JP6127829B2 - 画像定着用の管状体、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
請求項2に係る発明によれば、弾性層中の充填剤が有機材料である場合と比べて、高温定着に適用した際の画像ムラの発生を低減する画像定着用の管状体が得られる。
なお、図面を用いて説明する場合、実質的に同一の機能を有する部材には、同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
本実施形態に係る画像定着用の管状体(以下、単に「本実施形態に係る管状体」と称する場合がある。)は、基材層と、充填剤を含有する弾性層と、を備え、前記弾性層側の表面において、25℃における表面凹凸差を(A)とし、200℃における表面凹凸差を(B)とした場合、(A)が0μm以上1μm以下であり、且つ、(B−A)が2μm以下である画像定着用の管状体である。
このような構成であることで、本実施形態に係る管状体は、高温定着(例えば、140℃以上230℃以下)に適用した際に、発生する画像ムラを低減しうる。
このように、高温時に表面凹凸が現れる理由としては、弾性層中の充填剤の分散状態に粗密が存在していることであることが分かってきた。より具体的には、充填剤の密な部分の弾性層は熱膨張が起き難く、また、充填剤の粗の部分の弾性層は熱膨張が起き易いことで、高温時には表面凹凸が現れてしまっていると考えられる。
この高温時に発生する表面凹凸によれば、接触する記録媒体に対しての接触状態が異なるため、熱の伝達や圧力の差が現れてしまう。特に凹部には、画像定着の際の熱や圧力が掛かり難くなるため、高温時に表面凹凸が発現する管状体を高温定着に適用すると、トナー抜けによる画像ムラが生じることがあった。
このような管状体であるため、かかる管状体を高温定着に供しても、表面凹凸に起因する画像ムラが発生することを効果的に抑制しうる。
図1は、本実施形態に係る画像定着用の管状体の一例を示す概略斜視図である。図2は、図1のA−A断面図である。
図1及び図2に示す管状体110は、無端状に形成されたベルト部材であって、基材層112と、基材層112の外周面に設けられ、充填剤116を含有する弾性層114と、弾性層114の外周面に設けられた表面層118と、3層で構成される積層体である。
本実施形態における、25℃における表面凹凸差(A)、及び、200℃における表面凹凸差(B)は、管状体110の弾性層側の表面を後述するような表面プロファイル測定を行い求められるものである。
ここで、管状体110の弾性層側の表面とは、弾性層が最表面に存在する場合には、弾性層自体の表面を表し、弾性層114上に表面層118やその他の層が形成されている場合には、最表面を形成している層の表面を表す。
表面凹凸差(A)及び(B)は、管状体110の弾性層側の表面を、サーフコム1400A(東京精密社製)にて表面プロファイル測定し、凸部と凹部との差の平均で表される。
より具体的には、測定条件を、評価長さLnを9mm、カットオフ波長を0.8mm、測定速度を0.30mmとし、試験片をホットプレート上で加熱した状態で測定を実施した。
本実施形態における基材層としては、例えば、樹脂材料による層や、金属材料による層が挙げられる。
基材層に用いられる樹脂材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール等が挙げられる。
また、基材層に用いられる金属材料としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性と機械的強度、更には、らせん塗布への適用性の観点から、ポリイミドの樹脂ベルトを基材層として用いることが望ましい。
また、基材層中には、金属酸化物、グラファイト、伝熱性セラミックス等の充填剤を含んでいてもよい。
なお、基材層が例えばポリイミド樹脂による層である場合、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミック酸を用い、これを焼成することで形成してもよい。かかる焼成は、後述する弾性層を形成する前に行ってもよいし、弾性層の乾燥過程において同時に行ってもよい。
本実施形態における弾性層は、充填剤と弾性材料とを含んで構成される。
弾性層に含まれる充填剤としては、有機材料に比べ熱膨張の少ない無機材料であることが好ましく、具体的には、炭化物(例えば、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ等)、酸化チタン、シリカ、炭化ケイ素、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、黒鉛、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化鉄(ベンガラ)、酸化セリウム、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、金属ケイ素等の周知の充填剤が挙げられる。
中でも、補強効果、耐熱劣化性、コスト、入手性の点から、ベンガラ、アルミナ、シリカが好適に用いられる。
耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
なお、「耐熱性」とは、定着装置の昇温温度(例えば定着温度)に達しても、溶けたり分解したりしない特性を意味する。以下、同様である。
添加剤としては、例えば、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)等が挙げられる。
表面層は、例えば、耐熱性離型材料を含んで構成される。
耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。
フッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
本実施形態に係る管状体は、基材と弾性層との間、また、弾性層と表面層との間に接着層を有していてもよい。
接着層は、耐熱性を有する接着剤により形成されていればよく、公知のものが適用される。
また、本実施形態に係る管状体は、基材層と弾性層との間に、電磁誘導により発熱する金属層(発熱層)を設けてもよい。
具体例として、ポリイミド樹脂による基材層上に、シリコーンゴム及び充填剤による弾性層、及びフッ素樹脂による表面層を備えた管状体の製造方法を挙げて、本実施形態に係る管状体の製造方法を説明する。本実施形態の管状体の製造方法は、無論この態様に限られるわけではない。
まず、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸を含む基材層形成用塗布液を円筒状金型に塗布し、基材層形成用塗布液の塗膜を形成する。
基材層形成用塗布液の円筒状金型への塗布方法は、特に制限は無く、例えば、円筒状金型を塗布液に浸漬して、その外周面又は内周面に塗布する方法や、軸を水平にして円筒状金型を回転させながら、その外周面又は内周面に「らせん塗布方法」や「ダイ方式塗布方法」により塗布する方法が挙げられる。
また、加熱の際、熱風を当てることも有効である。
加熱時は、温度を段階的に上昇させたり、速度を変化させずに上昇させてもよい。
更に、加熱の際、円筒状金型の軸方向を水平にして、円筒状金型を5rpm以上60rpm以下で回転させるのがよい。乾燥後は円筒状金型を垂直にしてもよい。
加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。
つまり、基材層の形成と、弾性層の形成と、を同じ塗布装置にて行ってもよい。
次に、充填剤を含有する、付加重合型のLSR(液状)シリコーンゴム(信越化学工業株式会社製:商品名2086)を450μmの厚みに塗布し、110℃で20分乾燥後、200℃で4時間乾燥(硬化)させる。
この塗布の際、例えば、らせん塗布法を適用することで弾性層が形成される。
そこで、本実施形態では、以下の図3及び図4に示すような、らせん塗布法を適用した管状体の製造装置(本実施形態に係る管状体の製造装置)を適用して弾性層を形成することが好ましい。
本実施形態に係る管状体の製造装置は、基材層を外周に保持し、且つ、該基材層を軸方向に回転させる円筒状の保持手段と、前記保持手段の外周に保持された基材層上に、当該保持手段の軸方向の一端側から他端側に向かって弾性層形成用塗布液をらせん状に塗布する塗布手段と、外周がテーパー形状をなすロールの先細り側を、前記保持手段の軸方向の一端側に向けて設置し、当該ロールの外周を前記基材層上に塗布された塗布液に接触させつつ回転させて、該塗布液を平滑化する平滑化手段と、を少なくとも備える。
らせん塗布法であれば、ベルト状の基材層(即ち、柱状ではないもの)上に対して弾性層を形成することが容易である。
円筒状の芯体210の外周に保持される基材層112は、予め形成されたものを芯体210の外周に被覆させて保持してもよいし、基材層形成用塗布液を準備し、これを後述するようならせん塗布法に供して弾性層と同様の方法にて、芯体210の外周に基材層を形成してもよい。
円筒状の芯体210は、矢印Aの周方向に回転可能であり、これにより芯体210の外側の面に設置された基材層112も回転することになる。
この塗布部220は、矢印Aの周方向に回転している、芯体210の外側の面に設置された基材層112上に、弾性層形成用塗布液114Aを塗布する。
塗布部220によれば、貯留部222に貯蔵された弾性層形成用塗布液114Aが、ポンプ226によって供給管224及びノズル228を経て、矢印A方向に回転されている芯体210の外側の面(つまり、基材層112の外周の面)に供給される。
塗布部220は芯体210に対し、芯体210の長尺方向(軸方向)の一端側から他端側に向かって移動(図3中、矢印B方向)しつつ、弾性層形成用塗布液114Aをノズル228から供給することで、弾性層形成用塗布液114Aは基材層112の外側の面にらせん状に塗布される。
なお、塗布装置200においては、芯体210に対して塗布部220を移動させる態様であってもよいし、塗布部220に対して芯体210を移動させる態様であってもよく、芯体210と塗布部220との両者を移動させる態様であってもよい。
ここで、外周がテーパー形状をなすロール230は、回転軸を含む断面の形状が台形となるものである。
この外周がテーパー形状をなすロール230の先細り側を、芯体210の長尺方向(軸方向)の一端側(らせん塗布の開始点側、図3中の矢印B方向の上流側)に向け設置し、該ロール230の外周を基材層112上に塗布された弾性層形成用塗布液114Aに接触させつつ回転させることで、弾性層形成用塗布液114Aを押し広げ、平滑化する。
ロール230は芯体210に対し、芯体210の長尺方向の一端側から他端側に向かって移動(図3中、矢印B方向)しつつ、弾性層形成用塗布液114Aに回転・接触することで、基材層112上には、弾性層形成用塗布液114Aによるらせん状の筋が残ることを抑えつつ、塗膜114Bが形成される。
ロール230のテーパー角度、大きさ(径、幅)、押圧力、回転速度等は、らせん塗布の際の塗布ピッチ、移動速度、塗布液の塗布量や粘度等に応じて、適宜、決定されればよい。
ロール230のテーパー角度としては、1°以上10°以下がよく、2°以上8°以下が好ましく、3°以上5°以下がより好ましい。
ロール230の幅(長さ)は、5mm以上150mm以下がよく、5mm以上100mm以下が好ましく、5mm以上50mm以下がより好ましい。
ロール230の径(外径φ)は、10mm以上30mm以下がよい。ここで、外周がテーパー形状をなすロール230における径(外径)とは、先太り方向の末端にてロール230が最も太くなった箇所の径を指す。
また、移動速度(円筒状の芯体210と、ノズル228及びロール230との相対的な移動速度)としては、60mm/min以上300mm/min以下がよく、90mm/min以上200mm/min以下が好ましく、120mm/min以上180mm/min以下がより好ましい。
公知のらせん塗布装置としては、例えば、特開平9−297482号、特開2007−152205号に記載の装置等が挙げられる。
乾燥条件は、例えば、50℃以上120℃以下が望ましく、更に60℃以上100℃以下がより望ましい。また、焼成(加熱)温度としては140℃以上200℃以下が望ましく、さらに、160℃以上190℃以下がより望ましい。
乾燥は、温度を変えて二段階で行ってもよい。焼成(加熱)時間は、乾燥温度が高いほど短くてよい。
加熱の際、熱風を当てることも有効である。加熱時は、温度を段階的に上昇させたり、速度を変化させずに上昇させてもよい。加熱の際、芯体210の軸方向を水平にして、芯体210を5rpm以上60rpm以下で回転させるのがよい。乾燥後は芯体210を垂直にしてもよい。
続いて、弾性層の外周面に表面層を設ける。
表面層は、例えば、フッ素系化合物を含む塗布液をスプレー法等の周知の塗布法により塗布し、焼成して形成してもよい。
また、表面層は、例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA))のチューブを基材の幅に応じた長さに切断し、弾性層の外周面に被覆して形成してもよい。
本実施形態に係る管状体は、例えば、画像定着の際の加熱ベルト、加圧ベルトのいずれにも適用される。なお、加熱ベルトとしては、電磁誘導方式により加熱する加熱ベルト、外部の熱源から加熱する加熱ベルトのいずれであってもよい。
本実施形態に係る管状体は、前述のように、200℃といった高温であっても、25℃の常温時に比べて、表面凹凸が大きくならないものであるため、より熱に晒される態様での使用の際に優れた効果を発現しうる。そのため、加熱源に隣接した加熱ベルトに適用されることが望ましい。
但し、本実施形態に係る管状体を電磁誘導方式により加熱する加熱ベルトに適用する場合、基材層と弾性層との間に、電磁誘導により発熱する金属層(発熱層)を設けることがよい。
本実施形態に係る定着装置は、前述した本実施形態に係る管状体を備える。
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備える構成がある。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方として、本実施形態に係る管状体が適用される。
なお、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、加熱ロール又は加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。そして、本実施形態に係る管状体は、加熱ロール、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
また、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図5は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図6は、第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして、定着手段として、本実施形態に係る定着装置が適用される。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
2液熱硬化性樹脂X−34−2086−A/B(信越化学工業製、製品として充填剤入り)を攪拌し、弾性層形成用塗布液1とした。
シリコーンゴム(2液硬化性樹脂X−34−2086−A/B(信越化学工業製)より既存の充填材を抜いたもの)を100質量部用い、これに、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、及び窒化ホウ素を総量で50質量部を添加して攪拌し、充填剤が分散した弾性層形成用塗布液2を調製した。
液体フッ素ゴム パーフロン塗料と塗料硬化剤(パーフロンペイント(HARUNA製))に、酸化鉄及びシリカを、フッ素ゴム100質量部に対して50質量部混合して攪拌し、弾性層形成用塗布液3を調製した。
−基体層の作製−
NMP(N−メチルピロリドン)を溶媒とした固形分濃度18%のポリアミック酸溶液を準備し、アルミニウム製円筒である遠心成形型にポリアミック酸溶液を注入し、遠心成形型を軸線周りに回転させて塗布膜を形成し、145℃30分間加熱乾燥させ、乾燥皮膜を得た。乾燥皮膜を遠心成形型から外してイミド化型にセットし、200℃で20分間、380℃で20分間加熱し、無端ベルト状で、内径168mm、膜厚80μmのポリイミド基材層を得た。
上記のようにして得られた基材層上に、以下のようにして弾性層を形成した。
まず、基材層の軸方向を水平方向(重力方向と直角に交わる方向)に保ちながら基材層を周方向に回転させる回転台(円筒状の芯体210に相当)を用意し、この回転台の外周に基材層を嵌めた。
基材層を130rpmで回転させながら、15リットルの弾性層形成用塗布液1が入った容器(貯留部222に相当)にモーノポンプ(ポンプ226に相当)を連結した流下装置のノズル(ノズル228に相当)から毎分45mlで弾性層形成用塗布液1の吐出を行い、基材層の外周に塗布した。なお、この際、塗布ピッチは、1.2mmであった。
弾性層形成用塗布液1が基材層の外周に塗布された後、その表面にゴムロール(ロール230に相当)を押し当て、基材層の幅方向に160mm/分の速度(ノズル及びロールと基材層(回転台)との相対的な移動速度)で移動させた。
ここで、ゴムロールは、幅20mm、テーパー角度3°、φ20mmのウレタンゴム製の表面を有し、芯体がSUS製のものを適用した。
また、塗布幅は、基材層の軸方向の一端部10mmの位置から他端部10mmの位置までとした。塗布後、そのまま5分間回転を続けることで、塗膜表面のらせん筋は消失した。
その後、基材層を10rpmで回転させながら110℃の乾燥炉に入れ、弾性層形成用塗布液1の塗膜を20分間乾燥させた。次に、200℃で60分間かけて更に乾燥(硬化)を行い、弾性層を形成した。
得られた弾性層の膜厚は、450μmであった。
次に、弾性層まで形成したポリイミド基材層の外径より2%小径である膜厚20μmのPFAチューブを準備し、内径が当該ポリイミド基材層の外径より0.8%大径である外型の内周にPFAチューブをセットした。そして、PFAチューブの内側に、弾性層まで形成したポリイミド基材層を挿入した状態で、PFAチューブを外型から外し弾性層の外周に被覆し、200℃で30分間加熱し、膜厚20μmの表面層を形成した。
実施例1における弾性層の形成において、ゴム塗布ロール(ロール230)のテーパー角度を8°に変えた以外は実施例1と同様にして、定着ベルト2を作製した。
実施例1における弾性層の形成において、弾性層形成用塗布液1の塗布ピッチを3mmに変えた以外は実施例1と同様にして、定着ベルト3を作製した。
実施例1における弾性層の形成において、弾性層形成用塗布液1を弾性層形成用塗布液2に変えた以外は、実施例1と同様にして定着ベルト4を作製した。
実施例1における弾性層の形成において、弾性層形成用塗布液1を弾性層形成用塗布液3に変えた以外は、実施例1と同様にして定着ベルト5を作製した。
実施例1における弾性層の形成において、外周がテーパー形状をなすゴムロールを、円筒状のゴムロール(外径50mm、幅50mm)に変えた以外は実施例1と同様にして、定着ベルト6を作製した。
(表面凹凸差)
弾性層側の表面における、25℃における表面凹凸差(A)と、200℃における表面凹凸差(B)と、を前述の方法で測定した。
測定した(A)の値と、(B−A)の値を、下記表1に示す。
加熱ベルトとして、各例で得られた定着ベルトを富士ゼロックス社製の画像形成装置:Color1000Pres用の定着装置に装着した。
次に、定着ベルトを装着した定着装置を、富士ゼロックス社製の画像形成装置:Color1000Pressに組み込んだ。但し、この画像形成装置は、定着温度を200℃とできるように改造した。
そして、この画像形成装置を用いて次の評価を行った。
画像形成装置により、トナー付着量10g/m2に対応する画像形成条件で、ベタ画像をOHP紙に、10枚出力し、5枚目の画質(画像ムラ)を目視にて評価した。
評価基準は、以下の通りである。結果を表1に示す。
G0:画像ムラ未発生
G1:画像ムラはほとんど気にならない
G2:画像ムラが発生しており若干気になる
G3:画像ムラが発生しており、かなり目立つ
G4:画像ムラが発生しており、非常に目立つ
12 帯電器(帯電手段)
13 レーザ露光器(潜像形成手段)
14 現像器(現像手段)
16 一次転写ロール(転写手段)
22 二次転写ロール(転写手段)
60 定着装置
62 加熱ベルト
64 加圧ローラ
66 押圧パッド
68 支持部材
70 電磁誘導コイル
72 コイル支持部材
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
89A ハロゲンヒータ
89 加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
98 支持ロール
100 画像形成装置
110 画像定着用の管状体
112 基材層
114 弾性層
116 充填剤
118 表面層
200 らせん塗布を実施する装置
210 円筒状の芯体(保持手段)
220 塗布部(塗布手段)
222 貯留部
224 供給管
226 ポンプ
228 ノズル
230 外周がテーパー形状をなすロール(平滑化手段)
Claims (4)
- 基材層と、充填剤を含有する弾性層と、を備え、
前記弾性層側の表面において、25℃における表面凹凸差を(A)とし、200℃における表面凹凸差を(B)とした場合、(A)が0μm以上1μm以下であり、且つ、(B−A)が2μm以下である画像定着用の管状体。 - 前記充填剤が無機材料である請求項1に記載の画像定着用の管状体。
- 請求項1又は請求項2に記載の画像定着用の管状体を備えた定着装置。
- 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を記録媒体に定着する請求項3に記載の定着装置である定着手段と、
を少なくとも備える画像形成装置。
Priority Applications (1)
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