JP4523816B2 - 電子写真記録装置及びその定着装置 - Google Patents

電子写真記録装置及びその定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4523816B2
JP4523816B2 JP2004259678A JP2004259678A JP4523816B2 JP 4523816 B2 JP4523816 B2 JP 4523816B2 JP 2004259678 A JP2004259678 A JP 2004259678A JP 2004259678 A JP2004259678 A JP 2004259678A JP 4523816 B2 JP4523816 B2 JP 4523816B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
offset
fixing
temperature
toner
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004259678A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006078555A (ja
Inventor
輝章 三矢
貴志 鈴木
努 中川
啓介 窪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004259678A priority Critical patent/JP4523816B2/ja
Publication of JP2006078555A publication Critical patent/JP2006078555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4523816B2 publication Critical patent/JP4523816B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等のトナ−等の着色粒子を用いて画像を顕像化させる電子写真記録装置及び、記録体の表面に形成されるトナー像を記録体に定着させる定着装置に関する。
電子写真方式を用いた記録装置は、着色粒子を記録体表面に画像として顕像化させる現像工程と、顕像化された着色粒子画像を記録体に固着させる定着工程から成る。着色粒子には電子写真専用のトナーと呼ばれる粉末が用いられる。トナ−は加熱により融解し、冷却により凝固する。上記定着工程では、このトナ−の性質を利用して、トナ−を加熱させることにより融解させ、記録媒体に定着させる。
以下、従来の定着装置について説明する。定着工程において、多く行われる加熱方法は、1本のロ−ラと1本の支持ロ−ラから成る1対の定着ロ−ラ対を圧接させ、 そのうち少なくとも1本の定着ロ−ラを加熱して、上記2本の定着ロ−ラが相接する溶融挟持部を形成し、その溶融挟持部にトナ−画像が形成された記録媒体を挿通させる方法である。また、1本の加熱ローラとそれを支持するようにベルトを押し付けて溶融挟持部を形成する方法もある。逆に、加熱ベルトにローラを支持させて溶融挟持部を形成させる方法やベルトとベルトで溶融挟持部を形成させる方法もある。以下の説明では、これらのローラやベルトを定着部材と呼ぶ。以下、2本の定着ローラを押し付けて溶融挟持部を形成する方法を例にとって説明を行う。この溶融挟持部に記録媒体を挿通させることにより記録媒体の表面に画像として配列したトナーは、加熱と同時に加圧される。溶融挟持部における熱エネルギと圧力による仕事の2種類のエネルギ供給を受けることによりトナ−は融解し変形する。この作用によりトナ−は記録媒体に定着する。ここで、定着ローラは、少なくとも一方が加熱される。また、記録媒体に形成されたトナー像を定着ローラに挿通する際、トナー像の担持面と加熱された定着ローラとが接触するように挿通する。上記加熱ロ−ラをヒートローラと呼ぶ。また、上記支持ロ−ラをバッククアップローラと呼ぶ。なお、以下の説明では、簡単のためヒートローラをHR、バックアップローラをBRと呼ぶ。HRとBRの両方のローラを定着ローラ対と呼ぶ。また、HRとBRのうち任意のいずれか一方を定着ローラと呼ぶことがある。HRとBRによるトナーの加熱融解方法をHR定着と呼ぶ。一方、支持ロ−ラであるBRは金属製の回転軸の外側に弾性層が設けられ、HRとの圧接の際にこの弾性層が変形して溶融挟持部が形成される。溶融挟持部のことをニップ部と呼ぶ。また、通紙方向のニップ部の長さをニップ幅と呼ぶ。記録媒体上の1点がニップ部を通過する時間をニップ時間と呼ぶ。弾性層はHRにも設けられることがあり、その場合にはニップ部はBRとHRの双方の弾性層が変形することにより形成される。
HRはアルミニウム等の高熱伝導性材料の中空円筒から成り、その中心部にヒ−タが備えられている。中空円筒を芯金と呼ぶ。また、ヒ−タにはハロゲンランプを用いることが多い。この定着装置では、トナ−像を加熱せしめる際に、融解したトナ−が定着ローラに付着する現象が発生することがある。この現像をオフセットと呼び、定着ローラに付着したトナーをオフセットトナーと呼ぶ。オフセットトナーが多量に発生した場合、このオフセットトナーが記録媒体に再転移し、記録情報との区別がつかなくなって誤印字をひきおこすという問題が発生する。
図1はオフセットトナーの発生特性を示す図である。19は低温領域、20は高温領域、21は非オフセットバンドである。横軸に定着ローラの温度、縦軸にオフセットトナーの量を示す。オフセットトナーの量は低温領域19および高温領域20で多く、低温領域19で発生するオフセットを低温オフセット、高温領域20で発生するオフセットを高温オフセットと呼ぶ。この低温領域19と高温領域20に狭まれた領域を非オフセットバンド21と呼び、オフセットトナーの量は少ない。さらに、低温領域と高温領域の非オフセットバンド21の境界域をノンビジュアルオフセット域191、201と呼ぶ。ノンビジュアルオフセット域191、201ではオフセットトナーの量が軽微なため、オフセットトナーは目に見えない。オフセットが発生した場合の最も深刻な問題点は、定着ローラに付着したオフセットトナーが記録媒体に再転移して誤印字を引き起こすことにある。したがって、記録媒体に再転移したオフセットトナーが画像として認められなければ、この問題は発生し得ないのである。ノンビジュアルオフセット域191、201ではこのような誤印字の問題は発生しない。オフセットを防止するため、HRのトナ−と接する外被層に離型性が高いシリコンゴムやフッ素ゴム、あるいはフッ素樹脂が離型層として用いられる。特に、フッ素樹脂は離型性が高いことでよく知られており、外被層材料として、PFA(パ−フルオロアルコキシ)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等がよく用いられている。その上で、定着装置ではオフセットトナーの量を極力少なくするため、定着ローラの温度を非オフセットバンド21内に設定するのが通常である。非オフセットバンド21内に定着ローラの温度を設定しても、ノンビジュアルオフセット域191、201より少ない若干のオフセットが発生するので、定着ローラに不織布や多孔性物質等を接触させてオフセットトナーを拭取るクリーナを有する定着装置が存在する。この場合、不織布や多孔性物質が捕集可能な量以上のオフセットトナーを捕集しようとすると、不織布や多孔性物質に一度捕集されたオフセットトナーが再度定着ローラに転移する。さらにこれが記録体に転移するという問題も発生する。この問題を蓄積トナー汚れと呼ぶ。これを未然に防ぐため、不織布や多孔性物質に拭取られたオフセットトナーが上記捕集可能な量にまで蓄積される前に、不織布や多孔性物質から成るクリーナを交換しなければならない。先に述べたノンビジュアルオフセット域191、201では、誤印字は発生しないが、捕集すべきオフセットトナーが多量に発生し、クリーナの交換を極めて短い期間で行なわれなければならないという問題がある。
また、非オフセットバンド21におけるオフセットトナーの量を少なくするため、定着ローラにシリコンオイル等の離型剤を塗布する場合もある。この場合、適量のシリコンオイルを定着ローラに塗布することにより、オフセットトナーの量が零となる場合もある。しかし、オフセットトナーの量は離型剤の量だけでなく、トナーの組成や添加物、トナ−画像のトナ−層の厚さ、印刷パターンや密度、定着時のトナーに供給される熱量やその供給時間などの種々の因子との関係において規定されるため、離型剤の塗布によりオフセットトナーの量が零となるのは、極く限られた条件においてのみ可能である。したがって、離型剤の塗布により、オフセットトナーの量を少なくすることは可能であるが、零とはならぬ場合が多い。
カラー画像のように複数の色のトナー層を重ねて定着を行う場合には、トナー層が厚くなるのでオフセットが発生しやすくなる。これを対策するために、HR温度を下げて、ニップ時間を延ばし定着時のトナー層内の温度分布を極力均一にする方法が用いられる。その際には、加熱ローラをベルトで支持する方法が用いられることが多い。ニップ時間を長くすると、ニップ時間中に相当量の熱が用紙の裏面(定着するトナーの存在する面の反対側)まで貫流するので、紙厚によりトナーに投入される熱量が異なってくる。即ち、ニップ時間が短いとニップ時間中に達する有効な熱の伝播距離は紙厚さより短く、その場合如何なる紙厚さを用いようが紙厚さは熱的には無限大一定とみなすことができ、投入される熱量は紙厚さにかかわらず一定になる。
しかし、ニップ時間が長いと、有効な熱の伝播距離は紙厚さより長くなり紙厚さにより投入熱量が変化する。そこで、投入熱量を一定に保つため、紙厚に応じてニップ時間を変える必要が発生する。紙厚さによりニップ時間を変化させることは、現像を含む全プロセスそのものの速度を変えるか、定着部だけ速度を変えるかしか方法は無い。前者の場合、紙搬送のみならず現像や転写の条件までも狂わせるので、プロセス全体の信頼性の低下を招き、さらには紙厚さによって印刷速度が一定しないというユーザビリティーに大きな損失もこうむる。後者の場合、用紙間隙をバッファにして行うが、転写後定着までの間で搬送速度を変えるため転写後定着までの搬送路が少なくとも紙長さより長くなり装置の大型化をもたらし、さらには搬送速度を変えるので紙搬送上の信頼性を損なうという問題がある。
次に、従来の方法を図2〜図4を用いて具体的に説明する。
図2は、ニップ時間が短い場合の定着における熱浸透状況を模式的に示す図である。1はヒートローラ、2は用紙、3は定着機に入る前の用紙温度より温度が上昇した範囲、即ち有効熱浸透部分である。ある時間内に熱が浸透する深さは熱浸透厚さと呼ばれ、厳密には熱拡散率と時間の積を12倍した値の平方根で与えられる。本発明が問題にする紙厚さとの関係でこれを考えると、紙の熱拡散率とニップ時間の積の12倍の平方根となる。この場合の厚さは、その厚さの地点において少しでも温度が上昇することで定義されている。実用的には、電子写真の定着における熱浸透厚さは、紙の熱拡散率とニップ時間の積の平方根で考えればよい。ニップ時間が10ms程度の場合、図2に示すように如何なる紙厚においてもニップ時間中に熱ロールから供給された熱は紙の裏面まで到達していない。熱浸透部分は紙厚さによらず同じである。すなわち、どの紙厚さも熱的には無限厚さで同一の厚さであると見なすことができる。この場合、トナーに供給される熱量は紙厚さにかかわらず同じになる。
図3はニップ時間が長い場合の定着における熱浸透状況を模式的に示す図である。31は薄い紙の熱浸透部分3の範囲を示したプロファイルである。薄い方の紙では、熱は裏面にまで達しており、厚い紙と比較して熱浸透部分のプロファイルが異なり、特にトナーが存在するヒートローラ1との界面近傍の熱浸透範囲が細っており、トナーに投入される熱量が少なくなっていることがわかる。したがって、厚い紙では薄い紙と同じ熱量をトナーに投入するために、より多くの熱量を紙に投入する必要がある。
図4は厚い紙厚のほうにニップ時間を伸張した場合の熱浸透の状態を示す図である。ニップ時間を伸張することはより多くの熱量を用紙に投入することを意味する。32は図3の厚紙の熱浸透部分3の範囲を示したプロファイルである。
図4に示すようにニップ時間を伸ばすことによって、ヒートローラ1との界面近傍において薄紙と同じ熱浸透部分のプロファイルが得られる。このように従来の方法では有効な熱浸透厚さが紙厚を越えるとニップ時間を調節してトナーに投入する熱量を一定にする必要があった。即ち、厚紙の場合、薄紙と同じ熱量をトナーに投入するにはより多くの熱量を用紙に供給する必要がある。
特許第2875423号明細書
以上述べた従来の定着装置では、特にニップ時間を長くすると紙厚によって、ニップ時間を変える必要が生じるという問題があった。その結果、信頼性、ユーザビリティーの低下が発生するという問題があった。
本発明の目的は、長いニップ時間を要する定着装置において、いかなる紙厚でもニップ時間を変更する必要のない定着装置を実現し、高い信頼性、ユーザビリティーを提供することにある。
上記目的は、少なくともトナー像を記録体上に作像する作像装置と、少なくとも1本の加熱ローラを有し該記録体上に作像された未定着のトナー像を定着する定着装置とからなる電子写真記録装置において、トナー像を加熱せしめる際に溶融したトナーが定着装置の定着部材に付着するオフセットが発生し、且つオフセットしたトナーであるオフセットトナーが記録体に再転移して、記録体にオフセットトナーが目に見えるときの定着温度をオフセット域とし、オフセットが発生しない定着温度を非オフセット域とし、前記オフセット域と前記非オフセット域とに隣接し、且つオフセットトナーの量が微量であり記録体に再転移しても、記録体にオフセットトナーが目に見えないときの定着温度をノンビジュアルオフセット域として、記録体の厚さを切り替えて定着を行う際には、前記ノンビジュアルオフセット域にある加熱ローラ温度に設定して前記記録体の定着を行い、前記ノンビジュアルオフセット域にある加熱ローラ温度で定着を行う記録体は、前記記録体の厚さを切り替えた後の一定枚数であり、前記記録体の厚さを切り替えた後の一定枚数以外の記録体の定着は前記非オフセット域にある加熱ローラ温度で定着を行うことによって達成される。
本発明によれば、ノンビジュアルオフセット域において印刷を開始することにより定着部材温度の変更を用いて紙厚変更に伴う熱量調整ができるので、ニップ時間の長い定着装置においても印刷速度または定着速度を変更することを不要にすることが出来るという利点を有する。
以下、本発明の一実施例を図1および図5を用いて説明する。
図1は、オフセットトナーの発生特性を示す図である。19は低温領域、20は高温領域、21は非オフセットバンドである。横軸に定着ローラの温度、縦軸にオフセットトナーの量を示す。オフセットトナーの量は低温領域19および高温領域20で多く、低温領域19で発生するオフセットを低温オフセット、高温領域20で発生するオフセットを高温オフセットと呼ぶ。この低温領域19と高温領域20に狭まれた領域を非オフセットバンド21と呼び、オフセットトナーの量は少ない。さらに、低温領域と高温領域の非オフセットバンド21の境界域をノンビジュアルオフセット域191、201と呼ぶ。ノンビジュアルオフセット域191、201ではオフセットトナーの量が軽微なため、オフセットトナーは目に見えない。オフセットが発生した場合の最も深刻な問題点は、定着ローラに付着したオフセットトナーが記録媒体に再転移して誤印字を引き起こすことにある。したがって、記録媒体に再転移したオフセットトナーが画像として認められなければ、この問題は発生し得ないのである。ノンビジュアルオフセット域191、201ではこのような誤印字の問題は発生しない。ノンビジュアルオフセット域191、201では、誤印字は発生しないが、捕集すべきオフセットトナーが多量に発生し、この温度域で印字し続けた場合、クリーナの交換を極めて短い期間で行なわれなければならないという問題が発生する。具体的には、クリーナ交換に影響の出る印刷枚数は数千ページ以上であり、ノンビジュアルオフセット域191、201での数十ページの印刷程度では実質的にクリーナ交換時期を早めることはない。
図5は、本発明の記録装置において薄紙を用いて定着を行う場合と、厚紙を用いて定着を行う場合のHR温度とオフセット発生の関係を示す図である。図中○印は、オフセットが発生しないこと、△印はノンビジュアルオフセットが発生すること、×は目に見えるオフセットが発生することを示す。本発明の記録装置では、HRのみを加熱し、ニップ時間が100msと長いため、厚紙と薄紙では同じ温度でトナーに投入する熱量が異なる。したがって、非オフセットバンドもずれて現れる。薄紙の場合、HR温度は170℃一定に制御される。厚紙の場合には、トナーへの投入熱量が減少するが、ニップ時間を薄紙と同じにするのでHR温度を上げる必要がある。そのため、厚紙の場合、HR温度は190℃一定に制御される。実際には、単にトナーへの投入熱量をあわせるだけでHR温度を設定するわけには行かず、オフセット特性との整合を取る必要がある。厚紙と薄紙でトナーに投入される熱量が等しく、かつできる限りオフセットバンドのセンターにHR温度を設定するのが望ましい。
本発明の記録装置では、薄紙の場合のHR温度(170℃)と等しい熱量を得る厚紙のHR温度は200℃であるが、あえて厚紙の場合にはHR温度を190℃に設定した。これは、紙種切り替えをスムースに行えるようにしたためである。即ち、厚紙から薄紙に切り替えた時、HR温度は厚紙で190℃に制御されているので、薄紙の1枚目では190℃に近いHR温度となっている。その際、HR温度は、薄紙ではノンビジュアルオフセット域201に相当するので目に見えるオフセットは発生しない。逆に、薄紙から厚紙に切り替えた時、HR温度は薄紙で170℃に制御されているので、厚紙の1枚目では170℃に近いHR温度となっている。その際、HR温度は、厚紙ではノンビジュアルオフセット域191に相当するので目に見えるオフセットは発生しない。もし、トナーに投入する熱量を完全に一致させるため、厚紙でHR温度を200℃に設定すると、厚紙から薄紙に切り替えた時、薄紙の1枚目では200℃に近いHR温度となっている。その際、HR温度は、薄紙ではオフセット域20のノンビジュアルオフセット域201の外側に相当するので目に見えるオフセットが発生するという問題が発生する。本発明の記録装置では、紙厚切り替え操作がなされると直ちに制御温度はその紙厚に即した値にセットされるが、低温(170℃)から高温(190℃)に切り替わった時(薄紙から厚紙に切り替わった時)は連続印刷15ページで、HR温度は高温(190℃)の設定温度と等しい温度に達する。また、高温(190℃)から低温(170℃)に切り替わった時(厚紙から薄紙に切り替わった時)は連続印刷10ページで、HR温度は低温(170℃)の設定温度と等しい温度に達する。HR温度がノンビジュアルオフセット域191、201におかれる印刷ページ数が15ページ以下と僅かなため、クリーナ交換の期間を短縮することもない。
以上述べた本実施例によれば、100msもの長時間ニップでありながら、紙厚さによりニップ時間を切り替える必要がなく、かつオフセットによる誤印字の発生もない。これにより、印刷速度または定着速度を変更することを不要にすることが出来るので、厚紙印刷時の印刷生産性の低下が許されない用途に利用できるようになる、また印刷速度を一定にできるので最終転写プロセスと定着プロセスの用紙搬送速度を絶えず等しくでき、最終転写プロセスから定着プロセスまでの距離を搬送方向の用紙長より短く出来る。これにより記録装置をコンパクトに出来るので従来記録装置を設置できなかった狭い空間においても設置できるようになる。
なお、本実施例では定着部材がHRとBRからなる定着装置について説明したが、1本の加熱ローラとそれを支持するようにベルトを押し付けてニップ部を形成する定着装置、加熱ベルトにローラを支持させてニップ部を形成させる定着装置やベルトとベルトでニップ部を形成させる定着装置でも本実施例に述べたのと同様の効果が得られる。
次に、本発明の他の実施例を図1および図6を用いて説明する。
図6は、本実施例の記録装置において極薄紙、薄紙および厚紙を用いて定着を行う場合のヒートローラ温度とオフセット発生の関係を示す図である。本実施例の記録装置は、実施例1に記載の記録装置と同様であるが、極薄紙をサポートした点が異なる。薄紙と厚紙の間の温度切り替えは実施例1と同様である。極薄紙でのHR温度は160℃一定に制御される。薄紙でのHR温度は実施例1と同様の170℃でる。極薄紙と薄紙の間の温度切り替えは、いずれのHR温度も切り替え先の非オフセットバンド21内にて行うことができるので、誤印字やクリーナ交換までの期間に問題は発生しない。しかし、極薄紙から厚紙あるいは厚紙から極薄紙への切り替えの場合には、薄紙と厚紙間の切り替えとは事情が異なる。本実施例の記録装置では、極薄紙におけるHR温度は140℃に制御される。極薄紙の温度設定(140℃)のまま厚紙を通紙すると、HR温度は厚紙においてはオフセットが発生する低温領域19のノンビジュアルオフセット域191の外側になるので、目に見えるオフセットが発生する。紙厚切り替えと同時に設定温度を切り替えたとしても、温度変化には時間遅れがあるので実際のHR温度は直ぐには上昇せず、温度設定切り替えと同時に厚紙を通紙すると目に見えるオフセットが発生する。そこで、本実施例ではHR温度がノンビジュアルオフセット域191である170℃に上昇するまで印刷を禁止するよう設定されている。170℃で印刷を開始すれば目に見えるオフセットが発生せず、印刷中にHR温度はほどなく設定温度の190℃に達するのでノンビジュアルオフセットもクリーナ交換への影響が発生しない程度に収まる。一方、厚紙の温度設定(190℃)のまま極薄紙を通紙すると、HR温度は極薄紙においてはオフセットが発生する高温領域20のノンビジュアルオフセット域201の外側になるので、目に見えるオフセットが発生する。紙厚切り替えと同時に設定温度を切り替えたとしても、同時に極薄紙を通紙すると、極薄紙から厚紙への切り替えと同様に目に見えるオフセットが発生する。そこで、本実施例ではHR温度がノンビジュアルオフセット域201である170℃に降下するまで印刷を禁止するよう設定されている。170℃で印刷を開始すれば目に見えるオフセットが発生せず、印刷中にHR温度はほどなく設定温度の140℃に達するのでノンビジュアルオフセットもクリーナ交換への影響が発生しない程度に収まる。
以上述べた本実施例によれば、100msもの長時間ニップでありながら、極薄紙から厚紙まで紙厚さによりニップ時間を切り替える必要がなく、かつオフセットによる誤印字の発生もない。これにより、印刷速度または定着速度を変更することを不要にすることが出来るので、厚紙印刷時の印刷生産性の低下が許されない用途に利用できるようになる、また最終転写プロセスから定着プロセスまでの距離を搬送方向の用紙長より短く出来るので従来記録装置を設置できなかった狭い空間においても設置できるようになることは実施例1と同様で言うまでもない。
なお、本実施例では定着部材がHRとBRからなる定着装置について説明したが、1本の加熱ローラとそれを支持するようにベルトを押し付けてニップ部を形成する定着装置、加熱ベルトにローラを支持させてニップ部を形成させる定着装置やベルトとベルトでニップ部を形成させる定着装置でも本実施例に述べたのと同様の効果が得られる。
オフセットトナーの発生特性を示す図。 ニップ時間が短い場合の定着における熱浸透状況を模式的に示す図。 ニップ時間が長い場合の定着における熱浸透状況を模式的に示す図。 厚い紙厚のほうにニップ時間を伸張した場合の熱浸透の状態を示す図。 薄紙を用いて定着を行う場合と、厚紙を用いて定着を行う場合のヒートローラ温度とオフセット発生の関係を示す図。(実施例1) 極薄紙、薄紙および厚紙を用いて定着を行う場合のヒートローラ温度とオフセット発生の関係を示す図。(実施例2)
符号の説明
1…ヒートローラ、2…用紙、3…定着機に入る前の用紙温度より温度が上昇した範囲、19…低温領域、20…高温領域、21…非オフセットバンド、31…は薄い紙の熱浸透部分3の範囲を示したプロファイル、32…図3の厚紙の熱浸透部分3の範囲を示したプロファイル、191、201…ノンビジュアルオフセット域。

Claims (5)

  1. 少なくともトナー像を記録体上に作像する作像装置と、少なくとも1本の加熱ローラを有し該記録体上に作像された未定着のトナー像を定着する定着装置とからなる電子写真記録装置において、
    トナー像を加熱せしめる際に溶融したトナーが定着装置の定着部材に付着するオフセットが発生し、且つオフセットしたトナーであるオフセットトナーが記録体に再転移して、記録体にオフセットトナーが目に見えるときの定着温度をオフセット域とし、
    オフセットが発生しない定着温度を非オフセット域とし、
    前記オフセット域と前記非オフセット域とに隣接し、且つオフセットトナーの量が微量であり記録体に再転移しても、記録体にオフセットトナーが目に見えないときの定着温度をノンビジュアルオフセット域として、
    記録体の厚さを切り替えて定着を行う際には、前記ノンビジュアルオフセット域にある加熱ローラ温度に設定して前記記録体の定着を行い、
    前記ノンビジュアルオフセット域にある加熱ローラ温度で定着を行う記録体は、前記記録体の厚さを切り替えた後の一定枚数であり、
    前記記録体の厚さを切り替えた後の一定枚数以外の記録体の定着は前記非オフセット域にある加熱ローラ温度で定着を行うことを特徴とする電子写真記録装置の定着装置。
  2. 前記ノンビジュアルオフセット域にある加熱ローラ温度は、前記記録体の厚さを厚紙から薄紙に切り替えて定着を行う場合には前記非オフセット域より10℃高く設定され、前記記録体の厚さを薄紙から厚紙に切り替えて定着を行う場合には前記非オフセット域より10℃低く設定されることを特徴とする請求項1記載の電子写真記録装置の定着装置。
  3. 前記ノンビジュアルオフセット域にある加熱ローラ温度は、前記記録体の厚さを厚紙から薄紙に切り替えて定着を行う場合には190℃であり、前記記録体の厚さを薄紙から厚紙に切り替えて定着を行う場合には170℃であることを特徴とする請求項1記載の電子写真記録装置の定着装置。
  4. 記録体の熱拡散率とニップ時間の積の平方根が該記録体の厚さより大きい範囲にニップ時間を設定したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の電子写真記録装置の定着装置。
  5. 記録体の厚さを切り替える際にニップ時間を一定にしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電子写真記録装置の定着装置。
JP2004259678A 2004-09-07 2004-09-07 電子写真記録装置及びその定着装置 Expired - Fee Related JP4523816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004259678A JP4523816B2 (ja) 2004-09-07 2004-09-07 電子写真記録装置及びその定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004259678A JP4523816B2 (ja) 2004-09-07 2004-09-07 電子写真記録装置及びその定着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006078555A JP2006078555A (ja) 2006-03-23
JP4523816B2 true JP4523816B2 (ja) 2010-08-11

Family

ID=36158106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004259678A Expired - Fee Related JP4523816B2 (ja) 2004-09-07 2004-09-07 電子写真記録装置及びその定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4523816B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5955084B2 (ja) 2012-04-27 2016-07-20 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP6176981B2 (ja) 2013-04-10 2017-08-09 キヤノン株式会社 画像加熱装置及び画像形成装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2875423B2 (ja) * 1990-11-28 1999-03-31 株式会社日立製作所 定着装置及び定着方法並びに電子写真装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2875423B2 (ja) * 1990-11-28 1999-03-31 株式会社日立製作所 定着装置及び定着方法並びに電子写真装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006078555A (ja) 2006-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3033486B2 (ja) 定着方法及びその装置
JP2005316443A (ja) 像加熱装置及びこの装置に用いられる搬送ローラ
WO1998014837A1 (en) Belt type fixing device
JP2002006656A (ja) 定着装置および画像形成装置
JPH07160137A (ja) 定着装置及び定着方法並びに記録装置
JP2015129792A (ja) 画像形成装置
JP4523816B2 (ja) 電子写真記録装置及びその定着装置
JP6682861B2 (ja) 定着装置及びそれを用いた画像形成装置
JP4750611B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2022012316A (ja) ヒーター部材、加熱装置、定着装置および画像形成装置
JP3961169B2 (ja) 加熱ローラおよびこれを用いた定着装置
JP2007079048A (ja) 画像加熱装置
JP4463736B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2011053411A (ja) 加熱定着装置
JP2022087671A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JPH0764420A (ja) 熱定着装置
JP2005055470A (ja) 無端状定着ベルト及び定着装置
JP3223754B2 (ja) 定着装置
JP5799644B2 (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP2013037065A (ja) 像加熱装置
JP3624991B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4068793B2 (ja) 加熱装置および画像形成装置
JPH11133796A (ja) 定着装置
JP2023007113A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2016001247A (ja) 加熱装置、定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070601

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20081028

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100518

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100528

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4523816

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130604

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees