JP4735133B2 - 樹脂分散液の塗布方法、無端ベルトの製造方法。 - Google Patents

樹脂分散液の塗布方法、無端ベルトの製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、円筒或いは円柱状芯体に樹脂分散液を塗布する樹脂分散液の塗布装置及び塗布方法に関する。また、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置のベルト部材として使用される無端ベルトの製造方法に関する。
従来、画像形成装置において、感光体、帯電体、転写体、及び定着体等の小型/高性能化のために、肉厚が薄いプラスチック製フィルムからなるベルトが用いられる場合がある。そのベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目の跡が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが好ましい。材料としては、強度や寸法安定性、耐熱性等の面でポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂が好ましい。(適宜、ポリイミドはPI、ポリアミドイミドはPAIと略す)
PI樹脂無端ベルトの製造方法としては、従来公知技術として、引用文献1に記載されているように、回転させた円筒芯体の表面に、ディスペンサー先端を接触させ、かつディスペンサー供給部芯体の回転軸方向の移動速度V(mm/秒)と芯体の回転数R(回転/秒)との比が関係式(1)で表される範囲内にして、ディスペンサーから樹脂溶液を供給して塗布する方法(以下、この塗布方法を螺旋塗布方法と称する)がある。
(V/R)<1.5 (mm/回転) (1)
上記方法では、耐熱樹脂溶液の定量的連続吐出をしながら塗布すると記述はあるものの、その具体的吐出方法の記述がない。通常、25℃での粘度が1〜1500Pa・sの高粘度の溶液の吐出すると、溶液がじゅうぶんに平滑化されず、らせん状の筋が残る場合があって好ましくなかった。
そこで、引用文献2に記載のように、吐出された溶液をブレードによって平滑にする方法もある。この方法では、吐出された溶液は平滑化手段としてのブレードで平滑化されるので、溶液がらせん状の筋になることはないものの、芯体両端の非塗布部分でもブレードが芯体に接触しているので、芯体やブレードが損傷しやすい問題があった。
特開平9−85756号公報 特開平10−69183号公報
本発明は、螺旋塗布方法を利用し、平滑化手段や芯体が損傷することなく塗布が行える樹脂分散液の塗布方法を提供することを目的とする。また、本発明は、当該塗布方法を利用した無端ベルトの製造方法を提供することも目的とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の樹脂分散液の塗布方法は、円筒状或いは円柱状芯体をその中心軸が水平になるように回転させ、付着手段により前記芯体に樹脂分散液を付着させつつ、付着させた樹脂分散液を平坦化手段により平坦化し、前記付着手段及び前記平滑化手段を相対的に前記芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させて、前記芯体に樹脂分散液を塗布する塗布方法であって、
前記平滑化手段は、樹脂分散液を前記芯体に付着させている間、前記芯体表面に突き当て、それ以外の間は前記芯体から退避させる、ことを特徴としている。
本発明の樹脂分散液の塗布方法では、芯体表面に樹脂分散液を付着させているときのみ平滑化手段を芯体表面へ突き当て、それ以外では平滑化手段を芯体から退避させることで、平滑化手段と芯体とが直接接触することが回避され、平滑化手段や芯体が損傷するが防止される。
ここで、「樹脂分散液を芯体に付着させている間」とは、樹脂分散液を芯体表面に供給したときの芯体上の位置が平滑化手段(ブレード)の突き当て位置と重なるときから、供給時の芯体上の位置が平滑化手段の退避位置と重なるときまでの間を示す。なお、樹脂分散液が芯体表面に供給されから芯体が数周(例えば0.2〜2周など)回転し、供給開始位置が数ミリ移動した後に、平滑化手段を芯体(付着した樹脂分散液)に突き当ててもよい。また、供給が終了してから芯体が数周(例えば0.2〜2周など)回転し、供給終了位置が数ミリ移動した後に、平滑化手段を芯体(付着した樹脂分散液)に退避させてもよい。但し、いずれも、平滑化手段は芯体表面へ直接接触せず、付着した樹脂分散液と接触する状態で突き当て・退避を行う。
本発明の樹脂分散液の塗布方法において、前記平滑化手段はブレードで構成され、当該ブレードの自由長が20〜100mmであることがよい、
本発明の樹脂分散液の塗布方法において、
円筒状或いは円柱状芯体をその中心軸が水平になるように回転させ、付着手段により前記芯体に樹脂分散液を付着させつつ、付着させた樹脂分散液を平坦化手段により平坦化し、前記付着手段及び前記平滑化手段を相対的に前記芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させて、前記芯体に樹脂分散液を塗布する第1塗布工程と、
前記第1塗布工程が終了後、前記付着手段及び前記平坦化手段の位置を変えることなく、前記芯体を他の芯体に取替える工程と、
前記第1塗布工程が終了後の前記付着手段及び前記平坦化手段の位置から、前記他の芯体をその中心軸が水平になるように回転させ、付着手段により前記他の芯体に樹脂分散液を付着させつつ、付着させた樹脂分散液を平坦化手段により平坦化し、前記付着手段及び前記平滑化手段を相対的に前記他の芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させて、前記芯体に樹脂分散液を塗布する第2塗布工程と、
を有することがよい。
通常、付着手段及び平滑化手段を芯体に対して一方方向のみに移動させて塗布を行う場合には、付着手段及び平滑化手段を戻す時間分余計に時間がかかる。これに対し、上記第1塗布工程及び第2塗布工程を行うことで、付着手段及び平滑化手段を往復移動させて塗布を行い、複数本の芯体に対し短時間で且つ効率良く塗布が行える。
本発明の樹脂分散液の塗布方法において、第1塗布工程での移動方向に対する平滑化手段の形状及び当該平滑化手段への樹脂分散液の付着位置と、第2塗布工程での移動方向に対する平滑化手段の形状及び当該平滑化手段への樹脂分散液の付着位置と、が同一であることがよい。即ち、第1塗布工程と第2塗布工程とでの、平滑化手段の形状及び当該平滑化手段への樹脂分散液の付着位置が対称関係にあることがよい。これにより、第1塗布工程と第2塗布工程で、同一の塗膜を形成可能となる。
一方、本発明の無端ベルトの製造方法は、
円筒状或いは円柱状芯体に被膜形成樹脂溶液を塗布して、前記芯体に前記被膜形成樹脂溶液の塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を加熱して樹脂皮膜を形成する工程と、
前記芯体と前記皮膜とを分離する工程と、
を有する無端ベルトの製造方法であって、
塗膜を形成する工程が、上記本発明の樹脂分散液の塗布方法により行われることを特徴としている。
本発明によれば、螺旋塗布方法を利用し、平滑化手段や芯体が損傷することなく塗布が行える樹脂分散液の塗布方法を提供することができる。また、当該塗布方法を利用した無端ベルトの製造方法を提供することもできる。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面通して同じ符合を付与して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に利用する塗布装置の主要部分を示す構成図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に使用する塗布装置の主要部分の芯体軸方向から見た側面図である。
本実施形態の塗布装置は、図1〜2に示すように、被塗布物である円筒状或いは円筒状芯体10(本実施形態では例えば肉厚が0.5mm〜3mm、直径10mm〜150mmの円筒状芯体)に対し、PI前駆体溶液12を塗布し、その塗膜Pを形成する塗布装置である。ここで、図示しないが、芯体10は、水平に回転可能(矢印A)に支持するアームを有する台座に保持部材を介して配設されている。また、図示しないが、芯体10は、芯体10を軸回転させるための駆動手段(回転手段)と保持部材を介して連結されている。
芯体10の周辺には、樹脂分散液としてポリイミド樹脂前駆体溶液(PI前駆体溶液12)を流下して芯体10にPI前駆体溶液12を付着させる流下装置14(付着手段)が配置されている。
流下装置14(ディスペンサー)は、例えば、PI前駆体溶液12を流下させるノズル16と、ノズル16へPI前駆体溶液12を供給する容器18とから構成されている。容器18としては、例えば、メニカスシリンダー、スクリューなどを利用した装置が適用される。流下装置14は、ノズル16と容器18とが連結管により連結してノズル16と容器18とが分離して別置している形態でもよいし、ノズル16と容器18とが一体的に構成された形態でもよい。本実施形態では、容器18とノズル16とが別体で、ポンプ20を介して連結した形態を説明する。また、ノズル16と容器18との間には例えば電磁弁を介在させて流下量を制御してもよい。
そして、容器18内にはPI前駆体溶液12と共に不活性ガスが満たされており、容器内のPI前駆体溶液12が空気に触れ難くしている。ここで、不活性ガスとは、PI前駆体溶液に対して不活性であるものを示し、具体的には、例えば窒素、アルゴン、二酸化炭素等が挙げられる。
通常、PI前駆体溶液12は例えば1MPa・s以上と粘度が高いので自然には流下しないので、ポンプ20を用いて流下させる。塗膜の膜厚は溶液の吐出量によって定まるため、塗布中は吐出量を一定にしなくてはならない。溶液の吐出は、加圧エアで容器18から押し出す方法でもよいが、定量化を確実にするには、ポンプ20で供給するのがよい。そのポンプ20として、途切れなく一定量を吐出することが可能であるモーノポンプが好ましい。
さらに、容器18からディスペンス用モーノポンプまで溶液を供給するために、別のモーノポンプを設置するのもよい。そのポンプはディスペンス用モーノポンプより供給能力の高いポンプを採用し、ディスペンス用モーノポンプでの吐出量より多めに供給する。
また、本実施形態はポンプによりPI前駆体溶液を流下させる形態を説明しているが、容器18内に不活性ガスを加圧して充填しつつ、容器18からノズル16を通じてPI前駆体溶液12を押出して吐出させることもできる。但し、流量が変化する場合があるので、流量を安定化するためには、やはりポンプを用いるのがよい。
ノズル16と芯体10の距離は任意でよいが、流下液が途切れることがないよう、10〜100mm程度が好ましい。液の途切れが生じると、泡を巻き込むことがある。
芯体10の周辺には、芯体10へ付着したPI前駆体溶液12を平滑化する平滑化手段として、ブレード22が配置されている。ブレード22は、芯体10へ突き当てて圧接させることで、芯体10に付着されたPI前駆体溶液12を平滑化する。ブレード22は、その先端が湾曲されて(しなるように)、芯体10へ圧接される。
ブレード22は、図1〜図3に示すように、芯体10へPI前駆体溶液12を付着した直後に芯体10の一端側の突き当て位置24において、水平方向に移動されて芯体10へ突き当てられ、そして、芯体10へのPI前駆体溶液12の付着の終了直前に芯体10の他端側の退避位置26において、水平方向に移動されて退避するように、不図示の駆動手段により駆動される。
ブレード22は、PI前駆体溶液12に侵されない材料(例えば、ポリエチレンやフッ素樹脂等のプラスチック、又は、真鍮やステンレス等の金属)で、厚さ0.01〜1mm程度の薄い板から構成することができる。また、ブレード22幅(芯体10軸方向に沿った幅)は、少なくとも塗布のピッチ(芯体10軸方向移動速度/芯体回転速度)より広いことがよく、上限は広すぎても塗膜に筋が形成される場合があるので上記ピッチの2倍以下であることがよい。
ここで、ブレード22の芯体10への圧接力としては、例えば真円度が0〜1mmの芯体10の回転時の最大振れ幅(例えば0〜2mm)に合わせて、ブレード22が当該振れ幅に追随できるように0.2Nから4Nの範囲とし、塗膜にらせん状模様が発生しない条件とする。
なお、真円度とは、JIS B 0621−1974に準じて、円形部分の幾何学的円からの狂いの大きさをいい,円形部分を二つの同心の幾何学的円ではさんだとき、両円の間の領域が最小となる場合の半径の差で表す。
流下装置14(ノズル16)及びブレード22は、PI前駆体溶液12の芯体10への付着及び平滑化に伴い、芯体の回転毎に付着部及び平滑化部が相対的に芯体10の一端から他の一端へ水平方向(矢印B)に移動させる。この構成は、図示しないが、流下装置14(ノズル16)及びブレード22を移動させる構成としてもよいし、芯体10が移動する構成としてもよく、周知の技術により構成することができる。
流下装置14(ノズル16)及びブレード22とを連動させ、芯体10の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、芯体10の表面に塗布することができる。その移動速度が塗布速度と言える。
塗布時の条件は、芯体10の回転速度が20〜200rpmであり、塗布速度Vは、芯体の外径k、PI前駆体溶液の流下量f、所望の濡れ膜厚tと関係があり、V=f/(t・k・π)の式で表わされる。πは円周率を示す。
本実施形態に係る塗布装置では、まず、芯体10を矢印A方向に回転させながら、流下装置14のノズル16から、PI前駆体溶液12を流下させて芯体10にPI前駆体溶液12を付着する。この直後に芯体10の一端側の突き当て位置24においてブレード22を水平方向に移動させて芯体10へ突き当てることで、芯体10に付着したPI前駆体溶液12を平滑化する。そして、芯体10の回転毎に付着点及び平滑化点(流下装置14及びブレード22)を、芯体10の一端から他の一端へ水平方向(矢印B)に移動させる。
その後、芯体10へPI前駆体溶液12が終了直前に、芯体10の他端側の退避位置26において、ブレード22を水平方向に移動させて芯体10から退避させる。
このようにして、PI前駆体溶液12が芯体10外周面に塗布され、塗膜が形成され、塗布が終了する。
なお、芯体10の塗布面は、芯体10の全面にわたって形成されなく、両端に多少の不塗布部が残される。そこで、図示しないが、芯体10の両端に、芯体10の外径と同じ外径の円筒体を取り付けて、その円筒体にも塗布するようにすれば、芯体10の全面にわたって塗膜を形成することもできる。その場合は、塗布後に円筒体を取り外し、塗膜を洗浄すればよい。
ここで、樹脂分散液としてはPI前駆体溶液に限られず、例えば、ポリアミドイミド、ポリカーボネイト、ポリエステル、ポリアミドの樹脂溶液も適用することができる。特に、ポリイミド樹脂前駆体溶液を塗布してポリイミド樹脂皮膜を形成する場合は、他の樹脂よりも比較的高い温度条件で乾燥・焼成処理が施され、これを繰り返し行われると芯体の真円度は悪化しやすい。このため、樹脂分散液としてポリイミド樹脂前駆体溶液を適用する非常に有利である。
以上、説明したように本実施形態では、芯体10表面にPI前駆体溶液12が付着しているときのみに、平滑化手段としてのブレード22を芯体10表面へ突き当て、それ以外ではブレード22を芯体10から退避させることで、ブレード22と芯体10とが直接接触することが回避され、平滑化手段や芯体が損傷するが防止される。
ここで、ブレード22の突き当て・退避方法として、図3に示すように、ブレード22を水平方向に移動させる形態を説明したが、これに限定されるわけではない。例えば、図4に示すように、ブレード22を水平方向に対して傾斜させる方向に移動させて、芯体10へ突き当て、そして退避させる形態、図5に示すように、ブレード22を垂直方向に移動させて、芯体10へ突き当て、そして退避させる形態、図6に示すように、ブレード22の一端を支持し、この支持部を軸として回転移動させて、芯体10へ突き当て、そして退避させる形態等が挙げられる。
図3に示すようなブレード22を水平方向に移動させる形態では、ブレード22がその腹部で芯体10表面へ圧接するように、ブレード22がその先端から芯体10に突入し、その後、芯体10表面を摺動しつつ移動して突き当てられる(無論、芯体10の回転によっては摺動されることとなる)。このため、ブレード22の突き当て時に芯体10(或いは塗膜)にキズを付けやすい。また、ブレード22の退避時にも、退避時にも同様に芯体10表面を摺動しつつ移動し、最後、その先端がはじかれるようにして退避されてしまい、やはり、芯体10(或いは塗膜)にキズを付けやすい。
これに対し、図4〜図6に示すようなブレード22を移動させる形態では、ブレード22の腹部から突入して、芯体10表面へ突き当てられるため、ブレード22が芯体10表面を摺動することがなくなる。同様に、ブレードの退避時にも、ブレード22が芯体10表面を摺動することがなくなる。このため、ブレード22の突き当て・退避による芯体10(或いは塗膜)へのキズ発生が抑制される。
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に利用する塗布装置の主要部分を示す斜視図である。図8は、本発明の第2の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に使用する塗布装置の主要部分の芯体軸方向と直交した方向から見た上面図である。但し、図中、塗布装置は、平滑化手段が異なる以外は第1実施形態と同様な構成であるので、芯体及び平滑化手段のみを示し、これら以外は省略している。
本実施形態は、図7に示すように、不図示の流下装置及び平滑化手段としてのブレードを芯体10の軸方向に往復移動させて、芯体10へのPI樹脂分散液の塗布を行う形態である。ここで、図7(A)が不図示の流下装置及びブレードを芯体軸方向に往路方向(矢印B−1)に移動しつつ塗布する様子を示しており、図7(B)が不図示の流下装置及びブレードを芯体軸方向に復路方向(矢印B−2)に移動しつつ塗布する様子を示している。なお、図7中、矢印はPI前駆体溶液12の流下方向を示している。
本実施形態の塗布装置では、平滑化手段として、ブレードが2つ用いられ、一つが往路用ブレード22A、他方が復路用ブレード22Bである。往路用ブレード22A及び復路用ブレード22Bは、それぞれの先端に切欠け28A、28Bを有する非対称形状のブレードである。往路用ブレード22A及び復路用ブレード22Bは支持部材30A、30Bにより支持固定されており、支持部材30A、30Bが回転可能に連結軸32により連結されている。この連結軸32を軸として往路用ブレード22A及び復路用ブレード22Bがそれぞれ回転移動し芯体10への突き当て・退避が行えるようにしている。
これら以外の構成は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態では、まず、図7(A)に示すように、芯体10を矢印A方向に回転させながら、不図示の流下装置によりPI前駆体溶液12を流下させて芯体10にPI前駆体溶液12を付着する。この直後に芯体10の一端側の突き当て・退避位置34において平滑化手段の往路用ブレード22Aを回転移動させて芯体10へ突き当てることで、芯体10に付着したPI前駆体溶液12を平滑化する。往路用ブレード22Aは、ブレード移動方向(矢印B−1)下流側に切欠け28Aを有しているブレードである。そして、芯体10の回転毎に付着点及び平滑化点(不図示の流下装置及び往路用ブレード22A)を、芯体10の一端から他の一端へ水平方向(矢印B−1)に移動させる。
ここで、図8(A)に示すように、往路用ブレード22Aを用いる塗布では、PI前駆体溶液12の流下位置38がブレード移動方向の上流側に位置するように、塗布開始時に突き当て・退避位置34において往路用ブレード22Aと不図示の流下装置との位置合わせが行われる。
その後、芯体10へPI前駆体溶液12が終了直前に、芯体10の他端側の突き当て・退避位置36において、往路用ブレード22Aを回転移動させて芯体10から退避させる。
このようにして、PI前駆体溶液12が芯体10外周面に塗布され、塗膜が形成され、第1塗布を終了する。
続いて、不図示の流下装置及び往路用ブレード22Aを退避させた位置のまま、塗布後の芯体10を取り外し、他の芯体10Aを塗布位置へ取り付ける。
そして、図7(B)に示すように、他の芯体10Aを矢印A方向に回転させながら、不図示の流下装置によりPI前駆体溶液12を流下させて他の芯体10AにPI前駆体溶液12を付着する。この直後に他の芯体10Aの一端側の突き当て・退避位置36において復路用ブレード22Bを回転移動させて他の芯体10Aへ突き当てることで、芯体10に付着したPI前駆体溶液12を平滑化する。復路用ブレード22Bは、ブレード移動方向(矢印B−2)下流側に切欠け28Bを有しているブレードである。なお、塗布開始時には、突き当て・退避位置36において、PI前駆体溶液12の付着部に復路用ブレード22Bが突き当てられるように、復路用ブレード22Bと不図示の流下装置との位置合わせが行われる。そして、他の芯体10Aの回転毎に付着点及び平滑化点(不図示の流下装置及び復路用ブレード22B)を、他の芯体10Aの一端から他の一端へ水平方向(矢印B−2)に移動させる。
ここで、図8(B)に示すように、復路用ブレード22Bを用いる塗布でも、PI前駆体溶液12の流下位置38がブレード移動方向の上流側に位置するように、塗布開始時に突き当て・退避位置36において復路用ブレード22Bと不図示の流下装置との位置合わせが行われる。
その後、他の芯体10AへPI前駆体溶液12が終了直前に、他の芯体10Aの他端側の突き当て・退避位置34において、復路用ブレード22Bを水平方向に移動させて他の芯体10Aから退避させる。
このようにして、PI前駆体溶液12が芯体10外周面に塗布され、塗膜が形成され、第2塗布を終了する。この第1及び第2塗布を繰り返すことで、複数本の芯体にPI前駆体溶液を塗布することができる。
以上説明したように、本実施形態では、上記第1塗布及び第2塗布を行う、即ち、流下手段及び平滑化手段を往復移動させて塗布を行うことで、流下手段及び平滑化手段を芯体に対して一方方向のみに移動させて塗布を行う場合に比べ、複数本の芯体に対し短時間で且つ効率良く塗布が行える。
また、平滑化手段として、移動方向に対して非対称なブレードを使用する場合、往路用ブレード22A、復路用ブレード22Bとそれぞれ別々に使用して、第1塗布での移動方向に対するブレード形状と、第2塗布での移動方向に対するブレード形状とが同一になるようにしている。つまり、本実施形態では、往路用ブレード22Aを用いて塗布する際は、切欠け28Aがブレード移動方向下流側へ位置するようにし、復路用ブレード22Bを用いて塗布する際でも、切欠け28Bがブレード移動方向下流側へ位置するようにしている。これにより、第1塗布と第2塗布で、同一の塗膜を形成可能としている。
さらに、往路用ブレード22Aを用いる塗布でも、復路用ブレード22Bを用いる塗布でも、PI前駆体溶液12の流下位置38がブレード移動方向の上流側に位置するようにしている。これにより、第1塗布と第2塗布とで、同一の塗膜を形成可能としている。
このように、第1塗布と第2塗布とで、ブレード形状及び当該ブレードへのPI前駆体溶液12の付着位置が対称関係にあることで、同一の塗膜を形成可能としている。これは、ブレード移行方向に対するブレード形状や、ブレードへのPI前駆体溶液12の付着位置が変わることで、異なる塗膜が形成されることを防止しているためのである。
(第3の実施形態)
本実施形態では、上記第1又は第2の実施形態を適用して、無端ベルトを製造する方法について説明する。以下、樹脂溶液としてPI前駆体溶液をいて、樹脂皮膜としてPI樹脂皮膜を形成する形態を説明する。無論、本発明はこれに限られるわけではない。
<PI前駆体塗布工程>
まず、上記第1又は第2の実施形態に従って、芯体の表面にポリイミド樹脂前駆体溶液の塗膜を形成する。
ここで、芯体の材質は、アルミニウムや、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましいが、熱膨張率が大きいという観点から、アルミニウムが特に好ましい。芯体表面は、クロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆してもよい。芯体表面には、PI樹脂皮膜が接着しないよう、離型剤を塗布することが好ましい。
後述する乾燥時に、残留している溶剤、あるいは加熱反応時に樹脂から発生する水が除去しきれない場合、PI樹脂皮膜に膨れが生じることが避けられないことがあり、これは特にPI樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合に顕著であるが、その場合、芯体表面の粗面化が有効である。すなわち、PI樹脂皮膜から生じる残留溶剤又は水の蒸気は、芯体とPI樹脂皮膜の間にできるわずかな隙間を通って外部に出ることができ、膨れが生じなくなる。粗面化の粗さは、Raで0.2〜2μm程度が好ましい。
芯体表面の粗面化の方法には、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法がある。特に、PI樹脂ベルト内面を球状凸形状にするために、芯体の表面は、球状の粒子を用いてブラスト処理を施すのがよい。ブラスト処理とは、直径0.1〜1mm程度のガラス、アルミナ、ジルコニア等からなる粒子を、圧縮空気によって芯体に吹き付けて圧痕を形成させる方法である。ブラスト粒子として、不定形のアルミナ粒子(例えば一般的な研磨粒子)を用いた場合には、芯体表面の粗面形状も不定形となり、特に鋭角の突起や窪みが形成されやすく、作製されるPI樹脂ベルトの内面にも鋭角の突起や窪みが形成されて好ましくない。
<乾燥工程>
芯体上にPI前駆体溶液を塗布後、乾燥をするとPI前駆体皮膜が形成される。乾燥温度は50〜150℃、乾燥時間は30〜200分が好ましい。その際、溶剤である非プロトン系極性溶剤は極めて乾燥が遅いので、乾燥促進のために温度を上げると、PI前駆体溶液の粘度が低下し、PI前駆体塗膜は重力の影響を受けて、乾燥する前に垂れが生じやすい。その場合には、塗布された芯体を、軸方向を水平にして、10〜60rpm程度で回転させながら乾燥するとよい。その場合、回転塗布工程から連続して回転させ続けることが好ましい。
乾燥後の時点では、PI前駆体皮膜には非プロトン系極性溶剤が、最初の含有量の10〜40%程度は残っており、皮膜はまだ柔軟性を有している。そのため、皮膜は芯体から取り外せるわけではなく、管状物としての強度を保持していないが、管状物としての強度を保持できるほど皮膜を乾燥させた場合には、加熱焼成後にフッ素樹脂との密着性が低下する。
乾燥によりPI前駆体皮膜は収縮が起こるので、芯体の両端に多少の不塗布部を残して塗膜を形成した場合は、不塗布面(芯体表面の露出部)が拡大し、芯体の全面にわたって塗膜を形成した場合でも、片端又は両端に、芯体表面の露出部が生じることとなる。
<加熱焼成工程>
次いで、350〜450℃の温度で20〜60分間、PI前駆体皮膜を加熱し、縮合反応させる。その際、フッ素樹脂粉体は溶融焼成されてフッ素樹脂層となる。このようにPI前駆体皮膜上にフッ素樹脂分散液を塗布し、同時にPI樹脂皮膜とフッ素樹脂層とを形成すると密着性が向上する。なお、PI前駆体被膜皮膜中に溶剤が残留していると、皮膜に膨れを生じることがあるため、前記温度に達するまでに、完全に残留溶剤を除去することが好ましく、この工程では、温度を段階的に上昇させたり、ゆっくりと上昇させることが好ましい。
加熱焼成の後、芯体を常温に冷やすと、無端ベルトが形成され、芯体から取り出す事ができる。必要に応じて、無端ベルト端部を切断して端部の長さを揃える切断加工、表面の粗さを調整する研磨加工、等が施される。
ここで、無端ベルトを転写ベルトや接触帯電ベルトとして使用する場合には、PI前駆体溶液(樹脂溶液)の中に必要に応じて導電性物質を分散させる。導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物、等が挙げられる。前述したように皮膜が収縮すると抵抗値にむらを生じるが、収縮を防止することにより、抵抗値も均一にすることができる。
転写ベルトや接触帯電ベルトとしての用途に好ましい無端ベルトの膜厚は30〜150μm程度である。
また、無端ベルトを定着ベルトとするには、無端ベルトの表面に、トナーに対して非粘着性のフッ素樹脂層を形成する。その材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂が好ましい。また、非粘着性の樹脂皮膜には、耐久性や静電オフセットの向上のためにカーボン粉末が分散されていてもよい。
フッ素系樹脂皮膜を形成するには、その水分散液を無端ベルトの表面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。また、フッ素系樹脂皮膜の密着性が不足する場合には、必要に応じて、無端ベルト表面にプライマー層をあらかじめ塗布形成する方法がある。
無端ベルト表面にフッ素系樹脂皮膜を形成するには、加熱されたベルトを芯体の表面に形成してから、これらを塗布してもよいが、無端ベルトを作製前、例えばPI前駆体溶液を塗布して溶剤を乾燥させてから、又は、溶剤を完全に乾燥させないまま、フッ素系樹脂分散液を塗布し、その後に加熱してイミド転化完結反応とフッ素系樹脂皮膜の焼成処理を同時に行ってもよい。この場合、プライマー層がなくてもフッ素系樹脂皮膜の密着性が強固になることもある。
定着ベルトとしての用途に好ましい無端ベルトの膜厚は25〜100μm、また、フッ素樹脂層の厚さは10〜40μmの範囲が好ましい。
上記何れの実施形態においても、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
上記第1実施形態に示す塗布装置(図1〜図3参照)を用い、25℃での粘度が約100Pa・sのPI前駆体溶液(商品名:Uイミド、ユニチカ製)を直径30mm、長さ500mmの芯体に回転塗布する。すなわち、400mlのPI前駆体溶液が入った容器にモーノポンプを連結し、軸回転数15rpmで10g/分の吐出量に調整し、ディスペンサー(流下装置)から芯体表面に流下して付着させるようにする、
ここで、平滑化手段としてのブレードは、厚さ0.1mmのステンレス板を幅8mm、長さ50mmに加工してPI前駆体溶液の流下位置(付着位置)が幅方向中央になるように取り付けた。その他、塗布の条件を下記のようにして塗布を行った。
−条件−
吐出量 10g/分
移動速度 180mm/分
芯体回転数 120rpm
塗布時間 167s
溶液ロス量(捨て出しロス) 0g
PI前駆体溶液を芯体に向け吐出し、PI前駆体溶液が芯体に1周した後、ブレードを水平方向に移動させて芯体へ突き当てることでPI前駆体溶液に接触し、吐出終了後、吐出終了箇所がブレードから3mm移動した時点でブレードを水平方向に50mm後退させて、塗布を終了した(図3参照)。塗布時にはPI前駆体溶液が芯体とブレードの間に存在するために芯体とブレードにキズなどを付けずにPI前駆体溶液を平滑にした。
塗布後、芯体を10rpmで回転させながら、120℃の加熱装置に入れ、45分間 乾燥させた。次いで、芯体を垂直にして、190℃で10分間、250℃で30分間、320℃で30分間加熱してPI樹脂皮膜を形成した。芯体が室温に冷えた後、皮膜を抜き取って無端ベルトを得た。
得られた無端ベルトは、平均膜厚が80μm、ばらつき(最大値と最小値の差)は4μm以下であった。
(実施例2)
実施例1において、PI前駆体溶液を芯体に向け吐出し、PI前駆体溶液が芯体に1周した後、ブレードを垂直方向に移動(上昇)させて芯体表面に突き当てPI前駆体溶液に接触させた。そして、塗布(吐出)終了後、吐出終了箇所がブレードから3mm移動した時点でブレードを垂直方向に20mm移動(下降)させて、ブレードの退避を行った(図5参照)。芯体とブレードにキズをつけない効果は実施例1と同じであるが、ブレード表面に付着する溶液が多くなった。また、実施例1に比べ、ブレードの突き当て位置、退避位置での塗膜のむらが少なくなっていた。
(実施例3)
実施例1において、PI前駆体溶液を芯体に向け吐出し、PI前駆体溶液が芯体に1周した後、ブレードを水平方向に対して傾斜するように移動させて芯体表面に突き当てPI前駆体溶液に接触させた。そして、塗布(吐出)終了後、吐出終了箇所がブレードから3mm移動した時点でブレードを水平方向に対して傾斜するように移動(20mm下降、50mm後退)させて、ブレードの退避を行った(図4参照)。芯体とブレードにキズなどをつけない効果は実施例1と同じであるが、ブレード表面に付着する溶液は実施例2と同じくらいであった。また、実施例1に比べ、ブレードの突き当て位置、退避位置での塗膜のむらが少なくなっていた。
(実施例4)
実施例1において、PI前駆体溶液を芯体に向け吐出し、PI前駆体溶液が芯体に1周した後、ブレードをその一端を軸にして回転移動させて芯体表面に突き当てPI前駆体溶液に接触させた。塗布(吐出)終了後、吐出終了箇所がブレードから3mm移動した時点でブレードを回転移動させて、その先端を円弧状に30mmさせて、ブレードの退避を行った(図6参照)。芯体とブレードにキズなどをつけない効果は実施例1と同じであるが、ブレードが回転運動でその先端が上下に動くのでブレードユニット全体をコンパクトにできる利点がある。また、実施例1に比べ、ブレードの突き当て位置、退避位置での塗膜のむらが少なくなっていた。
(実施例5)
実施例1において、塗布終了後はディスペンサーとブレードを500mm/分で元の位置に戻したが、それに要する時間は約1分であった。
そこで、次の芯体に塗布をする時、ディスペンサーとブレードを元の位置に戻さずに、デースペンサー及びブレードを往復させて塗布するようにした(図7参照)。これにより、上記約1分の時間を余分にとることは不要となった。この場合、ブレードをPI前駆体溶液の流下位置(付着位置)が幅方向中央になるように取り付けていたので、ブレードの往路・復路でブレードに対するPI前駆体溶液の流下位置(付着位置)が同一であったので、往路・復路におけるブレードの突き当ての際、ブレードとディスペンサーの位置合わせを行う必要はなかった。
(実施例6)
実施例2において、ブレードをその幅10mmとし、そのPI前駆体溶液の流下位置(付着位置)を移動方向の上流側端部から4mm下流に位置となるように取り付けて塗布を行ったところ、得られる無端ベルトの平均膜厚は80μmで、ばらつき(最大値と最小値の差)は2μm以下と、ばらつきを少し改善することができた。
そこで、このブレードを用いて往復塗布をする場合は、各塗布でのブレードの突き当ての際、ブレードとディスペンサーとの位置合わせを行い、即ちブレードの往路・復路方向に対してそれぞれPI前駆体溶液の流下位置(付着位置)を移動方向の上流側端部から4mm下流に位置となるように位置合わせを行い、実施例7と同様にして往復塗布したところ(図8参照)、往路・復路で同一の塗膜品質で塗布することができた。
(実施例7)
第2実施形態に示す塗布装置(図7参照)を用い、実施例6の塗布条件と同様にして塗布を行った。平滑化手段としては、先端に切欠けを有する非対称のブレードを2つ用い、一つが往路用ブレード、他方が復路用ブレードとした。そして、往路・復路でそれぞれのブレードを突き当て、塗布を行った。なお、塗布後のブレードの突き当て・退避方法は実施例4と同様にブレードを回転移動させることで行った。得られた無端ベルトの平均膜厚は80μmで、ばらつき(最大値と最小値の差)は2μm以下と、実施例6と同様に、往路・復路で同一の塗膜品質で塗布することができた。
本発明の第1の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に利用する塗布装置の主要部分を示す構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に使用する塗布装置の主要部分の芯体軸方向から見た側面図である。 平滑化手段としてのブレードの突き当て・退避方法の一例を説明するための図である。 平滑化手段としてのブレードの突き当て・退避方法の他の一例を説明するための図である。 平滑化手段としてのブレードの突き当て・退避方法の他の一例を説明するための図である。 平滑化手段としてのブレードの突き当て・退避方法の他の一例を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に利用する塗布装置の主要部分を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る樹脂分散液の塗布方法に使用する塗布装置の主要部分の芯体軸方向と直交した方向から見た上面図である。
符号の説明
10 芯体
12 PI前駆体溶液
14 流下装置
16 ノズル
18 容器
20 ポンプ
22 ブレード
22A 往路用ブレード
22B 復路ブレード
24 突き当て位置
26 退避位置
30A、30B 支持部材
32 連結軸
34、36 突き当て・退避位置
38 流下位置

Claims (2)

  1. 円筒状或いは円柱状芯体をその中心軸が水平になるように回転させ、付着手段により前記芯体に樹脂分散液を付着させつつ、付着させた樹脂分散液を平坦化手段により平坦化し、前記付着手段及び前記平滑化手段を相対的に前記芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させて、前記芯体に樹脂分散液を塗布する塗布方法であって、
    前記平滑化手段は、樹脂分散液を前記芯体に付着させている間、前記芯体表面に突き当て、それ以外の間は前記芯体から退避させる、ことを特徴とする樹脂分散液の塗布方法。
  2. 円筒状或いは円柱状芯体に被膜形成樹脂溶液を塗布して、前記芯体に前記被膜形成樹脂溶液の塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜を加熱して樹脂皮膜を形成する工程と、
    前記芯体と前記皮膜とを分離する工程と、
    を有する無端ベルトの製造方法であって、
    塗膜を形成する工程が、請求項1に記載の樹脂分散液の塗布方法により行われることを特徴とする無端ベルトの製造方法。
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