JP6929706B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は記録材にトナー像を形成する電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に関する。
従来、電子写真プロセスを利用した画像形成装置において、感光体上に形成されたトナー像は、記録材上に転写された後、画像加熱装置としての加熱定着装置(以下、定着装置と記す)を通過することによりトナー像が記録材上に定着(固着)される。
定着装置には、加熱部材によって所定の定着温度に加熱されている定着部材で、記録材上に形成した未定着のトナー画像を接触加熱して固着画像として定着する接触式の装置が広く用いられている。
また、定着部材の定着温度を、画像データの画像情報(トナー濃度やトナー量等)に基づいて制御することで、定着性の向上と消費電力の削減が図られている。画像に応じて定着性を最適化する手段として、記録材上の濃度情報を検知し、定着温調を変更する提案がなされている(特許文献1、2)。
特開2015−96922号公報 特開2009−92688号公報
しかしながら、画像のトナー量が多い場合には定着装置の熱量もより多く奪われる。そのため、たとえ先行技術によりトナー量の多い画像を識別し、そのページの定着処理時に定着温調を変更したとしても、そのページ以降も連続してプリントされる場合には次のような事象が生じ得る。即ち、トナー量の多かったページ以降の後続ページで定着装置がトナー量の影響を受けにくくなるくらい温めるまでの所定枚数までの間では熱量が不足してしまうことがある。
先行技術文献では、仮に画像濃度が高い(トナー量の多い)ページの後続ページにおいて画像濃度が低い(トナー量の低い)場合には、定着温調温度を上げる変更は行われないため、熱量不足による定着不良が発生してしまうことがある。
本発明の目的は、画像濃度の高い画像が検出されたページの記録材に続く連続プリントの後続ページの記録材においても画像に関わらず定着不良の発生のない画像形成装置を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、画像データから画像形成用の画像信号を形成する画像処理手段と、前記画像信号に基づき未定着の画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像が形成された記録材を加熱して定着する、一対の回転体を有する定着手段と、前記定着手段の目標温度を第1
の温度、又は前記第1の温度より高い第2の温度に制御する制御手段と、を備えた画像形成装置であって、前記制御手段は、複数の画像を連続してプリントする場合、前記複数の画像のうち少なくとも1番目からn番目までの各画像の画像濃度情報を前記画像処理手段から取得し、前記1番目から前記n番目までの各画像の画像濃度情報のいずれかの画像濃度情報に閾値以上の濃度が含まれている場合、前記1番目から前記n番目までの画像のうち、前記閾値以上の濃度の画像から前記n番目までの画像の定着を前記定着手段の目標温度を前記第2の温度として行い、前記定着手段の目標温度を前記第2の温度から前記第1の温度に切り替え、n+1番目以降の画像の定着を行うことを特徴とする。
本発明によれば、定着性が不利な画像として画像濃度の高い画像が検出されたページの記録材に続く後続ページの記録材においても、画像に関わらず定着手段の目標温調温度を所定枚数まで第1の温調温度より高い所定の第2の温調温度に上げる。そのため、画像濃度の高い画像が検出されたページの記録材に続く連続プリントの後続ページの記録材においても画像濃度に関わらず定着不良の発生することがない。
実施例1の目標温調温度設定フローを示した図である。 実施例1の画像形成装置の構成略図である。 定着装置の要部の拡大横断面模型図である。 同装置の要部の斜視模型図である。 ビデオコントローラの構成を示した図である。 画像データの処理フローを示した図である。 実施例の効果を検証するのに用いた画像を示した図である。 設定1〜3において定着フィルムの表面温度変化を測定した図である。 設定4〜6において定着フィルムの表面温度変化を測定した図である。 設定7及び8において定着フィルムの表面温度変化を測定した図である。 実施例2の目標温調温度設定フローを示した図である。 実施例3の目標温調温度設定フローA1以前を示した図である。 同じく目標温調温度設定フローA1以降を示した図である。 カール量の測定方法の説明図である。
《実施例1》
(1)画像形成装置
図2は本実施例1における画像形成装置Pの構成略図である。この画像形成装置Pは電子写真方式を採用したタンデム方式−中間転写方式の4色フルカラーのレーザープリンタである。プリンタは外部装置としてのデータ送信装置Aから画像処理手段としてのビデオコントローラ30に入力したプリントジョブに対応したプリント動作(画像形成動作)を実行して記録材Sにフルカラー或いはモノカラーのトナー像を形成した画像形成物を出力する。
データ送信装置Aは、例えば、ホストコンピュータ、イメージリーダ、ファクシミリ等のホスト装置である。プリントジョブは画像データ、使用する記録材の種類等に関する情報、レイアウト、枚数、部数、後処理などのプリント条件情報が付加されたプリント指示(画像形成指示)のことである。ビデオコントローラ30はデータ送信装置Aからプリントジョブを受信すると画像データから画像形成用の画像信号を形成して制御手段としてのCPU31にその画像信号を送信する。
CPU31はビデオコントローラ30からの画像信号に基づいて画像形成部(画像形成手段)1によって未定着のトナー像を記録材Sに形成するプリント動作を実行する。記録材Sは画像形成装置によりトナー像(現像剤像)が形成され得るシート状の記録媒体であり、例えば、普通紙、樹脂シート、光沢紙、葉書、封筒、ラベル等が含まれる。以下、記録材Sを用紙或いは紙と記すこともある。
記録材Sに未定着トナー像を形成する画像形成部1は減法混色の3原色であるイエロー(Y)・マゼンタ(M)・シアン(C)とこれにブラック(K)を加えた4色のトナー像をそれぞれ形成する4つの画像形成ステーション2(Y・M・C・K)を有する。また、画像形成部1は、露光手段としてレーザースキャナユニット3、及び無端状の中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)4を備えた転写ユニット5を有する。
各画像形成ステーション2は、それぞれ、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと記す)6、帯電ローラ7、現像装置8、一次転写ローラ9、クリーニング装置10等の電子写真プロセス機器を有する。なお、図の煩雑を避けるため、画像形成ステーション2Y以外の画像形成ステーション2M・2C・2Kにおけるこれらの機器に対する符号の記載は省略した。
フルカラープリントモードの場合においては、各画像形成ステーション2は、それぞれ、ドラム6に対して、Y色、M色、C色、K色のトナー像を形成する。なお、トナー像を形成する電子写真原理・プロセスは公知であるからその説明は割愛する。各画像形成ステーション2のドラム6からベルト4に対して上記4色のトナー像が順次に所定に重畳されて一次転写される。これによりベルト4上にY+M+C+Kの4色重畳のカラートナー像が形成される。本実施例の画像形成装置Pにおいてドラム6とベルト4は103mm/secのプロセススピードで回転移動される。
ベルト4に形成されたトナー像がベルト4と二次転写ローラ14との圧接ニップ部である二次転写部15において記録材Sに対して順次に二次転写される。記録材Sは給送カセット11に積載収納されおり、給送ローラ12によって一枚ずつ分離給送され、レジストローラ対13に給送される。レジストローラ対13は、給送された記録材Sを二次転写部15に向けて所定の制御タイミングにて送り出す。
二次転写部15を通った記録材Sは定着手段としての加熱定着装置(定着部:以下、定着装置或いは定着器と記すこともある)Fに向けて搬送される。記録材Sは定着装置Fを通過することにより加熱及び加圧され、担持している未定着のトナー像が記録材S上に加熱定着される。そして、その記録材Sは、定着装置Fから画像形成装置上面の排出トレイ16へ排出される。記録材Sに対するトナー像の二次転写後にベルト4の表面に残った転写残トナーはベルトクリーニング装置17により除去される。
モノカラープリントモードの場合においては、上記4つの画像形成ステーション2のうち、モノカラー画像を形成するために必要な画像形成ステーションにおいて画像形成が実行され、必要のない画像形成ステーションにおけるドラム6は空回転する。
(2)加熱定着装置
トナー像の定着手段としての定着装置Fについて述べる。以下の説明において、定着装置F及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材搬送路面において記録材搬送方向Bと直交する方向である、短手方向とは記録材搬送路面において記録材搬送方向Bと平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。記録材に関し、長手幅とは記録材の面において記録材搬送方向Bと直交する方向の寸法である。
図3は定着装置Fの要部の拡大横断面模型図、図4は同装置の要部の斜視模型図である。この定着装置Fは、加圧部材としての加圧ローラ21を回転駆動し、定着部材としての定着フィルム(定着ベルト)22を加圧ローラ21の搬送力により回転させる、フィルム(ベルト)加熱方式、加圧ローラ駆動方式の所謂テンションレスタイプの装置である。
この定着装置Fは、大別して、駆動回転体である加圧ローラ21と、定着フィルム(以下、フィルムと記す)22を備えたフィルムユニット28と、これらを収容している装置フレーム(装置筐体)29(図2)を有する。一対の回転体としての加圧ローラ21とフィルム22との圧接によりニップ(定着ニップ)NFが形成される。ニップNFは未定着トナー像tを担持した記録材Sを挟持搬送してトナー像を熱と圧力で定着する部分である。
(加圧ローラ)
加圧ローラ21は、丸軸状の芯金211と、芯金211の外周に芯金211と同心一体に形成されたシリコーンゴムから成る弾性層212と、弾性層212の周りに形成された導電性のフッ素樹脂製の離型層213と、を有する弾性ローラである。加圧ローラ21の外周長は57mmである。なお、弾性層212は、フッ素ゴム等の耐熱性ゴム、あるいはシリコーンゴム等を発泡して形成したものでも良い。離型層213は絶縁性のフッ素樹脂でも良い。
加圧ローラ21は定着フレーム29の長手方向の一端側と他端側の側板71・71間に芯金211の一端部と他端部がそれぞれ軸受部材72・72を介して回転自由に保持されて配列されている。
(フィルムユニット)
フィルムユニット28は、フィルム22、ヒータ(加熱部材)23、ヒータホルダ(加熱体保持部材:以下、ホルダと記す)24と、剛性ステー(剛性部材:以下、ステーと記す)25等による組立体である。
フィルム22は、可撓性を有する耐熱樹脂材料により円筒形(エンドレスベルト)に形成されている。フィルム22の外周長は57mmである。このフィルム22は、円筒状のベース層221として厚さ50ミクロンのポリイミド層を有し、そのベース層221の外周に厚さ180ミクロンのシリコーンゴムで形成された弾性層222を有する。更に、その弾性層222の外周に厚さ15ミクロンのフッ素樹脂の離型層223を有している。
ヒータ23は、耐熱性、絶縁性、良熱伝導性を供えた細長いセラミック製の基板231を有する。そしてその基板231の表面側(加圧ローラ21側)の短手方向中央部に基板長手方向に沿って通電により発熱する抵抗発熱体(不図示)を形成具備させている。基板231の長手方向の両端部内側には抵抗発熱体に給電するための給電電極(不図示)が設けられている。そして基板231の表面側に抵抗発熱体(不図示)の表面を覆うように耐熱性のオーバーコート層232を設けている。
ホルダ24は、耐熱性及び剛性を有する液晶ポリマーにより横断面略半円形樋型に形成されている。このホルダ24は外面の幅方向中央に長手方向に沿って設けられた溝部を有し、この溝部によりヒータ23の基板231を固定保持してオーバーコート層232を溝部から露呈させている。ステー25はホルダ24の内側に配設されてホルダ24をバックアップする補強部材であり、例えば横断面コの字形あるいはUの字形の金属型材である。
ヒータ23、ホルダ24、ステー25はフィルム22の長手幅方向に長い部材である。フィルム22は上記のヒータ23、ホルダ24、ステー25の組立体に対してルーズに外嵌されている。本実施例では、フィルム22の内周長は、ヒータ23、ホルダ24、ステー25の組立体の外周長よりも3mm大きくしてある。そしてそのフィルム22は、ヒータ23を保持しているホルダ24の周長に余裕をもたせてルーズに外嵌されている。即ち、フィルム22はヒータ23を内包している。
(定着動作)
フィルムユニット28は加圧ローラ21に対してヒータ23の側を対向させて実質平行に配列して定着フレーム2の一端側と他端側の側板71・71間に配置されている。そして、加圧ローラ21の芯金211とフィルムユニット28のステー25は、長手方向両端部において不図示の加圧機構の加圧スプリングにより加圧ローラ21とフィルム22が接触するように加圧ローラ21の弾性に抗して加圧されている。本実施例において加圧機構による加圧力は総圧196N(20kgf)である。その加圧力により加圧ローラ21とフィルム22間には記録材搬送方向Bに関して所定幅のニップNFが形成される。
加圧ローラ21はモータ(駆動源)Mの駆動力が駆動伝達機構部(不図示)を介して伝達されて図3において矢印R21の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)、本実施例では103mm/secの周速度で回転駆動される。即ち、加圧ローラ21が駆動回転体として回転駆動される。モータMは制御部31の回転制御部(駆動制御手段:不図示)によりプリント指令に応じて駆動制御される。
加圧ローラ21が回転駆動されることで、ニップNFにおける加圧ローラ21の表面とフィルム22の表面との摩擦力によりフィルム22に回転力が作用する。そのため、フィルム22は、その回転力によりフィルム22の内周面がヒータ23と密着して摺動しながらホルダ24の外周を図3において矢印R22の時計方向に従動回転する。その際にフィルム22の回転はフィルム22の内周形状に沿ように形成されているホルダ24の外周面によってガイドされる。これによりフィルム22の回転が安定しフィルム22は同じ回転軌跡を描きながら回転する。
ヒータ23は電源部Vから抵抗発熱体に対して給電路(不図示)を介して電力供給されることで急峻に昇温する。ヒータ23の温度はヒータ23の基板231の裏面側に設けられているサーミスタ等の温度検知部材(以下、サーミスタと記す)26によって検知され、その検知温度に関する出力信号がリード線(不図示)を介して制御部31に入力する。
制御部31の通電制御部(不図示)は制御部31に入力するサーミスタ26の出力信号に基づいてヒータ23が所定の目標温調温度Tを維持するように電源部Vから抵抗発熱体への通電(電力供給)を制御する。これによってニップNFは所定の目標温調温度Tに維持される。通常のプリント時の目標温調温度Tは、記録材S上のトナーtが定着不良なく定着でき、かつ温調温度が高いことによる弊害(カール、ホットオフセット)発生がない様に設定され、120℃〜230℃の温度で制御される。
そして、加圧ローラ21が回転駆動され、ヒータ23が所定の目標温調温度Tに立ち上げられて温調されている状態において、画像形成部1側から未定着トナー像tが形成された記録材Sが定着装置Fに送られる。その記録材Sがガイド部材27にガイドされてニップNFに導入される。記録材SはニップNFを挟持搬送される過程でヒータ23の熱がフィルム22を介して付与される。未定着トナー像tはヒータ23の熱によって溶融され、且つニップNFにかかっている圧力によって記録材Sに定着される。
図4を参照して、本実施例の定着装置Fにおいて記録材Sの搬送はいわゆる中央基準搬送である。即ち、装置に使用可能な大小どのような幅の記録材もその幅方向の中央部Sc(仮想線)が装置の記録材搬送中心Fc(仮想線)を通るように定着装置Fに導入される。本実施例における画像形成装置Pは長手幅が216mmであるLTRやLGLサイズの記録材まで対応している。また、LTR、LGLサイズの記録材の端部の余白5mmずつを除いた、定着装置Fの長手方向(幅方向)への画像幅206mmまでの画像を形成し、定着可能である。
ヒータ23上の抵抗発熱体(不図示)は記録材搬送中心Scを中心に左右対称に形成され、最大画像がずれても定着可能なように、最大定着可能画像幅より左右それぞれ2mm長い、210mmの長さで形成されている。ヒータ23のサーミスタ26は、定着装置Fの長手方向における記録材搬送中心Fc線上に配置される。
加圧ローラ21の長手方向長さは、最大幅サイズの記録材Sを送りながら加熱定着できるように、記録材の最大幅216mmよりも長い220mmであり、フィルム22の長手方向長さは222mmである。定着フレーム29の一端側と他端側の側板71・71同士の距離は228mmである。
(3)画像処理手段
画像処理手段としてのビデオコントローラ30について図5を用いて説明する。ビデオコントローラ30は、CPUバス301を有する。このCPUバス301を介して相互に接続されたホストコンピュータインターフェース部(以降、ホストコンピュータI/F部と略記)302、画像形成装置I/F部303、ROM304、RAM305、及びCPU306等の各デバイスを備えている。CPUバス301は、アドレス、データ、コントロールバスを含む。
ホストコンピュータI/F部302は、ネットワークを介してホストコンピュータ等のデータ送信装置A(図2)と双方向に通信接続する機能を有する。画像形成装置インタフェース部303は、画像形成装置Pと双方向に通信接続する機能を有する。
ROM304は、後述する画像データ処理や、その他の処理を実行するための制御プログラムコードを保持する。RAM305は、画像形成装置インタフェース部303で受信した画像データをレンダリングした結果のビットマップデータや画像濃度情報を保持したり、一時的なバッファエリアや各種処理ステータスを保持したりするためのメモリである。CPU306は、ROM304に保持された制御プログラムコードに基づいて、CPUバス301に接続された各デバイスを制御する。
(4)画像データ処理と画像濃度情報の検出
画像データ処理について説明する。図6に画像データ処理フローを示す。ホストコンピュータ等のデータ送信装置Aからは画像情報として画像データとともに、記録材サイズ、動作モード等のコマンドが送られてくる(S10)。
画像データがカラー画像に関するものである場合には、RGB(レッド、グリーン、ブルー)データによる色情報の形式となっており、それぞれの色情報が本装置で再現可能なデバイスRGBデータに割り付けられ変換される(S11)。続いて画像データの色情報は、デバイスRGBデータからデバイスYMCK(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)データに変換される(S12)。
本YMCKデータは、各色画像形成ステーション2(Y、M、C、K)のレーザーが全点灯した場合に記録材上に得られるトナー量を100%としたときのトナー量の比を表すものと定義され、0%〜100%の幅を持つ。データ値0%とは、レーザーが全消灯され、トナー量が0となる場合である。
ここでは、YMCKデータに対して、各色の露光量と実際に使用されるトナー量との関係を示す階調テーブルを用いて、YMCK各色の露光量が算出される(S13)。画像濃度はYMCKデータから計算され、たとえば、あるピクセルにおける画像データが、Y=50%、M=70%、C=20%、K=0%である場合には、画像濃度は140%(=50+70+20+0)となる。その後、各ピクセルに対して、各色の露光量を実際に用いる露光パターンに変換し(S14)、露光出力となる(S15)。
(5)濃度情報と記録材S上のトナー量
次に、濃度情報と記録材S上のトナー量の関係について説明する。濃度情報は、画像情報取得領域内における最大露光量となるピクセルの濃度情報である。本実施例では、濃度情報の最小値は0%、最大濃度を220%としている。濃度情報は、実際の記録材S上の単位面積当たりのトナー量と相関があり、濃度情報100%のときの記録材S上の単位面積当たりのトナー量は0.45〜0.50mg/cmである。また、濃度情報200%のときの記録材S上の単位面積当たりのトナー量は0.90〜1.00mg/cmである。
記録材S上のトナー量がある幅を持つ理由は、主に二つある。一つ目の理由は、一次転写の際に、ドラム5上からベルト4へドラム5側のすべてのトナーを転写できるわけではないことである。二つ目の理由は、二次転写の際に、ベルト4上から記録材Sへベルト側のすべてのトナーを転写できるわけではないことである。
(6)実施例1の構成
本実施例1では、朝一からの連続プリントにおいてプリント開始5枚目迄限定で、画像濃度が200%以上の画像を検知した場合である。この場合にはその検知したページと、その検知したページ以降のプリント開始起算で5枚目までは画像に関わらず温調温度を7℃上げて6枚目で元の温調温度に戻す。これにより画像濃度200%以上の画像を有するページのみならず、そのページ以降においても画像濃度に関わらず熱量の不足に伴う定着不良の発生や、熱量の過剰供給によるカールの発生を抑制したプリントを行うことができる。以下その理由について説明する。
(メカニズムの説明)
本発明者らは定着装置Fを用いて、鋭意検討の結果、コールドスタートからの連続プリントの初期の所定枚数内において先行ページの画像濃度の違いによりその後続紙の定着性が大きく変わることを見つけた。図8及び図9を用いてそれを説明する。
図8及び図9は気温23℃、湿度50%の環境下で画像形成装置Pを用いて定着装置Fが環境に十分なじんだ温度まで冷えたいわゆる朝一コールド状態において、連続プリント6枚を行った時の定着フィルム22の表面温度の変化を示した図である。各ページの画像パターンと温調温度の組合せを後述の設定1〜3にしてテストしている。
なお、テストでは記録材としてPBDK A4サイズ64g紙(開直紙)を用いた。プリントは画像形成装置Pを外部ホスト(データ送信装置A)としてのパソコンに接続し、パソコン上から画像パターンをプリントするコマンドを画像形成装置Pに送信した。各設定の詳細は下記の通りである。
(設定1)
この設定1は、高濃度画像の次ページの温度ドロップのため標準温調温度では定着不良の例である。設定1では、1枚目を、画像パターンとしては図7に示すRed、Green、B:Blueの各2次色濃度が200%である縦帯画像を配置した画像を207℃温調で定着させた。2枚目以降を同じく画像パターンとしては図7に示すRed、Green、Blueの2次色縦帯を配置した画像において画像濃度だけを140%にして、標準温調温度である200℃で定着させた。
(設定2)
この設定2は、200%より低濃度画像では温度ドロップ小のため標準温調温度でOKの例(例1)である。設定2では、画像パターンとしては同じく図7に示すRed、Green、Blueの2次色縦帯を配置した画像において画像濃度だけを180%にして、標準温調温度である200℃温調で定着させた。
(設定3)
この設定3も、200%より低濃度画像では温度ドロップ小のため標準温調温度でOKの例(例2)である。設定3では、画像パターンとしては同じく図7に示すRed、Green、Blueの2次色縦帯を配置した画像において画像濃度だけを140%にして、標準温調温度である200℃温調で定着させた。
(設定4)
この設定4は、4枚目に200%画像が来た場合に5枚目標準温調温度で定着性NGの例である。設定4では、1枚目から3枚目までと5枚目と6枚目は画像パターンとしては同じく図7に示すRed、Green、Blueの2次色縦帯を配置した画像において画像濃度だけを180%にして、標準温調温度である200℃にして定着させた。4枚目は画像パターンとして図7に示すRed、Green、Blueの各2次色濃度が200%である縦帯画像を配置した画像を207℃温調で定着させた。
(設定
この設定は、6枚目に200%画像が来れば標準温調温度でも定着性OKの例である。設定では、1枚目から5枚目までは画像パターンとしては同じく図7に示すRed、Green、Blueの2次色縦帯を配置した画像において画像濃度だけを180%にして、標準温調温度にて定着させた。6枚目は画像パターンとして図7に示すRed、Green、Blueの各2次色濃度が200%である縦帯画像を配置した画像を200℃温調で定着させた。
なおこの標準温調温度200℃とは朝一からの連続プリント6枚を行う場合に次のように設定した温調温度である。即ち、図7のRed、Green、Blueの2次色縦帯180%の画像において、定着不良の発生がなく、かつ図7のRed、Green、Blueの2次色縦帯140%の画像においてカールが15mm以下になるように設定した温調温度である。
図8の結果から、設定1おいては、
1)定着フィルム22の表面温度は1枚目の画像;すなわち200%の濃度の画像が定着されるときに大きく落ち込み定着不良発生温度の閾値すれすれの温度まで下がってしまっていること、
2)加えて2枚目の画像が濃度140%の画像であっても、もちこたえることなく、定着フィルム22の表面温度はさらに低下して定着不良発生閾値以下まで低下してしまっていること、
3)さらに3枚目になっても定着不良発生閾値を上回ることができないこと
が判る。
これは定着装置Fがコールド状態から行ったプリントであるため、定着装置Fが十分に温まっておらず、そこへ濃度が高くトナー量の多い画像が来てしまったことにより、定着フィルム表面から大量の熱が奪われてしまったからである。
またこの画像濃度が200%である画像による温度低下は、200%画像がプリント開始からもっとも短いタイミングで来ると、すなわち連続プリントの1枚目に来た時に一番大きい。
2枚目以降の定着フィルム22の表面温度の落ち込みを回避するために画像濃度が200%の時である1枚目の温調温度を207℃よりも高くすることで、2枚目以降の温度落ち込みを抑制することは原理的に可能である。しかし、その場合に1枚目の温調温度がカール顕著化温度を大きく超えてしまい、カールの顕著化の弊害なくして回避はできない。
一方、設定2および3では、定着フィルム22の表面温度は設定1の時ほど大きく落ち込むことはなく、2枚目でさらに温度が少し下がっても定着不良発生閾値を下回ることもなく、かつ3枚目からカール顕著化温度を超えることなく推移していることが判る。
次に、所定枚数である5枚目の前後で高濃度画像である200%画像が来た場合の定着フィルム22の表面温度推移を図9に示す。
まず、図9の設定4の結果から、4枚目において200%画像が来た場合にも温度低下が大きく、定着不良発生閾値近くまで、定着フィルム22の表面温度が落ち込んでしまう。そして、5枚目の180%画像の時にも温度低下が大きくなり、標準温調温度である200℃では定着不良が発生してしまっていることが判る。
一方で、設定5では、5枚目において200%画像が来た場合には、定着フィルム22の表面温度は落ち込むものの、4枚目の時ほど大きくなく、
1)後続紙である6枚目の180%画像を標準温調温度の200℃で定着させても定着不良は起きないこと、
2)さらに設定6の様に6枚目に200%画像が来た場合には標準温調温度の200℃であっても定着不良が起きない温度に保たれている
ことが判る。
これら設定5および6の結果は、5枚目以降で200%画像が来た場合には、定着装置Fが温まり定着フィルム22の表面温度の低下が抑えられていることを示している。
図8の結果から朝一コールドスタートからの連続プリントの1枚目の画像において濃度200%の濃度の画像が来た場合には定着フィルム22の表面温度が大きく低下してしまう。その後定着基準温度の200℃でプリントを続けた場合には1枚目の定着器突入時の温度まで復帰するには所定枚数として5枚のプリントが必要であることが判る。この場合はプリント5枚目の後の紙間で復活しているため、5枚のプリントが必要である。
そして図8および図9の結果から、上記の様に定義された所定枚数である5枚目までの間で、高濃度画像である200%の画像を有するページが来た場合には、
1)そのページの温調温度を高濃度画像用温調温度である207℃に上げるのは無論のこと、
2)その後続ページから所定枚数の5枚以内のページまでの目標温調温度も高濃度画像用温調温度である207℃に上げないと、定着不良が起きることがある
ということが判った。
次にこの定着不良を回避することを検討した結果である、設定7及び8での測定結果を図10に示す。
(設定7)
この設定7は全て高濃度画像用温調温度207℃だとカールNGの例(例1)である。設定7としては設定1と同じ画像の組合せで1枚目だけが200%の高濃度画像で2枚目以降6枚目までが140%画像で、温調温度をすべて207℃にした。
(設定8)
この設定8も全て高濃度画像用温調温度207℃だとカールNGの例(例2)である。またさらに設定8として、設定7と同じ温調温度設定ですべての画像が高濃度画像である200%画像の時の定着フィルム22の表面温度を測定した結果も図10に示した。
図10の結果からわかるように、設定7の様に200%画像ページの次ページが140%濃度であったとしても標準温調温度ではなく207℃で温調すれば、定着不良は発生しない。しかしカールに関しては、所定枚数である5枚目を過ぎた6枚目においてにカール発生閾値を超えて顕著化することが判る。
また設定8の様に、全てのページで温調温度を高濃度画像用温調温度である207℃にすれば、すべての画像が200%画像であったとしても定着不良の発生はない。しかし、この設定8も設定7と同様にカールに関しては、所定枚数である5枚目を過ぎた6枚目においてにカール発生閾値を超えて顕著化することが判る。
つまり、コールドスタートの連続プリントにおいて、高濃度画像ページ定着に伴う所定枚数内の定着不良抑制のために目標温調温度を一律に高濃度画像用温調温度にすることは定着性改善に有効ではあるものの、カールが顕著化してしまう。
(温度検出と上げ方のフローチャート)
図8乃至図10の結果より、実施例1では次のような目標温調温度設定としている。画像濃度200%以上(あらかじめ設定された閾値以上の画像濃度)の画像を有するページを検出した場合にはそのページだけでなく、その後続ページにおいても所定枚数である5枚目まではフィルム22の表面温度の落ち込みを加熱装置の加熱で補う。そのため、画像濃度によらず定着装置Fの温調温度を標準温調温度200℃(第1の温調温度)に対して補正を行い、目標温調温度を7℃上げた高濃度画像用温調温度207℃(第2の温調温度)に設定する。そして所定枚数を過ぎた6枚目において標準温調温度200℃に戻す。
これをまとめると次の通りである。制御部31は、記録材を順次に搬送して複数ページの画像を連続してプリントする場合に、ビデオコントローラ30によって、連続のプリントの開始から所定枚数までの各ページの画像濃度情報を取得し、
1)あらかじめ設定された閾値以上(200%以上)の画像濃度を有するページが含まれない場合は、目標温調温度を所定の第1の温調温度(200℃)に設定して連続のプリントの定着を行い、
2)閾値以上の画像濃度を有するページが含まれる場合には、目標温調温度を第1の温調温度より高い所定の第2の温調温度(207℃)に設定してそのページの記録材の定着を行い、
3)閾値以上の画像濃度を有するページの次のページから前記所定枚数までのページの記録材は画像濃度に関わらず目標温調温度を第2の温調温度に設定して定着を行う。そして、所定枚数より後のプリントにおいては目標温調温度を第2の温調温度から第1の温調温度に戻す。ここで、上記の所定枚数は加圧ローラ温度が1枚目の温度に復帰するまでに要する連続プリント枚数として定義される。
具体的な設定方法は図1のフローチャートに従う。図1のフローチャートは定着装置Fの目標温調温度設定の仕方を示している。CNTとは図1のフローチャート上で処理されたページの現在カウントのことである。後述する図11、図12、図13におけるCNTについても同様である。また所定枚数とは、加圧ローラ温度が1枚目の温度に復帰するまでに要する連続プリント枚数で、かつ連続のプリントの開始から定着装置がトナー量の影響を受けにくくなるくらい温めるまでのページ枚数であり、本実施例においては、所定枚数は5となっている。
図1を参照して、画像形成装置Pがプリント信号を受け取ると(S20)、まずジョブ内ページカウント(以降、CNTと略記)をゼロにする。つぎに定着装置Fの温まり具合を検出するためサーミスタ26の示す温度を取得する(S21)。このサーミスタ26の示す温度で定着装置Fの、プリント開始時における立ち上げ時温度が所定の閾値未満、本実施例においては42℃未満かどうかを判断する(S22)。Yesすなわちコールド状態であると判断するとS23へ進む。Noである場合には温調温度補正を行わない目標温調温度設定(第1の温調温度:ここでは目標温調温度を200℃に設定)を行う(S30)。
S23では制御処理中のページカウントを認識するためCNTに1を足す。そしてCNTが所定枚数である5以下であるかどうか(6より小さいかどうか)を判断する(S24)。Noである場合には温調温度補正を行わない目標温調温度設定(目標温調温度を200℃に設定)を行い(S30)、Yesである場合には画像濃度取得を行う(S25)。
画像濃度を取得したのち、200%以上のdotの有無を確認する(S26)。Yesの場合には、温調温度補正し目標温調温度を第1の温調温度より所定に高い第2の温調温度、ここでは207℃に設定する(S27)。そののちのページは所定枚数5枚目までは画像にかかわらず207℃にするので、(S28)にてCNTに1を足したのち、CNTが6より小さいかを判断する(S29)。Yesの場合はそのまま207℃に設定し(S27)つづけ、Noの場合(CNTが6以上の場合)には目標温調温度を200℃に設定し(S30)、その後は7枚目以降の温調温度検定制御(S31)へ進む。
一方、S26にてNoの場合には目標温調温度を200℃に設定し(S32)、5枚目までは画像濃度に基づいて目標温調温度を上げるかどうかの判断を繰り返すため、S23に戻る。
制御部31による画像濃度情報の取得(S25)はプリント開始時における定着装置Fの立ち上げ時温度が所定の閾値未満である場合(S22のYes)だけである。
また、S26においてYesとなった場合で、かつ実行されるプリントジョブのページ枚数がもともと前記所定枚数(本実施例では5枚)以下である1〜5枚である場合には次のようになる。
即ち、処理ページのカウント数であるCNTがそのプリントジョブの最終枚数まで進んでも所定枚数を超えた枚数である6以上になることはない。そのため、S29でNoと判断されず目標温調温度は最終枚数までS27において207℃に設定されてプリントジョブが終了する。
(ポイント;実施例1の効果)
以下具体的に実施例1の構成の効果をテストした結果を説明する。テスト方法としては朝一連続プリント6枚を後述する画像パターンの組み合わせを変えながら行い、画像不良の有無を比較例構成と比較した。なお比較例としては以下の一般に公知の構成をもちいた。
(比較例1)
比較例1の構成は、テストページ全てにおいて画像濃度に関わらず温調温度補正を行わない、すなわちすべてのページで標準温調温度に設定した構成である。
(比較例2)
比較例2の構成は、テストページ全てにおいて画像検出を行う。その結果、濃度の高い(濃度200%以上の)画像を有するページを検出した場合にだけ、そのページ定着時の温調温度補正をおこない目標温調温度を7℃上げた高濃度画像用温調温度に設定する。濃度の高い(濃度200%以上の)画像を有するページを検出しない場合は標準温調温度に設定する。
(比較例3)
比較例3の構成は、テストページ全てにおいて画像濃度に関わらず温調温度補正を行ったのと同じ値、すなわち目標温調温度を7度上げた高濃度画像用温調温度に設定した構成である。
(テスト方法)
気温23℃湿度50%の環境で定着装置Fを含む画像形成装置Pが環境温度に十分になじんだ朝一コールド状態から連続6枚のプリントを行った。紙としてはPBDK A464g紙(開直紙)を用いた。プリントは画像形成装置Pを外部ホストAとしてのパソコンに接続し、パソコン上から画像パターンをプリントするコマンドを画像形成装置Pに送信した。
(画像パターンについて)
また各ページの画像パターンとしては、以下の3つの画像組合せを用いて評価した。
(画像組合せ1)
1枚目〜6枚目まですべて、図7に示すように、ページ右側と左側にそれぞれ、200%2次色Red、200%2次色Green、200%2次色Blueの3つの帯状パターンを束ねて1つの帯にしたパターン配置した画像でプリントする。この画像を以下200%(R,G,B)パターンと表記する。
(画像組合せ2)
1枚目は上記200%(R,G,B)パターンで、2枚目〜6枚目の画像はR,G&Bの各2次色濃度だけ140%にして、それら配置は先記200%(R,G,B)パターンと同じく図7のようにした画像パターンでプリントする。この画像を以下140%(R,G,B)パターンと表記する。
(画像組合せ3)
2枚目のみは上記200%(R,G,B)パターンで、1枚目および3枚目〜6枚目は上記140%(R,G,B)パターンでプリントする。
(テスト結果)
実際にこれら3つの画像組合せ設定で定着性評価として定着不良をみつつ、紙搬送としてカールを評価した結果を以下の表1、表2、表3に順次しめす。
Figure 0006929706
表中の〇、△、×は画像不良ないし定着後の紙のカールのレベルを表している。
定着不良の評価において、○は発生の無い状態、×は定着不良が発生している状態、△は×レベルではないものの軽度なレベルで定着不良の発生が認められる状態を表している。
また紙のカールの評価においては、○はカール(カール量)が15mm未満の状態、×は30mm以上のカールが発生している状態、△は15mm以上、30mm未満のカール発生が認められる状態を表している。紙のカールは大きいほど排出トレイ16上の積載性が低下し、特に30mmを超えると用紙のコバ折れなどが発生するリスクが増大する。
カール量は紙のカールの度合いを示す量である。上記のカール量は、図14の(a)のようにカールした紙Sを、カールしている縁Saを水平にして静かに吊るし、水平板17上にカールの状態を(b)に示すように書き写す。そして、書き写したカール線Cの両端部CaとCbとを結ぶ直線Dとカール線Cで直線Dから最も離れた部分との間の距離Lを測定した値(mm)である。
表1に示した画像組合せ1の評価結果より、比較例1の構成では6枚目を除きすべてのページにおいて定着不良が200%(R,G,B)部において発生していたことが判る。比較例2と比較例3は今回の画像組合せ1では、すべてのページにおいて同じ目標温調温度を設定し同じ結果だった。すなわち定着不良の発生はないものの、カールに関しては図10の設定8に示したように所定枚数である5枚目の次のページである6枚目においても目標温調温度設定が高いために、カールが顕著化している。
一方で実施例1の構成においてはフィルム22の表面温度が回復するまでの所定枚数の区間、すなわち1〜5枚目のみにおいて目標温調温度を上げていることから全てのページで定着不良とカールの発生はない。つまり、画像不良と搬送性を両立したレベルはすべての比較例よりも良いことが判る。
Figure 0006929706
表2の画像組合せ2の評価結果より、比較例1の構成では1〜5枚目まで2次色部における定着不良の発生が認められた。比較例2においては1枚目の定着不良発生はなかったものの、濃度が200%以上でない画像は目標温調温度をあげないため、図8の設定1に示したフィルム表面温度になるため、2枚目以降4枚目までのページでは定着不良が発生してしまっている。とくに2枚目と3枚目の定着不良は×レベルの発生であった。比較例3においては定着不良の発生はないものの、フィルム22が温まってきている6枚目においても目標温調温度が高いままになってしまっているためにカールが顕著化している。
一方で実施例1の構成においては、図8に示された2枚目以降は標準温調温度200℃温調とした場合にフィルム22の表面温度が回復するまでの区間、すなわち2〜5枚目において目標温調温度を1枚目同様に上げて207℃にしている。このことから全ての枚数に定着不良の発生はない。またカールも定着フィルム22の表面温度が回復した所定枚数後のページである6枚目において目標温調温度を下げて標準温調温度200℃にもどしていることから良好であった。
このように実施例1の構成は画像組み合わせ2においても、すべての比較例に対して定着不良とカールを両立した良好な結果が得られることが判る。
Figure 0006929706
表3の画像組合せ3の評価結果より、比較例1の構成では2〜5枚目まで2次色部における定着不良の発生が認められた。また比較例2においては3〜5枚目において定着不良の発生が認められた。3枚目以降にも定着不良の発生が認められるのは、2枚目に高濃度の画像である200%RGBがあるがために、次のページの3枚目で定着フィルム22の表面温度が低下しているからである。比較例3構成においては定着不良の発生はないものの、6枚目にカールの発生が認められた
方で実施例1の構成においては定着不良およびカールの発生はともになく、良好であった。
以上示した様に、画像組合せ1〜3すべての評価結果において実施例1の構成はすべての比較例よりも定着不良とカールが両立された良好な結果になっていることが判る。
《実施例2》
実施例2の構成について説明する。本実施例2の基本構成は実施例1に同じである。異なるのは、濃度の高い画像(200%2次色)を検知したページの定着時の目標温調温度である高濃度画像用温調温度(第2の温調温度)において、フィルム22の温度が復帰するまでの所定枚数内を全て一律に同じ目標温調温度に設定するのではない。即ち、途中のページで温度をさげて設定する。つまり、第2の温調温度は、連続のプリントの開始からのページ枚数が増えると温度が下がるように設定されたことを特徴とする。
これにより紙がテスト環境下で放置され、紙の水分量が開直紙の状態から変化した場合でも、定着性とカールを良好に両立でき、実施例1の構成よりもさらに定着性と搬送性(カール)とを良く両立した画像形成装置を得ることができる。以下、本実施例2の構成を説明していく。
(ポイント;実施例2 温度検出&上げ方のフローチャート)
図11のフローチャートに示すように本実施例2の画像形成装置はプリント信号を受け取る(S40)と、まずジョブ内ページカウント(以降CNTと略記)をゼロにする。つぎに定着装置Fの温まり具合を検出するためサーミスタ26の示す温度を取得する(S41)。このサーミスタ26の示す温度で定着器が42℃以下かどうかを判断し(S42)、Yesすなわちコールド状態であると判断するとS43へ進む。Noである場合には温調温度補正を行わない目標温調温度設定(目標温調温度を200℃(第1の温調温度)に設定)を行う(S51)。
S43では制御処理中のページカウントを認識するためCNTに1を足す。そしてCNTが所定枚数である5枚目以下であるかどうか(6より小さいかどうか)を判断し(S44)、Noである場合には温調温度補正を行わない目標温調温度設定(目標温調温度を200℃(第1の温調温度)に設定)を行う(S51)。Yesである場合には画像濃度取得を行う(S45)。
画像濃度を取得したのち、200%以上のdotの有無を確認する(S46)。Yesの場合には、再度CNTを確認し、目標温調温度を第2の温調温度(207℃)より低く第1の温調温度(200℃)より高い所定の第3の温調温度(ここでは204℃)に切り替える枚目である5枚目であるかをみる。
即ち、CNTが5より小さいかを見る(S47)。S47にてNoと判断されるのはCNTが5枚目の時だけであり、このとき目標温調温度を204℃(第3の温調温度)に設定し(S49)、そののち次のページの処理に移るため(S43)へ戻る。一方、S47にて、CNTが5より小さくYesと判断される場合には、目標温調温度を207℃(第2の温調温度)に設定する(S48)。
これらの一連の制御フローにより、本実施例2において所定枚数である5枚より大きい6枚以上の連続プリントジョブが来た場合の、各ページの目標温調温度について説明する。すなわち、プリント開始1枚目から4枚目の間のページで濃度が200%以上の画像があった場合(すなわちS47でYesの場合)には、そのページを207℃に設定する(S48)。以降プリント開始から4枚目までは、S47でYesで有り続けるため、画像濃度にかかわらず目標温調温度を207℃に設定し続け、5枚目になって画像濃度にかかわらず204℃に設定する(S49)。
また、5枚目においてのみ濃度200%以上の画像が検知された場合(すなわちS47でNoの場合)には、5枚目の目標温調温度を204℃に設定する(S49)。また6枚目は所定枚数の画像濃度に関わらず200℃に設定され、7枚目以降は、画像濃度とは関係ない所定の目標温調温度決定フローに従い200℃以下の目標温調温度に設定されて制御が行われる。
またS46においてYesとなった場合において、連続枚数が所定枚数より少ない1〜4枚目までの連続プリントジョブが来た場合は次のようになる。即ち、処理ページのカウント数であるCNTがそのプリントジョブの最終枚数まで進んでも所定枚数である5に到達することはなく、S47においてYesであり続ける。そのため、目標温調温度はS48にてプリントジョブの最終枚数まで207℃に設定され続けて、プリントジョブは終了する。
(ポイント;実施例2の効果)
以下具体的に実施例2の構成の効果を調べたテスト結果を説明する。テスト方法としては朝一連続プリント6枚を画像パターンの組み合わせを変えながら行い、画像不良の有無とカール量を実施例1の構成と比較した。
(テスト方法)
気温23℃湿度35%の環境で定着装置Fを含む画像形成装置Pが環境温度に十分になじんだ朝一コールド状態から連続6枚のプリントを行った。紙としてはPBDK A464g紙をテスト環境である気温23℃湿度35%の環境下で30時間放置したものを用いた。プリントは画像形成装置Pを外部ホストAとしてのパソコンに接続し、パソコン上から画像パターンをプリントするコマンドを画像形成装置Pに送信した。
(画像パターンについて)
また各ページの画像パターンとしては、実施例1の評価に用いたのと同じ3つの画像組合せ(1〜3)にして評価した。
(テスト結果)
実際にこれら3つの画像組合せ設定で定着性として定着不良と紙搬送としてカールを評価した結果を以下の表4、表5、表6に順次しめす。
Figure 0006929706
設定1での評価結果を上記表4に示す。表4から判るようにこの画像組合せ1での評価では、目立った有意差は見られなかった。
Figure 0006929706
画像組合せでの評価結果を上記表5に示す。表5から判るように画像組合せ2にして評価した場合には実施例1の構成に比べてさらに良好な結果になっていることがわかる。
すなわち、実施例1の構成ではPBDK A464g紙をテスト環境である気温23℃湿度35%の環境下で30時間放置したものを用いた場合には5枚目および6枚目においてカールの顕著化がわずかに認められた。これは紙がテスト環境に放置されたため、紙の水分量が開直の状態から変化し、ページ内で不均一化したことで紙自体がカールの生じやすい条件になってしまったためと思われる。
本実施例2の構成においては、5枚目および6枚目のカールはいずれも良好な結果になった。これは5枚目の目標温調温度を実施例1の構成よりも下げていることで5枚目、および6枚目のカールが良化したためである。
Figure 0006929706
画像組合せ3での評価結果を上記表6に示した。表6から判るように画像組合せ3にして評価した場合でも画像組合せ2の場合と同様に、実施例1の構成に比べてさらに良好な結果になっていることがわかる。すなわち実施例1の構成では5枚目および6枚目においてカールの顕著化がわずかに認められたが、本実施例2の構成においては5枚目および6枚目のカールはいずれも良好な結果になった。これは画像組合せ2での結果と同様に5枚目の目標温調温度を実施例1の構成よりも下げていることで、5枚目、および6枚目のカールが良化したためと考えられる。
以上示した様に、画像組合せ1では有意差はなかったものの、画像組合せ2および画像組合せ3の評価結果においては有意差があり、総じて実施例2の構成は実施例1の構成よりもさらに定着不良とカールが両立された良好な結果になっていることが判る。
《実施例3》
実施例3の構成について説明する。実施例1および実施例2の構成では一律に定着装置Fのサーミスタ26の温度が42℃未満であれば一律に同じ制御に従っていたが、本実施例ではここを32℃未満の場合と32℃以上42℃未満の場合で目標温調温度の設定制御を変える。
即ち、第2の温調温度について定着装置Fの温まり具合に応じてその温度が変更される(温度が可変される)構成にするのである。このように定着装置Fの温まり状態に応じて高濃度画像用温調温度を変えることで、画像形成装置が十分に環境になじんだ朝一コールド状態よりも温まった状態においても定着不良とカールを両立させた良好な画像形成装置を得ることができる。
図12および図13にプリントジョブ信号を受け取ったのちの本実施例3の目標温度設定制御のフローチャートを示す。
まず、図12に示すように、本実施例3の画像形成装置はプリント信号を受け取る(S60)と、まずジョブ内ページカウント(以降CNTと略記)をゼロにする。つぎに定着装置Fの温まり具合を検出するためサーミスタ26の示す温度を取得する(S61)。このサーミスタ26の示す温度でまず定着器が32℃未満かどうかを判断し(S62)、Yesと判断すると(S63)へ進む。そして、S63〜S72の制御が行われる。このS63〜S72の制御は実施例2の図11におけるS43〜S52までのフローと同じフローで制御が行われるため、説明は割愛する。
本実施例3の特徴はS62の判断にてNoとなる場合にある。すなわち、定着装置Fの温まり具合として検知したサーミスタ温度が32℃以上のケースで画像中の濃度情報に基づく目標温調温度制御を行う場合に、サーミスタ温度が32℃未満の場合とは異なる制御(A1以下の制御)を行うことである。
図13にA1以下の制御を示したので以下説明する。S62の判断にてNoとなってA1に入ると、まずサーミスタ温度が42℃未満かどうかを判断する(S73)。S73でNoと判断すると、すなわち定着器が温まっていると判断すると温調温度補正を行わない目標温調温度設定(目標温調温度を200℃に設定)を行う(S82)。
一方、S73にてYesと判断すると、制御処理中のページカウントを認識するためCNTに1を足す(S74)。そしてCNTが所定枚数である5枚目以下であるかどうか(6より小さいかどうか)(S75)を判断する。Noである場合には温調温度補正を行わない目標温調温度設定(目標温調温度を200℃に設定)を行い(S82)、Yesである場合には画像濃度取得を行う(S76)。
画像濃度を取得したのち、200%以上のdotの有無を確認する(S77)。Yesの場合には、再度CNTを確認し目標温調温度を第4の温調温度:205℃より低い第5の温調温度:202℃に切り替える枚目である5枚目であるかをみるため、CNTが5より小さいかを見る(S78)。S78にてNoと判断されるのはCNTが5枚目の時だけであり、このとき目標温調温度を202℃に設定し(S80)、そののち次のページの処理に移るため(S74)へ戻る。一方、S78にて、CNTが5より小さくYesと判断される場合には、目標温調温度を205℃に設定する(S79)。
これら一連の制御フローにより、S62およびS73にて32℃以上かつ42℃未満と判断されたときに、本実施例3における所定枚数である5枚より大きい6枚以上の連続プリントジョブが来た場合の、各ページの目標温調温度について説明する。
すなわち、プリント開始1枚目から4枚目の間のページで濃度が200%以上の画像があった場合には、そのページを205℃(第4の温調温度)に設定する。以降プリント開始から4枚目までは、画像濃度にかかわらず目標温調温度を205℃に設定し、5枚目はこれも画像濃度にかかわらず202℃に設定する。なお、開始1枚目から4枚目の間のページで濃度が200%以上の画像がなかった場合には、目標温調温度は200℃に維持される。また5枚目においてのみ濃度200%以上の画像が検知された場合には、5枚目の目標温調温度だけを202℃(第5の温調温度)に設定する。
また、6枚目は所定枚数の画像濃度に関わらず200℃(第1の温調温度)に設定され、7枚目以降は、画像濃度とは関係ない所定の目標温調温度決定フローに従い200℃以下の目標温調温度に設定されて制御が行われる。
これにより本実施例ではより加熱定着装置Fの温まり具合に細かく対応した目標温調温度設定が可能になる。
(ポイント;実施例3の効果)
以下具体的に本実施例3の構成の効果を調べたテスト結果を説明する。テスト方法としては連続プリント6枚を画像パターンの組み合わせを変えながら行った。また画像パターンの組み合わせとしては、実施例1および実施例2の効果確認テストでも用いた3つの画像組合せ(1〜3)を用いて、画像不良の有無とカール量を比較例1〜3および実施例1および2の構成と比較した。
(テスト方法)
気温23℃湿度50%の環境で定着装置Fを含む画像形成装置Pが環境温度に十分になじんだ朝一コールド状態から数枚のプリントを行う。プリント終了後に定着装置Fのサーミスタ温度をモニターしながら、サーミスタ温度が37℃になったタイミングで連続6枚のプリントを行った。記録紙としてはPBDK A464g紙(開直紙)を用いた。プリントは画像形成装置Pを外部ホストAとしてのパソコンに接続し、パソコン上から画像パターンをプリントするコマンドを画像形成装置Pに送信した。
(テスト結果)
実際にこれら3つのパターン設定で定着性として定着不良と紙搬送としてカールを評価した結果を以下の表7、表8、表9にしめす。
Figure 0006929706
Figure 0006929706
Figure 0006929706
表7、表8および表9の結果から判るように、定着装置Fの温まり具合が37℃の時にプリントを開始し評価した結果、総じて実施例1〜3の方が比較例と比べて定着不良とカールが良好な結果になっている。
また、実施例のなかではとりわけ本実施例3がいずれの画像組合せ設定においても最も良好な結果になっていることが判る。すなわち実施例1においては5枚目と6枚目のカール顕著化が見られ、実施例2においては実施例1よりも良化しているものの、5枚目においてカール顕著化がみられた。これに対して、実施例3の構成においては、いずれのページにおいてもカール顕著化や定着不良の発生がなく、非常に良好な結果が得られた。
(実施例3の効果のメカニズム)
これは定着器の温まり具合が十分に環境になじんだコールド状態とは異なり、環境温度(23℃)よりもフィルム22が少しあたたまった状態(32℃以上)にあった。これにより、濃度の高い200%2次色パターンが来た後でも環境になじんだコールド状態のときほど温度低下が起きずにいた。そのため、本実施例3のように定着器の温まり具合に応じて濃度の高い画像を載せたページを定着するときの目標温調温度を変えることで良好な定着性とカールの両立を図ることが出来たためと考えられる。
《その他の実施形態》
(1)以上、本発明の実施形態およびその効果について説明したが、本発明は上記実施例1、2及び3に限定的に解釈されるものではない。本発明の要件を満たす範囲内において、構成におけるさまざまな変更、改良が可能である。
また、各実施例の各種寸法および各種数値についても、同様な効果が得られる限り、その数値に限定されるものではないことは言うまでもない。
たとえば本発明の実施例では定着部材としてのフィルム22の温度低下が5枚目までつづいたため、所定枚数としては5枚としているが、常にこの枚数に限られることはないことは言うまでもない。
また、たとえば、本発明の実施例構成はいずれも画像検知による目標温調温度の補正制御を定着装置Fのサーミスタ26が42℃未満にて動作するものとした。しかし、これはその定着装置Fにおいて定着性に不利な濃度の高い画像が定着部材の温度低下をもたらす程度に応じて変えてもよい。
同様に実施例3のようにさらに細かくサーミスタ26の温度に閾値(実施例3においては32℃)を設けて、定着装置Fの温まり具合を識別したが、これもこの閾値もこの値に限るものではない。より細かな分類を加える、たとえば閾値をさらに加えるなどしてもよい。
また、実施例構成ではいずれもサーミスタ26の温度をもちいて温まり具合を判断したが、定着装置Fの温まり具合を検知できるものであればこの構成に限るものではない。
(2)また、実施例構成では、濃度情報に基づき濃度が所定の閾値(200%以上)の画像を検知して定着装置Fの目標温調温度を補正した。しかし、濃度だけではなく、この濃度閾値を超える領域の面積や、つらなりを加味してもよい。
たとえば、回転する定着部材の周長以上にわたって濃度の高い画像が長くないし広く続く場合は、ニップ内長手方向の特定位置を集中して多くのトナーが通過することになり、特に定着部材の温度低下が顕著化する。このことから、プリントする画像内の特定のニップ長手位置における濃度の高い領域の長さや面積も検知して、それらの値に応じた高濃度画像用温調温度を設定してもよい。
即ち、制御部31は、ビデオコントローラ30によって、閾値以上の濃度を有する画像部の面積ないし長さを取得し、あらかじめ設定された閾値以上の面積ないし長さを取得した場合に目標温調温度を第2の温調温度に設定してもよい。
(3)また、たとえば、2次以上の色の濃度100%以上だけにおいて定着性が良くない場合には、濃度が常にBk100%以下であるモノクロモードのときは補正をしない。一方、カラーモードになった場合にのみ目標温調温度補正を行うなど、モノクロ画像ページとカラー画像ページの切り替えを検知して、制御を行ってもよい。
具体的には、制御部31は、記録材を順次に搬送して複数ページの画像を連続してプリントする場合に、ビデオコントローラ30によって、連続のプリントの開始から所定枚数までのページにカラー画像が含まれるか否かの情報を取得し、
1)カラー画像を有するページが含まれない場合は、目標温調温度を所定の第1の温調温度に設定して連続のプリントの定着を行い、
2)カラー画像を有するページが含まれる場合には、目標温調温度を第1の温調温度より高い所定の第2の温調温度に設定してそのページの記録材の定着を行い、
3)カラー画像を有するページの次のページから所定枚数までのページの記録材はカラー画像の有無に関わらず目標温調温度を前記第2の温調温度に設定して定着を行う。所定枚数より後のプリントにおいては目標温調温度を第2の温調温度から前記第1の温調温度に戻す。ここで、上記の所定枚数は加圧ローラ温度が1枚目の温度に復帰するまでの枚数として定義される。
(4)さらに実施例の構成では実質的2次以上の色に対してその画像の色をすべて等しく、濃度だけで目標温調温度の補正を行った。しかし、たとえば特定の色のトナーが良くない場合にはその色だけの濃度に基づき補正を行ってもよいことは言うまでもない。
(5)定着装置Fは、ニップNFを形成する一対の回転体21・22ついて、一方がエンドレスベルトであり他方がローラである構成に限られず、共にエンドレスベルト又は共にローラである装置構成にすることもできる。
回転体22を加熱する加熱部材は実施例のセラミックヒータ23に限られない。内部加熱型あるいは外部加熱型の、電磁誘導加熱部材、ハロゲンヒータ、赤外線ランプ、ニクロム線ヒータ等の加熱部材を用いる装置構成にすることもできる。加圧ローラ21にもこれを加熱する加熱部材を具備させた装置構成にすることもできる。
(6)画像形成装置は実施例の電子写真方式のフルカラープリンタに限られず、モノクロの画像を形成する画像形成装置でもよい。また、電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式など他の方式を用いて直接方式又は転写方式でトナー像を形成する画像形成装置であってもよい。
P・・画像形成装置、30・・画像処理手段(ビデオコントローラ)、31・・制御性f手段(制御部)、1・・画像形成手段(画像形成部)、F・・定着手段(定着部)、22・21・・一対の回転体(定着フィルムと加圧ローラ)、S・・記録材、t・・トナー像

Claims (11)

  1. 画像データから画像形成用の画像信号を形成する画像処理手段と、
    前記画像信号に基づき未定着の画像を記録材に形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像が形成された記録材を加熱して定着する、一対の回転体を有する定着手段と、
    前記定着手段の目標温度を第1の温度、又は前記第1の温度より高い第2の温度に制御する制御手段と、
    を備えた画像形成装置であって、
    前記制御手段は、複数の画像を連続してプリントする場合、前記複数の画像のうち少なくとも1番目からn番目までの各画像の画像濃度情報を前記画像処理手段から取得し、
    前記1番目から前記n番目までの各画像の画像濃度情報のいずれかの画像濃度情報に閾値以上の濃度が含まれている場合、前記1番目から前記n番目までの画像のうち、前記閾値以上の濃度の画像から前記n番目までの画像の定着を前記定着手段の目標温度を前記第2の温度として行い、前記定着手段の目標温度を前記第2の温度から前記第1の温度に切り替え、n+1番目以降の画像の定着を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像濃度情報に閾値以上の濃度が含まれていない場合、前記定着手段の目標温度を前記第1の温度として、1番目からn番目の画像の定着を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記画像処理手段によって、前記閾値以上の濃度を有する画像部の面積ないし長さを取得し、あらかじめ設定された閾値以上の面積ないし長さを取得した場合に前記目標温度を前記第2の温度に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段による前記画像濃度情報の取得は前記連続のプリントの開始時における前記定着手段の立ち上げ時温度が所定の閾値未満の時だけであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 画像データから画像形成用の画像信号を形成する画像処理手段と、
    前記画像信号に基づき未定着の画像を記録材に形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像が形成された記録材を加熱して定着する、一対の回転体を有する定着手段と、
    前記定着手段の目標温度を第1の温度、又は前記第1の温度より高い第2の温度に制御する制御手段と、
    を備えた画像形成装置であって、
    前記制御手段は、複数の画像を連続してプリントする場合、前記複数の画像のうち少なくとも1番目からn番目までにカラー画像が含まれるか否かの情報を前記画像処理手段から取得し、
    前記1番目から前記n番目まで画像のいずれかにカラー画像が含まれている場合、前記1番目から前記n番目までの画像のうち、前記カラー画像から前記n番目までの画像の定着を前記定着手段の目標温度を前記第2の温度として行い、前記定着手段の目標温度を前記第2の温度から前記第1の温度に切り替え、n+1番目以降の画像の定着を行うことを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記1番目からn番目の画像にカラー画像が含まれていない場合、前記定着手段の目標温度を前記第1の温度として、1番目からn番目の画像の定着を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段による前記カラー画像が含まれるか否かの情報の取得は前記連続のプリントの開始時における前記定着手段の立ち上げ時温度が所定の閾値未満の時だけであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記第2の温度は、前記連続のプリントの開始からのページ枚数が増えると温度が下がるように設定されたことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第2の温度は前記定着手段の温まり具合に応じてその温度が可変であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記定着手段の少なくとも1つの部材の温度を検知する温度検知部材を有し、前記制御手段は前記温度検知部材の検知温度に基づき前記定着手段の温まり具合を判断することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記定着手段は、ヒータを有し、
    前記一対の回転体のうち、第1の回転体はフィルムであり、第2の回転体は加圧ローラであり、前記ヒータと前記加圧ローラで前記フィルムを挟むことで、記録材に画像を定着する定着ニップを形成することを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の画像形成装置。
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