JP2009168909A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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康隆 内藤
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Abstract

【課題】腰の弱い記録部材の帯状部材からの剥離性能を維持しつつ、帯状部材が破損するのを防止する技術を提供する。
【解決手段】電磁誘導により発熱する発熱層531bを有する無端状の定着ベルト531と、定着ベルト531の内側に設けられ、記録部材Pの搬送方向において上流側と下流側で厚さが異なり、定着ベルト531を押え付けるパッド部材533と、定着ベルト531を介してパッド部材533に加圧する加圧ロール521と、パッド部材533を支持するパッド支持部材534と、パッド支持部材534を移動させる回転軸534bとを備え、回転軸534bがパッド支持部材534を移動させることにより、パッド部材533の定着ベルト531への接触状態が変更する。
【選択図】図6

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
従来の定着装置は、記録部材を加圧ロールと定着ベルトとの間に送り込み、加熱しながら挟んで搬送することにより、記録部材の表面にトナー画像を定着させている。
例えば、特許文献1には、加熱源を有する回転可能な加熱ロールと、この加熱ロールと接触しかつ加熱ロールと共に回転移動するベルトと、このベルトの内側に設けられ、ベルトの幅方向において長さが異なり、ベルトを介して加熱ロールに加圧する2種類の加圧パッドと、ベルトの幅方向において記録部材の長さに応じて長さの異なる加圧パッドを切り替える切替手段とを備え、記録部材の大きさにより、2種類の加圧パッドを使い分ける定着装置が開示されている。
特開2001−005312
本発明は、腰の弱い記録部材の帯状部材からの剥離性能を維持しつつ、帯状部材が破損するのを防止する技術を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、電磁誘導により発熱する発熱層を有する無端状の帯状部材と、前記帯状部材の内側に設けられ、記録媒体の搬送方向において上流側と下流側で厚さが異なり、前記帯状部材を押え付ける押え付け部材と、前記帯状部材を介して前記押え付け部材に加圧する加圧部材と、前記押え付け部材を支持する支持部材と、前記支持部材を移動させる移動機構とを備え、前記移動機構が前記支持部材を移動させることにより、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更することを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記記録媒体が前記帯状部材から剥離するのを補助する剥離補助部材を備え、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更するのに伴って、前記剥離補助部材の位置が変更することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更することにより、前記帯状部材と前記加圧部材との接触部分において、前記帯状部材の曲率が変化することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記加圧部材を前記帯状部材に接触させ、前記加圧部材を前記帯状部材から離間させる移動手段を備え、前記加圧部材が前記帯状部材から離間している状態において、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置と、所定の情報に基づいて、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態を変更させるための制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、記録部材の種類によって帯状部材への押し付け部材の接触状態を変えることができるため、本発明を適用しない場合と比べて、腰の弱い記録部材の帯状部材からの剥離性能を維持しつつ、帯状部材が破損するのを防止することができる。
請求項2に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合と比べて、記録部材の排出角度の変更に伴い、剥離補助部材が剥離補助に適した位置に移動するため、剥離性能を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、記録部材の種類によって帯状部材の定着部分での曲率を変えることができるため、本発明を適用しない場合と比べて、帯状部材への負荷を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合と比べて、接触状態を変更させる機構が容易となる。
請求項5に記載の発明によれば、本発明を適用しない場合と比べて、所定の時期に接触状態を変更させることができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、カラープリンタの概略構成図である。図2は、制御部の概要を示すブロック図である。
(カラープリンタの構成)
図1において、符号1は、カラープリンタ(画像形成装置)である。カラープリンタ1は、画像形成ユニット10C,10M,10Y,10K、制御部(制御手段)20、一次転写装置200、給紙装置300、二次転写装置400および定着装置500を備えている。カラープリンタ1は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色成分の重ね合わせた画像を記録部材(記録媒体)Pに印刷する。
カラープリンタ1は、C,M,Y,Kの各色ごとに、画像形成ユニット10C,10M,10Y,10Kを、一次転写装置200に沿って所定の間隔をおいて横並びに配列している。カラープリンタ1は、PC(personal computer)や画像読取装置等の図示省略した画像出力装置から所定の通信回線を経て画像データが制御部20に供給される。
制御部20は、図2に示すように、CPU(central processing unit)20aと、ROM(read only memory)20bと、RAM(random access memory)20cとを備えている。制御部20は、供給された画像データに基づき、各画像形成ユニット10C,10M,10Y,10Kに画像形成の制御指令を発する。また、制御部20はこの画像形成動作を含めて、カラープリンタ1全体の動作を制御する。
CPU20aは、定着装置500の動作を含む画像形成装置1全体の動作を制御しており、後述する動作を実行する機能を有する。ROM20bは、後述する動作を実行するための動作プログラムおよびその動作に必要なデータを記憶する。
RAM20cは、後述する動作手順の実行時において、プログラムデータや各種のデータを一時的に記憶するワーキングエリア、および後述する動作において得られる各種のデータを記憶する記憶手段として機能する。RAM20cには、不揮発性メモリも含まれており、必要なデータは、電源をOFFにしても保持される。
画像形成ユニット10C,10M,10Y,10Kは同一構成であり、制御部20から供給される画像データに応じてレーザ光を走査するレーザ光走査装置50と、このレーザ光走査装置50の下方に配置され、レーザ光走査装置50で走査されたレーザ光により静電潜像が形成される現像装置100とを有している。レーザ光走査装置50は、各色の画像データに応じて変調したレーザ光を偏向走査して、現像装置100の感光体ドラム110に照射する。
現像装置100は、レーザ光走査装置50からレーザ光の照射を受ける感光体ドラム110を有している。この感光体ドラム110は矢印A方向に回転する。感光体ドラム110の周囲には、感光体ドラム110の表面を掃除するクリーニング装置120と、感光体ドラム110の表面を帯電する帯電器130と、感光体ドラム110の表面に形成された静電潜像を現像する現像器140が、この順で矢印A方向に沿って設けられている。
この現像装置100によると、回転する感光体ドラム110が帯電器130により帯電され、その表面に、レーザ光走査装置50からレーザ光が照射され、これによって各色の画像データに応じた静電潜像が形成される。次に、静電潜像が現像器140を通過することにより現像器140から感光体ドラム110の表面にトナーが供給され、その表面に、静電潜像のみにトナーが残ってトナー像が現像される。
次に感光体ドラム110上のトナー像が、矢印B方向に循環回転している一次転写装置200の転写ベルト210上に一次転写される。一次転写後、感光体ドラム110の表面にはトナーが残存する。その残存したトナーは、クリーニング装置120により感光体ドラム110の表面から掻き落とされる。
一次転写装置200は、上記のように感光体ドラム110から転写ベルト210にトナー像を受けて一次転写のプロセスを担うものであり、各画像形成ユニット10C,10M,10Y,10Kを通過することにより、転写ベルト210上には各色のトナー像が多重転写される。転写ベルト210は、駆動ロール220、従動ロール231,232、ステアリングロール240およびバックアップロール250に、所定のテンションがかかった状態で巻回されており、駆動ロール220によって所定速度で矢印B方向に循環回転させられる。
転写ベルト210の内周側には、各画像形成ユニット10C,10M,10Y,10Kの感光体ドラム110との間に転写ベルト210を挟み、感光体ドラム110と連れ回りする一次転写ロール260が回転自在に設けられている。転写ベルト210を挟んで従動ロール232と対向する位置には、転写ベルト210の表面を掃除するベルトクリーナ270が設けられている。このベルトクリーナ270は、転写ベルト210の表面に残存したトナーを掻き落とす。
給紙装置300は、多数の記録部材Pが積載される給紙保管部310と、給紙保管部310から1枚の記録部材Pを引き出す抽出ロール320と、二次転写装置400に向けて間隔をおいて設けられた複数の搬送ロール対330と、記録部材Pの搬送方向先端を揃え、かつ、所定のタイミングで二次転写装置400に送り込むレジストロール対340とを備えており、給紙保管部310から二次転写装置400にわたって、用紙搬送路350が形成される。
二次転写装置400は、上記バックアップロール250との間に転写ベルト210を挟み、バックアップロール250との間に転写圧を発生させながら連れ回りする二次転写ロール410を備えている。二次転写装置400においては、給紙保管部310から用紙搬送路350を搬送された記録部材Pが、転写ベルト210上のトナー像とタイミングを合わせて二次転写ロール410と転写ベルト210との間に挿入され、記録部材P上にトナー像が二次転写される。二次転写された記録部材Pは、搬送ベルト420により定着装置500に送られる。
定着装置500は、加圧装置520と加熱装置530との間に記録部材Pを加熱しながら挟んで搬送することにより、記録部材P上に二次転写像を定着させる。なお、定着装置500の詳細については、後述する。
(カラープリンタの動作)
次に、カラープリンタ1の動作について説明する。カラープリンタ1は、それぞれの感光体ドラム110の表面に形成されたC,M,Y,Kの各色のトナー像を転写ベルト210に順次一次転写する。次いで、カラープリンタ1は、二次転写装置400によって転写ベルト210上の一次転写像を給紙装置300から搬送された記録部材Pに二次転写する。そして、カラープリンタ1は、記録部材Pを定着装置500に送り、二次転写像を記録部材Pに定着させ、記録部材Pを図示省略した排出部に排出する。
(定着装置の構成)
次に、定着装置500について図面を参照して説明する。図3は、定着装置の構成を示す概略構成図である。図4は、図3におけるX−X断面図である。図5は、定着ベルトの層構成を示す概略正面図である。図6は、厚紙モードにおける定着装置を示す図である。なお、図3では、後述するラッチ機構(移動手段)523、温度均一化ロール524および剥離補助部材540を省略している。
定着装置500は、図3,図4に示すように、フレーム510と、加圧装置520と、加熱装置530と、剥離補助部材540とを備えている。定着装置500は、加圧装置520と加熱装置530との間に記録部材Pを加熱しながら強く挟んで搬送することにより、記録部材P上に二次転写像を定着させる。フレーム510は、図3に示すように、箱型に形成されている。
加圧装置520は、図3に示すように、フレーム510内に設けられている。加圧装置520は、図3,図4に示すように、加圧ロール(加圧部材)521と、ばね部材522と、ラッチ機構523と、温度均一化ロール524とを設けている。加圧装置520は、加圧ロール521を加熱装置530に押し付ける。また、加圧装置520は、加圧ロール521を加熱装置530から離間させる。
加圧ロール521は、図3,図4に示すように、芯材としての金属製の軸部材521aと、軸部材521aの周囲に弾性部材521bとを備えている。加圧ロール521は、加圧ロール521の軸方向において、記録部材Pが通過する領域よりも広い領域に亘って設けられるように形成されている。加圧ロール521は、図4に示すように、断面形状が円形になるように形成されている。
加圧ロール521は、ばね部材522により軸部材521aの両端部が支持されて設けられている。加圧ロール521は、ばね部材522により加熱装置530方向(図3,図4の矢印C方向)に押し付けられている。加圧ロール521は、加圧ロール521を加熱装置530に押し付けている状態において、後述する定着ベルト(帯状部材)531の回転に伴って回転中心Oを中心にして回転する。
ラッチ機構523は、図4に示すように、加圧ロール521を加熱装置530に接触させる(図3,図4の矢印C方向)。加圧装置520では、ラッチ機構523により加圧ロール521を加熱装置530に接触させているとき、ばね部材522により加圧ロール521を加熱装置530に押し付ける状態となる。また、ラッチ機構523は、加圧ロール521を加熱装置530から離間させる(図3,図4の矢印D方向)。
温度均一化ロール524は、加圧ロール521と接触する位置に設けられている。温度均一化ロール524は、加圧ロール521と接触することで、加圧ロール521の温度が高い部分からは熱を奪う。また、温度均一化ロール524は、加圧ロール521と接触することで、加圧ロール521の温度が低い部分には熱を供給する。このように、温度均一化ロール524は、加圧ロール521の軸方向の温度分布を所定の温度分布にする。加圧ロール521の軸方向の温度分布を所定の温度分布にすることで、定着ベルト531の軸方向温度分布も所定の温度分布にすることができる。特に軸方向の幅の狭い用紙を連続して定着した時に、用紙が通紙していない領域の温度を所定温度以下に抑えることができる。
加熱装置530は、図3,図4に示すように、定着ベルト531と、エンドキャップ部材532と、パッド部材(押え付け部材)533と、パッド支持部材(支持部材)534と、電磁誘導加熱部材535と、支軸537とを備えている。加熱装置530は、記録部材Pを搬送しながら加熱する。
定着ベルト531は、図3に示すように、フレーム510内に設けられている。定着ベルト531は、無端状の周面を有するように形成されている。定着ベルト531は、図5に示すように、内周面側から順に、耐熱性の高いシート状部材からなる基層531a、発熱層531b、弾性層531cおよび外周面となる表面離型層531dなどが積層されて構成されている。基層531aは、ポリイミドにより形成されている。発熱層531bは、電磁誘導加熱部材535が誘起する磁界により誘導発熱する層である。本実施形態では、発熱層531bは、厚さ10μmの銅の層である。
エンドキャップ部材532は、図3に示すように、定着ベルト531の両端部にそれぞれ設けられている。エンドキャップ部材532は、第1円筒体532aと、第1円筒体532aとは外径が異なり内径が同程度の第2円筒体532bとを同軸に結合した部材により構成されている。エンドキャップ部材532は、第2円筒体532bが定着ベルト531の両端部の内側に嵌められて設けられている。
エンドキャップ部材532は、第2円筒体532bが定着ベルト531の内側に嵌められていることにより、定着ベルト531の両端部の断面形状が円形になるように維持している。定着ベルト531の断面形状が円形になるように維持している状態は、定着ベルト531の曲率の変化が大きい場合に比べて、発熱層531bに負荷がかからない状態である。つまり、発熱層531bは、定着ベルト531の断面形状が円形になるような状態において、負荷ができるだけかからない位置に設けられている。
第1円筒体532aおよび第2円筒体532bの内周面には、後述する支軸537に対して回転可能に結合するためのベアリングからなる軸受部532cを設けている。第1円筒体532aの外周面には、図示省略した回転駆動装置から回転駆動力が伝達されるギヤ部が設けられている。
エンドキャップ部材532は、図示省略した回転駆動装置から回転駆動力が伝達されることにより回転して、定着ベルト531を回転させる。つまり、エンドキャップ部材532から定着ベルト531に回転駆動力が伝わり、エンドキャップ部材532と定着ベルト531とが一体となって回転する。
支軸537は、図3に示すように、定着ベルト531の両端部にそれぞれ設けられている。支軸537は、フレーム510に固定されている。支軸537は、パッド支持部材534を回転可能に支持するためのベアリングからなる軸受部537aを設けている。支軸537は、固定されることにより定着ベルト531が装着されたエンドキャップ部材532およびパッド支持部材534を回転可能に支持している。
パッド部材533は、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性材料で形成されている。パッド部材533は、図3,図4に示すように、定着ベルト531の内側で、定着ベルト531を挟んで加圧ロール521と対向する位置に設けられている。パッド部材533は、定着ベルト531の幅方向において、記録部材Pが通過する領域よりも広い領域に亘って設けられるように形成されている。パッド部材533は、定着ベルト531の幅方向において全長に亘って加圧ロール521を押え付ける。
パッド部材533は、図4に示すように、記録部材Pの搬送方向(図4の矢印E方向)において上流側と下流側で厚さが異なるように形成されている。また、パッド部材533は、加圧ロール521と対抗する面が加圧ロール521と同程度の半径の円弧を有するように形成されている。つまり、パッド部材533の厚さは、記録部材Pの搬送方向(図4の矢印E方向)において上流側に比べて下流側が厚くなるように形成されている。
パッド部材533は、パッド部材533の押え付け方向とは逆方向(図3,図4の矢印C方向)に加圧ロール521から加圧される。パッド部材533は、加圧ロール521に加圧されることにより定着ベルト531を介して加圧ロール521を押え付けている。パッド部材533は、定着ベルト531を介して加圧ロール521とで記録部材Pを挟む。このように記録部材Pを挟んで、定着ベルト531が回転することで記録部材Pが搬送される。
パッド支持部材534は、定着ベルト531の幅方向に軸線を有する棒状部材である。パッド支持部材534は、図3,図4に示すように、パッド部材533を支持する支持部534aと、支持部534aの両端部から突き出た回転軸(移動機構)534bとで構成されている。回転軸534bの外周面には、移動機構の一部である図示省略した回転駆動装置から回転駆動力が伝達されるギヤ部が設けられている。
パッド支持部材533は、定着ベルト531およびパッド部材533を挟んで、加圧ロール521と対向する位置に設けられている。パッド支持部材534は、図4に示すように、パッド支持部材534の回転中心O´が記録部材Pの搬送方向(図4の矢印E方向)において加圧ロール521の回転中心Oに比べて下流側に位置するように設けられている。
パッド支持部材534は、図4に示すように、記録部材Pの搬送方向(図4の矢印E方向)において加圧ロール521の回転中心Oに比べて下流側に位置するように設けられ、パッド部材533が上流側に比べて下流側が厚くなるように形成されている。また、加圧ロール521は、円形になるように形成されている。そのため、記録部材Pの搬送方向(図4の矢印E方向)において加圧ロール521の回転中心Oの上流側の定着ベルト531の曲率に比べて、下流側(以下、出口部分という)の定着ベルト531の曲率が大きく変化する。そのため、曲率が大きく変化しない場合に比べて、記録部材Pの剥離性能を高めることができる。一方、曲率が大きく変化しない場合に比べて、定着ベルト531に負荷がかかる。
パッド支持部材534は、図6に示すように、支軸537により回転軸534bが回転可能に支持されることで、回転中心O´を中心にして回転する。つまり、回転軸534bは、図示省略した回転駆動装置から回転駆動力を伝達されることにより回転して、パッド支持部材534を回転させる。なお、作業者の手動により回転軸534bが回転する構成としても良い。
ここで、パッド支持部材534が回転する前の状態(図4に示すような状態)を以下、薄紙モードという。一方、パッド支持部材534が回転した後の状態(図6に示すような状態)を以下、厚紙モードという。
薄紙モードでは、図4に示すように、厚紙モードに比べて出口部分で定着ベルト531の曲率が大きく変化しているため、記録部材Pが矢印F方向に排出される。一方、厚紙モードでは、図6に示すように、薄紙モードに比べて出口部分で定着ベルト531の曲率が大きく変化していないため、記録部材Pが矢印G方向に排出される。そのため、厚紙モードでは、薄紙モードに比べて、排出される記録部材Pが曲がる程度が小さくなる。
パッド支持部材534は、所定の場合に回転する。パッド支持部材534が回転すると、図6に示すように、パッド部材533の厚さの厚い部分が加圧ロール521から離れる。そのため、定着ベルト531と加圧ロール521との接触部分において、定着ベルト531の曲率が変化する。つまり、厚紙モードでは、出口部分で定着ベルト531の曲率の変化が、薄紙モードに比べて、小さくなる。したがって、厚紙モードでは、図6に示すように、薄紙モードに比べて、定着ベルト531の幅方向において定着ベルト531の中央部分での断面形状が円形に近づき、定着ベルト531への負荷が低減する。
ここで、「所定の場合」としては、以下の場合などがある。第1の場合としては、薄紙モードや厚紙モードなどのモードを選択することができる設定を設けておき、作業者が操作するPC(personal computer)やユーザインタフェースなどの操作装置から厚紙モードが選択されたという情報に基づいて、制御部20が薄紙モードから厚紙モードにする。一方、薄紙モードが選択されたという情報に基づいて、制御部20が厚紙モードから薄紙モードにする。
第2の場合としては、薄紙、厚紙や封筒などの記録媒体を選択することができる設定を設けておき、作業者が操作するPC(personal computer)やユーザインタフェースなどの操作装置から厚紙または封筒が選択されたという情報に基づいて、制御部20が薄紙モードから厚紙モードにする。一方、薄紙が選択されたという情報に基づいて、制御部20が厚紙モードから薄紙モードにする。
第3の場合としては、原稿の情報を読み取る画像読取装置を設けておき、記録部材Pの搬送方向において記録部材Pの先端から50mm以内の印刷可能な範囲の10%以上に、2色以上の画像が形成されるという画像読取装置からの情報に基づいて、制御部20が薄紙モードから厚紙モードにする。一方、それ以外の情報に基づいて、制御部20が厚紙モードから薄紙モードにする。
第4の場合としては、原稿の情報を読み取る画像読取装置を設けておき、記録部材Pの搬送方向において記録部材Pの先端から所定範囲に定着させられるトナー量が少ないという画像読取装置からの情報に基づいて、制御部20が薄紙モードから厚紙モードにする。一方、トナー量が多いという画像読取装置からの情報に基づいて、制御部20が厚紙モードから薄紙モードにする。
第1〜4の場合のいずれか1つの場合に加えて、ラッチ機構523に図示省略したセンサーを設けておき、加圧ロール521が定着ベルト531から離間している状態を示すセンサーからの情報がある場合に、制御部20が薄紙モードから厚紙モードまたは厚紙モードから薄紙モードにする。このように加圧ロール521が定着ベルト531から離間している状態において、薄紙モードから厚紙モードまたは厚紙モードから薄紙モードにすると、例えば、移動機構にモーターを使用した場合に、モーターのトルクを小さくすることができる。
ここで、厚紙や封筒は、薄紙に比べて、定着ベルト531から剥離しやすい。したがって、厚紙や封筒は、薄紙に比べて、出口部分で定着ベルト531の曲率を大きく変化させる必要性が少ない。また、記録部材Pに定着するトナーの量が少ない場合は、トナー量が多い場合に比べて、定着ベルト531から剥離しやすい。したがって、トナーの量が少ない場合は、トナー量が多い場合に比べて、出口部分で定着ベルト531の曲率を大きく変化させる必要性が少ない。そのため、出口部分で定着ベルト531の曲率を大きく変化させる必要性が少ない場合には、定着ベルト531により負荷のかからない状態とする。
電磁誘導加熱部材535は、図3,図4に示すように、定着ベルト531の幅方向で定着ベルト531の外周面に沿うように形成されるとともに、定着ベルト531とは所定の間隙を有するように設けられている。電磁誘導加熱部材535は、定着ベルト531が電磁誘導加熱部材535と対向する加熱領域を通過することで、電磁誘導により定着ベルト531を発熱させる。
剥離補助部材540は、図3に示すように、記録部材Pの搬送方向(図4の矢印E方向)において、出口部分の下流側に設けられている。剥離補助部材540は、二次転写像の定着後の記録部材Pを定着ベルト531から剥離するのを補助する。剥離補助部材540は、剥離補助部材540の両端がパッド支持部材534の回転軸534bに固定されている。そのため、剥離補助部材540は、回転軸534bの回転に伴って移動する。つまり、パッド部材533の定着ベルト531への接触状態が変更するのに伴って、剥離補助部材540の位置が変更する。そのため、位置が変更しない場合に比べて、記録部材Pを定着ベルト531から剥離するのを補助するのにより良い位置に移動する。
(定着装置の動作)
次に、定着装置500の動作について図面を参照して説明する。
まず、記録部材Pが薄紙などの場合の動作について説明する。ラッチ機構523を動作することにより、加圧ロール521が定着ベルト531から離れた位置に移動する。この状態で、図示省略した駆動装置を駆動させることにより、定着ベルト531が回転する。また、この状態で、電磁誘導加熱部材535が動作して、電磁誘導により定着ベルト531が発熱する。これにより、定着ベルト531が所定の温度まで加熱するためのウォームアップ動作が実行される。さらに、所定の情報に基づいて、制御部20が薄紙モードにする。
薄紙モードにして定着ベルト531が所定の温度に加熱された後、ラッチ機構523を動作することにより、加圧ロール521が定着ベルト531に接触する。このとき、図4に示すように、加圧ロール521が加圧している状態となる。
そして、加圧ロール521が定着ベルト531に接触した後、未定着の転写像を転写された記録部材Pが加圧ロール521と定着ベルト531との間に送り込まれる。このとき、記録部材Pが加熱および加圧されて、二次転写像が記録部材P上に定着する。その後、記録部材Pは、定着ベルト531から剥離され、または剥離補助部材540により定着ベルト531から剥離されて、図4の矢印F方向に排出される。
次に、記録部材Pが封筒や厚紙などの場合の動作について説明する。ラッチ機構523を動作することにより、加圧ロール521が定着ベルト531から離れた位置に移動する。この状態で、ウォームアップ動作が実行される。さらに、所定の情報に基づいて、制御部20が薄紙モードから厚紙モードにする。このとき、薄紙モードから厚紙モードにするのに伴って、剥離補助部材540が移動する。
厚紙モードにして定着ベルト531が所定の温度に加熱された後、ラッチ機構523を動作することにより、加圧ロール521が定着ベルト531に接触する。このとき、図6に示すように、加圧ロール521が加圧している状態となる。
そして、加圧ロール521が定着ベルト531に接触した後、未定着の転写像を転写された記録部材Pが加圧ロール521と定着ベルト531との間に送り込まれる。このとき、記録部材Pが加熱および加圧されて、二次転写像が記録部材P上に定着する。その後、記録部材Pは、定着ベルト531から剥離され、または剥離補助部材540により定着ベルト531から剥離されて、図6の矢印G方向に排出される。
本発明は、定着装置やカラープリンタ、FAX、カラー複写機、これらの機能を備えた装置などの画像形成装置に利用することができる。
カラープリンタの概略構成図である。 制御部の概要を示すブロック図である。 定着装置の構成を示す概略構成図である。 図3におけるX−X断面図である。 定着ベルトの層構成を示す概略正面図である。 厚紙モードにおける定着装置を示す図である。
符号の説明
1…カラープリンタ、20…制御部、500…定着装置、521…加圧ロール、523…ラッチ機構、531…定着ベルト、531b…発熱層、533…パッド部材、534…パッド支持部材、534b…回転軸、540…剥離補助部材、P…記録部材。

Claims (5)

  1. 電磁誘導により発熱する発熱層を有する無端状の帯状部材と、
    前記帯状部材の内側に設けられ、記録媒体の搬送方向において上流側と下流側で厚さが異なり、前記帯状部材を押え付ける押え付け部材と、
    前記帯状部材を介して前記押え付け部材に加圧する加圧部材と、
    前記押え付け部材を支持する支持部材と、
    前記支持部材を移動させる移動機構とを備え、
    前記移動機構が前記支持部材を移動させることにより、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更することを特徴とする定着装置。
  2. 前記記録媒体が前記帯状部材から剥離するのを補助する剥離補助部材を備え、
    前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更するのに伴って、前記剥離補助部材の位置が変更することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更することにより、前記帯状部材と前記加圧部材との接触部分において、前記帯状部材の曲率が変化することを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記加圧部材を前記帯状部材に接触させ、前記加圧部材を前記帯状部材から離間させる移動手段を備え、
    前記加圧部材が前記帯状部材から離間している状態において、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態が変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置と、
    所定の情報に基づいて、前記押え付け部材の前記帯状部材への接触状態を変更させるための制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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