JP5966806B2 - 定着部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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本発明は、定着部材、定着装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、記録紙に形成されたミ定着トナー像を定着装置によって定着して画像形成している。
この定着装置としては、例えば、加熱ロールと加熱ロールに接触して配置された加圧ベルトとを備えた構成、又は、加熱ベルトと加熱ベルトに接触して配置された加圧ロールとを備えた構成のベルトニップ方式と呼ばれる定着装置が知られている。
例えば、特許文献1には、「転写材上に転写したトナー像の定着に用いるローラであって、前記ローラは、芯金上に弾性層、中間層および離型層を積層してなり、前記弾性層に低硬度ゴム用い、弾性層の変形率を大きくして使用する定着用ローラにおいて、前記中間層を、高強度ゴムからなるシワ防止層、およびその上の接着・緩衝層の2層構成にした定着用ローラ」が開示されている。
また、特許文献2には、「芯金上に弾性層のみ形成した状態での硬度を定着ローラ、加圧ローラで異なるものとし、芯金上に弾性層のみ形成した状態での硬度が低いローラの製品硬度が、芯金上に弾性層のみ形成した状態での硬度が高いローラの製品硬度よりも高くした定着装置」が開示されている。
また、特許文献3には、「基材の表面に形成される弾性層と、最上層として形成される離型層と、さらにこれら弾性層と離型層との間に、前記離型層より引張弾性率の高い中間層が形成されてなる定着用ベルト」が開示されている。
また、特許文献4には、「芯金部材の表面側に被覆される弾性層と、当該弾性層の表面側に被覆される弾性層よりも弾性の高い中間層を備えた定着ローラ」が開示されている。
特開2001−228736号公報 特開2004−61873号公報 特開2006−267436号公報 特開2006−84981号公報
本発明の課題は、表面層のシワの発生を抑制する定着部材を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
基材と、
基材上に設けられた第1弾性層と、
前記第1弾性層上に設けられ、前記第1弾性層の弾性率Eeよりも低い弾性率Eiの第2弾性層と
前記第2弾性層上に設けられ、厚みが20μm以下の表面層であって、前記第2弾性層の外周面に被覆された管状物からなる表面層と、
を有する定着部材。
請求項2に係る発明は、
前記表面層が、フッ素樹脂を含んで構成されている請求項1に記載の定着部材。
請求項3に係る発明は、
前記第2弾性層が、シリコーンゴムを含んで構成されている請求項1又は2に記載の定着部材。
請求項4に係る発明は、
定着部材が、ベルト状である請求項1〜3のいずれか1項の定着部材。
請求項5に係る発明は、
第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着部材である定着装置。
請求項6に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段であって、請求項5に記載の定着装置である定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項1に係る発明によれば、第2弾性層の弾性率Eiが第1弾性層の弾性率Eeよりも高い場合に比べ、表面層のシワの発生を抑制する定着部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、第2弾性層の弾性率Eiが第1弾性層の弾性率Eeよりも高い場合に比べ、シワが発生し易いフッ素樹脂を含んで構成される表面層を設けても、表面層のシワの発生を抑制する定着部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、シリコーンゴム以外の弾性材料を含んで構成された第2弾性層を設けた場合に比べ、表面層のシワの発生を抑制する定着部材が提供される。
請求項4に係る発明によれば、第2弾性層の弾性率Eiが第1弾性層の弾性率Eeよりも高い場合に比べ、シワが発生し易いベルト状の定着部材であっても、表面層のシワの発生を抑制する定着部材が提供される。
請求項5、6に係る発明によれば、第2弾性層の弾性率Eiが第1弾性層の弾性率Eeよりも高い定着部材を備えた場合に比べ、定着部材の表面層のシワに起因する画像欠陥を抑制する定着装置、及び画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る定着部材の一例を示す模式断面図である。 第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
[定着部材]
本実施形態に係る定着部材について説明する。
図1は、本実施形態に係る定着部材の一例を示す概略断面図である。
本実施形態に係る定着部材110は、図1に示すように、例えば、基材110Aと、基材110A上に設けられた第1弾性層110Bと、第1弾性層110B上に設けられた第2弾性層110Cと、第2弾性層110C上に設けられた表面層110Dと、を有している。
表面層110Dの厚みは20μm以下である。そして、第2弾性層110Cの弾性率Eiは、第1弾性層110Bの弾性率Eeよりも低くなっている。
なお、本実施形態に係る定着部材110は、上記層構成に限られず、必要に応じて、例えば、基材110Aと第1弾性層110Bとの間に金属層やその保護層を介在させた層構成であってもよい。
ここで、従来、定着部材において、画像欠陥等の原因となる表面層のシワの発生を抑制する目的で、表面層と弾性層(本実施形態の第1弾性層110Bに位置する層)との間に、当該弾性層よりも高い弾性率を持つ中間層(本実施形態の第2弾性層110Cに位置する層)を設ける技術が知られている。
しかしながら、この中間層の弾性率を下層の弾性層の弾性率よりも高めると、省エネルギー化や高画質化の実現のため、表面層を厚み20μm以下と薄膜化すると、逆に、表面層のシワが生じる傾向があることがわかってきた。これは、薄膜化した表面層で強度が保たれ難く、表面層と弾性層との間に位置する中間層を下層の弾性層よりも高い弾性率を持つ層とすると、表面層に歪みが発生したとき、当該歪みが表面層に集中する形となるためと考えられる。
これに対して、本実施形態に係る定着部材110では、20μm以下と薄膜化した表面層110Dと第1弾性層110Bとの間に介在させる第2弾性層110Cの弾性率Eiを第1弾性層110Bの弾性率Eeよりも低くするにより、表面層のシワの発生が抑制される。
これは、表面層110Dと第1弾性層110Bとの間に位置する第2弾性層110Cを下層の第1弾性層110Bよりも高い弾性率を持つ層とすることにより、表面層に歪みが発生したとき、当該歪みが表面層のみに集中せず、その下層である第2弾性層110Cと共に第1弾性層110Bに分散される形となるためと考えられる。
ここで、第2弾性層110Cの弾性率Eiは第1弾性層110Bの弾性率Eeよりも低いが、表面層のシワ抑制の観点から、具体的には、第2弾性層110Cの弾性率Eiと第1弾性層110Bの弾性率Eeとの差(弾性率Ee−弾性率Ei)は、例えば、0.1MPa以上3MPa以下であることがよく、望ましくは0.3MPa以上2MPa以下、より望ましくは0.5MPa以上1MPa以下である。
また、第1弾性層110Bの弾性率Eeは、例えば、0.2MPa以上2.5MPa以下であることがよく、望ましくは0.4MPa以上2.2MPa以下、より望ましくは0.6MPa以上2MPa以下である。
一方、第2弾性層110Cの弾性率Eiは、例えば、0.1MPa以上2.2MPa以下であることがよく、望ましくは0.2MPa以上1.9MPa以下、より望ましくは0.3MPa以上1.7MPa以下である。
なお、各弾性層の弾性率は、弾性材料の種類、その硬化密度、充填剤等の種類又は添加量等により調整される。
各弾性層の弾性率は、次のようにして求める。
まず、定着部材から測定対象となる弾性層のサンプルを採取し、これを測定試料(試料幅:2mm、試料長さ:10mm)とする。
この測定試料を用いて、動的粘弾性試験機RHEOVIBRON(ORIENTEC社製)により、温度30℃周波数10Hz/振幅100μmの測定条件で、弾性率を測定する。
以下、本実施形態に係る定着部材110の構成要素について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(定着部材の形状)
本実施形態に係る定着部材は、ロール状であってもよいし、ベルト状であってもよい。但し、本実施形態に係る定着部材では、表面層が歪みを受け易く、シワが発生し易いベルト状であっても、当該表面層のシワの発生が抑制される点で有利である。
(基材)
定着部材がロール状の場合、基材としては、例えば、金属(アルミ、SUS、鉄、銅等)、合金、セラミックス、FRM(繊維強化メタル)等で構成された円筒体が挙げられる。
定着部材がロール状の場合、基材の外径及び肉厚は、例えば、外径10mm以上50mm以下であることがよく、例えば、アルミニウム製の場合は厚さ0.5mm以上4mm以下、SUS(ステンレス鋼)製又は鉄製の場合は厚さ0.1mm以上2mm以下である。
一方、定着部材がベルト状の場合、基材としては、例えば、金属ベルト(例えばニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属ベルト)、樹脂ベルト(例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂ベルト)が挙げられる。
なお、樹脂ベルトには導電性粉体などを添加分散して、体積抵抗率が制御されていてもよい。具体的には、樹脂ベルトとしては、例えば、カーボンブラックを添加・分散して、体積抵抗率を制御したポリイミドベルトが挙げられる。また、樹脂ベルトとしては、例えば、長尺のポリイミドシートの両端部をパズル上に組合せ、熱圧着部材を用いて熱圧着し、ベルト状に仕立てたものも挙げられる。
定着部材がベルト状の場合、基材の厚みは、例えば、20μm以上200μm以下であることがよく、望ましくは30μm以上150μm以下、より望ましくは40μm以上130μm以下である。
(第1弾性層)
第1弾性層は、耐熱性弾性材料を含んで構成される。耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
なお、「耐熱性」とは、定着装置の昇温温度(例えば定着温度)に達しても、溶けたり分解したりしない特性を意味する。以下、同様である。
第1弾性層には、各種添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、補強剤(カーボンブラック等)、充填剤(炭酸カルシウム等)、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)、機能性充填剤(アルミナ等)等が挙げられる。
ここで、表面層のシワ抑制の観点から、第1弾性層の好適な構成としては、例えば、
1)シリコーンゴムを含む構成、2)フッ素ゴムを含む構成等である。
第1弾性層の厚みは、例えば、30μm以上600μm以下であることがよく、望ましくは100μm以上500μm以下である。
(第2弾性層)
第2弾性層も、耐熱性弾性材料を含んで構成される。耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。これら、シリコーンゴム、フッ素ゴム等は、第1弾性層で説明したものと同様なものが挙げられる。
また、第2弾性層には、第1弾性層と同様に各種添加剤が配合されてもよい。
ここで、表面層のシワ抑制の観点から、第2弾性層の好適な構成としては、例えば、
1)シリコーンゴムを含む構成、2)フッ素ゴムを含む構成等である。
特に、第2弾性層は、シリコーンゴム(例えば、ジメチルポリシロキサンゴム)を含んで構成されることで、表面層のシワが抑制され易くなる。
第2弾性層の厚みは、例えば、5μm以上50μm以下であることがよく、望ましくは10μm以上30μm以下である。
(表面層)
表面層は、例えば、耐熱性離型材料を含んで構成される。
耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。フッ素樹脂を含む表面層は、薄膜化するとシワを発生し易いが、本実施形態では、当該表面層のシワが抑制される。
このようなフッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
表面層の厚みは、20μm以下であるが、例えば、5μm以上20μm以下であることがよく、望ましくは10μm以上20μm以下である。
(定着部材の用途)
本実施形態に係る定着部材は、例えば、加熱ベルト、加圧ベルトのいずれにも適用される。なお、加熱ベルトとしては、電磁誘導方式により加熱する加熱ベルト、外部の熱源から加熱する加熱ベルトのいずれであってもよい。
但し、本実施形態に係る定着部材を電磁誘導方式により加熱する加熱ベルトに適用する場合、基材と第1弾性層との間に、電磁誘導により発熱する金属層(発熱層)を設けることがよい。
[定着装置]
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備える。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方として、本実施形態に係る定着部材が適用される。
以下に、第1及び2実施形態として、加熱ベルトと加圧ロールと備えた定着装置を説明する。そして、第1及び2実施形態において、本実施形態に係る定着部材は、加熱ベルトと加圧ロールのいずれにも適用され得る。
なお、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、加熱ロール又は加熱ベルトと加圧ベルトとを備えた定着装置であってよい。そして、本実施形態に係る定着部材は、加熱ロール、加熱ベルト及び加圧ベルトのいずれにも適用され得る。
また、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られず、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
(定着装置の第1実施形態)
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図2は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
第1実施形態に係る定着装置60は、図2に示すように、例えば、回転駆動する加熱ロール61(第1回転体の一例)と、加圧ベルト62(第2回転体の一例)と、加圧ベルト62を介して加熱ロール61を押圧する押圧パッド64(押圧部材の一例)とを備えて構成されている。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。
加熱ロール61の内部には、ハロゲンランプ66(加熱手段の一例)が配設されている。加熱手段としては、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材を用いてもよい。
一方、加熱ロール61の表面には、例えば、感温素子69が接触して配置されている。この感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が目的とする設定温度(例えば、150℃)を維持される。
加圧ベルト62は、例えば、内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域N(ニップ部)において押圧パッド64により加熱ロール61に対して押圧されて配置されている。
押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62の内側において、加圧ベルト62を介して加熱ロール61に加圧される状態で配置され、加熱ロール61との間で挟込領域Nを形成している。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、例えば、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bの加圧ベルト62と接する面にシート状の摺動部材68が設けられている。そして、押圧パッド64と摺動部材68とは、金属製の保持部材65に保持されている。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
保持部材65には、例えば、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、加圧ベルト62が回転する構成となっている。
加熱ロール61は、例えば、図示しない駆動モータにより矢印S方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の矢印R方向へ回転する。すなわち、例えば、加熱ロール61が図2における時計方向へ回転するのに対して、加圧ベルト62は反時計方向へ回転する。
そして、未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体の一例)は、例えば、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に倣う凹形状の前挟込部材64aにより、前挟込部材64aがない構成に比して、広い挟込領域Nを確保される。
また、第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に対し突出させて剥離挟込部材64bを配置することにより、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成されている。
このように剥離挟込部材64bを配置すれば、例えば、定着後の用紙Kは、剥離挟込領域を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、用紙Kが加熱ロール61から剥離しやすい。
剥離の補助手段として、例えば、加熱ロール61の挟込領域Nの下流側に、剥離部材70を配設されている。剥離部材70は、例えば、剥離爪71が加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で保持部材72によって保持されている。
(定着装置の第2実施形態)
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図3は、第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略概略図である。
第1実施形態に係る定着装置80は、図3に示すように、例えば、加熱ベルト84(第1回転体の一例)を備える定着ベルトモジュール86と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)に押圧して配置された加圧ロール88(第2回転体の一例)とを含んで構成されている。そして、例えば、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する挟込領域N(ニップ部)が形成されている。挟込領域Nでは、用紙K(記録媒体の一例)が加圧及び加熱されトナー像が定着される。
定着ベルトモジュール86は、例えば、無端状の加熱ベルト84と、加圧ロール88側で加熱ベルト84が巻き掛けられ、モータ(不図示)の回転力で回転駆動すると共に加熱ベルト84をその内周面から加圧ロール88側へ押し付ける加熱押圧ロール89と、加熱押圧ロール89と異なる位置で内側から加熱ベルト84を支持する支持ロール90とを備えている。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
そして、定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84と加熱押圧ロール89との間に、シート状の摺動部材82が介在するように設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在するオイルの保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
加熱押圧ロール89の内部には、例えば、ハロゲンヒータ89A(加熱手段の一例)が設けられている。
支持ロール90は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、内部にはハロゲンヒータ90A(加熱手段の一例)が配設されており、加熱ベルト84を内周面側から加熱するようになっている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
支持ロール92は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、支持ロール92の表面には厚み20μmのフッ素樹脂からなる離型層が形成されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
つまり、例えば、加熱押圧ロール89と支持ロール90及び支持ロール92とによって、加熱ベルト84が加熱される構成となっている。
姿勢矯正ロール94は、例えば、アルミニウムで形成された円柱状ロールであり、姿勢矯正ロール94の近傍には、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置されている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
一方、加圧ロール88は、例えば、回転自在に支持されると共に、図示しないスプリング等の付勢手段によって加熱ベルト84が加熱押圧ロール89に巻き回された部位に押圧されて設けられている。これにより、定着ベルトモジュール86の加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)が矢印S方向へ回転移動するのに伴って、加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)に従動して加圧ロール88が矢印R方向に回転移動するようになっている。
そして、未定着トナー像(不図示)を有する用紙Kは、矢印P方向に搬送され、定着装置80の挟込領域Nに導かれると、挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
なお、第2実施形態に係る定着装置80では、加熱源の一例としてハロゲンヒータ(ハロゲンランプ)を適用した形態を説明したが、これに限られず、ハロゲンヒータ以外の輻射ランプ発熱体(放射線(赤外線等)を発する発熱体)、抵抗発熱体(抵抗に電流を流すことによりジュール熱を発生させる発熱体:例えばセラミック基板に厚膜抵抗を有する膜を形成して焼成させたもの等)を適用してもよい。
[画像形成装置]
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして、定着手段として、本実施形態に係る定着装置が適用される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図5に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
この定着装置60が既述の第1実施形態に係る定着装置60である。なお、画像形成装置100は、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備える構成であってもよい。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。
感光体11の周囲には、帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザー露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザー露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図5に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写ロール16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写手段の一例に該当する。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等のの画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザー露光器13に出力される。
レーザー露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザーから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザー露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とする所定サイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能であり、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは言うまでもない。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
−基体の作製−
NMP(N−メチルピロリドン)を溶媒とした固形分濃度18%のポリアミック酸溶液を準備し、アルミニウム製円筒である遠心成形型にポリアミック酸溶液を注入し、遠心成形型を軸線周りに回転させて塗布膜を形成し、145℃30分間加熱乾燥させ、乾燥皮膜を得た。乾燥皮膜を遠心成形型から外してイミド化型にセットし、200℃で20分間、380℃で20分間加熱し、無端ベルト状で、内径168mm、膜厚80μmのポリイミド(PI)基材を得た。
−第1弾性層の形成−
次に、作製したPI基体上に、液状シリコーンゴム「DY35−2147(東レダウコーニング社製)」をブレード塗布し、110℃で20分間加熱した後、200℃で4時間加熱し、膜厚200μmの第1弾性層を形成した。
−第2弾性層の形成−
次に、形成した第1弾性層上に、液状シリコーンゴム「DY35−1306(東レダウコーニング社製)をブレード塗布し、60℃で30分間加熱し、膜厚20μmの第2弾性層を形成した。
−表面層の形成−
次に、第2弾性層まで形成したポリイミド基材の外径より2%小径である膜厚20μmのPFAチューブを準備し、内径が当該ポリイミド基材の外径より%大径である外型の内周にPFAチューブをセットした。そして、PFAチューブの内側に、第2弾性層まで形成したポリイミド基材を挿入した状態で、PFAチューブを外型から外し第2弾性層の外周に被覆し、200℃で30分間加熱し、膜厚20μmの表面層を形成した。
以上の工程を経て、定着ベルトを作製した。
[実施例2〜8、比較例1〜9]
表1に従って、第1及び第2弾性層の組成、加熱処理及び厚み、並びに、表面層の組成及び厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。
[評価]
(物性評価)
各例で得られた定着ベルトの各弾性層の弾性率について、記述の方法に従って測定した。その結果を表1に示す。
(実機評価)
加熱ベルトとして、各例で得られた定着ベルトを富士ゼロックス社製:Color1000Pres用の定着装置の装着した。
次に、定着ベルトを装着した定着装置を、富士ゼロックス社製:Color1000Pressに組み込んだ。
そして、この画像形成装置を用いて次の評価を行った。
−定着ベルトの表面層のシワ発生評価−
画像形成装置により、画像濃度30%のハーフトーンの定着画像をA4用紙を連続して出力し、定着ベルトの表面層に目視にてシワが発生するまでの時間、又は発生したシワの程度を評価した。但し、本評価は、第2弾性層を形成しない以外は実施例1と同様に作製した基準定着ベルトを基準として行った。
評価基準は、以下の通りである。
A:基準定着ベルトと比較し、表面層シワが発生するまでの時間が2.1倍以上に長くなった、
B:基準定着ベルトと比較し、表面層シワが発生するまでの時間が1.6倍から2.0倍になった。
C:基準定着ベルトと比較し、表面層シワが発生するまでの時間が1.1倍から1.5倍になった。
D:基準定着ベルトと比較し、表面層シワが発生するまでの時間が変わらなかった、又は短くなった。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、定着ベルトの表面層のシワの発生評価について、良好な結果が得られていることがわかる。
表1中の略称の詳細は、以下の通りである。
・DY35−2147: 液状シリコーンゴム「DY35−2147(東レダウコーニング社製)」
・DY35−1306: 液状シリコーンゴム「DY35−1306(東レダウコーニング社製)」
・KE−1820:液状シリコーンゴム「KE−1820(信越化学工業社製)」
・KE−1830: 液状シリコーンゴム「KE−1830(信越化学工業社製)」
・KE―1833: 液状シリコーンゴム「KE−1833(信越化学工業社製)」
・KE−2019−40A/B:液状シリコーンゴム「KE−2019−40A/B(信越化学工業社製)」
60 定着装置
62 加熱ベルト
64 加圧ローラ
66 押圧パッド
68 支持部材
70 電磁誘導コイル
72 コイル支持部材
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
89A ハロゲンヒータ
89 加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
98 支持ロール
100 画像形成装置
110 定着部材

Claims (6)

  1. 基材と、
    基材上に設けられた第1弾性層と、
    前記第1弾性層上に設けられ、前記第1弾性層の弾性率Eeよりも低い弾性率Eiの第2弾性層と
    前記第2弾性層上に設けられ、厚みが20μm以下の表面層であって、前記第2弾性層の外周面に被覆された管状物からなる表面層と、
    を有する定着部材。
  2. 前記表面層が、フッ素樹脂を含んで構成されている請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記第2弾性層が、シリコーンゴムを含んで構成されている請求項1又は2に記載の定着部材。
  4. 定着部材が、ベルト状である請求項1〜3のいずれか1項の定着部材。
  5. 第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着部材である定着装置。
  6. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着する定着手段であって、請求項5に記載の定着装置である定着手段と、
    を備える画像形成装置。
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