JP2009025571A - 定着部材、加圧部材、定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents

定着部材、加圧部材、定着装置、及び、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定着部材に設けた金属層がニップ部において変形による繰返し応力を受けても破損しにくく耐久性が高い、定着部材、加圧部材、定着装置、及び、画像形成装置を提供する。
【解決手段】加圧部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともにトナー像を加熱して記録媒体に定着する定着部材20であって、加熱手段によって加熱される金属層203と、ニップ部を形成するための弾性層204a、204bと、を備える。そして、幅方向両端部Nの弾性層204bの硬度が、幅方向中央部Mの弾性層204aの硬度よりも、大きくなるように形成する。
【選択図】図4

Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、そこに設置される定着装置と、さらにそこに設置される定着部材及び加圧部材と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、装置の立ち上げ時間を低減して省エネルギー化することを目的として、電磁誘導加熱方式の定着装置を用いる技術が広く知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照。)。
特許文献1、特許文献2等において、電磁誘導加熱方式の定着装置は、金属層(発熱層、電磁誘導発熱性層)や弾性層(スポンジ層)を有する定着ローラ(定着部材)、定着ローラの外周面に対向する磁束発生手段(外部加熱手段)、弾性層を有していて定着ローラに圧接する加圧ローラ(加圧部材)、等で構成される。磁束発生手段は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向、定着ローラの回転軸方向である。)に延設されたコイル部(コイル、励磁コイル)等で構成される。
そして、定着ローラは、磁束発生手段との対向位置で加熱される。加熱された定着ローラは、加圧ローラとの当接位置(ニップ部である。)に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。詳しくは、コイル部に高周波の交番電流を流すことで、コイル部の周囲に交番磁界が形成されて、定着ローラの金属層(発熱層)に渦電流が生じる。金属層に渦電流が生じると、金属層の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、定着ローラ全体が加熱される。なお、定着ローラと加圧ローラとのニップ部は、双方の部材に弾性層を設けることにより好適に形成されるものである。
このような電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱部材が電磁誘導によって直接的に加熱されるために、熱ローラ方式(ヒータランプ加熱方式)等の他方式のものに比べて熱変換効率が高く、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できるものとして知られている。
一方、特許文献3等には、電磁誘導加熱方式の定着装置であって、定着ニップ幅を最適化して定着不良を防止することを目的として、発熱部材としての定着ベルトにおける金属層(電磁誘導発熱層)の層厚を幅方向の位置によって変化させる技術が開示されている。詳しくは、金属層の幅方向中央部の層厚が、幅方向両端部の層厚よりも厚くなるように形成されている。
特開2001−312168号公報 特開2000−214702号公報 特開2005−55680号公報
上述した従来の定着装置は、定着ローラ(定着部材)に設けた金属層(発熱層)が、ニップ部において変形による繰返し応力を受けて、長時間使用しているうちに破損してしまう場合があった。このような問題は、特に、定着画像の画質を向上させるためにニップ部におけるニップ幅を大きく設定している装置では、ニップ部における金属層の変形が大きくなるために、無視できないものになっていた。
本願発明者は、研究を重ねた結果、このような金属層の破損が、応力の集中する幅方向両端部から始まり、やがて通紙領域に対応する幅方向中央部にまで達することを知るに至った。そして、このように金属層の破損が幅方向中央部(通紙領域、画像領域)にまで達すると、金属層の破損の位置に対応して出力画像上に痕が生じてしまう。
一方、特許文献3等の技術は、発熱部材における金属層の層厚を幅方向の位置によって変化させることで、定着ニップ幅を最適化して定着不良を防止することを目的とするものであって、上述した問題を直接的に解決するものではない。
また、上述した問題は、定着部材として定着ローラを用いた定着装置に限定されることなく、定着部材として定着ベルトを用いた定着装置にも共通するものである。すなわち、定着ベルトに設けられた金属層も、ニップ部で繰返し応力を受けて破損してしまう可能性がある。
また、上述した問題は、電磁誘導加熱方式の定着装置に限定されることなく、金属層を備えた定着部材を用いた定着装置であれば、加熱方式に関わらず共通するものである。
さらに、上述した問題は、金属層が弾性層に対して直接的又は間接的に接着されている場合に顕著であるものの、弾性層を有する定着ローラに対して金属層が接着されておらず定着スリーブとして独立して構成されている場合(本願では、このような構成のものも、広義な意味で定着ローラであるものとして定義する。)にも共通するものである。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着部材に設けた金属層がニップ部において変形による繰返し応力を受けても破損しにくく耐久性が高い、定着部材、加圧部材、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着部材は、加圧部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着部材であって、加熱手段によって加熱される金属層と、前記ニップ部を形成するための弾性層と、を備え、前記弾性層は、幅方向両端部の硬度が幅方向中央部の硬度よりも大きくなるように形成されたものである。
また、請求項2記載の発明にかかる定着部材は、前記請求項1に記載の発明において、前記弾性層は、前記幅方向両端部が弾性材料で形成され、前記幅方向中央部が弾性発泡材料で形成されたものである。
また、請求項3記載の発明にかかる定着部材は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記弾性層を、前記金属層の内周面側に形成された断熱弾性層としたものである。
また、請求項4記載の発明にかかる定着部材は、前記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明において、前記弾性層の前記幅方向中央部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の通紙領域に対応して、前記弾性層の前記幅方向両端部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の非通紙領域に対応するものである。
また、請求項5記載の発明にかかる定着部材は、前記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発明において、所定方向に回転する定着ローラとしたものである。
また、この発明の請求項6記載の発明にかかる加圧部材は、加熱手段によって加熱される金属層を具備する定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材であって、前記ニップ部を形成するための弾性層を備え、前記弾性層は、幅方向両端部の硬度が幅方向中央部の硬度よりも小さくなるように形成されたものである。
また、請求項7記載の発明にかかる加圧部材は、前記請求項6に記載の発明において、前記弾性層は、前記幅方向両端部が弾性発泡材料で形成され、前記幅方向中央部が弾性材料で形成されたものである。
また、請求項8記載の発明にかかる加圧部材は、前記請求項6又は請求項7に記載の発明において、前記弾性層の前記幅方向中央部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の通紙領域に対応して、前記弾性層の前記幅方向両端部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の非通紙領域に対応するものである。
また、請求項9記載の発明にかかる加圧部材は、前記請求項6〜請求項8のいずれかに記載の発明において、所定方向に回転する加圧ローラとしたものである。
また、この発明の請求項10記載の発明にかかる定着装置は、トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置であって、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着部材、又は/及び、請求項6〜請求項9のいずれかに記載の加圧部材、を備えたものである。
また、請求項11記載の発明にかかる定着装置は、前記請求項10に記載の発明において、前記加熱手段を、前記金属層を電磁誘導により加熱する磁束発生手段としたものである。
また、この発明の請求項12記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項10又は請求項11に記載の定着装置を備えたものである。
本発明は、定着部材又は/及び加圧部材の弾性層の構成を最適化しているので、定着部材に設けた金属層がニップ部において変形による繰返し応力を受けても破損しにくく耐久性が高い、定着部材、加圧部材、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における画像形成装置は、カラープリンタであって、4つのプロセスカートリッジ50Y、50M、50C、50BKが転写搬送ベルト57に対して並設されている。
詳しくは、4つのプロセスカートリッジ50Y、50M、50C、50BKは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム51、帯電部、現像部、クリーニング部、等で構成されている。そして、各感光体ドラム51上に、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。そして、4つの感光体ドラム51上に形成された各色のトナー像は、転写搬送ベルト57によって搬送される記録媒体P上に重ねて転写されることになる。なお、転写搬送ベルト57は、PI、PVDF、ETFE、PC等の材料からなり、複数のローラ部材に張架・支持されて図中の反時計方向に走行する。
以下、本実施の形態1における画像形成装置1の、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
各プロセスカートリッジ50Y、50M、50C、50BKにおいて、各感光体ドラム51は、時計方向に回転する。そして、まず、感光体ドラム51の表面が、帯電部との対向位置で帯電される。次に、感光体ドラム51表面は、露光部2(書込み部)との対向位置に達する。そして、露光部2から、各色の画像情報が、レーザ光等の露光光として、各感光体ドラム51上にそれぞれ照射される。
これにより、各感光体ドラム51では、露光部2からの露光光に基づいた静電潜像が形成される。
その後、感光体ドラム51表面は、現像部との対向位置に達する。ここで、各現像部には、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに対応したトナーが収納されている。そして、これらの各色のトナーが、現像部から、感光体ドラム51上の潜像に供給される。こうして、各感光体ドラム51上には、各色のトナー像が形成される。その後、感光体ドラム51表面は、転写搬送ベルト57との対向位置に達する。
一方、給紙部61からは、給送ローラ62によって給送された記録媒体Pが、搬送経路を経由して転写搬送ベルト57の上流側(イエローのプロセスカートリッジ50Y側である。)のレジストローラ64の位置に搬送される。そして、記録媒体Pは、吸着ローラによって転写搬送ベルト74上に導かれて、その後に転写搬送ベルト57の走行にならい転写搬送ベルト57上を移動する。そして、各感光体ドラム51上に形成された各色のトナー像が、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順で、記録媒体P上に重ねて転写される。
ここで、記録媒体Pへの各トナー像の転写は、転写搬送ベルト57を介して各感光体ドラム51と対向するように配設された転写バイアスローラ54によっておこなわれる。詳しくは、各転写バイアスローラ54に、各感光体ドラム51上に付着するトナーの極性とは逆の極性の転写電圧が印加されて、上述の転写工程をなす。
その後、4色のトナー像が重ねて転写された記録媒体Pは、転写搬送ベルト57から分離して、定着部19に向けて搬送される。その後、定着部19に達した記録媒体Pは、熱と圧力とにより、トナー像が定着される。そして、トナー像が定着された記録媒体Pは、その後に画像形成装置外に排出される。
一方、記録媒体Pが分離された後の転写搬送ベルト57の表面は、その後にベルトクリーニング部59の位置に達して、その位置でベルト表面がクリーニングされる。
こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、画像形成装置本体1に設置される定着装置19の構成・動作について詳述する。
図2は定着装置を示す断面図であって、図3は定着ローラ20の一部を示す断面図である。また、図4は、定着ローラ20を幅方向にみた断面図である。
図2に示すように、定着装置19は、加熱手段としての誘導加熱部24(磁束発生手段)、定着部材としての定着ローラ20、加圧部材としての加圧ローラ30、等で構成される。
ここで、定着部材としての定着ローラ20は、炭素鋼等からなる中空構造の芯金205の表面に、弾性層204、金属層203(発熱層)等を形成した多層構造のローラ部材である。
詳しくは、図3を参照して、定着ローラ20は、芯金205上に、断熱性を有する弾性層204(断熱弾性層)、金属層203(発熱層)、シリコーンゴム層202(第2弾性層)、離型層201(PFA層)、が積層されている。
弾性層204は、金属層203の内周面側(芯金205側)に形成された断熱弾性層であって、層厚が2〜10mmに設定されている。弾性層204を設けることにより、定着ローラ20と加圧ローラ30との当接部に適正なニップ部が形成されて良好な定着画像が出力されるとともに、定着工程後の記録媒体Pの分離性が確保される。さらに、弾性層204を断熱弾性層とすることで、金属層203の熱が弾性層204側(内周面側)に移行して定着ローラ20表面の昇温効率が低下する不具合が抑止される。
ここで、本実施の形態1における弾性層204は、幅方向両端部の硬度(ニップ部における軸上硬度である。)が幅方向中央部の硬度よりも大きくなるように形成されているが、これについては後で図4にて詳述する。
金属層203は、鉄、コバルト、ニッケル、又は、それらの合金等の磁性金属材料や、SUS304、SUS316等の非磁性金属材料、等で形成されていて、加熱手段としての誘導加熱部24によって電磁誘導加熱される発熱層として機能する。なお、金属層203として、上述の金属材料やポリイミド樹脂等に、銅、銀、アルミニウム等の良導体を5〜20μmの厚さでメッキしたものを用いてもよい(本願では、このような構成のものも「金属層」と呼ぶこととする。)。本実施の形態1では、金属層203の層厚が30〜100μmに設定されている。
図3を参照して、シリコーンゴム層202は、その厚さが30〜200μmになるように設定されている。シリコーンゴム層202は、金属層203の酸化を防止するとともに、定着ローラ20の表面層近傍の弾性を確保するためのものである。
離型層201は、PFAチューブ等のフッ素化合物で形成され、その厚さは20〜50μm程度になっている。離型層201は、トナー像(トナー)Tが直接的に接する定着ローラ20表面のトナー離型性を高めるためのものである。
このように、複数の層(芯金205、弾性層204、金属層203、シリコーンゴム層202、離型層201)で形成された多層構造体としての定着ローラ20は、全体の層厚が幅方向(記録媒体Pの搬送方向に直交する方向である。)にわたってほぼ一定になるように形成されている。このように定着ローラ20における全体の層厚を幅方向に均一化することで、定着ローラ20の表面がフラット化されて良好な定着性及び搬送性を得ることができる。
なお、本実施の形態1における定着ローラ20の多層構造の構成は、一例であって、これに限定されるものではない。
図2を参照して、加圧部材としての加圧ローラ30は、炭素鋼等からなる円筒状の芯金32上に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡シリコーンゴム等からなる弾性層31が形成されたものである。加圧ローラ30の弾性層31は、その層厚が2〜5mmに設定されている。なお、加圧ローラ30上へのトナー付着を軽減するために、弾性層31上にPFA等からなる離型層(層厚20〜50μm程度である。)を設けることもできる。
加圧ローラ30は、定着ローラ20に圧接している。そして、定着ローラ20と加圧ローラ30との当接部(ニップ部である。)に、記録媒体Pが搬送される。
磁束発生手段(加熱手段)としての誘導加熱部24は、定着ローラ20の外周面に対向している。誘導加熱部24は、コイル部25(励磁コイル)、コア部26(励磁コイルコア)、コイルガイド27、等で構成される。コイル部25は、定着ローラ20の外周の一部を覆うように配設されたコイルガイド27上に細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25を保持する。コア部26は、フェライト等の強磁性体(比透磁率が2500程度である。)からなり、金属層21に向けて効率のよい磁束を形成するためにセンターコア26aやサイドコア26bが設けられている。コア部26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置されている。
また、図示は省略するが、定着ローラ20の表面には、サーミスタが当接されている。サーミスタは、熱応答性の高い感温素子であって、定着ローラ20上の温度(定着温度)を検知する。そして、サーミスタによる検知結果に基いて、誘導加熱部24による加熱量を調整する。
このように構成された定着装置19は、次のように動作する。
不図示の駆動モータによって、定着ローラ20が図2の時計方向に回転駆動されると、加圧ローラ30も反時計方向に回転する。そして、定着部材としての定着ローラ20は、誘導加熱部24との対向位置で、誘導加熱部24から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、不図示の電源部からコイル部25に10kHz〜1MHz(好ましくは、20kHz〜800kHzである。)の高周波交番電流を流すことで、金属層203に向けて磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このように交番磁界が形成されることで、定着ローラ20の金属層203に渦電流(交番磁界の変化を妨げる方向に流れる電流である。)が生じて、金属層203の電気抵抗によってジュール熱が発生して誘導加熱される。こうして、定着ローラ20は、自身の金属層203の誘導加熱によって加熱される。
その後、誘導加熱部24によって加熱された定着ローラ20表面は、加圧ローラ30(加圧部材)とのニップ部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像T(トナー)を加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、不図示のガイド板に案内されながら定着ローラ20と加圧ローラ30とのニップ部に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動である。)。そして、定着ローラ20から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ローラ20と加圧ローラ30とのニップ部から送出される。
定着位置を通過した定着ローラ20表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
以下、図4にて、本実施の形態1において特徴的な、定着ローラ20の構成・動作について詳述する。
図4を参照して、本実施の形態1における定着ローラ20(定着部材)は、幅方向両端部Nの弾性層204bの硬度が、幅方向中央部Mの弾性層204aの硬度よりも、大きくなるように形成されている。詳しくは、幅方向両端部Nの弾性層204bはシリコーンゴム等の弾性材料で形成され、幅方向中央部Mの弾性層204aは発泡シリコーンゴム等の弾性発泡材料で形成されている。
ここで、弾性層の硬度とは、ニップ部における軸上硬度である。具体的に、幅方向中央部Mの弾性層204a軸上硬度は、アスカー硬度で15〜50度(Hs)となるように形成されている。
また、硬度の低い弾性層204aが設けられた幅方向中央部Mは、幅方向の大きさが最大の記録媒体(装置本体1にて通紙可能な最大の記録媒体である。)の通紙領域(最大通紙領域)に概ね対応している。これに対して、硬度の高い弾性層204bが設けられた幅方向両端部Nは、幅方向の大きさが最大の記録媒体の非通紙領域に概ね対応している。
すなわち、本実施の形態1における定着ローラ20は、良好な定着性を確保するために充分なニップ幅を確保する必要がある幅方向中央部M(通紙領域)では硬度の低い弾性層204aを用い、画像への影響がなく充分なニップ幅を確保する必要がない幅方向両端部N(非通紙領域)では硬度の高い弾性層204bを用いている。これにより、定着ローラ20の金属層203は、ニップ部における幅方向両端部Nの変形量が小さくなるために、繰返し受ける応力が減ぜられて、破損の起点となりにくくなる。すなわち、金属層203の耐久性が向上して破損が生じにくくなるために、金属層の破損にともなう異常画像(破損痕)の発生を抑止することができる。幅方向中央部Mでは硬度の低い弾性層204aを用いているために、良好な定着性を確保しつつ、上述の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態1では、定着ローラ20(定着部材)の弾性層204a、204bの構成を最適化しているので、定着ローラ20に設けた金属層203がニップ部において変形による繰返し応力を受けても破損しにくく、定着ローラ20の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施の形態1では、定着部材として定着ローラ20を用いた定着装置19に対して本発明を適用したが、定着部材として定着ベルトを用いた定着装置に対しても本発明を適用することができる。その場合にも、定着ベルトの弾性層の構成を最適化することで、定着ベルトに設けられた金属層の破損を抑止することができる。
また、本実施の形態1では、電磁誘導加熱方式の定着装置19に対して本発明を適用したが、金属層を備えた定着部材を用いた定着装置であれば、本実施の形態1と同様に本発明を適用することができる。
実施の形態2.
図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2における加圧ローラ30を示す断面図である。本実施の形態2の定着装置は、加圧ローラ30における弾性層31の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図5を参照して、本実施の形態2における加圧ローラ30(加圧部材)は、幅方向両端部Nの弾性層31bの硬度が、幅方向中央部Mの弾性層31aの硬度よりも、小さくなるように形成されている。詳しくは、幅方向両端部Nの弾性層31bは発泡シリコーンゴム等の弾性発泡材料で形成され、幅方向中央部Mの弾性層31aはシリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。ここで、弾性層の硬度とは、ニップ部における軸上硬度である。
また、硬度の低い弾性層31aが設けられた幅方向中央部Mは、幅方向の大きさが最大の記録媒体(装置本体1にて通紙可能な最大の記録媒体である。)の通紙領域(最大通紙領域)に概ね対応している。これに対して、硬度の高い弾性層31bが設けられた幅方向両端部Nは、幅方向の大きさが最大の記録媒体の非通紙領域に概ね対応している。
すなわち、本実施の形態2における加圧ローラ30は、良好な定着性を確保するためにニップ部において充分な面圧(ニップ幅とともに重要なパラメータである。)を確保する必要がある幅方向中央部M(通紙領域)では硬度の高い弾性層31aを用い、画像への影響がなくニップ部において充分な面圧を確保する必要がない幅方向両端部N(非通紙領域)では硬度の低い弾性層31bを用いている。これにより、定着ローラ20の金属層203は、ニップ部における幅方向両端部Nの変形量が小さくなるために、繰返し受ける応力が減ぜられて、破損の起点となりにくくなる。すなわち、金属層203の耐久性が向上して破損が生じにくくなるために、金属層の破損にともなう異常画像(破損痕)の発生を抑止することができる。幅方向中央部Mでは硬度の高い弾性層31aを用いているために、良好な定着性を確保しつつ、上述の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施の形態2では、加圧ローラ30(加圧部材)の弾性層31a、31bの構成を最適化しているので、定着ローラ20に設けた金属層203がニップ部において変形による繰返し応力を受けても破損しにくく、定着ローラ20の耐久性を向上させることができる。
また、本実施の形態2における加圧ローラ30の構成と、前記実施の形態1における定着ローラ20の構成と、を組み合わせることで、上述の効果がさらに向上することになる。
なお、本実施の形態2では、加圧部材として加圧ローラ30を用いた定着装置19に対して本発明を適用したが、加圧部材として加圧ベルトや加圧パッドを用いた定着装置に対しても本発明を適用することができる。その場合にも、加圧ベルトや加圧パッドに設けた弾性層の構成を最適化することで、定着部材に設けられた金属層の破損を抑止することができる。
なお、本発明が前記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置される定着装置を示す断面図である。 定着ローラを示す部分拡大断面図である。 定着ローラを幅方向にみた断面図である。 この発明の実施の形態2における加圧ローラを示す断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
19 定着装置、
20 定着ローラ(定着部材)
24 誘導加熱部(磁束発生手段)、
25 コイル部、 26 コア部、
30 加圧ローラ(加圧部材)、
31、31a、31b 弾性層、
201 離型層、 202 シリコーンゴム層(第2弾性層)、
203 金属層(発熱層)、
204、204a、204b 弾性層(断熱弾性層)、
205 芯金、 M 幅方向中央部、 N 幅方向両端部。

Claims (12)

  1. 加圧部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成するとともに、トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着部材であって、
    加熱手段によって加熱される金属層と、
    前記ニップ部を形成するための弾性層と、
    を備え、
    前記弾性層は、幅方向両端部の硬度が幅方向中央部の硬度よりも大きくなるように形成されたことを特徴とする定着部材。
  2. 前記弾性層は、前記幅方向両端部が弾性材料で形成され、前記幅方向中央部が弾性発泡材料で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記弾性層は、前記金属層の内周面側に形成された断熱弾性層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着部材。
  4. 前記弾性層の前記幅方向中央部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の通紙領域に対応して、
    前記弾性層の前記幅方向両端部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の非通紙領域に対応することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着部材。
  5. 所定方向に回転する定着ローラであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着部材。
  6. 加熱手段によって加熱される金属層を具備する定着部材に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材であって、
    前記ニップ部を形成するための弾性層を備え、
    前記弾性層は、幅方向両端部の硬度が幅方向中央部の硬度よりも小さくなるように形成されたことを特徴とする加圧部材。
  7. 前記弾性層は、前記幅方向両端部が弾性発泡材料で形成され、前記幅方向中央部が弾性材料で形成されたことを特徴とする請求項6に記載の加圧部材。
  8. 前記弾性層の前記幅方向中央部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の通紙領域に対応して、
    前記弾性層の前記幅方向両端部は、幅方向の大きさが最大の記録媒体の非通紙領域に対応することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の加圧部材。
  9. 所定方向に回転する加圧ローラであることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の加圧部材。
  10. トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置であって、
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着部材、又は/及び、請求項6〜請求項9のいずれかに記載の加圧部材、を備えたことを特徴とする定着装置。
  11. 前記加熱手段は、前記金属層を電磁誘導により加熱する磁束発生手段であることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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