JP2004109665A - ポリイミド樹脂無端ベルトおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内側表面に細かい凸部が形成され、前記凸部が球形面状であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトである。
芯体の表面に球状粒子によるブラスト処理を施すブラスト処理工程と、ブラスト処理後の前記芯体にポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布し、乾燥および焼成してポリイミド樹脂皮膜を形成するポリイミド樹脂皮膜形成工程と、を含むことを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置の加熱定着体等として使用されるポリイミド樹脂無端ベルトおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置においては、トナー像を記録用紙上に加熱定着するための定着体として、金属やプラスチック、またはゴム製の回転体が使用されるが、装置の小型化や省電力化のために、当該回転体には、変形が可能で肉厚が薄い樹脂製ベルトが用いられる(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが好ましい。その材料としては、強度や寸法安定性、耐熱性等の面でポリイミド樹脂が特に好ましい。
【0003】
ポリイミド樹脂無端ベルトは、その前駆体溶液を芯体に塗布し、乾燥、加熱焼成して作製される。当該前駆体は、非プロトン系極性溶剤に酸無水物とジアミンを溶解して合成される。非プロトン系極性溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。合成時の濃度、粘度等は、適宜選択される。
【0004】
ポリイミド樹脂無端ベルトを定着体として使用するには、表面に付着するトナーの剥離性のため、ベルト表面に非粘着性の層を設けることが好ましい。
非粘着層の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が好ましい。
非粘着層には、耐摩耗性や静電オフセットの向上、トナーの付着防止用オイルとの親和性等のために、カーボン粉体や、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機化合物粉体等、フッ素樹脂以外の材料を含んでもよい。
【0005】
定着ベルトとしてのポリイミド樹脂層の厚さは、25〜200μmの範囲が好ましく、非粘着層の厚さは5〜50μmの範囲が好ましい。
【0006】
ポリイミド樹脂で無端ベルトを作製するには、例えば、円筒体の内面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、回転させながら乾燥させる遠心成形法(例えば、特許文献3参照)や、円筒体内面にポリイミド前駆体溶液を展開する内面塗布法がある(例えば、特許文献4参照)。しかし、このように内面に成膜する方法では、管状体として強度を保持できる状態になるまで熱処理した後に、円筒体から皮膜を抜いて外型に載せ換える必要があり、工数が増える問題があった。表面に非粘着層を形成する場合も、外型に載せ換えた後で塗布する必要があった。
また、内面塗布法では、作製されたポリイミド樹脂無端ベルトの内面は、樹脂由来の自然光沢面になるが、ポリイミド樹脂無端ベルトを摺動させて使用する場合には、摺動部材の表面と密着して、摩擦が大きくなることがあった。
【0007】
ポリイミド樹脂無端ベルトの他の製造方法として、芯体の表面に、浸漬塗布法によってポリイミド前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱することにより、芯体外面上にポリイミド樹脂皮膜を形成する方法もある。ポリイミド前駆体溶液が高粘度のために、膜厚が厚くなりすぎる場合には、芯体の外径よりも大きな孔を設けたフロートをポリイミド前駆体溶液に浮かべて、ポリイミド前駆体溶液の膜厚を制御する方法がある(例えば、特許文献5参照)。
この方法では、外型に載せ換える工数が不要であるほか、ポリイミド樹脂皮膜を芯体から剥離すると、その内面は、凹凸を逆にして芯体の表面形状が転写される特徴がある。
【0008】
更に、芯体の表面にポリイミド樹脂皮膜を形成する他の方法として、芯体を回転させながら、高粘度の樹脂溶液をディスペンサーにより供給し、かつディスペンサーを芯体の軸方向に移動させることにより、らせん状に巻回して塗布層を形成する方法もある(例えば、特許文献6参照)。この方法では、高粘度のポリイミド前駆体溶液でも所望の膜厚に塗布は可能であるものの、条件次第では、らせん状の縞模様が発生する事があり、特に膜厚が50μm以上と厚い場合や、ディスペンサーの移動速度を速くした場合には発生しやすかった。
【0009】
一方、非粘着層としてフッ素樹脂層を形成するには、フッ素樹脂が溶剤に不溶性であるため、フッ素樹脂の粉体を水等の溶媒に分散した塗料を塗布した後、溶媒を乾燥し、焼成して加熱溶融する方法がとられる。
ところが、フッ素樹脂層は、記録用紙の表面、及び/又は裏面と接触するので、その表面が荒れていると、記録用紙上のトナー層に荒れた面が転写されて、像が乱れるので、フッ素樹脂層の表面は平滑な方が好ましい。
【0010】
フッ素樹脂分散液の塗布方法として、スプレー塗布法は、表面の平滑性が劣るほか、高価なフッ素樹脂分散液の塗着効率が悪いために、高コストになる問題があって好ましくない。
また、芯体を回転させながら、フッ素樹脂分散液をやはりディスペンサーにより供給し、かつディスペンサーを芯体の回転軸方向に移動させることにより、らせん状に巻回して塗布する方法(例えば、特許文献7参照)もあるが、フッ素樹脂分散液が流延性に乏しいために、らせん状の筋が消えにくい。特に膜厚が25μm以上と厚い場合や、ディスペンサーの移動速度を速くした場合には、らせん筋が発生しやすい。
【0011】
他のフッ素樹脂分散液の塗布方法として、芯体の中心軸が水平方向に対して垂直になるようにして、芯体をフッ素樹脂分散液に浸漬し、次いで引き上げることにより塗布する浸漬塗布方法がある。この方法は、平滑な被膜を形成する場合に好ましい。ところが、フッ素樹脂分散液は、主溶媒が水であるために乾燥が比較的遅い。そのため、図8に示すように、浸漬塗布方法で塗布すると、芯体100の引き上げ最中に、塗膜101に不規則な垂れ102が発生したり、軸方向上下で膜厚のむらを生じることもある。これらの問題は、膜厚が25μm以上の場合に特に発生しやすい。
膜厚むらを防止するには、本出願人がこれまでに開示したように、引き上げ速度を段階的に遅くなるように制御する方法(例えば、特許文献8参照)があるが、塗膜に発生する垂れを充分に防止することはできなかった。
【0012】
また、フッ素樹脂分散液の浸漬塗布時には、下端となる側の部分にも課題がある。例えば、表面に芯体の露出部分があれば、その部分にフッ素樹脂分散液が塗布される。また、ポリイミド樹脂皮膜またはポリイミド前駆体皮膜と芯体の間に隙間があれば、その隙間にフッ素樹脂分散液が侵入することになる。いずれの場合も焼成時にフッ素樹脂が芯体と接着するため、ポリイミド樹脂皮膜の剥離が困難となる問題が生じる。
【0013】
ポリイミド樹脂無端ベルトは、摺動部材と摺動させる際に、内面が粗面になっている方が、摩擦抵抗が小さくなって好ましい場合がある。但し、その場合でも、ポリイミド樹脂無端ベルトの内面は、不均一で乱雑な形状の粗面よりは、ある程度、均一な形状であることが好ましい。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−262903号公報
【特許文献2】
特開平11−133776号公報
【特許文献3】
特開昭57−74131号公報
【特許文献4】
特開昭62−19437号公報
【特許文献5】
特開2002−91027号公報
【特許文献6】
特開平9−85756号公報
【特許文献7】
特開平9−297482号公報
【特許文献8】
特開2001−198930号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、本発明は、摺動部材と摺動させる際に摩擦抵抗が小さいポリイミド樹脂無端ベルトおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、製造時に被膜に垂れを発生させることなく、フッ素樹脂分散液を浸漬塗布法により塗布し、平滑な被膜を形成することが可能なポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法を提供することを目的する。
さらに、フッ素樹脂分散液を浸漬塗布法により塗布し、平滑な被膜を形成し、芯体から容易にポリイミド樹脂皮膜を剥離することが可能なポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法を提供することを目的する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明者は、下記本発明により当該課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明は、
<1> 内側表面に細かい凸部が形成され、前記凸部が球形面状であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトである。
<2> 外側面上にフッ素樹脂層が形成されていることを特徴とする<1>に記載のポリイミド樹脂無端ベルトである。
【0017】
<3> 芯体の表面に球状粒子によるブラスト処理を施すブラスト処理工程と、ブラスト処理後の前記芯体にポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布し、乾燥および焼成してポリイミド樹脂皮膜を形成するポリイミド樹脂皮膜形成工程と、を含むことを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法である。
【0018】
<4> 芯体上にポリイミド樹脂皮膜またはポリイミド前駆体皮膜を形成した後、前記芯体をフッ素樹脂粉体の分散液に浸漬し、次いで塗膜に気流を当てながら前記芯体を引き上げてその表面にフッ素樹脂層を形成することを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法である。
【0019】
<5> 中心軸を水平にして芯体を回転させ、ポリイミド前駆体溶液を前記芯体表面に流下させながらへらで平坦化し、前記ポリイミド前駆体溶液の流下点とへらとを円筒状芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、前記芯体の周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する塗布工程と、
中心軸を水平にして前記芯体を回転させながら前記塗布したポリイミド前駆体溶液の乾燥を行ってポリイミド前駆体皮膜を形成するポリイミド前駆体皮膜形成工程と、
ポリイミド樹脂皮膜を形成した後の前記芯体の少なくとも一方でポリイミド前駆体皮膜の端部に被覆部材を被覆する被覆処理工程と、
前記芯体を、前記被覆部材が設けられた側の端部から、フッ素樹脂粉体の分散液中に浸漬した後、引き上げて前記分散液を前記芯体に塗布する浸漬工程と、
前記芯体から被覆部材を除去して前記芯体を加熱処理する加熱処理工程と
を含むことを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法である。
【0020】
<6> 前記浸漬工程において、前記フッ素樹脂の分散液から前記芯体を引き上げる際に、塗膜に気流を当てることを特徴とする<5>に記載のポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法である。
【0021】
<7> 前記浸漬工程に先立って、ポリイミド前駆体皮膜が形成された芯体を水に浸して、皮膜に残留する溶剤を水に滲出させる滲出処理工程を含むことを特徴とする<5>または<6>に記載のポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトおよびその製造方法について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0023】
<ポリイミド樹脂無端ベルト>
本発明のポリイミド無端ベルト(以下、単に「無端ベルト」ということがある)は、図1に示すように、無端ベルト20の内側表面に細かい凸部22が形成され、その凸部22が球形面状となっている。
かかる球形面状の凸部22が形成されていることで、当該凸部22がロールなどの摩擦相手と接触することになり、摩擦相手とのすべり性を向上させることが可能となる。また、凸部22が球形面状となっているため、摩擦抵抗を小さくしながら摩擦相手との接触部分に傷などが発生することを防ぐことができる。
【0024】
ここで、「細かい凸部が形成されている」とは、摩擦相手と接触する無端ベルトの内側表面の表面粗さRaが0.2〜3.0μm(好ましくは、0.5〜2.0μm)の凹凸を有することをいう。
また、「球形面」とは一般的に、球状になった球形全体と球形の部分的な面の両者をいうが、ここでは、後者を意味する。
【0025】
球面形状の凸部22の曲率は、後述する本発明の第一の製造方法で施されるブラスト処理に使用される球形粒子の大きさがそのまま反映されるものとなる。
【0026】
また、本発明の無端ベルトの外側面上にはフッ素樹脂層が形成されていることが好ましい。フッ素樹脂層は既述の非粘着層として働くため、無端ベルトの使用中に表面に付着するトナーを効率よく剥離することが可能となる。
フッ素樹脂層の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、10〜45μmであることがより好ましい。5μm未満では、速く磨耗することがあり、50μmを超えると、浸漬塗布による形成が困難になることがある。
【0027】
<ポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法>
本発明のポリイミド樹脂無端ベルトの第一の製造方法は、芯体の表面に球状粒子によるブラスト処理を施すブラスト処理工程と、ブラスト処理後にポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布し、乾燥および焼成してポリイミド樹脂皮膜を形成するポリイミド樹脂皮膜形成工程と、を含む。
以下、各工程について説明する。
【0028】
(ブラスト処理工程)
ブラスト処理工程では、まず、芯体の表面に球状粒子によるブラスト処理を施す。
粗面化する方法としては、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法があるが、本発明においては、ポリイミド樹脂無端ベルト内側表面に球形面状の凸部を形成するために、芯体の表面は球状の粒子を用いてブラスト処理を施す。
【0029】
球状粒子によりブラスト処理を施すことで、図1に示すように、芯体1表面に球形面状の凹部21が形成される。後述するポリイミド樹脂皮膜形成工程において、当該凹部21には、ポリイミド前駆体溶液が入り込む。その状態で乾燥、加熱処理等を施すことで、図1に示すように、球形粒子の形状に起因する細かい球面形状の凸部22が表面に形成された本発明の無端ベルトが作製される。
【0030】
ここで使用する芯体の材質は、アルミニウムや、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましいが、熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウムが特に好ましい。芯体の表面は、クロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆してもよい。
なお、アルミニウムは200℃以上に加熱すると、強度が低下して変形を起こしやすく、特に、所定形状への冷間加工中に歪みが蓄積されていると発生しやすい。そこで、その歪みを取り去るために、アルミニウムを焼鈍(焼きなまし)する方法等を適用することが好ましい。但し、焼鈍によっても熱変形が起こり得るので、芯体形状への加工は、焼鈍後に施すことが好ましい。焼鈍は、アルミニウム素材を300〜400℃に加熱し、自然に冷却すればよい。
【0031】
芯体の表面は、表面粗さRaが0.2〜3μm程度、好ましくは0.3〜2.0μmに粗面化する。
ブラスト処理は、直径0.05〜1mm程度(好ましくは0.1〜0.8mm)のガラス、アルミナ、ジルコニア等からなる球状粒子を、圧縮空気によって芯体に吹き付けて行う。
ブラスト粒子として、不定形のアルミナ粒子(例えば一般的な研磨粒子)を用いた場合には、芯体表面の粗面形状も不定形となり、特に鋭角の突起や窪みが形成されやすく、作製されるポリイミド樹脂ベルトの内面にも鋭角の突起や窪みが形成される。ポリイミド樹脂ベルトの内面に鋭角の突起や窪みができると、摩擦相手を不必要に磨耗させたり、摩擦力が大きくなることがあるので好ましくない。
【0032】
なお、図1においては、球面形状の凹部21の大きさが等しく示されているが、実際には、粒子の大きさのばらつきや、粒子がぶつかる位置関係によって、凹部21の大きさも不均一となる。従って、最終的にRaが0.2〜3μm程度になっていればよい。
また、ブラスト処理後の芯体表面には、ポリイミド樹脂が接着しないよう、離型剤を塗布することが好ましい。
【0033】
既述のような球面形状の凹部21(球形の圧痕)を形成しておくと、以下のような効果も得られる。すなわち、芯体にポリイミド前駆体溶液を塗布した後、乾燥などを行うが、このとき、残留している溶剤、または加熱反応時に樹脂から発生する水が除去しきれない場合がある。このような場合、最終的に得られるポリイミド樹脂皮膜に膨れが生じることが避けられないことがあり、これは特にポリイミド樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合に顕著である。しかし、芯体に球面形状の凹部21が形成されていると、ポリイミド樹脂皮膜から生じる残留溶剤または水の蒸気は、芯体とポリイミド樹脂皮膜の間にできるわずかな隙間(凹部21)を通って外部に放出され、皮膜の膨れが生じなくなる。
【0034】
(ポリイミド樹脂皮膜形成工程)
ポリイミド樹脂皮膜形成工程は、ブラスト処理後にポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布し、乾燥および焼成してポリイミド樹脂皮膜を形成する工程である。
【0035】
ポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、後述する回転塗布法や浸漬塗布法等を適用することが好ましい。
ポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布後は、50〜200℃で30〜200分間乾燥して、ポリイミド樹脂前駆体皮膜を形成する。その後、300〜450℃で20〜60分間の焼成処理を施してイミド化反応を進行させて芯体上にポリイミド樹脂皮膜が形成される。
【0036】
芯体上にポリイミド樹脂皮膜またはポリイミド前駆体皮膜を形成した後、芯体をフッ素樹脂粉体の分散液に浸漬して、フッ素樹脂層を形成してもよい。このとき、塗膜に気流を当てながら引き上げて、フッ素樹脂層を形成することが好ましい。
フッ素樹脂粉体の分散液や塗膜に気流を当てながら引き上げる条件については、後述する浸漬工程と同様である。
【0037】
ポリイミド樹脂皮膜形成工程を経た後は、芯体からポリイミド樹脂皮膜を取り外すことで、本発明のポリイミド樹脂無端ベルトが作製される。
このようにして作製された無端ベルトは、芯体に形成された球形の圧痕(球面形状の凹部)に起因する球面形状の凸部が無端ベルトの内側面に転写された形態となる。かかる無端ベルトは、種々の公知な処理が必要に応じて施され、転写ベルトや定着ベルトなどに供される。
【0038】
本発明のポリイミド樹脂無端ベルトの第二の製造方法は、芯体上にポリイミド樹脂皮膜またはポリイミド前駆体皮膜を形成した後、前記芯体をフッ素樹脂粉体の分散液に浸漬し、次いで塗膜に気流を当てながら前記芯体を引き上げてその表面にフッ素樹脂層を形成(浸漬塗布法)して、ポリイミド樹脂皮膜上にフッ素樹脂層が形成されたポリイミド樹脂無端ベルトを製造するものである。
【0039】
ポリイミド皮膜上にフッ素樹脂層を形成する方法として、浸漬塗布法を適用する際に、気流を塗膜に当てる処理を施すことで、迅速に乾燥させることができる。従って、塗膜の不規則な垂れや芯体軸方向での膜厚ムラの発生を防ぐことができる。
なお、フッ素樹脂層を形成する浸漬塗布法については、後述する本発明のポリイミド樹脂無端ベルトの第三の製造方法における浸漬工程と同様である。
【0040】
このとき芯体としては、第一の製造方法と同一のものを使用するが、第一の製造方法のようにブラスト処理を施すことは任意である。第一の製造方法のようなブラスト処理を施した芯体を使用すれば、作製される無端ベルトの内側面に球面形状の凸部が形成され、第一の製造方法で得られる効果を付与することができる。
【0041】
本発明のポリイミド樹脂無端ベルトの第三の製造方法は、いわゆる回転塗布法といわれる方法により、芯体の周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する塗布工程と、これを乾燥してポリイミド前駆体皮膜を形成するポリイミド前駆体皮膜形成工程と、ポリイミド前駆体皮膜の端部に被覆部材を被覆する被覆処理工程と、芯体をフッ素樹脂粉体の分散液中に浸漬する浸漬工程と、芯体を加熱処理する加熱処理工程とを順次含むものである。
以下、各工程について説明する。
【0042】
(塗布工程)
塗布工程は、中心軸を水平にして芯体を回転させ、ポリイミド前駆体溶液を前記芯体表面に流下させながらへらで平坦化し、前記ポリイミド前駆体溶液の流下点とへらとを円筒状芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、前記芯体の周面にポリイミド前駆体溶液を塗布(回転塗布法)する工程である。
【0043】
当該工程における塗布方法(回転塗布法)について、塗布装置の主要部の概略を示す図2により説明する(但し、周辺装置は省略)。図2において、芯体1を矢印A方向に回転させながら、ポリイミド前駆体溶液5を容器3から、ノズル4を通して流下させる。ノズル4は容器3に取り付けてもよいが、両者を離して管で連結し、容器3を別置きに固定してもよい。
流下したポリイミド前駆体溶液5は、へら2により平坦化される。へら2を通過した直後は、ポリイミド前駆体の筋が残ることがあるが、液の流動性により、筋は時間と共に消滅する。ノズル4とへら2とを連動させ、芯体1の一端から他の一端へ(矢印B方向)水平方向に移動させることにより、芯体1の表面全面にわたって塗布することができる。その移動速度が塗布速度といえる。
【0044】
塗布の条件として、芯体1の回転速度は20〜200rpmであることが好ましい。塗布速度Vは、0.1〜1m/分であることが好ましい。なお、塗布速度Vは、芯体の外径k、ポリイミド前駆体溶液の流下量f、所望の濡れ膜厚tと関係があり、V=f/(t・k・π)の式で表わされる(πは円周率を示す)。
【0045】
ポリイミド前駆体溶液を流下させる場合、粘度が高いポリイミド前駆体溶液は、重力だけでは自然に流下しにくいので、エア圧やポンプで押し出すことも有効である。ノズル4と芯体1の流下点との距離は特に限定されるものではないが、流下液が途切れることがないよう、10〜100mm程度が好ましい。液の途切れが生じると、泡を巻き込むことがある。
【0046】
へら2は、ポリイミド前駆体溶液に侵されない材料、例えば、ポリエチレンやフッソ樹脂等のプラスチック、または、真鍮やステンレス等の金属の薄い板から成り、弾力性を有するもので形成される。これを幅10〜50mmに成形し、軽く芯体1に押し当てる。ポリイミド前駆体溶液が通過すれば、へら2は芯体1からある隙間をもって離れ、その際にポリイミド前駆体溶液を押し広げるのである。本塗布方法に好ましいポリイミド前駆体溶液の濃度は、10〜30重量%、粘度は1〜1000Pa・s程度である。
【0047】
へら2がない場合、流下したポリイミド前駆体溶液は筋状のまま芯体上に付着し、平坦になることはない。
【0048】
塗布面は、芯体1の全面にわたって形成されなく、両端に多少の不塗布部が残される。なお、芯体1の両端に、芯体1の外径と同じ外径の円筒体を取り付けて、その円筒体にも塗布するようにすれば、芯体1の全面にわたって塗膜を形成することもできる。その場合は、塗布後に円筒体を取り外し、塗膜を洗浄すればよい。
【0049】
(ポリイミド前駆体皮膜形成工程)
ポリイミド前駆体皮膜形成工程は、中心軸を水平にした芯体を回転させながら前記塗布したポリイミド前駆体溶液の乾燥を行ってポリイミド前駆体皮膜を形成する工程である。
【0050】
芯体上にポリイミド前駆体溶液を塗布後、乾燥をするとポリイミド前駆体皮膜が形成される。乾燥温度は50〜200℃、乾燥時間は30〜200分間が好ましい。その際、溶剤である非プロトン系極性溶剤は極めて乾燥が遅いので、乾燥促進のために温度を上げると、ポリイミド前駆体溶液の粘度が低下し、ポリイミド前駆体塗膜は重力の影響を受けて、乾燥する前に垂れが生じやすい。その場合には、塗布された芯体を、軸方向を水平にして、10〜60rpm程度で回転させながら乾燥するとよい。その場合、回転塗布工程から連続して回転させ続けることが好ましい。
【0051】
(被覆処理工程)
被覆処理工程は、ポリイミド樹脂皮膜を形成した後の前記芯体の少なくとも一方でポリイミド前駆体皮膜の端部に被覆部材を被覆する工程である。
【0052】
乾燥後の時点では、ポリイミド前駆体皮膜には非プロトン系極性溶剤が、最初の含有量の10〜40%程度は残っており、ポリイミド前駆体皮膜はまだ柔軟性を有している。そのため、ポリイミド前駆体皮膜は芯体から取り外せるわけではなく、管状物としての強度を保持していない。一方、管状物としての強度を保持できるほど皮膜を乾燥させた場合には、加熱焼成後にフッ素樹脂との密着性が低下する。
【0053】
乾燥によりポリイミド前駆体皮膜の収縮が起こるので、芯体の両端に多少の不塗布部を残して塗膜を形成した場合は、不塗布面(芯体表面の露出部)が拡大し、芯体の全面にわたって塗膜を形成した場合でも、片端または両端に、芯体表面の露出部が生じることとなる。
【0054】
この工程では、芯体をその中心軸を垂直にした際に、下端側となる部分のポリイミド前駆体皮膜の端部、および芯体表面の露出部分があれば、その部分に被覆部材を被覆する被覆処理を施す。
【0055】
被覆処理について、図3により説明する。図3はポリイミド前駆体皮膜6を形成した芯体1の側面図を示し、その一端に被覆部材として、粘着テープ7を巻いて貼り付けた例である。この場合、後述する浸漬時には、粘着テープ7を貼り付けた側を下端にして、芯体はその中心軸を垂直にされる。反対側、すなわち上端側になる部分は、芯体表面が露出していても、フッ素樹脂分散液への浸漬時、その部分まで浸漬しなければ、芯体表面にフッ素樹脂分散液が付着しないので、被覆しなくてもかまわない。もちろんその部分も被覆すれば、より確実である。
【0056】
なお、被覆処理にはこのほか、被覆部材として幅広のゴムバンドを拡張して被せる方法も好ましい。この場合、使用後のゴムバンドを洗浄すれば、繰り返し使うこともできる。粘着テープやゴムバンドを取り付ける際、芯体と同じ外径の短い円筒体または蓋を、芯体の下端側に取り付けてもよい。
また、他の被覆処理方法として、図5に示すように、芯体1の下端に、その下端をすっぽり覆う被覆部材としてのキャップ11(例えばゴム栓)を取り付けてもよい。
【0057】
被覆部材を設ける範囲は、芯体の端部からポリイミド前駆体皮膜の端部が覆われるまでの範囲とすることが好ましく、具体的には、芯体端部から、芯体の長さの10%に相当する範囲までとすることが好ましい。
かかる範囲で被覆部材を設けることで、ポリイミド樹脂皮膜またはポリイミド前駆体皮膜と芯体の間に隙間にフッ素樹脂分散液が侵入することを防ぐことが可能とになる。その結果、ポリイミド樹脂皮膜の剥離を容易にすることができる。
【0058】
(浸漬工程)
浸漬工程は、芯体を、被覆部材が設けられた側の端部から、フッ素樹脂粉体の分散液中に浸漬した後、引き上げて前記分散液を前記芯体に塗布する工程である。
【0059】
具体的には、図4に示すように、被覆部材70を設けた側を図面上、下側にして芯体1を垂直にし、フッ素樹脂の分散液8が入れられた塗布槽9に浸漬し、引き上げることにより、フッ素樹脂分散液の被膜10が塗布される。フッ素樹脂分散液は、塗布槽9に溜め置きしてもよいが、塗布槽の下部から供給し、上部から溢流させて回収し、ポンプで循環させてもよい。
その場合、図6に示すように、塗布槽9の外側に、芯体1の体積以上の容量を有する外部槽14を設け、塗布槽上部から溢流したフッ素樹脂分散液を受けて溜め、ポンプ15により、外部槽14から塗布槽9へ供給して、フッ素樹脂分散液を循環すると、外部に別の塗料タンクを設けて循環するよりも、高価なフッ素樹脂分散液の総量を少なくできるほか、塗布槽上部から溢流するフッ素樹脂分散液が落流することによる泡立ちが起きにくい利点もある。循環経路にはフィルター16や、粘度計、希釈液追加装置等を付加することも好ましい。
【0060】
かかる浸漬塗布方法に供されるフッ素樹脂分散液としては、フッ素樹脂粉体の粒径が1〜20μm、その分散液濃度は10〜70%、粘度は0.1〜1Pa・s程度が好ましい。
フッ素樹脂分散液の溶媒は、水のほか、エタノールやブタノール等の低級アルコールや、エチレングリコール等のグリコール、またそのエステル類が併用されることもある。溶媒の蒸発により、フッ素樹脂分散液の濃度が上昇した場合には、低級アルコール等を加えて調整すればよい。また、フッ素樹脂分散液には界面活性剤や粘度調整剤等も添加されてよい。
【0061】
フッ素樹脂分散液を塗布槽に入れる前には、脱泡してフッ素樹脂分散液の中から泡を除去するのがよい。なぜなら、界面活性剤が添加されていると、フッ素樹脂分散液は泡立ちが起こりやすく、液中に泡があると塗膜に欠陥が生じるからである。脱泡の方法には、静置することのほか、減圧や遠心分離、ろ過、超音波印加、等の方法がある。なお、水には20℃で窒素が約1.19体積%、酸素が約0.64体積%の溶解度があり、フッ素樹脂分散液には気体が溶存するが、それら溶存気体も減圧によって減少させておくことが好ましい。
【0062】
フッ素樹脂分散液からの芯体の引き上げ速度は、所望の膜厚にもよるが、50〜500mm/分程度である。引き上げの際、フッ素樹脂分散液の塗膜に気流を当てて、溶媒の乾燥を促進する。塗膜に当てる気流は、一方向からよりは、周方向で均一になるよう、周回または環状に当てるのがよい。そのような送風装置(例えば、図4及び図6の送風装置12)としては、例えば特許第2844784号公報や、特許第2629417号公報に記載されているものが挙げられる。
【0063】
気流の風速は、1〜10m/分程度が好ましい。これが弱いと乾燥促進の効果が小さく、強すぎると塗膜に筋やむら等の欠陥を生じる虞がある。また、塗膜に当たった気流が塗布槽に流れると、液面が揺れたり、液面で溶媒の乾燥が生じるので、気流が塗布槽に流れないよう、上向きに当てるのが好ましい。
フッ素樹脂分散液の塗膜に気流を当てることにより、水を主体とする溶媒の乾燥が促進されるので、被膜は垂れを生じる間もなく、乾燥される。これにより、膜厚むらも解消されるので、膜厚むらを防止するための引き上げ速度の制御は、しなくてもよい。
【0064】
ところで、ポリイミド前駆体皮膜をフッ素樹脂分散液に浸漬すると、ポリイミド前駆体皮膜に残留している非プロトン系極性溶剤が、フッ素樹脂分散液に滲出することとなる。前述したように非プロトン系極性溶剤は乾燥が遅いため、その滲出量が多くなってくると、フッ素樹脂分散液が塗布されてからの乾燥も遅くなって、ますます垂れが生じやすくなる問題が出てくる。
そこで、フッ素樹脂分散液の浸漬塗布回数が多い場合には、ポリイミド前駆体皮膜の残留溶剤を減少させておくことが好ましい。そのためには、ポリイミド前駆体皮膜の乾燥をよく行うことのほか、非プロトン系極性溶剤が水とよく相溶する性質を利用して、あらかじめポリイミド前駆体皮膜を水に浸して、非プロトン系極性溶剤を滲出させる方法もある。ポリイミド前駆体皮膜を水に浸す時間は、5〜60秒程度が好ましい。その水には非プロトン系極性溶剤が蓄積していくが、およそ30%の濃度までは問題なく滲出に使うことができる。
フッ素樹脂分散液の塗布後、常温から100℃の間に5〜20分間置いて、塗膜から溶媒を乾燥させる。乾燥の前後に、先に形成した被覆部材を取り外す。
【0065】
加熱焼成後において、フッ素樹脂層とポリイミド樹脂層との密着性が不足する場合は、フッ素樹脂の塗布前に中間層を設けてもよい。その材料としては、加熱焼成時の熱により、酸化物のような無機化合物に変化する、シリコーン化合物、有機ジルコニウム化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物、等の有機金属化合物が好ましい。
【0066】
シリコーン化合物の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
【0067】
有機ジルコニウム化合物の例として、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、ジルコニウムトリエタノールアミン、ジルコニウムアセチルアセトネートトリブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタクリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジルコニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブトキシドなどが挙げられる。
有機チタン化合物の例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポリチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートが挙げられる。
有機アルミニウム化合物の例としては、アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などが挙げられる。
【0068】
中間層は、0.05〜1μm程度の厚みに塗布される。膜厚が薄いので、塗布方法は、浸漬塗布法、スプレー塗布法、らせん状塗布法など、任意の方法でよく、乾燥は自然乾燥でも、温熱乾燥でもよい。
有機金属化合物の中間層を設けた場合、フッ素樹脂分散液は、ポリイミド前駆体皮膜の上に塗布する場合より垂れが少なくなることもあるが、その場合はフッ素樹脂分散液の塗布時に当てる気流は弱めてもよい。
【0069】
(加熱処理工程)
加熱処理工程は、芯体から被覆部材を除去して前記芯体を加熱処理する工程である。
具体的には、芯体から被覆部材を除去した後、300〜450℃の温度で20〜60分間、ポリイミド前駆体皮膜を加熱し、縮合反応させる。その際、フッ素樹脂粉体は溶融焼成されてフッ素樹脂層となる。
なお、ポリイミド前駆体皮膜中に溶剤が残留していると、皮膜に膨れを生じることがある。従って、前記温度に達するまでに、完全に残留溶剤を除去することが好ましく、この工程では、温度を段階的に上昇させたり、ゆっくりと上昇させることが好ましい。
有機金属化合物の中間層がある場合、加熱焼成工程において、有機成分は分解して飛散し、金属化合物の層が形成される。
【0070】
加熱焼成の後、芯体を常温に冷やすと、無端ベルトが形成され、芯体から取り出す事ができる。定着ベルトは、必要に応じて、端部の長さを揃える切断加工、表面の粗さを調整する研磨加工、等が施される。
【0071】
また、第三の製造方法においても、芯体として、第一の製造方法と同一のものを使用するが、第一の製造方法のようにブラスト処理を施すことは任意である。第一の製造方法のようなブラスト処理を施した芯体を使用すれば、作製される無端ベルトの内側面に球面形状の凸部が形成され、第一の製造方法で得られる効果を付与することができる。
【0072】
【実施例】
〔実施例1〕
ポリイミド前駆体溶液として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンとを、N,N−ジメチルアセトアミド中で合成させた、固形分濃度18%(質量%、以下同じ)、粘度約20Pa・sの溶液を用意した。
【0073】
外径70mm、長さ400mmの素管を350℃で10分間加熱し、自然冷却させた後、表面を切削して外径を68mmにしたアルミニウム製円筒を用意した。
次いで、球形アルミナ粒子(不二製作所社製、粒径105〜125μm)によるブラスト処理により、Ra0.8μmに粗面化した後、表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理し、芯体とした。
【0074】
塗布工程として、図2に示すように、芯体1の軸方向を水平にして、120rpmで回転させた。へら2は幅20mm、厚さ1mmのポリエチレンからなり、弾力性を有している。これを芯体1に押し付け、ポリイミド前駆体溶液は、容器3から口径4mmのノズル4を通して、エア圧0.4MPaにて、23ml/minの流量で押し出した。ポリイミド前駆体溶液がへらを通過する際、へらが押し広げられ、へらと芯体の間には隙間ができた。次いで、ノズル4とへら2を180mm/分の速度で、芯体1の一端から他端へ移動させて塗布した。この条件で、芯体1回転あたり、ノズルとへらは1.5mmずつ移動する。なお、塗布の際には、芯体1の両端に5mmずつの不塗布部分を設けた。
【0075】
ポリイミド前駆体皮膜形成工程において、芯体を20rpmで回転させながら、100℃の乾燥炉に入れた。60分後に取り出すと、約150μm厚のポリイミド前駆体皮膜が形成され、残留溶剤は約40%(重量比)であった。この状態ではまだ、皮膜を芯体から取り外すことはできなかった。また、端部皮膜の若干の収縮により、端部の皮膜と芯体との間には、隙間があった。
【0076】
次いで、芯体の一端に円錐形の蓋を取り付け、幅20mmのポリエステルテープ(商品名:No.31B、日東電工製)を被覆部材とし、それを一周にわたって貼り付け、芯体の露出部分とポリイミド前駆体皮膜に被覆をした(被覆処理工程)。
【0077】
一方、PFA水性塗料(商品名:710CL、三井デュポンフロロケミカル社製、濃度60%、粘度400mPa・s、溶媒として水のほかに、エタノール、t−ブタノールを含む)を図4に示すように、内径90mm、高さ480mmの塗布槽9に入れた。塗布槽の上部には、環状に風速5m/分の気流が上方45°に向けて吹き出される環状の送風装置12を取り付けた。
塗布槽中に前記芯体1を、被覆7を下側にして垂直にし、上部のポリイミド前駆体皮膜6を5mmだけ残して浸漬した。次いで気流を当てながら、0.2m/分の速度で芯体1を引き上げ、PFA塗膜10を形成した(浸漬塗布工程)。
【0078】
引き上げ終了後、ポリエステルテープを除去し、下部の蓋を取り外した後、80℃で10分間乾燥した。
最後の加熱処理工程として、150℃で20分間、220℃で20分間、及び380℃で30分間加熱して、ポリイミド樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷えた後、芯体から皮膜を取り外し、75μm厚のポリイミド樹脂無端ベルト上に、30μm厚のPFA層を有する無端ベルト(定着ベルト)を得ることができた。また、ポリイミド樹脂の内面は、Ra0.8μmの粗面であり、その形は球形面状の凸部となっていた。
【0079】
図7に示す定着装置30に、作製した定着ベルトを定着ベルト31として装着して試験を行った。この定着装置30において、定着ベルト31は、定着ロール32と対峙して回転ロール34の回転により駆動する。定着ベルト31の内面は、エンボス加工が施されたポリイミドフィルムからなる圧力パッド33が押圧されて摺動するが、その摩擦力は小さく、定着ベルトの回転に支障はなかった。また、摺動音が発生することもなかった。
【0080】
〔実施例2〕
実施例1において、芯体の露出部分とポリイミド前駆体皮膜の被覆処理として、幅20mmのゴムバンドを引き伸ばしてその部分に被せた。他は同様にしてPFA塗膜を塗布後、ゴムバンドを取り外した。ゴムバンドは有機溶剤には弱いが、PFA水性塗料は主溶剤が水なので劣化することはなかった。取り外したゴムバンドは、水ですすいで洗浄し、再使用に供した。
このようにしても実施例1と同等の定着ベルトを得ることができた。
【0081】
〔実施例3〕
実施例1において、芯体の露出部分とポリイミド前駆体皮膜の被覆処理として、芯体の下端に、図5の断面図に示すように、外径74mm、高さ30mmのゴム栓11を取り付け、塗布後には取り外した。この方法でも、実施例1と同様に塗布することができた。取り外したゴム栓は、水で洗浄し、再使用に供した。
このようにしても実施例1と同等の定着ベルトを得ることができた。
【0082】
〔比較例1〕
実施例1において、ポリイミド前駆体皮膜の上に、PFA水性塗料もポリイミド前駆体溶液と同じ方法で塗布を試みた。かかる方法によれば、芯体の向きを水平にして塗布できるので、垂れを生じにくいし、塗布幅をポリイミド前駆体皮膜より狭くすれば、被覆処理も不必要になることが期待できる。
しかし、PFA水性塗料は、塗布後の流動性が悪いので、らせん状模様がほとんど平坦化されずに残り、PFA被膜の平滑性が劣ったものしかできなかった。これを定着ベルトとして使用したところ、定着画像にはらせん状模様が写された。
【0083】
〔比較例2〕
実施例1において、PFAの塗布の際、気流を当てずに浸漬塗布を行ったところ、芯体を200mmほど引き上げた時点で、図8に示すように、PFA塗膜10の上部から約50mmの部分に、垂れ13が徐々に生じてきて、塗布終了まで垂れは続いた。垂れがある部分は、膜厚が厚くなっており、定着ベルトとしては不合格であった。
【0084】
〔比較例3〕
実施例1において、芯体の露出部分とポリイミド前駆体皮膜に被覆処理をせずに、PFAの浸漬塗布を行った場合、芯体の露出部分に塗布されたPFA被膜は、水で洗浄して除去することもできたが、芯体とポリイミド前駆体皮膜の間に染み込んだPFAは除去することができなかった。そのまま加熱焼成を行ったところ、ポリイミド樹脂皮膜が芯体に貼り付いて、取り外すことができなかった。
【0085】
〔比較例4〕
実施例1において、芯体表面にブラスト処理をしなかった場合、芯体の表面粗さはRa0.1μmであった。この芯体を用いて、他は同様にして、無端定着ベルトを製造した。このベルトの内面粗さはRa0.1μmであり、実施例1の結果より平滑であった。
この定着ベルトも、実施例1と同じように定着試験を行った。その結果、定着ベルトと圧力パッドの摩擦力が実施例1より大きく、定着ベルトを回転させるための駆動力を10%程度、増加させなくてはならなかった。
【0086】
〔比較例5〕
実施例1において、芯体表面にブラスト処理をする際、不定形アルミナ粒子(不二製作所社製、粒径105〜125μm)を用い、芯体の表面粗さがRa0.8μmになるようにして行った。この芯体を用いて、他は同様にして、無端定着ベルトを製造した。このベルトの内面粗さはRa0.8μmであったが、粗さの形状は不定形であり、球状でない微小な突起や窪みがあった。
この定着ベルトの定着試験を行ったところ、定着ベルトと圧力パッドの摩擦力は実施例1より大きく、やはり定着ベルトを回転させるための駆動力を10%程度、増加させなくてはならなかった。また、定着ベルトからはザーという摺動音も発しており、ベルト内面形状が原因と考えられる。
【0087】
〔実施例4〕
実施例1において、PFA水性塗料の塗布槽として、図6に示すように、内径90mm、高さ480mmの塗布槽9の外側に、内径150mm、高さ160mmの外部槽14を取り付けた。PFA水性塗料8を塗布槽9に満たし、更に外部槽の下部から30mmまで入れ、ギヤポンプ15にて、2リットル/分の流量で循環した。PFA水性塗料は乾くと凝集粉になるので、塗布槽の内壁は常に塗料で満たしておくのが好ましく、多数本の塗布をする場合は、実施例1のように液を溜め置くより、この方がよい。なお、循環経路には、200メッシュのフィルター16を介し、凝集粉を除くようにした。
一方、水10リットルを入れた容器を用意し、塗布・乾燥後のポリイミド前駆体皮膜をその中に20秒間、浸漬した。これにより、皮膜中の残留溶剤は約40%から約25%(重量比)に減少した。
その後、他は同様に操作してPFA層の塗布を50本行ったが、実施例1のものと同じ定着ベルトを続けて製造することができた。
【0088】
〔実施例5〕
実施例1において、ポリイミド前駆体の塗布・乾燥までは同じように行った。その上に、ジルコニウムアセチルアセトネートトリブトキシド(商品名:ZC540、松本製薬社製)を乾燥膜厚が0.1μmになるよう浸漬塗布した。10分間の自然乾燥後、実施例1と同様に塗布工程2以後の作業を行い、定着ベルトを得た。このものは、ベルトを切り曲げて行う強制的剥離試験をしたところ、ポリイミド樹脂層とPFA層の密着性は、実施例1のものより強くなっていた。
【0089】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、摺動部材と摺動させる際に摩擦抵抗が小さいポリイミド樹脂無端ベルトおよびその製造方法を提供することができる。
また、製造時に被膜に垂れを発生させることなく、フッ素樹脂分散液を浸漬塗布法により塗布し、平滑な被膜を形成することが可能なポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法を提供することができる。
さらに、フッ素樹脂分散液を浸漬塗布法により塗布し、平滑な被膜を形成し、芯体から容易にポリイミド樹脂皮膜を剥離することが可能なポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】芯体とポリイミド皮膜の関係を示す拡大断面図である。
【図2】回転塗布工程を説明するための概略構成図である。
【図3】被覆処理を説明するための側面図である。
【図4】浸漬塗布工程を説明するための概略断面図である。
【図5】他の被覆処理を説明するための断面図である。
【図6】循環式塗布槽を用いた浸漬塗布装置の概略断面図である。
【図7】定着装置の概略断面図である。
【図8】フッソ樹脂分散液の塗膜に生じる垂れの概要図である。
【符号の説明】
1,100…芯体
2…へら
3…ポリイミド前駆体溶液の容器
4…ノズル
5…ポリイミド前駆体溶液の流れ
6…ポリイミド前駆体皮膜
8…フッソ樹脂分散液
9…塗布槽
10,101…フッソ樹脂分散液塗膜
11…ゴム栓
12…送風装置
14…外部槽
15…ポンプ
16…フィルター
20…ポリイミド樹脂皮膜
21…凹部
22…凸部
30…定着装置
31…定着ベルト
32…定着ロール
33…圧力パッド
34…回転ロール
70…被覆部材
102…垂れ
Claims (7)
- 内側表面に細かい凸部が形成され、前記凸部が球形面状であることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルト。
- 外側面上にフッ素樹脂層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂無端ベルト。
- 芯体の表面に球状粒子によるブラスト処理を施すブラスト処理工程と、ブラスト処理後の前記芯体にポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布し、乾燥および焼成してポリイミド樹脂皮膜を形成するポリイミド樹脂皮膜形成工程と、を含むことを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法。
- 芯体上にポリイミド樹脂皮膜またはポリイミド前駆体皮膜を形成した後、前記芯体をフッ素樹脂粉体の分散液に浸漬し、次いで塗膜に気流を当てながら前記芯体を引き上げてその表面にフッ素樹脂層を形成することを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法。
- 中心軸を水平にして芯体を回転させ、ポリイミド前駆体溶液を前記芯体表面に流下させながらへらで平坦化し、前記ポリイミド前駆体溶液の流下点とへらとを円筒状芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、前記芯体の周面にポリイミド前駆体溶液を塗布する塗布工程と、
中心軸を水平にして前記芯体を回転させながら前記塗布したポリイミド前駆体溶液の乾燥を行ってポリイミド前駆体皮膜を形成するポリイミド前駆体皮膜形成工程と、
ポリイミド樹脂皮膜を形成した後の前記芯体の少なくとも一方でポリイミド前駆体皮膜の端部に被覆部材を被覆する被覆処理工程と、
前記芯体を、前記被覆部材が設けられた側の端部から、フッ素樹脂粉体の分散液中に浸漬した後、引き上げて前記分散液を前記芯体に塗布する浸漬工程と、
前記芯体から被覆部材を除去して前記芯体を加熱処理する加熱処理工程と
を含むことを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法。 - 前記浸漬工程において、前記フッ素樹脂の分散液から前記芯体を引き上げる際に、塗膜に気流を当てることを特徴とする請求項5に記載のポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法。
- 前記浸漬工程に先立って、ポリイミド前駆体皮膜が形成された芯体を水に浸して、皮膜に残留する溶剤を水に滲出させる滲出処理工程を含むことを特徴とする請求項5または6に記載のポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法。
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