JP4617178B2 - 像加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は記録材上の画像を加熱する電磁誘導加熱方式の像加熱装置に関する。例えば、本発明の像加熱装置は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載され、記録材上の未定着画像を定着する定着装置として用いることができる。
従来、電子写真方式を採用した画像形成装置において、未定着トナー画像を加熱溶融定着する定着装置として、種々の方式のものが提案されている。このような定着装置の一つに、定着ベルトを電磁誘導発熱させて定着を行う定着装置が、例えば特許文献1、2に開示されている。
これらの定着装置では、定着ベルトが2つの懸架ローラにて懸架され、定着ベルトの外側の領域で、且つ一方の懸架ローラと対向する領域にのみ誘導加熱コイルが設置されている。そして、特許文献1の定着装置では定着ベルトの温度を検出する素子が上記一方の懸架ローラ内に設置され、特許文献2の定着装置では定着ベルトの温度を検出する素子がコイルと対向しない位置に設置されている。
特開2002−236429公報 特開2002−82549号公報
しかしながら、上述の従来技術によると、次のような問題点がある。
特許文献1、2に開示されている定着装置では、定着ベルトが懸架ローラにて懸架されている領域のみにて定着ベルトと共に懸架ローラをも電磁誘導加熱する構成とされているため、この懸架ローラの径を大きくせねばならない。従って、この大径化された懸架ローラの熱容量も大きくなり、画像形成装置の主電源がオンされてから画像形成開始可能な状態となるまでの時間(以下、ウォームアップタイムと呼ぶ)を短くするのが困難となっている。また、画像の生産性を向上させる、即ち、単位時間当たりの画像形成枚数を多くする構成とした場合、定着ベルトが記録材から奪われる単位時間当たりの熱量が増えてしまい、上述の定着装置では限られた領域で定着ベルトや懸架ローラを発熱させる構成のため、定着ベルトの温度を所定の定着温度に維持させることが困難となっている。
そこで、本発明は、ウォーミングアップタイムを短くすることができる像加熱装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、画像生産性の向上を図ることができる像加熱装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の代表的な構成は、記録材上の画像をニップ部にて加熱する回転可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの外面側に設けられエンドレスベルトを誘導加熱するためのコイルと、エンドレスベルトを張架し、前記ニップ部を形成するための張架ローラと、エンドレスベルトと接触し、エンドレスベルトの温度を検知する温度検知部材と、温度検知部材による検知温度が異常温度に達したらコイルへの通電を遮断する制御部と、エンドレスベルトと当接するヒートパイプを備え、エンドレスベルトを張架する張架手段と、を有する像加熱装置において、コイルは、少なくともヒートパイプとエンドレスベルトが接触する接触領域と、張架手段と張架ローラとの間の非接触領域と、に対向して設けられ、温度検知部材は非接触領域に対応して配置されると共に、エンドレスベルトの回転方向において前記ニップ部よりも下流側であってヒートパイプよりも上流側に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、ウォーミングアップタイムを短くすることができる。また、本発明によれば、画像生産性の向上を図ることができる。ヒートパイプを設ける構成であってもベルトの幅方向における温度むらの異常検出精度を高められるだけでなく、ニップ部における温度の安定性を高めることができる。
以下に、参考例と実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお実施例は、本発明における最良の実施の形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[参考例]
(1)画像形成装置例
図1は画像形成装置の一例の構成模型図である。この画像形成装置は電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。
Y・C・M・Kはそれぞれイエロー・シアン・マゼンタ・ブラックの色トナー画像を形成する4つの画像形成部であり、下から上に順に配列してある。各画像形成部Y・C・M・Kは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、クリーニング装置24等を有している。
イエローの画像形成部Yの現像装置23にはイエロートナーを、シアンの画像形成部Cの現像装置23にはシアントナーを、マゼンタの画像形成部Mの現像装置23にはマゼンタトナーを、ブラックの画像形成部Kの現像装置23にはブラックトナーを、それぞれ収容させている。
感光体ドラム21に露光を行うことにより静電潜像を形成する光学系25が上記4色の画像形成部Y・C・M・Kに対応して設けられている。光学系としては、レーザー走査露光光学系を用いている。
各画像形成部Y・C・M・Kにおいて、帯電装置22により一様に帯電された感光体ドラム21に対して光学系25より画像データに基づいた走査露光がなされることにより、感光体ドラム表面に走査露光画像パターンに対応した静電潜像が形成される。
それらの静電潜像が現像装置23によりトナー画像として現像される。すなわち、イエローの画像形成部Yの感光体ドラム21にはイエロートナー画像が、シアンの画像形成部Cの感光体ドラム21にはシアントナー画像が、マゼンタの画像形成部Mの感光体ドラム21にはマゼンタトナー画像が、ブラックの画像形成部Kの感光体ドラム21にはブラックトナー画像が、それぞれ形成される。
各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上に形成された上記の色トナー画像は各感光体ドラム21の回転と同期して、略等速で回転する中間転写体26上へ所定の位置合わせ状態で順に重畳されて一次転写される。これにより中間転写体26上に未定着のフルカラートナー画像が合成形成される。本参考例においては、中間転写体26として、エンドレスの中間転写ベルトを用いており、駆動ローラ27、二次転写ローラ対向ローラ28、テンションローラ29の3本のローラに巻きかけて張架してあり、駆動ローラ27によって駆動される。
各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上から中間転写ベルト26上へのトナー画像の一次転写手段としては、一次転写ローラ30を用いている。一次転写ローラ30に対して不図示のバイアス電源よりトナーと逆極性の一次転写バイアスを印加する。これにより、各画像形成部Y・C・M・Kの感光体ドラム21上から中間転写ベルト26に対してトナー画像が一次転写される。各画像形成部Y・C・M・Kにおいて感光体ドラム21上から中間転写ベルト26への一次転写後、感光体ドラム21上に転写残として残留したトナーはクリーニング装置24により除去される。
上記工程を中間転写ベルト26の回転に同調して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対して行い、中間転写ベルト6上に、各色の一次転写トナー画像を順次重ねて形成していく。なお、単色のみの画像形成(単色モード)時には、上記工程は、目的の色についてのみ行われる。
一方、記録材カセット31内の記録材Pは、給送ローラ32により一枚分離給送され、レジストローラ33により所定のタイミングで、二次転写ローラ対向ローラ28に巻きかけられている中間転写ベルト26部分と二次転写ローラ34との圧接部である転写ニップ部に搬送される。
中間転写ベルト26上に形成された一次転写合成トナー画像は、二次転写ローラ34に不図示のバイアス電源より印加されるトナーと逆極性のバイアスにより、記録材P上に一括転写される。二次転写後に中間転写ベルト26上に残留した二次転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置35により除去される。
記録材P上に二次転写されたトナー画像は、像加熱装置である定着装置Aにより記録材P上に溶融混色定着され、フルカラープリントとして排紙パス36を通って排紙トレイ37に送り出される。
(2)定着装置A
以下の説明において、定着装置またはこれを構成している部材の長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に並行な方向である。また短手方向とは記録材搬送方向に並行な方向である。定着装置に関し、正面とは装置を記録材入口側からみた面、背面とはその反対側の面(記録材出口側)、左右とは装置を正面から見て左または右である。上流側と下流側とは記録材搬送方向に関して上流側と下流側である。
図2は本参考例における画像加熱装置としての定着装置Aの要部の拡大横断側面図と制御系のブロック図、図3は同装置の正面図、図4は図2の(4)−(4)線位置における縦断正面図、図5は同装置の平面図である。
1は金属層を有する回転可能なエンドレスベルトとしての、可撓性を有する定着ベルトである。2と3は定着ベルト1の内側に配設されこれを懸架支持する複数の懸架部材としてのベルトガイド部材と定着ローラ(ベルトと共に回転自在な張架ローラ)である。
定着ローラ3は定着装置フレームの左右の側板50間に軸受部材(不図示)を介して回転可能に支持させてある。
ベルトガイド部材2は定着ローラ3に並行に配列して側板50間に固定ガイド部材として非回転に支持させてある。
このように定着ベルト1はベルトガイド部材2と定着ローラ3に対して掛け回して張架されている。ベルトガイド部材2はテンション部材としても機能させており、定着ローラ3から離間方向に付勢部材(不図示)で移動付勢されている。
これにより定着ベルト1はベルトガイド部材2と定着ローラ3との間に緊張して支持される。
4は加圧回転体としての加圧ローラである。この加圧ローラ4は定着ローラ2の下方において定着ローラに並行に配列して左右の側板50間に軸受部材(不図示)を介して回転可能に支持させてある。そしてこの加圧ローラ4を付勢手段(不図示)により上方に押上げ付勢して、定着ローラ3の下面と、ベルトガイド部材2の定着ローラ3側への近接延長部の下面とに対して定着ベルト1を挟ませて所定の押圧力で圧接させて短手方向において所定幅の圧接部(定着ニップ部)Nを形成させている。すなわち、ベルトガイド部材2はベルトの湾曲部から圧接部Nに至る直線部まで設けている。
7は定着ベルト1を誘導加熱する加熱源(誘導加熱手段)としての励磁ユニットであり、定着ニップよりも上流側の位置に配置されている。この励磁ユニット7は、電線として例えばリッツ線を用い、これを横長・扁平のシート状渦巻きコイルに巻回してなる誘導加熱コイル(励磁コイル)5と、該誘導加熱コイル5によって発生した磁界が定着ベルト1の金属層(導電層)以外に実質漏れないように該誘導加熱コイル5を覆わせた磁性体コア6と、を電気絶縁性の樹脂によって一体にモールドした横長・薄板状の部材である。
この励磁ユニット7は定着ベルト1の外周面(外面側)の上面側において、ベルト支持体としての定着ローラ3とベルトガイド部材2とにまたがらせて定着ベルト1に所定のギャップ(隙間)を存して対面させて配設してある。この励磁ユニット7はブラケット(不図示)等を介して側板50に固定支持させている。
このように、定着ベルト1のみと対向する第1の領域(定着ローラ3とガイド部材2間に相当する領域:ベルトの懸架部材間の領域)と、定着ベルト1を支持懸架する部材(定着ローラ3、ガイド部材2)と対向する第2の領域(:ベルトの懸架部材にて懸架された領域)とに跨るようにコイルを延在させて配置したことで、定着ベルト1を十分に発熱させることができ、ウォームアップタイムの短縮化、画像生産性の向上を図ることができる。
また、本例では、定着ベルト1の周方向の任意の領域が第1の領域、第2の領域、定着ニップの順に通過するように構成されている。従って、定着ベルト1の波打ち等によりコイルと定着ベルト1間の距離が第1の領域において変動してしまうことに起因して発熱ムラが生じてしまうような場合があっても、定着ベルト1の波打ちによる発熱ムラの影響がない(定着ベルト1がガイド部材2によりバックアップされているので)第2の領域における発熱工程において上記発熱ムラを抑制することが可能である。
ここで、記録材の通紙幅とは記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。装置に通紙使用される最大通紙幅の記録材P(以下、大サイズ記録材と記す)の通紙幅をAとしたとき、定着ベルト1の長さ(記録材通紙幅方向の長さ)は通紙幅Aよりも大きく設定されている。励磁ユニット7の誘導加熱コイル5の長さ(記録材通紙幅方向の長さ)も通紙幅Aよりも大きく設定されている。本参考例の画像形成装置における記録材Pの通紙はいわゆる中央基準搬送でなされる。Oはその中央基準線(仮想線)、Bは小サイズ記録材の通紙幅(通紙域)、Cは小サイズ記録材を通紙したときに生じる非通紙域である。
定着ベルト1の回転状態において、励磁ユニット7の誘導加熱コイル5には電源装置(励磁回路)101から20〜50kHzの高周波電流が印加されて、該誘導加熱コイル5によって発生した磁界により定着ベルト1の金属層(導電層)が誘導発熱する。すなわち定着ベルト11が加熱される。
TH1は例えばサーミスタ等の第1の温度センサ(温度検知部材:ベルト温度検出素子)であり、図4のように、ベルトガイド部材2を介することなくコイル5と対向した定着ベルト1の内面側の位置であって、定着ベルト1の幅方向中央部の位置に当接させて配設してある。
この第1の温度センサTH1は大サイズ記録材の通紙時も小サイズ記録材の通紙時も通紙域になる定着ベルト部分の温度を検知し、その検知温度情報が制御回路部(制御部)100にフィードバックされる。制御回路部100はこの第1の温度センサTH1から入力する検知温度が所定の目標温度(定着温度)に維持されるように電源装置101から誘導加熱コイル5に入力する電力を制御している。すなわち、定着ベルトの検出温度が所定温度に昇温した場合、誘導加熱コイル5への通電が遮断される。本参考例では、定着ベルト1の目標温度である170℃で一定になるように、第1の温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて誘導加熱コイル5に入力する電力を制御して温度調節を行っている。
TH2は第2の温度センサ(温度検知部材)であり、図4のように、ベルトガイド部材2を介することなくコイル5と対向した定着ベルト1の内面側の位置であって、小サイズ記録材を通紙したときの非通紙域となる定着ベルトの端部領域の位置に配設されている。そして、TH2にて検出された定着ベルトの端部領域の温度情報が制御回路部100にフィードバックされる。
上記の第1と第2の2つの温度センサTH1・TH2は、ベルトガイド部材2に弾性支持部材を介して取り付けられており、定着ベルト1の内面の誘導加熱コイル5による発熱量が最も高い領域に接触配置され、その部分の温度を検出している。温度センサTH1・TH2は弾性支持部材により定着ベルトの当接面が波打つなどの位置変動が生じたとしてもこれに追従して良好な接触状態が維持されるように構成されている。弾性的に接触しており、
定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、制御回路部100で制御されるモータ(駆動手段)M1によって定着ローラ3が回転駆動されることで、図2の矢印の反時計方向に所定の周速度、すなわち図1の画像転写部側から搬送されてくる、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度でシワなく回転駆動される。本参考例の場合、定着ベルト1の表面回転速度が、160mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズで40枚定着することが可能である。
また、励磁ユニット7の誘導加熱コイル5に制御回路部100で制御される電源装置101から電力供給がなされて定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、定着ニップ部Nにおける定着ベルト1と加圧ローラ4との間に、未定着トナー画像Tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けてガイド部材11で案内されて導入され、定着ニップ部Nにおいて定着ベルト1の外周面に密着し、定着ベルト1と一緒に圧接部Nを挟持搬送されていく。これにより、主に定着ベルト1の熱が付与され、また圧接部Nの加圧力を受けて記録材上の未定着トナー画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。圧接部Nを通った記録材Pは定着ベルト1の外周面から定着ベルト1の表面が定着ニップ部Nの出口部分の変形によって自己分離されて定着装置外へ搬送される。
1)定着ベルト1
図6は定着ベルト1の層構成模型図である。定着ベルト1は内径が34mmで電気鋳造法によって製造したニッケルを基層(金属層)1aを有している。この基層1aの厚みは50μmである。
基層1aの外周には弾性層1bとして耐熱性シリコーンゴム層が設けられている。シリコーンゴム層の厚さは100〜1000μmの範囲内で設定するのが好ましい。本参考例では、定着ベルト1の熱容量を小さくしてウォーミングアップタイムを短縮し、かつカラー画像を定着するときに好適な定着画像を得ることを考慮して、シリコーンゴム層の厚みは300μmとされている。このシリコーンゴムは、JIS−A20度の硬度を持ち、熱伝導率は0.8W/mKである。
更に弾性層1bの外周には、表面離型層1cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられている。
基層1aの内面側には、定着ベルト内包物との摺動摩擦を低下させるために、フッ素樹脂やポリイミドなどの樹脂層(滑性層)1dを10〜50μm設けても良い。本参考例では、この層1dとしてポリイミドを20μm設けた。
また、定着ベルト内面が接する内包物が導電性の場合は、定着ベルト基層1aである金属層に有効に誘導電流を流すために、定着ベルト内面には電気絶縁層が有ることが望ましい。
なお、定着ベルト1の金属層1aにはニッケルのほかに鉄合金や銅、銀などを適宜選択可能である。また、樹脂基層にそれら金属を積層させるなどの構成でも良い。金属層1aの厚みは、後で説明する誘導加熱コイルに流す高周波電流の周波数と金属層の透磁率・導電率に応じて調整して良く、5〜200μm程度の間で設定すると良い。
定着ベルト1を少なくとも2つの支持体間に張架させた場合の最小曲率半径は5mm以上好ましくは8mm以上にするのが好ましい。この範囲に設定することにより、定着ベルト1は金属が基層のため剛性があるので、無理に曲率半径を小さくすると、定着ベルト1のニッケル基層が経時で割れたり、定着ベルト1の定着ローラ3による回転駆動負荷が増大して、定着ベルト1の回転スリップが発生してしまうのを防止することができる。
2)ベルトガイド部材2
ベルトと摺動自在に固定配置された懸架部材としてのベルトガイド部材2は樹脂製であり、本参考例ではPPS製である。定着ベルト1の掛け回し面は半円弧面にしてある。また、圧接部Nにおいて、ベルトガイド部材2は可能な限り定着ローラ3に接近していると良い。これは、圧接部Nでの圧力抜けを防止するためである。図7にベルトガイド部材2に外観斜視模型図を示した。ベルトガイド部材2は前述したようにテンション部材としても機能しており、定着ベルト1に対して49N(5kgf)の張力を与えている。ベルトガイド部材2の定着ベルト1の内面と接する部分には、図7のように、ベルトガイド部材2の長手方向に沿って略等間隔で、定着ベルト移動方向に延びた複数のリブ2−1を設けてある。リブ2−1は、ベルトガイド部材2が定着ベルト1の内面と接触する面積を減らして、摩擦抵抗を減らすために設けてある。また、定着ベルト1の内面と接触する面積を減らして、加熱した定着ベルト1からの熱の伝導を減少させて効率よく定着ベルト1のみを高温に保つためでもある。そのために、図8に示したように、リブ2−1の形状を定着ベルト移動方向に対して斜めにしてリブ2−1と定着ベルト1の内面が偏り無く接触することで、定着ベルト1の温度が不均一にならないようにすると良い。また、リブ2−1は、定着ベルト1の熱をベルトガイド部材2になるべく伝導させないためには、熱伝導率の低い樹脂が好ましい。さらに、ベルトガイド部材2の定着ベルト1の内面と接する部分には定着ベルト1の内面との摩擦抵抗を減らすために、ベルトガイド部材2またはリブ2−1を設けたベルトガイド部材2と定着ベルト1との摩擦係数よりも低摩擦係数のシート状部材としてのベルトガイドカバー2−2を設けると良い。このベルトガイドカバー2−2は、ベルトガイド部材2の定着ベルト1の回転方向上流部分にビス2−3(図2)で固定されたガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたものや、凹凸を設けて接触面積を減らすよう工夫したポリイミドのシートなどを用いるとよい。本参考例では前者を採用している。また、定着ベルト1の内面にシリコーンオイル等を塗布して、摩擦抵抗を更に低減すると良い。
3)定着ローラ3
ベルトを懸架する懸架部材としての定着ローラ3(定着回転体)は、外径が20mmで、長手方向中央部の径が16mmで両端部の径が14mmである鉄合金製の芯金3aに、熱伝導率を小さくして定着ベルト1からの熱伝導を少なくするために弾性層3bとしてシリコーンゴムスポンジ層が設けてある。長手方向中央部での定着ローラ3の硬度はASK−C硬度計で約60度である。芯金3aにテーパー形状をつけているのは、加圧した時に定着ローラ3が撓んでも加圧ローラ4との圧接部Nの幅が長手方向にわたって均一にするためである。
また、定着ベルト1は、前述したように、モータM1によって駆動し、定着ローラ3のシリコーンゴムスポンジ表面と定着ベルト1の内面ポリイミド層との摩擦によって定着ベルト1は回転する。従って、定着ベルト1をスリップなく回転駆動するためには、定着ベルト1の内面と定着ローラ3との摩擦は大きい方が良い。
また、ベルトガイドカバー2−2によってベルトガイド部材2と定着ベルト1との摺動摩擦が小さくなるので、定着ベルト1のスリップ無く安定して定着ベルト1を回転させることが出来る。
4)加圧ローラ4
ベルトとの間で定着ニップを形成するための加圧ローラ4(加圧回転体)は、外径が20mmで長手方向中央部の径が16mmで両端部の径が14mmである鉄合金製の芯金4aに、弾性層4bとしてシリコーンゴム層が設けてある。表面は、離型層4cとしてフッ素樹脂層(例えばPFAやPTFE)が30μmの厚みで設けられる。加圧ローラ4の長手方向中央部における硬度は、ASK−C70℃である。芯金4aにテーパー形状をつけているのは、定着ローラ3と同様の理由で、加圧した時に加圧ローラ4が撓んでも定着ローラ3との圧接部Nの幅が長手方向にわたって均一にするためである。加圧ローラ4の弾性層4bとしてシリコーンゴムスポンジではなくシリコーンゴムを用いたのは、定着ローラ3より加圧ローラ4の硬度を固くして、定着ベルト1と加圧ローラ4との圧接部Nにおいて、定着ベルト1を大きく変形させて、トナー画像が形成された記録材の定着ベルト1からの剥離を容易にするためである。
加圧ローラ4は定着ベルト1に対して、押上げ付勢手段(不図示)で196N(20kgf)で加圧され、定着ベルト1と加圧ローラ4との圧接部Nの回転方向の幅は、約10mmである。
定着ベルト1と加圧ローラ4との圧接部Nでは、定着ローラ3とベルト支持部材2によって加圧されるので、圧接部Nでは常に圧力が加わっている。圧接部Nで圧力が無い部分があると、定着ベルト1と記録材Pとが離間してしまったり、定着ベルト1と記録材Pとの速度差によってトナー画像Tが乱れてしまうなどの問題が発生する。本参考例ではそれが防止できる。なお、本参考例における圧接部Nの圧力分布を図9に示す。
5)励磁ユニット7
定着ベルト1と励磁ユニット7の誘導加熱コイル5は0.5mmのモールドにより電気絶縁の状態を保ち、定着ベルト1と誘導加熱コイル5との間隔は1.5mm(モールド表面と定着ベルト表面の距離は1.0mm)で一定であり、定着ベルト1は均一に加熱される。
誘導加熱コイル5は記録材通紙幅方向に沿っての長さが、画像形成に供される最大通紙幅の記録材Pの通紙幅Aよりも長くなるように形成されている。前述したように、誘導加熱コイル5には、20〜50kHzの高周波電流が印加されて、定着ベルト1の金属層1aが誘導発熱し、定着ベルト1の目標温度である170℃で一定になるように、第1の温度センサTH1の検出値に基づいて高周波電流の周波数を変化させて誘導加熱コイル5に入力する電力を制御して温度調節される。
定着ローラ3のシリコーンゴムスポンジ層3bは最も薄いところでも2mmあり、誘導加熱コイル5によって芯金が発熱することはほとんどないので、本参考例では効率よく定着ベルト1のみを加熱することが出来る。
以上の装置は記録材の通紙を記録材中心で行なう中央基準搬送であるが、片側基準の装置に対しても同様の効果を得ることができる。
2箇所に発熱量の多い部分H・Hが存在する。すなわち、定着ベルト1の発熱量が最も高い位置は、図2で2つに分割して図示してある誘導加熱コイル5の定着ベルト回転方向それぞれの中央部である(温度センサTH1・TH2が図示してある位置、もう一方は定着ローラ3によってその位置を占められている)。
温度センサTH1・TH2はベルトガイド部材2に取り付けられており、前述したように、定着ベルト1の内面の誘導加熱コイル5による発熱量が最も高い位置に接触配置されている。本参考例のように温度センサTH1・TH2を配置すれば、定着ベルト1が最も発熱する領域の温度を検出することができるので、何らかの原因により定着ベルトの温度が異常温度に昇温したことを、極めて正確に、かつ応答速度早く検出可能である。従って、定着ベルトの温度異常であることを可及的に素早く判定することが可能となり、コイルへの電力供給を素早く遮断させることができる(画像形成ジョブ中であれば、ジョブの中断も連動して行われる)。その結果、定着装置(定着ベルト)が破損に至ってしまうのを防止することができる。その際、画像形成装置、特に定着装置が異常状態である旨を、画像形成装置に設けられた液晶表示部からなる操作部に表示させて操作者に対し修復を促すため制御回路部100が信号を出力する。
なお、画像形成装置がパーソナルコンピュータなどのホストコンピュータと通信ケーブルにてLAN接続されてプリンタとして機能を果たしている構成の場合には、画像形成装置(定着装置)が異常状態である旨をパーソナルコンピュータに対し報知するため制御回路部100がパーソナルコンピュータに向けて信号を出力する。
誘導加熱コイル5を含む励磁ユニット7が、高温になる定着ベルト1の内部ではなく外部に配置されているので、励磁コイル5の温度が高温になりにくく、安価な耐熱グレードのコイル材を使用できるといったメリットがある。また、誘導加熱コイル5が高温にならないので、電気抵抗も上昇せず高周波電流を流してもジュール発熱による損失を軽減するメリットもある。もちろん誘導加熱コイル5を外部に配置したことで定着ベルト1の小径化(低熱容量化)にも寄与している。
加圧ローラ4は、モータに連結されたカム機構等からなるシフト機構102(図2)によって、定着ベルト1に圧接している着状態と、引き離した脱状態を選択することができる。制御回路部100はこのシフト機構102を制御して、定着動作時以外は加圧ローラ4を押上げ付勢手段に抗して定着ベルト1から離間させた脱状態に保持する。こうすることで定着ベルト1の熱が加圧ローラ4に伝導しないので、定着装置Aのウォーミングアップタイムは、定着ベルト1と加圧ローラ4が離間している脱状態だと、例えば誘導加熱コイル5に1200W入力すると約15秒で目標温度である170℃に到達できる。
また、回転する定着ベルト1は、比較的軽圧で加圧されているので、回転状態にあっても幅方向への寄り移動力が小さい。つまり、定着ベルト1を幅方向にずらそうとする力が小さい。このため、定着ベルトの幅方向の寄りを規制するための手段としては、定着ベルト1の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部材3cを設ければ十分であり、これにより、定着装置Aの構成を簡略化できるという利点がある。
上述の例では、定着ローラとベルトガイド部材によって定着ベルトを懸架する構成について説明してきたが、ベルトガイド部材の代わりにローラを用いることも可能である。二本のローラにより定着ベルトを懸架することで定着ローラを回転駆動するためのトルクが小さくて済むといった利点がある。反面、定着ベルトの内側に二本のローラを入れて、更に温度検知手段とそれを設置するためのステイ(支持板)もベルトの内側に配置するとなると、定着ベルトの径が大きくなってしまう。よって、ベルトガイド部材を用いて、かつ、温度検出手段をそのガイド部材に取り付けた構成の方が、定着ベルトの小径化が可能となり、結果として定着装置が小型になり、熱容量が更に小さく出来るので、ウォームアップ時間を短縮できるといった利点がある。
以上説明したように、本参考例においては誘導加熱コイル5を含み励磁ユニット7を定着ベルト1の外部に配置することで小型化が可能になり、定着ベルト1を定着ローラ3と圧接部Nの加圧部材を兼ねている非回転のベルトガイド部材2によって支持することで、小径で熱容量の小さい定着ベルト1を無駄な熱伝導少なく加熱可能になり、ウォーミングアップタイムの短縮が可能になった。また、ベルトガイドカバー2−2によってリブ2−1を設けたベルトガイド部材2と定着ベルト1との摺動摩擦が小さくなることと、定着ローラ3で駆動しているので、定着ベルト1をスリップ無く安定して回転させることが出来る。
[実施例1]
本実施例は上述した参考例の定着装置Aにおいて、ベルトガイド部材2に対して図11のようにヒートパイプ2−4を配置したものである。その他の定着装置構成は参考例の定着装置Aと同様であるので再度の説明は省略する。
ヒートパイプとは、密閉容器内に少量の液体を真空封入し、内壁に毛細管構造を備えたものである。ヒートパイプの一部が加熱されると、加熱部で液体が蒸発し、低温部に蒸気が移動する。その蒸気が低温部で凝縮、凝縮した液が毛細管現象で加熱部に環流という一連の相変化が連続的に生じ、熱が素早く移動するものである。熱容量が小さいにもかかわらず熱輸送量が大きいという特徴があるので、定着ベルトに接していても、ウォームアップタイムをさほど長くならない。本実施例の場合、1200Wの入力で18秒でウォームアップ可能である。
定着ベルト1は厚みが薄いので長手方向の熱伝導が少ない。そのため、長手方向の幅が狭い小サイズ記録材を多量に定着したときなどに、記録材と接触しない定着ベルト1の表面(非通紙部Cに対応する部分)は、記録材によって熱が奪われないので高温になってしまうと言った問題があった。定着ベルト1がこのような高温になると、次に大サイズ記録材を定着したときに定着ベルト1が高温になっている部分で、トナーのホットオフセットといった画像不良が発生してしまう。
本実施例は、この問題を解決するために、定着ベルト1の内面に接触するベルトガイド部材2の表面に長手方向で熱伝導が可能で、かつ熱容量の小さいヒートパイプ2−4を配置して、定着ベルト1の長手方向温度分布の均一化を行うものである。ベルトガイド部材2は、参考例と同様に、定着ベルト1の内面と接触する表面に摺動摩擦を低下させるためにリブ2−1を設けているが、一部のリブを廃止してその代わりにヒートパイプ2−4を配置している。これは、ヒートパイプ2−4と定着ベルト1の内面との接触面積を増やためであり、定着ベルト1の長手方向両端部の小サイズ記録材が接触しない位置(非通紙部Cに対応する部分)の高温な部分の熱をヒートパイプ2−4が吸収して、定着ベルト1の中央部の小サイズ記録材が接触する位置(通紙部Bに対応する部分)にヒートパイプ2−4を介して熱を戻すように機能する。
図12の(a)にヒートパイプ2−4のないベルトガイド部材2を用いた時に、小サイズ記録材としてA4サイズの記録材を縦方向(幅が狭い)に連続して100枚定着した直後の定着ベルト1の表面温度を示す。定着ベルト1に記録材が接触していた位置(通紙域B)では、目標温度である170℃であるが、記録材が接触していない位置(非通紙域C)では220℃になってしまった。次に、A4サイズの記録材を横方向(幅が広い)で直後に定着すると高温部でトナーがホットオフセットしてしまった。
それに対して、ヒートパイプ2−4を配置したベルトガイド部材2を用いた時の同様の実験結果を図12の(b)に示す。ヒートパイプ2−4の効果で記録材が接触していない位置(非通紙域C)でも190℃までしか昇温していない。この温度ではトナーのホットオフセットは発生しなかった。
以上説明したように、本実施例ではベルトガイド部材2にヒートパイプ2−4を配置することで、ウォーミングアップタイムを大きく延長することなしに、小サイズ記録材の連続通紙時における定着ベルト1の長手方向の温度を均一化することが出来る。すなわち,非通紙部昇温現象を緩和することができる。
[実施例2]
本実施例は、参考例の加圧ローラ4をベルト体にして、定着ベルトと加圧ベルトによって圧接部の幅を広くすることで参考例で説明した利点を損なわずに高速で定着することが可能になるものである。
すなわち、定着側並びに加圧側を共にベルトで構成し、各ベルトを支持・張架するベルト支持体の1つをローラではなく樹脂の固定ガイド部材とし、この固定ガイド部材をベルトの湾曲部から圧接部に至る直線部まで設ける。また固定ガイド部材に加圧パッドを一体に設ける。
図13は本実施例における定着装置Aの横断面模型図と制御系のブロック図である。定着ベルト1、ベルトガイド部材2、定着ローラ3、励磁コイルユニット7の構成は参考例の定着装置と同様であるから再度の説明は省略する。
ただし本実施例においては、ベルトガイド部材2については、実施例1で説明したように、定着ベルト1の温度を均一化するためにヒートパイプ2−4を配置した。図14は本実施例においてヒートパイプ2−4を具備させたベルトガイド部材2の外観斜視模型図である。定着ベルト10と後述する加圧ベルトの圧接部Nでベルトガイド部材2によって加圧されるので、圧接部Nに対応するベルトガイド部分2aにはリブ2−1は無い。
実施例1と2においては、図13から明らかであるように、コイル5は、少なくともヒートパイプ2−4とベルト1が接触する接触領域と、張架手段であるベルトガイド部材2と張架ローラである定着ローラ3との間の非接触領域と、に対向して設けられ、温度検知部材である第1と第2の温度センサTH1・TH2はは非接触領域に対応して配置されると共に、ベルト1の回転方向においてニップ部Nよりも下流側であってヒートパイプ2−4よりも上流側に配置されている。
加圧ベルト41は、内径が34mmで、厚みが75μmのポリイミドを基層(樹脂基層)とし、表面は離型層としてフッ素樹脂であるPFAチューブを30μmの厚みで設けた、可撓性を有するエンドレスベルト体である。後で説明するベルトガイド部材42との摺動摩擦を少なくするために、基層であるポリイミドにフッ素樹脂の微粒子を分散させておくと良い。この加圧ベルト41は、ベルトガイド部材42と加圧ローラ43によって支持されている。
ベルトガイド部材42は樹脂製であり、本実施例ではPPS製である。図15はこのベルトガイド部材42の外観斜視模型図である。ベルトガイド部材42はテンション部材としても機能させており、加圧ベルト41に対して49N(5kgf)の張力を与えている。加圧ベルト11の内面と接する部分にはリブ42−1を設けてある。リブ42−1は、ベルトガイド部材42が加圧ベルト41の内面と接触する面積を減らして、摩擦抵抗を減らすために設けてある。ただし、定着ベルト1と加圧ベルト41の圧接部Nでベルトガイド部材42によって加圧されるので、圧接部Nに対応するベルトガイド部分にはリブはない。加圧ベルト41の内面との摩擦抵抗を減らすために、定着側のベルトガイド部材2の場合と同様に、ベルトガイドカバー42−2(図13)を設けると良い。このベルトガイドカバー42−2は、ベルトガイド部材42の加圧ベルト41の回転方向上流部分にビス42−3で固定されたガラス繊維製のクロスをフッ素樹脂でコーティングしたものや、凹凸を設けて接触面積を減らすよう工夫したポリイミドのシートなどを用いるとよい。本実施例では前者を採用している。また、定着ベルト1と加圧ベルト41の圧接部Nでの密着性を良くする為に、ベルトガイド部材42の圧接部Nに対応する部分に弾性部材(加圧パッド)42−5を一体に設けると良い。本実施例では弾性部材42−5としてシリコーンゴムを設けた。本実施例では加圧側のベルトガイド部分にのみに弾性部材42−5を設けたが、図17の(a)のように定着側のベルトガイド部材2側にも弾性部材2−5を設けても良いし、図17の(b)のように定着側のベルトガイド部材2側にのみに弾性部材2−5設けても良い。
加圧ローラ43は、外径が20mmで、厚みが1.0mmである鉄合金製である芯金に、厚みが0.3mmのシリコーンゴム層が設けてある。加圧ベルト41は、この加圧ローラ43が制御回路部100で制御されるモータM2によって駆動されることによって、加圧ローラ43のシリコーンゴム表面と加圧ベルト41のポリイミド層との摩擦によって回転する。ベルトガイドカバー42−2によってベルトガイド部材42と加圧ベルト41との摺動摩擦が小さくなる。
ベルトガイド部材42は加圧手段(不図示)によってベルトガイド部材2に向かって98N(10kgf)で、加圧ローラ43は加圧手段(不図示)によって定着ローラ3に向かって294N(30kgf)で加圧されている。その結果、定着ベルト1と加圧ベルト41との圧接部Nのベルト回転方向の幅は約20mmになる。この幅が広いので、実施例1で説明した定着装置よりも高速で定着可能になる。また、圧接部Nにおけるベルトガイド部材2・42の対よりも定着ローラ3と加圧ローラ43の対の位置の方が単位面積あたりの圧力が高いので、上下の定着ローラ3と加圧ローラ43でそれぞれのベルト1・41を駆動すれば、両方のベルト1・41ともスリップ無く安定して回転させることが出来る。また、定着ローラ3に比べて加圧ローラ43の方が硬いので、定着ベルト11と加圧ベルト41との圧接部出口では定着ローラ3の変形が大きくなり、結果定着ベルト1も大きく変形し、トナー画像が自己分離して良好に記録材を定着ベルト1から分離・搬送できる。
上下のベルトガイド部材2・42がそれぞれ定着ローラ3、加圧ローラ43近傍まで配置されているおり、図16に示したように、圧接部Nでの圧抜けが無い。圧接部Nで圧力が無い部分があると、定着ベルト1と記録材Pとが離間してしまったり、定着ベルト1と記録材Pとの速度差によってトナー画像Tが乱れてしまうなどの問題が発生する。本実施例ではそれが防止できる。
定着ベルト1は、少なくとも画像形成実行時には、駆動手段M1によって定着ローラ3が回転駆動され、加圧ベルト41も同様に、駆動手段M2によって加圧ローラ43が回転駆動されることで、それぞれ図13の矢印の向きに所定の周速度、すなわち画像転写部側から搬送されてくる、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pの搬送速度とほぼ同一の周速度でシワなく回転駆動される。本実施例の場合、定着ベルト1と加圧ベルト41の表面回転速度が、300mm/secで回転し、フルカラーの画像を1分間にA4サイズ70枚定着することが可能である。
また、定着ベルト1が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、圧接部Nにおける定着ベルト1と加圧ベルト41との間に、未定着トナー画像Tを有する記録材Pがそのトナー画像担持面側を定着ベルト1側に向けて導入されて圧接部Nにおいて定着ベルト1の外周面に密着し、定着ベルト1と一緒に圧接部Nを挟持搬送されていくことにより、主に定着ベルト1の熱が付与され、また圧接部Nの加圧力を受けて未定着トナー画像Tが記録材Pの表面に熱圧定着される。圧接部Nを通った記録材Pは定着ベルト10の外周面から定着ベルト1の表面が圧接部Nの出口部分の変形によって自己分離されて定着装置外へ搬送される。
加圧ベルト41・ベルトガイド部材42・加圧ローラ43を含む加圧ベルトユニットは、モータに連結されたカム機構等からなるシフト機構102によって、加圧ベルト41を定着ベルト1に着している状態と脱している状態を選択することができる。制御回路部100はこのシフト機構102を制御して、定着動作時以外は加圧ベルト41は定着ベルト1と離間している脱状態に保持している。こうすることで定着ベルト1の熱が加圧ベルト41に伝導しないので、定着装置のウォーミングアップタイムは、加圧ベルト41は定着ベルト1から離間している状態だと、例えば誘導加熱コイル5に1200W入力すると約18秒で目標温度である170℃に到達できる。
また、回転する定着ベルト1と加圧ベルト41は、比較的軽圧で加圧されているので、回転状態にあっても幅方向への寄り移動力が小さい。つまり、定着ベルト1と加圧ベルト41を幅方向にずらそうとする力が小さい。このため、ベルトの幅方向の寄りを規制するための手段としては、定着ベルト1と加圧ベルト41の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部材を設ければ十分であり、これにより、定着装置の構成を簡略化できるという利点がある。
以上説明したように、本実施例では加圧体をベルトにしたことで、圧接部Nの幅を広くなり、ウォーミングアップタイムをほとんど長くすることなしで、高速定着が可能になった。また、比較的加圧力の高いローラ対3・43で定着ベルト1と加圧ベルト41を挟んで搬送するので、ベルトのスリップを防止することが出来た。
以上の各実施例における装置は記録材の通紙を記録材中心で行なう中央基準搬送であるが、片側基準の装置に対しても本発明は適用できて同様の項かを得ることができる。
本発明の像加熱装置は画像加熱定着装置としてばかりではなく、その他、例えば、画像を担持した記録材を加熱してつや等の表面性を改質する加熱装置、仮定着する加熱装置等としても使用できる。
画像形成装置の一例の構成模型図 参考例における定着装置の要部の拡大横断側面図と制御系のブロック図 同装置の正面図 図2の(4)−(4)線位置における縦断正面図 同装置の平面図 定着ベルトの層構成模型図 ベルトガイド部材とベルトガイドカバーの分解斜視模型図(その1) ベルトガイド部材とベルトガイドカバーの分解斜視模型図(その2) 圧接部の圧力分布図 励磁ユニット(誘導加熱コイル)との対向部(展開図)における定着ベルト1の発熱量分布図 実施例1におけるベルトガイド部材の外観斜視図 (a)はヒートパイプが無いベルトガイド部材を用いた時の定着ベルト温度分布を表すグラフ、(b)はヒートパイプが有るベルトガイド部材を用いた時の定着ベルト温度分布を表すグラフ 実施例2における定着装置の要部の拡大横断側面図と制御系のブロック図 定着側のベルトガイド部材の外観斜視模型図 加圧側のベルトガイド部材の外観斜視模型図 圧接部の圧力分布図 (a)と(b)はそれぞれ実施例2における定着装置の他の構成例の要部の拡大横断側面図
A・・像加熱装置(定着装置)、1・・ベルト部材(定着ベルト)、2・・非回転のベルトガイド部材(ベルト支持体)、3・・回転ローラ(定着ローラ:ベルト支持体)、4・・加圧体(加圧ローラ)、5・・誘導加熱コイル、P・・記録材、T・・画像(未定着トナー画像)

Claims (1)

  1. 記録材上の画像をニップ部にて加熱する回転可能なエンドレスベルトと、エンドレスベルトの外面側に設けられエンドレスベルトを誘導加熱するためのコイルと、エンドレスベルトを張架し、前記ニップ部を形成するための張架ローラと、エンドレスベルトと接触し、エンドレスベルトの温度を検知する温度検知部材と、温度検知部材による検知温度が異常温度に達したらコイルへの通電を遮断する制御部と、エンドレスベルトと当接するヒートパイプを備え、エンドレスベルトを張架する張架手段と、を有する像加熱装置において、
    コイルは、少なくともヒートパイプとエンドレスベルトが接触する接触領域と、張架手段と張架ローラとの間の非接触領域と、に対向して設けられ、温度検知部材は非接触領域に対応して配置されると共に、エンドレスベルトの回転方向において前記ニップ部よりも下流側であってヒートパイプよりも上流側に配置されることを特徴とする像加熱装置。
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