JP5045197B2 - 定着装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真画像形成装置とそれに用いられる定着装置に関する。
電子写真画像形成手段によって転写画像を形成された記録材は、定着部材と加圧部材との間のニップ部を通過されることにより加熱、加圧され、定着される。定着部材は加熱源によって加熱され、外側に耐熱性弾性層と更にその表面に離型性層とが被覆されている。また、加圧部材は外周面に耐熱性樹脂又は耐熱性ゴム層が被覆されている。
従来一般にこのような構成で定着が行われてきたが、カラー化や両面印刷の普及と共に画像形成の高速化が必須になってきている。そのため定着部材として用いる定着ローラの径を大きくしたり、弾性体層を厚くしたりする工夫があったが、装置が大型になり、定着可能温度に上昇させる迄の時間が長くかかるので稼働効率が悪くなるといった欠点があった。
また、弾性体層を厚くすることは加圧力を大きくすることになり、ニップ幅が回動軸方向に変化して不均一になり、定着ムラや紙シワが発生することがあった。
このような問題を解消するために、特許文献1に記載された定着装置では、図5に示すように、定着部材510Pはロール状で、加圧部材530Pは無端ベルト541Pの形態を持たせ、定着部材に接触したまま走行可能にし、そのベルトの内側に押圧部材572Pを設けたものが提案されている。これにより、ニップ幅を大きく且つ均一にし高い加圧加熱効果が得られるようにしている。更に、記録材の出口側のニップ面を剛性の高い分離部材550Pによって局部的に押圧して定着部材510P及び無端ベルト部材541Pを弾性変形させて、定着後の記録材Pの定着部材510Pからの分離を助けている。
この方式の定着装置は加熱温度が逃げにくく温度低下にならず熱効率が良いという利点を持っている。しかし分離部材の加工精度を高くして均一に押圧していても、それを支持するフレームの撓みや支持フレームの支持面の平面度の程度により局部押圧の不均一性が発生する。
こうなると、光沢ムラ等の画像不良や紙シワが出てくる。またそれによるジャムが起こり、紙詰まりもでてくる。
このような点を改善するために、特許文献1は、分離部材とそれを支持するフレーム531Pとの間に、弾性部材553を介在させて解決しようとしている。
特開2006−84655号公報
このように特許文献1に記載の定着装置では、加熱される定着部材510Pに対して、無端ベルト部材541Pを加圧部材として用いており、通常の画像形成時には紙シワも除去され、光沢ムラ等の画像不良の発生もなくなる。しかし、記録材Pとして厚い紙を用いるとき、それが斜行してニップ部に進入してくると、記録材Pの先端の角の部分が分離部材550Pの頂部に進入する際、分離部材の押圧荷重が集中して押し込まれる。図5に付加して示すように、それにより、定着部材510P(定着ローラ)の弾性層に弾性限界を超す変形を起こさせて圧痕を生ずることになり、それによるダメージが大きいことを本発明者は掴んだ。
本発明は、このような問題点を解決して、厚手の記録材が斜行搬送されて定着装置に給送されてきても、定着部材に発生する傷を無くし、その傷によって発生するスジ状の画像不良を無くした高品質の定着ができ、熱効率の良い、長寿命の定着装置及びそれを装着した画像形成装置を提供することを課題目的にする。
この目的は次の技術手段1〜の何れか1項によって達成される。
.駆動回転する定着部材と、
前記定着部材の外周面に圧接しながら回動し、前記定着部材と協働して記録材を挟持搬送する無端ベルト部材を外周部に備えた加圧部材と、
前記加圧部材の無端ベルト部材の内側に配設され、該無端ベルト部材を前記定着部材に圧接させて、定着ニップ部を形成する押圧部材と、
前記無端ベルト部材と前記押圧部材との間に配設され、前記無端ベルト部材と前記押圧部材との摺動摩擦を解消する摺動シートと、
前記定着ニップ部における前記記録材の搬送方向下流側に配置され、前記摺動シートを介して前記無端ベルト部材と前記定着部材を押圧して、該定着ニップ部から加熱加圧定着された前記記録材を分離させる分離部材と、
を備えた定着装置において、
前記摺動シートは、少なくとも前記分離部材と当接する領域が弾性体で形成され、前記定着部材における表面の製品硬度と、前記摺動シートの前記分離部材と接する領域における該摺動シートの表面の製品硬度との差は、JIS−A硬度で5度以下、−15度以上であることを特徴とする定着装置。
.前記定着部材における表面の製品硬度と、前記摺動シートの前記分離部材と接する領域における該摺動シートの表面の製品硬度との差は、JIS−A硬度で度以下、−10度以上であることを特徴とする項に記載の定着装置。
.前記摺動シートが前記無端ベルト部材と接する面には、該摺動シートと前記加圧部材の無端ベルト部材との間の摺動摩擦を低減する素材が設けられていることを特徴とする項に記載の定着装置。
.記録材を給紙搬送する記録材搬送部と、該記録材搬送部によって給紙搬送された記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、
前記記録材上に形成されたトナー像を該記録材に定着する定着装置と、
を備えている画像形成装置において、
前記定着装置は、1乃至項の何れか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
本発明により、記録材として厚い紙を用いたとしても、定着部材(定着ローラ)の弾性層に弾性限界を超す変形を起こさせる現象は無くなった。したがって、スジ故障による画像不良は無くなると共に、定着部材の表面弾性層のダメージによる障害が無くなり、定着部材の安定した長寿命化が達成される。
本発明の実施の形態を説明するが、以下の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
[画像形成装置の概略]
先ず、本発明の定着装置と、この定着装置が装着されている本発明の画像形成装置について、図1を用いてその概略を説明する。
図1に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部Cからなる画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送手段である記録材搬送部Dと定着装置500を備えている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は、原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は、走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段23が配置されている。更に転写分離手段である転写極24及び分離極25、前記感光体21のクリーニング装置190及び光除電手段としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段としての露光光学系30により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段としての露光光学系30は、図示しないレーザーダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるものである。この走査によって感光体21に対してAoのライン位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い潜像を形成する。
感光体21上の潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。記録材搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの記録紙としての記録材Pが収納された記録材収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)と搬送ローラ43Dが設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられている。それらの何れかから選択された記録材Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される記録材Pの傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によって記録材Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われる。そして搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって記録材P上に転写される。搬送ベルト装置45の搬送ベルト454に載置搬送されながら前記記録材Pは感光体21面より分離し、前記搬送ベルト装置45により定着手段としての例えば誘導加熱型の定着装置500に搬送される。
定着装置500は、加熱源を持つ回転体加熱部材としての定着部材510と、加圧部材530とを有しており、記録材Pを定着部材510と、加圧部材530の外周面を構成する加圧無端ベルト部材との間に通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた記録材Pは記録材積載手段80の排紙トレイ81上に排出される。
以上は記録材Pの片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、記録材案内部177が開放され、転写材又は記録紙と呼ばれる記録材Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により記録材Pは下方に搬送され、記録材反転部179によりスイッチバックさせられ、今までの記録材Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
記録材Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で記録材Pを再給紙し、記録材Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に記録材Pを搬送し、記録材Pの裏面にトナー画像を転写し、定着装置500で定着した後、シート積載手段80の排紙トレイ81上に排紙する。
以上はモノクロ画像を得る画像形成装置1について述べたもので、像担持体としては感光体ドラムであったが、本発明はこのようなモノクロ画像ばかりでなくカラー画像形成装置にも適用可能である。
このカラー画像形成装置は、図示はしないが、例えばタンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、中間転写体の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアンおよび黒色の各カラートナー像を形成する画像形成ユニットを有するものである。そして、各画像形成ユニットの像担持体としての各感光体ドラム上に形成したカラートナー像を、像担持体としての中間転写体上に一次転写として多重転写して重ね合わせた後、記録材P上に二次転写として一括転写するものである。
[定着装置の説明]
以下に、前記定着装置500について図2及び図3の正面断面図を用いて更に詳細に説明する。
この定着装置500は、定着部材510として例えば内部に加熱源515を有し芯金511にシリコンゴムをライニングしPFAチューブを被せた定着ローラを用いた。
また、定着部材510を加圧する加圧部材530は、中心部に支持フレーム531を、その外側にガイド部材534,535,536を及び、摺動シート538を配列して設け、該摺動シート538の内側に押圧部材542及び分離部材550が設けられている。摺動シート538は剛性の高いガラスクロス又は弾性体のシリコンゴムシートで作られ、分離部材550は図3に示すように剛性の高い液晶ポリマー樹脂を用い、先端までそのままの材質にして形成した分離部材550Bを用いるか、又は先端部551に弾性体のシリコンゴムの同時成型加工を施して形成した分離部材550Aを用いる。また、前記ガイド部材535の外周面の一部には固形の潤滑部材塗布部545が設けられている。
そして、それらの更に外周部にポリイミドで作られる無端ベルト部材541が設けられている。このようにして加圧部材530が形成され、前記支持フレーム531の両端の支持軸532を付勢部材としての例えば弦巻バネによって付勢することで、加圧部材530を定着部材510に平均圧力50〜60kPaで押しつけて加圧している。
前記分離部材550は550Aタイプのもの、550Bタイプのものとを問わず、外部形状は同じブレード状にして、先端部を細幅にしてある。更に、分離部材550は支持フレーム531に直接固定され、前記押圧部材542は前記支持フレーム531との間に弾性体543を介してセットされている。したがって、分離部材550A又は分離部材550Bによる面圧は押圧部材542による面圧よりも4倍以上高くなっている。これにより、分離部材550A又は550Bによる定着ローラへの下向きのカールが生じやすくなって、定着部材510への巻き付きを防止し分離しやすくしている。
以下の記載では、分離部材550として上記構成の分離部材550Aを用いた定着装置500を第1の実施の形態の定着装置500Aとし、分離部材550として上記別の構成の分離部材550Bを用いた定着装置500を第2の実施の形態の定着装置500Bとして説明する。
図2の正面断面図に第1の実施の形態の定着装置500Aを示す。
定着装置500Aは、駆動回転する定着部材510と、その外周面に圧接しながら回動し、前記定着部材510と協働して記録材Pを挟持して搬送し定着ニップ部Nを形成する無端ベルト部材541を外周部に備えた加圧部材530とを有するものである。
該定着装置500Aには、前記定着ニップ部Nにおける前記記録材Pの搬送方向下流側に配置され、前記加圧部材530を前記定着部材510に押圧して、定着ニップ部Nから加熱加圧定着された前記記録材Pを分離させる分離部材550Aが、備えられている。
そして該定着装置500Aにおいては、前記分離部材550Aは、前記加圧部材530の無端ベルト部材541に摺動シート538を介して当接する頂部551が前記シリコンゴムのような弾性体で形成されていることを特徴としている。
図4(a)の上面図及び(a)のA−A断面図である(b)に示すように、記録材としての厚手の紙が斜行して定着装置に進入して来て、厚紙の先端の角の一点に集中して分離部材の頂部による押圧力が掛かることがあっても、分離部材の頂部551を弾性体で構成することにより、圧力集中が緩和される。そのため、定着部材510の表面への傷は無くなると共に、それによって起こる画像表面の白スジ現象も避けられる。
また、定着装置500Aにおいては、前記定着部材510の表面の製品硬度と前記分離部材の前記頂部の表面の製品硬度との差は、JIS−A硬度で5度以下、−15度以上であることを特徴としている。
また、定着装置500Aにおいては、前記加圧部材530を前記定着部材510に圧接させて前記ニップ部Nを形成する押圧部材542が、前記加圧部材530の無端ベルト部材541の内側に配設されている。そして、前記加圧部材530の無端ベルト部材541と前記押圧部材542との間に、該押圧部材542と前記無端ベルト部材541との摺動摩擦を解消する摺動シート539が設けられていることが望ましい。
更に、図3の正面断面図に、第2の実施の形態の定着装置500Bを示す。
定着装置500Bは、駆動回転する定着部材510と、その外周面同士が圧接しながら回動する無端ベルト部材541を外周部に備えた加圧部材530とを備えている。
更に、定着装置500Bは、前記加圧部材530の無端ベルト部材541の内側に配設され、該加圧部材530を前記定着部材510に圧接させ、該定着部材510と該加圧部材530の無端ベルト部材541とを協働させて記録材を挟持して搬送し定着ニップ部を形成する押圧部材542とを備えている。
また、定着装置500Bは、前記加圧部材530の無端ベルト部材541と前記押圧部材542との間に配設され、前記無端ベルト部材541と前記押圧部材542との摺動摩擦を解消する摺動シート538とを備えている。
更に、定着装置500Bは、前記定着ニップ部Nにおける前記記録材Pの搬送方向下流側に配置され、前記摺動シート538を介して前記加圧部材530の無端ベルト部材541を前記定着部材510に押圧して、前記定着ニップ部Nから加熱加圧定着された前記記録材Pを分離させる剛性の高い分離部材550Bを備えている。
定着装置500Bは、このような構成を有するものであって、且つ、前記摺動シート538は、少なくとも前記分離部材550Bと当接する領域がシリコンゴムのような弾性体で形成されていることを特徴とするものである。
これも、図4(a)の上面図及び(a)のA−A断面図である(b)に示すように、記録材としての厚手の紙が斜行して定着装置に進入して来て、厚紙の先端の角の一点に集中して分離部材の頂部による押圧力が掛かり、たとえ、分離部材の頂部が剛性の高い材質であっても、前記摺動シート538を弾性体で構成することにより、圧力集中が緩和される。そのため、定着部材510の表面への傷は無くなると共に、それによって起こる画像表面の白スジ現象も避けられる。
また、前記定着部材510の表面の製品硬度と、前記摺動シート538が前記加圧部材530の無端ベルト部材541と接する面の該摺動シート538の表面の製品硬度との差は、JIS−A硬度で5度以下、−15度以上である。
更に、前記摺動シート538の前記加圧部材530の無端ベルト部材541と接する面には、該摺動シート538と前記無端ベルト部材541との間の摺動摩擦を低減する素材の層が設けられている。前記素材の層は、テフロン(登録商標)のコーティング又は含浸又は溶着、テフロン(登録商標)の貼り付け、潤滑剤の塗布等によって行うことが出来る。
[比較実験1]
特許文献1に示す、支持フレームに設けた弾性部材上に分離部材を配置する方式の定着装置を画像形成装置に装着し、220mm/sの速度で記録材Pを搬送し、異なる斤量の記録材Pに対してそれぞれ5枚ずつ連続して画像形成させ、定着部材の傷やそれによる画像ムラの状態を実験した。尚、定着部材510としては、定着ローラを用いた。その結果は、表1に示すように、記録材Pに斤量の高い厚紙を用い、それが斜行して定着装置に搬送されてくると、分離のために高いピーク面圧が集中して掛けられることになり、その斜行角度によっては定着部材の傷やそれによる画像ムラが発生してくることが分かる。因みに分離部材の材質は剛性の高い液晶ポリマーで表面の製品硬度はロックウエルMスケール77度で剛体に近い硬さである。
その評価基準として、○は5枚とも定着ローラの傷やそれによる画像不良の発生が無いものであり、△は定着ローラの傷はあるが浅く、時間の経過で回復し、画像不良にはならないものであり、×は1枚でも傷の発生が残り、画像不良を伴うものである。
また、ここに斤量とは、坪量ともいい、1m2当たりの紙の質量(g)で表し、紙の厚さの目安となる量である。
Figure 0005045197
表1から分かるように、この斤量が209を超えると画像不良とはならないが定着部材に傷がつく状態になり、更に斤量が増えて256になると、画像不良となり定着部材に傷がより大きくつく状態になることが分かる。
[比較実験2]
このような状態を改善して本発明の定着装置500Aを用いた場合の結果を表2に示す。
ここに記録材は斤量が209の厚紙を用いた。
そして定着部材510としての定着ローラの材料構成及び表面製品硬度は、芯金511にシリコンゴムをライニングしPFAチューブを被せJIS−A70度にしてある。
分離部材550Aは剛性の高い液晶ポリマー樹脂を用い、その頂部551に製品硬度JIS−A70度の弾性体のシリコンゴムを一体成形したものにしてある。
通紙角度は図4(a)に示すように斜行した角度のものにしてある。
評価基準は表1の評価基準に準ずる。
Figure 0005045197
特許文献1に示すように、分離部材550Aの頂部を剛性の高い液晶ポリマー樹脂にした従来例のままだと、通紙角度が7〜10度で画像不良には至らないが、定着ローラ表面に傷が付き、それを超え15度以上になると、画像不良及び定着ローラ表面の傷が大きくなり使用不能になる。しかし、上記のように、分離部材の頂部551に製品硬度JIS−A70度の弾性体のシリコンゴムを一体成形したものにした、本発明の定着装置500Aにおいては、通紙角度が15度になっても画像不良及び定着ローラ表面の傷は皆無であり、25度になっても、定着ローラ表面に傷が付つくが画像不良には至らない状態に維持できることが分かった。
[比較実験3]
更に定着ローラ表面の製品硬度と、分離部材550Aの頂部に設けた弾性体のシリコンゴムの製品硬度とのJIS−Aでの硬度差の影響について、定着部材の傷や画像不良及び記録材の分離性能をテストした結果を表3に示す。
ここに曲がり性能の評価基準は表1の評価基準に準ずる。
分離性能の評価基準は記録材100枚を連続通紙してJAMの状態を調べ、○はJAMが全くなかったものであり、△は定着ローラに追随するに近い状態のものもあるが全てJAMの無かったものであり、×は1枚でもJAMの発生があったものである。
Figure 0005045197
その結果は、定着部材510の傷や画像不良については、硬度差が−15度以上、25度以下が良く、分離性能については−25度以上5度以下が良く、両者を満足するのは−15度以上、5度以下であることが分かる。
[比較実験4]
また、定着装置500Bの分離部材550Bを、図3の正面断面図に示すように、頂部まで一体にした剛性の高い液晶ポリマー樹脂にしたものを用い、摺動シート538に弾性体のシリコンゴムシートを用い、記録材Pの斤量を209のものを用いた場合に、定着ローラ表面製品硬度と、該定着ローラに接触する摺動シート538に設けた弾性体のシリコンゴムの製品硬度とのJIS−Aでの硬度差の影響について、定着部材510の傷や画像不良及び記録材Pの分離性能をテストした結果を表4に示す。
ここに記録材は斤量が209の厚紙を用いた。
また、本発明及び比較例とも、定着部材510としての定着ローラの材料構成及び表面製品硬度は、芯金511にシリコンゴムをライニングしPFAチューブを被せJIS−A70度にしてある。
更に、本発明においては、摺動シート
538は弾性体のシリコンゴムシートを用い、製品硬度がJIS−A70度のものを用い、比較例においては、ガラスクロスにテフロン(登録商標)コーティングしたもので製品硬度がJIS−A85度のものを用いた。
そして、本発明及び比較例とも、分離部材550Aは、その頂端部に至るまで剛性の高い液晶ポリマー樹脂を用い、製品硬度がロックウエルMスケール77度のものを用いた。
通紙角度は図4(a)に示すように斜行した角度のものにしてある。
評価基準は表1の評価基準に準ずる。
ここに曲がり性能の評価基準及び分離性能の評価基準は、表3のものに準ずる。
Figure 0005045197
その結果は、定着部材の傷や画像不良については、硬度差が−15度以上、25度以下が良く、分離性能については−25度以上5度以下が良く、両者を満足するのは−15度以上、5度以下であることが分かる。
このように、分離部材の頂部551を液晶ポリマーからシリコンゴムに変えて表3に示した効果を得、摺動シート538をガラスクロスからシリコンゴムシートの表面にテフロン(登録商標)系のコーティングを施したものに変えて表4に示した効果を得た。
本発明の定着装置が装着される画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の定着装置の一例を示す正面断面図である。 本発明の別の定着装置の一例を示す正面断面図である。 (a)は厚手の紙の先端角部が斜行して分離部材の当接部に進入してきたときの状態を示す上面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 従来技術の一例を示す正面断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置
500,500A,500B 定着装置
510 定着部材
530 加圧部材
531 支持フレーム
532 支持軸
534,535,536 ガイド部材
538 摺動シート
541 無端ベルト部材
542 押圧部材
545 潤滑剤塗布部
550,550A,550B 分離部材
551 分離部材頂部

Claims (4)

  1. 駆動回転する定着部材と、
    前記定着部材の外周面に圧接しながら回動し、前記定着部材と協働して記録材を挟持搬送する無端ベルト部材を外周部に備えた加圧部材と、
    前記加圧部材の無端ベルト部材の内側に配設され、該無端ベルト部材を前記定着部材に圧接させて、定着ニップ部を形成する押圧部材と、
    前記無端ベルト部材と前記押圧部材との間に配設され、前記無端ベルト部材と前記押圧部材との摺動摩擦を解消する摺動シートと、
    前記定着ニップ部における前記記録材の搬送方向下流側に配置され、前記摺動シートを介して前記無端ベルト部材と前記定着部材を押圧して、該定着ニップ部から加熱加圧定着された前記記録材を分離させる分離部材と、
    を備えた定着装置において、
    前記摺動シートは、少なくとも前記分離部材と当接する領域が弾性体で形成され、前記定着部材における表面の製品硬度と、前記摺動シートの前記分離部材と接する領域における該摺動シートの表面の製品硬度との差は、JIS−A硬度で5度以下、−15度以上であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記定着部材における表面の製品硬度と、前記摺動シートの前記分離部材と接する領域における該摺動シートの表面の製品硬度との差は、JIS−A硬度で度以下、−10度以上であることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 前記摺動シートが前記無端ベルト部材と接する面には、該摺動シートと前記加圧部材の無端ベルト部材との間の摺動摩擦を低減する素材が設けられていることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  4. 記録材を給紙搬送する記録材搬送部と、該記録材搬送部によって給紙搬送された記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、
    前記記録材上に形成されたトナー像を該記録材に定着する定着装置と、
    を備えている画像形成装置において、
    前記定着装置は、請求項1乃至の何れか1項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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