(定着トナー)に25%以上の光沢が付与されるようになる。
(S12) 定着装置5から排出された用紙はガイド板45によりカール等が補正され、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。
(S13) 光沢付与装置6において、用紙上の画像に光沢がさらに付与される。このとき、加熱ローラ80の表面温度は80〜100℃であり、加圧調整手段によりニップ部N2のニップ圧が15〜30N/cm2に調整されている。これにより、用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーに熱及び所定の圧力が加えられ、該定着トナー表層のレベリングが行われて、用紙の光沢度に対して±15%以内、より好ましくは±10%以内となった光沢度が定着トナーに付与される。
(S14) 光沢付与装置6から排出された用紙はガイド板95、搬送ローラ対7を経由して、搬送経路を通って排紙される。
光沢非付与モードが選択された場合、用紙のサイズが確認され、用紙の搬送方向の長さとして210mm未満、210mm以上で区分けされて、以下のように処理が行われる。
まず、用紙の搬送方向の長さが210mm未満の場合を説明する。
(S21) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ圧が15〜30N/cm2で光沢付与モードよりも幅の狭い所定のニップ幅としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上の画像(定着トナー)の光沢があまり上昇しない状態で、トナーは完全に定着されるようになる。あるいは、用紙の種類によっては、定着装置5の条件は光沢付与モードと同じとしてもよい。
(S22) 定着装置5から排出された用紙はガイド板45によりカール等が補正され、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。
(S23) 光沢付与装置6において、ニップ部N2で用紙を挟み込んで該用紙の搬送を行う。このとき、加熱ローラ80の表面温度は80〜100℃であるが、加圧調整手段によりニップ部N2のニップ圧が、光沢付与モードのときのニップ部N2のニップ圧よりも低く、例えば5N/cm2以下に調整されている。このように軽圧下とすることにより、用紙が光沢付与装置6を通過するときには、ニップ部N2にて定着トナーにあまり熱及び圧力が加えられず、該定着トナーの光沢を上昇させることがない。
(S24) 光沢付与装置6から排出された用紙はガイド板95、搬送ローラ対7を経由して、搬送経路を通って排紙される。
つぎに、光沢非付与モードが選択され、用紙の搬送方向の長さが210mm以上の場合、以下のように処理が行われる。
(S31) 未定着のトナーが載った用紙が搬送され、定着装置5でトナーの定着が行われる。このとき、定着ベルト11は、加熱ローラ15内部に配置されたヒータ15hの発熱によりトナー定着に適する温度まで加熱されている。また、ニップ部N1におけるニップ圧については、加圧手段のカム78を調整して、ニップ圧が15〜30N/cm2で光沢付与モードよりも幅の狭い所定のニップ幅としている。これにより、定着装置5を通過した用紙上の画像(定着トナー)の光沢があまり上昇しない状態で、トナーは完全に定着されるようになる。
(S32) 定着装置5から排出された用紙はガイド板45によりカール等が補正され、用紙先端が光沢付与装置6に適切に送り込まれる。
(S33) 光沢付与装置6では、ローラ間ギャップが2mm以下となるように加熱ローラ80と加圧ローラ90を離間させた状態となっており、用紙はこの加熱ローラ80と加圧ローラ90の間を通過していく。
(S34) 光沢付与装置6を通過した用紙はガイド板95を通り、搬送ローラ対7まで到達する。搬送ローラ対7は、定着装置5のニップ部N1の後端から210mm以内に配置されているので、前記用紙の先端は該用紙の後端がニップ部N1を出る前に搬送ローラ対7に到達し、該搬送ローラ対7が用紙を挟み込んで適切に搬送を継続する。搬送ローラ対7を出た用紙は、搬送経路を通って排紙される。
以上のように、光沢非付与モード(例えば、通常印字)で、用紙の搬送方向の長さが210mm未満、210mm以上のいずれの場合においても、定着装置5及び光沢付与装置6でトナーの光沢を上昇させることがなく、かつ安定して搬送できるように工夫されているので、光沢付与モード、光沢非付与モードのいずれのモードであっても用紙搬送のパスラインを変更しないで所望の光沢の画像形成が可能となっており、画像形成装置として小型化が可能である。
また、光沢付与モードにおいて、定着装置5におけるニップ時間として30msec以上、より好ましくは60msec以上とし、光沢付与装置6におけるニップ時間を15msec以上とすることが可能である。これにより、光沢付与モードにおいても光沢非付与モードの場合と同等の用紙生産性を有することになり、いずれのモードを選択しても高い生産性を維持することができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、図14の構成において、光沢付与装置6に代えて用紙のトナー面に熱と圧力を付与する第2のニップ部を有する第2の定着装置とし、定着装置5及び該第2の定着装置の2つの定着装置を使って用紙上へのトナーの定着を完了する構成としてもよい。また、光沢付与装置6を省略してもよい。
また、前述した分離手段44は、定着装置5の構成に限らず、その他の構成の定着装置にも適用可能である。
図15に、分離手段44が適用されたその他の構成の定着装置の断面図を示す。
ここでは、定着装置5において摺動支持体17、テンションローラ16a,16bを省略し、それ以外は定着装置5と同様としている。すなわち、定着装置5’は、回動する定着部材(定着ベルト11)と、前記定着部材に圧接してニップ部N1’を形成する加圧部材(加圧ローラ14)と、前記ニップ部N1’から排出される用紙Sを前記定着部材から分離する分離部材(分離板44c)と、先端部分が前記定着部材に当接して前記分離部材の先端を該定着部材から所定距離だけ離間させた非接触状態に保持する突き当て部材(突き当て部材44b)と、前記分離部材及び突き当て部材それぞれの先端を前記定着部材側に付勢する付勢手段(回転レバー44f、引張スプリング44g)とを有する分離手段(分離手段44)と、を備え、前記突き当て部材の前記定着部材と当接する先端部分(曲率形状部分)は、前記定着部材の幅方向に一定の幅を持ち、該定着部材の回動方向に曲率を有する曲率形状を有し、該先端部分の曲率半径は、その幅方向中央部で最大であり、該中央部から両端部に向けて徐々に小さくなっていることを特徴とするものである。なお、ここでいう定着部材は、定着回転体であり、例えば定着ベルトや定着ローラが該当する。また、ここでいう加圧部材は、加圧回転体であり、例えば加圧ローラや加圧ベルトが該当する。
これにより、突き当て部材44bの先端部分が定着部材(定着ベルト11)に当接しても、該先端部分がタイコ形状の曲率形状を有していることにより、定着部材(定着ベルト11)を傷つけることがないので、定着部材(定着ベルト11)の長寿命化を図りつつ良好な分離性能を安定して確保することができる。
1 スキャナ部
2 書込み部
3 現像部
5,5’ 定着装置
6 光沢付与装置
7 搬送ローラ対
7a,7b ローラ
8 排紙部
10 自動原稿送り装置(ADF)
11 定着ベルト
12 定着ローラ
14,90 加圧ローラ
14h,15h,85 ヒータ(加熱手段)
15,80 加熱ローラ
16a,16b テンションローラ
17 摺動支持体
17a 摺動支持部材
17b 凸部
17c 連結部材
17d 支持部材
30 中間転写体
31 感光体
34 2次転写部
35 搬送ベルト
37 搬送路
38 レジスト部
41,41a,41b,41c,41d 給紙トレイ
43,44 分離手段
44a 回転支点
44a’ 鉤爪部
44b 突き当て部材
44c 分離板
44ca 基材
44cb 支軸
44cc 先端部
44d 支持フレーム
44e 板バネ部材
44f 回転レバー
44g 引張スプリング
44i ガイド板
44j コロ
44k 調整ネジ
44s 圧縮スプリング
83 分離部材
45,95 ガイド板
62,72,82 温度検知センサ
76,96 加圧レバー
76a,96a 加圧部材
76b,96b 支持軸
76c,96c 加圧部
77,97 スプリング
78,98 カム
93 クリーニング部材
100 画像形成装置
100A 画像読取部
100B 画像形成部
100C 給紙部
N1,N1’,N2 ニップ部
PL パスライン
S 用紙
T トナー
特開2004−093582号公報 特開2006−243471号公報

Claims (9)

  1. 表面に弾性層を有する定着ローラと、
    前記定着ローラを含む複数のローラに架け渡される無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して定着ローラに圧接してニップ部を形成する加圧部材と、
    前記定着ベルトの内周側であって前記ニップ部の出口側の定着ローラと定着ベルトの間に配置され、前記定着ベルトの内面と摺動しつつ前記ニップ部出口における該定着ベルトの位置を一定に支持する摺動支持体と、
    前記定着ベルトの前記摺動支持体で支持された位置に先端部が非接触に配置される分離部材と、を備え
    前記摺動支持体は、前記定着ベルト内面と摺動する面において、前記分離部材の前記先端部に前記定着ベルトを挟んで対向する位置を含む所定範囲が、前記定着ベルトの内面側に凸となった曲面部と、
    前記ニップ部出口と前記曲面部との間に、前記定着ベルトを内面から押し出して該定着ベルトの外周曲率を調整する凸部と、を有する
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記摺動支持体は、当該定着装置のフレームに固定される支持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記摺動支持体は、前記定着ベルト内面と摺動する面にフッ素系樹脂層を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記加圧部材を定着ベルトを介して定着ローラに押圧させて前記ニップ部を形成するとともに、該押圧状態を変更して、前記ニップ部のニップ幅を複数段階に切り替える加圧手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記分離部材は、前記ニップ部から排出される用紙を前記定着ベルトから分離し、
    分離部材と、先端部分が前記定着ベルトに当接して前記分離部材の先端を該定着ベルトから所定距離だけ離間させた非接触状態に保持する突き当て部材と、前記分離部材及び突き当て部材それぞれの先端を前記定着ベルト側に付勢する付勢手段とを有する分離手段と、
    を備え、
    前記突き当て部材の前記定着ベルトと当接する先端部分は、前記定着ベルトの幅方向に一定の幅を持ち、該定着ベルトの回動方向に曲率を有する曲率形状を有し、
    該先端部分の曲率半径は、その幅方向中央部で最大であり、該中央部から両端部に向けて徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記突き当て部材は、前記定着ベルトの最大画像領域外の両端に配置され、
    前記分離部材は、前記定着ベルトの最大画像領域内に1又は複数配置されることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  7. 前記突き当て部材の先端部分の曲率中心は、前記定着ベルトの幅方向に垂直な断面において、前記分離部材の先端と略一致していることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  8. 前記突き当て部材の先端部分における幅方向両端部の曲率半径は、中央部よりも0.03mm以上小さいことを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2009132892A 2009-06-02 2009-06-02 定着装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP5347726B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009132892A JP5347726B2 (ja) 2009-06-02 2009-06-02 定着装置及び画像形成装置
US12/801,237 US8320808B2 (en) 2009-06-02 2010-05-28 Image forming apparatus and fixing device with fine sheet separation function
EP10164481A EP2261753A3 (en) 2009-06-02 2010-05-31 Image forming apparatus and fixing device with fine sheet separation function

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009132892A JP5347726B2 (ja) 2009-06-02 2009-06-02 定着装置及び画像形成装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013109043A Division JP5435164B2 (ja) 2013-05-23 2013-05-23 定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010281871A JP2010281871A (ja) 2010-12-16
JP5347726B2 true JP5347726B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=42635239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009132892A Expired - Fee Related JP5347726B2 (ja) 2009-06-02 2009-06-02 定着装置及び画像形成装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8320808B2 (ja)
EP (1) EP2261753A3 (ja)
JP (1) JP5347726B2 (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5265509B2 (ja) * 2009-12-23 2013-08-14 ブラザー工業株式会社 画像形成装置及び紙送り装置
JP5640407B2 (ja) * 2010-03-12 2014-12-17 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2011191572A (ja) 2010-03-15 2011-09-29 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
JP5760530B2 (ja) 2010-03-17 2015-08-12 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP5549514B2 (ja) 2010-10-04 2014-07-16 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP5750941B2 (ja) 2011-03-04 2015-07-22 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2012185282A (ja) 2011-03-04 2012-09-27 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2013105009A (ja) 2011-11-14 2013-05-30 Ricoh Co Ltd 用紙分離装置、定着装置及び画像形成装置
JP5929155B2 (ja) * 2011-12-15 2016-06-01 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2013137457A (ja) * 2011-12-28 2013-07-11 Ricoh Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
US9063480B2 (en) * 2011-12-28 2015-06-23 Ricoh Company, Limited Fixing device, image forming device, and separating member
JP5970828B2 (ja) * 2012-01-19 2016-08-17 株式会社リコー 分離部材、定着装置、及び画像形成装置
JP5906780B2 (ja) * 2012-02-13 2016-04-20 コニカミノルタ株式会社 定着装置および画像形成装置
JP5907923B2 (ja) * 2013-04-03 2016-04-26 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP5887298B2 (ja) * 2013-04-22 2016-03-16 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP5820850B2 (ja) * 2013-07-29 2015-11-24 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP6083393B2 (ja) * 2014-01-29 2017-02-22 コニカミノルタ株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP6178755B2 (ja) * 2014-05-27 2017-08-09 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置
US20160209789A1 (en) * 2015-01-19 2016-07-21 Ricoh Company, Ltd. Sheet separation device, fixing device, and image forming apparatus
JP2016181012A (ja) * 2016-07-21 2016-10-13 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP7066999B2 (ja) * 2017-08-24 2022-05-16 コニカミノルタ株式会社 定着装置、画像形成装置、および定着装置の設計方法
JP7224957B2 (ja) * 2019-02-25 2023-02-20 キヤノン株式会社 剥離シート、定着装置及び剥離シートの製造方法

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6088558A (en) * 1998-03-05 2000-07-11 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for suppressing belt shift in an image forming apparatus
JPH11282293A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Ricoh Co Ltd ベルト定着装置
JP2000305393A (ja) * 1999-04-23 2000-11-02 Ricoh Co Ltd ベルト定着装置及び画像形成装置
JP2001034108A (ja) * 1999-07-23 2001-02-09 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び定着装置
KR100386097B1 (ko) * 1999-12-02 2003-06-02 가부시키가이샤 리코 정착장치, 정착방법 및 그 정착장치를 이용한 화상 형성장치
US6795676B2 (en) * 2001-06-01 2004-09-21 Ricoh Company, Ltd Sheet wrapping avoidable fixing apparatus and image forming apparatus
JP4125031B2 (ja) * 2002-04-11 2008-07-23 株式会社リコー 定着装置及びその定着装置を有する画像形成装置
JP4210486B2 (ja) 2002-07-08 2009-01-21 株式会社リコー ベルト定着装置及び画像形成装置
JP4168250B2 (ja) * 2002-12-05 2008-10-22 セイコーエプソン株式会社 定着装置
JP3980527B2 (ja) * 2003-07-18 2007-09-26 株式会社沖データ 定着器及び画像形成装置
JP4291744B2 (ja) * 2004-06-14 2009-07-08 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2006011193A (ja) 2004-06-29 2006-01-12 Ricoh Co Ltd 定着装置およびこれを用いた画像形成装置
JP2006071921A (ja) * 2004-09-01 2006-03-16 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2006243471A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP4609240B2 (ja) * 2005-08-29 2011-01-12 富士ゼロックス株式会社 定着装置および画像形成装置
JP4696846B2 (ja) * 2005-10-25 2011-06-08 富士ゼロックス株式会社 定着装置
JP2007310210A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP4841466B2 (ja) * 2006-06-05 2011-12-21 株式会社リコー 画像形成装置
JP4823826B2 (ja) 2006-09-07 2011-11-24 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2008070582A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Ricoh Co Ltd 定着装置、画像形成装置
JP4839170B2 (ja) * 2006-09-28 2011-12-21 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP4884264B2 (ja) 2007-03-09 2012-02-29 株式会社リコー 分離装置、定着装置、及び、画像形成装置
JP5332310B2 (ja) * 2007-06-25 2013-11-06 株式会社リコー シート分離部材、定着装置および画像形成装置
JP5526520B2 (ja) 2008-09-29 2014-06-18 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
US7970330B2 (en) * 2008-10-30 2011-06-28 Xerox Corporation Fusers, printing apparatuses and methods of fusing toner on media
JP5549210B2 (ja) * 2009-12-11 2014-07-16 富士ゼロックス株式会社 定着装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20100303523A1 (en) 2010-12-02
EP2261753A2 (en) 2010-12-15
JP2010281871A (ja) 2010-12-16
US8320808B2 (en) 2012-11-27
EP2261753A3 (en) 2013-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5347726B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5339072B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5223697B2 (ja) ベルト駆動装置、定着装置及び画像形成装置
JP5482104B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4706395B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007121329A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5402314B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP6141112B2 (ja) 画像加熱装置
JP5705419B2 (ja) 画像形成装置
JP2010079219A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2015180906A (ja) 定着装置及び画像形成装置
EP2359195B1 (en) Image forming apparatus
JP5593971B2 (ja) シート分離装置、定着装置及び画像形成装置
JP4923554B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007086543A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2012042853A (ja) 用紙分離装置、定着装置及び画像形成装置
JP2014199382A (ja) 分離装置及び定着装置並びに画像形成装置
JP2007193121A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2010204510A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5375474B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5495112B2 (ja) 定着装置、及び画像形成装置
JP2007178637A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5435164B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5549514B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2007086530A (ja) 定着装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130805

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5347726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees