JP5015745B2 - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

定着装置、および画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置に関する。および、そのような画像形成装置において、熱と圧とを加えて記録媒体上のトナーを記録媒体に定着する定着装置に関する。そのうち特に、電磁誘導加熱を用いて定着を行う定着装置に関する。
従来、高速印字を行う画像形成装置においては、装置全体の消費電力を電力許容値以下に押さえるため、定着装置に供給される電力を押さえるものがあるが、そのような画像形成装置では、通紙安定時に定着部材の温度低下を招くことから、温度低下を防止する方法が必要となる。そこで、例えば特許文献1に記載されているように、キャパシタ装置等の電力を蓄電する装置により電力を補うことも提案されている。
また、近年の省エネルギの要請から、定着装置の通紙可能状態までの高速立上げによる立上り時間の短縮が必要になっており、従来のハロゲンヒータより熱変換効率が高い電磁誘導加熱を用いたIHヒータを熱源とする熱ローラやベルトを用いた定着装置が使用されている。
上記のように、高速機では、通紙時の温度低下を防止するため、定着必要電力が押さえられているものの、装置全体では許容電力まで使用する。また、高速機においては、定着装置もニップ幅を大きく確保する必要上、定着装置も大型になり、熱容量が増すので、立上り時間を短縮するためには、装置内の他ユニットの動作を停止させるため、立上り時に定着使用電力が大きくなる。このとき、IHヒータでは、高周波を使用する構成上、商用電源を直接取り込めないので、インバータを使用して高周波を作り出している。
特開2005−17564号公報 特許第3711764号公報 特開2003−84597号公報 特開2005−258383号公報
ところが、定着使用最大電力に合わせてインバータを作成すると、インバータも大型化し、それ以外にもコイル部も大型化しなければならない。また、海外における許容消費電力事情の違いも重なり、仕向け地に対して、インバータ出力容量の合わせこみが難しかったし、最大の容量のものに合わせるとIHヒータ構成が大型化してしまった。
そこで、この発明の第1の目的は、IHヒータを使用するベルト定着装置において、仕向け地等で定着使用可能電力が変化しても、IHヒータ構成を大型化することなく、常に小型に保持したまま定着使用可能電力の変化に対応可能とすることにある。
この発明の第2の目的は、温度検知の安定化を図ることにより信頼性をアップすることにある。
この発明の第3の目的は、IHヒータを使用するベルト定着装置において、商用電源の電圧の高低に対応して定着使用電力を安定化することにある。
この発明の第4の目的は、キャパシタ装置の電力使用条件を設けることにより、信頼性をアップすることにある。
この発明の第5の目的は、待機時等の静止状態から通紙開始の回転状態への状態変化や連続通紙による温度分布の変化に対応することにより、信頼性をアップすることにある。
この発明の第6の目的は、仕向け地等で定着使用可能電力が変化しても、IHヒータ構成を大型化することなく、常に小型に保持したまま定着使用可能電力の変化に対応可能とした定着装置を備える画像形成装置を提供することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、上述した第1、3、4の目的を達成すべく、
定着ローラと、
加熱ローラと、
それらの定着ローラと加熱ローラ間に掛け回される定着ベルトと、
付勢されて前記定着ベルトに押し当てられ、その定着ベルトにテンションを付与しているテンションローラと、
前記定着ベルトを介して前記定着ローラに押し当てられて定着ニップが形成される加圧ローラと、
前記定着ベルトを介して前記加熱ローラに対向してそのローラ軸方向に設けられているIHヒータの誘導加熱部と、
その誘導加熱部に対向して前記加熱ローラ内に設けられているIHヒータのコア部とが備えられている定着装置において、
前記テンションローラ内に設けられて、主熱源である前記IHヒータだけでは不足する熱量を補填する補助熱源と、
待機時に、前記補助熱源に供給する電力を蓄えるキャパシタ装置と、
が備えられ、該キャパシタ装置による前記補助熱源への電力供給を、前記IHヒータ用の高周波を作り出すインバータの出力に応じてオンオフ制御していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の定着装置において、前記テンションローラが付勢されている方向に検知面を対向して、前記補助熱源をオンオフ制御するための非接触温度検知手段が配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、請求項1または2に記載の定着装置において、前記IHヒータの発熱領域を可変する遮蔽部材が、前記コア部に対する遮蔽範囲を変更可能に備えられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、請求項1ないしのいずれか1に記載の定着装置において、前記補助熱源のローラ軸方向中央部より両端部の発熱率が高くなるように形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、請求項1ないしのいずれか1に記載の定着装置が備えられていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、例えば、日本国内立上り出力が1400Wであり、日本国内通紙時出力が700Wであるとき、差額の700Wをテンションローラ内の補助熱源の出力で持ち、IHヒータへの出力を700Wとした構成とし、EU機においては、EU立上り出力が2300Wであり、国内通紙時出力が700Wであるとき、差額が1600Wとなり、EU通紙時出力1600Wから日本国内通紙時電力700Wを引くと、900Wとなるので、補助熱源を2本化して1本を900W、2本で1600Wとなるように構成する。このようにすると、IHヒータを使用するベルト定着装置において、仕向け地等で定着使用可能電力が変化しても、IHヒータ構成を大型化することなく、常に小型に保持したまま定着使用可能電力の変化に対応可能とすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、テンションローラは、付勢部材の荷重方向に対して移動することになる。このとき、数mmレベルの距離の変動については、非接触温度検知手段は、特に温度検知信号に大きな影響を受けることはない。しかし、定着ベルトが静止している状態で、赤外線光路のずれ等にて、テンションローラに空間がある領域の定着ベルト上の温度を検知してしまうと、検知温度が大きくずれてしまう。そのため、テンションローラの動作軌跡に対して、検知面が垂直になるように非接触温度検知手段を配置して、確実にテンションローラ上の定着ベルトの温度を検知できるようにする。このようにすると、定着ベルトが静止状態である待機状態にも加熱することができるため、通紙開始時の定着ベルトの温度落ち込みが防止でき、温度検知の安定化を図ることにより信頼性をアップすることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、キャパシタ装置で充電された電力は、商用電源の電圧が低い場合でも、W数として常に均一化できる。また、IHヒータもインバータの高周波変換時に商用電源の電圧によらず、W数を均一化している。そのため、IHヒータへの出力の不足分を同じ電圧変動でW数変化しないキャパシタ装置の蓄電による電力でテンションローラ内の補助熱源で補填するので、IHヒータを使用するベルト定着装置において、商用電源の電圧の高低に対応して定着使用電力を安定化することができる。
請求項に記載の発明によれば、キャパシタ装置に蓄えられた電力は、商用電源の電圧が低くなると、蓄電時間が長くなるだけであり、出力時には電流等の制約を受けない。そのため、キャパシタ装置によるハロゲンヒータへの電力供給を、IHヒータ用の高周波を作り出すインバータの出力に応じてオンオフ制御し、IHヒータへの出力が低下する場合には、キャパシタ装置からの単位時間当たりの出力時間を増加させている。これにより、通常より多いキャパシタ補填を行い、通常のIHヒータへの出力とキャパシタ補填の合計と同じとすることで、通紙時の設定温度を維持し得る。よって、キャパシタ装置の電力使用条件を設けることにより、信頼性をアップすることができる。
請求項に記載の発明によれば、IHヒータの発熱領域を可変する遮蔽部材が、コア部に対する遮蔽範囲を変更可能に備えられており、遮蔽部材によって遮蔽された遮蔽範囲では、誘導加熱部のコアとの間に形成されるべき磁力線が遮断される。したがって、遮蔽範囲に対応する定着ベルトは加熱され難く、その領域外のみが定着ベルトの加熱範囲となる。このとき、定着ベルト上のローラ軸方向の温度分布は、加熱範囲で均一化されるため、加熱範囲の記録媒体に対して良好な定着性が確保される。また、定着ベルト上の加熱範囲を超えた範囲では、磁力線が遮断されるために、発熱領域のみの発熱となり、単位幅における発熱量がアップする。よって、待機時等の静止状態から通紙開始の回転状態への状態変化や連続通紙による温度分布の変化に対応することにより、信頼性をアップすることができる。
請求項に記載の発明によれば、待機状態では、補助熱源のローラ軸方向中央部より両端部の温度が下がる。そのため、立上りや通紙開始時において、通紙時より中央部に比べて両端部の発熱量を増加する必要がある。そこで、テンションローラ内の補助熱源は、キャパシタ装置により電力供給される場合には、特に使用状態から端部の配光を高くする方が温度分布が安定する。IHヒータの発熱遮断されない加熱範囲より両端部を高くすることにより、補助熱源の端部が温度上昇し過ぎた場合にIHヒータ側でのコントロールができるのでより適している。これらにより、待機時等の静止状態から通紙開始の回転状態への状態変化や連続通紙による温度分布の変化に対応することにより、信頼性をアップすることができる。
請求項に記載の発明によれば、請求項1ないしのいずれか1に記載の定着装置が備えられているので、仕向け地等で定着使用可能電力が変化しても、IHヒータ構成を大型化することなく、常に小型に保持したまま定着使用可能電力の変化に対応可能とした定着装置を備える画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、画像形成装置としてのデジタル複写機の全体概略構成を示す。
まず、図1を用いて、デジタル複写機の全体構成および動作について説明する。
図1において、1はデジタル複写機の装置本体、50は原稿の画像情報を光学読み取りするスキャナ、59はスキャナ画像情報、外部画像情報に基づいて露光光を照射する書込み部である。露光光には、カラー画像に対応するため、それぞれ黒51BK、マゼンダ51M、イエロ51Y、シアン51Cがある。以下、番号の後のBKは黒、Mはマゼンダ、Yはイエロ、Cはシアンを示すが、黒、マゼンダ、イエロについても同じであるので、図中シアンについてのみ符号を付して説明する。
シアンの露光光51Cは、感光体ドラム55Cに照射される。感光体ドラム55Cは反時計まわりに回転し、帯電部57Cで帯電後、書込み部59で露光光が照射されたドラム部分に現像部56Cでトナーを付着してトナー像を形成し、そのトナー像を1次転写して各色重ね合わせることにより中間転写部53上に画像形成され、転写後の感光体ドラム55Cの残留トナーはクリーニング部58Cで回収される。
また、給紙部11から給紙された記録媒体である用紙は、レジスト部60に搬送し、そのレジスト部60でスキュー補正を行うとともにトナー像とのタイミングを取って2次転写部52に送り込み、該用紙にその2次転写部52にて中間転写部53のトナー像を転写している。10は原稿を連続してスキャナ50に搬送するADF、20は用紙上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
そして、転写工程後の用紙は、2次転写部52の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した用紙は、定着ベルト22と加圧ローラ30との間の定着ニップに挿入されて、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出された後に、出力画像として装置本体1から排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2には、装置本体1に設置される定着装置20の全体概略構成を示す。
次に、この図2を用いて、定着装置20の構成および動作について詳述する。図2に示すように、定着装置20は、主として、定着ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23、IHヒータの誘導加熱部24、加圧ローラ30、非接触温度検知手段28、オイル塗布ローラ34、クリーニングローラ33、分離板36等で構成される。
ここで、定着ローラ21は、その表面にシリコーンゴムなどの弾性層が形成されており、外周に定着ベルト22を介して加圧ローラ30が押し当てられて定着ニップが形成されている。そして、不図示の駆動部によって加圧ローラ30が図2の反時計方向に回転して、定着ローラ21も圧接回転している。
加熱ローラ23は、SUS304等の非磁性材料からなる円筒体であって、図では時計方向に回転する。加熱ローラ23の内部には、フェライトなどの強磁性材料からなる内部コア23aと、銅等の透磁性の低い材料からなる遮蔽部材23bとが設置されている。内部コア23aは、IHヒータのコア部であり、定着ベルト22を介して誘導加熱部24のコイル部25に対向している。また、遮蔽部材23bは、内部コア23aのローラ軸方向両端部を遮蔽できるように構成されている。内部コア23aと遮蔽部材23bとは、一体的に回転するように構成されている。この内部コア23aおよび遮蔽部材23bの回転は、加熱ローラ23(円筒体)の回転とは別々におこなわれる。加熱ローラ23の構成および動作については、図8を用いて詳しく後述する。
定着ベルト22は、加熱ローラ23と定着ローラ21とに掛けられ、付勢して押し当てられるテンションローラ40によりテンションが付与されている。テンションローラ40内には補助熱源としてのハロゲンヒータ45が設けられ、その温度は定着ベルト22を介して、非接触温度検知手段38により検知されており、ハロゲンヒータ45がオンオフ制御されている。定着ベルト22は、ポリイミド樹脂などからなるベース層や、銀やNiや鉄等からなる発熱層や、フッ素化合物等からなる離型層(表面層)等からなる多層構造のエンドレスである。定着ベルト22の離型層によって、トナーに対する離型性が担保されている。テンションローラ40は、厚さ1mm以下の薄肉の円筒金属であり、材質としては、アルミニウム、鉄等が使用されている。
誘導加熱部24は、コイル部25や、コア26、サイドコア27等からなるコア部、コイルガイド29等で構成され、定着ベルト22を介して加熱ローラ23に対向している。ここで、コイル部25は、加熱ローラ23に掛け回される定着ベルト22の一部を覆うように、細線を束ねたリッツ線をローラ軸方向(図2の紙面垂直方向)に延ばしたものである。コイルガイド29は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25、コア26、サイドコア27を保持する。コア26、サイドコア27は、いずれも、フェライト等の透磁性の高い材料からなる。コア26は、ローラ軸方向に延ばしたコイル部25に対向するように設置されている。サイドコア27は、コイル部25の端部に設置されている。
なお、IHヒータの「コア部」とは、電磁誘導加熱に寄与する対向する双方のコア部をいう。したがって、誘導加熱部24のコア26、サイドコア27と、加熱ローラ23内の内部コア23aとである。加熱ローラ23内に内部コア23aを設置することで、コア26と内部コア23aとの間に良好な磁界が形成されて、加熱ローラ23および定着ベルト22を効率よく加熱することができる。
また、加圧ローラ30は、芯金上にフッ素ゴムやシリコーンゴム等の弾性層が形成されたものであり、定着ベルト22を介して定着ローラ21に圧接している。そして、定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部である定着ニップに、用紙Pが搬送される。
定着ベルト22と加圧ローラ30との間の定着ニップの入口側には、用紙Pの搬送を案内するガイド板が設けられている。定着ニップの出口側には、用紙Pの搬送を案内するとともに用紙Pを定着ベルト22から分離する分離板36が配設されている。
加圧ローラ30は、内部にハロゲンヒータ35を設け、外周に対向して配置されるサーミスタ39により温度検知されて、オンオフ制御されている。また、表面にはオイル塗布ローラ34が当接している。オイル塗布ローラ34は、加圧ローラ30のみならず定着ベルト22上にも、シリコーンオイルなどのオイルを供給する。これにより、定着ベルト22上におけるトナー離型性がさらに担保される。なお、オイル塗布ローラ34には、その表面上の汚れを除去するクリーニングローラ33が当接されている。
また、定着ベルト22には、温度検知手段としての非接触温度検知手段28が対向設置されており、加熱ローラ23上の定着ベルト22上の表面温度(定着温度)を検知してIHヒータ温度の制御を行っている。
以上のように構成された定着装置20は、以下のように動作する。
加圧ローラ30の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に回転するとともに、加熱ローラ23の円筒体も時計方向に回転して、定着ローラ21も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル部25に高周波の交番電流を流すことで、コア26と内部コア23aとの間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、加熱ローラ23表面に渦電流が生じて、加熱ローラ23自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、加熱ローラ23に掛け回される定着ベルト22が加熱される。
その後、加熱された定着ベルト22は、定着ニップに達する。そして、搬送される用紙P上のトナー像Tを加熱して溶融する。詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した用紙Pが、ガイド板に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間の定着ニップに送入される。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが用紙に定着されて、用紙Pは定着ニップから送出される。
図3には、この例の回路構成を示す。
加熱ローラ23の発熱制御回路aは、それに備える誘導加熱部24がインバータ307に接続されている。インバータ307は、商用電源から異常動作検出回路309の判断にてACを遮断するリレー回路308を介して、IHヒータ用の高周波を作り出す。また、インバータ307は、発熱制御回路aにある非接触温度検知手段28の検知温度による信号をCPU温度制御302で判断した作動指令により、PWM制御回路306にてパルス信号により動作をできるようにしている。
インバータ307で作成された高周波電流を、サーモスタット等の過昇温防止回路208を経て、誘導加熱部24のコイル部25に流すことにより、加熱ローラ23が発熱制御させている。
テンションローラ40内のハロゲンヒータ45の点灯制御回路bは、商用電源からヒータドライバ回路310にAC入力される。ヒータドライバ回路310は、非接触温度検知手段38の直接の信号とCPU温度制御302により判断された信号により、トライアックやリレーにて異常状態を含めてハロゲンヒータ45の点灯を制御している。
加圧ローラ30内のハロゲンヒータ35の点灯制御回路cは、商用電源からヒータドライバ回路311にAC入力される。ヒータドライバ回路311は、サーミスタ39の直接の信号とCPU温度制御302により判断された信号により、トライアックやリレーにて異常状態を含めてハロゲンヒータ35の点灯を制御している。
ところで、装置本体1は、高速の生産性を目的として作られる装置であり、各仕向けにおける最大限の許容電力を使用して、定着装置20の各仕向けに対して最大限の生産性を維持する構成である。そのため、通紙時の電力は、例えば、日本国内で装置本体1の最大消費電力が1500Wの場合、定着装置20以外が使用する電力が800Wとすると、日本国内定着装置20は700Wとなる。北米での装置本体1の最大消費電力は、1920Wの場合、1920W−800Wで1120Wとなり、北米定着装置20は1120Wとなる。EUの装置本体1の最大消費電力は、2400Wとした時、2400W−800Wで1600Wとなる。
したがって、定着電力で最大であるEU1600Wと最小である国内700Wとを比較すると、EUのW数は、国内の約2倍の大きさであり、一般にIH構成部品の大きさは出力W数と比例するので、EU向けのインバータ307、誘導加熱部24が日本国内向けの約2倍の大きさとなってしまい、その分EU向けの定着装置20が日本国内向けのものより大型化することとなる。
また、立上り時は他のユニットの動作を停止して、定着装置20に電力を集中するので、装置制御に使用している電力を100Wとすると、日本国内1400W、北米1820W、EU2300Wを定着装置20にて使用することになり、EU向けのIH構成部品の大きさが日本国内向けのものの約3倍となってしまう。
そこで、この発明では、例えば、日本国内立上り出力1400W−日本国内通紙時出力700W=700Wで、差額の700Wをテンションローラ40内のハロゲンヒータ45の出力で持ち、IH出力を700Wとした構成とする。そして、EU機においては、EU立上り出力2300W−国内通紙時出力700W=1600Wで、EU通紙時出力1600W−日本国内通紙時電力700W=900Wなので、ハロゲンヒータ45を2本化して1本を900W、2本で1600Wとなるように構成する。なお、図では、ハロゲンヒータ45を2本備えることは省略している。
このとき、加圧ローラ30内のハロゲンヒータ35も、テンションローラ40内のハロゲンヒータ45と同じ目的で、仕向け地に応じて増減するようにすることも可能であるが、加熱ローラ30の表層にはシリコ−ンゴムがあることから、用紙に対しての熱伝達効率が落ちる。そこで、効率的にテンションローラ40内のハロゲンヒータ45で行なうと、電磁誘導加熱と同等の熱伝達効率であるため優れている。
これにより、IHヒータを使用するベルト定着装置において、仕向け地等により定着使用可能電力が変化しても、IHヒータ構成は変えることなく、主熱源であるIHヒータだけでは不足する熱量を補填する補助熱源であるハロゲンヒータ45の本数を増減することにより対応し、IHヒータ構成を大型化することなく、常に小型に保持する。
さて、図4には、テンションローラ40部分を拡大して示す。
図から判るとおり、テンションローラ40は、回転支持部がスプリング41により押し上げられて、定着ベルト22のベルトの弛みを防止している。
定着ローラ21は、シリコーンゴムやスポンジ等で被覆されており、連続通紙等により暖められて熱膨張する。そのため、定着ベルト22の張力が高くなり、定着ベルト22によりテンションローラ40がベルト内側方向に押し込まれる。したがって、テンションローラ40は、付勢部材であるスプリング41の荷重方向に抗して移動することになる。このとき、テンションローラ40の数mmレベルの距離の変動については、非接触温度検知手段38は、特に温度検知信号に大きな影響を受けることはない。
しかし、定着ベルト22が静止している状態で、赤外線光路のずれ等にて、テンションローラ40に空間がある領域の定着ベルト22上の温度も検知してしまうと、検知温度が大きくずれてしまう。そのため、テンションローラ40の動作軌跡に対して検知面38aが垂直になるように非接触温度検知手段38を配置して、すなわちテンションローラ40が付勢されている方向に検知面38aを対向して、確実にテンションローラ40上の定着ベルト22の温度を検知できるようにする。このようにすると、定着ベルト22が静止状態である待機状態にも加熱することができるため、通紙開始時の定着ベルト22の温度落ち込みが防止でき、温度検知の安定化を図ることにより信頼性をUPしている。
図5には、待機時に、補助熱源であるハロゲンヒータ45に商用電源のAC電力ではなく、キャパシタ装置のDC電力を供給する場合の回路構成を示す。
キャパシタ装置54は、商用電源100に、ヒータドライバ回路310の充電器101と、スイッチ104により接続される。充電器101は、スイッチ103を通じてキャパシタ装置54と、内部負荷であるハロゲンヒータ45に接続されている。そして、充電量の検知部105の情報は、CPU温度制御302に伝達されている。検知部105の情報により、CPU温度制御302は、キャパシタ装置54の蓄電が十分な時は、充電器101を通じてハロゲンヒータ45に電力供給を行い。充電が十分でない時は、商用電源100より充電する構成である。
よって、キャパシタ装置54で充電された電力は、商用電源100の電圧が低い場合でもW数として常に均一化できる。また、IHヒータもインバータ307の高周波変換時に商用電源100の電圧によらず、W数を均一化している。そのため、IHヒータへの出力の不足分を同じ電圧変動でW数変化しないキャパシタ装置54の蓄電による電力でテンションローラ40内のハロゲンヒータ45で補填するので、IHヒータを使用するベルト定着装置において、商用電源100の電圧の高低に対応して定着使用電力を安定化することができる。ただし、ハロゲンヒータ45は、少なくとも1本はキャパシタ装置54の出力がDCであるので、DCハロゲンヒータとする必要がある。
図6には、通常の場合のキャパシタ補填と、IHヒータへの出力が低下する場合におけるキャパシタ補填との比較を示す。
IH出力は商用電源の電圧によらず、高周波出力で一定にすることができる。しかし、他のユニットも装置電源にてDC出力を使用しているため、商用電源電圧によらず一定出力(W)となっている。そのため、電圧が低い場合は装置全体の電流が規格値をオーバーする可能性があり、電力使用が一番大きい定着のIHヒータ部の出力を下げなければならない場合がある。
しかし、キャパシタ装置54に蓄えられた電力は、商用電源100の電圧が低くなると、蓄電時間が長くなるだけであり、出力時には電流等の制約を受けない。そのため、キャパシタ装置54によるハロゲンヒータ45への電力供給を、IHヒータ用の高周波を作り出すインバータ307の出力に応じてオンオフ制御し、IHヒータへの出力が低下する場合には、キャパシタ装置54からの単位時間当たりの出力時間を増加させている。これにより、図6に示すように、通常より多いキャパシタ補填Bを行い、通常のIH出力Aとキャパシタ補填Aの合計と同じとすることで、通紙時の設定温度を維持し得る。よって、キャパシタ装置54の電力使用条件を設けることにより、信頼性をアップさせることができる。
図7には、キャパシタ補填を示す。
キャパシタ装置54は、定着装置20が電力をあまり使用しない待機状態等での蓄電した電気を供給するものであり、逆を言えば、立上りや通紙開始時のように定着装置20の構成部品等の温度を上げる必要がる場合において、一番定着電力を使用するので、この時にキャパシタ装置54の電力を補填する必要が高い。このため、キャパシタ装置54によるハロゲンヒータ45への電力供給を、立上り時間および原稿制限枚数の連続読取時間内としている。
ただし、通紙開始後に、ADF10で原稿を連続して装置本体1のスキャナ50に搬送し、原稿読み取り動作を行うとき、すなわちADF10の搬送モータ、スキャナのモータやランプ(図示せず)を駆動するためにかなりの電力を使用している。つまり、原稿読み取り動作後であれば、その分の電力を定着装置20に供給することができる。
よって、キャパシタ装置54の電力補填を、立ち上りと、スキャナ50やADF10の原稿制限枚数の連続読み取りまでにすることにより、キャパシタ装置54の蓄電出力が小さくなるので、蓄電する時の蓄電時間を短くでき、ジョブ間が短い場合でもキャパシタ装置54の電力補填を十分に行うことができ、キャパシタ装置54の電力使用条件を設けることにより信頼性をアップすることができる。
図8(A)には、図2の定着装置20に設置された加熱ローラ23を、誘導加熱部24側から見て示す。(B)には、(A)の状態から、内部コア23aおよび遮蔽部材23bを所定角度回転させた状態を示す。
図8(A)に示すように、加熱ローラ23の円筒体内には、幅L1の円柱状の内部コア23a1、23a2と、遮蔽部材23bとが回転自在に設置されている。コア部としての内部コアは、ローラ軸方向中央部に設けられた小径部23a1と、ローラ軸方向両端部(端面から長さL3の領域)に設けられた大径部23a2とで構成される。大径部23a2は、その直径D2が小径部23a1の直径D1よりも大きくなるように形成されている。なお、内部コア23aの形状は、円柱状に限定されず、円筒状にすることもできる。
また、内部コア23a1、23a2のローラ軸方向両端部には、遮蔽部材23bが一体的に設置されている。遮蔽部材23bは、内部コア23aの周面を遮蔽する範囲を端面側から漸減(または漸増)するように形成されている。これにより、内部コア23aを遮蔽部材23bとともに回転させることによって、誘導加熱部24のコイル部25に対向する内部コア23aのローラ軸方向の遮蔽範囲を可変することができる。なお、内部コア23aおよび遮蔽部材23bの回転駆動は、内部コア23aの軸部に連結されたステッピングモータ(図示せず)によって行われる。このステッピングモータは、定着ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23等を駆動する駆動モータ(図示せず)とは別の駆動系となる。
具体的に、図8(A)の状態の内部コア23aおよび遮蔽部材23bを、周方向に90度回転させると、図8(B)の状態になる。このとき、誘導加熱部24に対向する内部コイル23aの最大範囲が遮蔽されることになる。そして、遮蔽部材23bによって遮蔽された遮蔽範囲では、誘導加熱部24のコア26との間に形成されるべき磁力線が遮断される。したがって、遮蔽範囲に対応する定着ベルト22は加熱されずらく、その領域外(中央の幅L2の領域)のみが定着ベルト22の加熱範囲となる。
この状態は、幅L2の用紙を連続的に定着する場合に適している。具体的に、画像形成装置で扱う最小幅(例えば、148mm)の用紙を定着する場合には、内部コア23aおよび遮蔽部材23bの回転方向の姿勢を図8(B)の状態に固定して、図2で説明した定着工程を行う。
このとき、定着ベルト22上のローラ軸方向の温度分布は、幅L2の範囲で均一化されるため、幅L2の用紙Pに対して良好な定着性が確保される。また、定着ベルト22上の幅L2を超えた範囲では、磁力線が遮断されるために、幅L2の領域内のみの発熱となり、単位幅における発熱量がアップする。よって、待機時等の静止状態から通紙開始の回転状態への状態変化や連続通紙による温度分布の変化に対応することにより、信頼性をアップすることができる。
図9には、ハロゲンヒータ45の発光状態を示す。このように、ハロゲンヒータ45は、ローラ軸方向中央部より両端部の発熱率が高くなるように形成されている。
キャパシタ装置54は、立上りや通紙開始時のように定着装置20の構成部品等の温度上げる必要がる場合において、一番定着電力を使用するので、このときにキャパシタ装置54の電力にて補填する必要が高い。また、待機状態のような定着ベルト22が静止している状態であると、構成上各発熱源はローラ内にあり、ローラ類は両端を回転自在に保持される。
したがって、待機状態では、ハロゲンヒータ45のローラ軸方向中央部より両端部の温度が下がる。そのため、立上りや通紙開始時において、通紙時より中央部に比べて両端部の発熱量を増加する必要がある。そこで、テンションローラ40内のハロゲンヒータ45は、キャパシタ装置54により電力供給される場合には、特に使用状態から端部の配光を高くする方が温度分布が安定する。IHヒータの発熱遮断されない領域L2より両端部を高くすることにより、ハロゲンヒータ45の端部が温度上昇し過ぎた場合にIHヒータ側でのコントロールができるのでより適している。これらにより、待機時等の静止状態から通紙開始の回転状態への状態変化や連続通紙による温度分布の変化に対応することにより、信頼性をアップしている。
ところで、定着ベルト方式において、加熱ローラ23内に、コア部23aおよび遮蔽部材23bを入れることにより、加熱ローラ23が直接、加圧ローラ30の加圧力を受けないため、通常の定着ローラ21にIHヒータを搭載するものに比べ、薄肉化でき、熱容量を小さくすることができる。そのため、定着ベルト22を早く温めることが可能となる。よって、高応答性を実現させることができ、性能をアップさせることができる。
画像形成装置としてのデジタル複写機の全体概略構成図である。 図1に示すデジタル複写機の装置本体に設置される定着装置の全体概略構成図である。 この例の回路構成を示す図である。 図2に示す定着装置で使用するテンションローラ部分の拡大図である。 待機時に、補助熱源であるハロゲンヒータにキャパシタ装置のDC電力を供給する場合の回路構成図である。 通常の場合のキャパシタ補填と、IHヒータへの出力が低下する場合におけるキャパシタ補填との比較図である。 キャパシタ補填を示す図である。 (A)は、図2の定着装置に設置された加熱ローラを、誘導加熱部側から見て示す正面図であり、(B)は、(A)の状態から、内部コアおよび遮蔽部材を所定角度回転させた状態図である。 ハロゲンヒータの発光状態を示す図である。
符号の説明
20 定着装置
21 定着ローラ
22 定着ベルト
23 加熱ローラ
23a 内部コア(コア部)
23b 遮蔽部材
24 IHヒータの電磁誘導部
30 加圧ローラ
38 非接触温度検知手段
38a 検知面
40 テンションローラ
45 ハロゲンヒータ(補助熱源)
54 キャパシタ装置
307 インバータ

Claims (5)

  1. 定着ローラと、
    加熱ローラと、
    それらの定着ローラと加熱ローラ間に掛け回される定着ベルトと、
    付勢されて前記定着ベルトに押し当てられ、その定着ベルトにテンションを付与しているテンションローラと、
    前記定着ベルトを介して前記定着ローラに押し当てられて定着ニップが形成される加圧ローラと、
    前記定着ベルトを介して前記加熱ローラに対向してそのローラ軸方向に設けられているIHヒータの誘導加熱部と、
    その誘導加熱部に対向して前記加熱ローラ内に設けられているIHヒータのコア部と、
    前記テンションローラ内に設けられて、主熱源である前記IHヒータだけでは不足する熱量を補填する補助熱源と、
    待機時に、前記補助熱源に供給する電力を蓄えるキャパシタ装置と、
    が備えられ、該キャパシタ装置による前記補助熱源への電力供給を、前記IHヒータ用の高周波を作り出すインバータの出力に応じてオンオフ制御していることを特徴とする定着装置。
  2. 前記テンションローラが付勢されている方向に検知面を対向して、前記補助熱源をオンオフ制御するための非接触温度検知手段が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記IHヒータの発熱領域を可変する遮蔽部材が、前記コア部に対する遮蔽範囲を変更可能に備えられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記補助熱源のローラ軸方向中央部より両端部の発熱率が高くなるように形成されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1に記載の定着装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1に記載の定着装置が備えられていることを特徴とする画像形成装置。
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