JP5549514B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び該定着装置を備えるレーザビームプリンタ、デジタル複写機、普通紙ファックス等の画像形成装置に関するものである。
可視像形成のためにトナーを用いる画像形成装置においては、トナー画像を転写紙等の記録媒体に永久画像として定着するために定着装置が備えられている。その定着装置では、加熱され回転している定着ローラや定着ベルトの定着部材と、それに圧接・回転している加圧ローラや加圧ベルトの加圧部材によって形成された圧接部である定着ニップ部を記録媒体が通過することによって、記録媒体上に担持されたトナーが溶融され記録媒体上にトナー画像が定着される。
ここで、主に樹脂で構成されているトナーは圧接部で溶融し、定着ローラや定着ベルトと粘着する性質があるため、トナーへワックス成分を付加したり、定着ローラや定着ベルト表面を離型性の材質で被覆したり、定着ローラや定着ベルト表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布したりする等の様々な手段を用いて定着ローラや定着ベルトとトナーが粘着することを防止している。
さらには、分離爪を備えたシート分離機構を定着ローラや定着ベルトに付設して、溶融したトナーによって定着ローラや定着ベルトに巻き付こうとしている記録媒体を強制的に分離している。
しかしながら、前記分離爪による分離手段では分離爪と定着ベルトや定着ローラ等の定着部材と摺接しているために、接触箇所にトナーが溜まり易く、あるときその溜まったトナーが脱離して、記録媒体を汚す等の不具合が発生している。さらに分離爪と定着部材である回転体とが摺動している為に、摺動跡が回転体に発生し、寿命低下、更にはその摺動跡が記録媒体に異常画像として発生する等の課題が生じている。
また近年、定着装置の離型剤は取り扱い性が悪い等の理由でトナーにワックス成分を付加し、定着部材である回転体表面にシリコーンオイル等の離型剤を塗布することを無くす傾向にある為、上記課題は益々顕著になってきている。
上記課題を解決するために、最大画像領域内では定着部材である回転体と非接触状態で近接して配置され記録媒体を分離する分離板等に関する発明が提案されている。
しかしながら分離板等のように定着部材である回転体と非接触状態で分離爪と同等以上に分離性能を維持するには分離部先端と定着部材である回転体とのギャップ(隙間)を極力微小にし、0.1mm単位でその隙間を維持しなければならない。更に、分離部先端を定着ニップ部直後の近傍に配置する必要がある。
例えば、特許文献1に記載の発明では、分離ガイド先端と回転体とのギャップ(隙間)の維持を回転体の最大画像領域外であって軸方向の両端部で曲率形状部(突き当て部材ともいう)を当接することによって行っている。
しかしながら、特許文献1記載の構成では分離ガイドが耐熱樹脂で一体成型された構成であり、この分離ガイドは少なからず軸方向に対して捩れることによる歪みが発生し、軸方向全域に渡って0.1〜0.6mmのギャップ(隙間)を維持するのは困難である。また、軸方向に対して捩れ方向の歪が生じると、定着部材である回転体に当接した両端の曲率形状部(突き当て部材)の接触圧(当接力)に差が生じ、接触圧の強い方が、回転体を傷つける不具合等も生じている。
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、定着ニップ部を形成する回転体を分離板ユニットの突き当て部材により破損することなく、該回転体と分離板先端の微小ギャップを精度よく維持することが可能な定着装置、及び該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。なお、カッコ内に本発明を実施するための形態において対応する部位及び符号等を示す。
〔1〕 圧接して定着ニップ部(定着ニップ部N)を形成する2つの回転体(定着ベルト2,加圧ローラ4)と、1または複数の分離板(分離板14,16b)と、一対の突き当て部材(突き当て部材15)と、両端に回転軸(分離手段回転軸10)を有し前記1または複数の分離板及び前記一対の突き当て部材を回転軸方向に並べて保持する保持部材(保持部材16)と、からなり、前記2つの回転体の少なくともいずれか一方の回転体側に該回転体の軸と前記保持部材の回転軸とが略平行となるように配置される分離板ユニット(分離板ユニット6,6’)と、を備え、前記分離板ユニットにおける前記保持部材に前記回転軸を中心にした一回転方向への応力を付与することにより、前記一対の突き当て部材を前記回転体に接触させて前記1または複数の分離板の先端を前記回転体から微小ギャップで離間させた非接触状態に保持し、この1または複数の分離板により前記定着ニップ部から排出される記録媒体を前記回転体から分離する定着装置において、前記分離板ユニットは、前記保持部材における前記一対の突き当て部材のいずれかを保持している部分を前記回転体側あるいは前記回転体とは反対側に撓ませて、前記一対の突き当て部材の前記回転体への接触圧のバランスを調整する接触圧バランス調整機構(基準部材17,ネジ17a,17b,調整ネジ18)と、前記1または複数の分離板と前記回転体との微小ギャップを調整するギャップ調整機構と、を有し、前記接触圧バランス調整機構は、前記保持部材における前記一対の突き当て部材それぞれに対応して設けられていることを特徴とする定着装置(定着装置20、図1,図4〜図6,図10)。
〔2〕 前記接触圧バランス調整機構は、前記保持部材の前記突き当て部材を保持している部分を撓ませる領域に対して隙間を持って固設される基準部材(基準部材17)と、前記保持部材の撓ませる領域(領域A,C)における前記保持部材の両端の回転軸を結んだ軸線を挟んで前記突き当て部材側の任意の位置で局部的に前記保持部材と基準部材の間の隙間の大きさ(隙間量ts)を変更し、前記基準部材を基準にして前記保持部材を撓ませる隙間調整手段(調整ネジ18)と、を有することを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置(図5,図6)。
〔3〕 圧接して定着ニップ部(定着ニップ部N)を形成する2つの回転体(定着ベルト2,加圧ローラ4)と、1または複数の分離板(分離板14,16b)と、一対の突き当て部材(突き当て部材15)と、両端に回転軸(分離手段回転軸10)を有し前記1または複数の分離板及び前記一対の突き当て部材を回転軸方向に並べて保持する保持部材(保持部材16)と、からなり、前記2つの回転体の少なくともいずれか一方の回転体側に該回転体の軸と前記保持部材の回転軸とが略平行となるように配置される分離板ユニット(分離板ユニット6,6’)と、を備え、前記分離板ユニットにおける前記保持部材に前記回転軸を中心にした一回転方向への応力を付与することにより、前記一対の突き当て部材を前記回転体に接触させて前記1または複数の分離板の先端を前記回転体から微小ギャップで離間させた非接触状態に保持し、この1または複数の分離板により前記定着ニップ部から排出される記録媒体を前記回転体から分離する定着装置において、前記分離板ユニットは、前記保持部材における前記一対の突き当て部材のいずれかを保持している部分を前記回転体側あるいは前記回転体とは反対側に撓ませて、前記一対の突き当て部材の前記回転体への接触圧のバランスを調整する接触圧バランス調整機構(基準部材17,ネジ17a,17b,調整ネジ18)を有し、前記接触圧バランス調整機構は、前記保持部材の前記突き当て部材を保持している部分を撓ませる領域に対して隙間を持って固設される基準部材(基準部材17)と、前記保持部材の撓ませる領域(領域A,C)における前記保持部材の両端の回転軸を結んだ軸線を挟んで前記突き当て部材側の任意の位置で局部的に前記保持部材と基準部材の間の隙間の大きさ(隙間量ts)を変更し、前記基準部材を基準にして前記保持部材を撓ませる隙間調整手段(調整ネジ18)と、を有し、前記基準部材は、前記保持部材を撓ませる領域(領域A,C)よりも軸方向中央側では前記保持部材と密着し(領域B)、前記保持部材を撓ませる領域に対応する領域における前記保持部材の回転軸の軸線を挟んで前記突き当て部材とは反対側の位置で(ネジ17bにより)前記保持部材に固定されていることを特徴とする定着装置(図5)。
〔4〕 前記隙間調整手段は、前記保持部材を撓ませる領域において前記保持部材と前記基準部材とを隙間を持たせて締結するネジ(調整ネジ18)であり、該ネジの締め付け量を調整することにより前記保持部材を撓ませる量を調整するものであることを特徴とする前記〔2〕または〔3〕に記載の定着装置(図6)。
〔5〕 前記基準部材は、前記保持部材よりも高剛性であることを特徴とする前記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の定着装置。
〔6〕 前記基準部材及び保持部材は、板金加工された部材であり、前記基準部材を構成する材料の板厚は前記保持部材を構成する材料の板厚以上であることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置。
〔7〕 前記接触圧バランス調整機構による前記保持部材を撓ませる量が、前記一対の突き当て部材の前記回転体への接触圧が等しくなるように調整されていることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の定着装置(図8)
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の定着装置(定着装置20)を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置100、図9)。
本発明の定着装置によれば、接触圧バランス調整機構により一対の突き当て部材の回転体への接触圧のバランスを調整することができるため、突き当て部材の片当たりによる接触対象の回転体の破損を防ぐことができる。また、一対の突き当て部材の間にある分離板の先端と回転体との微小ギャップも所定量に高精度に管理することが可能となり、分離性向上を図ることができる。
本発明の画像形成装置によれば、本発明の定着装置を備えるので、定着ニップ部におけるジャムを発生させることなく、長期間安定して画像形成を行うことができる。
本発明に係る定着装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る定着装置の構成を示す側面図である。 本発明に係る定着装置の加熱ローラ周辺の構成を示す側面図である。 本発明で用いる分離板ユニットの概略構成を示す斜視図である。 図4の分離板ユニットの構成図である。 図5の分離板ユニットにおける突き当て部材及びその近傍部分の構成を示す拡大斜視図である。 図5の分離板ユニットにおいて接触圧バランス調整機構により保持部材を撓ませる状態を示す説明図である。 図5の分離板ユニットの接触圧バランス調整機構による突き当て部材の加圧ローラへの接触圧バランス調整の一例を示した図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。 本発明で用いる分離板ユニットの別の構成例を示す図である。
以下に、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の構成について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、本発明に係る定着装置20は、定着ローラ1及び加熱ローラ3に一定のテンションで架け渡され、表面がヒータ3hにより加熱ローラ3を介して加熱される定着ベルト2と、定着ベルト2に対して回転自在に圧接し定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ4と、定着ニップ部Nの記録媒体排出側であって分離板が定着ベルト2に近接して配置され定着ベルト2への記録媒体の巻き付きを防止する分離板ユニット5と、定着ニップ部Nの記録媒体排出側であって分離板が加圧ローラ4に近接して配置され加圧ローラ4への記録媒体の巻き付きを防止する分離板ユニット6と、を備える。
ここで、定着ベルト2は、内径80mmの無端ベルトであり、断面構造としては、例えば厚さ90μmのポリイミド(PI)基材に厚み200μmのシリコーンゴム層を形成し、さらにその上に最外層として厚さ20μmのPFA(テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)層をコーティングにより形成した3層構造となっている。
定着ローラ1は、外径54mmで厚み15mmの発泡シリコーンゴムからなる耐熱・弾性層を有した構成である。また、加熱ローラ3は、外径40mmで厚み1mmのアルミ製中空円筒からなり、内部にハロゲンヒータなどのヒータ3hを備えている。
加圧ローラ4は、鋼製で厚み1mmの中空芯金に厚み1.5mmのシリコーンゴムが覆っており、最外層にはPFAチューブを備えた外径65mmのローラであり、内部にハロゲンヒータなどのヒータ4hを備えている。また、加圧ローラ4は、図示していない加圧機構により一定の圧力で定着ローラ1の方向へ押されることにより、定着ベルト2へ押し当てられ定着ニップ部Nを形成する。本構成では、加圧ローラ4は定着ベルト2を介して定着ローラ1に対して4mm食い込み、およそ16mmのニップ幅を形成する。
定着装置20の駆動の際には、加圧ローラ4が定着ベルト2に押圧された状態で、不図示の駆動機構により加圧ローラ4が図中反時計回り方向に回転し、これに伴い定着ベルト2、定着ローラ1、加熱ローラ3が連れ周りするようになり、定着ベルト2が記録媒体を排出する方向(図1では時計回り方向)に駆動される。また、定着の際には、定着ベルト2は、加熱ローラ3内部の配置されたヒータ3hによりトナー定着に適する温度まで加熱される。
なお、本発明では、定着部材として、図1に示す定着ベルト方式の形態を示したが、これに限定されるものではなく、中空円筒形状のローラ(定着ローラ)からなる定着ローラ方式としてもよい。また、本発明でいう回転体とは、定着部材(定着ベルト2、定着ローラ方式にあっては定着ローラ)と加圧部材(加圧ローラ4)である。
また、図1及び図2に示すように、定着ニップ部Nの排出側であって定着ベルト2側には記録媒体を定着ベルト2から剥離するために分離板ユニット5を備えている。図2は、定着装置20を側面から見た図である。
分離板ユニット5は、図2に示すように、紙詰まり(ジャム)を起したときに、記録媒体を除去できるように、分離板ユニット5全体が定着ニップ部N出口部分から退避して、その部分を露出させることができる構成となっている。また、分離板ユニット5を定着ニップ部N出口に装着するときには、分離板ユニット5の分離手段回転軸10が定着ローラ1を保持した定着側板20fに設けられた回転軸受け溝11に嵌め込まれ、分離手段回転軸10は定着ローラ1に対して高精度な位置決めをして配置することができる。そして、分離手段回転軸10を中心に分離手段(分離板及び突き当て部材)が回動自在な構成となっているところ、引張りスプリング12の弾性力が分離手段の分離手段回転軸10を中心とした定着ベルト2側へ付勢される方向への回転に作用し、分離手段のうち突き当て部材が定着ベルト2を介して定着ローラ1に押し当てられて分離板の先端が定着ベルト2に対して所定の微小ギャップの非接触状態で配置されるようになる。
また、図1及び図3に示すように、定着ニップ部Nの排出側であって加圧ローラ4側にも記録媒体を加圧ローラ4から剥離するための分離板ユニット6を備えている。図3は、定着装置20を側面から見た図であり、定着ローラ1等を含む上部構成は省略している。
分離板ユニット6は、図3(a)に示すように、加圧ローラ4のユニットと一体となるように固定された構成となっており、加圧機構による加圧ローラ4の定着ローラ1への加圧・脱圧動作時には加圧ローラ4とともに移動するようになっている。
また、分離板ユニット6においても、分離手段回転軸10を中心に分離手段(分離板及び突き当て部材)が回動自在な構成となっており、ここではトーションスプリング13の弾性力が分離手段回転軸10よりも分離手段側に設けられた受け部材16aに作用することにより(図3(b))、分離手段が分離手段回転軸10を中心として加圧ローラ4側へ付勢される方向へ回転するようになり、分離手段のうち突き当て部材が加圧ローラ4に押し当てられて分離板の先端が加圧ローラ4に対して所定の微小ギャップの非接触状態で配置されるようになる(図3(a))。
定着装置20では、図1に示すように、定着ベルト2、加圧ローラ4が定着ニップ部Nを形成するとともに回転駆動された状態で、定着ベルト2の表面は所定の温度まで加熱されており、未定着トナーが形成された記録媒体が入口ガイド板9に案内されて定着ニップ部Nに通され、定着ニップ部Nにおける加圧及び加熱により未定着トナーを記録媒体上に熱融着させて定着を行なう。ついで、トナー定着された記録媒体は定着ニップ部Nから排出されるが、このとき記録媒体が定着ベルト2に巻き付いたまま出てくることがある。その場合には、分離板ユニット5の分離板の先端部が記録媒体の先頭端部に当接することにより、該記録媒体を定着ベルト2から分離させるようになっている。また、記録媒体が加圧ローラ4に巻き付いたまま出てくる場合には、分離板ユニット6の分離板の先端部が記録媒体の先頭端部に当接することにより、該記録媒体を加圧ローラ4から分離させるようになっている。
定着ニップ部Nから排出された記録媒体は、その後、中継排紙ガイド下ユニット7と排紙ガイド板ユニット8の案内によって定着装置20から送り出される。
なお、本発明の画像形成装置(後述)では、両面印刷の機能を有しており、定着装置20では、両面印刷の第2面定着時に第1面(印刷済みの面)が加圧ローラ4と接触するようになる。このとき、従来の定着装置のように、加圧ローラ4に分離爪が接触する構成では、分離爪により傷ついた加圧ローラ4表面が第1面の画像に悪影響を及ぼすことから、加圧ローラ4表面が傷つかないように、分離板ユニット6における分離板は加圧ローラ4に対して非接触の状態とする必要がある。
ここで、加圧ローラ4は、比較的硬いものである(少なくとも定着ニップ部Nを形成するときに定着部材側に食い込む程度に硬いものである)ことから、分離板ユニット6の突き当て部材を押し付けてもほとんど食い込まない状態となる。そのため、前述のようにトーションスプリング13の弾性力を作用させて分離板ユニット6の軸方向両端部に設けられた一対の突き当て部材をそのまま加圧ローラ4に押し当てるようにすると、一対の突き当て部材それぞれの加圧ローラ4への接触圧が異なる場合があり、すなわち接触圧のバランスが悪くなり、ひどいときには片側の突き当て部材のみが加圧ローラ4に強く押し当てられるようになって、加圧ローラ4が破損する可能性があった。さらには、分離板の先端と加圧ローラ4との微小ギャップの調整不良につながり、記録媒体の分離性が悪くなる問題があった。
発明者は、この問題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、一対の突き当て部材の加圧ローラ4への接触圧バランス不良は部品の寸法精度のばらつきや部品の組み立て精度のばらつきなどにより分離板ユニット6において発生している捩れが原因の1つであることを突き止め、それを改善すべく分離板ユニットの構造に工夫を施すことにより、本発明を成すに至った。以下、本発明の根幹を成す分離板ユニットの構成について説明する。
(分離板ユニット)
図4は、分離板ユニット6の構成を示す斜視図である。図4(a)は図1において記録媒体搬送経路側から見た図、図4(b)は加圧ローラ4側から見た図であり、分離板ユニット6の長手方向が加圧ローラ4の軸方向となる。
分離板ユニット6は、図4に示すように、1または複数の分離板14(図4では7つの分離板14)と、一対の突き当て部材15と、長手方向両端に分離手段回転軸10及び受け部材16aを有し1または複数の分離板14及び一対の突き当て部材15を分離手段回転軸10方向(分離板ユニット長手方向)に並べて保持する保持部材(ステーともいう)16と、からなり、定着装置20において加圧ローラ4側に該加圧ローラ4の軸と保持部材16の分離手段回転軸10とが略平行となるように配置されるものである。また、図4(b)に示すように、保持部材16には、基準部材17が取り付いている。
ここで、分離板14は、定着ニップ部Nから排出される記録媒体が衝突しても変形しない程度の強度と、万が一先端が加圧ローラ4に接触しても加圧ローラ4表面を傷つけない程度の柔軟性と、トナーが付着しにくいトナー離型性を有していることが好ましく、例えば、硬質の基材と、前記基材よりも柔らかいフッ素樹脂からなる先端部とがインサート成型により一体的に成形されてなるものが好適である。また、分離板14にはそれぞれ分離板14の先端と加圧ローラ4表面との微小ギャップの間隔を調整できるギャップ調整機構が設けられている。
突き当て部材15は、先端に曲率半径R0.5mmの曲率形状を有した位置決め部材であり、保持部材16において、最大画像領域外となる両端それぞれに配置されている。この一対の突き当て部材15が、前述のようにトーションスプリング13の弾性力が作用して、加圧ローラ4の表面に所定圧力で接触することにより、定着ニップ部N直後の加圧ローラ4に対して分離板14を非接触な状態で配置することができる。
分離板ユニット6は、前述のように分離手段回転軸10を中心に分離手段(分離板14及び突き当て部材15)が回動自在に加圧ローラ4のユニットに固定される構成となっている。そして、トーションスプリング13の弾性力が分離手段回転軸10よりも分離手段側に設けられた受け部材16aに作用することにより、分離手段(分離板14及び突き当て部材15)が分離手段回転軸10を中心として加圧ローラ4側へ付勢される方向へ回転するようになり、突き当て部材15が加圧ローラ4に押し当てられて分離板14の先端が加圧ローラ4に対して所定の微小ギャップの非接触状態で配置されるようになっている。
また、分離板ユニット6は、保持部材16における一対の突き当て部材15のいずれか一方を保持している部分及びその近傍部分を加圧ローラ4側あるいは加圧ローラ4とは反対側に撓ませて、前記一対の突き当て部材15の加圧ローラ4への接触圧のバランスを調整する接触圧バランス調整機構を有する。なお、本実施形態のように、前記接触圧バランス調整機構は、保持部材16における一対の突き当て部材15それぞれに対応して設けられていることが好適である。
また、本実施形態では、基準部材17が前記接触圧バランス調整機構に関与している。
すなわち、前記接触圧バランス調整機構は、保持部材16の前記突き当て部材15を保持している部分及びその近傍部分を撓ませる領域に対して隙間を持って固設される基準部材17と、前記保持部材16の撓ませる領域における保持部材16の両端の分離手段回転軸10を結んだ軸線を挟んで前記突き当て部材15側の任意の位置で局部的に保持部材16と基準部材17の間の隙間の大きさを変更し、基準部材17を基準にして保持部材16を撓ませる隙間調整手段と、を有するものである。
図5〜図7に、接触圧バランス調整機構の構成例を示す。図5(a)は分離板ユニット6を加圧ローラ4側から見た斜視図であり、図5(b)は記録媒体搬送経路から見た上面図である。また、図6(a)は分離板ユニット6の全体図、図6(b),(c)は突き当て部材15及びその近傍部分の拡大斜視図である。また、図7は、接触圧バランス調整機構により保持部材16を撓ませる状態を示す説明図である。
基準部材17は、前記保持部材16を撓ませる領域よりも軸方向中央側では保持部材16と密着し、前記保持部材16を撓ませる領域に対応する領域における前記保持部材16の分離手段回転軸10の軸線を挟んで突き当て部材15とは反対側の位置で保持部材16に固定されている。
すなわち、基準部材17は、図5(a)に示すように、軸方向中央部の領域Bにおいて保持部材16と面接触し、領域Bの軸方向外側となる領域A,Cにおいて保持部材16に対して隙間が形成されるように板金加工されている。そして、基準部材17は、領域Bにおいてその中央付近でネジ17aにより保持部材16に固定され、領域A,Cそれぞれにおいて記録媒体搬送方向下流側でネジ17bにより保持部材16に固定されている。
また、前記隙間調整手段は、図5,図6に示すように、前記保持部材16を撓ませる領域(領域A,C)において保持部材16と基準部材17とを隙間(隙間量ts)を持たせて締結する調整ネジ18であり、該調整ネジ18の締め付け量を調整することにより前記保持部材16を撓ませる量(隙間量tsの変化量)を調整するものである。詳しくは、基準部材17の領域A,Cの記録媒体搬送方向上流側において、調整ネジ18が保持部材16の貫通穴を通り、隙間を開けて基準部材17にネジ結合された構成となっており、この調整ネジ18を締めていくと、保持部材16と基準部材17との間の隙間量tsが小さくなくなるように互いに付勢力が作用し、基準部材17よりも剛性の低い保持部材16が弾性体として撓むようになっている。そのため、調整ネジ18は、突き当て部材15の近傍に配置することが好ましい。
また、調整ネジ18を締めて、保持部材16と基準部材17との間に互いに付勢力が作用するときに、基準部材17の該付勢力が作用する軸方向端部側がネジ17bを中心として保持部材16側に回転するように若干撓む可能性がある。そこで、保持部材16の領域A,Cに対応する部分に基準部材17の端面に当接して基準部材17のそのような撓みに歯止めをかける突起部であるエンボス16eを設けるとよい(図5)。これにより、基準部材17の撓みが防止され、接触圧バランス調整機構によって突き当て部材15の接触圧バランスを精度よく調整することができるようになる。
なお、基準部材17は、保持部材16よりも高剛性であることが好ましく、基準部材17及び保持部材16は、板金加工された部材であり、基準部材17を構成する材料の板厚は保持部材16を構成する材料の板厚以上であることが好適である。例えば、保持部材16の材料の板厚を1.2mm、基準部材17の材料の板厚を1.6mmとする。その結果、保持部材16に対して基準部材17の方が剛性に優れるようになり、調整ネジ18の締め付けによる力が両者に作用したときに、基準となる基準部材17が変形することなく剛性が劣る保持部材16側が撓むようになる。この構成により、調整ネジ18による締め付けで保持部材16の撓み量(捩れ量)を効率よく調整することが可能となる。
以上の構成により、保持部材16と基準部材17とは軸方向中央部(領域B)でネジ締結されているので、図7に示すように、図中左側の調整ネジ18を締めていくと、軸方向中央部の保持部材16及び基準部材17に対して図中左側端部(領域A)の保持部材16にはモーメントMaの力が作用し、保持部材16の図中左側端部(領域A)の記録媒体搬送方向上流側の部分は基準部材17に近づく側すなわち図中左側の突き当て部材15が加圧ローラ4側に向かう方向に捩れるように撓むことになる。逆に、図中右側の調整ネジ18を締めていくと、軸方向中央部の保持部材16及び基準部材17に対して図中右側端部(領域C)の保持部材16にはモーメントMbの力が作用し、保持部材16の図中右側端部(領域C)の記録媒体搬送方向上流側の部分は基準部材17に近づく側すなわち図中右側の突き当て部材15が加圧ローラ4側に向かう方向に捩れるように撓むことになる。
またこのとき、図7の左右後端部の調整ネジ18のいずれかあるいは両方の締め付け量を調整することにより、保持部材16の撓み量(捩れ量)を調整することができる。
このとき、前記接触圧バランス調整機構による保持部材16を撓ませる量が、一対の突き当て部材15の加圧ローラ4への接触圧が等しくなるように調整されていることが好適である。
図8は、接触圧バランス調整機構による突き当て部材15の加圧ローラ4への接触圧バランス調整の一例を示した図である。
まず、図8に示すように、分離板ユニット6の一対の突き当て部材15それぞれの下に接触圧を測定できるデジタルフォースゲージを配置する。このとき、分離板ユニット6は、その両端にある分離手段回転軸10が、加圧ローラ4のユニットに固定される場合と同様の条件で支持治具70で支持された状態にある。
ついで、トーションスプリング13の弾性力を受け部材16aに作用させて、分離手段回転軸10を中心に分離板ユニット6を回動させ、一対の突き当て部材15それぞれがデジタルフォースゲージに押し付けられるようにする。
つぎに、両端それぞれのデジタルフォースゲージの値を見ながら、いずれか一方、あるいは両方の調整ネジ18の締め付け量を調整する。ここでは、2つのデジタルフォースゲージの値が等しくなるように調整ネジ18を調整するとよい。例えば、図中右側のデジタルフォースゲージの値が左側よりも大きい(圧が高い)場合には、図中左側の調整ネジ18を締め付けるようにして接触圧バランスを調整する。
最後に、調整ネジ18の締め付け量が調整された分離板ユニット6を加圧ローラ4のユニットにセットする。
以上のように、組立工程で計測器等を用いて接触圧バランス調整機構による突き当て部材15の加圧ローラ4への接触圧のバランスの調整を行うので、分離手段回転軸10の軸線と加圧ローラ4の軸との平行性を維持したまま、分離板ユニット6としての捩れを打ち消すように、精度良く保持部材16を撓ませる領域(領域A,C)の撓み量を調整することができ、その結果、加圧ローラ4への一対の突き当て部材15の接触圧を高精度に等しくでき、加圧ローラ4の破損を防止することができる。また、一対の突き当て部材15の間にある分離板14の先端と加圧ローラ4との微小ギャップも所定量に高精度に管理することが可能となり、高性能な記録媒体の分離性能を確保することができる。
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図9は、本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置であり、図9に示すように、複写装置本体150、給紙テーブル200、スキャナ300及び原稿自動搬送装置(ADF)400を備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ114、115及び116に張架され、図9中、時計回りに回転することが可能とされている。支持ローラ115の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置117が配置されている。支持ローラ114と支持ローラ115とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4つの画像形成ユニット118が対向して並置された画像形成手段120が配置されている。また、画像形成手段120の近傍には、露光装置121が配置され、中間転写体50における、画像形成手段120が配置された側とは反対側には、二次転写装置122が配置されている。二次転写装置122においては、無端ベルトである二次転写ベルト124が一対の支持ローラ123に張架されており、二次転写ベルト124上を搬送される記録媒体と中間転写体50とは互いに接触することが可能である。二次転写装置122の記録媒体搬送方向下流側には、本発明の定着装置20が配置されている。
また、定着装置20の記録媒体搬送方向下流側に、記録媒体の両面に画像を形成するために、記録媒体を反転させるための反転装置128が配置されている。
次に、画像形成手段120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台上に原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いて、スキャナ300のコンタクトガラス132上に原稿をセットして、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス132上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス132上に原稿をセットした時は、直ちに、スキャナ300が駆動し、第一走行体133及び第二走行体134が走行する。このとき、第一走行体133により、光源からの光が照射され、原稿面からの反射光を第二走行体134におけるミラーで反射する。さらに、結像レンズ135を通して、読み取りセンサ136で受光されて原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。次に、各画像情報は、画像形成手段120における各画像形成ユニット118にそれぞれ伝達され、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の可視像が形成される。
画像形成ユニット118は、それぞれ、感光体、該感光体を一様に帯電させる帯電装置、露光装置により、各画像情報に基づいて、各画像様に感光体を露光することにより形成された静電潜像を、各トナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して、各トナーによる可視像を形成する現像装置、可視像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器、クリーニング装置及び除電装置を備えており、各画像情報に基づいて、各色の可視像を形成することが可能である。次に、各色の可視像は、支持ローラ114、115及び116により回転移動される中間転写体50上に、順次転写(一次転写)され、各色の可視像が重ね合わされて複合転写像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録媒体を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写装置本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ149に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転させ、手差しトレイ153a上の記録媒体を繰り出し、分離ローラ152で1枚ずつ分離して手差し給紙路153に入れ、同じくレジストローラ149に突き当てて止める。なお、レジストローラ149は、一般には、接地されて使用されるが、記録媒体の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に形成された複合転写像にタイミングを合わせてレジストローラ149を回転させ、中間転写体50及び二次転写装置122の間に、記録媒体を送出させ、二次転写装置122により複合転写像を記録紙上に転写(二次転写)することにより、記録媒体上にカラー画像を形成する。なお、中間転写体50上に残留したトナーは、クリーニング装置117により除去される。
カラー画像が形成された記録媒体は、二次転写装置122により搬送されて、定着装置20へと送出され、定着装置20において、複合転写像が記録媒体上に加熱加圧定着される。その後、記録媒体は、切換爪155で切り換えて排出ローラ156により排出され、排紙トレイ157上にスタックされる。あるいは、切換爪155で切り換えて反転装置128により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を形成した後、排出ローラ156により排出され、排紙トレイ157上にスタックされる。
本発明の画像形成装置によれば、本発明の定着装置を備えているので、定着ニップ部Nにおけるジャムを発生させることなく、長期間安定して画像形成を行うことができる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、ここまでは定着装置20に、複数の分離板14を有する分離板ユニット6を適用する例について説明してきたが、図10に示すように、1つの分離板16bを有する分離板ユニット6’を適用してもよい。
すなわち、分離板ユニット6’は、図10に示すように、1つの分離板16bと、一対の突き当て部材15と、長手方向両端に分離手段回転軸10及び受け部材16aを有し1つの分離板16b及び一対の突き当て部材15を分離手段回転軸10方向(分離板ユニット長手方向)に並べて保持する保持部材16と、からなり、定着装置20において加圧ローラ4側に該加圧ローラ4の軸と保持部材16の分離手段回転軸10とが略平行となるように配置されるものであり、保持部材16における一対の突き当て部材15のいずれか一方を保持している部分及びその近傍部分を加圧ローラ4側あるいは加圧ローラ4とは反対側に撓ませて、前記一対の突き当て部材15の加圧ローラ4への接触圧のバランスを調整する接触圧バランス調整機構を有するものである。なお、分離板16bは、保持部材16と一体となるように形成されている。
また、前記接触圧バランス調整機構は、保持部材16の前記突き当て部材15を保持している部分及びその近傍部分を撓ませる領域に対して隙間を持って固設される基準部材17と、前記保持部材16の撓ませる領域における保持部材16の両端の分離手段回転軸10を結んだ軸線を挟んで前記突き当て部材15側の任意の位置で局部的に保持部材16と基準部材17の間の隙間の大きさを変更し、基準部材17を基準にして保持部材16を撓ませる隙間調整手段(調整ネジ18)と、を有する。
これにより、接触圧バランス調整機構によって突き当て部材15の加圧ローラ4への接触圧のバランスを調整するので、分離手段回転軸10の軸線と加圧ローラ4の軸との平行性を維持したまま、分離板ユニット6’としての捩れを打ち消すように、精度良く保持部材16を撓ませる領域(領域A,C)の撓み量を調整することができ、その結果、加圧ローラ4への一対の突き当て部材15の接触圧を高精度に等しくでき、加圧ローラ4の破損を防止することが可能となる。
なお、分離板ユニット6,6’において、調整ネジ18により保持部材16と基準部材17の間の隙間量tsが小さくなる方向に調整する例を説明したが、隙間量tsが大きくなる方向に調整するようにしてもよい。
また、分離板ユニット6,6’を定着部材(定着ベルト2、あるいは定着ローラ方式の場合には定着ローラ)側に配置してもよい。これにより、接触圧バランス調整機構によって突き当て部材15の定着部材への接触圧のバランスの調整を行うので、分離手段回転軸10の軸線と定着部材の軸との平行性を維持したまま、分離板ユニット6としての捩れを打ち消すように、精度良く保持部材16を撓ませる領域(領域A,C)の撓み量を調整することができ、その結果、定着部材への一対の突き当て部材15の接触圧を高精度に等しくでき、定着部材の破損を防止することができる。また、一対の突き当て部材15の間にある分離板14の先端と定着部材との微小ギャップも所定量に高精度に管理することが可能となり、高性能な記録媒体の分離性能を確保することができる。
本発明の活用例として、OA機器の定着装置、現像・クリーニング機構の中のローラに対して隙間調整を必要とするユニット部材が挙げられる。
1 定着ローラ
2 定着ベルト
3 加熱ローラ
3h,4h ヒータ
4 加圧ローラ
5,6 分離板ユニット
7 中継排紙ガイド下ユニット
8 排紙ガイド板ユニット
9 入口ガイド板
10 分離手段回転軸
11 回転軸受け溝
12 引張りスプリング
13 トーションスプリング
14,16b 分離板
15 突き当て部材
16 保持部材
16a 受け部材
16e エンボス
17 基準部材
17a,17b ネジ
18 調整ネジ
20 定着装置
20f 定着側板
50 中間転写体
70 支持治具
100 画像形成装置
114,115,116,123 支持ローラ
117 クリーニング装置
118 画像形成ユニット
120 画像形成手段
121 露光装置
122 二次転写装置
124 二次転写ベルト
128 反転装置
132 コンタクトガラス
133 第一走行体
134 第二走行体
135 結像レンズ
136 読み取りセンサ
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
149 レジストローラ
150 複写装置本体
152 分離ローラ
153 手差し給紙路
153a 手差しトレイ
155 切換爪
156 排出ローラ
157 排紙トレイ
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
N 定着ニップ部
特開2008−65042号公報

Claims (8)

  1. 圧接して定着ニップ部を形成する2つの回転体と、
    1または複数の分離板と、一対の突き当て部材と、両端に回転軸を有し前記1または複数の分離板及び前記一対の突き当て部材を回転軸方向に並べて保持する保持部材と、からなり、前記2つの回転体の少なくともいずれか一方の回転体側に該回転体の軸と前記保持部材の回転軸とが略平行となるように配置される分離板ユニットと、を備え、
    前記分離板ユニットにおける前記保持部材に前記回転軸を中心にした一回転方向への応力を付与することにより、前記一対の突き当て部材を前記回転体に接触させて前記1または複数の分離板の先端を前記回転体から微小ギャップで離間させた非接触状態に保持し、この1または複数の分離板により前記定着ニップ部から排出される記録媒体を前記回転体から分離する定着装置において、
    前記分離板ユニットは、前記保持部材における前記一対の突き当て部材のいずれかを保持している部分を前記回転体側あるいは前記回転体とは反対側に撓ませて、前記一対の突き当て部材の前記回転体への接触圧のバランスを調整する接触圧バランス調整機構と、前記1または複数の分離板と前記回転体との微小ギャップを調整するギャップ調整機構と、を有し、
    前記接触圧バランス調整機構は、前記保持部材における前記一対の突き当て部材それぞれに対応して設けられていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記接触圧バランス調整機構は、前記保持部材の前記突き当て部材を保持している部分を撓ませる領域に対して隙間を持って固設される基準部材と、前記保持部材の撓ませる領域における前記保持部材の両端の回転軸を結んだ軸線を挟んで前記突き当て部材側の任意の位置で局部的に前記保持部材と基準部材の間の隙間の大きさを変更し、前記基準部材を基準にして前記保持部材を撓ませる隙間調整手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 圧接して定着ニップ部を形成する2つの回転体と、
    1または複数の分離板と、一対の突き当て部材と、両端に回転軸を有し前記1または複数の分離板及び前記一対の突き当て部材を回転軸方向に並べて保持する保持部材と、からなり、前記2つの回転体の少なくともいずれか一方の回転体側に該回転体の軸と前記保持部材の回転軸とが略平行となるように配置される分離板ユニットと、を備え、
    前記分離板ユニットにおける前記保持部材に前記回転軸を中心にした一回転方向への応力を付与することにより、前記一対の突き当て部材を前記回転体に接触させて前記1または複数の分離板の先端を前記回転体から微小ギャップで離間させた非接触状態に保持し、この1または複数の分離板により前記定着ニップ部から排出される記録媒体を前記回転体から分離する定着装置において、
    前記分離板ユニットは、前記保持部材における前記一対の突き当て部材のいずれかを保持している部分を前記回転体側あるいは前記回転体とは反対側に撓ませて、前記一対の突き当て部材の前記回転体への接触圧のバランスを調整する接触圧バランス調整機構を有し、
    前記接触圧バランス調整機構は、前記保持部材の前記突き当て部材を保持している部分を撓ませる領域に対して隙間を持って固設される基準部材と、前記保持部材の撓ませる領域における前記保持部材の両端の回転軸を結んだ軸線を挟んで前記突き当て部材側の任意の位置で局部的に前記保持部材と基準部材の間の隙間の大きさを変更し、前記基準部材を基準にして前記保持部材を撓ませる隙間調整手段と、を有し、
    前記基準部材は、前記保持部材を撓ませる領域よりも軸方向中央側では前記保持部材と密着し、前記保持部材を撓ませる領域に対応する領域における前記保持部材の回転軸の軸線を挟んで前記突き当て部材とは反対側の位置で前記保持部材に固定されていることを特徴とする定着装置。
  4. 前記隙間調整手段は、前記保持部材を撓ませる領域において前記保持部材と前記基準部材とを隙間を持たせて締結するネジであり、該ネジの締め付け量を調整することにより前記保持部材を撓ませる量を調整するものであることを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。
  5. 前記基準部材は、前記保持部材よりも高剛性であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記基準部材及び保持部材は、板金加工された部材であり、前記基準部材を構成する材料の板厚は前記保持部材を構成する材料の板厚以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記接触圧バランス調整機構による前記保持部材を撓ませる量が、前記一対の突き当て部材の前記回転体への接触圧が等しくなるように調整されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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