JP6415651B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置に関する。
記録材にトナー画像を形成する画像形成装置は、トナー画像を記録材に定着するための定着装置を有している。この定着装置として、第1の定着部材と、第1の定着部材を加熱するヒータと、第1の定着部材との間にニップ部を形成する第2の定着部材と、を有し、ニップ部でトナー画像を担持した記録材を加熱してトナー画像を記録材に定着するものが用いられている。
このような定着装置は、小サイズ記録材を連続通紙した時は、記録材が通過しない非通紙領域の過昇温、いわゆる非通紙部昇温が生じることがある。特に、第1の定着部材として熱容量が小さくウォームアップが速い筒状のフィルムなどを用いた場合には、非通紙部昇温は悪化しやすい場合がある。
これに対して、圧着ローラの近傍に配置された送風手段によって加熱ローラもしくは圧着ローラの少なくとも一方の小サイズ複写紙の定着に使用されない定着領域に送風を行うことで非通紙昇温を抑制する定着装置が開示されている(特許文献1)。
特開昭60−135779号公報
しかしながら、特許文献1に開示される1つのファンによって第1の定着部材及び第2の定着部材のいずれか一方の非通紙領域にのみに送風して冷却する構成の場合は、直接的に送風されない方の定着部材は間接的な冷却がなされるにすぎず冷却効果が小さくなる。また、特許文献1が開示するもう一つの構成として、1つのファンによって第1の定着部材及び第2の定着部材の双方の非通紙領域に送風する構成であってファンはいずれかの定着部材に近い位置に設けられている構成がある。このような構成の場合、ファンから遠い方の定着部材の冷却効率は距離が長い分だけ風量の損失が大きいため悪くなりやすい。
以上述べたことから、特許文献1に開示されている構成で第1の定着部材及び第2の定着部材の双方の非通紙領域を効率良く冷却することは難しいという課題がある。
上記を解決するために本発明は、第1の定着部材と、前記第1の定着部材を加熱するヒータと、前記第1の定着部材と接触して前記第1の定着部材との間に記録材を搬送するニップ部を形成する第2の定着部材と、前記第1の定着部材又は前記ヒータの、前記ニップ部で搬送可能な全ての記録材が通過する通過領域の温度を検知する第1の温度検知部材と、
前記第1の定着部材又は前記ヒータの、前記ニップ部で搬送可能な最大幅の記録材よりも幅の狭い小サイズ記録材が通過しない非通過領域の温度を検知する第2の温度検知部材と、
前記第1の温度検知部材の検知温度が目標温度になるように前記ヒータを制御する制御部と、前記第1の定着部材の前記小サイズ記録材の非通過領域に送風する第1のファンと、前記第2の定着部材の前記小サイズ記録材の非通過領域に送風する第2のファンと、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し前記トナー像を記録材に定着する定着装置において、前記小サイズ記録材を前記ニップ部で搬送する場合、前記制御部は、前記第2の温度検知部材の検知温度に応じて前記第1のファンに供給する電力を制御し、前記第1のファンに供給する電力が閾値電力に達しても前記第2の温度検知部材の検知温度が閾値温度に収まらない場合に前記第2のファンの送風を開始することを特徴とする。
小サイズ記録材を連続通紙した時に、ニップ部を形成する第1の定着部材及び第2の定着部材の双方の非通紙領域をファンの送風で効率良く冷却することができる定着装置を提供できる。
画像形成装置に搭載されている定着装置、第1の送風部および第2の送風部の断面図 定着装置の正面図 ヒータの断面図および制御系統図 (a)定着装置を記録材の導入側から見た図。(b)第1の送風部を上方から見た図 第2の送風部と加圧ローラとの関係図 (a)実施例1における第1の送風部制御のフローチャート。(b)実施例1における第2の送風部の非通紙領域昇温抑制モード制御のフローチャート。(c)実施例1における第2の送風部の結露スリップ防止モード制御のフローチャート 定着カウントと加圧ローラ温度の関係 (a)本実施例1におけるフィルムと加圧ローラの非通紙領域昇温の説明図。(b)比較例1におけるフィルムと加圧ローラの非通紙領域昇温の説明図。(c)比較例2におけるフィルムと加圧ローラの非通紙領域昇温の説明図 (a)実施例2における第1の送風部制御のフローチャート。(b)実施例2における第2の送風部の非通紙領域昇温抑制モード制御のフローチャート 本発明を適用可能な画像形成装置の概略断面図
(実施例1)
[画像形成装置概略]
図10は本発明に係る定着装置を搭載できる画像形成装置の一例の構成模式図である。この画像形成装置は電子写真方式のレーザープリンタであって、ホストコンピュータ等の外部ホスト装置より入力する画像情報に応じた画像を記録材に形成する。
本実施例に示す画像形成装置は、外部装置からプリント指令を入力すると、像担持体としてのドラム形状の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)301を矢印方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動する。その感光ドラム301は感光ドラム301の外周面(表面)が帯電器302により所定の極性・電位に一様に帯電される。その感光ドラム301の表面の帯電面に対して露光手段としてのレーザースキャナ303により画像情報の書き込みがなされる。レーザースキャナ303は、外部装置からプリンタに入力される画像情報に応じて変調されたレーザー光Lを出力する。そしてレーザースキャナ303はそのレーザー光Lにより感光ドラム301の帯電面を走査露光する。これにより、感光ドラム301の表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。その静電潜像は現像器304によりトナー(現像剤)を用いてトナー画像(現像像)として現像される。感光ドラム301の表面のトナー画像(以下、トナー像と記す)は感光ドラム301の回転によって感光ドラム301表面とこの感光ドラム301表面に対向して配置されている転写ローラ307の外周面(表面)との間の転写ニップ部に送られる。
以上が画像形成部の構成である。
一方、給送カセット308のシート積載台308a上に積載されている記録材Pは、所定の制御タイミングで駆動される給送ローラ309により一枚ずつピックアップされ、搬送ローラ310と搬送コロ310aとによりレジストレーション部へ送られる。レジストレーション部では、記録材Pの先端をレジストレーションローラ311とレジストレーションコロ311aと間のニップ部で一旦受け止めて記録材Pの斜行矯正を行い、所定の搬送タイミングでその記録材Pを転写ニップ部へと給送する。即ち、レジストレーション部では、感光ドラム301の表面のトナー像の先端が転写ニップ部に到達したとき、記録材Pの先端も転写ニップ部に到達するように記録材Pの搬送のタイミングが制御される。
転写ニップ部に給送された記録材Pは感光ドラム301と転写ローラ307とにより挟持搬送される。そして、その記録材Pの搬送過程において転写ローラ307に印加される転写バイアスにより感光ドラム301の表面のトナー像が記録材Pに転写され、記録材Pは感光ドラム301の表面から分離されて定着装置70へと搬送される。
定着装置70は、未定着トナー像を担持した記録材Pに後述のニップ部(定着ニップ部)Nで熱と圧力を付与することによって未定着トナー像を記録材Pに加熱定着し、その記録材Pをニップ部Nから排出する。
定着装置70のニップ部Nから排出された記録材Pは第1の排出ローラ312により第2の排出ローラ313に搬送される。そして、第2の排出ローラ313がその記録材Pを排出トレイ314上に排出する。
記録材Pが分離された後の感光ドラム301の表面は、クリーナー305により転写残トナーが除去され、繰り返して作像に供される。
本実施例の画像形成装置は、感光ドラム301、帯電器302、現像器304、及びクリーナー305をアセンブリにしてプロセスカートリッジ306としている。そしてそのカートリッジ306はプリンタの筐体を構成する画像形成装置315に対して取り外し可能に装着されている。
画像形成装置本体315には外気取り込みファン317が設けられている。この外気取り込みファン317は、適宜回転され、外気を画像形成装置315の内側に取り込んで画像形成部、電装基板等の昇温箇所を冷却する。外気取り込みファン317の近傍には、環境センサ318が設けられ、外気取り込みファン317によって機外の空気を取り込んだ際に、画像形成装置315が設置されている環境の温度・湿度を検知する。そして、その検知結果を定着装置70の温度制御シーケンスにフィードバックしている。
定着装置70の近傍には、第1の送風部80と第2の送風部90とが配設され、第1の送風部および第2の送風部90が各々独立して冷却風を送風することができる。尚、第1の送風部80及び第2の送風部90の制御については後述する。
給送カセット308のシート積載台308aにはサイズの異なる各種記録材を積載するための移動可能な規制ガイド(不図示)が設けられている。その規制ガイドを記録材Pのサイズに応じて変位させその記録材Pをシート積載台308a上に積載することによって、サイズの異なる各種記録材を給送カセット308から給送ローラ309により一枚ずつピックアップすることができる。
本実施例の画像形成装置は、A4サイズ紙対応の画像形成装置であって、プリントスピードが52枚/分(A4横送り)である。
[定着装置の概要]
図1は定着装置70と第1の送風部80、および第2の送風部90の断面図である。また図2は定着装置70の正面図、図3はヒータの短手方向の断面図および制御系統図である。これら定着装置と送風部は電子写真プリンタのような不図示の画像形成装置に搭載されている。
まず、図1および図2を用いて、定着装置70の概要を説明する。定着装置70は、第1の定着部材としての筒状のフィルム11と、フィルムの内面と接触するヒータ30と、フィルム11との間にニップ部Nを形成する第2の定着部材としての加圧ローラ20と、を備える。フィルムユニット10は、フィルム11と、ヒータ30と、加圧ローラ20と、溝部でヒータ30を支持する支持するガイド部材41と、フィルムユニットを加圧する加圧ステイ42と、を有する。図2の43は、加圧ステイ42の左右両端部の腕部にそれぞれ取り付けられた図2中の端部ホルダであり、43aは端部ホルダ43と一体のフランジ部である。
加圧ローラ20は、芯金21と、芯金21の外周面に形成されたシリコーンゴム等からなる弾性層22と、弾性層22の外側に形成されPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹からなる表層23と、を有する弾性ローラである。ここで、PTFEはポリテトラフルオロエチレンであり、PFAはテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体であり、FEPはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体である。
加圧ローラ20は、芯金21の両端部を定着装置70のフレーム(不図示)である左右の側板間に軸受部材を介して回転自在に保持されている。フィルムユニット10のヒータ30側を加圧ローラ20に対向させて並列に配列し、加圧ステイ42の両端部にある端部ホルダ43に対して加圧ばね44を設けている。これにより、フィルムユニット10が加圧ローラ20側に付勢される。尚、フランジ部43aは、フィルム11がフィルム11の母線方向に移動するのを規制する。
以上説明した定着装置70は、ニップ部Nにおいてトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱しトナー像を記録材に定着する。
次にヒータ30の構成について説明する。図3はヒータ30の断面図および制御系統図である。ヒータ30は、基板31と、基板31の上に基板31の長手方向に沿って形成された発熱抵抗体H1及びH2と、発熱抵抗体H1及びH2の上に形成された保護層32と、フィルム11と接触する側の面に形成された摺動層33と、を有する。基板31はアルミナや窒化アルミ等のセラミックスで形成され、保護層32及び摺動層33は、ガラスやフッ素樹脂等で形成される。
ヒータ30の発熱抵抗体H1およびH2の長手端部に通電することで、発熱抵抗体H1およびH2が発熱してヒータ30がヒータ長手方向の有効発熱体領域幅Aの全域において急速に昇温する。そのヒータ30の温度が保護層32の外面に接触するように配設された第1の温度検知部材としての第1のサーミスタTH1により検出され、その出力(温度に関する信号値)がA/Dコンバータを介して制御回路100に入力する。制御回路100は、その入力する検知温度情報に基づいて、ヒータ30の温度を目標温度(定着温度)に維持するように電源(電力供給部、ヒータ駆動回路部)101から発熱抵抗体H1およびH2に対する電力を発熱抵抗体ごとに独立して制御する。
定着装置70は、加圧ローラ20を駆動してフィルム11を回転させるタイプの定着装置である。詳細を説明する。図1に示すように、加圧ローラ20はモータM1により矢印の反時計方向に回転駆動される。加圧ローラ20の回転駆動によって生じたニップ部における摩擦力によってフィルム11に回転駆動力が作用する。これにより、フィルム11は、その内面がニップ部においてヒータ30の摺動層33に密着しながら矢印の時計方向に回転するフィルム11は加圧ローラ20と同じ回転速度で回転する。
外部ホスト装置200から入力される画像情報に応じたプリントスタート信号に基づいて、加圧ローラ20の回転及びヒータ30のウォームアップが開始される。フィルム11の回転速度が目標速度となり、ヒータ30の温度が目標温度に達した状態において、ニップ部Nにトナー画像Tを担持させた記録材Pがトナー画像を担持した面がフィルム11に接触するように導入される。記録材Pはニップ部Nにおいてフィルム11を介してヒータ30と挟まれた状態でフィルム11と一緒に移動する。その移動過程においてヒータ30で加熱されるフィルム11により、記録材Pに熱が付与されてトナー画像Tが記録材P面に定着される。ニップ部を通過した記録材Pはフィルム11から分離されて排出搬送される。
尚、本実施例においてはフィルムの内面にヒータが接触するタイプの定着装置を例示して説明したが、これに限定されるものではない。例えば、フィルムと、フィルムに内包されるハロゲンヒータと、ニップ部形成部材と、ニップ部形成部材と共にフィルムを介してニップ部を形成する加圧部材と、を有する定着装置であっても良い。この定着装置は、ハロゲンヒータの輻射熱によってフィルムの内面を加熱するタイプの定着装置である。
図2を用いて、非通紙領域について説明する。本例では、記録材Pの搬送は記録材の幅方向の中央が搬送の基準となる、所謂、中央基準搬送で行なわれる。Sはその記録材の搬送基準を示した仮想線である。W1は定着装置で通紙可能な最大幅の記録材の通紙幅(以下、最大通紙幅と記す)である。本例において、この最大通紙幅W1はA3サイズ幅297mm(A3縦送り)である。記録材の搬送方向に直交する方向において、ヒータ30の長手方向の発熱領域幅AはA3サイズの記録材の両端部の定着性を確保するために、この最大通紙幅W1よりも少し大きい。W3は定着装置で通紙可能な最小幅の記録材の通紙幅(以下、最小通紙幅と記す)である。本例において、この最小通紙幅W3はA4縦サイズ幅210mm(A4縦送り)である。W2は上記の最大幅の記録材より幅が狭く、最小幅の記録材との間の幅の記録材の通紙幅である。本例において、通紙幅W2はB4サイズ幅257mm(B4縦送り)を示した。以下、最大通紙幅W1に対応する幅の記録材を最大サイズ記録材、この記録材よりも幅の小さい記録材を小サイズ記録材と記す。aは最大通紙幅W1と通紙幅W2との差幅部((W1−W2)/2)、bは最大通紙幅W1と最小通紙幅W3との差幅部((W1−W3)/2)である。すなわち、それぞれ小サイズ記録材であるB4またはA4縦送りの記録材を通紙したときの非通紙部である。本例においては記録材の搬送が中央基準であるから、非通紙領域a及びbはそれぞれ、通紙幅W2の左右の両側部、最小通紙幅W3の左右の両側部に生じる。この非通紙領域の幅は使用される小サイズ記録材の幅により異なる。
第1の温度検知部材としてのサーミスタTH1は、ヒータ30の最小通紙幅W3に対応する通紙部に設けられ、ヒータ30の温度を検知する。第2の温度検知部材としてのサーミスタTH2は、ヒータ30の最小通紙幅W3外の非通紙部の温度を検知する。サーミスタTH1及びTH2の出力はA/Dコンバータを介して制御回路部100に入力される。
尚、サーミスタTH1およびサーミスタTH2はそれぞれ、最小通紙幅W3及び非通紙領域aに対応するフィルム11の内面に弾性的に接触させて配設してもよい。
[第1の送風部の構成]
第1の送風部80は、フィルム11に向けて送風する部分である。図4(a)の定着装置を記録材Pの導入側から見た図、および(b)第1の送風部80を上方から見た図を用いて、第1の送風部80の説明を行う。
第1の送風部80は、第1のファン81と、第1のファン81からの送風をフィルムユニット10まで導くダクト82と、シャッタ84と、シャッタ駆動部を有する。第1のファン81は、電力が供給されるとモータ(不図示)が回転し第1の羽根車81aが回転することで送風することができる構成である。実施例1の第1のファン81は軸流ファンであるが、遠心ファンであっても良い。
また、第1のファン81は、フィルム11に送風するための第1の羽根車81aが加圧ローラ20よりもフィルム11に近くなるように配置されている。第1の羽根車81aがフィルム11よりも加圧ローラ20に近い配置であると、ダクト82が長くなり風がフィルム11に到達するまでの圧力損失が大きくなるので効率が悪くなるからである。
ダクト82は、フィルムユニット10に対向する部分に配置された開口部83を有する。また、シャッタ84は、フィルム11と第1のファン81との間にあり、開口部83が形成された記録材搬送方向に直交する方向に延びたダクトの一部である支持板85に沿ってスライド移動が可能に支持されている。このシャッタ84をラック歯86とピニオンギア87により連絡させ、ピニオンギア87をモータ(不図示)で正転方向又は逆転方向に駆動する。これにより、両端部のシャッタ84は連動してそれぞれに対応する開口部83に対して移動する。シャッタは通紙する記録材のサイズに応じて移動させる。
第1のファン81、ダクト82、シャッタ84はフィルムユニット10の記録材向に直交する方向において両端部に対称に配置されている。
上記の支持板85、ラック歯86、ピニオンギア87、ピニオンギアを駆動するモータ(不図示)によりシャッタ駆動機構が構成されている。両端部の開口部83の記録材搬送方向の幅は、最小幅の記録材を通紙した時の非通紙領域bよりも僅かに中央寄りの位置から最大通紙幅W1にかけて設けられている。両端部のシャッタ84をそれぞれ記録材搬送方向に直交する方向の中央から端部に向かって移動させて開口部83を所定量閉じることで、第1のファン81の送風領域をフィルム11の非通紙領域の幅に合わせる。第1のファン81およびシャッタ駆動機構は、制御回路100の信号を受け取った制御部88により動作する。
本実施例で使用した第1のファン81は、定格電圧におけるモータの回転数が100%の時に、0.389m^3/分の風量を出すことが可能なファンを用いた。モータの回転数は、フィルムの昇温速度に応じて変更することが可能である。モータの回転数を変更することにより、第1のファン81の回転数を変え、フィルム11の非通紙領域に送風する風量を調整することで、フィルム11の昇温速度に応じて非通紙部昇温を抑制することが可能である。第1のファン81の制御については後述する。
[第2の送風部の構成]
第2の送風部90は、加圧ローラ20に送風する部分である。図1および図5の第2の送風部90と加圧ローラ20との位置関係を示した図を用いて、第2の送風部90の構成について説明する。第2の送風部90は、第2のファン91と、第2のファン91で発生した風を加圧ローラ20に案内するためのダクト92と、を有する。第2のファン91は、電力が供給されるとモータが回転し第2の羽根車91aが回転することで送風することができる構成である。実施例1においては、軸流ファンを用いるが、遠心ファンでも良い。
また、第2のファン91は、加圧ローラ20に送風するための第2の羽根車91aがフィルム11よりも加圧ローラ20に近くなるように配置されている。第2の羽根車91aが加圧ローラ20よりもフィルム11に近い配置であると、ダクト92が長くなり風が加圧ローラ20に到達するまでの圧力損失が大きくなるので効率が悪くなるからである。
ダクト92は、第2のファン91とダクト92とを連結する連結部93と、複数の通風孔94と、を有する。制御回路100から制御部95へ動作信号が伝達されると、第2のファン91が所定の回転数で回転する。この第2のファン91による送風は、連結部93を介してダクト92へと案内され、通風孔94から加圧ローラ20へ吹き付けられる。
ここで、本実施例では、複数の通気孔94は、ダクト92の記録材搬送方向に直交する方向の両端部のみに設けられ、両端部の通気孔94における風量が同等になるように通気孔94の形状と個数が調整されている。通気孔94を設ける範囲は、レターサイズの記録材を横送りした時の非通紙領域とした。この理由は、加圧ローラの非通紙領域昇温の抑制と、結露スリップの抑制と、を両立するためである。尚、第2の送風部90の構成は、本実施例の構成に限定されるものではなく、記録材搬送方向の中央よりも端部の方が加圧ローラ20に吹き付けられる風量が大きくなるように通風孔94が設けられていればよい。例えば、通気孔94の個数が記録材搬送方向に直交する方向の中央より端部の方が多い構成、又は、通気孔94の大きさが記録材搬送方向に直交する方向の中央より端部の方が大きい構成であっても良い。また、第1の送風部80と同様にシャッタ駆動機構を設けて、送風範囲を可変としてもよい。
結露スリップ対策としても、加圧ローラ20の長手方向全域に均一な風量で送風するよりも本願発明のように非通紙域のみ、又は非通紙域に対して通紙域よりも風量を抑えた方が加圧ローラ20を過剰に冷却することなく結露スリップを抑制できるという効果がある。
本実施例で使用した第2のファン91は、定格電圧におけるモータの回転数が100%の時に、0.14m^3/分の風量を出すことが可能なファンを用いた。モータの回転数を変更することにより、加圧ローラ20の昇温速度に応じて、加圧ローラ20に送風する風量を調整することができる。第2のファン91の制御については後述する。
[送風部の制御]
表1に本実施例における第1の送風部80及び第2の送風部90の制御方法を示す。本実施例における第1の送風部80および第2の送風部90は、紙サイズ、環境、定着装置の蓄熱量、非通紙領域の温度に応じてシャッタ84の開口量や第1のファン81及び91の風量を制御する。紙サイズ、環境、定着装置の蓄熱量、及び非通紙領域の温度の情報は、それぞれ、紙幅センサ、環境センサ、定着カウント予測、及びサーミスタTH2から得られる。尚、定着カウント予測に関しては後述する。
Figure 0006415651
[第1の送風部の制御]
図6(a)のフローチャートを用いて、本実施例における第1の送風部80の制御を説明する。
まず、外部ホスト装置200から入力される画像情報に応じたプリントスタート信号から、プリント動作が開始する(Step1)。その後、制御回路部100には、ユーザーが入力した記録材サイズの情報や、給紙カセット等の記録材サイズ検知センサの情報から通紙される記録材幅Wに関する情報が得られる(Step2)。次に、制御回路部100はプリント動作中のサーミスタTH2を検知温度を監視し、フィルム11の非通紙領域昇温の有無を判断する(Step3)。
サーミスタTH2の検知温度が閾値温度以上になった時、制御回路部100は記録材のサイズ情報に基づき、制御部88に対して非通紙部昇温抑制のための動作指示を行う。具体的には、開口部83が記録材サイズに応じた開口量になるようにシャッタを移動させた後に、第1のファン81へ電力を供給して送風を開始する(Step5)。サーミスタTH2の検知温度が所定の温度範囲に収まるように第1のファン81に対する供給電力を調整する(Step6、Step7)。
例えば、レター横送り時には、送風開始を判断するサーミスタTH2の検知温度を250℃、開口部83の開口量を5.3mmとし、サーミスタTH2が250〜260℃の範囲に収まるよう第1のファン81に対する供給電力を調整する。
プリント処理が終了した場合は(Step8)、第1のファン81への電力供給を停止するとともに、シャッタ84を開口部83の開口量が0mmであるホームポジションに移動させる(Step9)。
尚、Step3でサーミスタTH2を監視し、プリント動作の終了まで閾値温度より低い場合は(Step4)、顕著な非通紙部昇温が発生していないと判断してファン81の動作を行わない。
[第2の送風部制御]
本実施例における第2の送風部90の使用目的は2つある。第1の目的は、加圧ローラ20の非通紙領域の昇温の抑制(以降、非通紙領域昇温抑制モードと記す)である。第2の目的は、結露スリップの抑制である(以降、結露スリップ抑制モードと記す)である。
ここで、結露スリップは、加圧ローラ20の表面に付着した水滴によりローラの表面の摩擦係数が低下して加圧ローラ20からフィルム11に十分な回転駆動力を付与できずフィルム11の回転が停止し記録材Pの搬送が一時的に停止する現象である。吸湿した記録材Pがニップ部を通過した際に発生する水蒸気が冷えた加圧ローラ20に接触すると水滴となる。従って、結露スリップは、連続プリント開始から数十枚程度の定着装置が冷えた状態、特に加圧ローラ20の温度が室温から60℃程度と比較的低い状態で発生し易い。
[非通紙領域昇温抑制モード]
第2のファン91の制御は、小サイズ記録材を連続通紙した時の第1の定着部材の非通紙領域の昇温速度と第2の定着部材の非通紙領域の昇温速度とがほぼ同じである定着装置の構成の場合、第1のファン81の制御と同じで良い。例えば、第1の定着部材と第2の定着部材とがほぼ同じ熱容量であって共にヒータを有している場合などである。
しかし、ヒータ等の熱源によって加熱される薄肉のフィルム11と、熱源によって直接加熱されないゴム層を有する加圧ローラ20と、を備える本実施例の定着装置の場合は、第1のファン81と第2のファン91との制御を異なるものとした方が効果的である。なぜなら、ヒータ30で直接加熱されているフィルム11は、フィルム11より熱容量が大きくヒータ30で直接加熱されていない加圧ローラ20よりも非通紙領域の昇温速度が速いためである。つまり、フィルム11は温まりやすく冷めやすいが、加圧ローラ20は温まりにくいが冷めにくいのである。例えば、定着装置が冷えた状態から小サイズ記録材の定着処理を開始した後、フィルム11の非通紙領域の温度が冷却すべき温度に達したタイミングで加圧ローラ20を冷却すると加圧ローラ20はまだ十分に温まっていないので定着不良となる場合がある。
逆に加圧ローラ20の非通紙領域の温度が冷却すべき温度に達してからフィルム11の非通紙領域の冷却を開始するとフィルム11の非通紙領域は上限温度を超えてしまっている場合がある。
このような状況を踏まえて図6(b)のフローチャートを用いて本実施例の第2のファン91の制御について説明する。まず、外部ホスト装置200から入力されるプリント信号から、プリント動作が開始される(Step21)。次に制御回路部100が第1のファン81への供給電力を監視し(Step22)、その供給電力が閾値電力以上である場合は、制御部95を通じて第2のファン91への電力供給を行い送風を開始する(Step24)。すなわち、本実施例では、第1のファン81への供給電力に応じて第2のファン91の駆動及び停止を行う。本実施例の構成では、サーミスタTH2がフィルム11の非通紙領域のみに配設された構成であり、加圧ローラ20の非通紙領域昇温を直接検知していない。そのため、第1のファン81への供給電力が閾値電力以上である場合は、定着装置70の蓄熱量が多く、加圧ローラ20も非通紙領域昇温についても顕著であると判断する。本実施例では、第1のファン81への供給電力が60%以上であった場合、第2のファン91に100%の電力供給を行って第2のファン91の駆動を開始する。ここで100%の電力供給とは、第2のファン91の風量にすると0.14m^3/分であり、加圧ローラ20の非通紙領域昇温を抑制するのに十分であり且つ非通紙領域の温度がアンダーシュートしない程度の風量である。本実施例では、第2のファン91の風量は、第1のファン81の風量より小さい。これは、直接ヒータにより直接加熱されているフィルムを冷却する第1のファン81の風量より間接的に加熱されている加圧ローラ20を冷却する第2のファン91の風量の方が小さくて済むからである。
プリント動作中も第1のファン81への供給電力を監視し(Step25)、この供給電力が閾値電力より小さくなった時は第2のファン91への電力供給を終了しStep22に戻る。第2のファン91の駆動中にプリント動作が終了した場合は(Step27)、第2のファン91への電力供給を終了する(Step28)。
Step22で第1のファン81への供給電力を監視し、プリント動作終了までこの供給電力が閾値電力より小さい場合は(Step23)、顕著な非通紙領域昇温が発生していないと判断して第2のファン91の駆動は停止した状態とする。第1のファン81への供給電力に応じて第2のファン91の制御をすることで、加圧ローラ20に新たな温度検知部材を設けること無く加圧ローラ20の非通紙領域の昇温を抑制することができる。尚、加圧ローラ20の非通紙領域に新たに温度検知部材を配設して、その検知された温度に応じて第2のファン91の制御を行ってもよい。加圧ローラ20は、定着装置70を構成する部材の中で熱容量が大きいので、加圧ローラ20の温度と定着装置70の蓄熱量とは相関があるためである。
[結露スリップ防止モード]
図6(c)のフローチャートを用いて、本実施例における第2の送風部90の結露スリップ防止モードの動作説明を行う。
前述の通り、結露スリップは記録材Pが多量の水分を含んでおり、かつ加圧ローラ20の温度が低い状態で発生しやすい。本実施例では、プリント動作を開始した後(Step31)、環境センサ318により装置の設置された環境の湿度を検知し、検知湿度が80%以上であった場合(Step32)は記録材Pが多量の水分を含んだ可能性があると判断する。また、後述する定着カウント予測により、加圧ローラ20の温度が75℃未満と予測された場合は、結露スリップが発生する可能性があると判断する。プリント開始時に、装置の設置環境の湿度が80%以上且つ定着カウント予測によるカウント数が1001未満である場合は(Step33)、制御部95を通じて第2のファン91へ電力供給を開始し、加圧ローラ20への送風を開始する(Step34)。これによって、加圧ローラ近傍で記録材Pから発生した水蒸気を排出することができる。尚、結露スリップモードにおける第2のファン91への供給電力は、加圧ローラ20近傍の水蒸気を排出するのに十分であり、かつ加圧ローラを過剰に冷却することのない程度である50%とする。加圧ローラ20が昇温しやすいレターサイズ横送りで30枚以上のプリントが終了した場合(Step35)は、第2のファン91への電力供給を終了し、第2のファン91の駆動を停止する(Step36)。また、上記のプリント枚数が30枚に満たないうちにプリント動作が終了した場合(Step37)においても、第2のファン91への電力供給を終了し、第2のファン91の駆動を停止する(Step38)。
尚、本実施例では加圧ローラ20の温度を定着カウント予測を用いて把握しているが、これに限定されるものではない。温度検知部材により、直接加圧ローラ温度を検知して、その検知温度に応じて第2のファン91を制御しても良い。
[定着カウント予測]
次に、定着装置内の温度を予測する定着カウント予測について説明する。本実施例における定着カウント予測は、プリント動作を複数の工程に分けて、それぞれの工程毎に加圧ローラ20への熱的影響に応じて決められた係数を積算し、この積算カウントの値で加圧ローラ20の温度を予測するものである。この工程は、ヒータ30への電力供給を開始してから排紙センサ45がオンするまでの予備加熱工程、ニップ部で記録材を通紙する通紙工程、ニップ部が紙間で記録材を通紙しないインターバル期間、プリント動作していない装置停止期間等がある。各工程の係数は、各工程におけるヒータへの供給電力や放熱量等から算出する。例えば、下記表2に定めるような値としている。そして、それぞれの工程において200msecごとに各係数を加算していき、その積算カウントに応じて、加圧ローラ20の温度を予測する。なお、本体の電源がOFFされると積算カウントはリセットされる。ただし、電源がONされるとサーミスタTH1の情報をもとに積算カウントの初期値が決定される。その後は時間が経過するごとに、この初期値に対して係数が加算される。また、環境センサ318からの装置の設置された環境の温度及び湿度の情報が得られる場合には、その情報に基づいて加算する係数を補正してもよい。環境センサ318の情報によって係数を補正することによって、環境情報に応じた記録材の温度や加圧ローラの放熱量、投入電力を考慮することができて、加圧ローラの温度の予測精度が向上する。尚、本実施例の定着カウント予測している温度は、非通紙部昇温の影響を受けない最小通紙幅W3領域内の加圧ローラ温度である。また、定着装置の温度を予測する方法は、プリント枚数から判断する方法や、温度検知部材などで直接加圧ローラ温度を検知する方法など、上述の方式に限定されるものではない。
図7に、定着カウント予測による積算カウントと加圧ローラ温度との関係を示す。本実施例では、加圧ローラ温度が75℃未満の場合に定着装置が冷えていると判断する。つまり、高湿環境下のプリント初期において、制御回路部100に積算カウントが1001未満であるとの情報がインプットされると、定着装置が冷えている状態(コールド状態)にあると判断する。
Figure 0006415651
[性能評価]
図8(a)に、定着カウント予測によるカウント数が1001未満のコールド状態でプリント動作を開始した場合における本実施例の結果を示す。横軸は通紙枚数であり、左の縦軸はフィルム11の非通紙領域の温度を、右の縦軸は加圧ローラ20の非通紙領域の温度を示す。使用した記録材は坪量90g/m3のレターサイズ紙であり、それを横送りで500枚連続プリントした。尚、装置の設置環境の湿度が80%であったため、プリント初期に第2の送風部が結露スリップ防止モードで動作していたが、風量が微量であったため加圧ローラの冷却効果は小さかった。そのため、図8には第1の送風部80並びに第2の送風部90の非通紙領域昇温モードでの動作タイミングのみを併記した。
図8(a)では、連続プリント開始からプリント枚数が200枚に達したタイミングで第1のファン81が駆動されフィルム11の非通紙領域への送風が開始された。更に、連続プリント開始からプリント枚数が390枚に達したタイミングで第2のファン91の駆動が開始され加圧ローラ20の非通紙領域への送風を開始した。このように、第2のファン91を第1のファン81とずらして駆動する制御によりフィルム11及び加圧ローラ20のそれぞれの上限温度に到達する前に非通紙領域昇温を抑制することができた。更に、加圧ローラ20の非通紙領域昇温の温度は過剰なアンダーシュートを起こさず、良好な定着性も得られた。これは、加圧ローラ20がある程度蓄熱された後で加圧ローラの非通紙領域への送風を開始したこと、及び、第2のファン91の風量を第1のファン81より小さくしたことによるものである。尚、本実施例におけるフィルム11の上限温度はフィルム11の熱劣化が始まる温度270℃であり、加圧ローラ20の上限温度は加圧ローラ20の熱劣化が始まる温度150℃である。
比較例1として図8(b)に第1のファン81の動作は本実施例と同じであって、本実施第1のファン81が駆動を開始すると同時に第2のファン91を駆動させた。尚、図の表記方法やその他の検証条件は図8(a)と同じであるため説明を割愛する。図8(b)より第1のファン81及び第2のファン91は連続プリント開始からプリント枚数が200枚に達した時に駆動が開始され、フィルム11の非通紙領域昇温は上限温度未満に抑制することができた。しかしながら、加圧ローラ20の温度が低い時から第2のファン91を駆動して加圧ローラ20へ送風を開始しため、加圧ローラ20の温度が過剰に低下し、定着不良が発生してしまった。
比較例2として、図8(c)に加圧ローラ20の非通紙領域の温度が上限温度より低い140℃に達した時、第2のファン91の駆動を開始し加圧ローラ20の非通紙領域への送風を開始した場合の結果を示す。比較例2における第1のファン81の駆動開始は第2のファン91と同時とした。尚、図の表記方法やその他の検証条件は図8(a)と同じであるため説明を割愛する。図8(c)より
第1のファン81および第2のファン91は連続プリントの開始からのプリント枚数が390枚目に達した時点で駆動が開始され、加圧ローラ20の非通紙領域昇温については上限温度未満に抑制することができている。一方で、フィルム11の非通紙領域昇温は、第1のファン81による送風を開始した時点でフィルム11の上限温度を超えていた。
以上述べたことから、本実施例のフィルム11と加圧ローラ20とを有する定着装置においては、第1のファン81と第2のファン91との制御を異なるものとすることで非通紙領域昇温の抑制と定着不良の抑制を両立できるという効果がある。
(実施例2)
本実施例は、直前のプリント動作で非通紙領域昇温が顕著な場合であっても次のプリント動作で非通紙領域昇温を抑制できるように第1の送風部80ならびに第2の送風部90の制御を行うものである。
尚、その他の構成は実施例と同様のため説明を省略する。
[第1の送風部制御]
図9(a)のフローチャートを用いて、本実施例における第1の送風部80の制御の説明を行う。
実施例1では、第1の送風部80の第1のファン81は、フィルム11の非通紙領域の温度を検知するサーミスタTH2が閾値温度以上である場合に駆動する。ここで、直前のプリントジョブを非通紙領域昇温が発生した状態で終えていた場合、フィルム11や加圧ローラ20の非通紙領域に多くの熱が蓄積され、次のプリントジョブにおいて非通紙領域昇温に不利な状態でプリントが開始される可能性がある。
本実施例では、プリントを開始する直前の定着装置の蓄熱量に応じて第1のファン81を制御する。本実施例では、定着装置の蓄熱量を定着カウントで予測する方法を用いるが、加圧ローラに直接温度検知部材を設けて、その検知温度に応じて第1のファン81を制御しても良い。
サーミスタTH2のフィルム11の非通紙領域の検知温度だけでは、定着装置の蓄熱量、特に加圧ローラ20の蓄熱量が把握できない場合に、フィルム11の非通紙領域の冷却が迅速に行うことができるという効果がある。
実施例1においては、実際に第1のファン81送風が開始されるまでに、シャッタ機構の開閉やファンのモータの定常待ちなど、一定のアイドリング時間が存在する。このアイドリング時間でフィルム11が、熱劣化が開始する温度まで到達するのを防止するためである。
本実施例では、定着カウントが1001カウント以上のホット状態(Step43)で、且つ直前のプリント動作で第1のファン81が動作していた場合(Step44)は、定着装置の非通紙領域の蓄熱量が多いと判断する。そして、次のプリント開始時から、第1のファン81の駆動を開始する(Step47)。
尚、Step41、Step42、Step45、Step46、およびStep48〜Step51の動作は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
これにより、直前のプリントによりフィルム11の非通紙領域昇温が顕著だった場合においても、実施例1と同様に良好な非通紙領域の抑制効果が得られる。
[第2の送風部制御]
図9(b)のフローチャートを用いて、本実施例における第2の送風部90の非通紙領域昇温抑制モードの制御についての説明を行う。
非通紙領域昇温抑制モードの制御に関して、実施例1では第1のファン81に対する供給電力が60%以上の場合に非通紙領域昇温抑制モードでの動作を開始するとしていた。本実施例では定着カウントが1801カウント以上のホット状態(Step53)で、かつサーミスタTH2の検知温度がサーミスタTH1の検知温度より高い場合(Step54)、第2のファン91を駆動を開始する(Step57)。
尚、Step52、Step55、Step56、およびStep58〜Step61の動作、並びに結露スリップ防止モードの動作は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
これにより、直前のプリントにより加圧ローラ20の非通紙領域昇温が顕著だった場合においても、実施例1同様良好な非通紙領域冷却効果が得られる。
70 定着装置
11 フィルム
20 加圧ローラ
30 ヒータ
80 第1の送風部
81 第1のファン
81a 第1の羽根車
90 第2の送風部
91 第2のファン
91a 第2の羽根車

Claims (9)

  1. 第1の定着部材と、
    前記第1の定着部材を加熱するヒータと、
    前記第1の定着部材と接触して前記第1の定着部材との間に記録材を搬送するニップ部を形成する第2の定着部材と、
    前記第1の定着部材又は前記ヒータの、前記ニップ部で搬送可能な全ての記録材が通過する通過領域の温度を検知する第1の温度検知部材と、
    前記第1の定着部材又は前記ヒータの、前記ニップ部で搬送可能な最大幅の記録材よりも幅の狭い小サイズ記録材が通過しない非通過領域の温度を検知する第2の温度検知部材と、
    前記第1の温度検知部材の検知温度が目標温度になるように前記ヒータを制御する制御部と、
    前記第1の定着部材の前記小サイズ記録材の非通過領域に送風する第1のファンと、
    前記第2の定着部材の前記小サイズ記録材の非通過領域に送風する第2のファンと、
    を有し、前記ニップ部でトナー像を担持した記録材を搬送しながら加熱し前記トナー像を記録材に定着する定着装置において、
    前記小サイズ記録材を前記ニップ部で搬送する場合、前記制御部は、前記第2の温度検知部材の検知温度に応じて前記第1のファンに供給する電力を制御し、前記第1のファンに供給する電力が閾値電力に達しても前記第2の温度検知部材の検知温度が閾値温度以下に収まらない場合に前記第2のファンの送風を開始することを特徴とする定着装置。
  2. 前記閾値電力は、前記第1のファンに供給可能な最大電力よりも低いことを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 前記制御部は、前記第1のファンに供給する電力が前記閾値電力より小さくなった時に前記第2のファンの駆動を停止することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  4. 前記第2の定着部材の熱容量は、前記第1の定着部材の熱容量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記第2の定着部材は熱源によって直接加熱されていないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記第1のファンと前記第1の定着部材との間にシャッタを有し、前記シャッタは前記第1のファンの送風領域を記録材のサイズに応じて調整するために移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記第2の定着部材の長手方向に沿って長く、前記第2の定着部材の小サイズ記録材の前記非通紙領域に対向する部分に通気孔を有するダクトを備え、
    前記第2のファンは、前記第2の定着部材の長手方向において前記ダクトの一方の端部に設けられ、前記通気孔を介して前記第2の定着部材の小サイズ記録材の前記非通紙領域に送風することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記第1の定着部材は筒状のフィルムであり、前記第2の定着部材は加圧ローラであり、
    前記ヒータは前記フィルムの内面に接触し、前記ヒータは前記フィルムと前記加圧ローラとの間に前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記第1の定着部材は筒状のフィルムであり、前記第2の定着部材は加圧ローラであり、
    前記ヒータは前記フィルムに内包されたハロゲンヒータであって、前記加圧ローラと前記フィルムとの間に前記ニップ部を形成するニップ部形成部材を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の定着装置。
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