JP2008129164A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除されることに基づく画像乱れを低減し得る定着装置等を提供する。
【解決手段】用紙P上に形成されたトナー像を加熱する定着ロール611と、定着ロール611に張架される定着ベルト610と、定着ロール611に対して押圧するように配置された加圧ロール62と、定着ロール611と加圧ロール62との圧接部Nの下流側近傍にて、定着ベルト610の外表面を加圧ロール62に押圧するように配置された押圧パッド64と、押圧パッド64の配置位置の下流側近傍に設けられた剥離爪65とを備えたことを特徴とする定着装置60。
【選択図】図2
【解決手段】用紙P上に形成されたトナー像を加熱する定着ロール611と、定着ロール611に張架される定着ベルト610と、定着ロール611に対して押圧するように配置された加圧ロール62と、定着ロール611と加圧ロール62との圧接部Nの下流側近傍にて、定着ベルト610の外表面を加圧ロール62に押圧するように配置された押圧パッド64と、押圧パッド64の配置位置の下流側近傍に設けられた剥離爪65とを備えたことを特徴とする定着装置60。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置等に関する。
搬送される記録材に画像を定着させる際に用いられる画像形成装置や、このような画像形成装置に用いられる定着装置としては、従来から多くの提案がなされている。
公報記載の従来技術として、定着ローラにその定着ローラとともに回転する定着ベルトを掛け渡し、その定着ベルトで定着ローラ間に向けて搬送する転写後の用紙を案内する構成を有する定着器が提案されている(特許文献1参照)。同文献には、かかる定着器を用いれば、未定着画像のこすれをほとんど生じさせることなく、用紙を定着ローラ間に導くことができると記載されている。
また、同じく公報記載の従来技術として、定着ローラと加圧ローラとが略水平状態に配設される定着装置において、圧接部の記録媒体搬送方向下流側に、定着ローラに近接して剥離部材を設置した定着装置が提案されている(特許文献2参照)。同文献には、剥離部材を所定の角度をもって設置することにより、記録媒体の剥離性を向上させ得ると共に、画像すじの発生を防止することができると記載されている。
公報記載の従来技術として、定着ローラにその定着ローラとともに回転する定着ベルトを掛け渡し、その定着ベルトで定着ローラ間に向けて搬送する転写後の用紙を案内する構成を有する定着器が提案されている(特許文献1参照)。同文献には、かかる定着器を用いれば、未定着画像のこすれをほとんど生じさせることなく、用紙を定着ローラ間に導くことができると記載されている。
また、同じく公報記載の従来技術として、定着ローラと加圧ローラとが略水平状態に配設される定着装置において、圧接部の記録媒体搬送方向下流側に、定着ローラに近接して剥離部材を設置した定着装置が提案されている(特許文献2参照)。同文献には、剥離部材を所定の角度をもって設置することにより、記録媒体の剥離性を向上させ得ると共に、画像すじの発生を防止することができると記載されている。
本発明の目的とするところは、例えば、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除されることに基づく画像乱れを低減し得る定着装置等を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明の定着装置は、定着ベルトと、定着ベルトの内部に配置された定着部材と、定着部材に対して定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、定着部材と加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、定着ベルトの外表面を加圧部材に押圧するように配置された押圧部材と、押圧部材の配置位置の下流側近傍に設けられた剥離部材とを備えたことを特徴としている。
ここで、剥離部材は、定着ベルト又は加圧部材の表面に接するように配置され、定着ベルト又は加圧部材の表面と剥離部材との接触位置から圧接部の下流側端部までの距離としての剥離距離が5mm以下であり、定着ベルト又は加圧部材の表面と剥離部材との接触位置における、定着ベルト又は加圧部材の接面と、同接触位置における剥離部材の接面とのなす角としての掬い角が40°以下であることを特徴とすることができる。
また、押圧部材は、定着ベルトの外表面を加圧部材に押圧する部分の下流側部位の断面形状として、定着部材表面の曲率よりも大きな曲率の略円弧形状を有することを特徴とすることができる。
また、押圧部材は、定着ベルトの外表面を加圧部材に押圧する部分の下流側部位の断面形状として、定着部材表面の曲率よりも大きな曲率の略円弧形状を有することを特徴とすることができる。
また、本発明の定着装置は、定着ベルトと、定着ベルトの内部に配置された定着部材と、定着部材に対して定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、定着部材と加圧部材との圧接部の下流側近傍に設けられた剥離部材とを備え、剥離部材は、記録材上に形成されたトナー像が溶融状態を維持している間に、定着ベルト又は加圧部材の表面から記録材を剥離させることを特徴としている。
更に、本発明の定着装置は、定着ベルトと、定着ベルトの内部に配置された定着部材と、定着部材に対して定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、定着部材と加圧部材との圧接部の下流側近傍に設けられた剥離部材とを備え、剥離部材は、記録材のコシによって圧接部の下流側近傍から記録材を浮かせるように配置されることを特徴としている。
ここで、剥離部材は、定着ベルト又は加圧部材の表面に接するように配置され、定着ベルト又は加圧部材の表面と剥離部材との接触位置における、定着ベルト又は加圧部材の接面と、同接触位置における剥離部材の接面とのなす角としての掬い角が40°以下であることを特徴とすることができる。
一方、本発明の画像形成装置は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材上に転写されたトナー像を記録材に定着する定着手段とを含み、定着手段は、定着ベルトと、定着ベルトの内部に配置された定着部材と、定着部材に対して定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、定着部材と加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、定着ベルトの外表面を加圧部材に押圧するように配置された押圧部材と、押圧部材の配置位置の下流側近傍に設けられた剥離部材とを備えたことを特徴としている。
本発明の請求項1にかかる定着装置によれば、圧接部に近い位置において、定着ベルト又は加圧部材の表面から記録材を剥離させ得る。つまり、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除されることに基づく画像乱れを低減し得る定着装置が提供される。
本発明の請求項2によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除されることに基づく画像乱れをより良好に低減し得る。
本発明の請求項3によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、圧接部下流側近傍においてより広い空間を確保し得、記録材のジャム(詰まり)の生じる虞をより低減することができる。
本発明の請求項4によれば、トナー像が冷却固化する以前に記録材を剥離させ得る。つまり、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除され、その結果生じた画像乱れが固定される以前に溶融状態で記録材を剥離可能であり、画像乱れを低減し得る定着装置が提供される。
本発明の請求項5によれば、記録材のコシを利用して圧接部通過後の記録材を直ちに剥離させ得る。つまり、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除される時間を減少させ、画像乱れを低減し得る定着装置が提供される。
本発明の請求項6によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、圧接部通過後の記録材を、より圧接部に近い位置から剥離させ得る。
本発明の請求項7にかかる画像形成装置によれば、圧接部に近い位置において、定着ベルト又は加圧部材の表面から記録材を剥離させ得る。つまり、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除されることに基づく画像乱れを低減し得る画像形成装置が提供される。
本発明の請求項2によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除されることに基づく画像乱れをより良好に低減し得る。
本発明の請求項3によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、圧接部下流側近傍においてより広い空間を確保し得、記録材のジャム(詰まり)の生じる虞をより低減することができる。
本発明の請求項4によれば、トナー像が冷却固化する以前に記録材を剥離させ得る。つまり、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除され、その結果生じた画像乱れが固定される以前に溶融状態で記録材を剥離可能であり、画像乱れを低減し得る定着装置が提供される。
本発明の請求項5によれば、記録材のコシを利用して圧接部通過後の記録材を直ちに剥離させ得る。つまり、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除される時間を減少させ、画像乱れを低減し得る定着装置が提供される。
本発明の請求項6によれば、本発明の構成を有しない場合に比して、圧接部通過後の記録材を、より圧接部に近い位置から剥離させ得る。
本発明の請求項7にかかる画像形成装置によれば、圧接部に近い位置において、定着ベルト又は加圧部材の表面から記録材を剥離させ得る。つまり、トナーが溶融している状態で記録材に対する十分な加圧状態が解除されることに基づく画像乱れを低減し得る画像形成装置が提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書き込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動されている。この各種ロールとしては、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34が配設されている。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接して配置されている。
一方、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの現像器14によって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性(プラス極性)の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性と同極性(マイナス極性)の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における搬送速度に合わせて、用紙Pを最適な搬送速度で定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部(不図示)に搬送される。なお、両面印刷を行なう場合には、用紙Pの一方の面にトナー像を定着した後、図示しない用紙反転ユニットに用紙Pを通過させ、再度二次転写部20の上流側(例えば、隣接する搬送ロール52の間や、搬送ロール52と搬送シュート53との間)から用紙搬送ラインに載せればよい。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の循環に伴って搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の循環に伴って搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着装置60の概略構成を示す側断面図である。この定着装置60は、加熱部材の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して圧接配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、ベルト部材の一例としての定着ベルト610と、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する、用紙P上に形成されたトナー像を加熱する定着部材の一例としての定着ロール611とを備えている。また、定着ベルトモジュール61は、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612と、外側から定着ベルト610を張架する張架ロール613と、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610を張架する張架ロール614と、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接する領域である圧接部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615とを備えている。更に、定着ベルトモジュール61は、圧接部N内の下流側近傍にて、定着ベルト610の外表面を加圧ロール62の表面に押圧するように配置された押圧部材の一例としての押圧パッド64を備えている。
図2は、本実施の形態の定着装置60の概略構成を示す側断面図である。この定着装置60は、加熱部材の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して圧接配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、ベルト部材の一例としての定着ベルト610と、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する、用紙P上に形成されたトナー像を加熱する定着部材の一例としての定着ロール611とを備えている。また、定着ベルトモジュール61は、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612と、外側から定着ベルト610を張架する張架ロール613と、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610を張架する張架ロール614と、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接する領域である圧接部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615とを備えている。更に、定着ベルトモジュール61は、圧接部N内の下流側近傍にて、定着ベルト610の外表面を加圧ロール62の表面に押圧するように配置された押圧部材の一例としての押圧パッド64を備えている。
そして、定着装置60は、押圧パッド64の配置位置の下流側近傍に設けられ、圧接部Nを通過した用紙Pを、加圧ロール62の表面から剥離させる剥離爪65を備えている。
なお、図2における剥離爪65は、用紙Pの排紙をガイドする排紙ガイドとしても作用し、用紙Pを排紙ロール66へと導入している。用紙Pは、排紙ロール66を経て機外に排出され、定着処理が完了する。
また、本実施の形態において、剥離爪65は加圧ロール62の表面に接して配置されているが、定着装置60の仕様や運転条件、片面印刷であるか両面印刷であるか等に応じて、定着ベルト610の表面に接するように配置することも可能である。また、用紙Pの剥離がもともとある程度期待でき、強制的な剥離手段としてではなく補助的な剥離手段として剥離爪65を用いる場合には、剥離爪65を定着ベルト610又は加圧ロール62の表面から離間させて配置することも可能である。
なお、図2における剥離爪65は、用紙Pの排紙をガイドする排紙ガイドとしても作用し、用紙Pを排紙ロール66へと導入している。用紙Pは、排紙ロール66を経て機外に排出され、定着処理が完了する。
また、本実施の形態において、剥離爪65は加圧ロール62の表面に接して配置されているが、定着装置60の仕様や運転条件、片面印刷であるか両面印刷であるか等に応じて、定着ベルト610の表面に接するように配置することも可能である。また、用紙Pの剥離がもともとある程度期待でき、強制的な剥離手段としてではなく補助的な剥離手段として剥離爪65を用いる場合には、剥離爪65を定着ベルト610又は加圧ロール62の表面から離間させて配置することも可能である。
定着ベルト610は、周長314mm、幅340mmのフレキシブルなエンドレスベルトであって、厚さ80μmのポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層された厚さ160μmのシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層の上に、離型層として厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)チューブで形成された離型層とからなる多層構造で構成されている。なお、定着ベルト610の構成は、使用目的や使用条件等の装置設計条件に応じて、材質・厚さ・硬度等を適宜選択することができる。
定着ロール611は、外径65mm、長さ360mm、厚さ10mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールの上に、離型層として厚さ300μmのPFAチューブで形成された離型層とからなる(弾性層を有さない)多層構造で構成されている。そして定着ロール611は、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて、264mm/sの表面速度で矢印C方向に回転する。
また、定着ロール611の内部には、加熱源としてハロゲンヒータ616aが配設され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(図1参照)が定着ロール611の表面温度を制御している。
また、定着ロール611の内部には、加熱源としてハロゲンヒータ616aが配設され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(図1参照)が定着ロール611の表面温度を制御している。
張架ロール612は、外径30mm、厚さ2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。そして、張架ロール612の内部には加熱源としてハロゲンヒータ616bが配設されており、温度センサ617bと制御部40(図1参照)とによって、張架ロール612の表面温度が制御されている。したがって、張架ロール612は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を加熱する機能をも併せ持っている。
張架ロール613は、外径25mm、厚さ2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。また、張架ロール613の表面には厚さ50μmのPFAが被覆されて離型層が形成されている。この離型層は、定着ベルト610の外周面からの僅かなオフセットトナーや紙粉が張架ロール613に堆積するのを防止するために形成されるものである。
張架ロール613の内部には、加熱源としてハロゲンヒータ616cが配設されており、温度センサ617cと制御部40(図1参照)とによって表面温度が制御されている。従って、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能と共に、定着ベルト610を外表面から加熱する機能をも併せ持っている。従って、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612と張架ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
更に、張架ロール614は、外径15mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。
張架ロール613の内部には、加熱源としてハロゲンヒータ616cが配設されており、温度センサ617cと制御部40(図1参照)とによって表面温度が制御されている。従って、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能と共に、定着ベルト610を外表面から加熱する機能をも併せ持っている。従って、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612と張架ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
更に、張架ロール614は、外径15mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。
押圧パッド64は、例えばSUSやアルミニウム等の金属や樹脂等の剛体で形成された、断面が略円弧形状を有するブロック部材である。そして、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域(「ロール圧接部N1」という。後段の図3参照。)の下流側近傍位置において、定着ロール611の軸方向全域に亘って配置されている。また押圧パッド64は、定着ベルト610を介して加圧ロール62を所定の幅領域(例えば、定着ベルト610の進行方向に沿って15mmの幅)に亘って所定の荷重(例えば、40kgf)で均一に押圧するように設置されており、後段で述べる「押圧パッド圧接部N2」(後段の図3参照)を形成している。
また、張架ロール615は、外径12mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。そして、押圧パッド64を通過した定着ベルト610が定着ロール611に向けて円滑に循環するように、押圧パッド64の定着ベルト610進行方向下流側近傍に配置されている。
加圧ロール62は、直径65mm、長さ360mmのアルミニウムからなる円柱状ロール621を基体として、基体側から順に、ゴム硬度30°(JIS−A)のシリコーンゴムからなる厚さ7mmの弾性層622と、膜厚100μmのPFAチューブからなる離型層623とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に押圧されるように設置され、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印C方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印E方向に循環する。その進行速度は、定着ロール611の表面速度と同じ264mm/sである。また、ロール圧接部N1における圧接圧は350kgfである。
剥離爪65は、厚さ0.1mm、幅10mmの金属製バッフルを基体として、トナー像と接触する部分に離型性樹脂がコーティングされて構成されている。ここで、離型性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアセタール樹脂等を挙げることができる。
次に、本実施の形態の定着装置60における定着動作について説明する。
画像形成装置の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55(図1参照)および定着入口ガイド56により、定着装置60の圧接部Nに向けて(図2参照:矢印F方向)搬送される。そして、圧接部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロール圧接部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
画像形成装置の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55(図1参照)および定着入口ガイド56により、定着装置60の圧接部Nに向けて(図2参照:矢印F方向)搬送される。そして、圧接部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロール圧接部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
ここで、本実施の形態の定着装置60では、圧接部Nに作用する熱は、主として定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ616aから定着ロール611を通じて供給される熱と、張架ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ616bから張架ロール612を通じて供給される熱と、張架ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ616cから張架ロール613を通じて供給される熱とによって加熱されるように構成されている。そのため、定着ロール611のみでは熱エネルギーが不充分である場合においても、張架ロール612および張架ロール613から適切かつ速やかに熱エネルギーを補給することができるので、圧接部Nにおいては、プロセススピードが250mm/sを超えるような高速であっても充分な熱量を確保することができる。また、張架ロール612および張架ロール613の加熱性能が十分である場合、定着ロール611のヒータ616bを停止させた状態で定着動作を行うことも可能である。
次に、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接された圧接部Nから用紙Pが排出される際の剥離動作について説明する。
図3は、圧接部Nの近傍領域を表す概略断面図である。図3に示したように、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接された圧接部Nには、定着ベルト610が定着ロール611に巻き付けられた(ラッピングされた)領域(以下、このような領域を「ラップ領域」という。)内において、加圧ロール62が定着ベルト610の外周面に圧接するように配置されて、ロール圧接部N1が形成されている。本実施の形態の定着装置60では、上述したように定着ロール611がアルミニウムで形成されたハードロールで構成され、加圧ロール62が弾性層622を被覆されたソフトロールで構成されている。そのため、ロール圧接部N1では、定着ロール611には撓みが殆ど生じず、加圧ロール62表面が大きく撓む(加圧ロール62の撓み量>定着ロール611の撓み量)ことによって、定着ベルト610の進行方向に幅を持った圧接領域が形成されている。
図3は、圧接部Nの近傍領域を表す概略断面図である。図3に示したように、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接された圧接部Nには、定着ベルト610が定着ロール611に巻き付けられた(ラッピングされた)領域(以下、このような領域を「ラップ領域」という。)内において、加圧ロール62が定着ベルト610の外周面に圧接するように配置されて、ロール圧接部N1が形成されている。本実施の形態の定着装置60では、上述したように定着ロール611がアルミニウムで形成されたハードロールで構成され、加圧ロール62が弾性層622を被覆されたソフトロールで構成されている。そのため、ロール圧接部N1では、定着ロール611には撓みが殆ど生じず、加圧ロール62表面が大きく撓む(加圧ロール62の撓み量>定着ロール611の撓み量)ことによって、定着ベルト610の進行方向に幅を持った圧接領域が形成されている。
また、ロール圧接部N1の下流側近傍には押圧パッド64が配設されており、押圧パッド64は定着ベルト610を加圧ロール62表面に押圧している。これにより、ロール圧接部N1に連続して、押圧パッド64に押圧された部分に位置する定着ベルト610と加圧ロール62表面との圧接部である押圧パッド圧接部N2が形成されている。
更に、押圧パッド64の下流側近傍(押圧パッド圧接部N2の下流側近傍)には剥離爪65が設置されている。本実施の形態において、剥離爪65の先端は加圧ローラ62に接しており、剥離爪65と加圧ローラ62との接触位置から押圧パッド圧接部N2の下流側端部までの距離としての剥離距離65Kが設定されている。また、剥離爪65と加圧ローラ62との接触位置における加圧ローラ62の接面62Sと、同接触位置における剥離爪65の接面(剥離爪65において、押圧パッド圧接部N2に対向する面)とのなす角としての掬い角65Uが設定されている。
ここで、剥離距離65Kとしては、特に限定されず、装置の大きさや定着条件等に応じて適宜選定されるが、通常5mm以下、好ましくは1mm〜4mm、より好ましくは2mm〜3mmである。
また、掬い角65Uとしても、特に限定されず、装置の大きさや定着条件等に応じて適宜選定されるが、通常40°以下、好ましくは15°〜35°、より好ましくは25°〜35°である。
また、掬い角65Uとしても、特に限定されず、装置の大きさや定着条件等に応じて適宜選定されるが、通常40°以下、好ましくは15°〜35°、より好ましくは25°〜35°である。
本実施の形態の定着装置60による定着プロセスでは、トナー像を担持した用紙Pは、ロール圧接部N1において加熱および加圧されてトナーが溶融圧着される。その際、ロール圧接部N1内において熱を受けた用紙Pやトナーからは用紙P中の水分が気化して水蒸気を生じ、かかる水蒸気が急激に膨張しようとしたり、トナー中の空気が熱膨張しようとしたりする。しかし、ロール圧接部N1では高い圧接圧が印加されているため、定着ベルト610と加圧ロール62との間に水蒸気や膨張した空気によるエアーギャップ(気泡)が生じることはない。
しかし、トナー像を担持した用紙Pがロール圧接部N1を通過後には、用紙Pへの圧接圧が低減、乃至解除されるため、上記気泡が生じたり上記空気の熱膨張が生じたりすることとなる。トナー像を担持した用紙Pがロール圧接部N1を通過した直後には、溶融したトナーは未だ完全に固化されていない状態にある。十分な圧接圧が印加されずにトナーの溶融状態が維持される状況下(ロール圧接部N1および押圧パッド圧接部N2を通過後、トナー像が定着ベルトモジュール61又は加圧ロール62と接触し続ける状況下)にある時間が長くなればなるほど、トナー像が乱れ、定着画像のムラ等の画像不良がより顕著に観察される傾向となる。
しかし、トナー像を担持した用紙Pがロール圧接部N1を通過後には、用紙Pへの圧接圧が低減、乃至解除されるため、上記気泡が生じたり上記空気の熱膨張が生じたりすることとなる。トナー像を担持した用紙Pがロール圧接部N1を通過した直後には、溶融したトナーは未だ完全に固化されていない状態にある。十分な圧接圧が印加されずにトナーの溶融状態が維持される状況下(ロール圧接部N1および押圧パッド圧接部N2を通過後、トナー像が定着ベルトモジュール61又は加圧ロール62と接触し続ける状況下)にある時間が長くなればなるほど、トナー像が乱れ、定着画像のムラ等の画像不良がより顕著に観察される傾向となる。
そこで、本実施の形態の定着装置60では、剥離爪65を、上記画像不良を低減する観点から積極的に用いている。
図4は、剥離爪65が用紙Pを剥離させる様子を表す図である。上述の通り、本実施の形態においては押圧パッド64の下流側(押圧パッド圧接部N2の下流側)において、圧接部N2に対して剥離爪65を非常に近接させて配置(通常、剥離距離65Kが5mm以下というような条件下での配置)している。このように配置された剥離爪65は、トナー像を担持した用紙Pが押圧パッド圧接部N2を通過後、素早く用紙Pを加圧ロール62から剥離させるように作用する。図4において用紙Pは、押圧パッド圧接部N2を通過直後に、剥離爪65の用紙Pに対する押し上げ作用により加圧ロール62の表面から剥離されている。
つまり、このように配置された剥離爪65は、用紙Pがロール圧接部N1を通過後、用紙P上に形成されたトナー像が冷却固化する以前であることはもちろん、溶融状態を維持している間の非常に早いタイミングにおいてトナー像と加圧ロール62とが接触し続ける状況を解除させ得るため、上記気泡等に基づく画像不良を低減するように作用する。
図4は、剥離爪65が用紙Pを剥離させる様子を表す図である。上述の通り、本実施の形態においては押圧パッド64の下流側(押圧パッド圧接部N2の下流側)において、圧接部N2に対して剥離爪65を非常に近接させて配置(通常、剥離距離65Kが5mm以下というような条件下での配置)している。このように配置された剥離爪65は、トナー像を担持した用紙Pが押圧パッド圧接部N2を通過後、素早く用紙Pを加圧ロール62から剥離させるように作用する。図4において用紙Pは、押圧パッド圧接部N2を通過直後に、剥離爪65の用紙Pに対する押し上げ作用により加圧ロール62の表面から剥離されている。
つまり、このように配置された剥離爪65は、用紙Pがロール圧接部N1を通過後、用紙P上に形成されたトナー像が冷却固化する以前であることはもちろん、溶融状態を維持している間の非常に早いタイミングにおいてトナー像と加圧ロール62とが接触し続ける状況を解除させ得るため、上記気泡等に基づく画像不良を低減するように作用する。
なお、本実施の形態における剥離距離65Kとしては、通常5mm以下に設定されるが、かかる剥離距離65Kは、適用機種が定める先端余白許容量以下の値として設定することも可能である。
即ち、適用機種によって、用紙Pに印字可能な範囲が設定されており、用紙Pの搬送方向先端部にも印字されない範囲(先端余白許容量)が存在する。ここで、用紙Pの搬送方向先端部が押圧パッド圧接部N2を通過して剥離爪65の設置位置先端まで移動する間は、用紙Pと加圧ロール62とが接触することとなるため、この範囲にトナー像が無いことが望ましい。つまり、剥離距離65Kを先端余白許容量以下の値として設定すれば、用紙P上のトナー像が溶融状態のままで加圧状態が解除されることを、より良好に防止し得ることとなる。
即ち、適用機種によって、用紙Pに印字可能な範囲が設定されており、用紙Pの搬送方向先端部にも印字されない範囲(先端余白許容量)が存在する。ここで、用紙Pの搬送方向先端部が押圧パッド圧接部N2を通過して剥離爪65の設置位置先端まで移動する間は、用紙Pと加圧ロール62とが接触することとなるため、この範囲にトナー像が無いことが望ましい。つまり、剥離距離65Kを先端余白許容量以下の値として設定すれば、用紙P上のトナー像が溶融状態のままで加圧状態が解除されることを、より良好に防止し得ることとなる。
また、本実施の形態の定着装置60においては、剥離爪65を、所定の掬い角65Uをもって配置することが好適である。このような所定の掬い角65Uをもって配置された剥離爪65は、トナー像が形成された用紙Pを、用紙Pのコシによって押圧パッド圧接部N2の下流側近傍から浮かせるように作用する。つまり、用紙Pが押圧パッド圧接部N2を通過直後に、用紙P上に形成されたトナー像と加圧ロール62との接触状態を解除することができ、上記気泡等に基づく画像不良を低減することができる。
なお、両面印刷を行う際にはトナー像と剥離爪65との接触が避けられず、従って、トナー画像の摺擦を低減する工夫が重要となる。掬い角を大きくし過ぎることは、トナー像の摺擦による画像不良の発生につながる可能性がある。また、本実施の形態においては、トナー像と接触する部分に離型性樹脂がコーティングされた剥離爪65が採用されているが、トナー像と接触する部分にコロ等の回転部材を用いて摺擦を低減することも可能である。
更に、本実施の形態の定着装置60において押圧パッド64は、定着ベルト610の外表面を加圧ロール62に押圧する部分の下流側部位における断面形状として、定着ロール62表面の曲率よりも大きな曲率の略円弧形状を有している(図4における略円弧形状64a)。このような押圧パッド64は、それ自身が十分な剥離能力を発揮するように作用する。即ち、押圧パッド圧接N2を通過した定着ベルト610は、押圧パッド圧接N2に倣って移動し、その進行方向は張架ロール615に向けて屈曲するように急激に変化する。そのため、ロール圧接部N1および押圧パッド圧接部N2を通過した用紙Pは、押圧パッド圧接部N2を出た時点で定着ベルト610から剥離され、用紙Pに対する曲率分離が安定的に行なわれる。本実施の形態の定着装置60においては、剥離爪65が押圧パッド圧接部N2の下流側に非常に近接して配置されるため、用紙Pのジャム(詰まり)の発生が懸念される場合がある。しかし、このような断面形状を有する押圧パッド64を用いれば、押圧パッド64の曲率剥離力が高いため、押圧パッド圧接部N2の下流側において補助的なジャム防止装置を設置する必要が無く、用紙Pの通過する広い空間を確保することができ、ジャムの発生頻度を低減させることができる。
なお、用紙Pを定着ベルト610から剥離させる手段としては、エアフロー等の手段を用いることも可能である。
なお、用紙Pを定着ベルト610から剥離させる手段としては、エアフロー等の手段を用いることも可能である。
以下、実施例により本実施の形態を具体的に説明する。但し、本実施例は、本実施の形態を限定するものではない。
図2,3に示す定着装置を構成して画像の定着試験を行い、用紙Pの加圧ロール62に面する側に形成されたトナー像の画像欠陥について評価を行った。結果を、(トナーと定着部材の接触不良による画像欠陥についての評価結果)/(トナーと剥離部材の摺擦による画像欠陥についての評価結果)として下表1に示した。装置の仕様や試験条件については以下の通りである。
[定着ベルト温度]170(℃)
[プロセススピード]264(mm/s)
[定着ベルト仕様]ポリイミド基材(厚さ:80[μm])+シリコーンゴム弾性層(厚さ:160[μm])+PFA表面層(厚さ:30[μm])
[定着ロール仕様]直径:φ65アルミ芯金+PFA表面層(厚さ:300[μm])
[加圧ロール仕様]直径:φ65シリコーンゴム中間層(厚さ:7[mm])+PFA表面層(厚さ:100[μm])
[押圧パッド材質]ステンレス鋼
[圧接部Nにおける荷重]350[kgf]
[圧接部Nの幅]15[mm]
[押圧パッドの押圧荷重]40[kgf]
[剥離爪]厚さ:0.1[mm]、幅:10[mm]の金属製バッフルであり、トナーと接触する部分にテフロン(登録商標)をコーティングした。
[画像]裏面にのみシアン100[%](表面側は別画像を定着済)
[用紙]薄紙コート紙であるOKトップコート紙(王子製紙株式会社製)。84.9[gsm]。
[プロセススピード]264(mm/s)
[定着ベルト仕様]ポリイミド基材(厚さ:80[μm])+シリコーンゴム弾性層(厚さ:160[μm])+PFA表面層(厚さ:30[μm])
[定着ロール仕様]直径:φ65アルミ芯金+PFA表面層(厚さ:300[μm])
[加圧ロール仕様]直径:φ65シリコーンゴム中間層(厚さ:7[mm])+PFA表面層(厚さ:100[μm])
[押圧パッド材質]ステンレス鋼
[圧接部Nにおける荷重]350[kgf]
[圧接部Nの幅]15[mm]
[押圧パッドの押圧荷重]40[kgf]
[剥離爪]厚さ:0.1[mm]、幅:10[mm]の金属製バッフルであり、トナーと接触する部分にテフロン(登録商標)をコーティングした。
[画像]裏面にのみシアン100[%](表面側は別画像を定着済)
[用紙]薄紙コート紙であるOKトップコート紙(王子製紙株式会社製)。84.9[gsm]。
[トナーと定着部材の接触不良による画像欠陥についての評価結果]
定着後の画像に、用紙P中の水分が気化して生じた水蒸気の急激な膨張に由来すると思われる画像欠陥(定着画像にムラが観察される)の有無を、下記基準にて評価した。
◎:画像欠陥無し
○:ルーペを通じて観察可能な、微小な画像欠陥が若干生じたが、肉眼で観察される画像欠陥は生じなかった。
△:肉眼で観察される微小な画像欠陥が若干生じた。
定着後の画像に、用紙P中の水分が気化して生じた水蒸気の急激な膨張に由来すると思われる画像欠陥(定着画像にムラが観察される)の有無を、下記基準にて評価した。
◎:画像欠陥無し
○:ルーペを通じて観察可能な、微小な画像欠陥が若干生じたが、肉眼で観察される画像欠陥は生じなかった。
△:肉眼で観察される微小な画像欠陥が若干生じた。
[トナーと剥離部材の摺擦による画像欠陥についての評価結果]
定着後の画像に、剥離爪との摺擦に由来すると思われる画像欠陥(定着画像に筋状の画像欠陥が観察される)の有無を、下記基準にて評価した。
◎:画像欠陥無し
○:ルーペを通じて観察可能な、微小な画像欠陥が若干生じたが、肉眼で観察される画像欠陥は生じなかった。
△:肉眼で観察される微小な画像欠陥が若干生じた。
定着後の画像に、剥離爪との摺擦に由来すると思われる画像欠陥(定着画像に筋状の画像欠陥が観察される)の有無を、下記基準にて評価した。
◎:画像欠陥無し
○:ルーペを通じて観察可能な、微小な画像欠陥が若干生じたが、肉眼で観察される画像欠陥は生じなかった。
△:肉眼で観察される微小な画像欠陥が若干生じた。
表1の結果から、本実施例の定着装置においてはいずれも用紙の良好な剥離が実現されていた。特に、押圧パッド64を剥離距離:2〜5[mm]、掬い角:10〜40[゜]の条件で配置した場合、画像欠陥が少なく良好な画像が得られた。
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60…定着装置、61…定着ベルトモジュール、62…加圧ロール、64…押圧パッド、65…剥離爪、610…定着ベルト、611…定着ロール、616a,616b,616c…ハロゲンヒータ、612,613,614,615…張架ロール、N…圧接部、P…用紙
Claims (7)
- 定着ベルトと、
前記定着ベルトの内部に配置された定着部材と、
前記定着部材に対して前記定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、
前記定着部材と前記加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、前記定着ベルトの外表面を当該加圧部材に押圧するように配置された押圧部材と、
前記押圧部材の配置位置の下流側近傍に設けられた剥離部材と
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記剥離部材は、前記定着ベルト又は前記加圧部材の表面に接するように配置され、
前記定着ベルト又は前記加圧部材の表面と前記剥離部材との接触位置から前記圧接部の下流側端部までの距離としての剥離距離が5mm以下であり、
前記定着ベルト又は前記加圧部材の表面と前記剥離部材との接触位置における、当該定着ベルト又は当該加圧部材の接面と、当該接触位置における当該剥離部材の接面とのなす角としての掬い角が40°以下であることを特徴とする請求項1記載の定着装置。 - 前記押圧部材は、前記定着ベルトの外表面を前記加圧部材に押圧する部分の下流側部位の断面形状として、前記定着部材表面の曲率よりも大きな曲率の略円弧形状を有することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 定着ベルトと、
前記定着ベルトの内部に配置された定着部材と、
前記定着部材に対して前記定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、
前記定着部材と前記加圧部材との圧接部の下流側近傍に設けられた剥離部材とを備え、
前記剥離部材は、記録材上に形成されたトナー像が溶融状態を維持している間に、前記定着ベルト又は前記加圧部材の表面から当該記録材を剥離させることを特徴とする定着装置。 - 定着ベルトと、
前記定着ベルトの内部に配置された定着部材と、
前記定着部材に対して前記定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、
前記定着部材と前記加圧部材との圧接部の下流側近傍に設けられた剥離部材とを備え、
前記剥離部材は、前記記録材のコシによって前記圧接部の下流側近傍から当該記録材を浮かせるように配置されることを特徴とする定着装置。 - 前記剥離部材は、前記定着ベルト又は前記加圧部材の表面に接するように配置され、
前記定着ベルト又は前記加圧部材の表面と前記剥離部材との接触位置における、当該定着ベルト又は当該加圧部材の接面と、当該接触位置における当該剥離部材の接面とのなす角としての掬い角が40°以下であることを特徴とする請求項5記載の定着装置。 - トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
定着ベルトと、
前記定着ベルトの内部に配置された定着部材と、
前記定着部材に対して前記定着ベルトを介して押圧するように配置された加圧部材と、
前記定着部材と前記加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、前記定着ベルトの外表面を当該加圧部材に押圧するように配置された押圧部材と、
前記押圧部材の配置位置の下流側近傍に設けられた剥離部材と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011123290A (ja) * | 2009-12-10 | 2011-06-23 | Fuji Xerox Co Ltd | 画像形成装置および定着装置 |
JP2011123273A (ja) * | 2009-12-10 | 2011-06-23 | Fuji Xerox Co Ltd | 定着装置および画像形成装置 |
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2006
- 2006-11-17 JP JP2006311672A patent/JP2008129164A/ja active Pending
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