JP2006167516A - ポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法、ポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法、ポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法 Download PDF

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武志 米山
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和敏 浜田
Yuichi Yashiki
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Akira Sato
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Abstract

【課題】そこで、本発明は、PI樹脂前駆体溶液の劣化を防止しつつ塗布可能なPI樹脂前駆体溶液の塗布方法、及びこれを利用したPI樹脂無端ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 容器18内に不活性ガスと共に充填されたポリイミド樹脂前駆体溶液14を容器18内から吐出して、被塗布物(芯体10)表面に塗布するポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法。そして、これを利用してPI樹脂無端ベルトの製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布する方法、これを利用して、円筒状芯体表面にポリイミド樹脂前駆体の溶液を塗布し、ポリイミド樹脂無端ベルトを製造する方法に関する。該ポリイミド樹脂無端ベルトは、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置に好ましく使用される。
電子写真装置においては、感光体上のトナー像を記録紙に転写するための転写体や、トナー像を記録紙上で加熱定着するための定着体として、金属やプラスチック、又はゴム製の回転体が使用されるが、装置の小型化や省電力化のために、特許文献1や特許文献2に記載のように、回転体には、変形が可能な、肉厚が薄い樹脂ベルトが用いられることがある。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが好ましい。その材料としては、強度や寸法安定性、耐熱性等の面でポリイミド樹脂が好ましい(以後、ポリイミドはPIと略す)。
PI樹脂は、その前駆体を芯体に塗布し、乾燥し、加熱焼成して作製される。該前駆体は、非プロトン系極性溶剤に酸無水物とジアミンを溶解して合成されたものである。
PI樹脂無端ベルトの製造方法として、芯体の表面に、浸漬塗布法によってPI樹脂前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱することにより、芯体外面上にPI樹脂皮膜を形成する方法がある。PI樹脂前駆体溶液が高粘度のために、膜厚が厚くなりすぎる場合には、特許文献3開示の如く、芯体の外径よりも大きな孔を設けた環状体をPI樹脂前駆体溶液に浮かべて、PI樹脂前駆体溶液の膜厚を制御する方法がある。
また、芯体の表面にPI樹脂前駆体溶液を塗布する他の方法として、特許文献4に記載のように、回転させた芯体に塗布溶液を流下させつつ、へらで塗布溶液を平坦化し、塗布溶液の流下点とへらを円筒状芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、PI樹脂前駆体溶液をらせん状に塗布する方法(以下「らせん塗布法」と言う場合もある)もある。
特開平8−262903号 特開平11−133776号 特開2002−91027号 特開平10−69183号
これらの塗布方法において、PI樹脂前駆体溶液は空気に触れると、酸素や水分の影響により、加水分解して縮合反応が起きにくくなったり、皮膜強度が低下したり、又は溶液がゲル化物を生じて塗布しにくくなる等の劣化をきたすことがあった。この劣化は、溶液を10日程度以上、空気に触れさせると生じやすい。また、芯体外面上にPI樹脂前駆体溶液を塗布する方法においては、広い面積で空気に触れるので劣化の影響を受けやすく、塗布前の溶液は極力、空気に触れさせない方が良い。
そこで、本発明は、PI樹脂前駆体溶液の劣化を防止しつつ塗布可能なPI樹脂前駆体溶液の塗布方法、及びこれを利用したPI樹脂無端ベルトの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明のPI樹脂前駆体溶液の塗布方法は、容器内に不活性ガスと共に充填されたPI樹脂前駆体溶液を前記容器内から吐出して、被塗布物表面に塗布することを特徴としている。
本発明のPI樹脂前駆体溶液の塗布方法においては、前記容器内に前記不活性ガスを加圧しつつ充填することで、前記PI樹脂前駆体溶液を押出して吐出すことが好適である。
本発明のPI樹脂前駆体溶液の塗布方法においては、前記PI樹脂前駆体溶液を前記容器内から吐出して被塗布物表面に塗布した後、塗膜面を平滑化することが好適である。このとき、前記塗膜面を平滑化する平滑化手段を、平滑化前又は後に洗浄することも好適である。
そして、前記平滑化手段の洗浄は、前記平滑化手段とスポンジとを当接して行うことが好適である。また、前記スポンジは、溶剤が含浸していることが好適である。
一方、本発明のPI樹脂無端ベルトの製造方法は、上記本発明のPI樹脂前駆体溶液の塗布方法により、前記PI樹脂前駆体溶液を円筒状芯体表面に塗布し、加熱して乾燥と反応を行ってPI樹脂皮膜を形成し、これを円筒状芯体から抜き取って得ることを特徴としている。
本発明によれば、PI樹脂前駆体溶液の劣化を防止しつつ塗布可能なPI樹脂前駆体溶液の塗布方法、及びこれを利用したPI樹脂無端ベルトの製造方法を提供することができる。
以下、本発明について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る塗布装置の主要部分を示す概略構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る塗布装置の主要部分の芯体軸方向から見た側面図である。
本実施形態の塗布装置は、らせん塗布法に適用される装置であり、被塗布物である円筒状芯体10が図示しない保持部材により両端が保持され、保持部材を介して回転駆動される構成としている。
また、芯体10の周辺には、PI樹脂前駆体溶液12を流下して芯体10表面にPI樹脂前駆体溶液12を付着させ流下装置14(流下手段)が配置されている。
流下装置14は、例えば、PI樹脂前駆体溶液12を流下させるノズル16と、図示しないノズル16へPI樹脂前駆体溶液12を供給する容器18とから構成されている。容器18としては、例えば、メニカスシリンダー、スクリューなどを利用した装置が適用される。流下装置14は、ノズル16と容器18とが連結管により連結してノズル16と容器18とが分離して別置している形態でもよいし、ノズル16と容器18とが一体的に構成された形態でもよい。本実施形態では、容器18とノズル16とが別体で、ポンプ20を介して連結した形態を説明する。また、ノズル16と容器18との間には例えば電磁弁を介在させて流下量を制御してもよい。
そして、容器18内にはPI樹脂前駆体溶液12と共に不活性ガスが満たされており、容器内のPI樹脂前駆体溶液12が空気に触れ難くしていいる。ここで、不活性ガスとは、PI樹脂前駆体溶液に対して不活性であるものを示し、具体的には、例えば窒素、アルゴン、二酸化炭素等が挙げられる。
通常、PI樹脂前駆体溶液は粘度が高いので自然には流下しないので、ポンプ20を用いるて流下させる。塗膜の膜厚は溶液の吐出量によって定まるのため、塗布中は吐出量を一定にしなくてはならない。溶液の吐出は、加圧エアで容器から押し出す方法でもよいが、定量化を確実にするには、ポンプ20で供給するのがよい。そのポンプ20として、途切れなく一定量を吐出することが可能であるモーノポンプが好ましい。
さらに、容器18からディスペンス用モーノポンプまで溶液を供給するために、別のモーノポンプを設置するのもよい。そのポンプはディスペンス用モーノポンプより供給能力の高いポンプを採用し、ディスペンス用モーノポンプでの吐出量より多めに供給する。
また、本実施形態はポンプによりPI樹脂前駆体溶液を流下させる形態を説明しているが、容器18内に不活性ガスを加圧して充填しつつ、容器18からノズル16を通じてPI樹脂前駆体溶液12を押出して吐出させることもできる。但し、流量が変化する場合があるので、流量を安定化するためには、やはりポンプを用いるのがよい。
ノズル16と芯体10の距離は任意でよいが、流下液が途切れることがないよう、10〜100mm程度が好ましい。液の途切れが生じると、泡を巻き込むことがある。
一方、芯体10の周辺には、芯体10へ付着したPI樹脂前駆体溶液12を平滑化するへら22が配置されている。へら22は、PI樹脂前駆体溶液に侵されない材料、例えば、ポリエチレンやフッソ樹脂等のプラスチック、又は、真鍮やステンレス等の金属の薄い板から成り、弾力性を有するもので形成される。これら材料を幅10〜50mmに成形したへら22は、軽く芯体10に押し当てられる。塗布されたPI樹脂前駆体溶液12が通過すれば、へら22は芯体10からある隙間をもって離れ、その際にPI樹脂前駆体溶液12を押し広げるのである。
流下装置14(ノズル16)及びへら22は、PI樹脂前駆体溶液12の芯体10への付着及び平滑化に伴い、芯体の回転毎に付着部及び平滑化部が相対的に芯体10の一端から他の一端へ水平方向(矢印B)に移動させる。この構成は、図示しないが、流下装置14(ノズル16)及びへら22を移動させる構成としてもよいし、芯体10が移動する構成としてもよく、周知の技術により構成することができる。
流下装置14(ノズル16)及びへら22とを連動させ、芯体10の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、芯体10の表面に塗布することができる。その移動速度が塗布速度と言える。
塗布時の条件は、芯体10の回転速度が20〜200rpmであり、塗布速度Vは、芯体の外径k、PI樹脂前駆体溶液の流下量f、所望の濡れ膜厚tと関係があり、V=f/(t・k・π)の式で表わされる。πは円周率を示す。
本実施形態に係る塗布装置では、まず、芯体10を矢印A方向に回転させながら、流下装置14のノズル16から、PI樹脂前駆体溶液12を流下させて芯体10にPI樹脂前駆体溶液12を付着する。これと共に、へら22により芯体10に付着したPI樹脂前駆体溶液12を平滑化する。そして、芯体10の回転毎に付着点及び平滑化点を、芯体10の一端から他の一端へ水平方向(矢印B)に移動させる。このようにして、PI樹脂前駆体溶液12が芯体10外周面に塗布され、塗膜が形成される。
以上、説明したように本実施形態では、流下装置14における容器18に、PI樹脂前駆体溶液12と共に不活性ガスを充填しているため、容器18内でPI樹脂前駆体溶液12が消費されても空気と触れ難くなり、効果的に当該溶液の劣化を防止することができる。
通常、PI樹脂前駆体溶液12は、酸素や水分による劣化を防止するために空気に触れさせないのがよいが、かといって、PI樹脂前駆体溶液を密閉した状態や、真空状態で保管するのは、使用可能状態に戻すための手間が多くかかるので、好ましくない。このため、上記構成とすることで、酸素や水分を含んだ空気との接触を防止することで、効果的に劣化が防止される。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る塗布装置における流下装置の容器内を示す部分構成図である。
本実施形態に係る塗布装置は、図3に示すように、流下装置14の容器18内に満たされたPI樹脂前駆体溶液12の液面に、落し蓋23(浮かし蓋)を配置する形態である。
落し蓋23は、その外寸を容器の内寸とほぼ合致するような形状であり、且つ溶液上に浮く構成であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどから構成される板状体を利用することができる。
これ以外の構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上、説明した本実施形態では、第1実施形態と同様に、落し蓋23を溶液液面に配置することで、容器18内でPI樹脂前駆体溶液12が消費されても空気と触れ難くなり、効果的に当該溶液の劣化を防止することができる。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係る塗布装置の主要部分を示す概略構成図である。
本実施形態に係る塗布装置は、芯体10の一方の端部付近に、へら22を洗浄するための洗浄部材24が設けられた形態である。
塗布の際、へら22にはPI樹脂前駆体溶液12が付着することになるが、程度が少ないうちは問題がないものの、量が多くなって、へら22の周囲や裏面にも回り込んだりすると、過剰の液が塗膜に再付着して、塗膜に筋が形成される。そこで、塗布の前後に、へら22を洗浄部材24により洗浄する。
洗浄部材24には、へら22表面に溶剤を滴下する形態、へら22表面を拭き取る形態等があるが、本実施形態ではへら22表面を拭き取る形態を適用した場合を説明する。
洗浄部材24の構成材料には、例えば、スポンジ、織物、紙などに代表される吸水性の部材が好適に適用できる。これらの中でも、スポンジが特に好適である。また、洗浄部材24には、へらの洗浄を効果的に行うために、塗布液と同じ溶剤を染み込ませておくことがよい。
また、洗浄部材24の形状は、例えば、ロール状、円盤状、などの形態を適用することができる。
洗浄部材24によるへら22の洗浄形態としては、例えば、図5に示すように一つのロール状の洗浄部材24にへら22を押し当てて洗浄する形態、図6に示すように一対のロール状の洗浄部材24にへら22を挟持して洗浄する形態、図7に示すように一対の円盤状の洗浄部材24にへら22を挟持して洗浄する形態が挙げられる。
いずれの洗浄形態でも、洗浄中に洗浄部材24を回転させたり、例えば10〜30mmの範囲で振動させたりすることで、効果的に洗浄を行うことができる。
また、図5及び図6に示す洗浄部材24の幅(ロール軸方向の幅)をへら22幅よりも大きくすることで、常にきれいな拭き取り位置を確保することができる(例えば、へら22幅と同じ場合に比べ、2〜5倍の拭き取り位置を確保することができる)。一方、図7に示す形態の場合、洗浄毎に洗浄部材24を所定範囲回転させることで、常にきれいな拭き取り位置を確保することができる(例えば、回転させない形態に比べ、へら22幅に応じて3〜30倍の拭き取り位置を確保できる)。
なお、図6及び図7の形態の場合、一対の洗浄部材24間は、へら22が洗浄部材に当たりながら前進するのを防ぐためにも3〜8mm程度開けることが望ましい。
洗浄部材24による洗浄は、塗布の前に行ってもよいが、塗布後にしておくのが確実である。それには、へら22が芯体10の端部に到達して塗布が終了した時に、さらにへら22を洗浄部材24が設置されている位置に移動させればよい。洗浄後、へら22は塗布の開始位置に戻される。
これ以外の構成は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上、説明した本実施形態では、洗浄部材24により、へら22平滑化前又は後に洗浄することことで、へら22による塗膜の平滑化を確実に実施することができる。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る塗布装置の円筒状芯体の一例を示す斜視図である。図9は、本発明の第4実施形態に係る塗布装置の円筒状芯体の他の一例を示す斜視図である。図10は、本発明の第4実施形態に係る塗布装置の円筒状芯体の他の一例を示す斜視図である。
らせん塗布方法を適用してのベルト作製においては、円筒状芯体10の表面にPI樹脂前駆体溶液12を塗布し、円筒状芯体10をその中心軸を水平にして回転させながらPI樹脂前駆体溶液12を加熱乾燥した後、必要に応じて、PI前駆体皮膜の表面にフッ素樹脂をコーティングし、加熱してベルト体とした後、円筒状芯体からベルトを抜き取って外すことにより、ベルトを作製する。
その際、円筒状芯体10の両端部は、回転させるために駆動力を伝えたりする時に回転ローラーとの接触によって傷が発生したり、アルミ等の変形しやすい円筒状芯体10を専用冶具に縦に置いた際に変形して膨らみ(凸部)が発生してしまう。このような傷や膨らみ(凸部)が生じると、芯体10からベルトを抜き取る差、その部位に引っかかり、ベルトが円筒状芯体10から取り外せなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、図8、図9及び図10に示すように、両端部の外径が中央部の外径よりも小さい円筒状芯体10を用いて、両端部に上記傷や膨らみ(凸部)が生じても、ベルトが円筒状芯体から取り外せるようにする。
芯体10は、図8に示すように、両端部を切削することで全体の内径を変化させずに、中央円筒部分10Aと、中央円筒部分10Aよりも外径の直径が小さくなっている両端円筒部分10Bとで構成した形態が挙げられる。また、図9に示すように、絞り加工等で両端部の内径を小さくして、中央円筒部分10Aと、中央円筒部分10Aよりも外径の直径が小さくなっている両端円筒部分10Bとで構成した形態が挙げられる。このように、これらの形態は中央円筒部分10Aと両端円筒部分10Bが一体成形されている。
また、芯体10は、図10に示すように、両端円筒部分10Bに乾燥時のための回転用の溝10Cを切ったり(絞り加工や切削加工等)することもできる。また、両端円筒部分10Bには、滑り止め加工(ブラスト加工等)を施す事も可能である。
以上、説明した本実施形態では、両端部の外径が中央部の外径よりも小さい円筒状芯体10を用いることで、例えば、駆動用の回転ローラによって両端部に傷が付いたり、専用冶具に置く際に両端部が変形して膨らみ(凸部)が生じても、容易に、ベルトが円筒状芯体10から取り外せることが可能となる。
(第5実施形態)
本実施形態では、上記第1〜4実施形態に係る塗布装置を適用して、PI樹脂無端ベルトを製造する方法について説明する。
本実施形態は、PI樹脂前駆体溶液12を円筒状芯体10表面に塗布し、加熱して乾燥と反応を行ってPI樹脂皮膜を形成し、これを円筒状芯体から抜き取って得る方法である。この際、PI樹脂前駆体溶液12の固形分比率を10〜40%(重量%、以下同じ)とし、塗膜形成後、芯体10を1〜60分間回転させ続け、次いで乾燥皮膜中の固形分比率が50%以上になるまで回転させながら乾燥することが好適である。以下、本実施形態について詳細に説明する。
まず、上記実施形態に従って、芯体10の表面にPI樹脂前駆体溶液の塗膜を形成する。
塗布条件として、芯体回転速度は20〜250rpm程度(好ましくは20〜200rpm)、吐出口とへらの水平移動速度は0.1〜1m/分程度が好ましい。PI樹脂の場合は、その前駆体溶液を塗布する。らせん塗布法に好適なPI樹脂前駆体溶液の粘度は1〜150Pa・s、固形分比率は10〜40%が好ましく、10%未満では回転させても塗膜の垂れを防止するのが困難であり、40%を越えると、塗膜にらせん状の筋が残りやすい。
また、塗布後、塗膜が下方に垂れないよう、芯体を水平に回転させたまま、1〜60分間保持させる。この時間が短いと、塗膜に筋が残ることがある。逆に長すぎるのは工程上の無駄であるばかりか、その間に塗膜に異物が付着して欠陥を発生する虞がある。
ここで、PI樹脂前駆体としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミノ化合物とから得られるポリアミック酸が好ましい。PI前駆体を溶解する溶剤としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド等の非プロトン系極性溶剤が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸の代表例としては、例えば、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,4’ −ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、あるいはこれらのテトラカルボン酸エステル、又は上記各テトラカルボン酸類の混合物等が挙げられる。
一方、芳香族ジアミン成分としては、パラフェニレンジアミン(PDA)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジメトキシベンチジン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
なお、PI樹脂無端ベルトを転写体として使用するには、PIを半導電性にする必要があるが、それにはカーボンブラックや導電性金属酸化物等の導電性材料をPI樹脂前駆体溶液に分散する。
また、芯体10の材質は、アルミニウムや、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましいが、熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウムが特に好ましい。芯体10表面は、クロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆してもよい。芯体10表面には、PI樹脂皮膜が接着しないよう、離型剤を塗布することが好ましい。
後述する乾燥時に、残留している溶剤、あるいは加熱反応時に樹脂から発生する水が除去しきれない場合、PI樹脂皮膜に膨れが生じることが避けられないことがあり、これは特にPI樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合に顕著であるが、その場合、芯体10表面の粗面化が有効である。すなわち、PI樹脂皮膜から生じる残留溶剤又は水の蒸気は、芯体とPI樹脂皮膜の間にできるわずかな隙間を通って外部に出ることができ、膨れが生じなくなる。粗面化の粗さは、Raで0.2〜2μm程度が好ましい。
芯体10表面の粗面化の方法には、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法がある。特に、PI樹脂ベルト内面を球状凸形状にするために、芯体10の表面は、球状の粒子を用いてブラスト処理を施すのがよい。ブラスト処理とは、直径0.1〜1mm程度のガラス、アルミナ、ジルコニア等からなる粒子を、圧縮空気によって芯体に吹き付けて圧痕を形成させる方法である。ブラスト粒子として、不定形のアルミナ粒子(例えば一般的な研磨粒子)を用いた場合には、芯体10表面の粗面形状も不定形となり、特に鋭角の突起や窪みが形成されやすく、作製されるPI樹脂ベルトの内面にも鋭角の突起や窪みが形成されて好ましくない。
次いで、芯体10を回転させながら乾燥装置に移動させて加熱乾燥を行う。乾燥装置中の回転速度は5〜60rpm程度、加熱条件は90〜170℃の温度で20〜60分間が好ましい。その際、温度が高いほど加熱時間は短くてよく、温度は、段階的又は一定速度で上昇させてもよい。
芯体10上の塗膜は乾燥の進行に伴って、固形分比率が上昇していくが、固形分比率が50%以上になると、塗膜の垂れはほぼなくなってくる。
一般に、加熱装置に芯体を回転させるための装置を設けると、設備が複雑になり、費用が増加するので、回転しながらの加熱乾燥時間はなるべく短くして、いったん芯体を取り出して、回転装置のない別の加熱装置で加熱を継続するのがよい。そこで、本実施形態では、固形分比率が50%以上になるまでは芯体を回転させたまま加熱乾燥し、それ以後は、回転させることは不要とするものである。それ以後の加熱は、芯体10は水平のままでもよいし、垂直に立ててもよい。垂直に立てる方が複数の芯体を高密度に加熱装置に入れることができて好都合である。
なお、PI樹脂前駆体溶液は、塗膜から溶剤を除去しすぎると、皮膜はまだ強度を保持していないので、割れを生じやすい。そこで、固形分比率は高くしすぎず、具体的には85%以下であることが好ましい(50〜80%が好適である)。但し、芯体10を、回転装置が付いた加熱装置から、回転装置のない別の加熱装置に移動させるまでの時間が短く、芯体の温度が冷えない場合は、皮膜に割れを生じにくいので、乾燥後の固形分比率は85%以上であっても良い。
その後、芯体を回転装置のない別の加熱装置に移し、250〜450℃、好ましくは300〜400℃前後で、20〜60分間、皮膜を加熱して残りの溶剤を全て乾燥させ、縮合反応させることで、樹脂皮膜が形成される。加熱温度は、段階的に上昇させてもよい。
冷却後、形成された皮膜を芯体から剥離して無端ベルトが得られる。無端ベルトには、さらに必要に応じて、穴あけ加工やリブ付け加工、等が施されることがある。
無端ベルトを転写ベルトや接触帯電ベルトとして使用する場合には、PI樹脂前駆体溶液の中に必要に応じて導電性物質を分散させる。導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物、等が挙げられる。前述したように皮膜が収縮すると抵抗値にむらを生じるが、収縮を防止することにより、抵抗値も均一にすることができる。これらの用途に好ましい無端ベルトの膜厚は30〜150μm程度である。
無端ベルトを定着ベルトとするには、PI樹脂の表面に、トナーに対して非粘着性のフッ素樹脂層を形成する。その材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂が好ましい。また、非粘着性の樹脂皮膜には、耐久性や静電オフセットの向上のためにカーボン粉末が分散されていてもよい。定着ベルトにおいて、PI樹脂層の厚さは25〜100μm、フッ素樹脂層の厚さは10〜50μmの範囲が好ましい。
フッ素系樹脂皮膜を形成するには、その水分散液をPI樹脂の表面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。また、フッ素系樹脂皮膜の密着性が不足する場合には、必要に応じて、PI樹脂表面にプライマー層をあらかじめ塗布形成する方法がある。
PI樹脂表面にフッ素系樹脂皮膜を形成するには、加熱されたPI樹脂皮膜を芯体の表面に形成してから、これらを塗布してもよいが、PI樹脂前駆体溶液を塗布して加熱乾燥させ、常温にしてからフッ素系樹脂分散液を塗布し、その後に加熱してイミド化反応とフッ素系樹脂皮膜の焼成処理を同時に行ってもよい。この場合、プライマー層がなくてもフッ素系樹脂皮膜の密着性が強固になる。この方法では、乾燥後の固形分比率は50〜85%であるPI樹脂前駆体皮膜にフッ素系樹脂分散液を塗布するのがよい。50%未満では皮膜に垂れが生じるし、85%を越えると皮膜が割れやすくなるためである。
フッ素樹脂分散液を塗布するには、浸漬塗布法が好ましい。その場合、まず、乾燥皮膜又はPI前駆体皮膜の端部、及び芯体10表面の金属露出部に被覆処理を施す。必要に応じて、芯体10の下端側となる部分に蓋を嵌める。被覆処理には、蓋も合わせて、皮膜の端部と芯体表面露出部とを覆うように粘着テープを貼り付ける方法がある。
次いで、図11に示すように、芯体10を保持部材30に取り付け、塗布槽32内のフッ素樹脂分散液34に浸漬し、引き上げることにより、フッ素樹脂分散液の被膜34Aが形成される。フッ素樹脂分散液34は、塗布槽32に溜め置きしてもよいが、図に示すように、塗布槽32の外側に、芯体10の体積以上の容量を有する外部槽36を設け、ポンプ20により、塗布槽32の下部から供給し、上部から溢流させて、循環させるのがよい。
このようにして循環をさせると、フッ素樹脂分散液34の沈降や凝集を防止でき、液の表面を常に新鮮な状態に確保することができる。外部槽36との間で循環させることは、外部に別の塗料タンクを設けて循環するよりも、高価なフッ素樹脂分散液の総量を少なくできるほか、塗布槽32上部から溢流するフッ素樹脂分散液が、外部塗料タンクに落流することによる泡立ちが起きにくい利点もある。循環経路にはポンプ38、フィルター40を付加している。また、循環経路には粘度計、希釈液追加装置等も付加してもよい。また、また、フッ素樹脂分散液34の塗膜に気流を当てて、乾燥を促進させるために環状の送風装置42を設けている。
フッ素樹脂分散液には、粒径が0.1〜20μmのフッ素樹脂粉体が分散されている。複数の粒径の粉体を混合しても良い。溶媒は、水のほか、エタノールやブタノール等のアルコールや、エチレングリコール等のグリコール、またそのエステル類を併用してもよい。また、界面活性剤や粘度調整剤等も添加してもよい。カーボン粉体や、酸化チタン、硫酸バリウム等のフッ素樹脂以外の材料を含ませる場合、フッ素樹脂分散液の中にこれらを混ぜて分散すればよい。
フッ素樹脂分散液に界面活性剤を添加しあると、非常に泡立ちやすく、また一旦、泡が形成された場合は、泡が消えにくいので、塗布に先立って、脱泡処理をするのが良い。脱泡の方法には、長期静置のほか、減圧や遠心分離、ろ過、超音波印加、等の方法がある。
フッ素樹脂分散液の固形分比率は、塗布する膜厚にもよるが、10〜70%であることが好ましく、粘度は0.1〜1Pa・s程度であることが好ましい。溶媒の蒸発により、フッ素樹脂分散液の濃度が変化した場合には、水やアルコール等を加えて調整すればよい。
フッ素樹脂分散液を塗布する際、芯体の引き上げ速度は、所望の膜厚にもよるが、50〜500mm/分程度である。引き上げの際、フッ素樹脂分散液の塗膜に垂れが生じる場合、送風装置(図11の環状の送風装置42)を設けて、塗膜に気流を当て、溶媒の乾燥を促進することが好ましい。塗膜に当てる気流は、周方向で均一になるよう、環状に当てるのがよい。塗膜に気流を当てることにより、溶媒の乾燥が促進されるので、被膜は垂れを生じにくくなる。
ここで、芯体を浸漬し、引き上げて塗布すると、芯体の上部と下部とでは、芯体上の皮膜がフッ素樹脂分散液と接触している時間が相違する。その際、皮膜中に含まれている溶剤量(固形分の逆)によっては、フッ素樹脂分散液の塗膜に、むら等の不均一が生じることがある。これを防止するには、芯体の浸漬時間を長くして、芯体の上部と下部で、フッ素樹脂分散液と接触している時間の差の比率が小さくなるようにすればよいことがわかった。その時間は、およそ20分間であった。すなわち、芯体をフッ素樹脂分散液に20分以上浸漬するようにすれば、芯体の上部と下部でのフッ素樹脂分散液塗膜の均一性が向上する。
そして、PI樹脂前駆体溶液の乾燥皮膜の上にフッ素樹脂分散液の塗膜を形成した後、上記同様の加熱処理を施す。このようにして、PI樹脂層上にフッ素樹脂層がコーティングされた無端ベルトを得ることができる。
上記何れの実施形態においても、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
[実施例1]
(実施例1−1)
PI樹脂前駆体溶液として、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンが、N−メチルピロリドン中で合成された、固形分濃度18%(重量%、以下同じ)、粘度約20Pa・sの溶液を用意した。
外径70mm、長さ400mmの素管を350℃で10分間加熱し、自然冷却させた後、表面を切削して外径を68mmにしたアルミニウム製円筒を用意した。次いで、球形アルミナ粒子によるブラスト処理により、Ra1.0μmに粗面化した後、表面にシリコーン系離型剤(商品名:セパコート、信越化学(株)製)を塗布し、芯体とした。
この芯体を回転させながら塗布する方法(らせん塗布法)により、芯体の軸方向を水平にして、120rpmで回転させる。へらは幅20mm、厚さ0.3mmのステンレス板からなり、弾力性を有している。これを芯体に押し付け、PI樹脂前駆体溶液は、容量壱リットルの容器から口径4mmのノズルを通して押し出す。すなわち、容器にPI樹脂前駆体溶液を入れ、窒素ガス(不活性ガス)を封入し、圧力0.4MPaにて、23ml/minの流量で押し出す。容器とノズルの間には、電磁弁を介在させて塗布開始と終了時の流下を制御する。
塗布の際、PI樹脂前駆体溶液がへらを通過すると、へらが押し広げられ、へらと芯体の間には隙間ができた。次いで、ノズルとへらを180mm/分の速度で、芯体の一端から他端へ移動させて塗布した。この条件で、芯体回転あたり、ノズルとへらは1.5mmずつ移動する。なお、塗布の際には、芯体の両端に5mmずつの不塗布部分を設けた。
塗布後、芯体を20rpmで2分間回転させた後、20rpmで回転させながら、100℃の乾燥炉に入れた。60分後に取り出すと、約150μm厚のPI前駆体皮膜が形成され、残留溶剤は約40%(重量比)であり、固形分比率は60%であった。この状態ではまだ、皮膜を芯体から取り外すことはできなかった。また、端部皮膜の若干の収縮により、端部の皮膜と芯体との間には、隙間が生じていた。
次いで、芯体の一端に円錐形の蓋を取り付け、幅20mmの粘着テープ(商品名:No.31B、日東電工製)を一周にわたって張り付け、芯体の露出部分とPI前駆体皮膜に被覆をした。
一方、PFA水性塗料(商品名:710CL、三井デュポンフロロケミカル社製、濃度60%、粘度400mPa・s、溶媒として水のほかに、エタノール、t−ブタノールを含む)を、内径90mm、高さ480mmの塗布槽に入れた。塗布槽の上部には、環状に風速5m/分の気流が上方45°に向けて吹き出される環状送風装置を取り付けた。
塗布槽中に芯体を、粘着テープ被覆側を下側にして垂直にし、上部のPI前駆体皮膜を5mmだけ残して浸漬した。次いで気流を当てながら、0.2m/分の速度で芯体を引き上げ、PFA塗膜を形成した。
引き上げ終了後、粘着テープを除去し、下部の蓋を取り外した後、80℃で10分間乾燥した。
最後の加熱焼成工程として、150℃で20分間、220℃で20分間、及び380℃で30分間加熱して、PI樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷えた後、芯体から皮膜を取り外し、75μm厚のPI樹脂上に、30μm厚のPFA層を有する無端ベルトが作製できた。
また、10日間塗布を休止した後、再度、上記ベルト作製を行ったところ、そのまま再開することができた。これにより、容器内にPI樹脂前駆体溶液と共に窒素ガスを充填しておくことで、溶液が劣化しないことがわかる。
(比較例1−1)
実施例1−1において、PI樹脂前駆体溶液の容器に、窒素ガスではなく、加圧した空気を導入した。この場合、1日や2日程度は問題なく塗布できたが、例えば夏期休暇等で10日間塗布を休止した場合、そのまま塗布を再開しようとすると、まず、溶液の粘度が低下していて、流量の調整をやり直さねばならなかった。また、約200mm塗布すると、溶液のゲル化物が流れてきて、突起を生じた。そこで、長期にわたって塗布を休止する場合には、容器から溶液を取り出して、洗浄しておかなくてはならなかった。
(実施例1−2)
実施例1−1のPI樹脂前駆体溶液と塗布装置は同じであるが、塗布容器として、内容積30リットルで、円筒形のステンレス容器を使用した。容器内の液面上には、内径より2mm小さい外径の浮き蓋(落し蓋)を浮かべ、溶液が空気と直接触れるのを防止した。溶液の入出は、回転容積型の1軸偏心ネジポンプであるモーノポンプ(兵神装備(株)製)で行い、塗布時は、ポンプの軸回転数20rpmで溶液をノズルから直に毎分23mlの量で吐出させた。容器内のPI樹脂前駆体溶液の液面に落し蓋を浮かべることで、空気接触による溶液劣化を防止しつつ、実施例1−1の場合より、大容量の容器を使用して、安定的に塗布を行うことができた。
これら実施例により、PI樹脂前駆体溶液の劣化を防止することができるので、PI樹脂前駆体溶液を塗布容器に長期に入れ置いても、そのまま使用することが可能であり、例えば装置の長期休止時においても、容器の洗浄作業を減らせることがわかる。これはしいては、溶液のロスと作業工数の削減になり、PI樹脂無端ベルトのコストを削減可能であることも示す。
[実施例2]
(実施例2−1)
25℃での粘度が約100Pa・sのPI樹脂前駆体溶液(商品名:Uイミド、ユニチカ製、固形分比率18%)を直径30mm、長さ500mmの芯体に回転塗布する。すなわち、400mlの樹脂前駆体溶液が入った容器にモーノポンプ(兵神装備(株)製)を連結し、軸回転数15rpmで10g/分の吐出量に調整した。但し、容器内には、樹脂前駆体溶液と共に窒素ガスを充填している。
へらは、厚さ0.1mmのステンレス板を幅8mm、長さ15mmに加工して取り付けた。その他、塗布の条件を下記のようにして塗布を行った。
・吐出量(g/分):10
・移動速度(mm/分):180
・芯体回転数(rpm):120
・塗布時間(s):167
・溶液ロス量(g)(捨て出しロス):0
塗布後、芯体を12rpmで2分間回転させた後、12rpmで回転させながら、120℃の加熱装置に入れ、45分間乾燥させた。約150μm厚のPI前駆体皮膜が形成され、残留溶剤は約40%(重量比)であり、固形分比率は60%であった。次いで、芯体を垂直にして、190℃で10分間、250℃で30分間、320℃で30分間加熱してPI樹脂皮膜を形成した。芯体が室温に冷えた後、皮膜を抜き取って無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、平均膜厚が80μm、ばらつき(最大値と最小値の差)は4μm以下であった。また、表面を観察しても、筋は形成されていなかった。
この塗布操作を10回繰り返すと、へらの端部や裏面には溶液の付着によるよごれが目立つようになってきた。10回目に作製した無端ベルトをよく観察すると、薄いらせん状の筋ができており、平均膜厚は80μmであったが、ばらつきは8μmに拡大していた。これは筋による膜厚のむらが原因と考えられる。
これに対し、塗布後にへら表面に、PI樹脂前駆体溶液の溶剤であるNメチルピロリドン(NMP)を約5ml流下させて洗浄するようにした。このようにして他は同様にして塗布を行ったところ、10回目でも、最初と同じように筋のない無端ベルトを得ることができた。
(実施例2−2)
実施例2−1において、芯体の塗布後の位置から約40mm離れた位置(芯体の端部付近)に、幅20mm、直径30mmのウレタン樹脂発泡体からなるロール状のスポンジを設置し、10rpmで回転させながら塗布後のへらを押し当てて、表面に付着した溶液の残りを吸収させて洗浄するようにした。このようにして他は同様にして塗布を行ったところ、10回目でも、最初と同じように筋のない無端ベルトを得ることができた。なお、スポンジは塗布20回ごとに交換するようにした。
(実施例2−3)
実施例2−1において、幅15mm、長さ50mmのへらを押し当て、拭きとり位置が重ならないようにロール状のスポンジの大きさ、幅50mm、直径50mmにし、拭きとる位置の設定を3箇所にした。スポンジは塗布70回ごとに交換するようにした。
(実施例2−4)
実施例2−1において、幅15mm、長さ50mmのへらを、1対で大きさ、幅50mm、直径50mmのロール状のスポンジで洗浄前はスポンジ間のすき間が3mm開いている。すき間にへらが前進した後、スポンジが上下に移動し、回転しながらへらをはさみ込み洗浄する。スポンジの重ね合わせ量はスポンジが接触してから3mmとした。へらの裏面に付着した溶液もふ拭きとることができた。スポンジの交換は30回ごとに交換した。
(実施例2−5)
実施例2−1において、幅20mm、長さ50mmのへらを、1対で大きさ、幅50mm、直径50mmのロール状のスポンジで洗浄前はスポンジ間のすき間が3mm開いている。すき間にへらが前進した後、スポンジが上下に移動し、回転しながらへらをはさみ込み洗浄する。スポンジの重ね合わせ量はスポンジが接触してから3mmとした。へらの裏面に付着した溶液も拭きとることができた。拭きとる位置の設定を2箇所にした。スポンジの交換は60回ごとに交換した。
(実施例2−6)
実施例2−1において、幅20mm、長さ50mmのへらを、1対で大きさ、幅50mm、直径50mmのロール状のスポンジで洗浄前はスポンジ間のすき間が3mm開いている。すき間にへらが前進した後、スポンジが上下に移動し、回転しながらへらをはさみ込み、軸方向の揺動幅を15mmとし洗浄した。スポンジの重ね合わせ量はスポンジが接触してから0.5mmとした。へらの裏面に付着した溶液も拭きとることができた。スポンジの交換は30回ごとに交換した。
(実施例2−7)
実施例2−1において、幅10mm、長さ50mmのへらを、1対で大きさ、厚さ15mm、直径70mmの円盤状スポンジで洗浄前はスポンジ間のすき間が3mm開いている。すき間にへらが前進した後、スポンジが上下に移動し、へらをはさみ込み洗浄する。スポンジの重ね合わせ量はスポンジが接触してから2mmとした。へらの裏面に付着した溶液も拭きとることができた。スポンジの交換は30回ごとに交換した。
(実施例2−8)
実施例2−1において、幅10mm、長さ50mmのへらを、1対で大きさ、厚さ15mm、直径70mmの円盤状スポンジで洗浄前はスポンジ間のすき間が3mm開いている。すき間にへらが前進した後、スポンジが上下に移動し、へらをはさみ込み洗浄する。スポンジの重ね合わせ量はスポンジが接触してから2mmとした。へらの裏面に付着した溶液も拭きとることができた。拭きとる位置の設定を6箇所に拭きとり後スポンジを回転させた。スポンジの交換は200回ごとに交換した。
これら実施例より、らせん塗布方法によっても、ブレードで塗膜を平滑化するので、筋の無い皮膜を得ることができるが、ブレードを洗浄するので、繰り返し塗布作業を行っても、よごれによる筋の発生を未然に防止することができる。
[実施例3]
(実施例3−1)
PI樹脂前駆体溶液として、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンが、N−メチルピロリドン中で合成された、固形分濃度18%(重量%、以下同じ)、粘度約20Pa・sの溶液を用意した。
外径68mm、内径64mm、長さ460mmのアルミニウム製円筒を用意した。この表面を、球形アルミナ粒子によるブラスト処理により、Ra0.8μmに粗面化した後、表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間、焼き付け処理し、芯体とした。その両側の端部をそれぞれの端部から中央部に向かって、長さ30mm、外径66mmになるように切削した。
回転塗布方法(らせん塗布法)により、芯体の軸方向を水平にして、120rpmで回転させる。へらは幅20mm、厚さ1mmのポリエチレン板からなり、弾力性を有している。これを芯体に押し付け、PI樹脂前駆体溶液は、容量壱リットルの容器から口径4mmのノズルを通して押し出す。すなわち、容器にPI樹脂前駆体溶液を入れ、窒素ガス(不活性ガス)を封入し、圧力0.4MPaにて、23ml/minの流量で押し出す。容器とノズルの間には、電磁弁を介在させて塗布開始と終了時の流下を制御する。
塗布の際、PI樹脂前駆体溶液がへらを通過すると、へらが押し広げられ、へらと芯体の間には隙間ができた。次いで、ノズルとへらを180mm/分の速度で、芯体の一端から他端へ移動させて塗布した。この条件で、芯体回転あたり、ノズルとへらは1.5mmずつ移動する。なお、塗布の際には、芯体の両端に5mmずつの不塗布部分を設けた。
塗布後、芯体の両端部に回転駆動用の回転ローラを押し当てて、これにより20rpmで芯体を2分間回転させた後、20rpmで回転させながら、100℃の乾燥炉に入れた。60分後に取り出すと、約150μm厚のPI前駆体皮膜が形成され、残留溶剤は約40%(重量比)であり、固形分比率は60%であった。この状態ではまだ、皮膜を芯体から取り外すことはできなかった。また、端部皮膜の若干の収縮により、端部の皮膜と芯体との間には、隙間があった。そして、この芯体を、縦して専用治具に置いた。
次いで、芯体の一端に円錐形の蓋を取り付け、幅20mmの粘着テープ(商品名:No.31B、日東電工製)を一周にわたって張り付け、芯体の露出部分とPI前駆体皮膜に被覆をした。
一方、PFA水性塗料(商品名:710CL、三井デュポンフロロケミカル社製、濃度60%、粘度400mPa・s、溶媒として水のほかに、エタノール、t−ブタノールを含む)を、内径90mm、高さ480mmの塗布槽に入れた。塗布槽の上部には、環状に風速5m/分の気流が上方45°に向けて吹き出される環状送風装置を取り付けた。
塗布槽中に芯体を、粘着テープ被覆側を下側にして垂直にし、上部のPI前駆体皮膜を5mmだけ残して浸漬した。次いで気流を当てながら、0.2m/分の速度で芯体を引き上げ、PFA塗膜を形成した。
引き上げ終了後、粘着テープを除去し、下部の蓋を取り外した後、80℃で10分間乾燥した。
最後の加熱焼成工程として、150℃で20分間、220℃で20分間、及び380℃で30分間加熱して、PI樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷えた後、芯体から皮膜を取り外し、75μm厚のPI樹脂上に、30μm厚のPFA層を有する無端ベルトが作製できた。また、PI樹脂の内面は表面粗さRa0.8μmの粗面であり、その形は球状に凸形状になっていた。
また、芯体の両端部を見ると、両端部には回転駆動用の回転ローラによる傷や、縦置きにした際の膨らみ(凸部)が生じていたが、容易に芯体から皮膜を取り外しができた。
得られた無端ベルトを定着ベルトとして、定着ベルトの内面に圧力パッドが摺動する定着装置に装着して試験を行ったところ、その摩擦力は小さく、定着ベルトの回転に支障はなかった。また、摺動音が発生することもなかった。
(実施例3−2)
アルミ製でできている円筒状芯体の中央部部と両端の外径が同一の場合、円筒状芯体を専用冶具に縦に置いて使用していたら、端部が変形して徐々に膨らみが大きくなり、約50回使用した時点で、端部の外径が100μm程大きくなり、ベルトがその膨らみに引っかかり、円筒状芯体からベルトを取り外せられなくなってしまった。
これら実施例から、PI樹脂前駆体溶液を欠陥なくかつ平滑に塗布することができ、両端に円筒状芯体を乾燥時、回転させるために駆動力を伝える際に発生した傷や円筒状芯体を立てに置いた際に発生する端部の膨らみ等があっても、ベルトを円筒状芯体からスムーズに取り外せることがわかる。
[実施例4]
(実施例4−1)
25℃での粘度が約100Pa・sのPI樹脂前駆体溶液(商品名:Uイミド、ユニチカ製、固形分比率18%)を直径30mm、長さ500mmの芯体に回転塗布する。まず、400mlの樹脂前駆体溶液が入った容器にモーノポンプ(兵神装備(株)製)を連結し、軸回転数15rpmで12g/分の吐出量に調整した。但し、容器内には、樹脂前駆体溶液と共に窒素ガスを充填している。
へらは、厚さ0.2mmのステンレス板を幅20mm、長さ50mmに加工して取り付けた。その他、その他、塗布の条件を下記のようにして塗布を行った。
・吐出量(g/分):12
・移動速度(mm/分):188
・芯体回転数(rpm):120
・塗布時間(s):160
・溶液ロス量(g)(捨て出しロス):0
塗布後、芯体を8rpmで回転させながら、5分間保持した。次いで、同じ回転速度で回転させながら120℃の加熱装置に入れ、45分間乾燥させた。固形分比率は60%であった。取り出した芯体は垂直にして保管した。
この作業を続け、芯体が10本になった段階で、芯体を垂直にして回転させずに、10本まとめて高温加熱装置に入れ、190℃で10分間、250℃で30分間、350℃で30分間加熱してPI樹脂皮膜を形成した。芯体が室温に冷えた後、皮膜を抜き取って無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、10本とも平均膜厚が80μm、ばらつき(最大値と最小値の差)は4μm以下であった。また、表面を観察しても、筋は形成されていなかった。
(実施例4−1A)
実施例4−1において、芯体上に塗布した後、加熱装置に入れる間、回転させ続けるのではなく、芯体を水平にしたまま、いったん回転を止め、2分間保持し、他は同様に行った。この場合、得られた無端ベルトは、周方向において、一部が77μm、それと180°反対側が83μmという周方向の膜厚むらを生じていた。塗布後に回転を止めたことにより、塗膜が周方向に垂れたものと考えられる。
(実施例4−1B)
実施例4−1において、塗布後の保持時間をとらず、すぐに加熱装置に入れ、他は同様に行った場合、得られた無端ベルトには、わずかながららせん状の筋が形成されているのが観察された。
(実施例4−1C)
実施例4−1において、加熱乾燥時間を20分にし、他は同様に行ったところ、固形分比率は40%であった。この場合、加熱装置から取り出し、芯体を垂直にして高温加熱装置に入れたところ、皮膜に上下方向の垂れが生じ、上部が75μm、下部が85μmの膜厚のものになってしまった。
(実施例4−1D)
実施例4−1において、乾燥時間を100分にし、他は同様に行ったところ、固形分比率は90%であった。この場合、芯体が10本になった段階では、1本目に塗布したものの皮膜に約2cmのクラックが生じていた。それは加熱装置から取り出してから約60分経過しており、乾燥させすぎた場合は、クラックが生じやすいということであった。なお、10本目のものは、クラックが生じなかったが、加熱装置から取り出してすぐに高温加熱装置に入れる場合は、このような問題はないと考えられる。
(実施例4−2)
実施例4−1における乾燥後の皮膜の表面にフッ素樹脂分散液を塗布し、定着ベルトを製造する例を示す。
実施例4−1において、PI前駆体を塗布して乾燥した芯体の下端側に、蓋を嵌め、幅15mmの粘着テープを一周巻き付け、蓋を固定した。フッ素樹脂塗料として、水のほかに、エタノール、t−ブタノールを含むPFA水性塗料(商品名:710CL,三井フロロケミカル社製、固形分比率60%、粘度500mPa・s)を用意した。この中には固形分として、粒径約17μmのPFA粉体(大粒子)が55質量%、粒径約1μmのPFA粉体(小粒子)が40質量%、粒径約5μmの硫酸バリウム粉体5質量%が分散されている。
内径50mm、高さ550mmの塗布槽の外側に、内径200mm、高さ90mmの外部槽を取り付けた。上記分散液を塗布槽に満たし、更に外部槽の下部から30mmまで入れ、ポンプにて、2リットル/分の流量で循環した。循環経路には、40メッシュのフィルターを介し、凝集物を除くようにした。塗布槽の上部には、環状に風速5m/分の気流が上方45°に向けて吹き出される環状送風装置を取り付けた。
芯体を保持部材に取り付け、PI前駆体皮膜の上部から5mm残して上記分散液に浸漬した。20分保持後、気流を当てながら0.2m/分の速度で芯体を引き上げ、PFAの塗膜を形成した。
引き上げ終了後、粘着テープを除去し、蓋を取り外した後、120℃の熱風が上方から下降する乾燥炉に5分間入れて乾燥した。
次いで、実施例1と同様に高温加熱装置に入れて加熱した。芯体が室温に冷えた後、芯体を取り外し、PI樹脂層上に40μm厚のPFA層を有する無端ベルトを得た。その両端を切断して、長さを340mmとなるようにして、定着ベルトを製造することができた。
(実施例4−2A)
実施例4−2において、芯体をフッ素樹脂分散液に浸漬後、保持時間をおかずにすぐに引き上げて、他は同様に行った場合、塗膜にむらが生じてしまった。
これら実施例から、PI樹脂前駆体溶液を塗布し、適切な乾燥条件で乾燥することにより、最適な方法で無端ベルトを得られることがわかる。また、その上にフッ素樹脂分散液を塗布する場合でも、むらなく塗布可能であることもわかる。
本発明の第1の実施形態に係る塗布装置の主要部分を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る塗布装置の主要部分の芯体軸方向から見た側面図である。 本発明の第2実施形態に係る塗布装置における流下装置の容器内を示す部分構成図である。 本発明の第3実施形態に係る塗布装置の主要部分を示す概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る塗布装置の洗浄部材による洗浄形態の一例を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る塗布装置の洗浄部材による洗浄形態の他の一例を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る塗布装置の洗浄部材による洗浄形態の他の一例を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る塗布装置の円筒状芯体の一例を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る塗布装置の円筒状芯体の他の一例を示す斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る塗布装置の円筒状芯体の他の一例を示す斜視図である。 フッ素樹脂分散液の浸漬塗布装置を示す概略構成図である。
符号の説明
10 円筒状芯体
12 PI樹脂前駆体溶液
14 流下装置
16 ノズル
18 容器
20 ポンプ
22 へら
23 落し蓋
24 洗浄部材
30 保持部材
32 塗布槽
34 フッ素樹脂分散液
36 外部槽
38 ポンプ
40 フィルター
42 送風装置

Claims (7)

  1. 容器内に不活性ガスと共に充填されたポリイミド樹脂前駆体溶液を前記容器内から吐出して、被塗布物表面に塗布することを特徴とするポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法。
  2. 前記容器内に前記不活性ガスを加圧しつつ充填することで、前記ポリイミド樹脂前駆体溶液を押出して吐出すことを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法。
  3. 前記ポリイミド樹脂前駆体溶液を前記容器内から吐出して被塗布物表面に塗布した後、塗膜面を平滑化することを特徴とする請求項1に記載のポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法。
  4. 前記塗膜面を平滑化する平滑化手段を、平滑化前又は後に洗浄することを特徴とする請求項3に記載のポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法。
  5. 前記平滑化手段の洗浄は、前記平滑化手段とスポンジとを当接して行うことを特徴とする請求項4に記載のポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法。
  6. 前記スポンジは、溶剤が含浸していることを特徴とする請求項5に記載のポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリイミド樹脂前駆体溶液の塗布方法により、前記ポリイミド樹脂前駆体溶液を円筒状芯体表面に塗布し、加熱して乾燥と反応を行ってポリイミド樹脂皮膜を形成し、これを円筒状芯体から抜き取って得ることを特徴とするポリイミド樹脂無端ベルトの製造方法。
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