JP2008197637A - 定着装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着装置における無端ベルト状の第1ニップ部材の軸方向への片寄りや蛇行の防止により、安定した定着性の確保と、当該第1ニップ部材の破損の防止及び長寿命化を可能にする。
【解決手段】無端ベルト状の第1ニップ部材72と、これに圧接しながら回転する第2ニップ部材73と、発熱源77と、第2ニップ部材73から第1ニップ部材72に与えられる圧力を受ける受圧部材74と、第1ニップ部材72の軸方向の端部の内側面と摺接可能な摺接部材80,81及びその支持機構82とを備える。摺接部材80,81は、第1ニップ部材72の軸方向の端部と摺接する摺接面80a,81aを有する。支持機構82は、第1ニップ部材72が軸方向に沿って摺接部材80,81のいずれかから離れる向きに変位するのに伴ってその摺接部材の摺接面が受圧部材74から離れる向きにその摺接部材を変位させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に用いられる定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
一般に、複写機等の電子写真方式による画像形成装置には、シート上に形成されたトナー像を加熱・加圧し、トナーを溶融させてシートに固着する手段として定着装置が設けられる。この定着装置として、発熱源により加熱される無端ベルト状の加熱部材と、前記加熱部材に圧接され回転駆動するとともに前記加熱部材を従動させ回転させる加圧部材とを備えたものが知られている。前記加熱部材及び前記加圧部材はそれぞれニップ部材として機能する。すなわち、両部材同士が圧接する部分がニップ部を構成する。前記トナー像が転写されたシートが前記ニップ部に進入すると、前記加熱部材が前記トナー像を加熱し、かつ、前記加圧部材が当該トナー像を加圧することにより、前記シートにトナー像が定着する。
このような定着装置では、前記加熱部材がベルト状(フィルム状も含まれる。)で薄いから、当該加熱部材は、トナー溶融可能温度にまで急速に暖められる。このことは、画像形成装置の電源投入後やスリープモードからの復帰後の使用者の待ち時間を減らし、使用者の利便性を向上させる。更に、画像形成装置の使用時にのみ発熱源に電力を供給することや、不使用時の定着装置の温度を従来に比べ低くしておくことを可能にし、これにより画像形成装置の消費電力の節減を可能にするという利点も有する。
しかし、前記加熱部材は無端ベルト状であるから、その進行中に当該ベルトの進行方向と直交する軸方向の中心位置から一方の側に片寄ったり、あるいは蛇行したりする場合がある。この加熱部材の片寄りや蛇行は、様々な要因により生ずるが、主たる要因として、加熱部材の軸線と加圧部材の軸線との平行度が低い場合に加熱部材と加圧部材の軸線方向におけるニップ圧が均等でなくなることが挙げられる。この加熱部材の軸方向の片寄りや蛇行は、シートの皺や、定着不良や、シートの搬送の乱れによるジャムの原因になる。更に、大きな変位や蛇行は加熱部材の端部を破損させるおそれがある。
このような定着装置の加熱部材(ベルト)の変位や蛇行を防ぐために、特許文献1には、ベルト状の回転体と、この回転体をガイドするガイド部材と、回転体に圧接される加圧部材と、回転体を加熱する加熱手段と、回転体の両端側から支持するフランジと、このフランジを支持するとともに当該フランジの一部が突き当たる部分をもつ端部ホルダとを備えたからなる加熱装置が記載されている。前記端部ホルダは、前記回転体の両端の位置を前記フランジを介して定め、これにより前記回転体の軸方向への片寄りを防ぐためのものである(特許文献1の請求項1、段落0025等参照)。
特開2005−157172号公報
前記特許文献1に記載されるフランジは、ある程度の加熱部材の片寄り、蛇行には対応可能であると推察されるが、加熱部材を軸方向に偏らせる力が非常に大きいと、当該加熱部材が前記フランジに強く押し付けられることにより、結局のところ、当該加熱部材の端部が破損する可能性がある。即ち、加熱部材がその機械的強度を超える力でフランジに押し付けられた場合、その加熱部材の破損を防ぐことができない。この破損は定着装置の寿命を短くする。
なお、このような不都合は、前記の加熱部材と加圧部材とが入れ替わった定着装置、すなわち、無端ベルト状の第1ニップ部材に圧接するローラ状の第2ニップ部材が発熱源により加熱される加熱部材に相当し、前記第1ニップ部材が加圧部材である定着装置においても、同様に生じ得る。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、無端ベルト状の第1ニップ部材の軸方向への片寄りや蛇行を防止することにより、安定した定着性を確保するとともに、当該第1ニップ部材の破損を防いで長寿命を得ることが可能な定着装置を提供すること、及び、この定着装置を用いることにより、定着不良がなく長寿命の画像形成装置を提供することにある。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る定着装置は、無端ベルト状の第1ニップ部材と、前記第1ニップ部材に圧接した状態で回転することにより、その回転の中心軸と直交する方向に前記第1ニップ部材を従動させるとともに、前記第1ニップ部材との間にシートが進入可能なニップ部を形成する第2ニップ部材と、前記第1ニップ部材及び前記第2ニップ部材の少なくとも一方を加熱するための発熱源と、前記第1ニップ部材の内側面と接触するように設けられ、前記ニップにおいて前記第2ニップ部材から前記第1ニップ部材に与えられる圧力を受ける受圧部材と、前記第1ニップ部材の軸方向の端部、すなわち前記第2ニップ部材の回転中心軸と平行な方向の端部、と摺接する摺接面を有する摺接部材と、この摺接部材を支持する支持機構とを備える。
この支持機構は、前記摺接部材の摺接面が前記第1ニップ部材の軸方向の端部のうち前記受圧部材と対向する部位の内側面に接するように前記摺接部材を支持し、かつ、前記第1ニップ部材が前記軸方向に沿って前記摺接部材から離れる向きに変位するのに伴って当該摺接部材の摺接面が前記受圧部材から離れる向きに当該摺接部材を変位させる。
この摺接部材の変位は、その摺接面と前記第1ニップ部材の軸方向の端部の内側面との間の摩擦力や、当該端部と受圧部材との間の摩擦力を増大させ、これにより前記第1ニップ部材が前記摺接部材から離れる向きに変位するのを防止または有効に抑制する。さらに、このブレーキ作用は、前記摩擦力が増大した側の第1ニップ部材の軸方向の端部の回転速度と、その反対側の端部の回転速度との間に差を与え、この回転速度差が、前記第1ニップ部材の軸方向の位置を是正する方向に当該第1ニップ部材の進行方向を変化させる。
以上の作用は、第1ニップ部材の軸方向への片寄りや蛇行を迅速に解消し、当該片寄りや蛇行に起因する第1ニップ部材の破損等を防止する。
本発明に係る定着装置では、例えば、前記第1ニップ部材が、前記発熱源により加熱される加熱部材を構成し、前記第2ニップ部材が、前記加熱部材に圧接する加圧部材を構成すればよい。あるいは、その逆でもよい。
本発明では、前記第1ニップ部材の軸方向の両側にそれぞれ前記摺接部材が設けられ、前記支持機構は、両摺接部材を支持することが、より好ましい。これらの摺接部材の配置は、前記第1ニップ部材の軸方向の両側への異常な変位を有効に規制する。
本発明に係る定着装置は、さらに、前記受圧部材を支持する筐体を備え、前記支持機構は、前記筐体に取付けられることが、好ましい。このように共通の筐体に受圧部材と支持機構とが支持されることは、当該受圧部材と当該支持機構に支持される両摺接部材との相対位置関係を安定させる。
前記摺接部材及び前記支持機構の具体的な態様としては、前記摺接部材が、前記第1ニップ部材の軸方向の端面に対して当接可能な規制部を有する一方、前記支持機構が、前記摺接部材が前記第1ニップ部材の軸方向に変位可能となるように当該摺接部材を保持する保持部と、前記保持部に保持される摺接部材を、この摺接部材の規制部を前記第1ニップ部材の端面に当接させる向きに付勢する付勢部とを有し、前記保持部は、前記摺接部材が前記第1ニップ部材に近づく向きに変位するのに伴って当該摺接部材の摺接面が前記受圧部材から離れる向きに変位するように当該摺接部材を案内する案内部を有するものが、好適である。
この定着装置において、通常状態では、摺接部材の規制部が、付勢部の付勢力により第1ニップ部材の軸方向の端面に押付けられ、これにより、当該第1ニップ部材の軸方向の位置を正規の位置に保つ。この位置から第1ニップ部材が軸方向に逸脱した場合、その逸脱した側と反対の側の摺接部材が当該摺接部材に作用する付勢力によって前記第1ニップ部材の変位に追従する向きすなわち内向きに変位し、その変位と前記保持部の案内部による摺接部材の案内とが、当該摺接部材の摺接面を前記受圧部材から離れる方向に変位させる。この変位が上述のブレーキ作用を生み出す。従って、この装置では、摺接部材の保持及び案内を行う保持部と、当該摺接部材を第1ニップ部材側に付勢する付勢部とを組み合わせただけの簡素な構造で、前記第1ニップ部材の軸方向の片寄りや蛇行を防止または有効に抑制することができる。
前記案内部としては、前記第1ニップ部材の軸方向に沿って当該第1ニップ部材に向かうに従って前記受圧部材から離れる向きに傾斜する傾斜面を有し、この傾斜面に沿って前記摺接部材を案内するものが、好適である。
また、前記保持部が、前記摺接部材よりも前記第1ニップ部材の軸方向の外側に位置する外側壁と、この外側壁から前記第1ニップ部材に向かって延び、かつ、前記案内部を有する案内壁とを有し、前記付勢部が、前記外側壁と前記摺接部材との間に弾性圧縮状態で介在するように当該保持部に取付けられる弾性部材を有するものであれば、当該保持部と当該付勢部とのユニット化が、これらの据付を容易にする。
この場合、前記保持部は、前記案内壁として、前記摺接部材よりも前記受圧部材に近い側から当該摺接部材に接する第1案内部を有する第1案内壁と、前記当該受圧部材と反対の側から前記摺接部材に接する第2案内部を有する第2案内壁とを含み、前記第1案内壁と前記第2案内壁とで前記摺接部材を挟持するものが、好適である。これらの第1案内壁及び第2案内壁は、前記摺接部材を安定して保持しながら当該摺接部材を適正な方向に案内する。
前記第1ニップ部材の軸方向の両側にそれぞれ前記摺接部材が設けられる場合は、前記支持機構が摺接部材ごとに前記保持部及び付勢部を有すればよい。
また、前記受圧部材を支持する筐体を備え、前記筐体が、前記各摺接部材よりも前記第1ニップ部材の軸方向の外側にそれぞれ位置し、前記受圧部材を支持する側壁と、これらの側壁同士を連結する本体壁とを有し、前記保持部及び前記付勢部はそれぞれ前記側壁の内側面に取付けられるものでは、共通の筐体に受圧部材と前記保持部との双方が支持されることにより、当該受圧部材と前記保持部の案内部との相対位置関係が安定し、このことが、受圧部材に対する摺接部材の相対位置をより正確に決めることを可能にする。
また、前記摺接部材及び前記支持機構の別の態様として、前記各摺接部材が、その摺接面に対して前記第1ニップ部材の軸方向の外側に隣接し、当該第1ニップ部材の軸方向の端部が前記摺接面から前記第1ニップ部材の軸方向の外側にはみ出したときに当該端部の内側面に接触するとともに前記摺接面が前記第1ニップ部材から受ける圧力よりも高い圧力を受ける形状を有する非常摺接面を有する一方、前記支持機構が、前記第1ニップ部材の軸方向の両端の間に位置する支点を中心として当該軸方向と直交する方向の軸回りに揺動可能で、前記各摺接部材が固定される両端部を含む揺動部材を有し、この揺動部材は、一方の摺接部材がその非常摺接面に前記第1ニップ部材から加えられる圧力により前記受圧部材に近づく向きに変位するのを許容するとともにその変位と同時に他方の摺接部材を前記受圧部材から離れる向きに変位させるように、揺動するものも、有効である。
この定着装置において、第1ニップ部材が正規の位置から軸方向に逸脱することにより、当該第1ニップ部材の軸方向の端部がいずれか一方の摺接部材の摺接面から異常摺接面にはみ出ると、当該一方の摺接部材が当該第1ニップ部材から受ける圧力が高まることにより、揺動部材は当該一方の摺接部材が前記受圧部材に近づく向きに変位するのを許容するとともにその変位と同時に他方の摺接部材を前記受圧部材から離れる向きに変位させるように、揺動する。この他方の摺接部材の変位は、当該他方の摺接部材による上述のブレーキ作用を生み出す。従って、この装置では、両摺接部材を揺動部材により支持するだけの簡素な構造で、前記第1ニップ部材の軸方向の片寄りや蛇行を防止または有効に抑制することができる。
ここで、前記非常摺接面は、前記第1ニップ部材の軸方向に沿って当該第1ニップ部材から離れるに従って前記受圧部材から離れる向きに傾斜するものが、好適である。このように傾斜した非常摺接面は、当該非常摺接面への第1ニップ部材の端部のはみ出し量が増大するのに伴って当該第1ニップ部材の端部からより高い圧力を受ける。また、第1ニップ部材の端部のはみ出し量が比較的小さい段階では、当該非常摺接面の傾斜そのものが当該第1ニップ部材の端部を正規の位置に戻す作用を奏する。
この定着装置では、さらに、前記受圧部材を支持する筐体を備え、前記揺動部材は前記支点を中心として前記筐体に揺動可能に支持されることが、より好ましい。共通の筐体に前記受圧部材と前記揺動部材との双方が支持されることにより、当該受圧部材と当該揺動部材に指示される摺接部材との相対位置関係が安定し、このことが、受圧部材に対する摺接部材の相対位置をより正確に決めることを可能にする。
具体的に、前記筐体は、前記各摺接部材よりも前記第1ニップ部材の軸方向の外側にそれぞれ位置し、前記受圧部材を支持する側壁と、前記第1ニップ部材を挟んで前記ニップ部と反対の側に位置し、前記側壁同士を連結する本体壁とを有し、前記揺動部材は前記第1ニップ部材と前記本体壁との間に位置し、当該本体壁に揺動可能に支持されるものが、好適である。この構造では、前記筐体は、その本体壁及び側壁により、前記揺動部材及び前記受圧部材をそれぞれ好適な位置に支持することができる。
また、前記揺動部材の支点から前記各摺接部材までの距離は互いに等しいことが、好ましい。このことは、揺動部材の揺動に伴う両摺接部材の変位量を互いに等しくさせ、第1ニップ部材の軸方向の両側について均等な規制を行うことを可能にする。
また本発明は、以上説明した定着装置と、シート上に画像形成用のトナーを載せる画像形成部とを備えた画像形成装置を提供する。この画像形成装置では、前記定着装置が、前記画像形成部によって前記シート上に載せられたトナーを良好に定着させ、これにより、高品質の画像を形成することを可能にする。
以上のように、本発明に係る定着装置によれば、無端ベルト状の第1ニップ部材の軸方向への片寄りや蛇行を防止することにより、安定した定着性を確保するとともに、当該第1ニップ部材の破損を防いで長寿命を得ることができる。そして、この定着装置を用いることにより、定着不良がなく長寿命の画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の実施の形態における定着装置1を備えた電子写真方式でフルカラー対応の画像形成装置2の概略を示す模型的断面図である。
図1に示すように、前記画像形成装置2は、箱形を呈したケース2aを有し、このケース2aは、画像形成部10、中間転写部20、2次転写部30、シート供給部40、シート搬送路50、定着装置1、排出部60等を収容する。
前記画像形成部10は、画像形成装置2に入力された画像データに基づき、トナー像を形成するためのものである。この画像形成部10は、画像形成装置2の内部の上側の位置に設けられ、ブラックの画像を形成する画像形成ユニット10Bと、イエローの画像を形成する画像形成ユニット10Yと、シアンの画像を形成する画像形成ユニット10Cと、マゼンタの画像を形成する画像形成ユニット10Mの4つの画像形成ユニット10B、10Y、10C、10Mを有する。これらは、図1の紙面の左側から右側へ向けてその順に配列され、画像形成装置2がフルカラーの画像形成を行うことを可能にする。
図1に示すように、前記画像形成ユニット10B,10Y,10C,10Mのそれぞれは、像担持体としての感光体ドラム11、帯電ローラ12、露光装置13、現像装置14、1次転写ローラ15、ドラムクリーニングローラ16等を有する。
前記感光体ドラム11は、外周面を有し、その外周面上に静電潜像が形成される。さらにこの静電画像にトナーTが供給されることで、トナー像が形成される。感光体ドラム11は、前記各画像形成ユニットの中央に位置する。この感光体ドラム11は、例えば、アルミニウム製のドラムと、その外周面上に形成された正帯電のOPCやアモルファスシリコンの感光層とにより構成され、図示されない駆動装置(不図示)によって所定のプロセススピードで図1の正面視反時計方向に回転駆動される。
前記帯電ローラ12は、感光体ドラム11の上方に配され、この感光体ドラム11の外周面を所定の電位で帯電させる。この帯電のために、前記帯電ローラ12は、所定の電圧の印加を受けながら所定のプロセススピードで図1の正面視時計方向に回転する。
前記露光装置13は、画像形成装置2に入力された画像データに基づき、帯電ローラ12によって一様に帯電された感光体ドラム11の周面に光を照射することにより、感光体ドラム11の周面を走査・露光し、これにより感光体ドラム11の周面上に静電潜像を形成する。この露光装置13は、図1において、感光体ドラム11の上方であって帯電ローラ12の左側方の位置に配される。
前記現像装置14は、感光体ドラム11の周面上に形成された静電潜像に向けてトナーTを供給することにより、感光体ドラム11の周面上にトナー像を形成する。この現像装置14は、図1において感光体ドラム11の左側方の位置に設けられ、感光体ドラム11に対して所定の隙間をおいて対向する現像ローラ14aを有する。この現像ローラ14aは、所定のプロセススピードで図1の正面視時計又は反時計方向に回転する。
前記現像装置14は、トナーTを含む現像剤を収容し、かつ、そのトナーTを所定の電位に帯電させる。具体的に、画像形成ユニット10Bの現像装置14はブラックのトナーTを含む現像剤を、画像形成ユニット10Yの現像装置14はイエローのトナーTを含む現像剤を、画像形成ユニット10Cの現像装置14はシアンのトナーTを含む現像剤を、画像形成ユニット10Mの現像装置14はマゼンタのトナーTを含む現像剤を、それぞれ収容する。さらに、各現像装置14は、前記現像ローラ14aの斜め上方に位置するトナー供給ローラ14bを有し、このトナー供給ローラ14bは、現像ローラ14aの周面にトナーTの薄層が形成されるように、適切な量のトナーT(現像剤)を現像ローラ14aに供給する。
前記1次転写ローラ15は、後述する中間転写部20において張架される中間転写ベルト24に、感光体ドラム11上に形成されたトナー像を転写する。具体的に、この1次転写ローラ15は、感光体ドラム11の下方に配され、当該感光体ドラム11とで後述の無端状の中間転写ベルト24を挟むことにより、1次転写のためのニップを形成するとともに、前記感光体ドラム11及び中間転写ベルト24に従動して図1の正面視時計方向に回転する。この1次転写ローラ15には、トナー像の転写のため所定の電圧が印加される。
前記ドラムクリーニングローラ16は、図1において、感光体ドラムの右方に配され、次のトナー像の形成が適切に行われるように、感光体ドラム11の表面に残った1次転写残トナーを除去して回収する。このドラムクリーニングローラ16は円筒状に形成され、その周面が例えばEPDMのような素材で形成され、所定のプロセススピードで図1の正面視反時計方向に回転駆動される。
前記中間転写部20は、感光体ドラム11上に形成されたトナー像をシートS上に転写する。この中間転写部20は、前記画像形成装置2内のほぼ中心の位置に配され、駆動ローラ21及び2本のテンションローラ22、23と、これらのローラ21,22,23に掛け渡される中間転写ベルト24と、ベルトクリーニング装置25とを備える。
前記駆動ローラ21は、画像形成ユニット10Bの下方に位置するように配され、前記中間転写ベルト24を回転させるため、図示されないモータからの回転駆動力の供給を受ける。テンションローラ22、23は、前記中間転写ベルト24のうち前記各画像形成ユニット10B、10Y、10C、10Mにおける感光体ドラム11と1次転写ローラ15とで挟まれる部分が直線状になるように配置される。具体的に、テンションローラ22は図1において最も左側の画像形成ユニット10Bの感光体ドラム11のさらに左側に設けられ、テンションローラ23は、図1において最も右側の画像形成ユニット10Mのさらに右側に設けられ、それぞれの位置で回転する。
前記中間転写ベルト24は、前記駆動ローラ21、前記テンションローラ22、23、及び前記各1次転写ローラ15に張架され、前記駆動ローラ21の回転により図1の正面視時計方向に駆動される。この中間転写ベルト24は、上述したように、感光体ドラム11と1次転写ローラ15とが形成するニップを通るので、感光体ドラム11上のトナー像は、所定のタイミングでの1次転写ローラ15への転写電圧の印加により、中間転写ベルト24上に1次転写される。
前記ベルトクリーニング装置25は、前記中間転写ベルト24の表面に残った2次転写残トナーを清掃し、除去して回収するためのものであり、図1において、駆動ローラ21及びテンションローラ22の左方に設けられる。
前記2次転写部30は、主として2次転写ローラ31と前記駆動ローラ21とから構成される。前記2次転写ローラ31は、中間転写ベルト24上に1次転写されたトナー像を、用紙等のシートSに転写する2次転写を行うためのものであり、図示されない接離機構により、所定のタイミングで、前記中間転写ベルト24のうち前記駆動ローラ21の外周面に接触している部位に圧接されられる。この圧接の際に前記2次転写ローラ31に転写電圧が印加されることにより前記中間転写ベルト24上のトナー像がシートSに転写される。
前記シート供給部40は、2次転写部30に向けて、例えば、コピー用紙、OHPシート、ラベル用紙等のシートSを供給する。シート供給部40は、カセット41、ピックアップローラ42、及び重送防止ローラ対43を含む。カセット41は、複数のシートSを収容するためのもので、上面が開放された箱状である。このカセット41内には、その上に複数のシートSが載置される載置板44が設けられる。前記ピックアップローラしには、図1において前記カセット41の右上方の位置に設けられる。
このシート供給部40は、次のようなシート供給動作をする。このシート供給部40は、図示されないリフト機構を有し、このリフト機構が、前記載置板44を上昇させ、この載置板44上に載置されたシートSのうち最上位のものをピックアップローラ42に当接させる。ピックアップローラ42は、回転駆動されることにより、このピックアップローラ42に当接した前記シートSを1枚ずつシート搬送路50に送り出す。前記重送防止ローラ対43は、前記ピックアップローラ42の近傍でかつシート搬送方向下流側の位置に設けられ、複数枚のシートSが重なったまま送り出されるのを防ぐようにそれぞれ回転する。
前記シート搬送路50は、シート供給部40から、2次転写部30及び定着装置1を経て排出部60までシートSを搬送するためのものであり、このシート搬送路50には、複数のガイド51、搬送ローラ対52、レジストローラ対53等が設けられる。レジストローラ対53は、2次転写部30のシート搬送方向の上流側に設けられ、搬送されてきたシートSを一旦止めてから、2次転写部30でシートSの適切な位置でトナー像が転写されるように、当該シートSを所定のタイミングと速度で2次転写部30に送り出す。
図1では、シートSの搬送経路が破線で示されている。
前記定着装置1は、シートSに2次転写されたトナー像を加圧・加熱することにより当該トナー像を形成するトナーTを溶融し、シートSに固着させるためのものである。その詳細は後述する。
前記排出部60は、画像が形成されたシートSを画像形成装置2内から排出するためのものであり、排出口と、この排出口からシートSを排出するための排出ローラ対61と、画像形成装置2の上面に設けられ、前記排出口から排出されたシートSを受け止めるための排出トレイ62とを有する。この排出トレイ62上には、一定部数の画像形成済みのシートSが載置可能である。
次に、上記した画像形成装置2による画像形成動作について説明する。
画像形成開始信号が発せられると、感光体ドラム11が所定のプロセススピードで回転駆動され、帯電ローラ12によって一様に正極性に帯電される。そして、露光装置13は、入力される画像信号を光信号にそれぞれ変換し、レーザを帯電された感光体ドラム11上を走査露光し、これにより感光体ドラム11上に静電潜像を形成する。
一方、現像装置14には、感光体ドラム11の帯電極性(正極性)と同極性の現像バイアスが印加され、この現像装置14が前記静電潜像にトナーTを供給することにより当該静電画像をトナー像として可視像化する。そのトナー像は、感光体ドラム11と転写ローラ間の1次転写部にて1次転写バイアス(トナーTと逆極性(負極性))が印加された転写ローラにより、回転(移動)している中間転写ベルト24上に1次転写される。
カラーの画像を形成する場合には、上記と同様のプロセスで、まず画像形成ユニット10Bがブラックのトナー像を中間転写ベルト24に一次転写する。この転写が行われた中間転写ベルト24の部分は次の画像形成ユニット10Yに移動し、この画像形成ユニット10Yが前記ブラックのトナー像にイエローのトナー像が重ね合わされる。同様にして、画像形成ユニット10Cにおいてシアンのトナー像が、画像形成部10Mにおいてマゼンダのトナー像が、それぞれ重ねられる。このようにして、中間転写ベルト24への1次転写と当該中間転写ベルト24の回転駆動のみで、フルカラーのトナー像が形成される。
前記中間転写ベルト24上で重ね合わせられたトナー像は、レジストローラ対53でタイミングをあわせつつ搬送されてきたシートSに2次転写部30で二次転写される。このシートSは、定着装置1に搬送され、当該シートS上のトナー像が溶融、固着された後に排出部60より排出される。
次に、図2〜図4に基づき、本発明の実施形態における定着装置1の構造を詳述する。
図2は、前記定着装置1の構造の概略を示した断面側面図である。この定着装置1は、少なくとも、第1ニップ部材に相当する加熱部材72と、発熱源77と、第2ニップ部材に相当する加圧部材73と、受圧部材74とを備え、場合によっては補強部材75を備える。前記加熱部材72及び前記加圧部材73はその間にニップ部Nを形成し、このニップ部Nに進入して通過するシートS上のトナーTを定着させる。
前記加熱部材72は、前記発熱源77により加熱される。この加熱部材72は、薄肉に形成された例えば金属製のフィルムにより無端ベルト状に形成され、この実施の形態では円筒状に形成されている。この加熱部材72の厚さは、例えば、30μm程度が好適であるが、この30μmに限られない。当該厚さは、加熱部材72の素材や定着するシートSの厚さによって適宜変更されることが可能であり、例えば、20〜100μmの範囲内で適宜選定されることも可能である。
前記加熱部材72は、熱容量、強度、耐熱性、耐摩耗性等を鑑みて、例えば、SUS(ステンレス鋼)により形成されることが可能である。この実施の形態に係る加熱部材72は、厚さが例えば30μmのステンレス箔により構成される。この加熱部材72の材質は金属に限られず、例えばポリイミドのような樹脂であってもよい。さらに、加熱部材72の表面(周面)に、フッ素樹脂等により離型性を高められた離型層が形成されてもよい。この離型層は、前記ニップ部Nを通過したシートS上で溶融・固着されたトナーTの粘着性により加熱部材72にシートSが貼り付いて当該シートSに皺がはいることや、定着装置1でシートSが詰まることを防ぐことができる。
この加熱部材72は、例えば、30mm程度の直径を有することができるが、当該加熱部材72は、例えば直径が20mm以下の小型のものでもよいし、逆に例えば直径が40mm以上の大型のものでもよい。すなわち、この加熱部材72の直径は、定着装置1の大きさに応じて適宜設定可能である。
この加熱部材72の幅、すなわち、シート搬送方向に対し垂直な方向(図2の紙面垂直方向)における加熱部材72の長さは、A4用紙の縦方向の大きさに対応している。しかし、この長さも、定着装置1、画像形成装置2において使用されるシートSのサイズに合わせて適宜設定可能である。
この実施の形態では、前記発熱源77は、前記加熱部材72の内側に設けられ、加熱部材72の軸方向に沿って延び、補強部材75を挟む2箇所にそれぞれ設けられる。これらの発熱源77は、トナーが溶融可能な温度にまで加熱部材72を暖める。これらの発熱源77には、例えば、ハロゲンランプのような輻射式の発熱源を用いることが可能であるが、このハロゲンランプに限られず、加熱部材72を暖めることが可能な公知のものを用いることが可能である。また、発熱源77は単数であってもよい。
本実施形態における発熱源77にハロゲンランプを用いた場合、一方を例えば500Wとし、他方を600Wとし、合計1100W程度の出力を有するようにすることが可能である。両発熱源77の出力は、このように互いに相違していてもよいし、同一であってもよい。その出力値も500W又は600Wに限られず、定着装置1の仕様によって適宜変更可能である。
又、2本の発熱源77は常に同時に動作しなくてもよい。例えば、画像形成装置2の起動時のように急速に加熱部材72を暖めるときには2本とも動作させ、加熱部材72が十分に暖まっている状態で連続して定着を行うようなときには、加熱部材72の温度を維持するために補助的に1本だけ動作させるような制御が行われてもよい。この制御は、加熱部材72の温度を適正なものにしながら省電力を達成することを可能にする。
以上示した発熱源77は、薄肉に形成された加熱部材72をトナーTの溶融に必要な200°C程度まで急速に暖める。
前記加圧部材73は、ローラ軸73aと、その周囲に設けられるローラ本体とを有し、前記ローラ軸73aの両端がケース2a等によって回転可能に支持され、これにより、前記ローラ本体が前記加熱部材72と圧接する位置に支持される。前記加圧部材73のローラ軸73aは、モータ、ギア等を含む図示しない駆動機構に接続され、この駆動機構は、前記加圧部材73を回転駆動し、これに加熱部材72を追従させて回転させる。
具体的に、前記加圧部材73のローラ本体は、例えばシリコンゴムのようなゴム材料により円柱状に形成され、前記加熱部材72と圧接し、当該加熱部材72との間にニップ部Nを形成する。このニップ部Nを通過するシートSを前記加熱部材72が加熱し、前記加圧部材73が加圧する。これにより、前記シートS上に載せられているトナーTが溶融してシートSに定着する。
図3及び図4に示されるように、この実施の形態における加圧部材73の回転軸方向と平行な方向の寸法、すなわち、前記加熱部材72の軸方向と平行な方向であって前記シート搬送方向に対し垂直な方向(図2の紙面に対して垂直な方向)の寸法は、A4用紙の縦方向の寸法に対応していて、加熱部材72の軸方向の寸法よりも若干長いため、加圧部材73が加熱部材72とのニップ部Nの全範囲にわたって確実に圧力を加えて定着圧を安定させることが可能である。ただし、この加圧部材73の各寸法は、定着装置1のサイズや、画像形成装置2において使用されるシートSのサイズに合わせて適宜設定可能である。
前記受圧部材74は、前記加熱部材72と前記加圧部材73との間のニップ部Nにおいて前記加圧部材73から前記加熱部材72に加えられる圧力を受けるためのものであり、前記加熱部材72の軸方向すなわち前記加圧部材73の回転軸と平行な方向に延び、図2に示すように加熱部材72の内側に設けられて当該加熱部材72のうち前記加圧部材73と圧接する部分の内側面に接触する。換言すれば、この受圧部材74は、前記加熱部材72を介して加圧部材73とニップ部Nを形成している。
この受圧部材74は、前記圧力を受け止めるための強度を要する。この受圧部材74は、例えば、厚さ0.1mm程度のSUS(ステンレス鋼)板により形成されることが可能である。ただし、厚さはこれに限定されるものではなく、ニップ部Nにおける圧力の強弱に対応して、適宜変更可能である。この受圧部材74は、加熱部材72と摺接するため、熱容量、強度、耐熱性だけでなく、耐摩耗性にも優れていることが好ましい。この条件を満たす範囲で、樹脂により形成されることも可能である。前記のように0.1mm程度のSUS板により形成された受圧部材74は、その熱容量が小さいため、加熱部材72の昇温を妨げない。
受圧部材74の具体的な形状は限定されないが、この実施の形態に係る受圧部材74の側面形状は、上向きに開口する略C字状をなす。具体的に、この受圧部材74は、前記加熱部材72の内側面に接触する水平な接触部74aと、この接触部74aの前後で垂直方向に立ち上がる側部74bと、これら側部74bと前記接触部74aとの間に傾斜状態で介在する中継部74cとを一体に有する。このような形状は、受圧部材74と加熱部材72との摺動を滑らかにする。
前記補強部材75は、前記加圧部材73から圧力を受ける受圧部材74を補助、補強するために設けられる。この実施の形態では、当該補強部材75は、図2に示すような逆T字状の側面形状を有し、前記加熱部材72の軸方向と平行な方向に延び、前記受圧部材74に対して上側から当接する位置に固定される。この補強部材75の付加は、ニップ部Nにおける圧力(定着圧)を安定させ、その圧力を従来よりも高めることを可能にし、これにより、ニップ部Nを通過するシートSに確実に圧力を加えて定着不良をなくすことを可能にする。
図3は、前記定着装置1を加熱部材72の長手方向からみた断面図であり、図4は、この定着装置1の要部、すなわち前記加熱部材72の軸方向の端部の付近の部位を示す拡大斜視図である。これら図3及び図4、さらに図5では、説明の便宜上のため、補強部材75及び発熱源77の図示が省略されている。
この定着装置1は、図3及び4に示すような筐体71を有する。この筐体71は、加熱部材72の軸方向すなわち加圧部材73の回転軸方向と平行な方向に延び、前記加熱部材72及び前記受圧部材74の他、後述の一対の摺接部材80,81、保持部82、付勢部である弾性部材83等を保持する。
この筐体71は、矩形状の板からなる本体壁71aと、一対の側壁71bとを有する。各側壁71bは、前記加熱部材72の軸方向両端よりもさらに外側に位置する。前記本体壁71aは、前記加熱部材72よりも上側の位置、すなわち、当該加熱部材72を挟んで前記ニップ部Nと反対側の位置にあり、前記側壁71bの上端同士を連結する。各側壁71b,71cは、垂直方向に延びる本体部分と、この本体部分の上端から前記加熱部材72の軸方向の内向きに延びる接合部とを有する逆L字状の正面形状を有し、前記各接合部が前記本体壁71aの長手方向の端部の下面にそれぞれ接合される。
前記両側壁71b,71cは、前記受圧部材74の長手方向の両端を支持する。具体的には、各側壁71b,71cに貫通孔(例えば縦向き長円状の貫通孔)71dが設けられ、これらの貫通孔71dに前記受圧部材74の長手方向の端部がそれぞれ挿通される。そして、これらの端部に図示しない固定用部材が取付けられて当該受圧部材74を筐体71に強固に固定する。
次に、前記摺接部材80,81及びその支持機構について図5を併せて参照しながら説明する。図5は、前記加熱部材72の軸方向両端部及びその近傍の構造を示す拡大断面図である。
前記摺接部材80,81は、前記加熱部材72がその正規の位置から軸方向に変位するのを規制するために、当該加熱部材72の軸方向の端部にそれぞれ接するように設けられるもので、当該端部の内側面に摺接する摺接面80a,81aをそれぞれ有する。前記保持部82及び前記弾性部材83は、前記摺接部材80,81ごとに設けられ、これらの摺接部材80、81を支持するための支持機構を構成する。この支持機構は、前記各摺接部材80,81の摺接面80a,81aが前記加熱部材72の軸方向の端部のうち前記受圧部材74と対向する部位(図例では上端部位)の内側面に下から接するように前記摺接部材80,81を支持し、かつ、前記加熱部材72がその軸方向に沿って前記摺接部材80,81のいずれか一方から離れる向きに変位するのに伴って当該摺接部材の摺接面が前記受圧部材から離れる向きに当該摺接部材を変位させるものである。
前記摺接部材80、81は、例えば樹脂等で形成され、図3に示すような略L字状の断面形状(加熱部材72の軸方向と直交する方向から見た断面形状)を有する。各摺接部材80,81の摺接面80a,81aは、前記加熱部材72の軸方向の端部の内側面にそれぞれ下から接触可能な水平面であり、当該摺接面80a,81aに対して前記加熱部材72の軸方向の外側に隣接する位置に規制面80b,81bを有する。これらの規制面80b,81bは、前記摺接面80a,81aの高さ位置から垂直方向に立上り、前記加熱部材72の軸方向の端面と当接可能である。この当接が、前記加熱部材72の軸方向への変位の規制をより確実にする。
前記各保持部82は、図5に示すように、対応する摺接部材80(または81)よりも前記加熱部材72の軸方向の外側に位置する外側壁84と、この外側壁84から前記加熱部材72に向かって延びる一対の第1案内壁85及び第2案内壁86とを有する。各保持部82は、この実施の形態では、例えば金属や樹脂等からなる板材からなり、当該板材が適当な部位で折り曲がった形状を有する。
前記外側壁84は、垂直方向に延び、その下端及び上端からそれぞれ加熱部材72に向かって前記第1案内壁85及び前記第2案内壁86が延びる。前記第1案内壁85の加熱部材側の端部は上向きに傾斜した第1案内部85aを構成する。この第1案内部85aの上面は同方向に傾斜した案内面であり、前記摺接部材80,81の下端には前記案内面と摺接可能となるように当該案内面と平行な向きに傾斜した被案内面80d,81dが形成されている。同様に、前記第2案内壁86の加熱部材側の端部も上向きに傾斜した第2案内部86aを構成していて、この第2案内部86aの上面が同方向に傾斜した案内面であり、前記摺接部材80,81の上端には当該案内面と摺接可能となるように当該案内面と平行な向きに傾斜した被案内面80e,81eが形成されている。
すなわち、前記第1案内壁85の第1案内部85aは、前記摺接部材80,81よりも前記受圧部材74に近い側(下側)から当該摺接部材80,81に接する案内面を有し、前記第2案内壁86の第2案内部86aは、前記当該受圧部材74と反対の側(上側)から前記摺接部材80,81に接する案内面を有する。そして、これらの第1案内壁85及び第2案内壁86が前記摺接部材80,81をそれぞれ上下から挟持するとともに、後述のような案内を行う。
前記弾性部材83は、前記各摺接部材80,81と、その外側に位置する前記保持部82の外側壁84との間に弾性圧縮状態で介在する。具体的には、当該弾性部材83の一端が前記外側壁84の内側面に固定され、他端が前記摺接部材80,81の外側面(加熱部材72と反対側の面)に圧接している。この弾性部材83の弾発力が、当該摺接部材80,81を内向き、すなわち、当該摺接部材80,81の規制面81bを前記加熱部材72の軸方向の端面に当接させる向きに付勢する。換言すれば、各弾性部材83は、両摺接部材80、81が加熱部材72を軸方向の両側から挟み込むように、当該摺接部材80、81を付勢する。
なお、図3〜図5では、弾性部材83として圧縮コイルばねが示されているが、摺接部材80、81を付勢する機能を有するものであればバネに限られない。また、前記保持部82の外側壁84が省略されて弾性部材83が筐体71側に直接取付けられてもよい。
この定着装置1では、前記受圧部材74と前記加圧部材73が前記加熱部材72を上下から挟み、両摺接部材80、81の摺接面80a,81aが前記加熱部材72のうち前記受圧部材74と対向する部位の内側面に接するから、無端ベルト状の加熱部材72は、摺接部材80、81と受圧部材74との間に張架されている。
次に、この定着装置1の動作を説明する。
前記加熱部材72は、フィルム等からなる無端ベルト状であるため、その駆動時に当該加熱部材72の軸方向の一方の側に片寄ったり、蛇行したりすることがある。これは、加熱部材72と加圧部材73の軸線同士の平行度の不良や、ニップ部Nを通過するシートSの厚みといった、様々な要因から生ずる。このような加熱部材72の片寄り、蛇行は、定着不良の原因となり、シートSに皺が入ることや、シートSの搬送方向を乱すためシートSのジャムを引き起こす。さらに、加熱部材72の過大な片寄りは、特に加熱部材72が薄肉のフィルム状である場合に、当該加熱部材72の端部を破損させ、当該加熱部材72の交換を必要にさせるおそれがある。しかしながら、この定着装置1では、前記のような不都合を招く加熱部材72の片寄りや蛇行が下記のようにして防止され、もしくは有効に抑制される。
例えば、図5の矢印Aに示されるように、前記加熱部材72がその軸方向の一方の側である摺接部材81側に片寄るように移動し始めたとする。このとき、加熱部材72の反対側の端部は、反対側の摺接部材80の規制面80bから離れる方向に変位するが、この摺接部材80は弾性部材83の弾発力によって前記加熱部材72側に付勢されているため、当該規制面80bと前記加熱部材72の軸方向の端面との当接を維持するように前記摺接部材80の変位に追従して同じ向きに変位する。
ところが、この摺接部材80は、前記保持部82の第1案内部85a及び第2案内部86aによって斜め上向き、すなわち、加熱部材72に近づくに従って受圧部材74から離れるように変位する方向(図5の矢印Bに示される方向)に案内されるから、結果として、この摺接部材80は、前記加熱部材72の矢印A方向への変位に伴い、前記受圧部材74から離れる向き、換言すれば、当該摺接部材80の摺接面80aが前記加熱部材72の端部を持ち上げる向きに変位する。
この摺接面80aの変位は、当該摺接面80aと当該加熱部材72の内側面との間に生じる摩擦力を増大させる。この増大した摩擦力は、前記加熱部材72を前記矢印Aの方向に片寄らせる力に抗して当該加熱部材72の変位を抑制するブレーキとして機能する。さらに、前記受圧部材74から離れる方向への摺接面80aの変位は、前記加熱部材72の内側面と受圧部材74の下面との摩擦力も増大させ、この増大した摩擦力も、前記加熱部材72を前記矢印Aの方向に片寄らせる力に抗して当該加熱部材72の変位を抑制するブレーキとして機能する。これらの摩擦力は、加熱部材72に対して前記矢印Aの向きに比較的大きな力が働いたときにおいても、当該加熱部材72がその向きに急激に移動することを有効に抑止する。
さらに、前記両摩擦力の増大は、摺接部材80側での加熱部材72の端部の回転速度を、その反対側の端部の回転速度よりも低下させ、その回転速度差が、加熱部材72の軸方向の位置の是正に寄与する。すなわち、前記摺接部材81側での加熱部材72の進行速度が前記摺接部材80側での加熱部材72の進行速度を上回ることが、その加熱部材72の進行方向を前記摺接部材80側に偏向させ、その結果、加熱部材72は元の位置に戻るように変位する。この作用は、加熱部材72の片寄りや蛇行といった異常自体を迅速に是正し、加熱部材72の破損の防止に寄与する。
つまり、前記加熱部材72に対し当該加熱部材72をその軸方向に変位させようとする大きな外力が作用しても、前記摺接部材80,81を支持する支持機構が、前記加熱部材72を正規位置に戻すように当該摺接部材80,81を変位させることにより、加熱部材72の片寄りや蛇行を防止し、もしくは有効に抑制することができ、その結果、当該加熱部材72が定着装置1の筐体等に大きな力で押し付けられることに起因する加熱部材72の端部の破損(特にベルト端部)を防ぐことができる。従って、長期間にわたり加熱部材72が破損することのない長寿命の定着装置1が提供され、また、安定した定着性を有し、使用者の利便性が高く、定着装置1が長寿命の画像形成装置2が提供される。
次に、本発明の別の実施の形態に係る定着装置1の構造を、図6〜図8を参照しながら説明する。なお、以下に示す筐体71、加熱部材72、加圧部材73、受圧部材74、及び補強部材75は前記図1〜図5に示されたものと同一であるため、共通の参照符が付され、その説明が省略される。
図6〜図8に示される定着装置1は、前記図3〜図5に示される定着装置1と同様に摺接部材80,81を具備するが、これらの摺接部材80,81の具体的な形状は前記図3〜図5に示される摺接部材80,81の形状と相違する。また、これら摺接部材80,81を支持するための支持機構として、揺動部材90が設けられている。
前記摺接部材80、81は、図3〜図5に示される定着装置1と同様に、加熱部材72の両端部に配せられ、図8に示すような略L字状の断面形状(加熱部材72の軸方向と直交する方向から見た断面形状)を有し、かつ、水平な摺接面80a,81aを有するが、当該摺接面80a,81aに対して前記加熱部材72の軸方向の外側に隣接する位置には、非常摺接面80c,81cが存在する。
前記各非常摺接面80c,81cは、前記加熱部材72が正規の位置、すなわち、その軸方向の端部の内側面が前記摺接面80a,81aに摺接する位置から当該軸方向に変位した非常時に当該端部の内側面と接触する面である。具体的に、前記各非常摺接面80c,81cは、これに隣接する前記摺接面80a,81aと連続し、かつ、前記加熱部材72の軸方向に沿って当該加熱部材から離れるに従って前記受圧部材から離れる向き(図例では上向き)に傾斜する。
前記揺動部材90は、例えば、金属や樹脂等により棒状又は板状に形成されたものであり、前記加熱部材72の軸方向と平行な方向に延び、この加熱部材72と前記筐体71の本体壁71aとの間の位置に設けられている。そして、この揺動部材90の長手方向中間部が、支点92を中心として前記加熱部材72の軸方向と直交する方向の軸回りに回動可能となるように前記本体壁71aに支持されている。具体的には、前記本体壁71aの長手方向中央部位の下面から下方に取付板94が垂下し、この取付板94が、前記加熱部材72の軸方向と直交する方向のピンを介して前記揺動部材90の中間部位を枢支する。
前記摺接部材80,81は、前記揺動部材90の長手方向の両端部に固定されている。従って、前記揺動部材90の揺動は、前記各摺接部材80,81の上下方向の変位、つまり前記受圧部材74に対して接離する方向の変位を許容するとともに、これらの摺接部材80,81が互いに逆向きに変位するように当該摺接部材80,81同士を連動させる。
前記揺動部材90の両端部に前記摺接部材80、81を取付けるための態様は、種々変更が可能である。これら摺接部材80,81は、揺動部材90の端部に締結具等によって完全に固定されてもよいし、揺動部材90側に設けられた突起と摺接部材80,81側に設けられた孔との嵌合により、当該摺接部材80,81が揺動部材90に対して若干相対回転可能となるように取付けられてもよい。図6〜図8に示される態様では、摺接部材80,81の上部が当該上部と揺動部材90とを貫通する軸96によって当該揺動部材90に固定されている。
前記揺動部材90の両端部では、この揺動部材90と各摺接部材80、81とが、内向きに開口する把持部87を形成する。両摺接部材80,81は、前記加熱部材72を軸方向の両側から挟み、かつ、当該加熱部材72の軸方向の端部の内側面に前記摺接部材80、81の摺接面80a、81aが接触する状態で、当該加熱部材72を支持する。
なお、前記揺動部材90の支点92の位置については、当該支点92から両摺接部材80,81までの距離が等しいことが好ましい。このことは、互いに連動する摺接部材80,81の変位量を同等にする。
次に、この定着装置1の動作を説明する。
例えば、図8の矢印Aに示されるように、前記加熱部材72がその軸方向の一方の側である摺接部材81側に片寄るように移動し始めたとする。このとき、当該加熱部材72の前記摺接部材81側の端部は、通常接触すべき摺接面81aから、これに隣接する非常摺接面81cに乗り上がる。この非常摺接面81cは、前記摺接面81aから離れるに従って上昇する(すなわち受圧部材74から離れる)向きに傾斜するので、当該加熱部材72の端部が当該非常摺接面81cに進入するのに従って、この加熱部材72の端部から当該非常摺接面81cに加えられる圧力が上昇する。この圧力は、揺動部材90の揺動を伴いながら摺接部材81を矢印Bのように押し下げ(すなわち受圧部材74側に変位させ)、当該揺動部材90の揺動は矢印Cに示されるように反対側の摺接部材80を上昇させる(すなわち受圧部材74から離れる向きに変位させる)。
この摺接部材80の変位は、前記図3〜図5に示される定着装置1における摺接部材80の変位と全く同様に、その摺接面80aと前記加熱部材72との間に生じる摩擦力を増大させ、この増大した摩擦力が、前記加熱部材72を前記矢印Aの方向に片寄らせる力に抗して当該加熱部材72の変位を抑制するブレーキとして機能する。さらに、前記受圧部材74から離れる方向への摺接面80aの変位は、前記加熱部材72の内側面と受圧部材74の下面との摩擦力も増大させ、この増大した摩擦力も、前記加熱部材72を前記矢印Aの方向に片寄らせる力に抗して当該加熱部材72の変位を抑制するブレーキとして機能する。これらの摩擦力は、加熱部材72に対して前記矢印Aの向きに比較的大きな力が働いたときでも、当該加熱部材72がその向きに急激に移動することを有効に抑止する。
さらに、前記図3〜図5に示した定着装置1と同様、前記両摩擦力の増大は、摺接部材80側での加熱部材72の端部の回転速度を、その反対側の端部の回転速度よりも低下させ、その回転速度差が、加熱部材72の軸方向の位置の是正に寄与する。すなわち、当該回転速度差が、加熱部材72の片寄りや蛇行といった異常自体を迅速に是正し、加熱部材72の破損の防止に寄与する。
つまり、図6〜図8に示される定着装置1では、図3〜図5に示される定着装置1と同様、加熱部材72の片寄りや蛇行が防止され、もしくは有効に抑制されるため、当該加熱部材72が定着装置1の筐体等に大きな力で押し付けられることに起因する加熱部材72の端部の破損(特にベルト端部)が防止される。従って、長期間にわたり加熱部材72が破損することのない長寿命の定着装置1が提供され、また、安定した定着性を有し、使用者の利便性が高く、定着装置1が長寿命の画像形成装置2を提供することができる。
また、前記非常摺接面80c,81cは、通常の摺接面80a,81aから離れるに従って受圧部材74から離れる向きに傾斜しているから、加熱部材72に加わる外力が小さい場合には、前記非常摺接面80c,81cの傾斜自体が加熱部材72の位置を是正し得る付加的効果を有する。
なお、本発明は以上示した実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施されることが可能である。
例えば、前記図2等に示した受圧部材74に相当する位置に図9に示すような発熱源79が配設されて、この発熱源79が、加熱部材72を加熱する手段と、受圧部材とに兼用されてもよい。この発熱源79としては、例えばセラミックヒータアレイが好適である。
また、前記各実施形態では、発熱源77により加熱される加熱部材72が無端ベルト状の第1ニップ部材により構成され、当該加熱部材72に圧接する加圧部材73が当該加熱部材72に圧接するローラ状の第2ニップ部材により構成されるが、逆に、図10に示される実施形態のように、ローラ状の第2ニップ部材102が、その中心部に設けられた発熱源77により加熱される加熱部材を構成し、無端ベルト状の第1ニップ部材101が加圧部材を構成してもよい。この実施の形態では、受圧部材として前記第1ニップ部材101の内側にブロック状のパッド78が配設される。このパッド78は、前記第1ニップ部材101のうち前記第2ニップ部材102と圧接してニップ部Nを構成する部分に対して当該第2ニップ部材102から作用する圧力を受けることが可能な位置に、配置される。
なお、図9及び図10には分離板104が図示される。この分離板104は、ニップ部Nよりも下流側における加熱部材72の外周面や第2ニップ部材102の外周面に対して近接する位置に配設され、その外周面からのシートの分離を促す。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 前記画像形成装置に設けられる定着装置の側面図である。 前記定着装置の断面正面図である。 前記定着装置の要部を示す斜視図である。 前記定着装置の要部を示す断面正面図である。 本発明の別の実施の形態に係る定着装置の断面正面図である。 図6に示される定着装置の要部を示す斜視図である。 図6に示される定着装置の要部を示す断面正面図である。 図3および図6に示される実施の形態とは別の実施の形態に係る定着装置の一部断面正面図である。 図3,図6及び図9に示される実施の形態とは別の実施の形態に係る定着装置の一部断面正面図である。
符号の説明
N ニップ部
S シート
1 定着装置
2 画像形成装置
10 画像形成部
71 筐体
71a 本体壁
71b 側壁
72 加熱部材(第1ニップ部材)
73 加圧部材(第2ニップ部材)
74 受圧部材
77,79 発熱源
80,81 摺接部材
80a,81a 摺接面
80b,81b 規制面
80c,81c 非常摺接面
82 保持部
83 弾性部材
84 外側壁
85 第1案内壁
85a 第1案内部
86 第2案内壁
86a 第2案内部
90 揺動部材
92 支点
101 第1ニップ部材
102 第2ニップ部材

Claims (16)

  1. 画像形成装置に設けられ、シート上に載せられたトナーを定着させるための定着装置であって、
    無端ベルト状の第1ニップ部材と、
    前記第1ニップ部材に圧接した状態で回転することにより、その回転の中心軸と直交する方向に前記第1ニップ部材を従動させるとともに、前記第1ニップ部材との間にシートが進入可能なニップ部を形成する第2ニップ部材と、
    前記第1ニップ部材及び前記第2ニップ部材の少なくとも一方を加熱するための発熱源と、
    前記第1ニップ部材の内側面と接触するように設けられ、前記ニップにおいて前記第2ニップ部材から前記第1ニップ部材に与えられる圧力を受ける受圧部材と、
    前記第1ニップ部材の軸方向の端部と摺接可能な摺接面を有する摺接部材と、
    前記摺接部材の摺接面が前記第1ニップ部材の軸方向の端部のうち前記受圧部材と対向する部位の内側面に接するように前記摺接部材を支持し、かつ、前記第1ニップ部材が前記軸方向に沿って前記摺接部材から離れる向きに変位するのに伴って当該摺接部材の摺接面が前記受圧部材から離れる向きに当該摺接部材を変位させる支持機構と、を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 請求項1記載の定着装置において、
    前記第1ニップ部材が、前記発熱源により加熱される加熱部材を構成し、前記第2ニップ部材が、前記加熱部材に圧接する加圧部材を構成することを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1または2記載の定着装置において、
    前記第1ニップ部材の軸方向の両側にそれぞれ前記摺接部材が設けられ、前記支持機構は、両摺接部材を支持することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置において、
    さらに、前記受圧部材を支持する筐体を備え、前記支持機構は、前記筐体に取付けられることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1または2記載の定着装置において、
    前記摺接部材は、前記第1ニップ部材の軸方向の端面に対して当接可能な規制部を有し、
    前記支持機構は、前記摺接部材が前記第1ニップ部材の軸方向に変位可能となるように当該摺接部材を保持する保持部と、前記保持部に保持される摺接部材を、この摺接部材の規制部を前記第1ニップ部材の端面に当接させる向きに付勢する付勢部とを有し、
    前記保持部は、前記摺接部材が前記第1ニップ部材に近づく向きに変位するのに伴って当該摺接部材の摺接面が前記受圧部材から離れる向きに変位するように当該摺接部材を案内する案内部を有することを特徴とする定着装置。
  6. 請求項5記載の定着装置において、
    前記案内部は、前記第1ニップ部材の軸方向に沿って当該第1ニップ部材に向かうに従って前記受圧部材から離れる向きに傾斜する傾斜面を有し、この傾斜面に沿って前記摺接部材を案内することを特徴とする定着装置。
  7. 請求項5または6記載の定着装置において、
    前記保持部は、前記摺接部材よりも前記第1ニップ部材の軸方向の外側に位置する外側壁と、この外側壁から前記第1ニップ部材に向かって延び、かつ、前記案内部を有する案内壁とを有し、
    前記付勢部は、前記外側壁と前記摺接部材との間に弾性圧縮状態で介在するように当該保持部に取付けられる弾性部材を有することを特徴とする定着装置。
  8. 請求項7記載の定着装置において、
    前記保持部は、前記案内壁として、前記摺接部材よりも前記受圧部材に近い側から当該摺接部材に接する第1案内部を有する第1案内壁と、前記当該受圧部材と反対の側から前記摺接部材に接する第2案内部を有する第2案内壁とを含み、前記第1案内壁と前記第2案内壁とで前記摺接部材を挟持することを特徴とする定着装置。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の定着装置において、
    前記第1ニップ部材の軸方向の両側にそれぞれ前記摺接部材が設けられ、
    前記支持機構は、摺接部材ごとに前記保持部及び付勢部を有することを特徴とする定着装置。
  10. 請求項9記載の定着装置において、
    さらに、前記受圧部材を支持する筐体を備え、この筐体は、前記各摺接部材よりも前記第1ニップ部材の軸方向の外側にそれぞれ位置して前記受圧部材を支持する側壁と、これらの側壁同士を連結する本体壁とを有し、
    前記保持部及び前記付勢部はそれぞれ前記側壁の内側面に取付けられることを特徴とする定着装置。
  11. 請求項3記載の定着装置において、
    前記各摺接部材は、その摺接面に対して前記第1ニップ部材の軸方向の外側に隣接し、当該第1ニップ部材の軸方向の端部が前記摺接面から前記第1ニップ部材の軸方向の外側にはみ出したときに当該端部の内側面に接触するとともに前記摺接面が前記第1ニップ部材から受ける圧力よりも高い圧力を受ける形状を有する非常摺接面を有し、
    前記支持機構は、前記第1ニップ部材の軸方向の両端の間に位置する支点を中心として当該軸方向と直交する方向の軸回りに揺動可能で、前記各摺接部材が固定される両端部を含む揺動部材を有し、この揺動部材は、一方の摺接部材がその非常摺接面に前記第1ニップ部材から加えられる圧力により前記受圧部材に近づく向きに変位するのを許容するとともにその変位と同時に他方の摺接部材を前記受圧部材から離れる向きに変位させるように、揺動することを特徴とする定着装置。
  12. 請求項11記載の定着装置において、
    前記非常摺接面は、前記第1ニップ部材の軸方向に沿って当該第1ニップ部材から離れるに従って前記受圧部材から離れる向きに傾斜することを特徴とする定着装置。
  13. 請求項11または12記載の定着装置において、
    さらに、前記受圧部材を支持する筐体を備え、前記揺動部材は前記支点を中心として前記筐体に揺動可能に支持されることを特徴とする定着装置。
  14. 請求項13記載の定着装置において、
    前記筐体は、前記各摺接部材よりも前記第1ニップ部材の軸方向の外側にそれぞれ位置し、前記受圧部材を支持する側壁と、前記第1ニップ部材を挟んで前記ニップ部と反対の側に位置し、前記側壁同士を連結する本体壁とを有し、
    前記揺動部材は前記第1ニップ部材と前記本体壁との間に位置し、当該本体壁に揺動可能に支持されることを特徴とする定着装置。
  15. 請求項11〜14のいずれかに記載の定着装置において、
    前記揺動部材の支点から前記各摺接部材までの距離が互いに等しいことを特徴とする定着装置。
  16. シートの上に画像を形成するための画像形成装置において、
    前記シート上に画像形成用のトナーを載せる画像形成部と、
    請求項1〜15のいずれかに記載の定着装置とを備え、
    この定着装置は、前記シート上に載せられたトナーを定着させることを特徴とする画像形成装置。
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