JP2016180930A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることのできる定着装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 本発明に係る定着装置は,先端定着温度を指標する先端定着値を出力する先端定着値出力部と,先端分離温度を指標する先端分離値を出力する先端分離値出力部とを有する。先端定着値出力部および先端分離値出力部はともに,シートの先端領域のトナー像におけるトナーの付着量である先端トナー値が高いほど,高い値を出力する。そして,制御部は,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの先端設定温度が,先端定着温度以上になるようにしつつ,先端定着値が先端分離値よりも低いときには,先端設定温度が,先端分離温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する分離制御を行う。
【選択図】図6

Description

本発明は,定着装置および画像形成装置に関する。さらに詳細には,未定着トナーを担持するシートにトナー像を定着させる定着装置およびその定着装置を有する画像形成装置に関する。
従来より,複写機やプリンター,ファクシミリ,またはこれらの機能を複合的に備える複合機等の画像形成装置では,シート上に転写されたトナー像を定着装置によって定着させることにより,シートに画像を形成している。定着装置は,一対の定着部材の間に形成された定着ニップにシートを通過させつつ,その通過中のシートを加熱する定着処理により,シート上のトナー像を定着させる。
ここで,定着処理時には,シートのトナー像の担持する側の面が,定着ニップを通過した後にも定着装置より分離せず,定着装置に張り付いたままとなる分離不良が生じることがある。この分離不良は,シートの先端側に担持されているトナーの付着量が多い場合に生じやすい傾向がある。
例えば,特許文献1には,シートに転写されるトナー像の先端側と後端側とのトナーの付着を比較し,シートの先端側よりも後端側に転写されるトナーの量が少ない場合,トナー像の先端側と後端側とを反転させて画像形成を行う画像形成装置が記載されている。これにより,トナー像のトナーの付着量が少ない側をシートの先端側に転写することができ,分離不良を抑制することができるとされている。
特開2008−107658号公報
しかしながら,上記した従来技術では,シートの定着装置からの分離不良を抑制するために,シートに形成される画像に影響を及ぼしてしまうという問題があった。すなわち,画像形成装置より出力されたシートにおける画像の向きが,先端側と後端側とで入れ替わることがある。そして,画像形成装置より出力される複数のシートごとに画像の向きが異なる場合,シートに形成された画像の向きを揃える必要がある。これにより,ユーザーの手間がかかってしまうということがあった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点の解決を目的としてなされたものである。すなわちその課題とするところは,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることのできる定着装置および画像形成装置を提供することである。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の一態様における定着装置は,未定着トナーを担持するシートを,一対の定着部材の定着ニップに通すことで,トナー像をシート上に定着する定着処理を行う定着装置であって,定着処理時には,一対の定着部材の少なくとも一方を加熱する加熱源と,シートの搬送方向の先端を含むとともに先端から搬送方向の後方側に予め定めた長さの領域である先端領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端トナー値を出力する先端トナー値出力部と,シートの先端領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な先端定着温度を指標する先端定着値を,先端トナー値に応じて出力するとともに,先端トナー値が高いほど先端定着値の値を高くする先端定着値出力部と,シートの先端領域が定着ニップを通過するとともに一対の定着部材から分離するのに必要な先端分離温度を指標する先端分離値を,先端トナー値に応じて出力するとともに,先端トナー値が高いほど先端分離値の値を高くする先端分離値出力部と,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの先端設定温度が,先端定着温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する制御部とを有し,制御部は,先端定着値が先端分離値よりも低いときには,先端設定温度が,先端分離温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する分離制御を行うものであることを特徴とする定着装置である。
この定着装置の制御部は,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの先端設定温度が,先端定着温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する。このため,シートの先端領域に担持されたトナー像の定着不良を抑制することができる。また,先端定着値が先端分離値よりも低いときには,先端設定温度が,先端分離温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する分離制御を行う。トナーは,加熱により受ける熱量が多いほど,定着部材から分離しやすくなる傾向にある。これにより,シートの先端領域が,定着部材に張り付いてしまう分離不良を抑制することができる。また,先端領域が適切に分離したシートは,先端領域よりも後方側についても適切に分離する。よって,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることができる。
また,本発明の他の態様における定着装置は,未定着トナーを担持するシートを,一対の定着部材の定着ニップに通すことで,トナー像をシート上に定着する定着処理を行う定着装置であって,定着処理時には,一対の定着部材の少なくとも一方を加熱する加熱源と,定着処理時には,一対の定着部材の少なくとも一方を他方へ向けて押圧する押圧部と,シートの搬送方向の先端を含むとともに先端から搬送方向の後方側に予め定めた長さの領域である先端領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端トナー値を出力する先端トナー値出力部と,シートの先端領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な先端定着温度を指標する先端定着値を,先端トナー値に応じて出力するとともに,先端トナー値が高いほど先端定着値の値を高くする先端定着値出力部と,シートの先端領域が定着ニップを通過するとともに一対の定着部材から分離するのに必要な先端分離温度を指標する先端分離値を,先端トナー値に応じて出力するとともに,先端トナー値が高いほど先端分離値の値を高くする先端分離値出力部と,押圧部による押圧力を制御するとともに,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの先端設定温度が,先端定着温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する制御部とを有し,制御部は,先端定着値が先端分離値よりも低いときには,高いときよりも,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の押圧部による押圧力を大きくする分離制御を行うものであることを特徴とする定着装置である。
この定着装置の制御部は,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの先端設定温度が,先端定着温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する。このため,シートの先端領域に担持されたトナー像の定着不良を抑制することができる。また,先端定着値が先端分離値よりも低いときには,高いときよりも,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の押圧部による押圧力を大きくする分離制御を行う。シートは,定着ニップにおける押圧力が大きいほど,定着部材から分離しやすくなる傾向にある。これにより,シートの先端領域が,定着部材に張り付いてしまう分離不良を抑制することができる。また,先端領域が適切に分離したシートは,先端領域よりも後方側についても適切に分離する。よって,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることができる。
また,本発明の他の態様における定着装置は,未定着トナーを担持するシートを,一対の定着部材の定着ニップに通すことで,トナー像をシート上に定着する定着処理を行う定着装置であって,定着処理時には,一対の定着部材の少なくとも一方を加熱する加熱源と,定着処理時には,一対の定着部材が互いに順方向周りに回転するように回転駆動を行う駆動部と,シートの搬送方向の先端を含むとともに先端から搬送方向の後方側に予め定めた長さの領域である先端領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端トナー値を出力する先端トナー値出力部と,シートの先端領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な先端定着温度を指標する先端定着値を,先端トナー値に応じて出力するとともに,先端トナー値が高いほど先端定着値の値を高くする先端定着値出力部と,シートの先端領域が定着ニップを通過するとともに一対の定着部材から分離するのに必要な先端分離温度を指標する先端分離値を,先端トナー値に応じて出力するとともに,先端トナー値が高いほど先端分離値の値を高くする先端分離値出力部と,駆動部による一対の定着部材の回転駆動の速度を制御するとともに,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの先端設定温度が,先端定着温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する制御部とを有し,制御部は,先端定着値が先端分離値よりも低いときには,高いときよりも,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の一対の定着部材の回転速度を遅くする分離制御を行うものであることを特徴とする定着装置である。
この定着装置の制御部は,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの先端設定温度が,先端定着温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御する。このため,シートの先端領域に担持されたトナー像の定着不良を抑制することができる。また,先端定着値が先端分離値よりも低いときには,高いときよりも,シートの先端領域が定着ニップを通過している間の一対の定着部材の回転速度を遅くする分離制御を行う。トナーは,定着ニップを通過する時間が長いほど,加熱される時間が長くなる。そして,トナーは,加熱により受ける熱量が多いほど,定着部材から分離しやすくなる傾向にある。これにより,シートの先端領域が,定着部材に張り付いてしまう分離不良を抑制することができる。また,先端領域が適切に分離したシートは,先端領域よりも後方側についても適切に分離する。よって,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることができる。
また,上記に記載の定着装置において,先端トナー値出力部は,シートの先端領域を分割した複数の分割領域ごとに担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端分割トナー値を取得し,複数の分割領域ごとの先端分割トナー値を代表する代表値を,先端トナー値として出力するものとしてもよい。
また,上記に記載の定着装置において,先端トナー値出力部は,先端トナー値を,シートの先端領域を搬送方向に分割した複数の分割領域ごとに出力するものであり,先端定着値出力部は,複数の分割領域ごとに先端定着値を出力するものであり,先端分離値出力部は,複数の分割領域ごとに先端分離値を出力するものであり,制御部は,複数の分割領域ごとに分離制御を行うものであることが好ましい。シートの先端領域を,より確実に定着部材から分離させることができるからである。
また,上記に記載の定着装置において,先端定着値出力部は,シートが坪量の低いものであるほど,先端定着値として低い値を出力するものであることが好ましい。トナー像をシート上に定着させるのに必要な温度は,シートの坪量が低いほど,低くて済むからである。つまり,加熱に伴う消費電力を低減できるからである。
また,上記に記載の定着装置において,先端分離値出力部は,シートが坪量の高いものであるほど,先端分離値として低い値を出力するものであることが好ましい。シートは,坪量が高いものほど,剛性が高く,定着部材からの剥離力が強いからである。つまり,加熱に伴う消費電力を低減できるからである。
また,上記に記載の定着装置において,シートの先端領域よりも後方側に予め定めた後方領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する後方トナー値を出力する後方トナー値出力部と,シートの後方領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な後方定着温度を指標する後方定着値を,後方トナー値に応じて出力するとともに,後方トナー値が高いほど後方定着値の値を高くする後方定着値出力部とを有し,制御部は,シートの後方領域が定着ニップを通過している間の定着ニップの後方設定温度が,後方定着温度以上になるように加熱源による加熱温度を制御するものであることが好ましい。シートの後方領域についても,トナー像の定着不良を抑制することができるからである。
また,上記に記載の定着装置において,制御部は,連続して定着ニップに通す第1のシートおよび第1のシートの次の第2のシートについて,第2のシートの先端設定温度が,第1のシートの後方設定温度よりも高いときには,第1のシートの後方領域が定着ニップを通過中であっても,定着ニップの温度を,第1のシートの後方設定温度よりも高い温度に上昇させることがあるものであることが好ましい。第1のシートと第2のシートとの紙間を長くとることなどにより,生産性を低下させてしまうことがないからである。
また,上記に記載の定着装置において,シートの先端領域の搬送方向の長さが,定着ニップのシートの搬送方向における長さ以上,シートの搬送方向の長さの1/4の長さ以下の範囲内であることが好ましい。シートの先端領域の長さを定着ニップの長さ以上とすることで,シートの先端を定着部材から確実に分離させることができるからである。また,先端領域の長さを長くし過ぎた場合には,その長くし過ぎた分,分離制御における消費電力が多くなってしまうからである。
また,本発明は,シートを搬送する搬送部と,シートにトナー像を転写する画像形成部と,シートの搬送方向について画像形成部よりも下流に設けられ,上記に記載の定着装置とを有することを特徴とする画像形成装置にもおよぶ。
本発明によれば,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることのできる定着装置および画像形成装置が提供されている。
実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 実施形態に係る定着装置を説明するためのである。 実施形態に係る画像形成装置の制御構成の概略図である。 定着温度テーブルを示す図である。 分離温度テーブルを示す図である。 定着ニップの設定温度を定める手順を示すフローチャートである。 第1の形態に係る定着ニップの設定温度の一例を示す図である。 第1の形態に係る定着ニップの設定温度の図7とは異なる例を示す図である。 第2の形態に係る定着ニップの設定温度の一例を示す図である。 連続印刷における温度上昇のタイミングを定める手順を示すフローチャートである。 第3の形態に係る連続印刷における定着ニップの設定温度の一例を示す図である。
以下,本発明を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,電子写真方式のプリンターにおいて本発明を具体化したものである。
[第1の形態]
図1に,本形態の画像形成装置1の概略構成を示す。画像形成装置1は,中間転写ベルト30を有する,いわゆるタンデム方式のカラープリンターである。中間転写ベルト30は導電性を有する無端状のベルト部材であり,その図1中両端部がローラー31,32によって支持されている。画像形成時には,図1中右側のローラー31が反時計回りに回転駆動される。これにより,中間転写ベルト30および図1中左側のローラー32はそれぞれ,図中に矢印で示す方向に従動回転する。
中間転写ベルト30のうち,図1中右側のローラー31に支持されている部分の外周面には,2次転写ローラー40が設けられている。2次転写ローラー40は,中間転写ベルト30へ向けて軸と垂直の方向(図1中左向き)に圧接されている。中間転写ベルト30と2次転写ローラー40とが接触している部分には,中間転写ベルト30上のトナー像を用紙Pに転写させる転写ニップN1が形成されている。2次転写ローラー40は,画像形成時には,回転する中間転写ベルト30への圧接による摩擦力によって従動回転する。
また,中間転写ベルト30のうち,図1中左側のローラー32に支持されている部分の外周面には,ベルトクリーナー41が設けられている。ベルトクリーナー41は中間転写ベルト30の外周面に圧接されている。また,その圧接によって接触している部分により,転写ニップN1において用紙Pに転写されなかった転写残トナーなどを回収する回収領域42が形成されている。
中間転写ベルト30の図1中下部には左から右に向かって順に,イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kが配置されている。画像形成部10Y,10M,10C,10Kはいずれも,該当色のトナー像を形成して中間転写ベルト30上に転写するためのものである。画像形成部10Y,10M,10C,10Kはいずれも,その構成は同じである。このため,図1では,画像形成部10Yによって代表して符号をつけている。
画像形成部10Y,10M,10C,10Kは,円筒状の静電潜像担持体である感光体11,および,その周囲に配置された帯電器12,現像装置14,および感光体クリーナー16を有している。また,感光体11と中間転写ベルト30を挟んで対向する位置には,1次転写ローラー15が配置されている。さらに,各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kの図1中下方には,露光装置13が配置されている。帯電器12は,感光体11の表面を均一に帯電させるためのものである。露光装置13は,画像データに基づいたレーザー光を各感光体11の表面に照射させ,静電潜像を形成するためのものである。現像装置14は,収容しているトナーを感光体11の表面に付与するためのものである。
1次転写ローラー15は,中間転写ベルト30へ向けて軸と垂直の方向(図1中下向き)に圧接されている。この圧接により,中間転写ベルト30と各感光体11とが接触している部分にはそれぞれ,各色の感光体11上のトナー像を中間転写ベルト30上に転写させる1次転写ニップが形成されている。感光体クリーナー16は,感光体11上から中間転写ベルト30上に転写されなかったトナーを回収するためのものである。
なお,図1では,帯電器12としてローラー形状をしたローラー帯電方式のものを示しているが,本発明はこれに限るものではない。コロナ放電方式の帯電チャージャー,ブレード状の帯電部材,またはブラシ状の帯電部材等を用いても良い。また,感光体クリーナー16として,板状でその一端部が感光体11の外周面に接触しているものを示しているが,本発明はこれに限るものではない。その他のクリーニング部材,例えば固定ブラシ,回転ブラシ,ローラーまたはそれらのうちの複数の部材を組み合わせたものを使用することができる。あるいは,感光体11上の未転写トナーを現像装置14により回収するクリーナーレス方式を採用すれば,感光体クリーナー16はなくてもよい。
また,中間転写ベルト30の図1中上方には,各色のトナーを収容したホッパー17Y,17M,17C,17Kが配置されている。これらに収容されている各色のトナーはそれぞれ,該当色の現像装置14へと適宜補給される。
中間転写ベルト30の回転方向における画像形成部10Kの下流側であって転写ニップN1の上流側の位置には,中間転写ベルト30上に転写されたトナー像の像濃度を検出するための濃度センサー20が設けられている。濃度センサー20は,中間転写ベルト30の外周面を検出位置としている。濃度センサー20は,例えば画像濃度の調整に用いられる,検出位置に向かって光を照射する投光部とその反射光を受光する受光部とを有するものである。
画像形成装置1の下部には,着脱可能な給紙カセット51が装着されている。給紙カセット51の図1中右側より上方に向かっては,搬送経路50が設けられている。そして,給紙カセット51に積載により収容された用紙Pは,その最上部のものより1枚ずつ給紙ローラー52によって搬送経路50に送り出されるようになっている。また,本形態の画像形成装置1は,紙種入力部56を有している。紙種入力部56は,ユーザーが,給紙カセット51に収容されている用紙Pの種類を入力するためのものである。
また,給紙ローラー52により送り出された用紙Pの搬送経路50には,1対のレジストローラー53,転写ニップN1,定着装置60,排紙ローラー54がこの順で配置されている。搬送経路50のさらに下流側である画像形成装置1の上面には,排紙部55が設けられている。レジストローラー53は,用紙Pを転写ニップN1へ送り出すタイミングを調整するためのものである。定着装置60は,定着ニップN2において用紙Pを加熱しつつ加圧することにより,用紙Pに転写されたトナー像の定着処理を行うためのものである。
図2に,本形態の定着装置60を示す。定着装置60は,図2に示すように,加圧ローラー61,定着ローラー62,加熱ローラー63,定着ベルト64を有している。このうち,定着ローラー62,加熱ローラー63,定着ベルト64は,用紙Pのトナー像を坦持している面の側に配置されている。
図2に示すように,定着ローラー62と加熱ローラー63とには,定着ベルト64が巻き掛けられている。また,加圧ローラー61と定着ローラー62とは,定着ベルト64を挟んで対向に配置されている。また,加圧ローラー61は,押圧部67により,定着ローラー62に向けて押し付けられている。これにより,加圧ローラー61は,定着ベルト64の外周面に圧接されている。そして,その加圧ローラー61と定着ベルト64との圧接箇所に,定着ニップN2が形成されている。
加圧ローラー61および定着ローラー62は,例えば,芯金と,その外周を覆う弾性層とを有するものである。加熱ローラー63は,芯金と,その内部に配置された加熱ヒーター65とを有している。定着ベルト64は,定着ローラー62と加熱ローラー63とに張架された無端状ベルト部材である。定着ベルト64は,最内周に位置する基層と,最外周に位置する表層と,基層と表層との間に位置する弾性層とを有している。定着ベルト64の表層は,例えばフッ素樹脂であり,離形性の高いものである。
定着ローラー62は,定着処理の実行時には,駆動部66により,図2中に矢印で示すように反時計回りに駆動される。この定着ローラー62の回転により,加圧ローラー61,加熱ローラー63および定着ベルト64はそれぞれ,図2中に矢印で示す向きに従動回転される。
また,定着処理の実行時には,加熱ヒーター65は,加熱ローラー63を加熱することにより,定着ベルト64の温度を上昇させることができる。つまり,定着処理の実行時には,定着ニップN2が所定の温度にまで加熱される。これにより,用紙Pは,定着ニップN2を通過する際には,加熱されつつ加圧される。この定着ニップN2における定着処理により,用紙Pには,転写ニップN1において転写されたトナー像が定着される。
また,定着ベルト64の定着ニップN2の出口部分は,加圧ローラー61による圧接により,曲率半径が小さくされている。そして,曲率半径の小さい定着ベルト64の定着ニップN2の出口部分において,定着ニップN2を通過した用紙Pの搬送方向の先端は,自身の剛性によって定着ベルト64から分離する。そして,定着ベルト64から分離した用紙Pは,搬送経路50の下流へと搬送されるように構成されている。
次に,本形態の画像形成装置1による,通常の画像形成動作の一例について簡単に説明する。以下の説明は,給紙カセット51に収容されている用紙Pに,4色のトナーを用いてカラー画像を形成する場合における画像形成動作の一例である。
カラー画像の形成時には,まず,中間転写ベルト30および各色の感光体11はそれぞれ,図1に矢印で示す向きに所定の周速度で回転される。そして,感光体11の外周面は,帯電器12によりほぼ一様に帯電される。帯電された感光体11の外周面には,露光装置13によって画像データに応じた光が投射され,静電潜像が形成される。続いて,静電潜像は現像装置14によって現像され,感光体11上にはトナー像が形成される。
各感光体11上に形成されたトナー像は,1次転写ローラー15によって中間転写ベルト30上に転写(1次転写)される。これにより,中間転写ベルト30上には,イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのトナー像がこの順で重ね合わされる。そして,重ね合わされた4色のトナー像は,中間転写ベルト30の回転によって転写ニップN1に搬送される。また,中間転写ベルト30に転写されず,1次転写ローラー15を過ぎた後も感光体11上に残留している転写残トナーは,感光体クリーナー16によって掻き取られ,感光体11上から除去される。
一方,給紙カセット51に収容されている用紙Pは,最上部のものから1枚ずつ搬送経路50に引き出される。引き出された用紙Pは,搬送経路50に沿って転写ニップN1に搬送される。用紙Pの転写ニップN1への突入タイミングは,中間転写ベルト30上のトナー像の転写ニップN1への突入タイミングと一致するように,レジストローラー53によって調整される。これにより,転写ニップN1において,重ね合わされた4色のトナー像が用紙Pに転写(2次転写)される。
トナー像が転写された用紙Pは,さらに搬送経路50の下流側へと搬送される。つまり,用紙Pは,定着装置60によってトナー像が定着された後,排紙ローラー54によって排紙部55に排出される。なお,転写ニップN1を通過した後も中間転写ベルト30上に残留する転写残トナーは,回収領域42においてベルトクリーナー41によって回収される。これにより,中間転写ベルト30上から除去される。
図3に,画像形成装置1の制御構成の概略を示す。画像形成装置1は,各部の制御を行うために,エンジン部70とコントローラー部71とを有している。エンジン部70は,全体の制御処理を行うCPU80と,本体に付属されている不揮発性メモリ90とを有している。
不揮発性メモリ90には,画像形成装置1の画像形成などを行うための各種の値が記憶されている。例えば,用紙Pや形成されたトナー像を搬送する速度であるシステム速度などの値が記憶されている。また,本形態の不揮発性メモリ90は,定着温度記憶部91および分離温度記憶部92を有している。定着温度記憶部91には,図4に示す定着温度テーブルが記憶されている。また,分離温度記憶部92には,図5に示す分離温度テーブルが記憶されている。定着温度テーブルおよび分離温度テーブルについては後述する。
CPU80は,不揮発性メモリ90に記憶されている値に基づいて,画像形成装置1の各部を制御する。例えば,各露光装置13による静電潜像の形成開始のタイミングを調整することにより,中間転写ベルト30上にズレのないカラートナー像を形成する。また画像形成部10Y,10M,10C,10Kにより画像を形成するタイミングと,給紙カセット51から用紙Pを給紙するタイミングとを調整することにより,これらの転写ニップN1への突入タイミングが合うように制御する。また,CPU80は,加熱ヒーター65による加熱温度,駆動部66による定着ローラー62の回転駆動の速度,押圧部67による押圧力なども制御することができる。
また,CPU80は,定着温度出力部81および分離温度出力部82を有している。本形態の定着温度出力部81は,定着温度記憶部91に記憶されている定着温度テーブルに基づいて,トナー像を用紙Pに定着させるのに必要な温度である定着温度を出力することができるものである。また,本形態の分離温度出力部82は,分離温度記憶部92に記憶されている分離温度テーブルに基づいて,定着ベルト64より用紙Pが適切に分離する分離温度を出力することができるものである。そして,本形態のCPU80は,定着温度出力部81より出力された定着温度および分離温度出力部82より出力された分離温度に基づいて,用紙Pが定着ニップN2を通過する間の定着ニップN2の設定温度を決定する。これら,定着温度や分離温度,定着ニップN2の設定温度などについては,後に詳述する。
またエンジン部70は,画像形成装置1に含まれている各種ユニット72を制御するとともに,各種ユニット付属の不揮発性メモリ73の書き込みや読み出しを行う。各種ユニット72には例えば,イメージングユニットが含まれる。そして,各種ユニット付属の不揮発性メモリ73について,例えばイメージングユニットに付属のメモリには,そのイメージングユニットにより画像形成がなされた枚数などが記憶されている。
コントローラー部71は,外部のパソコンなどに接続されて指示入力を受けるものである。例えば,画像形成指令をパソコンから受信することにより,画像形成装置1には画像形成ジョブが発生する。さらに,エンジン部70とコントローラー部71とで,ドットカウンタ値などの各種の情報がやりとりされる。
次に,定着温度記憶部91に記憶されている定着温度テーブル,定着温度出力部81より出力される定着温度について説明する。図4の定着温度テーブルは,定着装置60において,用紙Pに担持されるトナー像を用紙Pに適切に定着させることができるように予め定められた温度である定着温度が示されたものである。図4に示すように,定着温度テーブルには,定着温度と,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度と,用紙Pの坪量との関係が示されている。すなわち,定着温度テーブルには,定着温度が,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度および用紙Pの坪量ごとに示されている。
つまり,定着温度テーブルは,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度と用紙Pの坪量ごとに,トナー像を用紙Pに適切に定着させるために必要な定着温度が示されたものである。例えば,本形態の定着温度テーブルにおいて,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度が低であり,さらに,用紙Pの坪量が低である場合,定着温度は160℃である。そして,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度が低であり,用紙Pの坪量が低である場合には,160℃以上の温度で定着処理を行うことにより,トナー像を用紙Pに適切に定着させることができる。定着温度テーブルは,例えば,定着装置60を用いた実験などにより,予め取得されたものである。
また,図4の定着温度テーブルにおいて,定着温度は,トナー濃度が高いほど,高い温度となっている。用紙Pが担持するトナー像を用紙Pに良好に定着させるためには,用紙Pが担持するトナー像におけるトナーの付着量であるトナー濃度に応じて,トナー像を担持した用紙Pを適切に加熱する必要がある。加熱による熱量が不足している場合には,トナーを適切に溶融させることができず,トナー像の定着不良が生じることがあるからである。すなわち,良好な定着処理を行うためには,用紙Pが通過する間の定着ニップN2の温度を,トナー像におけるトナー濃度が高いほど,高くする必要があるからである。
また,図4の定着温度テーブルにおいて,定着温度は,坪量が低いほど,低い温度となっている。定着ニップN2を通過する用紙Pが定着装置60より奪う熱量は,坪量が高い用紙Pほど,多くなる。このため,良好な定着処理を行うためには,用紙Pの坪量が高いほど,定着ニップN2の温度が高いことが好ましいからである。さらに,坪量が低い用紙Pについては,温度が低くても,良好な定着処理を行うことができるからである。
また,本形態の定着温度出力部81は,CPU80より,画像形成のジョブに係る画像パターンのデータより算出された,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度を取得することができる。さらに,ユーザーが紙種入力部56により入力する用紙Pの種類より,用紙Pの坪量を取得することができる。よって,定着温度出力部81は,取得した用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度および用紙Pの坪量により,定着温度記憶部91に記憶されている定着温度テーブルを参照することで,定着温度を決定することができる。そして,定着温度出力部81は,決定した定着温度を,出力することができる。
また,本形態の定着温度出力部81は,用紙Pを搬送方向について2分割した第1領域X1と第2領域X2とについてそれぞれ,定着温度を決定し,出力するものである。そのため,本形態のCPU80は,形成される画像パターンにおけるトナー濃度を,第1領域X1および第2領域X2のそれぞれについて算出する。さらに,定着温度出力部81は,第1領域X1および第2領域X2のトナー濃度により,それぞれ第1領域X1および第2領域X2の定着温度を決定することができるものである。
なお,トナー濃度は,第1領域X1および第2領域X2のそれぞれにおいて,必ずしも一様に等しい訳ではない。このため,本形態のCPU80は,第1領域X1および第2領域X2のトナー濃度として,それぞれ代表値を用いる。本形態のCPU80は,第1領域X1および第2領域X2のトナー濃度の代表値として,各領域における画像パターンより算出したトナー濃度の平均値を用いる。すなわち,例えば,第1領域X1のトナー濃度については,第1領域X1をさらに複数分割した各領域のトナー濃度の平均をとることにより算出することができる。
そして,本形態の定着装置60においては,定着温度出力部81により決定された定着温度以上の温度で定着処理を行うことで,トナー像の定着不良を抑制することができる。すなわち,用紙Pが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度を定着温度出力部81により決定された定着温度以上とすることにより,用紙Pに担持されたトナー像を,適切に用紙Pに定着させることができる。
次に,分離温度記憶部92に記憶されている分離温度テーブル,分離温度出力部82より出力される分離温度について説明する。図5の分離温度テーブルは,定着装置60において,定着ニップN2を通過した用紙Pを,定着ベルト64より適切に分離させることができるように予め定められた分離温度が示されたものである。図5に示すように,分離温度テーブルには,分離温度と,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度と,用紙Pの坪量との関係が示されている。すなわち,分離温度テーブルには,分離温度が,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度および用紙Pの坪量ごとに示されている。
そして,分離温度テーブルは,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度と用紙Pの坪量ごとに,定着ニップN2を通過した用紙Pを定着ベルト64より適切に分離させるのに必要な分離温度が示されたものである。例えば,本形態の分離温度テーブルにおいて,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度が低であり,さらに,用紙Pの坪量が低である場合,分離温度は170℃である。そして,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度が低であり,用紙Pの坪量が低である場合には,170℃以上の温度で定着処理を行うことにより,定着ニップN2を通過した用紙Pを定着ベルト64より適切に分離させることができる。分離温度テーブルは,例えば,定着装置60を用いた実験などにより,予め取得されたものである。
また,図5の分離温度テーブルにおいて,分離温度は,トナー濃度が高いほど,高い温度となっている。トナーには,その粒子の内部にワックスが内包されている。トナー粒子内部のワックスは,トナーが加熱されることにより,トナー粒子の外側へと染み出すこととなる。そして,トナー像におけるトナー粒子の外側にワックスが染み出すことにより,用紙Pは定着ベルト64により分離しやすくなる。そして,トナー像におけるトナー粒子の外側に十分にワックスが染み出した状態の用紙Pは,定着ニップN2における曲率半径の小さい出口部分に到達したときに,定着ベルト64より適切に分離する。
すなわち,定着ベルト64より用紙Pを良好に分離させるためには,用紙Pが担持するトナー像におけるトナー濃度に応じて,トナー像を担持した用紙Pを適切に加熱する必要がある。加熱による熱量が不足している場合には,トナー粒子よりワックスを十分に染み出させることができず,定着ニップN2を通過した用紙Pが,定着ベルト64に張り付いたままとなってしまうおそれがあるからである。すなわち,定着ベルト64より用紙Pを良好に分離させるためには,用紙Pが通過する間の定着ニップN2の温度を,トナー像におけるトナー濃度が高いほど,高くする必要があるからである。
また,図5の分離温度テーブルにおいて,分離温度は,坪量が高いほど,低い温度となっている。一般的に,用紙Pは,坪量が高いほど,厚いものである。このため,用紙Pは,坪量が高いほど,その剛性が大きいものである。つまり,用紙Pは,坪量が高いほど,剛性が大きく,定着ニップN2の出口部分に到達したときの定着ベルト64からの剥離力が大きいものである。
このため,坪量がある程度,高い用紙Pについては,トナー粒子からのワックスの染み出しが不十分であっても,定着ベルト64から分離しやすい傾向にある。よって,用紙Pの坪量が高いほど,トナーの加熱温度は低くて済むからである。なお,本形態では,図5の分離温度テーブルに示すように,坪量が高である場合,トナー濃度に関わらず,ゼロとなっている。これは,坪量が高である用紙Pについては,通常の定着温度の範囲内の温度であれば,定着ベルト64から適切に分離することができるからである。
また,本形態の分離温度出力部82についても,CPU80より,用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度を取得することができる。さらに,ユーザーが紙種入力部56により入力する用紙Pの種類より,用紙Pの坪量を取得することができる。よって,分離温度出力部82は,取得した用紙Pに担持されるトナー像のトナー濃度および用紙Pの坪量により,分離温度記憶部92に記憶されている分離温度テーブルを参照することで,分離温度を決定することができる。そして,分離温度出力部82は,決定した分離温度を,出力することができる。
また,本形態の分離温度出力部82は,用紙Pの搬送方向の先端を含む領域に予め定められた領域である先端領域Yについて,分離温度を決定し,出力するものである。そのため,本形態のCPU80は,形成される画像パターンにおけるトナー濃度を,先端領域Yについて算出する。なお,本形態のCPU80は,先端領域Yについても,トナー濃度としてその代表値を用いるとともに,代表値を平均値により算出する。さらに,分離温度出力部82は,先端領域Yのトナー濃度により,先端領域Yの分離温度を決定することができるものである。
そして,本形態の定着装置60においては,分離温度出力部82により決定された分離温度以上の温度で定着処理を行うことで,用紙Pの分離不良を抑制することができる。すなわち,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度を分離温度出力部82により決定された分離温度以上とすることにより,定着ニップN2を通過した用紙Pを適切に定着ベルト64から分離させることができる。
なお,先端領域Yのトナー濃度としては,第1領域X1のトナー濃度と共通の値を用いてもよい。あるいは,先端領域Yのみを複数分割してなる各領域のトナー濃度より平均値を算出し,その値を先端領域Yのトナー濃度として用いても良い。また,分離温度は,先端領域Yについてのみのものである。用紙Pは,先端領域Yが定着ベルト64から適切に分離することで,先端領域Yよりも搬送方向の後方側についても,適切に分離することができるからである。
そして,本形態では,定着温度出力部81より出力された定着温度と,分離温度出力部82より出力された分離温度とに基づいて,定着処理時における実際の定着装置60の定着ニップN2の設定温度を決定する。その手順について,図6により説明する。
図6は,本形態の定着装置60における定着ニップN2の設定温度を決定するためのフローチャートである。図6に示すように,まず,画像形成装置1に画像形成のジョブが入力されたとき,定着温度出力部81および分離温度出力部82は,画像形成ジョブの画像パターンより,形成される画像におけるトナー濃度を取得する(S101)。
例えば,図7の画像パターンの例では,用紙Pの第1領域X1におけるトナー濃度が高く,第2領域X2におけるトナー濃度が低い。この場合,定着温度出力部81は,第1領域X1のトナー濃度が高であり,第2領域X2のトナー濃度が低であることを取得する。また,分離温度出力部82は,先端領域Yのトナー濃度が高であることを取得する。
次に,定着温度出力部81および分離温度出力部82は,紙種入力部56より出力される用紙Pの種類に応じた坪量を取得する(S102)。図7の例においては,画像形成に用いられる用紙Pが,坪量の低いものである。よって,定着温度出力部81および分離温度出力部82はともに,用紙Pの坪量が低であることを取得する。
続いて,定着温度出力部81は,取得したトナー濃度および坪量により定着温度記憶部91に記憶されている定着温度テーブルを参照し,定着温度を決定する(S103)。図7の例においては,定着温度出力部81は,取得したトナー濃度および坪量により図4の定着温度テーブルを参照し,第1領域X1の定着温度を170℃,第2領域X2の定着温度を160℃に決定する。
また,分離温度出力部82は,取得したトナー濃度および坪量により分離温度記憶部92に記憶されている分離温度テーブルを参照し,分離温度を決定する(S104)。図7の例においては,分離温度出力部82は,取得したトナー濃度および坪量により図5の分離温度テーブルを参照し,先端領域Yの分離温度を180℃に決定する。
次いで,先端領域Yについて,定着温度と,分離温度との比較を行う(S105)。本形態において,先端領域Yの定着温度は,第1領域X1の定着温度と同じ温度である。そして,先端領域Yについて,定着温度が分離温度以上である場合(S105:YES),先端領域Yの設定温度を先端領域Yの定着温度に決定する(S106)。
一方,先端領域Yについて,定着温度が分離温度よりも低い場合には(S105:NO),先端領域Yの設定温度を分離温度に決定する(S107)。すなわち,本形態の定着装置60では,先端領域Yにおける定着温度が分離温度よりも低い場合に,分離温度以上で先端領域Yの定着処理を行う分離制御を行うのである。
図7の例では,先端領域Yにおける定着温度は,170℃である。また,先端領域Yにおける分離温度は,180℃である。よって,先端領域Yにおける定着ニップN2の設定温度を,定着温度よりも高い分離温度の180℃に決定する。
また,先端領域Yよりも搬送方向の後方側については,定着温度を定着ニップN2の設定温度とする(S108)。すなわち,図7の例では,第1領域X1における先端領域Yよりも後方側の部分については,定着ニップN2の設定温度を170℃とする。さらに,第2領域X2については,定着ニップN2の設定温度を160℃とする。
そして,決定した設定温度により,定着装置60による実際の定着処理を行う。すなわち,図7の例では,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が180℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。また,用紙Pの第1領域X1における先端領域Yよりも後方側が定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が170℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。さらに,用紙Pの第2領域X2が定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が160℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。
これにより,図7の例において,トナー像の定着不良を抑制することができる。すなわち,用紙Pの第1領域X1は,定着ニップN2において,定着温度である170℃以上で加熱される。また,用紙Pの第2領域X2は,定着ニップN2において,定着温度である160℃で加熱される。よって,用紙Pが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度が定着温度出力部81により決定された定着温度以上であるため,用紙Pに担持されたトナー像を,適切に用紙Pに定着させることができるからである。
さらに,図7の例では,用紙Pの分離不良を抑制することができる。すなわち,用紙Pの先端領域Yは,定着ニップN2において,分離温度である180℃で加熱される。よって,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度が分離温度出力部82により決定された分離温度以上であるため,定着ニップN2を通過した用紙Pを適切に定着ベルト64から分離させることができるからである。
加えて,図7の例のように,本形態の定着装置60は,用紙Pの先端領域Yよりも後方側については,用紙Pに担持されているトナー像を適切に定着させるために必要な定着温度により定着処理を行うことができる。すなわち,定着不良および分離不良を抑制しつつ,加熱ヒーター65による加熱温度についても抑制することができる。これにより,本形態の定着装置60では,加熱温度を低減することにより,消費電力を抑制することができる。
また,図8には,図7とは異なる画像パターンの例を示している。そして,図8の画像パターンについても,トナー像の定着不良を抑制するともに,用紙Pの分離不良を抑制することができる。
すなわち,図8の画像パターンでは,まず,定着温度出力部81は,第1領域X1のトナー濃度が低であり,第2領域X2のトナー濃度が高であることを取得する(S101)。また,分離温度出力部82は,先端領域Yのトナー濃度が低であることを取得する(S101)。また,図8の例においては,定着温度出力部81および分離温度出力部82はともに,用紙Pの坪量が中であることを取得する(S102)。
次に,定着温度出力部81は,取得したトナー濃度および坪量により図4の定着温度テーブルを参照し,第1領域X1の定着温度を165℃,第2領域X2の定着温度を175℃に決定する(S103)。また,分離温度出力部82は,取得したトナー濃度および坪量により図5の分離温度テーブルを参照し,先端領域Yの分離温度を155℃に決定する(S104)。
図8の例では,先端領域Yにおける定着温度は,165℃である。また,先端領域Yにおける分離温度は,155℃である。よって,これらの比較を行い(S105),先端領域Yにおける定着ニップN2の設定温度を,分離温度よりも高い定着温度の165℃に決定する(S106)。
また,第1領域X1における先端領域Yよりも後方側の部分の定着ニップN2の設定温度を165℃,第2領域X2の定着ニップN2の設定温度を175℃とする(S108)。すなわち,図8の例については,先端領域Yを含む第1領域X1と,第2領域X2とにおける定着ニップN2の設定温度がともに,定着温度に決定される。
そして,決定した設定温度により,定着装置60による実際の定着処理を行う。すなわち,図8の例では,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が165℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。また,用紙Pの第1領域X1における先端領域Yよりも後方側が定着ニップN2を通過している間についても,定着ニップN2の温度が165℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。さらに,用紙Pの第2領域X2が定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が175℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。
これにより,図8の例においても,用紙Pの第1領域X1は,定着ニップN2において,定着温度である165℃で加熱される。また,用紙Pの第2領域X2は,定着ニップN2において,定着温度である175℃で加熱される。よって,用紙Pが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度が定着温度出力部81により決定された定着温度以上であるため,用紙Pに担持されたトナー像を,適切に用紙Pに定着させることができる。
さらに,図8の例においても,用紙Pの先端領域Yは,定着ニップN2において,分離温度である155℃以上で加熱される。よって,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度が分離温度出力部82により決定された分離温度以上であるため,定着ニップN2を通過した用紙Pを適切に定着ベルト64から分離させることができる。
また,本形態において,用紙Pの先端領域Yの搬送方向の長さは,用紙Pの搬送方向における定着ニップN2の長さ以上であることが好ましい。用紙Pの先端領域Yの長さを定着ニップN2の長さ以上とすることで,用紙Pの先端を定着ベルト64から確実に分離させることができるからである。また,用紙Pの先端領域Yの搬送方向の長さは,用紙Pの搬送方向の全長の1/4の長さ以下であることが好ましい。先端領域Yの長さを長くし過ぎた場合には,その長くし過ぎた分,分離制御において長い時間,定着ニップN2の温度を定着温度よりも高い分離温度で維持することとなる。このため,加熱のための消費電力が多くなってしまうからである。
なお,本形態では,先端領域Yについての定着温度が分離温度よりも低い場合,用紙Pの先端領域Yの設定温度を分離温度とする分離制御により,用紙Pの先端領域Yの定着ベルト64からの分離性を高めている。しかし,用紙Pは,定着ニップN2における圧接力が高いほど,定着ベルト64から分離しやすくなる傾向にある。定着ニップN2における圧接力が高いほど,定着ニップN2の出口部分の曲率半径を小さくすることができるからである。
よって,先端領域Yについての定着温度が分離温度よりも低い場合には,用紙Pの先端領域Yの設定温度を定着温度とし,先端領域Yが定着ニップN2を通過している間の圧接力を,通常時よりも高くすることにより分離制御を行うこととしてもよい。この定着ニップN2の圧接力の調整による分離制御は,押圧部67による加圧ローラー61の押圧力を調整することにより行うことができる。
例えば,定着温度が分離温度よりも高い場合には,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過中の押圧部67による押圧力を第1の押圧力とする。そして,定着温度が分離温度よりも低い場合には,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過中の押圧部67による押圧力を,第1の押圧力よりも高い第2の押圧力とすることにより分離制御を行うことができる。
また例えば,用紙Pは,定着ニップN2を通過する際の搬送速度が遅いほど,定着ベルト64から分離しやくなる傾向にある。用紙Pが定着ニップN2を通過している時間が長くなることにより,用紙Pが定着ニップN2の通過の際に受ける加熱の熱量は多くなる。これにより,トナー粒子からワックスをより多く染み出させることができるからである。
よって,先端領域Yについての定着温度が分離温度よりも低い場合には,用紙Pの先端領域Yの設定温度を定着温度とし,先端領域Yが定着ニップN2を通過している間の用紙Pの搬送速度を,通常時よりも遅くすることにより分離制御を行うこととしてもよい。この定着ニップN2の搬送速度の調整による分離制御は,駆動部66による定着ローラー62の回転駆動の速度を調整することにより行うことができる。
例えば,定着温度が分離温度よりも高い場合,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過中には,駆動部66により,定着ローラー62の回転速度を第1の回転速度とする。そして,定着温度が分離温度よりも低い場合には,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過中の定着ローラー62の回転速度を,第1の回転速度よりも遅い第2の回転速度とすることにより分離制御を行うことができる。
以上詳細に説明したように,本形態の画像形成装置1は,定着装置60を有している。定着装置60では,先端領域Yについて定着温度が分離温度よりも低いときには,先端領域Yを定着装置60から分離させるための分離制御を行う。具体的に,例えば,分離制御では,先端領域Yについての設定温度を分離温度とした定着処理を行う。なお,先端領域Yについて定着温度が分離温度よりも高いときには,先端領域Yの設定温度を定着温度として定着処理を行う。これにより,先端領域Yについての設定温度は,定着温度以上であるとともに分離温度以上である。これにより,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることのできる定着装置および画像形成装置が実現されている。
[第2の形態]
次に,第2の形態について説明する。本形態では,第1の形態と異なり,先端領域Yを複数に分割してなる領域ごとに,定着ニップN2の設定温度の設定を行う。本形態においても,画像形成装置1および定着装置60の構成については,第1の形態と同様である。
また,本形態においても,定着温度記憶部91に記憶されている定着温度テーブルは,第1の形態と同じものである(図4)。そして,本形態の定着温度出力部81についても,画像形成に係るトナー像のトナー濃度および用紙Pの坪量により定着温度記憶部91の定着温度テーブルを参照し,定着温度を出力する。
ただし,本形態の定着温度出力部81は,図9に示すように,用紙Pを搬送方向について6分割した第1領域X1から第6領域X6までについてそれぞれ,定着温度を決定し,出力するものである。そのため,本形態のCPU80は,形成される画像パターンにおけるトナー濃度を,第1領域X1から第6領域X6までのそれぞれについて算出する。本形態においても,トナー濃度として,平均値により算出された値を用いることができる。さらに,定着温度出力部81は,第1領域X1から第6領域X6までのトナー濃度により,それぞれ第1領域X1から第6領域X6までの定着温度を決定することができるものである。
そして,本形態の定着装置60においても,定着温度出力部81により決定された定着温度以上の温度で定着処理を行うことで,トナー像の定着不良を抑制することができる。すなわち,用紙Pが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度を定着温度出力部81により決定された定着温度以上とすることにより,用紙Pに担持されたトナー像を,適切に用紙Pに定着させることができる。
さらに,分離温度記憶部92に記憶されている分離温度テーブルについても,第1の形態と同じものである(図5)。そして,本形態の分離温度出力部82についても,画像形成に係るトナー像のトナー濃度および用紙Pの坪量により分離温度記憶部92の分離温度テーブルを参照し,分離温度を出力する。
ただし,本形態の分離温度出力部82は,図9に示すように,用紙Pの先端領域Yを搬送方向について分割した第1先端領域Y1および第2先端領域Y2についてそれぞれ,分離温度を決定し,出力するものである。第1先端領域Y1および第2先端領域Y2についても,トナー濃度として,CPU80により平均値により算出された値を用いることができる。さらに,分離温度出力部82は,第1先端領域Y1および第2先端領域Y2のトナー濃度により,それぞれ第1先端領域Y1および第2先端領域Y2の分離温度を決定することができるものである。
そして,本形態の定着装置60においても,分離温度出力部82により決定された分離温度以上の温度で定着処理を行うことで,用紙Pの分離不良を抑制することができる。すなわち,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度を分離温度出力部82により決定された分離温度以上とすることにより,定着ニップN2を通過した用紙Pを適切に定着ベルト64から分離させることができる。
また,本形態においても,定着装置60における定着ニップN2の設定温度は,図6に示すフローチャートに示す手順により決定することができる。すなわち,本形態においては,図6の手順を,第1領域X1から第6領域X6までについて,第1先端領域Y1および第2先端領域Y2について,それぞれ行えばよい。
すなわち,図9の画像パターンでは,まず,定着温度出力部81は,第1領域X1のトナー濃度が高であり,第2領域X2から第6領域X6までのトナー濃度が低であることを取得する(S101)。また,分離温度出力部82は,第1先端領域Y1のトナー濃度が高であり,第2先端領域Y2のトナー濃度が低であることを取得する(S101)。また,図9の例においては,定着温度出力部81および分離温度出力部82はともに,用紙Pの坪量が低であることを取得する(S102)。
次に,定着温度出力部81は,取得したトナー濃度および坪量により図4の定着温度テーブルを参照し,第1領域X1の定着温度を170℃,第2領域X2から第6領域X6までの定着温度を160℃に決定する(S103)。また,分離温度出力部82は,取得したトナー濃度および坪量により図5の分離温度テーブルを参照し,第1先端領域Y1の分離温度を180℃,第2先端領域Y2の分離温度を170℃に決定する(S104)。
図9の例では,第1先端領域Y1,すなわち,第1領域X1における定着温度は,170℃である。また,第1先端領域Y1における分離温度は,180℃である。よって,これらの比較を行い(S105),第1先端領域Y1における定着ニップN2の設定温度を,定着温度よりも高い分離温度の180℃に決定する(S107)。
また,第2先端領域Y2,すなわち,第2領域X2における定着温度は,160℃である。また,第2先端領域Y2における分離温度は,170℃である。よって,これらの比較を行い(S105),第2先端領域Y2における定着ニップN2の設定温度を,定着温度よりも高い分離温度の170℃に決定する(S107)。
さらに,第2領域X2における先端領域Yよりも後方側の部分から第6領域X6までの定着ニップN2の設定温度を,定着温度である160℃とする(S108)。
そして,決定した設定温度により,定着装置60による実際の定着処理を行う。すなわち,図9の例では,用紙Pの第1先端領域Y1が定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が180℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。また,用紙Pの第2先端領域Y2が定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が170℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。さらに,用紙Pの第2領域X2における先端領域Yよりも後方側の部分から第6領域X6までが定着ニップN2を通過している間,定着ニップN2の温度が160℃となるように,加熱ヒーター65による加熱温度を制御する。
すなわち,本形態の定着装置60では,先端領域Yを分割した分割領域である第1先端領域Y1および第2先端領域Y2についてそれぞれ,定着温度が分離温度よりも低い場合に分離温度以上で先端領域Yの定着処理を行う分離制御を行う。
これにより,本形態における図9の例でも,用紙Pの第1領域X1から第6領域X6まですべて,定着ニップN2において,定着温度以上で加熱される。よって,用紙Pが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度が定着温度出力部81により決定された定着温度以上であるため,用紙Pに担持されたトナー像を,適切に用紙Pに定着させることができる。
さらに,本形態における図9の例でも,用紙Pの先端領域Yは,定着ニップN2において,分離温度以上で加熱される。よって,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2を通過している間の定着ニップN2における温度が分離温度出力部82により決定された分離温度以上であるため,定着ニップN2を通過した用紙Pを適切に定着ベルト64から分離させることができる。
さらには,本形態では,定着ニップN2を通過した用紙Pを,より確実に定着ベルト64から分離させることができる。すなわち,用紙Pの第1先端領域Y1および第2先端領域Y2ごとに分離制御を行うことができるため,第1先端領域Y1および第2先端領域Y2定についてともに,定着ベルト64から分離させるための加熱温度が不足してしまうことがないからである。加えて,第1先端領域Y1および第2先端領域Y2ごとに分離制御を行うことで,より消費電力を低減することも可能である。
なお,本形態においても,分離制御を,押圧部67による加圧ローラー61の押圧力の調整,または,駆動部66による定着ローラー62の回転速度の調整により行うことも可能である。これらの場合においても,第1先端領域Y1,第2先端領域Y2ごとに,押圧部67による加圧ローラー61の押圧力,または,駆動部66による定着ローラー62の回転速度の調整を行えばよい。
以上詳細に説明したように,本形態では,先端領域Yを分割した第1先端領域Y1および第2先端領域Y2についてそれぞれ,定着温度が分離温度よりも低いときには,先端領域Yを定着装置60から分離させるための分離制御を行う。具体的に,例えば,分離制御では,第1先端領域Y1および第2先端領域Y2についてそれぞれ,設定温度を分離温度として定着処理を行う。なお,第1先端領域Y1および第2先端領域Y2についてそれぞれ,定着温度が分離温度よりも高いときには,設定温度を定着温度として定着処理を行う。これにより,先端領域Yについての設定温度は,定着温度以上であるとともに分離温度以上である。これにより,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることのできる定着装置および画像形成装置が実現されている。
[第3の形態]
次に,第3の形態について説明する。本形態では,第1の形態に加え,複数の画像形成を連続して行う連続印刷時にシミュレーションを行う。そして,シミュレーションにより,用紙Pの先端領域Yが定着ニップN2に到達するまでに,定着ニップN2が適切な設定温度まで加熱されているように制御を行う。本形態においても,画像形成装置1および定着装置60の構成については,第1の形態と同様である。
また,本形態においても,定着温度記憶部91および定着温度出力部81,分離温度記憶部92および分離温度出力部82は第1の形態と同様のものである。さらに,1枚の用紙Pについてのみ画像形成を行う場合には,第1の形態と同様,図6に示す手順により定着ニップN2の設定温度を定めつつ,画像形成を行う。
そして,本形態のCPU80は,複数の画像形成を連続して行う連続印刷時において,その連続印刷を実行する前に,予めシミュレーションを行う。すなわち,まず,連続印刷のジョブにおいて形成される複数の画像パターンに基づいてそれぞれ,定着ニップN2の設定温度を定める。複数の画像パターンについての定着ニップN2の設定温度についてはそれぞれ,図6のフローチャートに示す手順により決定することができる。
さらに,本形態のCPU80は,連続印刷において第1用紙P1の次に定着ニップN2を通過する第2用紙P2の先端領域Yの設定温度に向けて温度を上昇させる時間を算出するシミュレーションを行う。そして,シミュレーション結果に基づいて,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度に向けて温度を上昇させるタイミングを早める必要があるか否かを判断し,実際の連続印刷のジョブを実行する。
図10のフローチャートにより,本形態の温度上昇タイミングを決定する手順について説明する。図10の手順は,連続印刷のジョブが入力された場合に行われるものである。なお,図10の前に,連続印刷における各画像パターンについてそれぞれ,図6の手順により,定着ニップN2の設定温度は決定されている。
例えば,図11には,連続印刷における第1用紙P1と,第1用紙P1の次に定着ニップN2を通過する第2用紙P2とについての一例を示している。そして,第1用紙P1と第2用紙P2とについてそれぞれ示す定着ニップN2における設定温度はともに,図6の手順により定められたものである。
図10に示すように,まず,連続印刷における第1用紙P1の先端領域Yよりも後方側に位置する後方領域の設定温度と,第1用紙P1の次に定着ニップN2を通過する第2用紙P2の先端領域Yの設定温度とを比較する(S201)。
第1用紙P1の後方領域の設定温度が,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度よりも低い場合(S201:YES),第1用紙P1と第2用紙P2との紙間時間を算出する(S202)。第1用紙P1と第2用紙P2との紙間時間は,第1用紙P1の後端が定着ニップN2を通過してから,第2用紙P2の先端が定着ニップN2に到達するまでの時間である。なお,用紙Pの搬送速度や,用紙Pの給紙タイミングなどは設計上,既知の値である。よって,これらにより,紙間時間を算出することができる。
次に,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度へ向けた上昇時間を算出する(S203)。すなわち,第1用紙P1の後方領域の設定温度から,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度まで定着ニップN2の温度を上昇させるのに必要な時間をシミュレーションにより算出する。
そして,第1用紙P1と第2用紙P2との紙間時間が,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度へ向けた上昇時間よりも短い場合(S204:YES),温度上昇のタイミングを変更すると判断する(S205)。この場合には,第1用紙P1の後端が定着ニップN2を通過後に,定着ニップN2の温度を上昇させたとしても,第2用紙P2の先端が到達するまでに,定着ニップN2の温度を第2用紙P2の先端領域Yの設定温度にまで上昇させることができない。よって,第1用紙P1の後端が定着ニップN2を通過する前に,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度へ向けた加熱を開始する必要があると判断する。
なお,温度上昇に必要な時間は,上記のステップS203のシミュレーションより既知の値である。また,第2用紙P2の先端が,搬送により定着ニップN2に到達する時刻についても既知の値である。よって,これらより,定着ニップN2の温度上昇を開始するタイミングを決定することができる(S206)。
一方,第1用紙P1の後方領域の設定温度が,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度以上である場合(S201:NO),第2用紙P2の先端領域Yの設定温度へ向けて定着ニップN2の温度を上昇させる必要はない。つまり,温度上昇のタイミングを変更する必要はない。また,第1用紙P1と第2用紙P2との紙間時間が,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度へ向けた上昇時間以上である場合にも(S204:NO),温度上昇のタイミングを変更する必要はない。第1用紙P1の後端が通過後,定着ニップN2の温度の上昇を開始すればよいからである。よって,これらの場合には,定着ニップN2の温度上昇が必要である場合でも,そのタイミングを変更せずに通常通りとし(S207),その通常通りのタイミングで温度上昇を開始すると決定する(S206)。
例えば,図11の例において,第1用紙P1の後方領域である第2領域X2の設定温度は,160℃である。また,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度は,180℃である。よって,第1用紙P1の後方領域の設定温度は,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度よりも低い(S201:YES)。
このため,第1用紙P1と第2用紙P2との紙間時間(S202),および,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度へ向けた上昇時間を算出する(S203)。なお,図11には,第1用紙P1と第2用紙P2との紙間Lと,その紙間時間tLとを示している。また,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度へ向けた上昇時間t1についても示している。
図11に示すように,紙間時間tLは,上昇時間t1よりも短いものである(S204:YES)。よって,図11の例では,温度上昇のタイミングを,第2用紙P2の先端が定着ニップN2に突入するよりも上昇時間t1だけ早くする(S205)ように決定する(S206)。
なお,上昇時間タイミングが早められることにより,第1用紙P1の後端付近は,図11に示すように時間t2だけ,第2領域X2の設定温度よりも高い温度で加熱されることになる。しかし,時間t2における加熱温度は,第2領域X2の設定温度に定められている定着温度の160℃以上である。このため,第1用紙P1の後端付近の,第2領域X2の設定温度よりも高い温度で加熱された部分についても,定着不良が生じることはない。
そして,本形態では,連続印刷における第2用紙P2の先端領域Yについて,トナー像の定着不良を抑制するとともに,用紙Pの分離不良を抑制することができる。第2用紙P2の先端が定着ニップN2に突入するときには,定着ニップN2の温度が,第2用紙P2の先端領域Yについての設定温度となっているからである。
なお,3枚以上の用紙Pについて連続印刷を行う場合にも同様である。すなわち,その連続印刷における連続した2枚についてそれぞれ,図10の手順により,最適な温度上昇を開始させるタイミングを決定することができる。
また,本形態では,用紙Pの先端領域Yについての設定温度が高温になりがちである。先端領域Yについては,定着温度と分離温度とのうち,高温である方を設定温度とするからである。一方,用紙Pの先端領域Yよりも後方側の後方領域については,トナー像の定着に必要な定着温度が設定温度となるため,低温になりがちである。
そして,連続印刷時において,第1用紙P1の後方領域の設定温度が低温であり,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度が高温である場合,例えば,紙間を通常よりも長くとることにより,トナー像の定着不良や用紙Pの分離不良を抑制することが考えられる。しかし,紙間を長くすることにより,画像形成の生産性は低下してしまう。これに対し,本形態では,第1用紙P1の後方領域の設定温度が低温であり,第2用紙P2の先端領域Yの設定温度が高温である場合においても,画像形成の生産性を低下させることはない。
以上詳細に説明したように,本形態では,連続印刷時の第2用紙P2の先端領域Yの設定温度が高いときには,第1用紙P1の後方領域が定着ニップN2を通過中にも,定着ニップN2の温度を第1用紙P1の後方領域の設定温度よりも上昇させることがある。これにより,連続印刷時において,画像形成の生産性を低下させることなく,トナー像の定着不良,および,用紙Pの分離不良を抑制することができる。これにより,形成される画像に影響を及ぼすことなく,定着ニップを通過したシートを定着装置から適切に分離させることのできる定着装置および画像形成装置が実現されている。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の実施形態では,用紙Pの各領域についてのトナー濃度の代表値として,各領域内のトナー濃度の平均値により算出された値を用いることとして説明している。しかし,各領域についてのトナー濃度の代表値として,例えば,各領域内のトナー濃度の最大値により算出された値を用いることもできる。
また例えば,上記の実施形態では,各領域のトナー濃度として,画像形成のジョブに係る画像パターンのデータより算出された値を用いている。しかし,例えば,濃度センサー20により実際に形成されたトナー像のトナー濃度を検出し,その検出された値を用いてもよい。
また例えば,上記の実施形態では,定着温度テーブルおよび分離温度テーブルとしてともに,用紙Pの坪量との関係についても取得されたものを用いている。しかし,定着温度テーブルまたは分離温度テーブルとして,用紙Pの坪量に関係なく,トナー像のトナー濃度と温度との関係についてのみ取得したものを用いてもよい。なお,当然,用紙Pの坪量との関係について取得したものを用いることにより,分離制御を正確に行うことができる。
また例えば,上記の実施形態における用紙Pの各領域の分割数などは単なる一例であり,異なる分割数などにより本発明を実施することもできる。また,定着温度や分離温度は,テーブルの参照により定めることの他,例えば,基準となる温度にトナー濃度などにより異なる係数を乗じることなどによっても定めることができる。
また例えば,本発明はカラープリンターに限らず,例えば,公衆回線経由で印刷ジョブの送受信を行うような画像形成装置にも適用可能である。また例えば,定着装置60の構成は,図2に示すものに限られず,その他の構成を用いても良い。例えば,加熱ヒーター65に限らず,電磁誘導加熱方式の定着装置を採用することも可能である。
1 画像形成装置
60 定着装置
61 加圧ローラー
62 定着ローラー
63 加熱ローラー
64 定着ベルト
65 加熱ヒーター
66 駆動部
67 押圧部
80 CPU
81 定着温度出力部
82 分離温度出力部
91 定着温度記憶部
92 分離温度記憶部
N2 定着ニップ
P 用紙
Y 先端領域

Claims (11)

  1. 未定着トナーを担持するシートを,一対の定着部材の定着ニップに通すことで,トナー像をシート上に定着する定着処理を行う定着装置において,
    前記定着処理時には,前記一対の定着部材の少なくとも一方を加熱する加熱源と,
    シートの搬送方向の先端を含むとともに前記先端から搬送方向の後方側に予め定めた長さの領域である先端領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端トナー値を出力する先端トナー値出力部と,
    シートの前記先端領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な先端定着温度を指標する先端定着値を,前記先端トナー値に応じて出力するとともに,前記先端トナー値が高いほど前記先端定着値の値を高くする先端定着値出力部と,
    シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過するとともに前記一対の定着部材から分離するのに必要な先端分離温度を指標する先端分離値を,前記先端トナー値に応じて出力するとともに,前記先端トナー値が高いほど前記先端分離値の値を高くする先端分離値出力部と,
    シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過している間の前記定着ニップの先端設定温度が,前記先端定着温度以上になるように前記加熱源による加熱温度を制御する制御部とを有し,
    前記制御部は,
    前記先端定着値が前記先端分離値よりも低いときには,前記先端設定温度が,前記先端分離温度以上になるように前記加熱源による加熱温度を制御する分離制御を行うものであることを特徴とする定着装置。
  2. 未定着トナーを担持するシートを,一対の定着部材の定着ニップに通すことで,トナー像をシート上に定着する定着処理を行う定着装置において,
    前記定着処理時には,前記一対の定着部材の少なくとも一方を加熱する加熱源と,
    前記定着処理時には,前記一対の定着部材の少なくとも一方を他方へ向けて押圧する押圧部と,
    シートの搬送方向の先端を含むとともに前記先端から搬送方向の後方側に予め定めた長さの領域である先端領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端トナー値を出力する先端トナー値出力部と,
    シートの前記先端領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な先端定着温度を指標する先端定着値を,前記先端トナー値に応じて出力するとともに,前記先端トナー値が高いほど前記先端定着値の値を高くする先端定着値出力部と,
    シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過するとともに前記一対の定着部材から分離するのに必要な先端分離温度を指標する先端分離値を,前記先端トナー値に応じて出力するとともに,前記先端トナー値が高いほど前記先端分離値の値を高くする先端分離値出力部と,
    前記押圧部による押圧力を制御するとともに,シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過している間の前記定着ニップの先端設定温度が,前記先端定着温度以上になるように前記加熱源による加熱温度を制御する制御部とを有し,
    前記制御部は,
    前記先端定着値が前記先端分離値よりも低いときには,高いときよりも,シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過している間の前記押圧部による押圧力を大きくする分離制御を行うものであることを特徴とする定着装置。
  3. 未定着トナーを担持するシートを,一対の定着部材の定着ニップに通すことで,トナー像をシート上に定着する定着処理を行う定着装置において,
    前記定着処理時には,前記一対の定着部材の少なくとも一方を加熱する加熱源と,
    前記定着処理時には,前記一対の定着部材が互いに順方向周りに回転するように回転駆動を行う駆動部と,
    シートの搬送方向の先端を含むとともに前記先端から搬送方向の後方側に予め定めた長さの領域である先端領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端トナー値を出力する先端トナー値出力部と,
    シートの前記先端領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な先端定着温度を指標する先端定着値を,前記先端トナー値に応じて出力するとともに,前記先端トナー値が高いほど前記先端定着値の値を高くする先端定着値出力部と,
    シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過するとともに前記一対の定着部材から分離するのに必要な先端分離温度を指標する先端分離値を,前記先端トナー値に応じて出力するとともに,前記先端トナー値が高いほど前記先端分離値の値を高くする先端分離値出力部と,
    前記駆動部による前記一対の定着部材の回転駆動の速度を制御するとともに,シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過している間の前記定着ニップの先端設定温度が,前記先端定着温度以上になるように前記加熱源による加熱温度を制御する制御部とを有し,
    前記制御部は,
    前記先端定着値が前記先端分離値よりも低いときには,高いときよりも,シートの前記先端領域が前記定着ニップを通過している間の前記一対の定着部材の回転速度を遅くする分離制御を行うものであることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の定着装置において,
    前記先端トナー値出力部は,シートの前記先端領域を分割した複数の分割領域ごとに担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する先端分割トナー値を取得し,複数の前記分割領域ごとの前記先端分割トナー値を代表する代表値を,前記先端トナー値として出力するものであることを特徴とする定着装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の定着装置において,
    前記先端トナー値出力部は,前記先端トナー値を,シートの前記先端領域を搬送方向に分割した複数の分割領域ごとに出力するものであり,
    前記先端定着値出力部は,複数の前記分割領域ごとに前記先端定着値を出力するものであり,
    前記先端分離値出力部は,複数の前記分割領域ごとに前記先端分離値を出力するものであり,
    前記制御部は,複数の分割領域ごとに前記分離制御を行うものであることを特徴とする定着装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の定着装置において,
    前記先端定着値出力部は,シートが坪量の低いものであるほど,前記先端定着値として低い値を出力するものであることを特徴とする定着装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の定着装置において,
    前記先端分離値出力部は,シートが坪量の高いものであるほど,前記先端分離値として低い値を出力するものであることを特徴とする定着装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の定着装置において,
    シートの前記先端領域よりも前記後方側に予め定めた後方領域に担持されるトナー像におけるトナーの付着量を指標する後方トナー値を出力する後方トナー値出力部と,
    シートの前記後方領域に担持されるトナー像をシート上に定着させるのに必要な後方定着温度を指標する後方定着値を,前記後方トナー値に応じて出力するとともに,前記後方トナー値が高いほど前記後方定着値の値を高くする後方定着値出力部とを有し,
    前記制御部は,
    シートの前記後方領域が前記定着ニップを通過している間の前記定着ニップの後方設定温度が,前記後方定着温度以上になるように前記加熱源による加熱温度を制御するものであることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8に記載の定着装置において,
    前記制御部は,
    連続して前記定着ニップに通す第1のシートおよび第1のシートの次の第2のシートについて,前記第2のシートの前記先端設定温度が,前記第1のシートの前記後方設定温度よりも高いときには,前記第1のシートの前記後方領域が前記定着ニップを通過中であっても,前記定着ニップの温度を,前記第1のシートの前記後方設定温度よりも高い温度に上昇させることがあるものであることを特徴とする定着装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の定着装置において,
    シートの前記先端領域の搬送方向の長さが,前記定着ニップのシートの搬送方向における長さ以上,シートの搬送方向の長さの1/4の長さ以下の範囲内であることを特徴とする定着装置。
  11. シートを搬送する搬送部と,
    シートにトナー像を転写する画像形成部と,
    シートの搬送方向について前記画像形成部よりも下流に設けられ,請求項1から請求項10までのいずれかに記載の定着装置とを有することを特徴とする画像形成装置。
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