JP5386930B2 - 塗工装置および塗工方法 - Google Patents
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Description
実施形態1に係る塗工装置100は、図1および図2に示すように、軸線が水平に位置するように、両端が保持部材12で保持され、回転手段(図示せず。)によって軸線の回りに回転する円筒状の芯体10と、容器14に貯留されたPI樹脂前駆体溶液を芯体10の外表面に流下させるディスペンサ20と、ディスペンサ20によって芯体10の表面に流下したPI樹脂前駆体溶液を所定の厚みに均す板状部材であるブレード22と、芯体10の他端近傍に設けられたブレード22を洗浄するためのスポンジ24とを備える。ディスペンサ20は本発明におけるディスペンサ手段に相当し、ブレード22はブレード部材に相当する。
実施形態2に係る塗工装置102は、図4に示すように実施形態1の塗工装置におけるブレード22に代えてブレード部材23を用いた以外は実施形態1の塗工装置と同様の構成を有する。
以下、前記形態を「#1」ということがある。
以下、前記形態を「#2」ということがある。
以下、前記形態を「#3」ということがある。
以下、前記形態を「#4」ということがある。
実施形態1または2に記載の塗工装置で作製された無端ベルトを中間転写ベルト、搬送ベルト、および定着ベルトとして用いた電子写真式の画像形成装置について以下に説明する。
図1に示す塗工装置を用い、PI樹脂前駆体溶液(商品名:Uイミド、ユニチカ株式会社製、粘度100Pa(25℃))を直径30mm、長さ700mmの芯体10に塗布長600mmで塗工した。塗工条件は、以下の表1の様に設定した。なお、ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vについては、図11に示すように、芯体10の一端から中央部に向かって1000mm/分から750mm/分まで直線的に低下させ、芯体10の中央部から他端に向かって750mm/分から1000mm/分まで再び直線的に増加させた。なお図11において芯体位置は、芯体10の塗工開始位置から、ある時点における芯体10におけるディスペンサ20からのPI樹脂前駆体溶液の流下位置までの距離である。
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端から中央部に向かって750mm/分から1000mm/分に直線的に増加し、中央部から他端に向かって1000mm/分から750mm/分に直線的に減少するように設定した以外は、実施例1と同様の手順に従って無端ベルトを作製した。
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端から中央部に向かって1000mm/分から1500mm/分に直線的に増加し、中央部から他端に向かって1500mm/分から1000mm/分に直線的に減少するように設定した以外は、実施例1と同様の手順に従って塗工液を芯体10に塗工し、乾燥した。次いで、同様の手順、条件で再び塗工液を塗布し、乾燥した後、得られたPI樹脂前駆体皮膜をイミド化し、無端ベルトを作製した。
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端から中央部に向かって1500mm/分から1000mm/分に直線的に減少し、中央部から他端に向かって1000mm/分から1500mm/分に直線的に増加するように設定した以外は、実施例1と同様の手順に従って塗工液を芯体10に塗工し、乾燥した。次いで、同様の手順、条件で再び塗工液を塗布し、乾燥した後、得られたPI樹脂前駆体皮膜をイミド化し、無端ベルトを作製した。
実施例2の条件で1回目の塗工を行い、乾燥した後、ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを1500mm/分と一定に設定して2回目の塗工、乾燥を行った。ついで実施例1に記載の条件でイミド化を行い、PI樹脂製の無端ベルトを作製した。
実施例1の条件で1回目の塗工を行い、乾燥した後、ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを1500mm/分と一定に設定し、狙い膜厚が40μmになるようにポンプ16の流量を設定して2回目の塗工、乾燥を行った。ついで実施例1に記載の条件でイミド化を行い、PI樹脂製の無端ベルトを作製した。
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端および他端から50mmの範囲では700mm/分に設定し、それよりも中央部寄りにおいては1000mm/分に設定して塗布液の塗工を行った以外は実施例1と同様の条件でと構成の塗工、乾燥、イミド化を行って無端ベルトを作製した。
(1)PI樹脂前駆体溶液の調製
攪拌棒、温度計、および滴下ロートを取り付けたフラスコに、五酸化燐で乾燥した窒素ガスを流通させながら、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と略称する。)1977.6gを注入した。NMPを加熱して液温を60℃まで上昇させた後に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0モル)を添加して溶解させた。4,4’−ジアミノジフェニルエーテルがNMPに溶解したのを確認したら、液温を60℃に保ちながら3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物294.2g(1.0モル)を添加して攪拌、溶解させた。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物の溶解を確認後、更に液温を60℃に保ちながら攪拌を継続してポリアミック酸(PI樹脂前駆体)の重合反応を行った。重合反応を24時間継続し、固形分濃度が20質量%のPI樹脂前駆体溶液を得た。
次に、得られたPI樹脂前駆体溶液500gに非イオン系高分子としてポリビニル−2−ピロリドン(Luvitec(登録商標)K17、BASFジャパン株式会社製、以下「PVP」と略する。)0.5gを添加、溶解させた。次に、導電剤として、酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(商品名、Degussa製)、pH4.0、揮発分14.0%、以下「CB」と略する。)25.0gを添加してボールミルにて6時間処理してCBの分散を行った。
図4に示す塗工装置102に、芯体10として、外径90mm、長さ450mmの金属製円筒状金型を軸線が水平になるように保持部材12に装着した。なお、芯体10の外表面には予め弗素系離型剤を塗布し、作製後の無端ベルトが容易に脱着できるようにした。ディスペンサ20として、容器14に貯留されたPI前駆体溶液を空気圧で内径4mmのノズル18から押し出す形態のものを用いた。
(4−1)外観
得られた無端ベルトについては、外表面の螺旋状ムラの有無を目視で観察し、観察は3人の検査者によって行い、以下の基準で評価した。
1:3人の検査者のうち、1人が螺旋ムラの発生を認めた。
2:3人の検査者のうち、2人が螺旋ムラの発生を認めた。
3:3人の検査者の何れも螺旋ムラの発生を認めた。
無端ベルトの膜厚は、サンコー電子株式会社製の渦d年粒子機膜厚系CTR−1500を用いて、無端ベルトの両端部20mmの範囲内で軸方向に5mmピッチ(83点)で測定し、その平均値を求めた。膜厚は80±2μであった。
富士ゼロックス株式会社製DocuCentreColor2220(商品名)の改造機(プロセス速度:250mm/sec、一次転写電流:35μA)を使用し、高温高湿(28℃、85%RH)および低温低湿(10℃、15%RH)でシアンおよびマゼンタの50%ハーフトーンを富士ゼロックス株式会社製C2記録紙に出力し、以下の基準で濃度ムラを目視で評価した。
○:濃度ムラは認められるが問題のないレベルである。
×:濃度ムラがはっきりと認められた。
ブレード形状および押圧力設定値を表2、3のように変向した以外は、実施例8と同様の手順、条件で無端ベルトを作製し、無端ベルトの外観、膜厚、コピー画質を評価した。結果を表2、3に示す。なお、表3においてブレード部材の形状において「#5」とあるのは、ブレード支持部材23Bのブレード支持軸とブレード23Aのブレード軸とが一致し、しかも芯体10の外表面に対して直交するようにブレード23Aがブレード支持部材23Bに支持され、ブレード23Aの接触辺が芯体10の外表面に対して平行であり、ブレード23Aの厚みが前縁と中央部と後縁とで何れも同一である形態をいう。
12 保持部材
14 容器
16 ポンプ
18 ノズル
20 ディスペンサ
22 ブレード
23 ブレード部材
23A ブレード
23B ブレード支持部材
24 スポンジ
100 塗工装置
200 画像形成装置
Claims (13)
- 円筒状または円柱状の芯体を、軸線が水平になるように保持しつつ、前記軸線の周りに回転させ、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に塗工液を流下させ、ブレード部材の先端を前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧して前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させ、前記芯体の外表面に流下した塗工液を均して塗工する塗工工程と、
芯体の外表面に塗工された塗工液を乾燥、固化して皮膜とする皮膜形成工程と、
を有し、
前記塗工工程においては、前記ブレード部材の先端縁から前記芯体に及ぼされる押圧力を前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方から後方に向かって減少させる塗工方法。 - 前記塗工工程においては、前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所における前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度を、芯体の前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所における移動速度よりも遅くなるように設定する請求項1に記載の塗工方法。
- 前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度は、前記芯材の中央部では前記芯材の両端部よりも高く設定される請求項2に記載の塗工方法。
- 前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度は、前記芯材の両端部では前記芯材の中央部よりも高く設定される請求項2に記載の塗工方法。
- 前記皮膜形成工程で皮膜を形成した後に、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に前記皮膜を形成するのに使用されたのと同一または異なる塗工液を流下させ、
ブレード部材の先端縁を所定の押圧力で前記芯体の外表面に押圧し、前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させて前記芯体の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均して塗工する後塗工工程を有する請求項2〜4の何れか1項に記載の塗工方法。 - 前記後塗工工程を複数回行う請求項5に記載の塗工方法。
- 円筒状または円柱状であって、軸線が水平になるように保持されているとともに、回転手段によって前記軸線の回りに回転する芯体と、
前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記芯体の外表面に塗工液を流下させるディスペンサ手段と、
先端が前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧された状態で前記ディスペンサ手段と共に前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記ディスペンサ手段から前記芯体の外表面に流下した塗工液を均すブレード部材と、
を備え、
少なくとも前記塗工液の塗工時においては、前記ブレード部材の先端縁から前記芯体に及ぼされる押圧力が、前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方から後方に向かって減少するように設定される塗工装置。 - 前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、
前記ブレード支持部材は、前記ブレードにおいて前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方に位置する辺である上手辺と、前記ブレードにおいて前記移動方向に対して後方に位置する下手辺と、が前記移動方向側に傾斜するように前記ブレードを保持しているとともに、前記ブレードの先端縁は、前記芯材の表面に対して平行に形成されている請求項7に記載の塗工装置。 - 前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、
前記ブレードの先端縁は、前記移動方向に対して前方から後方に向かって前記芯体の外表面との距離が小さくなるように形成されている請求項7に記載の塗工装置。 - 前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、
前記ブレードは、前記移動方向に対して前方から後方に向かって厚みが減少するように形成されている請求項7に記載の塗工装置。 - 前記ブレード部材の先端における前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方の端部と、前記移動方向に対して後方の端部とで、前記押圧力が1.3:1〜5:1に設定されている請求項7〜10の何れか1項に記載の塗工装置。
- 前記押圧力は0.2MPa〜2.5MPaの範囲に設定されている請求項7〜11の何れか1項に記載の塗工装置。
- 前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所においては、前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所と比較して前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度が遅く設定されている請求項7に記載の塗工装置。
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