JP5495112B2 - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
一般的に、定着装置は、第1の回転部材と第2の回転部材とを有している。この両回転部材とは、ヒータ等の加熱手段により加熱されるローラ体または無端状ベルトである第1の回転部材と、当該第1の回転部材に当接し、且つ、当該第1の回転部材との対向位置において当該第1の回転部材と同じ方向に回転するローラ状の第2の回転部材と、であり、この第2の回転部材には、通常、加熱手段が設けられている。
このような定着装置では、被定着画像としてのトナー像を担持したシート状媒体を、上述した第1の回転部材と第2の回転部材との対向接触によって形成されるニップ部を通過させ、このときに加熱及び加圧を行う(即ち、ニップ定着をする)ことで、被定着画像としてのトナー像を加熱溶融して、シート状媒体上に定着する。
なお、上述した無端状ベルトは、適宜の加熱手段で加熱されながら循環走行するものである。
しかし、このような薄紙は腰が弱いため、上述したような定着装置のニップ部から排出されるときに、第1の回転部材に巻き付いてしまういわゆる「巻き付き」が発生しやすい。
そして、当該「巻き付き」は、用紙ジャム(用紙が詰まること)の原因となり、種々のトラブルを引き起こす場合があった。
このため、従来の定着装置には、シート状媒体が薄紙である場合にも、第1の回転部材
からの離型を確実に行うための用紙分離部材として、分離板または分離爪の少なくとも1方が、シート状媒体の排出側に配備されている。また、定着ローラと加圧ローラとを組み合わせて構成される定着装置においては、通常、非接触分離板、若しくは、分離爪が設けられている。
このような従来の定着装置において、第1の回転部材にシート状媒体の「巻き付き」が発生しやすいのは、シート状媒体上の溶融トナー像が、第1の回転部材の表面に圧接しながら搬送されることが原因である。言い換えると、定着装置のニップ部を形成する一対の回転部材においては、溶融したトナーには粘着性があるため、当該トナー像が圧接する側の回転部材への用紙(シート状媒体)の「巻き付き」が発生しやすくなるのである。
図6は、従来の定着装置の一例を示す概略断面図である。例えば、図6に示すように、従来の定着装置100では、定着ローラ22と加圧ローラ31とで形成されるニップ部から排出されるシート状媒体(記録紙)Pの「巻き付き」の発生を防止するために、シート状媒体Pを剥離するため、互いに対向する上下一対のローラ(即ち、定着ローラ22及び加圧ローラ31)から一定の微少な間隙を維持した分離板37を配置した構造となっている。
この分離板37によれば、分離爪28と違って、定着ベルト21及び加圧ローラ31と非接触構造であるため、定着ローラ22表面の、接触している分離爪28による磨耗傷による異常画像発生の問題はない。
図7に示すように、印刷の高速化及び生産性、ならびにシート状媒体の種類の多様化に対応するために、加圧ローラ31、レバー50、カム51、及びスプリング52等から構成される加圧機構201を設けた定着装置200がある。この定着装置200は、当該加圧機構201により、シート状媒体Pの必要熱量に対応した熱量を付与するために、ニップ部のニップ幅を可変する機能を持つ。なお、シート状媒体に付与する熱量はシート状媒体の種類、特に坪量に影響される。
しかしながら、この分離板37は、シート状媒体Pを強制的にトナー像が圧接する側の回転部材から分離するものではないため、いわゆる先端白抜け量や、微小ギャップ量等の特性によって分離機能が左右されるといったトレードオフの問題がある。特に分離機能はシート状媒体の種類によって影響される。上述したようにシート状媒体の種類と定着ニップ幅とには関係がある。そのため、定着ニップ出口から分離板37までの距離を考慮する必要がある。
そして、特許文献1(特開2006−184825号公報)では、「定着ニップ出口から分離爪の先端の距離」を1mm〜4mmにする構成が記載されている。
また、ニップ幅可変量が大きく、且つ、定着ニップ出口から分離爪の先端の距離が変化する構成にすると、「定着ニップ出口から分離爪先端の適正な距離」を実現できず、シート状の記録媒体を十分に剥離することができない。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の定着装置において、前記加圧部材の円周線上に、前記シート状媒体と前記加圧部材とを分離する分離手段を更に備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、定着部材と、加圧部材と、前記定着部材および前記加圧部材に非接触の状態で、前記定着部材が有する定着ローラの円周線上に、シート状媒体と前記定着部材とを分離する非接触分離部材とを備え、前記定着部材と前記加圧部材とによって形成されるニップ部によりシート状媒体上のトナーを熱定着し、シート状媒体を前記非接触分離部材によって分離し、更に、前記熱定着に係る熱量を適正化するために制御装置によって前記ニップ部の幅を可変する定着装置であって、前記定着ローラの定着ローラ軸受けを中心として回転移動可能であり、前記非接触分離部材とシャフト部を設けたブラケットを設け、前記加圧部材が有する軸受け部が、前記定着ローラ側へ移動可能であり、該移動に伴い前記ブラケットのシャフト部を押圧し、前記軸受け部の移動に連動して、前記ブラケットに設けられた前記非接触分離部材を前記定着ローラの円周方向に移動可能であり、前記非接触分離部材を移動させることで、前記ニップ部における非接触分離部材側の端点と、前記非接触分離部材が前記シート状媒体と前記定着部材とを分離する分離点とで形成される距離を常に一定にすることを備えることを特徴とする定着装置を提供する。
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の定着装置において、前記加圧部材の円周線上に、前記シート状媒体と前記加圧部材とを分離する分離手段を更に備えることを特徴とする。
そして、請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着装置において、前記シート状媒体の種類、銘柄、または連量により、前記非接触分離部材の位置を個別に調整して設定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置を提供する。
を分離性最適位置に移動配置させることで、最適な分離性(耐ジャム性)を実現できる。
被定着画像としてのトナー像が形成されたシート状媒体(記録紙)に、当該トナー像を定着するための定着装置において、定着ローラ及び加圧ローラを当接させて形成されるニップ幅は定着加熱時間と比例関係にあり、必要熱量が異なるシート状媒体の種類、銘柄、及び連量での定着性を確保する為に当該必要熱量を適正化する必要がある。その適正化のために当該ニップ幅を可変する定着装置において、定着ローラ及び加圧ローラからシート状媒体を分離する分離部材である非接触分離板、分離爪によって用紙(シート状媒体)分離性を確保している。
しかし、これら分離部材の分離性(耐ジャム性)最適位置は、ニップ出口からの距離と関連があり、ニップ幅を可変にすることで分離性最適位置がずれ、その結果、分離性低下が起こる。
この分離性低下を低減することが可能な分離機能を備えた定着装置、および、当該定着装置を備える高速、高信頼性の画像形成装置を提供する。
以下、本発明の好適な実施形態について図1から図5を参照して詳細に説明する。
なお、各図中では、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化または省略する。
まず、図1において、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の全体の構成について説明する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、タンデム型カラー複写機の装置本体であり、転写紙等のシート状媒体(記憶紙)Pが収容される給紙部2、シート状媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ3、書込み部4、各色(イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:BK)のトナー像が形成される感光体ドラム5Y、感光体ドラム5M、感光体ドラム5C、及び感光体ドラム5BK、各感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上を帯電する帯電部6、各感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上に形成される静電潜像を現像する現像部7、各感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上に形成されたトナー像をシート状媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)8、各感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部9、を備えている。
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト11、中間転写ベルト11を清掃する中間転写ベルトクリーニング部10、中間転写ベルト11上のカラートナー像をシート状媒体P上に転写するための転写バイアスローラ(2次転写バイアスローラ)12、シート状媒体P上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置13、ポリゴンミラー14、給紙ローラ15、を備えている。
パソコン等の画像出力端末(図示しない)より、画像形成装置1本体内部のコントローラ(図示しない)へ電気的な画像信号が転送される。すると、画像形成装置1は、RGB(赤:Red、緑:Green、青:Blue)の色分解画像信号をもとにして画像処理部(図示しない)で色変換処理、色補正処理、及び空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)のカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部4に送信され、書込み部4からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ対応する感光体ドラム5Y、5M、5C、5BK上に向けて発せられる。
まず、感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BKの表面は、帯電部6との対向部で、一様に帯電される(帯電工程)。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部4において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、図1において左側から1番目の感光体ドラム5Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー14により、感光体ドラム5Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部6にて帯電された後の感光体ドラム5Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、図1において左側から2番目の感光体ドラム5M表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分に対応したレーザ光は、図1において左側から3番目の感光体ドラム5C表面に照射されて、シアン成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、ブラック成分に対応したレーザ光は、図1において左側から4番目の感光体ドラム5BK表面に照射されて、ブラック成分に対応した静電潜像が形成される。
その後、各色(Y、M、C、BK)の静電潜像が形成された感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK表面は、それぞれ、現像部7との対向位置に達する。
そして、各現像部7から感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上の潜像が現像される(現像工程)。
ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト11の内周面に当接するように1次転写バイアスローラ8が設置されており、この1次転写バイアスローラ8の位置で、中間転写ベルト11上に、感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程)。
そして、1次転写工程後の感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK表面は、それぞれ、クリーニング部9との対向位置に達する。そして、クリーニング部9で、感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BKに残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BK表面は、図示しない除電部を通過して、感光体ドラム5Y、5M、5C、及び5BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト11の表面は、中間転写ベルトクリーニング部10の位置に達する。そして、中間転写ベルト11上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部10に回収されて、中間転写ベルト11における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、シート状媒体Pを収納する給紙部2から、給紙ローラ15により給送されたシート状媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ3に導かれる。レジストローラ3に達したシート状媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後のシート状媒体Pは、排紙ローラ(図示しない)によって、画像形成装置1本体の外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
なお、本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、定着ベルト21が400mm/秒以上で走行する高速機である。
図2は、本発明の実施形態に係る定着装置13を示す概略断面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る定着装置13を示す正面図であり、主として加圧機構の構成を示す図である。
図4及び図5は、後述する定着ベルト21が張架された加熱ローラ23を、幅方向(即ち、円柱型の加熱ローラ23における円面の径方向)にみた部分拡大図である。
図2に示すように、本発明の実施形態に係る定着装置13は、定着ベルト21、定着ローラ22、被加熱体としての加熱ローラ23、加熱手段としてのヒータ25、加圧部材としての加圧ローラ31、分離板37、ガイド板35、等で構成される。
ここで、定着ベルト21は、樹脂材料からなるベース層上に、弾性層、離型層が順次積層された多層構造の端状接合ベルトである。定着ベルト21の弾性層は、弾性層用、離型分離用で各々違う種類のシリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。
定着装置13は、定着ベルト21の離型分離用に使用するシリコーンオイルを、定着ベルト21の表層に均一に塗布するためのローラ構成のオイル塗布機構26を備えているので、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が確保される。
定着ベルト21は、3つのローラ部材(定着ローラ22、加熱ローラ23、及びテンションローラ27)に張架及び支持されて、図2の矢印A方向に走行する。
このように、定着部材として熱容量の低い定着ベルト21を用いることで、定着装置13の昇温特性が向上する。
この弾性層22bを柔軟なゴム材料で形成することで、ニップ部におけるニップ幅、即ち、ニップ量を比較的大きく設定できるとともに、定着ベルト21の熱が定着ローラ22に移行しにくくなる。
なお、定着ローラ22は、図2に矢印Aで示すように、図2における時計回り方向に回
転する。
このように、被加熱体としての加熱ローラ23を、肉厚が7mm程度、材質がアルミに設定することで、被加熱体の熱伝導率が高く、且つ、適度な熱容量があるので大量のシート状媒体Pを定着した場合に起こり得る急激な温度の低下を防ぐ。
更に、加熱ローラ23は、図2に示すように、当該加熱ローラの幅(径)方向にヒートパイプ24が設置されて温度分布を均一にする機能を有している。通常、シート状媒体Pを定着すると加熱ローラ23の中央部のみ熱量が奪われ、そのことが原因となり定着ベルト21(及び加熱ローラ23)の両端部(即ち、シート状媒体Pである記憶紙が通過しない非通紙領域の部分)が局所的に過昇温するという不具合が起こるが、この構成により、当該不具合を未然に防止することができる。
そして、画像形成装置1の図示しない電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって、加熱ローラ23が加熱され、更に、当該加熱ローラ23によって定着ベルト21の表面が加熱され、そうして定着ベルト21からシート状媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。
ここで、本実施形態では、加熱手段としてのヒータ25として、定格ワット数が1000ワット3本を用いている。このように、ヒータ25の総ワット数を大きくすることで、定着装置13の立ち上がり時間(即ち、ウォーミングアップ時間)を短くすることができる。
また、加圧部材としての加圧ローラ31は、主として、芯金32と、芯金32の外周面に接着層を介して形成された弾性層33と、で構成される。加圧ローラ31の弾性層33は、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の材料で形成されている。
なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けることもできる。
また、上述の加圧機構202は、加圧によってニップ幅を可変することができるように構成されている。
詳しくは、図3に示すように、加圧機構202は、加圧ローラ31の軸部に係合するレバー50、レバー50に作用して加圧ローラ31を定着ローラ22に向けて付勢するスプリング52、レバー50に係合して加圧ローラ31の加圧または加圧解除するためのカム51、及び、カム51を駆動する駆動モータ(図示しない)等で構成される。
この加圧機構202によりカム51の停止位置を任意の角度で停止して加圧することでニップ幅を可変することができる。
更に、上述の加圧機構202は、加圧解除(または減圧)ができるように構成されている。定着工程が行われない時には、カム51を図3の姿勢から回転駆動して、定着ベルト21(定着ローラ22)に対する加圧ローラ31の加圧を解除(または減圧)する。
定着ベルト21と加圧ローラ31との当接部(即ち、ニップ部)の入口側と出口側には、それぞれ、シート状媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。
また、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板37が配設されている。
分離板37は、画像領域(即ち、トナーTが形成される領域)における幅方向(即ち、シート状媒体Pが搬送される方向と直交する方向)にわたって、定着ベルト21に対して所定距離離間するように配設されている。
更に、分離板37は、その幅方向両端部が、定着ベルト21の非画像領域に当接するように構成されている。ここで、分離板37の幅方向とは、図2において、シート状媒体Pが搬送される方向と直交し、且つ、定着ローラ22の長さ方向に対して平行な線分で表すことができる方向を示す。
なお、本発明の実施形態に係る定着装置13では、分離板37と定着ベルト21とのギャップは0.3mm程度に設定されていて、定着ローラ22円周上の分離板37先端位置はニップ出口38から一定距離に配置されている。
分離板37は、ニップ出口38からシート状媒体Pが排出された初期に、定着部材からシート状媒体Pを剥離する状態の位置に分離板37の先端を配置して分離をおこなう。これにより、定着ベルト21の円周上の分離板37の先端位置は、ニップ出口38から一定距離に配置しておくことが必要となる。
しかし、上述した加圧機構202によるニップ幅可変機能によってニップ幅及びニップ出口38位置も任意に可動する。
そのため、分離板37の位置を、定着装置13のフレームに対して固定とすると、ニップ幅を大きくした場合には、ニップ出口38を出た後にシート状媒体Pが通過する。
なお、ニップ幅はシート状媒体の種類、特に坪量に応じて変化させているものとする。また、シート状媒体の坪量が大きくなると、ニップ幅は大きくなる。シート状媒体の種類については予めテーブルとして記憶させておいてもよいし、シート状媒体の種類を検知するセンサを設けて、これによって検知させてもよい。
シート状媒体搬送経路を、分離板37の定着ローラ22側先端で塞ぐ形態になる。また、ニップ幅が小さい場合には、シート状媒体Pは、トナー画像領域により定着ベルト21に密着して分離板37の間隙に進入し易くなり、ジャム(用紙詰まり)を発生する原因となる。
なお、本実施形態では、一例として、当該小ニップ幅寸法は12mmとしている。また、このときのシート状媒体の坪量は70gとする。
上述した構成で回転移動可能な分離部材81を実装したことによって、ニップ幅可変で加圧ローラ31が加圧することで定着ローラ22側に移動する加圧ローラ軸受け部82に分離部材ブラケット84のシャフト部83を当接させ、ニップ幅を決定する加圧ローラ31の位置と同期して回転移動可能な分離部材81を定着ローラ22円周上で動作させる機構が実現される。その結果、ニップ出口38から分離部材81までの分離部材先端位置距離87は一定に保たれる。
なお、本実施形態では、一例として、当該拡大ニップ幅寸法は18mmとしている。また、このときのシート状媒体の坪量は280gとする。
回転移動可能な分離部材81は、分離部材ブラケット84のシャフト部83が加圧ローラ軸受け部82に押されて時計方向(図5における矢印方向)に回転移動する。その結果、ニップ出口38から回転移動可能な分離爪81までの分離部材先端位置距離87は一定に保たれる。上述した本実施形態では、一例として、分離部材先端位置距離87は、3±0.5mmに保たれるよう設定している。更に、本実施形態では、一例として、定着ローラ22及び加圧ローラ31の外径は、ともに80mmとしている。
また、本発明の実施形態では、分離部材駆動手段として加圧ローラ31が定着ローラ22と当接(ニップ)するとき、これに伴い分離部材81が回転する動作を用いたが、例えば、別途アクチュエータといった駆動装置を設けて分離部材81を個別に任意動作させる形態にしてもよい。
また、加圧ローラ31の円周上の分離板にも駆動モータ(図示しない)を設けて、回転させるような構成にすることで、更なる効果を得る構成にすることができる。
また、上述した構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な機構、形状等にすることができる。
2 給紙部
3 レジストローラ
4 書込み部
5Y 感光体ドラム
5M 感光体ドラム
5C 感光体ドラム
5BK 感光体ドラム
6 帯電部
7 現像部
8 転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)
9 クリーニング部
10 中間転写ベルトクリーニング部
11 中間転写ベルト
12 転写バイアスローラ(2次転写バイアスローラ)
13 定着装置
14 ポリゴンミラー
15 給紙ローラ
21 定着ベルト
22 定着ローラ
22a 芯金
22b 弾性層
23 加熱ローラ(被加熱体)
24 ヒートパイプ
25、34 ヒータ
26 オイル塗布機構
27 テンションローラ
28 分離爪
31 加圧ローラ(加圧部材)
32 芯金
33 弾性層
35 ガイド板
37 分離板
38 ニップ出口
50 レバー
51 カム
52 スプリング
80 定着ローラ軸受け
81 回転移動可能な分離部材
82 加圧ローラ軸受け部
83 シャフト部
84 分離部材ブラケット
85 小ニップ幅寸法
86 拡大ニップ幅寸法
87 分離部材先端位置距離
100 定着装置
200 定着装置
201 加圧機構
202 加圧機構
Claims (6)
- 定着部材と、加圧部材と、前記定着部材および前記加圧部材に非接触の状態で、前記定着部材が有する定着ローラの円周線上に、シート状媒体と前記定着部材とを分離する非接触分離部材とを備え、前記定着部材と前記加圧部材とによって形成されるニップ部によりシート状媒体上のトナーを熱定着し、シート状媒体を前記非接触分離部材によって分離し、更に、前記熱定着に係る熱量を適正化するために制御装置によって前記ニップ部の幅を可変する定着装置であって、
前記定着ローラの定着ローラ軸受けを中心として回転移動可能であり、前記非接触分離部材とシャフト部を設けたブラケットを設け、
前記加圧部材が有する軸受け部が、前記定着ローラ側へ移動可能であり、該移動に伴い前記ブラケットのシャフト部を押圧し、
前記軸受け部の移動に連動して、前記ブラケットに設けられた前記非接触分離部材を前記定着ローラの円周方向に移動可能であり、
前記非接触分離部材を移動させることで、前記定着部材の中心点と、前記非接触分離部材が前記シート状媒体と前記定着部材とを分離する分離点とで形成される距離を常に一定にすることを特徴とする定着装置。 - 前記加圧部材の円周線上に、前記シート状媒体と前記加圧部材とを分離する分離手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 定着部材と、加圧部材と、前記定着部材および前記加圧部材に非接触の状態で、前記定着部材が有する定着ローラの円周線上に、シート状媒体と前記定着部材とを分離する非接触分離部材とを備え、前記定着部材と前記加圧部材とによって形成されるニップ部によりシート状媒体上のトナーを熱定着し、シート状媒体を前記非接触分離部材によって分離し、更に、前記熱定着に係る熱量を適正化するために制御装置によって前記ニップ部の幅を可変する定着装置であって、
前記定着ローラの定着ローラ軸受けを中心として回転移動可能であり、前記非接触分離部材とシャフト部を設けたブラケットを設け、
前記加圧部材が有する軸受け部が、前記定着ローラ側へ移動可能であり、該移動に伴い前記ブラケットのシャフト部を押圧し、
前記軸受け部の移動に連動して、前記ブラケットに設けられた前記非接触分離部材を前記定着ローラの円周方向に移動可能であり、
前記非接触分離部材を移動させることで、前記ニップ部における非接触分離部材側の端点と、前記非接触分離部材が前記シート状媒体と前記定着部材とを分離する分離点とで形成される距離を常に一定にすることを備えることを特徴とする定着装置。 - 前記加圧部材の円周線上に、前記シート状媒体と前記加圧部材とを分離する分離手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 前記シート状媒体の種類、銘柄、または連量により、前記非接触分離部材の位置を個別に調整して設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着装置。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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