JP4702019B2 - 塗布装置、管状物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗布装置及び該塗布装置を用いた管状物の製造方法に関し、さらに詳しくは、芯体に液状の樹脂溶液を塗布する塗布装置及び、この塗布した樹脂溶液を固化または硬化させて管状物を製造する方法に関する。
管状に成形された無端ベルトは、プリンター、ファクシミリまたは電子写真複写機などにおける中間転写ベルトや定着用ベルト等として用途がある。これらの無端ベルトには、耐熱性、強度、ヤング率などに優れていることが求められるため、一般に、耐熱性及び機械的強度に優れるポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が使用される(以下、ポリイミドは「PI」、ポリアミドイミドは「PAI」という場合がある)。
管状物の製造方法としては、例えば、円柱状の金型などの芯体の外周面もしくはシリンダー状金型の内周面に、皮膜形成用の樹脂溶液を塗布し、この塗布した樹脂溶液を固化または硬化させて製造する方法がある。
一方、樹脂溶液を塗布する方法としては、ディスペンサー先端を芯体の外周面に接触させ、かつディスペンサー供給部の、芯体の回転軸方向への移動速度V(mm/秒)と芯体の回転数R(回転/秒)との比が下記関係式(I)で表される範囲内にある方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
(V/R)<1.5(mm/回転) ・・・ (I)
しかし、この報告では、樹脂溶液を定量的に連続吐出しながら塗布するとの記述はあるものの、その具体的吐出方法の記述がない。一般に、25℃における粘度が1〜1500Pa・sの溶液の定量的連続吐出、特に100〜1500Pa・sの高粘度の溶液の吐出手段は限定されてくるものである。
また、芯体を回転させながら、溶液を一軸回転型体積移動式ポンプであるモーノポンプにて塗布ノズルに供給して塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ところが、この方法の中では、溶液は塗料タンクから重力でモーノポンプに流下しているが、モーノポンプから安定的に高粘度の溶液を供給するには能力が不足することがあった。
これに対し、従来、高粘度の樹脂溶液を塗布ノズルに連続供給する場合、エアー圧送方式またはポンプ送液方式等があるが、1〜1500Pa・s範囲の、特に高粘度側の溶液を送るには、前者方式では相当高圧な圧縮エアーが必要になり、しかも応答性が悪く、制御し難い。また、液中に空気が溶け込んで、気泡発生の原因になることがある。
また、ギアポンプによる方式の場合、溶液経路中に配置されたギアポンプに溶液が通過するときに、ギアヘッドにより発生した泡を内在した溶液がそのまま吐出され、塗膜品質に悪影響を及ぼす可能性が非常に高い。一般的に、ギアポンプは通過溶液を発泡させやすいということは公知である。
さらにダイヤフラムポンプの場合、脈動が非常に大きい為、吐出できたとしても塗布膜厚の均一性が確保できない。加えて脈動が発生すると泡が発生するため、塗膜品質にも影響を及ぼす。
上記のほかにはチューブポンプがあるが、このポンプは低粘度溶液を搬送する用途に用いられるものなので、高粘度溶液の搬送は不可能である。
一方、前記モーノポンプを用いた塗布ノズルによる塗布での芯体への付着量のばらつきをカバーするため、付着した樹脂溶液を平滑化するブレードの接触圧を上げる方法があるが、接触圧を上げるとブレードが変形しやすくなり、塗膜の平滑性が乱れたり被塗布面である芯体表面を傷つけてしまう場合があった。
以上のように、回転する芯体に対してモーノポンプにより樹脂溶液を供給するノズルで樹脂溶液を付着させる方法においては、芯体への樹脂溶液の吐出が変動すること等による塗膜の不均一化に対して有効な手段がないのが現状である。
特開平9−85756号公報 特開2004−160310号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、高粘度の樹脂溶液を吐出する際の泡の発生を抑え、膜厚勾配の発生を抑え、塗布の際の樹脂溶液の無駄や芯体表面の傷等を生じさせることがない塗布装置及びそれを用いた管状物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> 円筒状または円柱状芯体に皮膜形成用の樹脂溶液を塗布する塗布装置であって、
前記芯体の中心軸を水平にして前記芯体を回転させる回転手段と、前記樹脂溶液を前記芯体へ吐出して付着させる付着手段と、該樹脂溶液が付着した部分を相対的に前記芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させる移動手段と、を有し、
前記付着手段が、少なくとも前記樹脂溶液を吐出するノズルと、該ノズルに前記樹脂溶液を供給する一軸回転型体積移動式ポンプと、該一軸回転型体積移動式ポンプに前記樹脂溶液を供給する二軸スクリューポンプと、を備える塗布装置である。
特に高速塗布のためには、ノズルに樹脂用液を供給するモーノポンプ(一軸回転型体積移動式ポンプ)に常に不足なく樹脂用液を供給するする必要がある。上記構成によれば、モーノポンプには加圧状態で樹脂用液が供給されるため、ノズルからは安定した吐出が行われると共に、供給時における樹脂溶液の変質も防止することができる。
<2> 円筒状または円柱状芯体に皮膜形成用の樹脂溶液を塗布する塗布装置であって、
前記芯体の中心軸を水平にして前記芯体を回転させる回転手段と、前記樹脂溶液を前記芯体へ吐出して付着させる付着手段と、該付着した樹脂溶液を平滑化させる平滑化手段と、該樹脂溶液が平滑化した部分を相対的に前記芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させる移動手段とを有し、
前記付着手段が、少なくとも前記樹脂溶液を吐出するノズルと、該ノズルに前記樹脂溶液を供給する一軸回転型体積移動式ポンプと、を備え、前記平滑化手段が、ループブレードである塗布装置である。
芯体に吐出された樹脂溶液の付着量が若干変動しても、これを平滑化するブレードの圧接力を高めれば均一な塗膜を得ることができる。上記構成の塗布装置では、特に高速塗布でノズルからの吐出変動があった場合でも、芯体を傷つけることなく均一な塗膜の形成を行うことができる。
<3> 円筒状または円柱状芯体に、25℃における粘度が1〜1500Pa・sの皮膜形成用の樹脂溶液を塗布して該樹脂溶液の塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を固化または硬化させて樹脂皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する管状物の製造方法であって、
前記樹脂溶液の塗布が、<1>に記載の塗布装置により行なわれる管状物の製造方法である。
<4> 円筒状または円柱状芯体に、25℃における粘度が1〜1500Pa・sの皮膜形成用の樹脂溶液を塗布して該樹脂溶液の塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を固化または硬化させて樹脂皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する管状物の製造方法であって、
前記樹脂溶液の塗布が、<2>に記載の塗布装置により行なわれる管状物の製造方法である。
<5> 前記芯体に吐出する樹脂溶液が離型層形成用の樹脂溶液であり、前記皮膜形成用の樹脂溶液により形成された塗膜の表面に、該塗膜が乾燥する前に前記離型層形成用の樹脂溶液を吐出し、前記ループブレードにより平滑化させる<4>に記載の管状物の製造方法である。
<6> 前記樹脂溶液の塗布に用いられる塗布装置におけるノズルが、各ノズル経路長を同長にした多本ノズルであり、各々のノズルの間隔をノズルピッチとしたとき、ノズル径(mm)とノズルピッチ(mm)との関係が、式(1)を満たす<3>または<4>に記載の管状物の製造方法である。
1.0<(ノズルピッチ)/(ノズル径)≦3.0 ・・・ 式(1)
(上記式(1)において、ノズル径は0.5mm以上5.0mm以下である。)
<7> 前記多本ノズルからの吐出により、芯体上にらせん状に付着した樹脂溶液の間隔を塗布ピッチ(mm)としたとき、該塗布ピッチ、ノズル本数及びノズルピッチが、式(2)の関係を満たす<5>に記載の管状物の製造方法である。
0.5≦(塗布ピッチ)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数−1)〕≦2.0 ・・・ 式(2)
<8> 芯体に付着した樹脂溶液をブレードにより平滑化した場合、該ブレード幅(mm)、ノズルピッチ(mm)及びノズル本数が、式(3)の関係を満たす<3>または<4>に記載の管状物の製造方法である。
2.0≦(ブレード幅)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数)〕≦4.0 ・・・ 式(3)
本発明によれば、特に高速塗布においても塗膜に泡の混入を防ぐことができ、さらに塗布筋の発生を抑えることができ、高品位の管状物を製造することができる塗布装置及び管状物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<塗布装置>
本発明の第1の塗布装置は、円筒状または円柱状芯体に皮膜形成用の樹脂溶液を塗布する塗布装置であって、前記芯体の中心軸を水平にして前記芯体を回転させる回転手段と、前記樹脂溶液を前記芯体へ吐出して付着させる付着手段と、該樹脂溶液が付着した部分を相対的に前記芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させる移動手段と、を有し、前記付着手段が、少なくとも前記樹脂溶液を吐出するノズルと、該ノズルに前記樹脂溶液を供給する一軸回転型体積移動式ポンプと、該一軸回転型体積移動式ポンプに前記樹脂溶液を供給する二軸スクリューポンプと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の第2の塗布装置は、前記第1の塗布装置と同様の構成において、前記付着手段が、少なくとも前記樹脂溶液を吐出するノズルと、該ノズルに前記樹脂溶液を供給する一軸回転型体積移動式ポンプと、を備え、さらに付着した樹脂溶液を平滑化させる平滑化手段を有し、該平滑化手段がループブレードであることを特徴とする。
上記本発明の塗布装置では、いずれも樹脂溶液を吐出するノズルにモーノポンプにより樹脂用液を供給しており、この場合における樹脂溶液の吐出変動に対して、吐出安定化の面及び樹脂溶液平滑化の面から塗膜の均一化(膜厚均一化、膜質均一化)を図ることができる。
以下、本発明の塗布装置について、図面を参照しつつ説明する。
<第1の塗布装置>
本発明の塗布装置における付着手段が備える一軸回転型体積移動式ポンプは、一般に「モーノポンプ」と称される回転容積型の1軸偏心ネジポンプである(この点は、第1の塗布装置、第2の塗布装置ともに共通である)。モーノポンプ内部では、弾性材料の雌ネジ部と金属性の雄ネジ部とが高精度で勘合しており、一定体積移動を可能にしている。このため、モーノポンプに常に一定量の皮膜形成用の樹脂溶液が供給される場合は該樹脂溶液の吐出量はいつも一定で脈動のない連続流であり、溶液自体を攪拌するようなこともないため、溶液に泡を発生させることがない。
また、塗布開始時において、瞬時に所望の吐出量に達することができるため、皮膜形成樹脂溶液の捨て出し動作が不要になる。また、塗布終了時においても瞬時に液切れすることができるため、無駄な塗布部分を発生させない。
さらに、モーノポンプは広範囲の溶液粘度に対応でき、雄ネジ軸回転数を制御することにより流量を自由に制御可能であり、モーノポンプの回転数を制御することで、芯体に塗布し焼成した後の膜厚tを式(II)に示す範囲で容易に制御することがわかっている。
30μm≦t≦150μm ・・・ (II)
本発明者等は、すでに、前記ノズルに設けられたモーノポンプ(第一のモーノポンプ)に前記皮膜形成用の樹脂溶液を供給し、高速塗布を可能とするために、第一のモーノポンプよりも前記樹脂溶液の供給能力の高い第二のモーノポンプをさらに備えることが好ましいこと見出している(特願2004−155737号明細書参照)。
ところがその後の検討において、第一のモーノポンプに樹脂溶液を供給するポンプとして、第二のモーノポンプを用いるよりも、二軸スクリューポンプ(以下、「ラジアルスクリューポンプ」と称する場合がある)を用いる方が、溶液に対する圧力が大きくかからない点で好ましいことが見出され、本発明に至った。
図1は、本発明の第1の塗布装置の主要部分を示す概略構成図である。
塗布装置1は、被塗布物である芯体10が保持部材12で挟持されている。図示しないが、芯体10は、芯体10が水平に回転可能(矢印A)に支持するアームを有する台座に保持部材12を介して配設されている。また、図示しないが、芯体10は、芯体10を軸回転させるための駆動手段(回転手段)と保持部材12とを介して連結されている。
芯体10の周辺には、皮膜形成用の樹脂溶液14を吐出して芯体10に樹脂溶液14を付着させるディスペンサー16が配置されている。ディスペンサー16は、樹脂溶液4を吐出するノズル18と、ノズル18に樹脂溶液14を供給する一軸回転型体積移動式ポンプであるモーノポンプ20とを備える。
樹脂溶液14は、樹脂溶液14を貯蔵する貯蔵タンク24から、二軸スクリューポンプであるラジアルスクリューポンプ26により供給管28を介してディスペンサー16に供給される。ラジアルスクリューポンプ26の樹脂溶液14の供給能力は、モーノポンプ20の樹脂溶液14の供給能力よりも高くすることが好ましい。ラジアルスクリューポンプ26を備えることにより、樹脂溶液の塗布速度を向上させることができる。
これらのディスペンサー16、ラジアルスクリューポンプ26を含めて、本発明における付着手段を構成する。
ラジアルスクリューポンプ26は、図2の概略構成図に示すように、外部ベアリング方式による一方向流れの自給式ポンプであり、ポンプケーシング34と、ポンプケーシング34内に配置される2つの回転スクリュー36と、ポンプケーシング34及び回転スクリュー36を支持するポンプ本体38とを具備している。なお、図中、ポンプケーシング34は2点鎖線で示している。
回転スクリュー36は、回転軸36Aに対し螺旋状に送液羽根36Bが配設されている。そして、2つの回転スクリュー36は、一方の送液羽根36Bの間隙に他方の送液羽根36Bを入り込ませて、互いに非接触で噛み合わせるように配設されている。2つの回転スクリュー36は、図示しないがポンプ本体38に内蔵された駆動部材(モータ)により回転され、この回転に伴い当該送液羽根36Bの間隙に入り込んだ溶液が回転軸方向に移動される。これにより溶液が圧送されることとなる。
ポンプケーシング34には、樹脂溶液の入出方向が水平方向の樹脂溶液出入口34Aが側壁(回転スクリューの軸方向にあたる側壁)に設けられ、樹脂溶液の入出方向が鉛直方向(垂直方向)の樹脂溶液出入口34Bが上壁(回転スクリューとポンプ本体の連結部付近の上壁)に設けられている。
ポンプケーシング34において、樹脂溶液出入口34Aが送液側の管と連結され、樹脂溶液の入出方向が鉛直方向の溶液出入口34Bが供給管と連結されている。これにより、樹脂溶液が水平方向に溶液出入口34Aに入り、ポンプケーシング34内に閉じ込められた樹脂溶液が回転スクリュー36によりポンプのスラスト方向に圧送され、鉛直方向に溶液出入口34Bから排出される。このようにして、樹脂溶液が送液される。
送液用として、ラジアルスクリューポンプ26を用いることが好ましい理由は、ポンプ内の圧力変化が小さく、一定の圧力で送液ができる点にある。また、圧力変化が小さいことから、経路中の樹脂溶液にかかる最大圧力を小さくできることも理由である。経路中の樹脂溶液に過大な圧力(シェア)がかかると、塗膜に樹脂溶液が変質した筋が発生する場合がある。
したがって、ディスペンサー16のモーノポンプ20に樹脂溶液を供給する送液ポンプとして、ラジアルスクリューポンプ26を用いることにより、常に安定してモーノポンプ20に樹脂溶液が供給されるため、ノズル18から吐出量の変動なく樹脂溶液を吐出させることができる。また、樹脂溶液が送液中に変質することがないため、塗膜欠陥の発生を防止することができる。
ノズル18と芯体10との距離は任意でよいが、樹脂溶液14が途切れることがないよう2〜50mm程度が好ましい。液の途切れが生ずると、泡を巻き込むおそれがある。
また、芯体10の周辺には、芯体10に付着した樹脂溶液14を平滑化する平滑化手段であるへら22が備えられている。へら22は、樹脂溶液14に侵されない材料、例えば、ポリエチレンやフッ素樹脂等のプラスチック、又は、真鍮やステンレス等の金属の薄い板から構成することができる。
へら22は、不図示の圧接手段により、一定の圧力で芯体10に圧接される。
本発明の第一の塗布装置においては、平滑化手段は必須の構成要件ではないが、第1の塗布装置が平滑化手段を有することにより、皮膜形成樹脂溶液の塗布速度を向上させることができる。
ディスペンサー16及びへら22は、樹脂溶液14の芯体10への付着及び平滑化とともに、芯体の回転毎に相対的に芯体10の一端から他の一端へ、移動手段により水平方向(矢印B)に移動される。これによって、樹脂溶液が付着した(この場合は平滑化した)部分が芯体10の一端から他の一端へ水平方向に移動することとなり、樹脂溶液14が芯体10の外周面に塗布され、塗膜が形成される。
前記移動手段の構成は、図示しないが、ディスペンサー16及びへら22を移動させる構成としてもよいし、芯体10が移動する構成としてもよく、周知の技術により構成することができる。
ここで、塗布装置1では、ノズル18が1本(吐出口が一つ)からなる構成を説明したが、ノズル18からの樹脂溶液14の吐出量を増大させ高速塗布を実現させるためには、ノズル18は複数本(吐出口が複数)からなることがよい。そして、この複数本のノズル(多本ノズル)18を例えば屈曲或いは屈折させて、樹脂溶液14の供給口から吐出口までの経路距離を全て同一とする。この経路距離とは、モーノポンプ20と連結されて樹脂溶液14が供給されるノズル18の供給口から、樹脂溶液14が吐出される吐出口までのノズル配管距離である。これにより、各ノズル18からの樹脂溶液14の吐出量が均一となり、塗布むら(表面うねり)が生じ難くなる。
本発明において、ノズル1本あたりの吐出量は20〜100g/分の範囲とすることが好ましく、芯体への塗布速度(ノズル本数は問わない)は50〜2000mm/分の範囲とすることが好ましい。この場合、モーノポンプ20内の圧力は0.3〜1.0Paの範囲とすることが好ましく、ラジアルスクリューポンプ26内の圧力は0.5〜1.5Paの範囲とすることが好ましい。
なお、複数本のノズル18の場合、各吐出口の間隔(吐出口配列ピッチ)は、3mm〜5mm(好ましくは4mm程度〜)の範囲、ノズル18の開口径(吐出口径)は1.5mm〜2.5mmの範囲(好ましくは2.0mm程度mm〜)であることが好ましい。これにより、吐出量の均一化や、へら22による平滑化が容易となる。
本発明の第1の塗布装置に用いられる皮膜形成用の樹脂溶液としては、ポリイミド前駆体ワニスのみならず、ポリイミドワニスまたはポリイミド前駆体ワニス若しくはポリイミドワニスに無機フィラーを含有させてなる無機フィラー含有ワニスであってもよい。さらに、ポリイミド以外の他の樹脂ワニスまたは前駆体ワニスを用いることもできる。
(第2の塗布装置)
本発明の第2の塗布装置の構成は、前述のように、前記第1の塗布装置と同様の構成において、前記付着手段が、少なくとも前記樹脂溶液を吐出するノズルと、該ノズルに前記樹脂溶液を供給する一軸回転型体積移動式ポンプと、を備え、さらに付着した樹脂溶液を平滑化させる平滑化手段を有し、該平滑化手段がループブレードであること以外は基本的に同様である。
したがって、上記平滑化手段を中心に説明する。
図3は、第2の塗布装置の一例を示す概略構成図である。
この塗布装置は、図3に示すように、被塗布物である芯体10に対し、樹脂溶液14を塗布し、その塗膜Pを形成する塗布装置である。ここで、図示しないが、芯体10は、水平に回転可能(矢印A)に支持するアームを有する台座に保持部材を介して配設されている。また、図示しないが、芯体10は、円筒芯体10を軸回転させるための駆動手段(回転手段)と保持部材を介して連結されている。
また、芯体10の周辺には、モーノポンプ20により樹脂溶液14を流下して、ノズル18から芯体10に塗液12を付着させるディスペンサー16が配置されている。
すなわち、この塗布装置の付着手段における樹脂溶液搬送方法は、前記第1の塗布装置における付着手段におけるラジアルスクリューポンプ26がない以外は同様の構成である。
芯体10の周辺には、芯体10に付着した樹脂溶液14を平滑化する平滑化手段32が配置されている。平滑化手段32は、芯体10へ突き当てて圧接させることで、芯体10に付着された樹脂溶液14を平滑化する。
この場合、前記モーノポンプ20のみによりノズル18から樹脂溶液14を吐出すると、吐出量が変動するため、芯体10に付着した樹脂溶液14の付着状態もばらつくこととなる。したがって、通常のブレードを平滑化手段として用いている場合には、ブレードの接触圧を高くすることによって塗膜の均一化が得られるが、特に金属のブレード等ではこの押圧により芯体10の表面を傷つけてしまう。
そこで本発明の第2の塗布装置では、通常のブレードの両端を支持して円弧状としたループブレードを用いている。
図4に、この塗布装置の主要部分の芯体軸方向から見た側面図を示す。平滑化手段32はループブレード32aと支持体32bとからなり、図においてはループブレード32aが芯体10に接触することがないように樹脂溶液14に接触している。
ループブレード32aは通常の板状のブレードと異なり、板を湾曲させてその先端部である曲面で樹脂溶液14と接触するため、接触面積が広く接触圧も分散され和らげることができるので、滑らかな塗膜面を形成することができる。また、芯体表面に対しても同様に接触状態を緩和させることができる。したがって、ループブレード32aの接触は図4に示すような樹脂溶液14に対してのみでなく、芯体10に対して押圧するような接触であってもよい。
特に、第2の塗布装置のようにモーノポンプ20によりノズル18に樹脂溶液14を供給して吐出させたときには、前述のように吐出が変動し樹脂溶液14の付着状態がばらつくため、上記のようにループブレード32aを芯体10に接触させ、広い面積で樹脂溶液14を平滑化させることが塗膜の均一化に対して有効である。
一方、後述するように、基材となる皮膜樹脂層の表面に離型層を設ける場合には、皮膜樹脂形成用の塗膜上に離型層形成用樹脂溶液を吐出し、図4に示すように下層の塗膜にほとんど接触することなく低い接触圧で接触させることが好ましい。
ループブレード32aに使用する材質は、SUS等の金属や、ポリエチレン、PET等の樹脂からなる板材が好ましい。その厚みは、0.1〜0.3mmの範囲程度が望ましい。また、曲げ弾性率は金属板の場合500〜2000Paの範囲、樹脂板の場合200〜1000Paの範囲のものを用いることが好ましい。さらに、板材としては、SUSブレード表面と同等の表面粗さが必要であり、具体的には、算術平均粗さRaで1.6μm以下であることが望ましい。
なお、支持体32bとしては、アルミニウムなどを用いる。
図5に、平滑化手段32のみの側面図(A)及びループブレード側から見た正面図(B)を示す。また図において、Lはループ径、Wはブレード幅、Hはループ高さを各々示す。
本発明に用いる平滑化手段32では、ブレード幅Wを10〜30mmの範囲、ループ径Lを30〜120mmの範囲することが好ましい。なお、本発明におけるループブレード32aの断面は半円状の円弧であるため、ループ高さHは1/2Lである。
また、ループ状態にした際多少弾性があることが必要であり、これには前記板材の曲げ弾性率が関係するが、それ以外にループ径が関係する。通常はループ径が大きくなるほど弾性は低くなる。また、ループ径Lとブレード幅Wとの比(L/W)は4/1〜3/1の範囲とすることが好ましい。
平滑化手段32は、ループブレード32aの先端が湾曲されて(しなるように)、芯体10へ圧接される。ここで、ループブレード32aの芯体10への圧接力としては、例えば、基材となる皮膜形成用の樹脂溶液を付着させた場合には、0.98〜5.0Nの範囲(芯体の回転方向の接触長さは5.0〜20.0mmの範囲)とすることが好ましく、離型層となる樹脂溶液を基材上に付着させた場合には、ほぼ0N(実際には基材層と0.1mm程度の間隙を設ける)とすることが好ましい。
上記樹脂溶液の平滑化と同時に、ディスペンサー16(ノズル18)及び平滑化手段32を連動させ、芯体10の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、芯体10の表面に塗布することができる。
塗布時の条件は、芯体10の回転速度を30〜500rpmであり、ノズル1本あたりの吐出量を20〜100g/分の範囲、塗布速度Vを50〜2000m/分程度とすることが好ましい。溶液の粘度が高いほど遅くするのが好ましい。
第2の塗布装置では、図3に示すように、まず、芯体10を矢印A方向に回転させながら、ディスペンサー16のノズル18から、樹脂溶液14を流下させて芯体10に樹脂溶液14を付着する。この直後に芯体10の一端側の突き当て位置40において平滑化手段32を水平方向に移動させて芯体10へ突き当てることで、芯体10に付着した樹脂溶液14を平滑化する。そして、芯体10の回転毎に付着点及び平滑化点(ディスペンサー16及び平滑化手段32)を、図示しない移動手段により芯体10の一端から他の一端へ水平方向(矢印B)に移動させる。
その後、芯体10へ樹脂溶液12が終了直前に、芯体10の他端側の退避位置42において、平滑化手段32を水平方向に移動させて芯体10から退避させる。
このようにして、樹脂溶液32が芯体10外周面に塗布され、塗膜が形成され、塗布が終了する。
本発明の第2の塗布装置においても、前記多数本ノズルを用いることが可能である。また、用いられる皮膜形成用の樹脂溶液も、前記第1の塗布装置に用いられる樹脂溶液と同様である。
<管状物の製造方法>
本発明の第1の管状物の製造方法は、円筒状又は円柱状芯体に、25℃における粘度が1〜1500Pa・sの皮膜形成用の樹脂溶液を塗布して該樹脂溶液の塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を固化又は硬化させて樹脂皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する管状物の製造方法であって、前記樹脂溶液の塗布を、本発明の第1の塗布装置により行うものである。
また、本発明の第2の管状物の製造方法は、上記と同様の工程を有し、前記樹脂溶液の塗布を、本発明の第2の塗布装置により行うものである。
第1、第2の管状物の製造方法は共通する部分が多いため、以下併せて説明する。
−塗膜形成工程−
本発明の管状物の製造方法に用いることのできる皮膜形成樹脂溶液としては、ポリイミドワニス、ポリイミド前駆体ワニス、または前記ポリイミドワニス若しくは前記ポリイミド前駆体ワニスに無機フィラーを含有させてなる無機フィラー含有ワニスが好ましい。これらのワニスを用いることにより、ポリイミド樹脂からなる管状物を得ることができる。
また、管状物を例えば定着ベルトとして用いる場合、皮膜形成樹脂層(基材層)の上に非粘着性の離型層を設けることが好ましい。離型層樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が挙げられる。
前記フッ素樹脂層を形成するには、前記フッ素樹脂を水分散液等として塗布液とするが、フッ素樹脂分散液には、耐久性の向上やオイル親和性などのために、他の粒子が分散されていてもよい。他の粒子としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等のウィスカー、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、等が挙げられる。
前記芯体の材質は、アルミニウムや、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましいが、熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウムが特に好ましい。芯体表面は、クロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆してもよい。芯体表面には、皮膜が接着しないよう、離型剤を塗布することが好ましい。
塗膜の乾燥時に、塗膜中に残留している溶剤、あるいは加熱反応時に樹脂から発生する水等の複生成物が除去しきれない場合、皮膜に膨れが生じることが避けられないことがあり、これは特にポリイミド樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合に顕著であるが、その場合、芯体表面の粗面化が有効である。すなわち、ポリイミド樹脂皮膜から生じる残留溶剤又は水の蒸気は、芯体とポリイミド樹脂皮膜との間にできるわずかな隙間を通って外部に出ることができ、膨れが生じなくなる。粗面化の粗さは、算術平均粗さRaで0.2〜2μm程度が好ましい。
芯体表面の粗面化の方法には、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法がある。特に、皮膜の内面を球状凸形状にするために、芯体の表面は、球状の粒子を用いてブラスト処理を施すのがよい。ブラスト処理とは、直径0.1〜1mm程度のガラス、アルミナ、ジルコニア等からなる粒子を、圧縮空気によって芯体に吹き付けて圧痕を形成させる方法である。ブラスト粒子として、不定形のアルミナ粒子(例えば一般的な研磨粒子)を用いた場合には、芯体表面の粗面形状も不定形となり、特に鋭角の突起や窪みが形成されやすく、作製されるポリイミド樹脂ベルトの内面にも鋭角の突起や窪みが形成されて好ましくない。
前記皮膜形成樹脂溶液としては、25℃における粘度が1〜1500Pa・sのものが用いられるが、好ましくは10〜200Pa・sであり、さらに好ましくは30〜150Pa・sである。
一方、前記離型層形成用の樹脂溶液は、粘度が100〜500mPa・sの範囲と比較的低く、レベリングしやすい液が好ましい。
前記塗膜形成工程においては、前記皮膜形成樹脂溶液の塗布量を制御して、前記塗膜の膜厚を調整することができる。前記皮膜形成樹脂溶液の塗布量は、皮膜形成樹脂溶液の吐出量を制御することにより調整可能である。前記本発明の塗布装置では、ノズルへの樹脂溶液の供給にモーノポンプを用いるため、皮膜形成樹脂溶液の吐出量を正確に制御することができる。
本発明の第1の管状物の製造方法では、前記モーノポンプへの樹脂溶液供給にラジアルスクリューポンプを用いたことにより、第2の管状物の製造方法では、吐出された樹脂溶液をループブレードを用いて平滑化することにより、筋の発生や芯体の傷発生がなく、均一な塗膜を得ることができる。
なお、本発明において、塗膜の厚さは100〜500μmの範囲とすることが好ましい。
本発明の第2の管状物の製造方法において、より好ましい態様として、ポリイミド等の皮膜形成用樹脂溶液をらせん状に塗布した後、乾燥させずに、ループブレードを用いて比較的低粘度の離型層樹脂溶液をその上から重ね塗りする方法が挙げられる。
PFA等のフッ素樹脂粉体が水等の溶媒に分散された離型層樹脂溶液を、乾燥していない基材層の樹脂塗膜の上に重ね塗りすると、水等の溶媒が皮膜形成樹脂を析出させて、直ちに筋を生じやすい。これを回避するため、離型層樹脂溶液を基材層の樹脂塗膜の上に流下させた後、通常のフラットブレードを用いて平滑化しようとすると、ブレード端部がウエットな基材層樹脂塗布層に接触してしまい、基材層表面を乱してしまう。
そこで、前述のように、前記ループブレードを平滑化手段として用い、図4に示すように、ループブレードが基材層に接触することがないようにして、離型層の塗布を行うことが好ましい。この場合、ループブレードと基材層との間隙を好ましくは0.1mm程度として樹脂溶液に接触させることにより、ループブレードは基材層に接触することなく、離型層樹脂溶液を流下させた後の塗膜に対する接触圧を比較的小さな状態で平滑化することができる。
また、この塗布法では、離型層樹脂液は塗布直前まで密閉されているため、ディッピング塗布のように、粘度維持のために行う液の循環や溶媒滴下は必要なく、樹脂液に分散されている紛体の沈殿防止のため、密閉容器内で攪拌プロペラ等にて簡単に対流状態を形成すればよい。また、必要な部分のみの塗布することが可能なので、塗布液の使用効率も上げられる。
なお、前記において、基材層の平滑化は通常のフラットブレードを用い行ってもよい。
塗布速度(芯体の軸方向への移動速度)は、液粘度や流下量等にもよるが、粘度範囲が100〜500mPa・sの範囲の樹脂溶液であれば、500〜800mm/分程度が好ましく、この範囲で塗膜のレベリング状態は良好である。
次に、第1、第2の管状物の製造方法における塗布において、ノズルからの樹脂溶液の吐出量を増大させ高速塗布を実現させるために、ノズルは多本ノズル(吐出口が複数)からなることが、高速塗布(塗布速度:500mm/分以上)のために好ましい。
多本ノズルとしては、例えば、図6に示すような2本のノズル18からなる形態、図7に示すような3本のノズル18の形態が挙げられる。無論、それ以上の本数でノズル18を構成してもよい。多本のノズル18の各吐出口の配列は、直線状に配列させてもよいが、経路距離を全て同一にし易い観点から、同心円周状に配列させてもよい。また、多本のノズル18の各吐出口の間隔(配列ピッチ)は、均等にすることがよく、これにより吐出される樹脂溶液の間隔を一定にし、塗膜のレベリングをし易くすることができる。
多本ノズルを採用することによって、例えば図7に示す3股ノズルの場合、1本ノズルを使用した時に対し、吐出量を3倍にすることができるので、1/3の塗布時間で塗布できるようになる。また、これまで1本あたりの塗布時間が長かった大径の芯体表面への塗布については、モーノポンプ及び多本ノズルを使用して多量の塗布液を吐出することにより、従来の1/3以下の時間で塗布でき、大径芯体へのスパイラル塗布適性も得られる。
この多本ノズルを用いる塗布においては、ノズルピッチ(各々のノズルの間隔)とノズル径との関係、及び、ノズルピッチと塗布ピッチ(らせん状に付着した樹脂溶液の間隔)との関係を適正な範囲に設定することで、より良好な塗布面を高速塗布にて得ることが可能となる。
まず、ノズルピッチ(mm)とノズル径(mm)との関係については、両者が下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
1.0<(ノズルピッチ)/(ノズル径)≦3.0 ・・・ 式(1)
なお、上記式(1)において、ノズル径は0.5mm以上5.0mm以下である。
(ノズルピッチ)/(ノズル径)が1.0以下となることは、物理的に不可能であり吐出口が接触して潰しあうようなことはありえない。一方、(ノズルピッチ)/(ノズル径)が3.0を超える(ノズルピッチがノズル径の3倍より間隔を取ることになる)と、ブレードで最大限圧力をかけて樹脂溶液を広げてもノズルごとに吐出された線上の樹脂溶液が繋がらなくなり泡化してしまう場合がある。
さらに、塗布ピッチ(mm)とノズルピッチ(mm)との関係については、前記式(1)の関係を満たした上で、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
0.5≦(塗布ピッチ)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数−1)〕≦2.0 ・・・ 式(2)
上記式(2)は、多本ノズルの両端のノズルの中心間の距離を考え、それと塗布ピッチの関係について規定したのもである。すなわち、(塗布ピッチ)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数−1)〕が0.5に満たないと、いわゆる重ね合わせしろが多すぎて狙いより厚膜化すると同時に、うねり、エア巻き込み泡が発生する場合がある。因みに、0.5の場合はノズルピッチ間を埋めるように塗布面に樹脂溶液がのるため、ブレードを軽く押付けるだけで繋がり液のレベリング性で平滑化されるが、高速塗布はやや難しくなる場合がある。
一方、(塗布ピッチ)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数−1)〕が2.0を超える(ノズル両端ピッチ距離の2倍を超える)と、ノズル間の樹脂溶液は潰し繋げることは可能でも塗布ピッチ間の液は広がりすぎて繋げることが不可能な領域になる場合がある。
これらのことを踏まえて、ブレード幅(mm)とノズルピッチ(mm)とが、下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
2.0≦(ブレード幅)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数)〕≦4.0 ・・・ 式(3)
(ブレード幅)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数)〕が2.0未満であると、ブレード幅が狭すぎ樹脂溶液を押し潰した際にブレード両端から塗液が漏れてしまい、ブレードの裏側にまわって所望の膜厚が得られないのと同時に塗布面も荒らすため外観上も不良となる場合がある。また、(ブレード幅)/〔(ノズルピッチ)×(ノズル本数)〕が4.0を超えると、ブレード端部が未塗布部分の芯体表面に触れてしまい傷及び変形を発生させてしまう場合がある。ブレード幅を広げることにより接触圧が増しレベリングには有効だが、広げすぎると上記の問題が発生するため、それで足りない場合はたわみ量を増加させるかブレード厚を上げることにより効果を発揮できる。
なお、前記式(3)のブレード幅に関する条件は、ブレードとしてフラットブレード、ループブレード共に適用されうるものであるが、SUS製のフラットブレードを用いた場合に最も有効となる。
−皮膜形成工程−
皮膜形成工程においては、前記塗膜を固化又は硬化させて樹脂皮膜を形成する。前記塗膜を固化させて樹脂皮膜を形成する場合、前記皮膜形成樹脂溶液としては樹脂溶液が用いられる。また、前記塗膜を硬化させて樹脂皮膜を形成する場合、前記皮膜形成樹脂溶液としては樹脂前駆体溶液が用いられる。
前記塗膜を固化させる場合の加熱条件は、用いられる樹脂及び溶剤の種類により適宜決定される。また、前記塗膜を硬化させる場合の加熱条件は、樹脂前駆体の種類により適宜決定される。
前記皮膜形成樹脂溶液として、ポリイミド前駆体溶液が用いられた場合、塗膜の乾燥条件としては、80〜170℃の温度で30〜60分間が好ましい。その際、温度が高いほど、乾燥時間は短くてよい。前記乾燥の後、好ましくは320〜400℃、より好ましくは350℃前後で、20〜60分間、ポリイミド前駆体塗膜を加熱反応させることで、ポリイミド樹脂皮膜が形成される。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、完全に残留溶剤を除去することが好ましく、具体的には、200〜250℃の温度で、10〜30分間加熱して残留溶剤を乾燥させ、続けて、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することが好ましい。
なお、前記基材層塗膜上に離型層塗膜を設けた場合には、離型層塗膜を塗布後、回転させながら、乾燥炉の中へ投入することによって、基材層と離型層とを同時に乾燥する。同時に加熱すると、両者の密着性が強固な積層管状物を得ることができる。すなわち、例えば乾燥させないPIワニス上に直にフッ素系樹脂分散液を塗布し、その後に乾燥し、加熱してイミド化反応とフッ素系樹脂層の焼成処理を同時に行うと、プライマー層がなくても離型層の密着性が強固にすることができる。
−剥離工程−
前記塗膜を固化又は硬化することにより形成された樹脂皮膜は、前記芯体から剥離されて管状物が得られる。得られた管状物には、必要に応じて穴あけ加工やリブ付け加工、等が施されることがある。
好ましい管状物の膜厚は30〜160μm程度である。また、管状物を定着ベルトとして用いる場合には、基材層及び離型層からなる積層構造が好ましく、基材層の厚さを25〜100μmの範囲、離型層の厚さを5〜60μmの範囲(より好ましくは10〜50μm)とすることが好ましい。
本発明の管状物の製造方法では、樹脂溶液の塗布に、前記本発明の第1の塗布装置、第2の塗布装置を用いているため、高粘度の樹脂溶液をモーノポンプによりノズルから吐出させて芯体に塗布する場合、樹脂溶液の吐出変動に対しても、吐出安定化の面及び樹脂溶液平滑化の面から塗膜の均一化(膜厚均一化、膜質均一化)を図ることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。
なお、使用した樹脂用液の粘度は、円錐平板方式粘度計(東機産業(株)製、型式RE80U)を用いて、ローター:3°×R14を使用して、5rpmの条件下、25℃、55%RHの測定環境下で測定した。
〔第1の塗布装置、第1の管状物の製造方法に関する試験例〕
<実施例1−1>
図1に示すような塗布装置を用い、25℃での粘度が130Pa・sのポリイミド前駆体溶液(Uワニス−S、宇部興産製)を直径30mm、長さ550mmのアルミニウム製の芯体に回転塗布した。固化させた後の皮膜膜厚目標を80μmとし、塗布長さを500mmとした。
前記溶液が入った18Lタンク24から、ラジアルスクリューポンプ26(RADIAL SCREW PUMP、伏虎金属工業株式会社製)を介した送液経路28を構築し、これをノズル径が2.0mmのノズル18を備えるモーノポンプ(ロボディスペンサー、兵神装備社製)20に連結して付着手段とした。ラジアルスクリューポンプ26としては、吐出用モーノポンプ20より約5倍の最大吐出能力のあるポンプを選定した。これにより、ラジアルスクリューポンプの回転数を低回転にすることが可能となり、液に対する負荷(圧力の変動)をより少なくすることができる。
モーノポンプ20の吐出量を制御する為に、モーノポンプ20の液供給口手前に圧力センサーを配置して送液圧力を制御することにより、一定量の送液量を確保できるようにした。具体的には、送液圧力を約0.7Paとすることにより、モーノポンプ20の動作時、経路送液中の液切れ等による発泡が無く、芯体上の塗布膜欠陥の発生を防止することができた。
塗布条件は、ラジアルスクリューポンプ26の回転数を50rpm、モーノポンプ20の回転数を30rpmとし、吐出量30g/分、芯体10の軸回転数が350rpmとして、ブレード22としてSUS製で厚み0.2mm、幅20mmのものを圧接力2.5Nで芯体10に押し付け、ノズル14とブレード22との水平方向の移動速度を500mm/分とした。
以上の条件で塗布を行ったところ、塗出量が高いにもかかわらず塗布中の液切れは発生せず、60秒で芯体表面に平均膜厚が80μmの塗膜が形成された。また、このときの溶液ロス(捨て出しロス)は全くなかった。
上述のようにして塗膜が形成された芯体10は、常温環境下で10rpmで15分間回転させ、塗膜をレベリングした後、150℃の乾燥機内にて30分間回転乾燥させ、回転停止しても変形しない状態にした。その後380℃、40分で焼成して固化させ、樹脂皮膜を得た。
得られた樹脂皮膜を芯体から剥離して管状物を得た。管状物の膜厚ばらつきは、4μmという結果となった。なお、膜厚は、カールフィッシャー社製接触式渦電流膜厚測定器を使用し、得られた管状物の軸方向5点×円周方向4点、計20点測定して求めた。
また、得られた管状物の外観を目視により観察し、以下の評価基準により評価した。
○:泡が全くない。
△:直径0.2mm以下の泡が3個/本以下である。
×:直径0.2mmより大きい泡が存在する。
以上の結果をまとめて表1に示す。
<比較例1−1>
実施例1−1において、付着手段としてモーノポンプ、ラジアルスクリューポンプを用いずに、エア圧送用ディスペンサーバルブ(V−10型ユニコントロールズ社製)をノズルに連結して用いた以外は、同様にして芯体に塗布を行った。エア圧送経路では直径15mmのチューブを用い、エア圧約0.6MPaで前記樹脂溶液を吐出した。その結果、3g/分程度の吐出量にとどまった。また、目標膜厚を確保する為には、芯体軸方向への移動速度は50mm/分程度であった。また、吐出途中に液切れが発生した。
上述のようにして形成された塗膜を、実施例1と同様の条件で処理することにより樹脂皮膜を得た。得られた樹脂皮膜を芯体から剥離して管状物を得た。
固化した後の管状物の、液切れが発生した部分を除いた膜厚ばらつきは、20μmとなった。その他の評価結果を含め、結果をまとめて表1に示す。
<比較例1−2>
実施例1において、付着手段にモーノポンプは使用するが、これへの送液のためにラジアルスクリューポンプを使用せず、200ccの前記溶液が入ったカートリッジを連結したものを用いた。この場合、モーノポンプの軸回転数15rpmで10g/分の吐出が問題なく可能であり、塗布中の液切れは発生せず、膜厚ばらつきは少なかったが、膜質に若干微笑うねりの問題を生じた。また、芯体の軸方向への移動速度は180mm/分であり、実施例1のような塗布速度を達成することはできなかった。
結果をまとめて表1に示す。
Figure 0004702019
<実施例1−2>
塗布装置の構成を実施例1−1と同様とし、モーノポンプ20の軸回転数(樹脂溶液の吐出量)とラジアルスクリューポンプ26の送液量とを表2に示すように変化させ、塗布可能膜厚の上下限を調べた。
具体的には、モーノポンプ20の回転数を5〜110rpmまで変化させ、ラジアルスクリューポンプ26の回転数を前記各々の回転数の1/2にして吐出させ塗布を行った。得られた結果を表2に示す。
Figure 0004702019
表2に示すように、固化膜厚が20μm付近では吐出量設定が少量になり、ここで使用したモーノポンプでは能力が大きすぎ液切れが発生してしまった。また、固化膜厚が170μm付近では膜厚ばらつきが11μmと大きく、製品として適正でないものとなった。よって、塗布可能な膜厚範囲tは、30μm≦t≦150μmであることがわかった。
<実施例1−3>
塗布装置として、実施例1における付着手段のノズルを、図6に示したような2又の2本ノズル(内径:2mm)とし、ブレードを幅25mmのものに変更した以外は同様の装置とした。
まず、ノズルピッチを2mm、塗布速度を1000mm/分(塗布ピッチ:4mm/分)に固定しそれに見合った吐出量を設定し、芯体回転数を250rpmに固定させて塗布を行った。そして、塗布後の塗膜外観、固化後の膜厚ばらつき等を評価した。この評価を、ノズルピッチを4mm、8mmと変化させて同様に行った。結果を表3に示す。
次に、塗布速度を2000mm/分(塗布ピッチ:8mm/分)として、上記と同様の評価を行なった。結果を表4に示す。
なお、表3、4において、表面うねり量はレーザー外形測定器(ミツトヨ社製)により測定した。
Figure 0004702019
Figure 0004702019
表3、表4の結果から、多本ノズルを使用した場合には、ラジアルスクリューポンプを用いた場合でも、前記式(1)、式(2)の条件のどちらかが満たされていることが良好な塗布面形成に好ましいことがわかる。
<実施例1−4>
塗布装置として、実施例1−3における2又の2本ノズルでノズルピッチを4mmとし、ブレード幅を13mmとしたものを用いた。塗布速度を2000mm/分(塗布ピッチ:8mm/分)とし、同様の設定条件で塗布を行い、同様の評価を行なった。次いで、ブレード幅を25mm、35mmと変更し、同様の評価を行なった。結果をまとめて表5に示す。
Figure 0004702019
表5に示すように、前記式(1)、式(2)の両式の条件を満たしていても、前記式(3)のブレード幅と塗布ピッチとの関係を満たしていなければ、塗布後外観に影響するばかりでなく、ブレード幅が広過ぎる場合は芯体そのものに傷をつけてしまい塗布面を乱す原因になる場合もあることがわかる。
<実施例1−5>
塗布装置として、実施例1−1における付着手段のノズルを、図7に示したような3又の3本ノズル(内径:2.5mm)とし、外径200mmの芯体を用いた以外は同様の装置構成とした。
ノズルピッチを5mm、塗布速度を600mm/分(塗布ピッチ:12mm/分)に固定しそれに見合った吐出量を設定し、芯体回転数を50rpmに固定させて塗布を行った。そして、塗布後の塗膜外観、固化後の膜厚ばらつき等を評価した。この評価を、ブレード幅を36mm、60mmと変化させて同様に行った。結果を表6に示す。
Figure 0004702019
表6に示すように、多本ノズルを使用する場合には、塗布するワーク外径を大径化しても実施例1−4と同様な結果になり、前記式(1)〜(3)で規定される関係を満たさなければ、塗膜外観としては最適な塗布面が得られないことがわかる。
〔第2の塗布装置、第2の管状物の製造方法に関する試験例〕
<実施例2−1>
図3に示すような塗布装置を用い、25℃での粘度が140Pa・sのポリイミド前駆体溶液(Uワニス−S、宇部興産製)を、直径30mm、長さ550mmのアルミニウム製の芯体に回転塗布した。固化させた後の皮膜膜厚目標を80μmとし、塗布長さを500mmとした。
前記溶液が入った18Lタンク24から、送液経路を通じてノズル径が2.0mmのノズル18を備えるモーノポンプ(ロボディスペンサー、兵神装備社製)20に連結して付着手段とした。この場合、モーノポンプ20の軸回転数15rpmで10g/分の吐出が可能であり、塗布中の液切れは発生しなかった。
ループブレードとしては、SUS304製(表面の算術平均粗さRa:0.6μm)で厚み0.1mm、幅20mmの板を、ループ径が30mmとなるように支持体であるアルミニウム製のホルダーに固定して作製した。これを圧接力1.0Nで芯体10に押し付けられるように設定した。
以上の条件で、吐出量60g/分、芯体回転数150rpm、塗布速度600mm/分で塗布を行ったところ、付着量の変動にもかかわらず塗布中のうねり等は発生せず、40秒で芯体表面に平均膜厚が450μmの塗膜が形成された。
上述のようにして塗膜が形成された芯体10は、常温環境下で10rpmで15分間回転させ、塗膜をレベリングした後、150℃の乾燥機内にて30分間回転乾燥させ、回転停止しても変形しない状態にした。その後380℃、40分で焼成して固化させ、樹脂皮膜を得た。
得られた樹脂皮膜を芯体から剥離して管状物を得た。管状物の膜厚ばらつきは、4μmという結果となった。また、得られた管状物の外観を目視により観察し、前記の評価基準により評価したところ、ブレード以外は同様の装置構成で塗布した比較例1−2の場合に比べ良好であり○レベルであった。なお、管状物剥離後の芯体表面には、ブレード接触による傷はまったく認められなかった。
<実施例2−2>
実施例2−1に用いた塗布装置において、ブレードとしてループブレードの代わりに、厚さ0.2mmのSUS304製の板で、幅20mm、長さ30mmのフラットブレードを用い、芯体への圧接力を2.0Nとした以外は同様の構成の装置を用いた。この塗布装置により、吐出量60g/分、芯体回転数250rpm、塗布速度1000mm/分として、塗布長さ500mmでポリイミド前駆体溶液を塗布した後、約10分回転させて塗膜を安定化させた。乾燥前の基材層塗膜の膜厚は約550μmであった。
その後、ブレードを実施例2−1で用いたループブレードに交換し、離型層用のPFAの水性塗料(商品名:710CL、三井デュポンフロロケミカル社製、濃度:60質量%、粘度:400mPa・s、溶媒として水のほかに、エタノール、t−ブタノールを含む)を、別のモーノポンプにて上記基材層塗膜上に吐出させ、ループブレードをこの離型層溶液にのみ接触させて平滑化しながら、基材層塗膜に影響がないように重ね塗りをした。離型層樹脂液吐出量は、焼成後の膜厚が20μmになるような量に制御した。また、塗布速度は前記塗布速度と同じ1000mm/分とした。
塗布後、更に5分ほど回転させることで離型層樹脂塗膜を安定化させ、その後120℃の乾燥炉に投入し、1時間回転しながら乾燥させた。次いで、芯体を縦に置き、380℃で1時間加熱して、ポリイミド前駆体をイミド化させると共に、離型層を焼成して、基材層厚が85μm、離型層厚が20μmの積層管状物を得た。
上記積層管状物その外観は、筋等がなく良好であり、従来のように、離型層樹脂液をディッピング塗布によって形成した積層管状体と遜色ないでき栄えであった。また、離型層の膜厚ばらつきは5μm程度で、ディップ塗布での膜厚ばらつきと変わらなかった。
<比較例2−1>
実施例2−2と同様にして芯体上に基材層塗膜を形成した後、これを芯体ごと120℃で1時間乾燥させた。
一方、実施例2−2で用いたPFAの水性塗料を内径90mm、高さ600mmの塗布槽に入れ、この中に、前記基材層を設けた芯体を、被覆を下側にして垂直にし、上部のPI前駆体皮膜を5mmだけ残して浸漬した。次いで0.3m/分の速度で引き上げ、PFA塗膜を形成した。
80℃で10分間の乾燥後、被覆を除去した。その後、前記の条件で加熱してPI前駆体を反応させてPI樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜を焼成した。室温に冷えた後、芯体1から皮膜を取り外し、積層管状物を得た。
しかしこの場合には、基材層を塗布後に、まずそれだけを加熱乾燥させる必要があるので、乾燥工程が余分にかかってしまう。
<比較例2−2>
実施例2−2と同様にして基材層塗膜を形成した後、引き続いてフラットブレードのまま圧接力を2.0Nとして、離型層形成用のPFA水性塗料を付着させながら平滑化を行った。しかしこの場合には、ブレード先端がPI前駆体塗膜にも接触しているため、まだ乾燥していないPI前駆体塗膜をかき乱し、離型層樹脂溶液と混じり合って筋だらけの塗膜になってしまった。
本発明の第1の塗布装置の一例を示す概略構成図である。 ラジアルスクリューポンプの説明図である。 本発明の第2の塗布装置の一例を示す概略構成図である。 第2の塗布装置の主要部分を軸方向から見た図である。 平滑化手段を示す図であり、(A)は側面図、(B)はブレード側からの正面図である。 多本ノズルの一例を示す概略構成図であり、(A)は正面図、(B)は底面図を示す。 多本ノズルの他の一例を示す概略構成図であり、(A)は正面図、(B)は底面図を示す。
符号の説明
1 塗布装置
10 芯体
12 保持部材
14 樹脂溶液
16 ディスペンサー
18 ノズル
20 モーノポンプ(一軸回転型体積移動式ポンプ)
22 ブレード
24 貯蔵タンク
26 ラジアルスクリューポンプ(二軸スクリューポンプ)
28 供給管
32 平滑化手段
34 ポンプケーシング
36 回転スクリュー
40、42 突き当て・退避位置

Claims (2)

  1. 円筒状または円柱状芯体に皮膜形成用の樹脂溶液を塗布する塗布装置であって、
    前記芯体の中心軸を水平にして前記芯体を回転させる回転手段と、前記樹脂溶液を前記芯体へ吐出して付着させる付着手段と、該樹脂溶液が付着した部分を相対的に前記芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させる移動手段と、を有し、
    前記付着手段が、少なくとも前記樹脂溶液を吐出するノズルと、該ノズルに前記樹脂溶液を供給する一軸回転型体積移動式ポンプと、該一軸回転型体積移動式ポンプに前記樹脂溶液を供給する二軸スクリューポンプと、を備えることを特徴とする塗布装置。
  2. 筒状または円柱状芯体に、25℃における粘度が1〜1500Pa・sの皮膜形成用の樹脂溶液を塗布して該樹脂溶液の塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を固化または硬化させて樹脂皮膜を形成する皮膜形成工程と、前記樹脂皮膜を前記芯体から剥離する剥離工程と、を有する管状物の製造方法であって、
    前記樹脂溶液の塗布が、請求項1に記載の塗布装置により行なわれることを特徴とする管状物の製造方法。
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