<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図6を用いて説明する。まず、図1により、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。図1に示す画像形成装置は、それぞれ色の異なる4色のトナー像を形成する4個の画像形成ユニットY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・Bk(ブラック)が配置される。そして、これら画像形成ユニットを縦貫するようにして、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト10が配置されている。
これら4個の画像形成ユニットY・M・C・Bk、は、同様の構成であり、以下では、代表してイエローの画像形成ユニットYの構成を説明する。他の画像形成ユニットについては、画像形成ユニットYと同一の構成及び作用の部材には同じ番号を付し、各ユニットを示す添え字を変更する。
像担持体として、例えば表層がOPC(有機光半導体)からなる円筒型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」と称する。)1Yは、矢印方向へ回転駆動される。2Yは、感光ドラム1Yの表面を一様均一に帯電する帯電ローラである。所定のバイアスが印加された帯電ローラ2Yは、感光ドラム1Yと接触従動回転して、感光ドラム1Y表面を所定の電位に帯電する。帯電された感光ドラム1Yは、露光装置3Yによる露光光(レーザー光等)による露光が行われて、入力原稿の色分解画像に対応した静電潜像が形成される。現像装置4Yは、現像ローラで帯電したトナーを用いて静電潜像の現像を行い、静電潜像に対応したトナー像を、感光ドラム1Y表面に形成する。感光ドラム1Y上のトナー像は、感光ドラム1Yと1次転写ローラ5Yとの1次転写ニップ部T1Yにおいて、1次転写ローラ5Yにより、感光ドラム1Yの周速とほぼ同速度で回転している中間転写ベルト10上に1次転写される。
1次転写後の感光ドラム1Y上の1次転写残トナーは、ブレード又はブラシ等が配置された感光ドラムクリーニング装置6Yにより回収される。そして、1次転写残トナーが除去された感光ドラム1Yは、再び帯電ローラ2Yにより一様均一に帯電されて繰り返し作像に供される。
中間転写ベルト10は、駆動ローラ11、支持ローラ12、バックアップローラ13に張架される。そして、4個の画像形成ユニットY・M・C・Bkの感光ドラム1Y・1M・1C・1Bkに接触しながら、駆動ローラ11の矢印方向の回転により回転駆動される。
フルカラーモード(フルカラー画像形成)が選択されている場合は、以上のような作像動作が4個の画像形成ユニットY・M・C・Bkにて実行される。そして、感光ドラム1Y・1M・1C・1Bk上にそれぞれ形成されたイエロートナー像・マゼンタトナー像・シアントナー像・ブラックトナー像が中間転写ベルト10上に順次多重転写される。なお、色順は上記に限定されず画像形成装置により任意である。
そして、中間転写ベルト10上に多重転写された4色のトナー像は、バックアップローラ13と2次転写ローラ14との2次転写転写部T2で、2次転写ローラ14により、記録材Pへ一括して2次転写される。又、記録材Pは、給紙カセット(不図示)内から一枚分離給送され、レジストローラ対(不図示)によって、2次転写部T2に中間転写ベルト10上の多重転写トナー画像に合わせた所定の制御タイミングで供給される。
本実施形態では、記録材上に画像を形成する画像形成部を上述のように構成している。そして、このような画像形成部により記録材上に形成された画像(トナー像)は、定着装置20により記録材に定着される。即ち、トナー像が転写された記録材Pは、定着装置20に導入され、記録材P上のトナー像が加圧・加熱されて記録材P上にフルカラートナー像が定着される。
2次転写後の中間転写ベルト10上の2次転写残トナーは、ブレード又はブラシ等が配置された中間転写クリーニング装置15により回収される。そして、2次転写残トナーが除去された中間転写ベルト10は、繰り返し画像形成の1次転写に供される。
又、例えば黒単色のモノカラーモード(モノカラー画像形成)や2〜3色モードの場合は、必要な色の画像形成ユニットにおいて感光ドラムに対する画像形成が実行される。この時、不必要な画像形成ユニットにおける感光ドラムは空回転される。そして、そのトナー像が1次転写部T1にて中間転写ベルト10上に1次転写され、さらに2次転写部T2にて記録材Pに2次転写され、定着装置20へ導入される動作が実行される。
次に、加熱装置20について説明する。図2に示すように、加熱装置20は、加熱回転体(加熱部材)である定着ローラ21、加圧部材としての加圧ローラ22、外部加熱部材を構成する外部加熱ベルト23を備える。このうちの定着ローラ21は、不図示の駆動源によって、矢印A方向に所定の速度、例えば500mm/secの周速で回転駆動される。また、加圧ローラ22は定着ローラ21の回転により従動回転する。
このような定着ローラ21及び加圧ローラ22は、図3に示すように、円筒状金属製の芯金24a、24b、耐熱性の弾性層25a、25b、耐熱性の離型層26a、26bを内径側から順に重ねてなる。定着ローラ21の芯金24aは、例えば、外径74mm、厚み6mm、長さ350mmのアルミニウム製である。また、弾性層25aは、例えば厚さ3mmのシリコーンゴム(例えばJIS−A硬度20度)からなり、芯金24aの外周面を被覆している。また、離型層26aは、トナーとの離型性向上のため、例えば厚さ100μmのフッ素樹脂(例えばPFAチューブ)からなり、弾性層25aの表面を被覆している。
一方、加圧ローラ22の芯金24bは、例えば、外径54mm、厚み5mm、長さ350mmのステンレス製である。また、弾性層25bは、例えば厚さ3mmのシリコーンゴム(例えばJIS−A硬度20度)からなり、芯金24bの外周面を被覆している。また、離型層26bは、トナーとの離型性向上のため、例えば厚さ100μmのフッ素樹脂(例えばPFAチューブ)からなり、弾性層25bの表面を被覆している。
また、定着ローラ21の芯金24aの内部には、図2に示すように、回転体加熱手段であり、通電により発熱する例えば定格電力1200Wのハロゲンヒータ27a(発熱体)が、定着ローラ21の幅方向(長手方向、軸線方向)ほぼ全体に亙って配置されている。そして、定着ローラ21の表面温度が所定の目標温度となるように内部から加熱している。なお、定着ローラ21の表面温度は、後述する温度検知手段であるサーミスタ28a、28bによって検出される。そして、この検出温度に基づいて、制御手段であるCPU29によりハロゲンヒータ27aをON/OFF制御することで、所定の目標温度、例えば200℃に温度制御される。
一方、加圧ローラ22の芯金24bの内部にも、図2に示すように、加圧部材加熱手段であり、通電により発熱する例えば定格電力400Wのハロゲンヒータ27b(発熱体)が、加圧ローラ22の幅方向(長手方向、軸線方向)ほぼ全体に亙って配置されている。そして、加圧ローラ22の表面温度が所定温度となるように内部から加熱している。なお、加圧ローラ22の表面温度は、後述する温度検知手段であるサーミスタ30a、30bによって検出される。そして、この検出温度に基づいて、CPU29によりハロゲンヒータ27bをON/OFF制御することで、所定の目標温度、例えば130℃に温度制御される。
また、加圧ローラ22は、不図示の加圧手段により、定着ローラ21に所定圧力で加圧され、定着ローラ21とニップ部である定着ニップ部N1を形成し、矢印B方向に定着ローラ21に従動回転される。なお、定着ニップ部N1の周方向の幅は、例えば、約10mmである。
また、外部加熱ベルト23は、外部加熱ローラ31、32に張架されている。これら外部加熱ローラ31、32は、例えば、外径30mm、厚み3mm、長さ350mmの円筒状金属製(例えばアルミニウム製)の芯金からなる。このような外部加熱ローラ31、32は、不図示の加圧手段により、定着ローラ21に所定圧力で加圧される。そして、外部加熱ベルト23と定着ローラ21との当接部である外部加熱ニップ部N2を形成する。外部加熱ベルト23及び外部加熱ローラ31、32は、定着ローラ21に対して、矢印C及び矢印D方向に従動回転する。なお、外部加熱ニップ部N2の周方向の幅は、例えば、約40mmである。
また、外部加熱ベルト23は、図4に示すように、無端状の金属製のベース層33、耐熱性の離型層34を内径側から順に重ねてなる。このうちのベース層33は、例えば、内径54mm、厚み50μm、長さ350mmのステンレス製である。また、離型層34は、トナーとの離型性向上のため、例えば厚さ20μmのフッ素樹脂(例えばPFAチューブ)からなり、ベース層33の外周面を被覆している。
また、外部加熱ローラ31、32の内部(ローラ内)には、外部加熱手段であり、通電により発熱する例えば定格電力800Wのハロゲンヒータ35a、35b(発熱体)が、外部加熱ローラ31、32の幅方向ほぼ全体に亙ってそれぞれ配置されている。なお、この幅方向は、ローラの長手方向、軸線方向でもある。そして、外部加熱ベルト23の表面温度が所定の目標温度となるように内部から加熱している。なお、外部加熱ベルト23の表面温度は、後述する温度検知手段であるサーミスタ36a、36b、37a、37bによって検出される。そして、サーミスタ36a、36bの検出温度に基づいてハロゲンヒータ35aを、サーミスタ37a、37bの検出温度に基づいてハロゲンヒータ35bを、それぞれCPU29によりON/OFF制御する。これにより、外部加熱ベルト23の表面温度を、所定の目標温度、例えば220℃に温度制御する。
上述のように構成される定着装置20の各ローラは、スタンバイ時とプリント時とで圧着又は離間動作を行う。この圧着・離間制御に関して説明する。スタンバイ時は、定着ローラ21の弾性層25a、及び、加圧ローラ22の弾性層25bの変形又は歪防止のため、加圧ローラ22、外部加熱ローラ31、32及び外部加熱ベルト23は、不図示の離間手段により定着ローラ21から離間される。一方、プリント中、即ち記録材上の画像の定着(加熱)動作中は、加圧ローラ22、外部加熱ローラ31、32及び外部加熱ベルト23は、不図示の加圧手段により定着ローラ21に圧着される。
なお、スタンバイ中に各ローラが離間せずに圧着したままとした場合、定着ニップ部N1及び外部加熱ニップ部N2での弾性層の変形又は歪がプリント中にも残存して、画像上に横スジや光沢スジ(光沢ムラ)等が発生して画像品質が低下してしまう。そのため、本実施形態のように、スタンバイ中に各ローラを離間するのが好適である。
また、前述したように、定着装置20は、画像形成部で記録材Pに形成された画像を記録材Pに定着させる。即ち、図2で示すように、トナーKを担持した記録材Pが矢印E方向に搬送され、定着ニップ部N1に導入される。そして、この記録材Pが定着ニップ部N1を通過することにより、加熱・加圧され、トナーKが記録材Pに定着される。この際、定着ローラ21表面の定着ニップ部N1で記録材Pに熱が奪われて温度低下した部位は、ハロゲンヒータ27aからの熱量、及び外部加熱ニップ部N2により加熱されて、所定温度に上昇する。その後、再び定着ニップ部N1で記録材Pに熱を与えることを繰り返して、定着動作が行われる。一方、外部加熱ベルト23の外部加熱ニップ部N2で定着ローラ21に熱が奪われて温度低下した部位は、外部加熱ローラ32との接触部で加熱され、更に外部加熱ローラ31との接触部で加熱されて、所定温度に上昇する。その後、再び外部加熱ニップ部N2で定着ローラ21に熱を与えることを繰り返して、定着動作が行われる。
次に、定着ローラ21、加圧ローラ22、外部加熱ベルト23のそれぞれの表面温度を検知するサーミスタについて説明する。本実施形態の場合、それぞれの表面温度を検知するサーミスタは、各ローラの幅方向(長手方向、記録材の通紙方向に直角な方向)に2個所ずつ配置している。即ち、図5に示すように、それぞれのローラ幅方向(図5の左右方向)中央部に、サーミスタ28a、30a、36a、37aを、ローラ幅方向片端部に、サーミスタ28b、30b、36b、37bを、それぞれ配置している。なお、図5は一部を省略又は簡略化して図2の右方から見た図に相当する。
本実施形態の画像形成装置は、中央通紙基準であり、図5には、最大サイズの記録材の幅(最大サイズ紙幅)と最小サイズの記録材の幅(最小サイズ紙幅)を示している。即ち、記録材のサイズに拘らず、記録材のローラ幅方向中央部と定着装置20の定着ローラ21、加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23の幅方向中央部とを略一致させた状態で、記録材の定着動作を行う。したがって、最小サイズの記録材は最小サイズ紙幅で示す破線内部分を、最大サイズの記録材は最大サイズ紙幅で示す破線内部分をそれぞれ通過する。なお、本実施形態では、定着ローラ21、加圧ローラ22及び外部加熱ベルト23の幅は互いにほぼ同じとし、互いの幅方向中央部も略一致させている。
上述の各サーミスタのうち、ローラ幅方向中央部に配置されるサーミスタ28a、30a、36a、37aは、最小サイズ紙幅で示す破線内部分に配置される。なお、これら各サーミスタは、各ローラの幅方向中央に配置されているが、最小サイズ紙幅の範囲内であればこの幅方向中央から外れた位置に配置しても良い。一方、ローラ幅方向片端部に配置されるサーミスタ28b、30b、36b、37bは、最大サイズ紙幅で示す破線内よりも幅方向外側に配置されている。即ち、これら各サーミスタは、最大サイズの記録材が通過する領域から外れた領域又はこの領域に対応する部位に配置されている。
なお、これら各サーミスタ28b、30b、36b、37bは、所定サイズの記録材が通過する領域から外れた位置、例えば最小サイズ紙幅で示す破線内よりも幅方向外側に配置されていれば良い。即ち、サーミスタ28b、30b、36b、37bは、定着ニップ部N1内で最小サイズの記録材が通過する通過領域(通紙部)から幅方向に外れた所定サイズ外領域(非通紙部)又はこれに対応する部位(非通紙対応部位)の任意の個所に配置されていれば良い。本実施形態では、通紙部から遠ざけてこの通紙部の温度の影響を抑えるべく、サーミスタ28b、30b、36b、37bを最大サイズ紙の非通紙部又は非通紙対応部位に配置している。
より具体的に説明すると、定着ローラ21の表面温度を検知するサーミスタ28a、28bは、図2に示すように、定着ニップ部N1の定着ローラ21の回転方向上流に、定着ローラ21の外周面に近接対向するように配置されている。なお、本実施形態では、これらサーミスタ28a、28bは、定着ローラ21の回転方向に関して同位相に配置されている。また、図5に示すように、最小サイズ紙幅の範囲内(通紙部)にサーミスタ28aを、最大サイズ紙幅の外側(非通紙部)にサーミスタ28bを、それぞれ配置している。サーミスタ28aは、通紙部の定着ローラ21の表面温度を所定温度に維持するように、ハロゲンヒータ27aを制御する温度制御用サーミスタであり、以後、メインサーミスタ28aと称する。サーミスタ28bは、定着ローラ21の所定サイズ外領域の温度を検知する、即ち、非通紙部の定着ローラ21の表面温度を監視するサーミスタであり、以後、サブサーミスタ28bと称する。
また、加圧ローラ22の表面温度を検知するサーミスタ30a、30bは、図2に示すように、定着ニップ部N1の加圧ローラ22の回転方向上流に、加圧ローラ22の外周面に近接対向するように配置されている。なお、本実施形態では、これらサーミスタ30a、30bは、加圧ローラ22の回転方向に関して同位相に配置されている。また、図5に示すように、最小サイズ紙幅の範囲内(通紙部)にサーミスタ30aを、最大サイズ紙幅の外側(非通紙部)にサーミスタ30bを、それぞれ配置している。サーミスタ30aは、通紙部の加圧ローラ22の表面温度を所定温度に維持するように、ハロゲンヒータ27bを制御する温度制御用サーミスタであり、以後、メインサーミスタ30aと称する。サーミスタ30bは、加圧ローラ22の所定サイズ外領域の温度を検知する、即ち、非通紙部の加圧ローラ22の表面温度を監視するサーミスタであり、以後、サブサーミスタ30bと称する。
また、外部加熱ベルト23の表面温度を検知するサーミスタ36a、36b、37a、37bは、この外部加熱ベルト23の外周面に近接対向するように配置されている。図示の例では、これら各サーミスタは、それぞれ外部加熱ローラ31、32と外部加熱ベルト23を挟んで対向する部分に配置されているが、配置位置は任意に設定可能である。なお、本実施形態では、サーミスタ36aとサーミスタ36bとは、外部加熱ベルト23の周方向に関して同位相に配置され、サーミスタ37aとサーミスタ37bとは、外部加熱ベルト23の周方向に関して同位相に配置されている。また、各サーミスタは、この周方向に関し、後述する冷却ファン38と外部加熱ニップ部N2との中間部にそれぞれ配置される。そして、各サーミスタが、冷却ファン38の冷却による影響、及び、定着ローラ21又は加圧ローラ22内のヒータ27a、27bによる影響を受けにくくしている。
また、図5に示すように、最小サイズ紙幅の範囲内(通紙対応部位)にサーミスタ36a、37aを、最大サイズ紙幅の外側(非通紙対応部位)にサーミスタ36b、37bを、それぞれ配置している。サーミスタ36a、37aは、通紙対応部位の外部加熱ベルト23の表面温度を所定温度に維持するように、ハロゲンヒータ35a、35bを制御する温度制御用サーミスタであり、以後、メインサーミスタ36a、37aと称する。サーミスタ36b、37bは、外部加熱ベルト23の所定サイズ外領域に対応する部位の温度を検知する、即ち、非通紙対応部位の外部加熱ベルト23の表面温度を監視するサーミスタであり、以後、サブサーミスタ36b、37bと称する。
また、本実施形態の場合、外部加熱ベルト23の所定部位を冷却する冷却手段である冷却ファン38を設けている。冷却ファン38は、図6に示すように、ファン本体38aと、ファン本体38aからの送風を外部加熱ベルト23の所定部位に導くダクト38bとから構成される。本実施形態の画像形成装置は中央基準通紙のため、冷却ファン38は、外部加熱ベルト23の幅方向(ローラの長手方向、軸線方向、図6の左右方向)両端部に対向する位置に配置される。
また、本実施形態では、冷却ファン38を、最小サイズ紙幅で示す破線内よりも幅方向外側に対向する位置にそれぞれ配置し、この部分に冷却ファン38からの送風が当たるようにしている。即ち、外部加熱ベルト23の、定着ニップ部N1内(第1のニップ部内)で所定サイズ(小サイズ)の記録材が通過する通過領域から幅方向に外れた所定サイズ外領域に対応する部位(非通紙対応部位)を冷却できるように、冷却ファン38を配置している。このために、ダクト38bの幅は、最小サイズ紙幅で示す破線と外部加熱ベルト23の幅方向端部との間隔とほぼ一致させている。
また、ファン本体38aは、電気部品のために耐熱性が高くないので、外部加熱ベルト23から極力離して、外部加熱ベルト23の熱による昇温を防止し、耐熱性のダクト38bで、外部加熱ベルト23の所定部位に送風する構成となっている。又、ファン本体38aの外部加熱ベルト23と反対側にも不図示のダクトを設けて、画像形成装置本体外の冷たい空気を取り込む構成としても良い。このように構成すれば、冷却効果をより向上させられる。なお、本実施形態では、冷却ファン38は、外部加熱ベルト23の幅方向両端部に対向する位置に、それぞれ1個ずつ(合計2個)配置しているが、個数はこれに限定されない。例えば、両端部にそれぞれ2個ずつ外部加熱ベルト23の周方向に並べて配置しても良い。何れにしても、冷却ファン38は、サブサーミスタ28b、30b、36b、37bのうちの少なくとも1個のサブサーミスタの検知温度に応じて、制御手段であるCPU29により制御される。
次に、本実施形態の非通紙部昇温対策に関する制御について説明する。まず、定着装置20に小サイズの記録材を連続通紙中に、定着ローラ21のサブサーミスタ28bを監視する。そこで、例えば、サブサーミスタ28bが所定温度の例えば220℃以上を検知すると、冷却ファン38を駆動(ON)させ、定着ローラ21と当接した外部加熱ベルト23の幅方向両端部、即ち外部加熱ベルト23の非通紙対応部位を冷却して、この部分の温度を低下させる。本実施形態では、例えば、定着ローラ21の弾性層25aの耐熱温度230℃から、冷却ファン38を駆動させる閾値温度を、220℃に設定する。ここで、外部加熱ベルト23は、例えば総厚70μmと薄層のため熱容量が小さく、冷却ファン38の送風により急激に温度が低下する。したがって、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位の温度を十分に低下させることができ、定着ローラ21の非通紙部の温度も低下し、定着ローラ21の非通紙部昇温を低減することができる。
一方、冷却ファン38により冷却しすぎると、次に大サイズの記録材を加熱定着する際に、小サイズの記録材では非通紙部となっていた部分の温度が低くなりすぎてしまう。例えば、最小サイズ紙幅の記録材を定着装置20に通紙した後、最大サイズ紙幅の記録材を定着装置20に通紙する場合、最小サイズ紙幅の外側で最大サイズ紙幅の範囲内に対応する部分が、冷却ファン38により冷却され過ぎる可能性がある。この場合、この部分のトナーを十分に加熱できず、定着不良が生じる可能性がある。したがって、本実施形態では、冷却ファン38を駆動後もサブサーミスタ28bを監視し、所定温度未満となった場合に冷却ファン38を停止(OFF)するようにしている。
例えば、定着ローラ21のサブサーミスタ28aの検知温度が220℃以上を検知すると冷却ファン38をONして、定着ローラ21のサブサーミスタ28bの検知温度が220℃未満を検知すると、冷却ファン38を停止(OFF)する。本発明者がこのような制御を実際に行った実験では、定着ローラ21の非通紙部昇温を最大でも225℃以下とすることができた。これにより、定着ローラ21の弾性層25aの耐熱温度230℃未満を維持することが可能となり、定着ローラ21の熱劣化による破損を防止できる。
なお、本実施形態の場合、冷却ファン38のON/OFF制御を、定着ローラ21のサブサーミスタ28bの検知温度により制御している。但し、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位の昇温や、加圧ローラ22の非通紙部昇温が問題となる場合には、外部加熱ベルト23のサブサーミスタ36b、37bの検知温度、又は加圧ローラ22のサブサーミスタ30bの検知温度により制御しても良い。即ち、これらの少なくとも何れかの検知温度に応じて任意の閾値を決定し、冷却ファン38のON/OFF制御を実行しても良い。更に、複数のサブサーミスタの検知温度、又は複数の閾値を組み合わせて、冷却ファン38のON/OFF制御を実行しても良い。また、各サブサーミスタのうち、少なくとも1個のサブサーミスタの検知温度を使用して冷却ファン38の制御を行い、他のサブサーミスタを省略しても良い。
次に、図7、8に示す比較例1、2と比較しつつ、本発明の効果について説明する。まず、図7に示す比較例1について説明する。この比較例1の定着装置100は、冷却ファン101の配置位置以外は、上述の図2に示した定着装置20とほぼ同様である。即ち、比較例1では、冷却ファン101(回転体冷却手段)が外部加熱ベルト23を冷却するのでは無く、定着ローラ21を冷却する構成である。この冷却ファン101の構成自体は、定着装置20の冷却ファン38とほぼ同様であり、冷却対象が外部加熱ベルト23から定着ローラ21に変更したのみである。
このような比較例1の定着装置100において、小サイズ紙を連続通紙中に、定着ローラ21のサブサーミスタ28bを監視する。ここで、例えば、サブサーミスタ28bが所定温度の例えば220℃以上を検知すると、冷却ファン101を駆動(ON)させ、定着ローラ21の非通紙部を冷却する。比較例1では、定着ローラ21の弾性層25a(図3参照)の耐熱温度230℃から、冷却ファン101の駆動を行う閾値温度を220℃に設定した。なお、比較例1では、定着ローラ21の総厚を9.1mmとした。
上述のような閾値温度で冷却ファン101を駆動したが、定着ローラ21の熱容量が大きいため、冷却ファン101の送風でも定着ローラ21の非通紙部の温度低下が少なかった。したがって、定着ローラ21は、冷却ファン101で非通紙部が冷却されても、加熱性能の高い外部加熱ベルト23の加熱により、温度が十分に下がらない。実際に行った実験では、定着ローラ21の非通紙部昇温が最大で230℃以上になった。このような場合、定着ローラ21の弾性層25aが、耐熱温度230℃を超えてしまい、熱劣化による軟化劣化を引き起こし、破断してしまう。
一方、比較例1の定着装置100において、小サイズ紙の紙間を広くして、スループットを低下させることで、定着ローラ21の非通紙部昇温を最大225℃以下にできたが、生産性が低下してしまった。また、比較例1の定着装置100において、冷却ファン101を大型化して風量及び風速を増加させたところ、非通紙部昇温は低減して、生産性の低下を防止できたが、コストアップとともに、画像形成装置の機内昇温が増加してしまった。
また、比較例1の定着装置100において、冷却ファン101を、定着ニップ部N1の下流、即ち外部加熱ベルト23の上流に配置していた構成から、定着ニップ部N1の上流、即ち外部加熱ベルト23の下流に配置変更した。これにより、冷却ファン101がサーミスタ28b近傍に配置される。この結果、サブサーミスタ28bの検知温度で非通紙部昇温は最大225℃以下に低減することができた。しかしながら、上述した場合と同様に、定着ローラ21の弾性層25aの破断が発生してしまった。これは、サブサーミスタ28bでの検知温度は、近傍に配置変更したファン101の冷却効果により低下したが、外部加熱ニップ部N2の直後では、定着ローラ21の非通紙部温度が230℃を超えているためであることが判明した。
このように、比較例1で説明した定着装置100のように、定着ローラ21の非通紙部を冷却ファン101で冷却する構成の場合、非通紙部昇温を防止するためには、小サイズ紙の生産性の低下、又は機内昇温の増大等が発生してしまうことが避けられない。
次に、図8に示す比較例2について説明する。この比較例2の定着装置200は、冷却ファン201の配置位置以外は、前述の図2に示した定着装置20とほぼ同様である。即ち、比較例2では、冷却ファン201(加圧部材冷却手段)が外部加熱ベルト23を冷却するのでは無く、加圧ローラ22を冷却する構成である。この冷却ファン201の構成自体は、定着装置20の冷却ファン38とほぼ同様であり、冷却対象が外部加熱ベルト23から加圧ローラ22に変更したのみである。
このような比較例2の定着装置200において、小サイズ紙を連続通紙中に、定着ローラ21のサブサーミスタ28bを監視する。ここで、例えば、サブサーミスタ28bが所定温度の例えば220℃以上を検知すると、冷却ファン201を駆動(ON)させ、加圧ローラ22の非通紙部を冷却する。比較例2では、定着ローラ21の弾性層25a(図3参照)の耐熱温度230℃から、冷却ファン201の駆動を行う閾値温度を220℃に設定した。なお、比較例2では、加圧ローラ22の総厚を8.1mmとした。
上述のような閾値温度で冷却ファン201を駆動したが、加圧ローラ22の熱容量が大きいため、冷却ファン201の送風でも加圧ローラ22の非通紙部の温度低下が少なかった。なお、比較例2の場合、冷却ファン201で加圧ローラ22の非通紙部を冷却して、その冷却部によって定着ニップ部N1で定着ローラ21の非通紙部を冷却させる間接的な冷却方法である。したがって、比較例1のように定着ローラ21を直接冷却する方法と比較して、定着ローラ21の非通紙部を冷却する効果は小さくなってしまう。したがって、定着ローラ21は、加圧ローラ22の非通紙部の冷却部で、非通紙部が冷却されても、加熱性能の高い外部加熱ベルト23の加熱により、温度が十分に下がらない。実際に行った実験では、定着ローラ21の非通紙部昇温が最大で230℃以上になった。このような場合、定着ローラ21の弾性層25aが、耐熱温度230℃を超えてしまい、熱劣化による軟化劣化を引き起こし、破断してしまう。
一方、比較例2の定着装置200においても、比較例1と同様に、小サイズ紙の紙間を広くして、スループットを低下させることで、定着ローラ21の非通紙部昇温を最大225℃以下にできたが、比較例1よりも更に生産性が低下してしまった。また、比較例2の定着装置200において、比較例1と同様に、冷却ファン201を大型化して風量及び風速を増加させたところ、非通紙部昇温は低減して、生産性の低下を防止できた。しかし、比較例1よりも、さらに風量及び風速を増加させる必要があるため、比較例1以上にコストアップ及び、画像形成装置の機内昇温が増加してしまった。
このように、比較例2で説明した定着装置200のように、加圧ローラ22の非通紙部を冷却ファン201で冷却する構成の場合、非通紙部昇温を防止するためには、小サイズ紙の生産性の低下、又は機内昇温の増大等が発生してしまうことが避けられない。
これに対して、本実施形態によれば、外部加熱ベルト23の所定サイズ外領域に対応する部位、即ち、小サイズの記録材を通紙した後の非通紙部に対応する部位を冷却ファン38により冷却している。このため、外部加熱ベルト23による定着ローラ21の所定サイズ外領域(非通紙部)への加熱が抑えられ、生産性を低下させることなく、定着ローラ21の非通紙部昇温を効率良く抑えられる。即ち、小サイズの記録材のスループットを低下させることなく、例えば、小サイズの記録材のスループットを大サイズの記録材のスループットと同等にしても、定着ローラ21の非通紙部昇温を効率良く抑えられる。この結果、所定サイズ外領域の各部材(各ローラ、サーミスタ等)の劣化や損傷を防止し、更に用紙波打ちや画像乱れを防止するとともに、生産性が高い定着装置及びこのような定着装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
また、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位を冷却ファン38で冷却することにより、定着ローラ21の非通紙部昇温を低減すると同時に、加圧ローラ22の非通紙部昇温、及び外部加熱ベルト23の非通紙対応部位の昇温も低減することができる。これは、外部加熱ベルト23の熱容量は、定着ローラ21や加圧ローラ22の熱容量と比較して小さいため、最小の熱容量部材を冷却することにより、冷却効率を大きくすることができるためである。また、外部加熱ベルト23の加熱性能は、定着ローラ21や加圧ローラ22の加熱性能と比較して大きいため、最大の加熱性能部材を冷却することにより、冷却効率を大きくすることができるためでもある。
従って、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位を冷却することは、最も非通部昇温を効率良く低減することができる。また、冷却効率が良いため、冷却ファン38は、小型で低風量の低コストのファンを採用できるので、画像形成装置の機内昇温も少なく、より好適である。
また、本実施形態では、外部加熱ベルト23をファン冷却する構成に関して説明したが、定着ローラ21をファン冷却する構成(比較例1)と、加圧ローラ22をファン冷却する構成(比較例2)との少なくとも何れかを本実施形態と任意に組み合わせても良い。これにより、非通紙部昇温対策をさらに強化することができるので、より好適である。また、本実施形態では、冷却ファン38の配置位置を、最小サイズ紙幅を所定サイズの記録材として、非通紙対応部位となる位置とした。但し、この所定サイズは画像形成装置に応じて任意に設定可能であり、これに対応する非通紙対応部位も画像形成装置に応じて任意に設定できる。
なお、外部加熱部材を、外部加熱ベルト23を設けずに、外部加熱ローラ31、32のみで構成した場合、定着ローラ21又は加圧ローラ22の非通紙部に配置したファンによる冷却により、非通紙部昇温を防止できた。これは、各ローラ31、32と定着ローラ21とのニップ部の幅が小さいためである。具体的には、外部加熱ローラ31、32のみの場合には、外部加熱ニップ部の周方向の幅は約10mm(外部加熱31、32と定着ローラ21とのニップ幅はそれぞれ約5mm、5mm×2=10mm)である。一方、本実施形態のように外部加熱ベルト23を有する場合には、外部加熱ニップ部N2は約40mmである。したがって、外部加熱部材と定着ローラ21とのニップ幅が小さい場合には、外部加熱部材から付与される熱量が小さく、非通紙部昇温が生じにくい。
これに対して、本実施形態の場合、外部加熱ニップ部N2の幅が大きいため、外部加熱能力が増加し、非通紙部昇温が生じてしまう。このため、上述のように、冷却ファン38により外部加熱ベルト23の非通紙対応部位を冷却している。但し、外部加熱ベルトを設けずに、外部加熱ローラのみで外部加熱を行う場合でも、外部加熱ニップ部の幅が大きくなったり、多くの外部加熱ローラを配置すれば、外部加熱能力が大きくなる。したがって、この場合には、本実施形態と同様に、外部加熱ローラの非通紙対応部位を冷却しても良い。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図9を用いて説明する。本実施形態の場合、冷却ファン38のダクト38bの開口部の領域を可変するシャッター38cを設けている。即ち、シャッター38cは、ダクト38bの開口部の一部を塞ぎ、冷却ファン38からの送風が当たる領域を制限すると共に、更にこの開口部を塞ぐ領域を可変としたものである。このようなシャッター38cは、外部加熱ベルト23の幅方向(図9の左右方向)両端部にそれぞれ配置されるダクト38b同士の間でこれらダクト38bの開口端部側に、この幅方向(矢印方向)に変位自在に配置される。また、シャッター38cの外部加熱ベルト23の周方向の幅は、ダクト38bの同方向の幅と同じか、この幅よりも大きい。また、シャッター38cは、記録材のサイズに応じて制御手段であるCPU29(図2参照)により可動する。
このような本実施形態によれば、記録材のサイズに応じて外部加熱ベルト23を冷却する部分を可変にできる。このため、非通紙部昇温を低減するとともに、記録材の定着性低下を防止することを、精度良く実行することができる。例えば、最小サイズ紙幅により冷却ファン38による冷却領域を設定した構造でも、中間サイズの記録材の連続通紙により、サブサーミスタ37a、37bが閾値温度を検知して冷却ファン38が駆動される可能性がある。この場合には、中間サイズの記録材の通紙部対応部位の一部にも冷却ファン38の送風が当たる。このように通紙部対応部位の一部にも送風が当たると、外部加熱ベルト23の熱容量が小さいので、この通紙対応部位の温度が下がってしまう可能性がある。外部加熱ベルト23の通紙対応部位の温度が低下すると、定着ローラ21の通紙部の温度が低下し、記録材に与える熱量が不足して、定着性が低下してしまう。
これに対して、本実施形態のようなシャッター38cを設ければ、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位を正確にファン冷却でき、多様なサイズ紙の非通紙部昇温を低減させることができる。また、これと共に、通紙部対応部位の温度低下を防止でき、記録材の定着性低下を防止できる。その他の構造及び作用は、前述の第1の実施形態と同様である。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図10ないし図12を用いて説明する。前述の第1の実施形態の構成の場合、小サイズ通紙による非通紙部昇温を低減すべく、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位を冷却ファン38により冷却する構成に関して説明した。しかし、非通紙部昇温を冷却ファン38によって冷却することにより、機内昇温が生じ、画像形成装置本体の定着装置を含めた他装置、例えば、現像装置が昇温して、画像濃度低下が生じる可能性がある。このような機内昇温を防止するためには、画像形成装置本体及び各装置において、給排気を強化する等、機内の冷却手段を強化することが必要である。
そこで、本実施形態では、非通紙部昇温が発生する部位のヒータ発熱量を低減することにより、非通紙部昇温を低減して、外部加熱ベルト23のファン冷却の頻度及び時間を、できる限り少なくすることにより、機内昇温を低減するものである。このために、各加熱手段の発熱体として、幅方向で発熱分布の異なる発熱体を複数具備する構成を用いる。この構成では、記録材情報(サイズ、坪量、紙種)に応じて、又は各加熱手段の非通紙部に配置した温度検知手段の検知温度に応じて、非通紙部における発熱体の発熱を減少させる。このようにして、通紙部の加熱手段による加熱温度を維持したまま、非通紙部の加熱手段による昇温を抑えている。
本実施形態の定着装置50は、第1の実施形態の定着装置20とほぼ同様であるが、各ローラの発熱体として、2本のハロゲンヒータを配置しているのが異なる。なお、本実施形態は、ローラの幅方向中央が通紙基準である。図10に示すように、定着ローラ21内には、通電により発熱するそれぞれ例えば定格電力600Wのハロゲンヒータ51a、51bが、定着ローラ21の幅方向ほぼ全体に亙って配置されている。ハロゲンヒータ51a、51bの定格電力合計は、1200Wである。但し、ハロゲンヒータ51a、51bは互いに幅方向の発熱分布を異ならせている。
まず、第1発熱部であるハロゲンヒータ51aは、所定サイズの記録材が通過する通過領域(通紙部)から外れた所定サイズ外領域(非通紙部)よりも、通紙部を加熱する部分の方が発熱量が大きい。本実施形態の場合も、上述の各実施形態と同様に、小サイズの記録材が通過するローラの幅方向中央部分が通紙部で、小サイズの記録材が通過する部分から外れたローラの幅方向両端部部分が非通紙部である。したがって、ハロゲンヒータ51aは、図11に示すように、定格電力が入力された時のローラ幅方向中央部分を加熱する部分の発熱量に対して、ローラ幅方向両端部分を加熱する部分の発熱量が、例えば30%になるように調整されている。即ち、ハロゲンヒータ51aに定格電力を入力した時の両端部の発熱量は、中央部の発熱量に比べて小さい。具体的には、ハロゲンヒータ51aを構成するフィラメントのピッチを中央部で小さく、両端部で大きくすることにより、ローラの幅方向に関する発熱量を調整している。以後、ハロゲンヒータ51aは、メインヒータ51aと称する。
一方、第2発熱部であるハロゲンヒータ51bは、所定サイズの記録材が通過する通過領域(通紙部)よりも、通紙部から外れた所定サイズ外領域(非通紙部)を加熱する部分の方が発熱量が大きい。したがって、ハロゲンヒータ51bは、図12に示すように、定格電力が入力された時のローラ幅方向両端部分の発熱量に対して、ローラ幅方向中央部分の発熱量が、例えば30%になるように調整されている。即ち、ハロゲンヒータ51bに定格電力を入力した時の中央部の発熱量は、両端部の発熱量に比べて小さい。具体的には、ハロゲンヒータ51bを構成するフィラメントのピッチを両端部で小さく、中央部で大きくすることにより、ローラの幅方向に関する発熱量を調整している。以後、ハロゲンヒータ51bは、サブヒータ51bと称する。
また、定着ローラ21のメインサーミスタ28aは、通紙部の定着ローラ21の表面温度を所定温度に維持するように、メインヒータ51a及びサブヒータ51bを制御する温度制御用サーミスタである。又、サブサーミスタ28bは、非通紙部の定着ローラ21の表面温度を監視するサーミスタである。
また、加圧ローラ22内には、通電により発熱するそれぞれ例えば定格電力200Wのハロゲンヒータ52a、52bが、加圧ローラ22の幅方向ほぼ全体に亙って配置されている。ハロゲンヒータ52a、52bの定格電力合計は、400Wである。但し、ハロゲンヒータ52a、52bは、上述の定着ローラ21のハロゲンヒータ51a、51bと同様に、幅方向の発熱分布を異ならせている。即ち、ハロゲンヒータ51aを図11に示すような発熱分布とし、ハロゲンヒータ51bを図12に示すような発熱分布としている。以後、ハロゲンヒータ52aはメインヒータ52aと、ハロゲンヒータ52bはサブヒータ52bと、それぞれ称する。
また、加圧ローラ22のメインサーミスタ30aは、通紙部の加圧ローラ22の表面温度を所定温度に維持するように、メインヒータ52a及びサブヒータ52bを制御する温度制御用サーミスタである。又、サブサーミスタ30bは、非通紙部の加圧ローラ22の表面温度を監視するサーミスタである。
また、外部加熱ローラ31、32内には、通電により発熱するそれぞれ例えば定格電力400Wのハロゲンヒータ53a、53b、及び、定格電力400Wのハロゲンヒータ54a、54bが、外部加熱ローラ31、32の幅方向ほぼ全体に亙って配置されている。ハロゲンヒータ53a、53bの定格電力合計、及び、ハロゲンヒータ54a、54bの定格電力合計は、それぞれ800Wである。但し、ハロゲンヒータ53a、54aと、53b、54bとは、上述の定着ローラ21のハロゲンヒータ51a、51bと同様に、幅方向の発熱分布を異ならせている。即ち、ハロゲンヒータ53a、54aを図11に示すような発熱分布とし、ハロゲンヒータ53b、54bを図12に示すような発熱分布としている。以後、ハロゲンヒータ53a、54aはメインヒータ53a、54aと、ハロゲンヒータ53b、54bはサブヒータ53b、54bと、それぞれ称する。
また、外部加熱ベルト23のメインサーミスタ36、37aは、通紙対応部位の外部加熱ベルト23の表面温度を所定温度に維持するように、メインヒータ53a、54a及びサブヒータ53b、54bを制御する温度制御用サーミスタである。又、サブサーミスタ36b、37bは、非通紙対応部位の外部加熱ベルト23の表面温度を監視するサーミスタである。
また、本実施形態の場合、各ローラにおいて、各メインヒータ51a、52a、53a、54aと、各サブヒータ51b、52b、53b、54bの2本を同時にON(点灯)した場合には、ローラ幅方向で発熱量が略均一となるように設計されている。また、本実施形態の場合、サブサーミスタ28b、30b、36b、37bのうちの少なくとも1個のサブサーミスタの検知温度に応じて、メインヒータに対するサブヒータの動作割合を、制御手段であるCPU29により制御している。
次に、本実施形態の非通紙部昇温対策に関する制御について説明する。本実施形態では、定着装置50への小サイズの記録材の通紙時に、各ローラのサブヒータ51b、52b、53b、54bの点灯比率を低下させることにより、各ローラ及びベルトの非通紙部及び非通紙対応部位が昇温することを防止している。このサブヒータの点灯比率とは、ヒータ点灯時において、メインヒータに対してサブヒータを点灯する割合を示すものである。つまり、メインヒータへの通電時間に対するサブヒータへの通電時間の割合(動作割合)を示すものである。また、この点灯比率は、記録材情報、又は各ローラ及びベルトのサブサーミスタ28b、30b、36b、37bの検知温度に応じて、又は記録材情報とサブサーミスタの検知温度との組み合わせに応じて変更される。なお、記録材情報としては、秤量(g/m2)、紙種(普通紙、コート紙、OHP用紙、エンボス紙等)、サイズ(A3サイズ、A5サイズ等)等が挙げられる。また、点灯比率の変更は、ハロゲンヒータの場合、例えば時間分割制御が用いられる。時間分割制御は、例えば表1の点灯比率と時間分割制御の関係から決定される。
点灯比率=50%の場合を例として説明する。各ローラ及びベルトの温度制御用の各メインサーミスタ28a、30a、36a、37aが目標温度より低下すると、各メインヒータ51a、52a、53a、54aと各サブヒータ51b、52b、53b、54bとがON(点灯)される。この時、メインヒータを全ON(点灯)させ、サブヒータは、2秒ON(点灯)と2秒OFF(消灯)とが繰り返される。
このように、幅方向中央部よりも幅方向両端部の発熱量が大きいサブヒータの点灯比率を低下させることによって、幅方向両端部の発熱量が減少し、非通紙部昇温を低減することができる。一方、幅方向中央部は、幅方向両端部よりも幅方向中央部の発熱量が大きいメインヒータを全ON(点灯)することによって、通紙部の温度は所定温度に維持され、定着性が確保される。なお、メインサーミスタが目標温度よりも上昇した場合には、メインヒータとサブヒータはOFF(消灯)する。
なお、各メインヒータと各サブヒータは、最大サイズ紙の通紙時にメインヒータ全ON、サブヒータ全ONで必要な電力に設定される。ここで、サブヒータの点灯比率を小さくすると電力不足が懸念される。しかし、サブヒータの点灯比率を小さくするのは、最大サイズ紙よりも小さい(特に定着装置50の幅方向の記録材幅が小さい)記録材を通紙することによる非通紙部昇温対策のためである。このため、小サイズ紙においては、定着ローラ21や加圧ローラ22から奪う熱量が最大サイズ紙と比較して小さくなる、即ち必要な電力が少なくなるため、サブヒータの点灯比率を小さくしても、通紙部の各ローラ及びベルトの温度が低下することは無い。ただし、極端にサブヒータの点灯比率を小さくすると、通紙部の各ローラ及びベルトの温度が目標温度より低下してしまう。このため、記録材情報(坪量、サイズ、紙種)に応じて、通紙部の各ローラ及びベルトの温度が目標温度より低下しない範囲で、サブヒータの点灯比率を設定する必要がある。
以下、本実施形態の非通紙部昇温対策に関して、より具体的に説明する。図10に示す加熱装置50(例えば最大サイズ紙がA3)において、例えばA4R(A4縦送り)の75(g/m2)紙が通紙されるとする。この時、各サブヒータ51b、52b、53b、54bは、表1の点灯比率75%(サブヒータ時間分割制御=3秒ON+1秒OFF)に切換えて、通紙が開始される。連続通紙により、定着ローラ21のサブサーミスタ28bの検知温度が210℃を検知すると、各サブヒータは、表1の点灯比率60%(サブヒータ時間分割制御=3秒ON+2秒OFF)に切換える。さらに連続通紙が継続され、定着ローラ21のサブサーミスタ28bの検知温度が220℃を検知すると、冷却ファン38により、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位が冷却される。このような制御を実際に行った結果、定着ローラ21の非通紙部昇温は、最大221℃に抑えられ、非通紙部昇温を低減することができた。
また、第1の実施形態の加熱装置20と比較すると、非通紙部昇温が小さくなり、定着ローラ21の非通紙部昇温の最大値が低下し、冷却ファン38の駆動(ON)開始までの時間(駆動開始枚数)が延長された。更に、冷却ファン38の駆動(ON)時間も減少した。この結果、機内昇温が低減され、画像形成装置本体の給排気装置を強化しなくても、画像濃度低下等が発生しなくなった。
本実施形態の場合、上述したように、定着装置50の幅方向において発熱分布の異なるヒータを用い、記録材情報やサブサーミスタの検知温度に応じて、サブヒータの点灯比率を変更している。これにより、非通紙部昇温を低減することができるので、外部加熱ベルト23の冷却ファン38のON時間を短くすることが可能となり、機内昇温を防止することができる。また、定着に不要な非通紙部の電力を小さくすることにより、小サイズ紙通紙時の消費電力を低減して、省エネルギー化することがきる。また、ヒータ点灯比率変更と、外部加熱ベルト23のファン冷却を組み合わせることにより、非通紙部昇温、機内昇温、消費電力を低減することができるので、より好適である。
なお、本実施形態では、サブヒータの点灯比率を、定着ローラ21のサブサーミスタ28bの検知温度により制御している。但し、外部加熱ベルト23の非通紙対応部位の昇温や、加圧ローラ22の非通紙部昇温が問題となる場合には、外部加熱ベルト23のサブサーミスタ36b、37bの検知温度、又は加圧ローラ22のサブサーミスタ30bの検知温度により制御しても良い。即ち、これらの検知温度のうちの少なくとも何れかの検知温度に応じて任意の閾値を決定して、サブヒータの点灯比率制御を実行しても良い。更に、複数のサブサーミスタの検知温度、又は複数の閾値を組み合わせて、サブヒータの点灯比率制御を実行しても良い。また、各サブサーミスタのうち、少なくとも1個のサブサーミスタの検知温度を使用してサブヒータの点灯比率制御を行い、他のサブサーミスタを省略しても良い。
また、本実施形態では、各ローラ及びベルトのサブヒータ点灯比率は同一としたが、各ローラ及びベルトに応じて、任意のサブヒータ点灯比率を用いても良い。また、発熱体としてハロゲンヒータを採用したために点灯比率という言葉を使用したが、発熱体として例えば、面状基材上に複数の抵抗発熱体を塗布した面状発熱体等の場合(ヒータが光らない場合)には、通電比率という言葉を使用しても良い。また、メインヒータとサブヒータを全ON(点灯)した場合、幅方向で発熱量が略均一となるように設計されたヒータを採用したが、必ずしも略均一でなくても良い。例えばローラの幅方向両端部からの放熱が大きい場合には、ローラの幅方向両端部での発熱量が大きくなるようなメインヒータ及びサブヒータの組み合わせを採用しても良い。その他の構造及び作用は、前述の第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図13及び図14を用いて説明する。なお、上述の各実施形態では、外部加熱ベルトをヒータを内包した外部加熱ローラで加熱する構成に関して説明したが、本実施形態では、外部加熱ベルト自体が発熱する構成である。このため、図13に示すように、本実施形態の定着装置60は、上述の第3の実施形態で示した図10の構成と比べて、外部加熱ベルト構成変更、外部加熱ローラのヒータ削除、サーミスタ37a、37b削除の点が異なる。その他の構成及び作用については、図10の構成と同様である。このような本実施形態の定着装置60は、図10に示す構成と比べて、ヒータやサーミスタが削除され、部品点数が少なくなるので、低コスト化のメリットがある。
以下、本実施形態の構成について詳しく説明する。外部加熱ベルト61は、図14に示すように、絶縁層61a、抵抗発熱層61b、絶縁層61c、離型層61dを内径側から順に重ねてなる。このうちの絶縁層61aとして厚さ30μmのポリイミド層、抵抗発熱層61bとして厚さ10μmの抵抗調整した面状の金属箔、絶縁層61cとして厚さ30μmのポリイミド層、離型層61dとして厚さ20μmのPFAチューブが挙げられる。なお、抵抗発熱層61bは、抵抗調整した面状の金属箔の変わりに、抵抗調整した複数の線状の金属箔としても良い。また、抵抗発熱層61bは、耐熱性及び可撓性のある面状ヒータであれば、他の面状ヒータを用いても良い。
外部加熱ベルト61の両端部(例えば両端縁から約10mm程度)は、絶縁層61c及び離型層61dが全周に亙って削除され、抵抗発熱層61bの外周面が剥き出しになっている。そして、この剥き出しになった抵抗発熱層61bの外周面に、この抵抗発熱層61bに給電するための、例えば厚さ20μmの導電層(不図示)が接触するように全周に亙って配置されている。したがって、外部加熱ベルト61の両端部外周面には導電層が全周に亙って形成されている。この両端部の導電層には、図13に示すように、給電部62が接続され、給電部62からの通電により、抵抗発熱層61bが発熱する。例えば、給電部62の端子を導電層に摺接させ、導電層を介して抵抗発熱層61bの全周に亙って通電できるようにしている。そして、抵抗発熱層61b全体を発熱させている。また、メインサーミスタ36aの検知温度に基づき、制御手段であるCPU29により、抵抗発熱層61bへの通電をON/OFFして、外部加熱ベルト61は例えば約220℃に温度制御される。
このように、抵抗発熱層61bを有する外部加熱ベルト61を用いることにより、外部加熱ニップ部N2においても外部加熱ベルト61が発熱するので、外部加熱ニップ部N2での外部加熱ベルト61の温度低下が小さい。このため、定着ローラ21に対する外部加熱性能が向上する。一方、本実施形態の場合、小サイズ紙の通紙時に、前述の第3の実施形態で説明したように、サブヒータの通電比率を小さくして非通紙部昇温対策することは難しい。したがって、本実施形態のように外部加熱ベルト61が抵抗発熱層61bを有するような構成は、この外部加熱ベルト61の非通紙対応部位を冷却することによる非通紙部昇温対策の効果は大きい。
また、本実施形態の場合、外部加熱ローラ31、32の材質を、前述の各実施形態のような金属製(例えばアルミニウム製)から、断熱材質製、例えば、シリコーンゴム又は発泡シリコーンゴム(シリコーンスポンジ)に変更しても良い。これにより、外部加熱ベルト61から外部加熱ローラ31、32への熱移動が減少し、外部加熱ベルト61の熱容量を小さくすることと同様の効果を得られる。この結果、抵抗発熱層61bの急速発熱、及び冷却ファン38による外部加熱ベルト61の急速冷却が可能となり、外部加熱性能及び非通紙部昇温対策効果が大きくできる。
なお、上述のように、構成としては難しいが、外部加熱ベルト61の抵抗発熱層61bを、中央部と両端部と(小サイズ紙の通紙対応部位と非通紙対応部位)とに分割し、別々に給電部を配置して通電する構成とすることもできる。これにより、小サイズ紙の通紙時に、両端部(非通紙対応部位)の抵抗発熱層の発熱量を小さくすれば、非通紙部昇温対策効果をより大きくできる。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図15及び図16を用いて説明する。本実施形態の定着装置70は、外部加熱ベルト構成変更、コイルユニット追加の点を除いて、前述の第4の実施形態で示した図13の構成と同様である。即ち、本実施形態では、外部加熱ベルト71に電磁誘導加熱方式を用いている。
外部加熱ベルト71は、図16に示すように、絶縁層71a、電磁誘導発熱層である導電層71b、離型層71cを内径側から順に重ねてなる。このうちの絶縁層71aとして厚さ30μmのポリイミド層、導電層71bとして厚さ50μmのニッケル層、離型層71cとして厚さ20μmのPFAチューブが挙げられる。
また、誘導コイルであるコイルユニット72は、外部加熱ベルト71の周囲に近接対向するように、外部加熱ベルト71の幅方向ほぼ全体に亙って配置されている。なお、コイルユニット72は、図示の例では、外部加熱ローラ31と外部加熱ベルト71を挟んで対向する位置に配置されているが、この配置位置は、外部加熱ベルト71の周囲であれば任意に設定可能である。このようなコイルユニット72は、電源73からの通電により磁束を発生させる。
この電源73は、制御手段であるCPU29からの指令により交流電流をコイルユニット72に流して磁場を発生させる。そして、コイルユニット72から発生した磁束が、外部加熱ベルト71の導電層71bを通過することにより、この導電層71bが発熱する。メインサーミスタ36aの検知温度に基づき、CPU29によって、コイルユニット72への通電をON/OFF、又はコイルユニット72へ通電する交流電流の周波数を調整することにより、外部加熱ベルト72は例えば約220℃に温度制御される。
このように構成される本実施形態の定着装置70は、電磁誘導加熱方式により外部加熱ベルト71自体が発熱するため、前述の第3の実施形態で示した図10の構成と比べて、外部加熱ベルト71の熱応答性が良く、表面温度の温度ムラが少ない。この結果、定着ローラ21の温度ムラがより低減され、画像の光沢ムラをより少なくできる。一方、本実施形態の場合、小サイズ紙の通紙時に、前述の第3の実施形態で説明したように、サブヒータの通電比率を小さくして非通紙部昇温対策することは難しい。したがって、本実施形態のように電磁誘導加熱方式により外部加熱ベルト71を発熱させるような構成は、この外部加熱ベルト71の非通紙対応部位を冷却することによる非通紙部昇温対策の効果は大きい。
また、本実施形態の場合も、前述の第4の実施形態と同様に、外部加熱ローラ31、32の材質を、断熱材質製、例えば、シリコーンゴム又は発泡シリコーンゴム(シリコーンスポンジ)に変更しても良い。これにより、外部加熱ベルト71から外部加熱ローラ31、32への熱移動が減少し、外部加熱ベルト71の熱容量を小さくすることと同様の効果を得られる。この結果、抵抗発熱層61bの急速発熱、及び冷却ファン38による外部加熱ベルト71の急速冷却が可能となり、外部加熱性能及び非通紙部昇温対策効果が大きくできる。
なお、上述のように、構成としては難しいが、外部加熱ベルト71の導電層71bを、中央部と両端部と(小サイズ紙の通紙対応部位と非通紙対応部位)とに分割し、別々に給電部を配置して通電する構成とすることもできる。これにより、小サイズ紙の通紙時に、両端部(非通紙対応部位)の抵抗発熱層の発熱量を小さくすれば、非通紙部昇温対策効果をより大きくできる。
また、上述の説明では、外部加熱ベルト71の外部にコイルユニット72を配置したが、外部加熱ベルト71の内部にコイルユニット72を配置して、外部加熱ベルト71の内部から磁場を発生させ、外部加熱ベルト71を発熱させる構成とすることもできる。この場合、例えば、コイルユニット72を外部加熱ローラ31、32同士の間に配置する。
上述の各実施形態における諸数値や概略図は、説明を簡略化するための1例であって、画像形成装置や定着装置の構成、及び設定等に応じて任意に定めることができる。例えば、上述の各実施形態では、画像形成装置として中央通紙基準のものついて説明したが、他の通紙基準であれば、それに合わせて、各サーミスタや冷却ファンを配置する。また、本発明は、各実施形態で説明した定着装置に限定されるものではなく、各実施形態を任意に組み合わせる等、他の形態の定着装置にも適用できる。また、外部加熱ベルトを張架する外部加熱ローラは、3個以上であっても良い。
更に、上述の各実施形態では、外部加熱ベルトを用いた構成について説明したが、外部加熱ベルトを用いずに、外部加熱ローラにより定着ローラを外部加熱する構造にも、本発明を適用可能である。例えば、外部加熱ニップ部の幅が大きくなったり、多くの外部加熱ローラを配置すれば、外部加熱能力が大きくなる。したがって、この場合には、外部加熱ローラの非通紙対応部位を冷却する。