JP2004004201A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱容量の大きいOHTやグロスフィルム定着時に発生しやすい、ローラ温度のオーバーシュートで発生するホットオフセットによる画像汚れ、および定着・加圧ローラへのOHTやグロスフィルムの巻き付きを防止する。
【解決手段】普通紙の連続プリント直後に、OHTやグロスフィルムなどの定着速度の遅い記録材を通紙する場合、予め普通紙のスループットを下げる。
【選択図】 図3
【解決手段】普通紙の連続プリント直後に、OHTやグロスフィルムなどの定着速度の遅い記録材を通紙する場合、予め普通紙のスループットを下げる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機、ファックス、あるいはプリンタなどとされる電子写真プロセスを用いた画像形成装置に関し、定着装置に特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、入力された画像信号に基づいてレーザ光などにより感光ドラムに静電潜像が形成され、この静電潜像が電荷を付与されたトナーで現像されて未定着トナー像となる。そして、この未定着トナー像は静電的に記録材へ転写された後、定着装置で記録材に固着される。
【0003】
このトナーを記録材へ固着させる定着装置の方式はいくつか存在する。その中の熱ローラ方式と呼ばれる定着プロセスは、熱源を内包した2本のローラ、すなわち定着用回転体を当接し回転させることで、記録材を搬送しながら熱と圧力をかけて定着を行なうものである。ここでは、便宜上、未定着トナー像に接触するローラを定着ローラ、接触しないローラを加圧ローラと呼ぶことにする。
【0004】
フルカラー画像形成装置における熱ローラ方式の定着装置の場合、定着ローラと加圧ローラの両方に弾性層を設けることが多い。これは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックといった4色のトナーの混色により形成されるフルカラー画像は、トナー載り量が多いゆえにトナー層の凹凸も大きく、そのため、ローラの弾性が小さいとトナー層凹部の未定着やトナーのつぶれによる解像度低下をもたらすからである。更には、トナーの載り量が多いフルカラー画像の定着性を確保するためには、より広いニップ幅が必要なためである。この弾性層の層厚を厚くするほど、硬度を低くするほど、ニップ幅が大きくなるので、定着性を向上させることができる。
【0005】
また、上記の弾性層の低硬度化は定着画像の光沢度を低くすることができる。これはトナー層の表面を平滑化することなく定着が行われるために、トナー層表面の凹凸によって入射光が乱反射されるためである。この低光沢な画像は反射光による眩しさが少ないため、多数枚見ても疲労を覚えず、ユーザに心理的な安らぎを与えることができるので、図やグラフなどが多いビジネス文書などに最適である。
【0006】
ところで、使用されるメディア、すなわち記録材には、普通紙だけでなく、高光沢画像を目的としたグロスフィルム(Gloss Film)と呼ばれるものや、オーバーヘッドプロジェクタにより光を透過させて用いるOHT(OverHead Transparency Film)などがある。上述のメディアはPETなどからなる4〜5mil程度の基層から構成されているため、普通紙に比べてメディアの熱容量が大きい。よって、これらのメディア、すなわち大熱容量記録材は、一般に定着速度を通常よりも低下させることにより、熱量を十分に確保して定着させる。そのため、普通紙用の定着シーケンスとは別に、これらのメディア用の定着シーケンスを有することが多い。
【0007】
また、メディアの種類を判別可能な検知手段を有する画像形成装置では、普通紙、OHT、グロスフィルムなどを本体が自動的に判別し、それぞれに適した定着シーケンスに切り替えてプリントを行うことができる。これは、ユーザーが普通紙もしくは各メディアに対応したモード選択を指定せずに適切なプリントができる利点がある。また、普通紙やOHTなどが混在するメディア群を一つのプリントジョブで連続プリントできる利点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では以下のような問題があった。
【0009】
ゴムなどの弾性層を有するソフトローラの定着装置の場合、ローラの熱応答性がハードローラに比べて悪いために、ローラ温度が制御温度を超えてしまうオーバーシュートが発生しやすい。特に、普通紙を高スループットで多数枚連続プリントした直後は、オーバーシュートにより定着・加圧ローラが制御温度を大きく超えた高温状態になりやすい。また、一旦高温になってしまったローラ温度が制御温度まで低下するのに時間を要する。
【0010】
高スループットでの多数枚連続プリント直後に、OHTやグロスフィルムなどといった定着速度が普通紙よりも遅く設定されているメディアを通紙した場合、オーバーシュートによる過剰な熱量の付与によりトナーがホットオフセットを起こし、画像汚れを発生させる問題があった。特に、クリーニングウェブを持たないようなクリーニングレス定着装置の場合、ホットオフセット量が軽微でも、すぐに画像汚れが発生してしまう。そして更に、OHTやグロスフィルムが定着・加圧ローラへ巻き付いてしまう問題があった。
【0011】
従って、本発明の目的は、大熱容量記録材の定着時に発生しやすい、定着用回転体温度のオーバーシュートで発生するホットオフセットによる画像汚れ、および定着用回転体への記録材の巻き付きを防止できる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上の時は、通常のプリントジョブの単位時間あたりの通紙枚数を通常より低下させてプリントすることを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
第2の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常の定着温度で定着させるプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上の時は、通常のプリントジョブ定着温度を通常より低下させてプリントすることを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
第3の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、記録材の種類を判別可能な検知手段を有し、前記検知手段が定着速度を通常より低下させて定着を行う記録材であることを検知した場合、前記定着ローラの表面温度を確認し、所定温度以上であるならば、所定温度未満に冷めるまで定着を待たせることを特徴とする画像形成装置である。
【0015】
第4の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、記録材の種類を判別可能な検知手段を有し、前記検知手段が定着速度を通常より低下させて定着を行う記録材であることを検知した場合、前記定着ローラの表面温度を確認し、所定温度以上であるならば、前記記録材の定着速度を速めることを特徴とする画像形成装置である。
【0016】
上記各本発明にて、一実施態様によれば、前記定着ローラは弾性層を有し、前記弾性層に用いるゴム硬度がJISA規格にて5°以下で、かつ前記定着ローラの製品硬度がAskerCにて65°以下である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0018】
実施例1
本発明の第1実施例について図1〜図3により説明する。
【0019】
本実施例の画像形成装置は、フルカラーレーザプリンタであって、図2に示すように、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの画像形成ステーションY、M、C、Kを中間転写体である中間転写ベルト17の平面部に沿って並置した構成を備えている。中間転写ベルト17は、ローラ18a、18b、18cに張設され、矢印方向に移動する。
【0020】
各像担持体である感光ドラム11Y、11M、11C、11Kを帯電装置12Y、12M、12C、12Kにより均一帯電を行なった後に、露光装置13Y、13M、13C、13Kによりおのおのの感光ドラム11Y、11M、11C、11Kに各色の色情報に応じた潜像を形成する。その後、現像装置14Y、14M、14C、14Kにより各潜像を現像剤によりトナー像として可視化する。
【0021】
各々感光ドラム11Y、11M、11C、11K上に現像されたトナー像は各々の不図示の高圧電源に接続された一次転写装置15Y、15M、15C、15Kにより一旦中間転写ベルト17上に一次転写される。感光ドラム11Y、11M、11C、11K上の残留トナーはクリーニング装置16Y、16M、16C、16Kにて除去される。
【0022】
一方、中間転写ベルト17上の先端画像タイミングに合わせて、メディア、すなわち記録材Pが給紙ローラ19により二次転写部T2に搬送される。
【0023】
中間転写ベルト17上のトナー像は不図示の高圧電源に接続された二次転写装置20により、中間転写ベルト17から記録材Pに二次転写される。更に引き続き、二次転写された記録材Pは定着装置10に搬送され、トナー像が定着される。
【0024】
つぎに、本実施例の定着装置10について図1により説明する。
【0025】
本実施例の定着装置10は、離型剤としてのオイルを必要としないオイルレス定着を実現し、装置の操作性を向上させている。更にクリーニングウェブなどのクリーニング機構を必要としないため、定着装置10の構成は非常にシンプルとなっている。
【0026】
定着装置10は、主に、熱源であるハロゲンヒータ1a、2aを内包した定着用回転体としての2本のローラ1、2から構成されている。便宜上、記録材P上の未定着画像Tに直接接触する上側のローラ1を定着ローラ、記録材Pにしか接触しない下側のローラ2を加圧ローラと呼ぶことにする。
【0027】
未定着トナー像Tが形成された記録材Pは入口ガイド6に沿って定着・加圧ローラ1、2のニップ部へ搬送され、未定着トナー像Tが定着される。そして、搬送ローラ8を通過して本体外へ排紙される。
【0028】
これら定着・加圧ローラ1、2は中空筒体のAl製芯金1b、2bに、シリコーン系ゴム材料からなる弾性層1c、2cを設け、更に表層にフッ素樹脂チューブの離型層1d、2dを設けたものである。
【0029】
弾性層1c、2cは、カラー画像における単色〜4色の多重トナーの厚み(数μm〜数十μm)に追従するため、数十μm以上の厚さに設定する必要がある。弾性が小さいとトナー層凹部の未定着やトナーのつぶれによる解像度低下をもたらす。弾性層1c、2cの材質は、メチル系、メチルビニル系のシリコーンゴムのRTV、LTVのものが弾性を備えているので、解像度低下の防止に好適である。また、この弾性層1c、2cに用いるゴム硬度は、定着性およびカラー画像の光沢度に影響を及ぼす。
【0030】
下記の表1は、ローラの製品硬度と弾性層に用いるシリコーンゴムの硬度を変化させて定着性・光沢度を比較したものである。なお、ローラの製品硬度は弾性層のゴム厚を調整することにより、変化させた。
【0031】
【表1】
【0032】
定着性の評価は、2次色であるグリーン、ブルー、レッドのベタ画像をXerox4024paper105g/m2紙(LDRサイズ紙)に出力して、このときの定着不良の有無によって行った。このときの単位面積当たりのトナーの載り量は1.5mg/cm2とした。これは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種のトナーで形成されるフルカラー画像の最大載り量に相当する。
【0033】
また、ここでいう定着不良とは火脹れと呼ばれる現象である。火脹れとは、記録材と現像剤の間に気泡が入った状態で定着された現象をいう。この発生メカニズムについては、現像剤の記録材側の溶融が不十分であるために記録材との粘着性が弱まり発生すると推察している。表1では、火脹れが発生しなかったローラを「○」、パッチ画像のハキヨセ部に火脹れが発生したローラを「△」、画像全面に火脹れもしくはオフセットが発生したローラを「×」で表した。
【0034】
また、併せて定着画像の光沢度の測定も行った。トナーの載り量は同様に1.5mg/cm2とし、2次色のグリーン、ブルー、レッドのベタ画像を、Xerox4024paper75g/cm2紙(LDRサイズ紙)に出力して、その平均の光沢度を評価した。光沢度測定器は、日本電色工業製のPG−3D(入射角θ=75゜)を使用し、標準面は光沢度96.9%の黒色ガラスを使用した。なお、定着画像をビジネス文書対応とするための光沢度を調べるためにグロスモニターテストを行ったところ、光沢度は7〜18%が好ましく、24%を超える光沢度は良い印象を受けないことが分かった。そこで、表1における光沢度の評価は24%よりも低いものを「低」、24%以上を「高」として評価した。
【0035】
表1から明らかなように、定着性を良好に保ちつつ光沢度を抑えるためには、ローラの製品硬度を65゜以下(AskerC)で、弾性層のゴム硬度が5゜(JISA)であるローラが望ましいことが分かる。
【0036】
以上の結果に基づき、本実施例の弾性層1c、2cの材質には、ゴム硬度がJISA規格で1゜以下であるメチルシリコーンゴムを用いた。また、その層厚は、定着ローラ1を2.1mm、加圧ローラ2を2.3mmとした。厚さ50μmのPFAチューブの離型層1d、2dを設けた上記構成のローラの製品硬度は、定着ローラで62〜65゜、加圧ローラで61〜64゜である。
【0037】
定着・加圧ローラの外径は46.0mmとし、ローラの3周内にA3もしくはLedgerサイズ紙(本機の通紙可能サイズ紙の最大の縦の長さはLedgerサイズ紙の432mm)が通過できる。また、弾性層を有する部分の長手方向の長さは313mmである。このような定着・加圧ローラ1、2に総圧45kgfの加圧力をかけて当接させることにより、ニップ幅を約9mmとしている。
【0038】
静電オフセット防止のために、定着ローラ1には電源3から、1kV程度の電圧が印加され、加圧ローラ2の芯金2bにはダイオード4によって電位制御されている。
【0039】
定着・加圧ローラ1、2の芯金1b、2b内には550Wのハロゲンヒータ1a、2aが内包され、定着に必要な熱供給がなされる。また、各ローラの温調については、定着・加圧ローラ1、2それぞれに温度検知素子であるサーミスタ5a、5bを接触配置して、その温度に伴う抵抗値変化によりローラ表面温度を検知し、所定の温度となるようにヒータ1a、1bの点灯制御を行っている。本実施例におけるスタンバイ温度は165℃、プリント温度は基本的に170℃に設定している。また、定着速度は、普通紙プリント時に用いる1/1速において117mm/secとしている。
【0040】
本実施例の画像形成装置は中間転写体を用いたフルカラープリンタであるゆえ、通紙される記録材Pは、普通紙、OHT、グロスフィルム、封筒、ラベル紙など多岐にわたる。この中で、OHTやグロスフィルムはPETからなるシートであるため、記録材の熱容量が普通紙に比べ非常に大きい。また、OHTでは定着画像の透過性を向上させるために、また同様にグロスフィルムでは定着画像の光沢度を高めるために、トナーを十分に溶融させる熱量が必要となる。
【0041】
以上の理由から、本実施例のプリンタでは、OHTとグロスフィルムの定着速度を通常の普通紙の定着速度の1/4に設定している。ここでは、通常の定着速度で定着を行うモードを普通紙モード、1/4速度で定着を行うモードをOHT/GlossFilmモードと呼ぶことにする。
【0042】
本実施例は、第1のプリントジョブの後に第2のプリントジョブが待機していて、第2のプリントジョブの定着速度が第1のプリントジョブよりも低速である場合、第1のプリントジョブの単位時間あたりの通紙枚数(以下、スループット数)を予め低下させてプリントを行うことを特徴とする。
【0043】
以下に、本実施例の定着制御シーケンスについて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
まず、画像形成装置は、プリントサーバ等のコンピュータから送信されてきたプリントジョブを受信する(S11)。そして、第1のプリントジョブの定着速度すなわち各記録材の種類を確認する(S12)。本実施例においては、普通紙の場合の定着速度は1/1速、OHT/グロスフィルムの場合の定着速度は1/4速としている。第1のプリントジョブの記録材がOHTフィルムもしくはグロスフィルムの場合、定着速度が1/4速と遅く、連続プリント後のローラ温度のオーバーシュートはほとんど発生しないため、通常のOHT/グロスフィルムのシーケンスでプリントを行う(S18)。
【0045】
第1のプリントジョブが普通紙すなわち定着速度が1/1速の場合、次に、第1のプリントジョブの連続通紙枚数を確認する(S13)。本実施例においては、連続プリント枚数Xが10枚未満では、定着・加圧ローラの蓄熱量が比較的少ないため、連続プリント後のオーバーシュート量が小さく、プリント直後に1/4速でOHT/グロスフィルムを定着してもホットオフセットや巻き付きジャムが発生しないことが確認されている。そこで、連続プリント枚数が10枚以下の場合、第1のプリントジョブを通常のスループット数でプリントを行うように設定している(S19)。
【0046】
第1のプリントジョブの連続プリント枚数Xが10枚以上の場合は、次に待機している第2のプリントジョブの有無を確認する(S14)。第2のプリントジョブが待機していない場合、第1のプリントジョブ後のローラ温度のオーバーシュートが発生しても問題ないので、通常のスループット数で第1のプリントジョブを行う(S19)。
【0047】
第2のプリントジョブが待機している場合、その定着速度すなわち記録材の種類を確認する(S15)。第2のプリントジョブが1/1速すなわち普通紙の場合、定着速度が比較的速いため、第1のプリントジョブ後のローラ温度のオーバーシュートによる影響は実用上問題ないことが確認されている。よって、通常のスループット数で第1のプリントジョブを行う(S19)。
【0048】
そして、第2のプリントジョブが1/4速すなわちOHT/グロスフィルムの場合、第1のプリントジョブのスループット数を通常よりも低下させてプリントを行う(S16)。本実施例では、1/1速で普通紙を定着する場合、通常、1分あたり24枚のスループット数でプリントを行うように設定されているが、S16のステップにおいては、紙間隔を広げて8枚のスループット数に低下させている。スループット数を低下させると、ローラ温度を制御温度に維持するために必要な熱量が減少するため、プリント後のオーバーシュート量を抑制することができる。A4サイズの坪量75g/m2の紙を40枚通紙した直後の定着・加圧ローラの温度を、本制御の有無とで比較したところ、本制御無しでは190℃に到達していた。これは、制御温度170℃に対し約20℃オーバーシュートしていたことになる。一方、本制御有りでは175℃すなわち約5℃のオーバーシュートに抑えることができた。
【0049】
最後に第1のプリントジョブの後に、第2のプリントジョブを行う(S17)。以上の制御により、第1のプリントジョブ後のローラ温度のオーバーシュート量が抑えられているため、直ちに第2のプリントジョブであるOHT/グロスフィルムのプリントを行ってもホットオフセットによる画像汚れおよび巻き付きジャムを防止できる。
【0050】
本実施例は、S16において、第1のプリントジョブの最初からスループットを低下させているが、これに限るものではなく、第1のプリントジョブ中の任意のタイミングからスループットを低下させても良い。これにより、第1のプリントジョブに要する時間を短縮することができる。
【0051】
実施例2
以下に、本実施例の定着制御シーケンスについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
基本的な制御フローは、実施例1と同様である。本実施例の実施例1と異なる点は、S16において、スループット数を低下させるのではなく、定着温度を定着性が確保される範囲内で通常の定着温度よりも低下させて第1のプリントジョブを行う点である。
【0053】
本実施例では、1/1速で定着される普通紙の通常の定着温度は170℃に設定されているが、S16のステップにおいては通常よりも10℃低下させた160℃に設定している。定着温度を低下させると、温調中のローラ自体の温度がその分低下することは言うまでもなく、ローラ温度を制御温度に維持するために必要な熱量も少なくなるため、プリント後のオーバーシュート量も小さくなる。A4サイズの坪量75g/m2の紙を40枚通紙した直後の定着・加圧ローラの温度を、本制御の有無とで比較したところ、本制御無しでは、制御温度170℃に対し、20℃オーバーシュートして190℃に到達していた。一方、本制御有りでは、制御温度160℃に対し、オーバーシュート量は15℃に抑制され、さらに制御温度が10℃低下していることにより、結果として175℃に抑えることができた。
【0054】
最後に第1のプリントジョブの後に、第2のプリントジョブを行う(S17)。以上の制御により、第1のプリントジョブ後にオーバーシュートが発生してもローラ温度が抑えられるため、直ちに第2のプリントジョブであるOHT/グロスフィルムのプリントを行ってもホットオフセットによる画像汚れおよび巻き付きジャムを防止できる。
【0055】
本実施例は、S16において、第1のプリントジョブの最初から定着を低下させているが、これに限るものではなく、第1のプリントジョブ中の任意のタイミングから定着温度を低下させても良い。
【0056】
実施例3
つぎに、本発明の第3実施例について図5と図6により説明する。本実施例でも本発明を第1実施例と同様のフルカラーレーザプリンタに適用した。よって、プリンタおよび定着装置の説明は省略する。また、定着装置のスタンバイおよびプリント時の温調制御も第1実施例と同様である。
【0057】
本実施例の画像形成装置には、図5に示すように、給紙された記録材、すなわちメディアの種類(普通紙・OHT・グロスフィルム)を自動的に検知する記録材検知手段としてのメディア検知センサ30が給紙ローラ31とレジストローラ32の間に配置されている。図中の矢印はメディアの搬送経路を示す。このセンサー30は発光素子と受光素子から構成されている。
【0058】
メディア検知センサーは、給紙ローラ31により一旦レジストローラ32前まで給紙されたメディアに対し、発光素子により光を入射し、その反射光の強度を受光素子で検知してメディアを判別する。例えば、透明なシートであるOHTの場合、入射光の大部分は透過するので、反射光の強度はほぼ0である。一方、光沢のあるグロスフィルムの場合、反射光の強度は非常に強い。また、普通紙の場合、メディア表面がラフなために、反射光の強度が弱い。このように反射光の強度を検知することで、メディアを判別することが可能となる。
【0059】
このような検知手段を有する画像形成装置では、画像形成装置本体がメディアの種類を自動的に判別し、各メディアに適した定着シーケンスに切り替えてプリントを行うことが可能である。これは、ユーザーが各メディアに対応した定着シーケンスを選択せずに適切なプリントができる利点がある。
【0060】
また、普通紙やOHTなどが混在するメディア群を1回のプリントジョブで定着シーケンスを変えながら連続プリントできる利点もある。
【0061】
図6は、本実施例の定着制御シーケンスを表すフローチャートである。画像形成装置がメディア検知センサ30により、給紙メディアを検知し(S21)、普通紙の場合には、通常の定着速度でプリントを開始する(S24)。
【0062】
一方、定着速度を通常よりも低下させて定着を行うメディア、すなわちOHT/グロスフィルムであることを検知した場合、そのときの定着装置10のローラ温度を確認する(S22)。このとき、ローラ温度が所定温度未満の時にはそのままプリントを開始し(S24)、ローラ温度が所定温度以上であるならば所定温度未満に冷めるまで定着を待たせて(S23)、所定温度未満になった時点でプリントを開始する(S24)。なお、本実施例では、上記の所定温度を、OHTおよびグロスフィルム用の定着速度(1/4速)でホットオフセットが発生しない上限温度である180℃に設定した。この条件であれば、メディアのローラへの巻き付きも発生しない。
【0063】
以上に述べたシーケンスにより、普通紙の連続プリント直後にOHTやグロスメディアのような定着速度を通常よりも低下させて定着する場合において、ローラ温度のオーバーシュートによる過剰な熱量付与を防止できる。ゆえに、トナーのホットオフセットによる画像汚れ、およびローラへのメディア巻き付きを防止することができる。
【0064】
実施例4
つぎに、本発明の第4実施例について図7により説明する。本実施例においても本発明を第3実施例と同様のメディア検知センサを有するフルカラーレーザプリンタに適用した。よって、プリンタおよび定着装置の説明は省略する。
【0065】
本実施例のプリンタは、1/1速、1/3速、1/4速の3種類の定着速度を有し、可変としている。
【0066】
図7は、本実施例の定着制御シーケンスを表すフローチャートである。画像形成装置がメディア検知センサ30により給紙メディアの種別を検知し(S31)、メディアが普通紙の場合には、普通紙モード、つまり定着速度:1/1速にて定着を行ない(S32)、一方、定着速度を通常よりも低下させて定着を行うメディア、すなわちOHT/グロスフィルムであることを検知した場合、そのときの定着装置のローラ温度を確認する(S33)。ここまでの制御は、第2実施例と変わりはない。
【0067】
そして、本実施例においては、ローラ温度が180℃未満の場合にはOHT/GlossFilmモード、すなわち定着速度:1/4速で定着を行ない(S34)、ローラ温度が180℃以上の場合には定着速度:1/3速に速めて定着を行なう(S35)。
【0068】
本実施例のように、OHT/グロスフィルムであることを検知し、更にローラ温度が180℃以上であることを検知した場合に、OHT/GlossFilmモードの定着速度を通常よりも速めることで、過剰な熱量付与を防止する。本実施例では、定着速度をOHT/GlossFilmモードの1/4速から1/3速に速めることで、メディアに付与する熱量を調整する。この方法であれば、第3実施例のようにローラが冷めるまで待つ時間を要しないので、ユーザーへの負荷も少なくて済むという利点がある。
【0069】
以上に述べたシーケンスにより、普通紙の連続プリント直後にOHTやグロスフィルムのような定着速度を通常よりも低下させて定着する場合において、ローラ温度のオーバーシュートによる過剰な熱量付与を防止できる。ゆえに、トナーのホットオフセットおよびローラへのメディア巻き付きを防止することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、通常の定着速度のプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常のプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上のときは、予めスループットを下げてプリントすることにより、大熱容量記録材の定着時に発生しやすい、回転体の表面温度のオーバーシュートで発生するホットオフセットによる画像汚れ、および前記回転体への記録材の巻き付きを防止でき、高品質画像を得ることができるとともに、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第4実施例の定着装置を示す概略構成図である。
【図2】第1〜第4実施例のフルカラーレーザプリンタである画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第1実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3および第4実施例のメディア検知センサを示す説明図である。
【図6】本発明の第3実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第4実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 定着ローラ
1a、2a ヒータ(熱源)
1c、2c 弾性層
2 加圧ローラ
30 メディア検知センサ(記録材検知手段)
P メディア(記録材)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機、ファックス、あるいはプリンタなどとされる電子写真プロセスを用いた画像形成装置に関し、定着装置に特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、入力された画像信号に基づいてレーザ光などにより感光ドラムに静電潜像が形成され、この静電潜像が電荷を付与されたトナーで現像されて未定着トナー像となる。そして、この未定着トナー像は静電的に記録材へ転写された後、定着装置で記録材に固着される。
【0003】
このトナーを記録材へ固着させる定着装置の方式はいくつか存在する。その中の熱ローラ方式と呼ばれる定着プロセスは、熱源を内包した2本のローラ、すなわち定着用回転体を当接し回転させることで、記録材を搬送しながら熱と圧力をかけて定着を行なうものである。ここでは、便宜上、未定着トナー像に接触するローラを定着ローラ、接触しないローラを加圧ローラと呼ぶことにする。
【0004】
フルカラー画像形成装置における熱ローラ方式の定着装置の場合、定着ローラと加圧ローラの両方に弾性層を設けることが多い。これは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックといった4色のトナーの混色により形成されるフルカラー画像は、トナー載り量が多いゆえにトナー層の凹凸も大きく、そのため、ローラの弾性が小さいとトナー層凹部の未定着やトナーのつぶれによる解像度低下をもたらすからである。更には、トナーの載り量が多いフルカラー画像の定着性を確保するためには、より広いニップ幅が必要なためである。この弾性層の層厚を厚くするほど、硬度を低くするほど、ニップ幅が大きくなるので、定着性を向上させることができる。
【0005】
また、上記の弾性層の低硬度化は定着画像の光沢度を低くすることができる。これはトナー層の表面を平滑化することなく定着が行われるために、トナー層表面の凹凸によって入射光が乱反射されるためである。この低光沢な画像は反射光による眩しさが少ないため、多数枚見ても疲労を覚えず、ユーザに心理的な安らぎを与えることができるので、図やグラフなどが多いビジネス文書などに最適である。
【0006】
ところで、使用されるメディア、すなわち記録材には、普通紙だけでなく、高光沢画像を目的としたグロスフィルム(Gloss Film)と呼ばれるものや、オーバーヘッドプロジェクタにより光を透過させて用いるOHT(OverHead Transparency Film)などがある。上述のメディアはPETなどからなる4〜5mil程度の基層から構成されているため、普通紙に比べてメディアの熱容量が大きい。よって、これらのメディア、すなわち大熱容量記録材は、一般に定着速度を通常よりも低下させることにより、熱量を十分に確保して定着させる。そのため、普通紙用の定着シーケンスとは別に、これらのメディア用の定着シーケンスを有することが多い。
【0007】
また、メディアの種類を判別可能な検知手段を有する画像形成装置では、普通紙、OHT、グロスフィルムなどを本体が自動的に判別し、それぞれに適した定着シーケンスに切り替えてプリントを行うことができる。これは、ユーザーが普通紙もしくは各メディアに対応したモード選択を指定せずに適切なプリントができる利点がある。また、普通紙やOHTなどが混在するメディア群を一つのプリントジョブで連続プリントできる利点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では以下のような問題があった。
【0009】
ゴムなどの弾性層を有するソフトローラの定着装置の場合、ローラの熱応答性がハードローラに比べて悪いために、ローラ温度が制御温度を超えてしまうオーバーシュートが発生しやすい。特に、普通紙を高スループットで多数枚連続プリントした直後は、オーバーシュートにより定着・加圧ローラが制御温度を大きく超えた高温状態になりやすい。また、一旦高温になってしまったローラ温度が制御温度まで低下するのに時間を要する。
【0010】
高スループットでの多数枚連続プリント直後に、OHTやグロスフィルムなどといった定着速度が普通紙よりも遅く設定されているメディアを通紙した場合、オーバーシュートによる過剰な熱量の付与によりトナーがホットオフセットを起こし、画像汚れを発生させる問題があった。特に、クリーニングウェブを持たないようなクリーニングレス定着装置の場合、ホットオフセット量が軽微でも、すぐに画像汚れが発生してしまう。そして更に、OHTやグロスフィルムが定着・加圧ローラへ巻き付いてしまう問題があった。
【0011】
従って、本発明の目的は、大熱容量記録材の定着時に発生しやすい、定着用回転体温度のオーバーシュートで発生するホットオフセットによる画像汚れ、および定着用回転体への記録材の巻き付きを防止できる画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上の時は、通常のプリントジョブの単位時間あたりの通紙枚数を通常より低下させてプリントすることを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
第2の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常の定着温度で定着させるプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上の時は、通常のプリントジョブ定着温度を通常より低下させてプリントすることを特徴とする画像形成装置である。
【0014】
第3の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、記録材の種類を判別可能な検知手段を有し、前記検知手段が定着速度を通常より低下させて定着を行う記録材であることを検知した場合、前記定着ローラの表面温度を確認し、所定温度以上であるならば、所定温度未満に冷めるまで定着を待たせることを特徴とする画像形成装置である。
【0015】
第4の本発明は、熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、記録材の種類を判別可能な検知手段を有し、前記検知手段が定着速度を通常より低下させて定着を行う記録材であることを検知した場合、前記定着ローラの表面温度を確認し、所定温度以上であるならば、前記記録材の定着速度を速めることを特徴とする画像形成装置である。
【0016】
上記各本発明にて、一実施態様によれば、前記定着ローラは弾性層を有し、前記弾性層に用いるゴム硬度がJISA規格にて5°以下で、かつ前記定着ローラの製品硬度がAskerCにて65°以下である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0018】
実施例1
本発明の第1実施例について図1〜図3により説明する。
【0019】
本実施例の画像形成装置は、フルカラーレーザプリンタであって、図2に示すように、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックKの画像形成ステーションY、M、C、Kを中間転写体である中間転写ベルト17の平面部に沿って並置した構成を備えている。中間転写ベルト17は、ローラ18a、18b、18cに張設され、矢印方向に移動する。
【0020】
各像担持体である感光ドラム11Y、11M、11C、11Kを帯電装置12Y、12M、12C、12Kにより均一帯電を行なった後に、露光装置13Y、13M、13C、13Kによりおのおのの感光ドラム11Y、11M、11C、11Kに各色の色情報に応じた潜像を形成する。その後、現像装置14Y、14M、14C、14Kにより各潜像を現像剤によりトナー像として可視化する。
【0021】
各々感光ドラム11Y、11M、11C、11K上に現像されたトナー像は各々の不図示の高圧電源に接続された一次転写装置15Y、15M、15C、15Kにより一旦中間転写ベルト17上に一次転写される。感光ドラム11Y、11M、11C、11K上の残留トナーはクリーニング装置16Y、16M、16C、16Kにて除去される。
【0022】
一方、中間転写ベルト17上の先端画像タイミングに合わせて、メディア、すなわち記録材Pが給紙ローラ19により二次転写部T2に搬送される。
【0023】
中間転写ベルト17上のトナー像は不図示の高圧電源に接続された二次転写装置20により、中間転写ベルト17から記録材Pに二次転写される。更に引き続き、二次転写された記録材Pは定着装置10に搬送され、トナー像が定着される。
【0024】
つぎに、本実施例の定着装置10について図1により説明する。
【0025】
本実施例の定着装置10は、離型剤としてのオイルを必要としないオイルレス定着を実現し、装置の操作性を向上させている。更にクリーニングウェブなどのクリーニング機構を必要としないため、定着装置10の構成は非常にシンプルとなっている。
【0026】
定着装置10は、主に、熱源であるハロゲンヒータ1a、2aを内包した定着用回転体としての2本のローラ1、2から構成されている。便宜上、記録材P上の未定着画像Tに直接接触する上側のローラ1を定着ローラ、記録材Pにしか接触しない下側のローラ2を加圧ローラと呼ぶことにする。
【0027】
未定着トナー像Tが形成された記録材Pは入口ガイド6に沿って定着・加圧ローラ1、2のニップ部へ搬送され、未定着トナー像Tが定着される。そして、搬送ローラ8を通過して本体外へ排紙される。
【0028】
これら定着・加圧ローラ1、2は中空筒体のAl製芯金1b、2bに、シリコーン系ゴム材料からなる弾性層1c、2cを設け、更に表層にフッ素樹脂チューブの離型層1d、2dを設けたものである。
【0029】
弾性層1c、2cは、カラー画像における単色〜4色の多重トナーの厚み(数μm〜数十μm)に追従するため、数十μm以上の厚さに設定する必要がある。弾性が小さいとトナー層凹部の未定着やトナーのつぶれによる解像度低下をもたらす。弾性層1c、2cの材質は、メチル系、メチルビニル系のシリコーンゴムのRTV、LTVのものが弾性を備えているので、解像度低下の防止に好適である。また、この弾性層1c、2cに用いるゴム硬度は、定着性およびカラー画像の光沢度に影響を及ぼす。
【0030】
下記の表1は、ローラの製品硬度と弾性層に用いるシリコーンゴムの硬度を変化させて定着性・光沢度を比較したものである。なお、ローラの製品硬度は弾性層のゴム厚を調整することにより、変化させた。
【0031】
【表1】
【0032】
定着性の評価は、2次色であるグリーン、ブルー、レッドのベタ画像をXerox4024paper105g/m2紙(LDRサイズ紙)に出力して、このときの定着不良の有無によって行った。このときの単位面積当たりのトナーの載り量は1.5mg/cm2とした。これは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種のトナーで形成されるフルカラー画像の最大載り量に相当する。
【0033】
また、ここでいう定着不良とは火脹れと呼ばれる現象である。火脹れとは、記録材と現像剤の間に気泡が入った状態で定着された現象をいう。この発生メカニズムについては、現像剤の記録材側の溶融が不十分であるために記録材との粘着性が弱まり発生すると推察している。表1では、火脹れが発生しなかったローラを「○」、パッチ画像のハキヨセ部に火脹れが発生したローラを「△」、画像全面に火脹れもしくはオフセットが発生したローラを「×」で表した。
【0034】
また、併せて定着画像の光沢度の測定も行った。トナーの載り量は同様に1.5mg/cm2とし、2次色のグリーン、ブルー、レッドのベタ画像を、Xerox4024paper75g/cm2紙(LDRサイズ紙)に出力して、その平均の光沢度を評価した。光沢度測定器は、日本電色工業製のPG−3D(入射角θ=75゜)を使用し、標準面は光沢度96.9%の黒色ガラスを使用した。なお、定着画像をビジネス文書対応とするための光沢度を調べるためにグロスモニターテストを行ったところ、光沢度は7〜18%が好ましく、24%を超える光沢度は良い印象を受けないことが分かった。そこで、表1における光沢度の評価は24%よりも低いものを「低」、24%以上を「高」として評価した。
【0035】
表1から明らかなように、定着性を良好に保ちつつ光沢度を抑えるためには、ローラの製品硬度を65゜以下(AskerC)で、弾性層のゴム硬度が5゜(JISA)であるローラが望ましいことが分かる。
【0036】
以上の結果に基づき、本実施例の弾性層1c、2cの材質には、ゴム硬度がJISA規格で1゜以下であるメチルシリコーンゴムを用いた。また、その層厚は、定着ローラ1を2.1mm、加圧ローラ2を2.3mmとした。厚さ50μmのPFAチューブの離型層1d、2dを設けた上記構成のローラの製品硬度は、定着ローラで62〜65゜、加圧ローラで61〜64゜である。
【0037】
定着・加圧ローラの外径は46.0mmとし、ローラの3周内にA3もしくはLedgerサイズ紙(本機の通紙可能サイズ紙の最大の縦の長さはLedgerサイズ紙の432mm)が通過できる。また、弾性層を有する部分の長手方向の長さは313mmである。このような定着・加圧ローラ1、2に総圧45kgfの加圧力をかけて当接させることにより、ニップ幅を約9mmとしている。
【0038】
静電オフセット防止のために、定着ローラ1には電源3から、1kV程度の電圧が印加され、加圧ローラ2の芯金2bにはダイオード4によって電位制御されている。
【0039】
定着・加圧ローラ1、2の芯金1b、2b内には550Wのハロゲンヒータ1a、2aが内包され、定着に必要な熱供給がなされる。また、各ローラの温調については、定着・加圧ローラ1、2それぞれに温度検知素子であるサーミスタ5a、5bを接触配置して、その温度に伴う抵抗値変化によりローラ表面温度を検知し、所定の温度となるようにヒータ1a、1bの点灯制御を行っている。本実施例におけるスタンバイ温度は165℃、プリント温度は基本的に170℃に設定している。また、定着速度は、普通紙プリント時に用いる1/1速において117mm/secとしている。
【0040】
本実施例の画像形成装置は中間転写体を用いたフルカラープリンタであるゆえ、通紙される記録材Pは、普通紙、OHT、グロスフィルム、封筒、ラベル紙など多岐にわたる。この中で、OHTやグロスフィルムはPETからなるシートであるため、記録材の熱容量が普通紙に比べ非常に大きい。また、OHTでは定着画像の透過性を向上させるために、また同様にグロスフィルムでは定着画像の光沢度を高めるために、トナーを十分に溶融させる熱量が必要となる。
【0041】
以上の理由から、本実施例のプリンタでは、OHTとグロスフィルムの定着速度を通常の普通紙の定着速度の1/4に設定している。ここでは、通常の定着速度で定着を行うモードを普通紙モード、1/4速度で定着を行うモードをOHT/GlossFilmモードと呼ぶことにする。
【0042】
本実施例は、第1のプリントジョブの後に第2のプリントジョブが待機していて、第2のプリントジョブの定着速度が第1のプリントジョブよりも低速である場合、第1のプリントジョブの単位時間あたりの通紙枚数(以下、スループット数)を予め低下させてプリントを行うことを特徴とする。
【0043】
以下に、本実施例の定着制御シーケンスについて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0044】
まず、画像形成装置は、プリントサーバ等のコンピュータから送信されてきたプリントジョブを受信する(S11)。そして、第1のプリントジョブの定着速度すなわち各記録材の種類を確認する(S12)。本実施例においては、普通紙の場合の定着速度は1/1速、OHT/グロスフィルムの場合の定着速度は1/4速としている。第1のプリントジョブの記録材がOHTフィルムもしくはグロスフィルムの場合、定着速度が1/4速と遅く、連続プリント後のローラ温度のオーバーシュートはほとんど発生しないため、通常のOHT/グロスフィルムのシーケンスでプリントを行う(S18)。
【0045】
第1のプリントジョブが普通紙すなわち定着速度が1/1速の場合、次に、第1のプリントジョブの連続通紙枚数を確認する(S13)。本実施例においては、連続プリント枚数Xが10枚未満では、定着・加圧ローラの蓄熱量が比較的少ないため、連続プリント後のオーバーシュート量が小さく、プリント直後に1/4速でOHT/グロスフィルムを定着してもホットオフセットや巻き付きジャムが発生しないことが確認されている。そこで、連続プリント枚数が10枚以下の場合、第1のプリントジョブを通常のスループット数でプリントを行うように設定している(S19)。
【0046】
第1のプリントジョブの連続プリント枚数Xが10枚以上の場合は、次に待機している第2のプリントジョブの有無を確認する(S14)。第2のプリントジョブが待機していない場合、第1のプリントジョブ後のローラ温度のオーバーシュートが発生しても問題ないので、通常のスループット数で第1のプリントジョブを行う(S19)。
【0047】
第2のプリントジョブが待機している場合、その定着速度すなわち記録材の種類を確認する(S15)。第2のプリントジョブが1/1速すなわち普通紙の場合、定着速度が比較的速いため、第1のプリントジョブ後のローラ温度のオーバーシュートによる影響は実用上問題ないことが確認されている。よって、通常のスループット数で第1のプリントジョブを行う(S19)。
【0048】
そして、第2のプリントジョブが1/4速すなわちOHT/グロスフィルムの場合、第1のプリントジョブのスループット数を通常よりも低下させてプリントを行う(S16)。本実施例では、1/1速で普通紙を定着する場合、通常、1分あたり24枚のスループット数でプリントを行うように設定されているが、S16のステップにおいては、紙間隔を広げて8枚のスループット数に低下させている。スループット数を低下させると、ローラ温度を制御温度に維持するために必要な熱量が減少するため、プリント後のオーバーシュート量を抑制することができる。A4サイズの坪量75g/m2の紙を40枚通紙した直後の定着・加圧ローラの温度を、本制御の有無とで比較したところ、本制御無しでは190℃に到達していた。これは、制御温度170℃に対し約20℃オーバーシュートしていたことになる。一方、本制御有りでは175℃すなわち約5℃のオーバーシュートに抑えることができた。
【0049】
最後に第1のプリントジョブの後に、第2のプリントジョブを行う(S17)。以上の制御により、第1のプリントジョブ後のローラ温度のオーバーシュート量が抑えられているため、直ちに第2のプリントジョブであるOHT/グロスフィルムのプリントを行ってもホットオフセットによる画像汚れおよび巻き付きジャムを防止できる。
【0050】
本実施例は、S16において、第1のプリントジョブの最初からスループットを低下させているが、これに限るものではなく、第1のプリントジョブ中の任意のタイミングからスループットを低下させても良い。これにより、第1のプリントジョブに要する時間を短縮することができる。
【0051】
実施例2
以下に、本実施例の定着制御シーケンスについて、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
基本的な制御フローは、実施例1と同様である。本実施例の実施例1と異なる点は、S16において、スループット数を低下させるのではなく、定着温度を定着性が確保される範囲内で通常の定着温度よりも低下させて第1のプリントジョブを行う点である。
【0053】
本実施例では、1/1速で定着される普通紙の通常の定着温度は170℃に設定されているが、S16のステップにおいては通常よりも10℃低下させた160℃に設定している。定着温度を低下させると、温調中のローラ自体の温度がその分低下することは言うまでもなく、ローラ温度を制御温度に維持するために必要な熱量も少なくなるため、プリント後のオーバーシュート量も小さくなる。A4サイズの坪量75g/m2の紙を40枚通紙した直後の定着・加圧ローラの温度を、本制御の有無とで比較したところ、本制御無しでは、制御温度170℃に対し、20℃オーバーシュートして190℃に到達していた。一方、本制御有りでは、制御温度160℃に対し、オーバーシュート量は15℃に抑制され、さらに制御温度が10℃低下していることにより、結果として175℃に抑えることができた。
【0054】
最後に第1のプリントジョブの後に、第2のプリントジョブを行う(S17)。以上の制御により、第1のプリントジョブ後にオーバーシュートが発生してもローラ温度が抑えられるため、直ちに第2のプリントジョブであるOHT/グロスフィルムのプリントを行ってもホットオフセットによる画像汚れおよび巻き付きジャムを防止できる。
【0055】
本実施例は、S16において、第1のプリントジョブの最初から定着を低下させているが、これに限るものではなく、第1のプリントジョブ中の任意のタイミングから定着温度を低下させても良い。
【0056】
実施例3
つぎに、本発明の第3実施例について図5と図6により説明する。本実施例でも本発明を第1実施例と同様のフルカラーレーザプリンタに適用した。よって、プリンタおよび定着装置の説明は省略する。また、定着装置のスタンバイおよびプリント時の温調制御も第1実施例と同様である。
【0057】
本実施例の画像形成装置には、図5に示すように、給紙された記録材、すなわちメディアの種類(普通紙・OHT・グロスフィルム)を自動的に検知する記録材検知手段としてのメディア検知センサ30が給紙ローラ31とレジストローラ32の間に配置されている。図中の矢印はメディアの搬送経路を示す。このセンサー30は発光素子と受光素子から構成されている。
【0058】
メディア検知センサーは、給紙ローラ31により一旦レジストローラ32前まで給紙されたメディアに対し、発光素子により光を入射し、その反射光の強度を受光素子で検知してメディアを判別する。例えば、透明なシートであるOHTの場合、入射光の大部分は透過するので、反射光の強度はほぼ0である。一方、光沢のあるグロスフィルムの場合、反射光の強度は非常に強い。また、普通紙の場合、メディア表面がラフなために、反射光の強度が弱い。このように反射光の強度を検知することで、メディアを判別することが可能となる。
【0059】
このような検知手段を有する画像形成装置では、画像形成装置本体がメディアの種類を自動的に判別し、各メディアに適した定着シーケンスに切り替えてプリントを行うことが可能である。これは、ユーザーが各メディアに対応した定着シーケンスを選択せずに適切なプリントができる利点がある。
【0060】
また、普通紙やOHTなどが混在するメディア群を1回のプリントジョブで定着シーケンスを変えながら連続プリントできる利点もある。
【0061】
図6は、本実施例の定着制御シーケンスを表すフローチャートである。画像形成装置がメディア検知センサ30により、給紙メディアを検知し(S21)、普通紙の場合には、通常の定着速度でプリントを開始する(S24)。
【0062】
一方、定着速度を通常よりも低下させて定着を行うメディア、すなわちOHT/グロスフィルムであることを検知した場合、そのときの定着装置10のローラ温度を確認する(S22)。このとき、ローラ温度が所定温度未満の時にはそのままプリントを開始し(S24)、ローラ温度が所定温度以上であるならば所定温度未満に冷めるまで定着を待たせて(S23)、所定温度未満になった時点でプリントを開始する(S24)。なお、本実施例では、上記の所定温度を、OHTおよびグロスフィルム用の定着速度(1/4速)でホットオフセットが発生しない上限温度である180℃に設定した。この条件であれば、メディアのローラへの巻き付きも発生しない。
【0063】
以上に述べたシーケンスにより、普通紙の連続プリント直後にOHTやグロスメディアのような定着速度を通常よりも低下させて定着する場合において、ローラ温度のオーバーシュートによる過剰な熱量付与を防止できる。ゆえに、トナーのホットオフセットによる画像汚れ、およびローラへのメディア巻き付きを防止することができる。
【0064】
実施例4
つぎに、本発明の第4実施例について図7により説明する。本実施例においても本発明を第3実施例と同様のメディア検知センサを有するフルカラーレーザプリンタに適用した。よって、プリンタおよび定着装置の説明は省略する。
【0065】
本実施例のプリンタは、1/1速、1/3速、1/4速の3種類の定着速度を有し、可変としている。
【0066】
図7は、本実施例の定着制御シーケンスを表すフローチャートである。画像形成装置がメディア検知センサ30により給紙メディアの種別を検知し(S31)、メディアが普通紙の場合には、普通紙モード、つまり定着速度:1/1速にて定着を行ない(S32)、一方、定着速度を通常よりも低下させて定着を行うメディア、すなわちOHT/グロスフィルムであることを検知した場合、そのときの定着装置のローラ温度を確認する(S33)。ここまでの制御は、第2実施例と変わりはない。
【0067】
そして、本実施例においては、ローラ温度が180℃未満の場合にはOHT/GlossFilmモード、すなわち定着速度:1/4速で定着を行ない(S34)、ローラ温度が180℃以上の場合には定着速度:1/3速に速めて定着を行なう(S35)。
【0068】
本実施例のように、OHT/グロスフィルムであることを検知し、更にローラ温度が180℃以上であることを検知した場合に、OHT/GlossFilmモードの定着速度を通常よりも速めることで、過剰な熱量付与を防止する。本実施例では、定着速度をOHT/GlossFilmモードの1/4速から1/3速に速めることで、メディアに付与する熱量を調整する。この方法であれば、第3実施例のようにローラが冷めるまで待つ時間を要しないので、ユーザーへの負荷も少なくて済むという利点がある。
【0069】
以上に述べたシーケンスにより、普通紙の連続プリント直後にOHTやグロスフィルムのような定着速度を通常よりも低下させて定着する場合において、ローラ温度のオーバーシュートによる過剰な熱量付与を防止できる。ゆえに、トナーのホットオフセットおよびローラへのメディア巻き付きを防止することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の画像形成装置によれば、通常の定着速度のプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常のプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上のときは、予めスループットを下げてプリントすることにより、大熱容量記録材の定着時に発生しやすい、回転体の表面温度のオーバーシュートで発生するホットオフセットによる画像汚れ、および前記回転体への記録材の巻き付きを防止でき、高品質画像を得ることができるとともに、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第4実施例の定着装置を示す概略構成図である。
【図2】第1〜第4実施例のフルカラーレーザプリンタである画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第1実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3および第4実施例のメディア検知センサを示す説明図である。
【図6】本発明の第3実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第4実施例における制御シーケンスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 定着ローラ
1a、2a ヒータ(熱源)
1c、2c 弾性層
2 加圧ローラ
30 メディア検知センサ(記録材検知手段)
P メディア(記録材)
Claims (5)
- 熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上の時は、通常のプリントジョブの単位時間あたりの通紙枚数を通常より低下させてプリントすることを特徴とする画像形成装置。
- 熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、通常の定着速度で定着させるプリントジョブの後に、定着速度を通常よりも低下させて定着するプリントジョブが待機している場合、通常の定着温度で定着させるプリントジョブの連続通紙枚数が所定枚数以上の時は、通常のプリントジョブ定着温度を通常より低下させてプリントすることを特徴とする画像形成装置。
- 熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、記録材の種類を判別可能な検知手段を有し、前記検知手段が定着速度を通常より低下させて定着を行う記録材であることを検知した場合、前記定着ローラの表面温度を確認し、所定温度以上であるならば、所定温度未満に冷めるまで定着を待たせることを特徴とする画像形成装置。
- 熱源を内包する定着ローラと、前記定着ローラに圧接する加圧ローラを備え、前記定着ローラと前記加圧ローラの圧接部にて記録材を狭持搬送しながら熱と圧力をかけて未定着トナー像を固着させる定着装置を有する画像形成装置において、記録材の種類を判別可能な検知手段を有し、前記検知手段が定着速度を通常より低下させて定着を行う記録材であることを検知した場合、前記定着ローラの表面温度を確認し、所定温度以上であるならば、前記記録材の定着速度を速めることを特徴とする画像形成装置。
- 前記定着ローラは弾性層を有し、前記弾性層に用いるゴム硬度がJISA規格にて5°以下で、かつ前記定着ローラの製品硬度がAskerCにて65°以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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