JP2016142993A - 定着部材、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

定着部材、定着装置、画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016142993A
JP2016142993A JP2015020569A JP2015020569A JP2016142993A JP 2016142993 A JP2016142993 A JP 2016142993A JP 2015020569 A JP2015020569 A JP 2015020569A JP 2015020569 A JP2015020569 A JP 2015020569A JP 2016142993 A JP2016142993 A JP 2016142993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
layer
adhesive layer
belt
fixing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015020569A
Other languages
English (en)
Inventor
康彦 衣田
Yasuhiko Ida
康彦 衣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2015020569A priority Critical patent/JP2016142993A/ja
Publication of JP2016142993A publication Critical patent/JP2016142993A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】基材の外周面に又は基材の外周面側に配置された層に、発泡構造を有さない接着層を介して表面層が接着されている場合に比べ、表面層の剥がれが抑制される定着部材を提供する。
【解決手段】環状の基材112と、前記環状の基材の外周面側に配置され、発泡構造を有する接着層116と、前記基材の外周面に又は前記基材の外周面側で前記接着層の内周面側に配置された層に前記接着層を介して接着されている表面層118と、を有する定着部材110。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着部材、定着装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置(複写機、ファクシミリ、プリンタ等)では、記録材上に形成された未定着のトナー像を定着装置によって定着して画像が形成される。
例えば、特許文献1には、「軸体の外周面に配置された発泡弾性層と、前記発泡弾性層の外周面に配置され、この外周面の近傍に存在するセルを埋設する接着剤層と、前記接着剤層の外周面に配置された樹脂チューブとを備えて成る弾性ローラ」が開示されている。
特開2012−233961号公報
本発明は、表面層が、基材の外周面に又は前記基材の外周面側に配置された層に、発泡構造を有さない接着層を介して接着されている場合に比べ、表面層の剥がれが抑制される定着部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1に係る発明は、
環状の基材と、
前記環状の基材の外周面側に配置され、発泡構造を有する接着層と、
前記基材の外周面に又は前記基材の外周面側で前記接着層の内周面側に配置された層に前記接着層を介して接着されている表面層と、
を有する定着部材である。
請求項2に係る発明は、
前記環状の基材の外周面側に配置された弾性層をさらに有し、前記弾性層と前記表面層との間に前記接着層が配置されている請求項1に記載の定着部材である。
請求項3に係る発明は、
前記接着層が、連続発泡構造を有する請求項1又は請求項2に記載の定着部材である。
請求項4に係る発明は、
前記接着層の発泡率が、33%以上67%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着部材である。
請求項5に係る発明は、
前記接着層の厚さが、5μm以上30μm以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着部材である。
請求項6に係る発明は、
前記接着層が、シリコーンゴムを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の定着部材である。
請求項7に係る発明は、
第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の定着部材である定着装置である。
請求項8に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着する請求項7に記載の定着装置を含む定着手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項1及び請求項2に係る発明によれば、基材の外周面に又は前記基材の外周面側に配置された層に、発泡構造を有さない接着層を介して表面層が接着されている場合に比べ、表面層の剥がれが抑制される定着部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、接着層の発泡構造が独立発泡構造である場合に比べ、表面層の剥がれが抑制される定着部材が提供される。
請求項4に係る発明によれば、接着層の発泡率が、33%未満である場合に比べ、表面層の剥がれが抑制される定着部材が提供される。
請求項5に係る発明によれば、接着層の厚さが、5μm未満である場合に比べ、表面層の剥がれが抑制される定着部材が提供される。
請求項6に係る発明によれば、接着層がシリコーンゴムを含まない場合に比べ、表面層の剥がれが抑制される定着部材が提供される。
請求項7又は請求項8に係る発明によれば、定着部材の表面層が、基材の外周面に又は基材の外周面側に配置された層に、発泡構造を有さない接着層を介して接着されている場合に比べ、定着部材の寿命が長い定着装置又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る定着部材の一例を示す模式断面図である。 第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 異物による表面層の浮きを概略的に示す図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
画像形成装置において記録媒体上に転写されたトナー像を定着させるための定着部材として、例えば、図5に示すように基材層212、弾性層214、接着層216、及び表面層218を積層した、定着ベルトや定着ロールが用いられている。
接着層216は、弾性層214と表面層218とを接着して剥がれの発生を抑制する機能を果たすため、一般に、弾性層214と表面層218との接着性に加えて、接着層自身が一定以上の強度を有することが要求される。接着層216を形成するための材料としては、具体的には、シリコーンゴムに接着性付与成分を添加した材料等が用いられる。
一方、定着部材の製造方法の一例として、基材層212と弾性層214との積層体上に、接着層216を塗布により形成し、表面層218として、例えばPFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)のチューブを被覆して形成する方法が知られている。
このような製造過程において、例えば、図5に示すように接着層216と表面層218との間に異物120が混入し、異物周囲の表面層218が接着層216から浮いた状態(以下、「浮き部」と称する場合がある。)が発生することがある。浮き部122の発生箇所は、接着層216と表面層218との間に空気が介在した状態となるため、定着装置内で加熱されると浮き部内の空気が膨張して浮き部122が膨らむ。そして、浮き部122が定着装置内で加圧されると、浮き部122が定着部材の進行方向である周方向に進行し、接着層216と表面層218との間で剥がれが拡大する。そのため、定着部材の寿命が短くなり、交換が必要となる。
一方、本実施形態に係る定着部材は、環状の基材と、前記環状の基材の外周面側に配置され、発泡構造を有する接着層と、前記基材の外周面に又は前記基材の外周面側で前記接着層の内周面側に配置された層に前記接着層を介して接着されている表面層と、を有して構成されている。このような構成を有する本実施形態に係る定着部材は、接着層と表面層との間に異物が混入しても表面層の剥がれが抑制される。その理由は以下のように考えられる。
すなわち、本実施形態に係る定着部材は、表面層が発泡構造を有する接着層を介して接着されているため、定着部材の製造過程で接着層と表面層との間に異物が混入して浮き部が生じても、浮き部の空気は接着層を通じて定着部材、例えば定着ベルトの端部から抜け易くなる。そのため、定着装置における加熱による浮き部の膨張が抑制されることで、剥がれの発生が抑制され、結果として定着部材の長寿命化が達成されると考えられる。
<定着部材>
本実施形態に係る定着部材について説明する。
図1は、本実施形態に係る定着部材の一例を示す概略断面図である。
本実施形態に係る定着部材110は、図1に示すように、例えば、環状の基材112と、環状の基材112の外周面側に配置された弾性層114と、弾性層114上に配置され、発泡構造を有する接着層116と、接着層116を介して弾性層114と接着され、最表面を構成する表面層118とを有している。
なお、本実施形態に係る定着部材110は、上記層構成に限られず、必要に応じて、例えば、基材112と弾性層114との間に金属層や金属層を保護する保護層を介在させた層構成であってもよい。また、弾性層114は、必要に応じて設けられる層であり、基材の外周面に発泡構造を有する接着層116を介して表面層118が接着されている層構成でもよい。
以下、本実施形態に係る定着部材110の構成要素について詳細に説明する。
なお、符号は省略して説明する。
また、本実施形態に係る定着部材において、「耐熱性」とは、定着装置の昇温温度(例えば、定着温度)に達しても、溶けたり分解したりしない特性を示す。つまり、定着装置の昇温温度に耐え得る性質を有する。
[環状の基材]
環状の基材としては、例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等の金属製の基材;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール等の樹脂製の基材;が挙げられる。また、環状の基材が樹脂製である場合には、例えば、熱伝導性等の各特性を制御する観点から、カーボンブラック等の各種の充填剤が含有されていてもよい。
これらのうち、柔軟性、耐久性、軽量性、製造コスト等の観点から、樹脂製の基材であることが好ましい。樹脂製の基材の中でも、耐熱性、機械的強度、製造容易性等の観点から、ポリイミドを用いることがさらに好ましい。
基材の厚みは、例えば、20μm以上200μm以下であることがよく、30μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。40μm以上130μm以下であることが特に好ましい。
[弾性層]
本実施形態に係る定着部材は、目的に応じて、弾性層を有していてもよい。弾性層は、環状の基材の外周面側に設けられる層である。この弾性層は、耐熱性弾性材料を含んでいることが好ましい。
耐熱性弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)等が挙げられる。
フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン/プロピレン系ゴム、四フッ化エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテルゴム、フォスファゼン系ゴム、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
弾性層には、各種添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)、機能性充填剤(アルミナ等)等が挙げられる。
弾性層の厚みは、例えば、30μm以上600μm以下であることがよく、100μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。
[接着層]
接着層は、基材と表面層、あるいは、基材上に弾性層を有する場合は弾性層と表面層を接着させる層であり、本実施形態における接着層は発泡構造を有している。
接着層における発泡構造は気泡が連通した連続発泡構造でもよいし、気泡が独立した独立発泡構造でもよいが、異物の介在による気泡を接着層の発泡構造を通じて排出する観点から、連続発泡構造であることが望ましい。
また、接着層における発泡率(%)は、独立気泡と連続気泡とのいずれの場合であっても、異物の介在による気泡を接着層の発泡構造を通じて排出する観点から、33%以上が望ましく、40%以上がより望ましい。一方、接着層における発泡率が高過ぎると、接着層の強度が低下し、表面層のシワが発生したり、破断する確率が高くなる。そのため、接着層における発泡率(%)は、67%以下が望ましく、60%以下がより望ましい。
接着層における発泡率(%)は、下記の式によって求められる。
発泡率(%)=(接着層に含まれる気泡全体の体積/接着層全体の体積)×100
なお、接着層における発泡率の測定は、水銀ポロシメーター(Pore Master GT60、シスメックス株式会社)を用いて水銀圧入法にて行う。
接着層を構成する材料としては、シリコーンゴムやプライマー等が挙げられる。
シリコーンゴムは気体透過性が高く、空気がより抜け易くなるため、接着層を構成する成分として好適である。また、特に、弾性層と表面層を接着させる場合にシリコーンゴムを含む接着層を用いることで高い接着力が得られる。
接着層を構成するシリコーンゴムとして、具体的には、例えば、ビニルメチルシリコーンゴム、メチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、それらの複合材料が挙げられる。接着性向上のため、シランカップリング剤や変性末端基成分を含有していてもよい。
また、接着層を構成する接着性付与成分としては、例えば、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、接着層の発泡構造を形成するための発泡成分としては、例えば、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体が挙げられる。
なお、自己発泡性の付加硬化液状シリコーンゴムを用いることも好ましい。
接着層を形成するための各成分の配合割合は、目標とする発泡率、表面層と表面層を接着させる基材又は弾性層等の材質等に応じて適宜決めればよい。
接着層の厚みは特に限定されないが、接着層の厚みが薄過ぎると空気が抜け難くなり、厚過ぎると接着層がせん断剥離強度が低下して接着層自身が破壊され易くなる。そのため、接着層の厚みは、5μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上25μm以下であることがより好ましい。
発泡構造を有する接着層を形成する方法は特に限定されず、例えば、弾性層上に、接着層を形成するための材料をブレード塗布法等の公知の塗布法にて塗布した後、加熱して発泡させることで発泡構造を有する接着層を形成することができる。
[表面層]
表面層は、環状の基材の外周面側に設けられる層である。表面層は、例えば、耐熱性離型材料を含んで構成される。
耐熱性離型材料としては、フッ素ゴム、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性離型材料としては、フッ素樹脂がよい。フッ素樹脂として具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
表面層の厚みは、例えば、5μm以上50μm以下であることがよく、10μm以上40μm以下であることがさらに好ましい。
表面層の形成は特に限定されず、例えば、発泡構造を有する接着層を設けた後、表面層として耐熱性離型材料を用いて製造した管状体(チューブ)を被覆し、必要に応じて加熱することで発泡構造を有する接着層を介して接着させることができる。なお、接着性を高めるため、表面層を形成するためのチューブの内面に予め接着処理を施してもよい。内面接着処理としては、例えば液体アンモニア処理、ナトリウムナフタレン処理、エキシマレーザ処理、プラズマ処理が挙げられる。
[定着部材の用途]
本実施形態に係る定着部材は、例えば、無端状のベルトとして、加熱ベルト、加圧ベルトのいずれにも適用される。なお、加熱ベルトとしては、電磁誘導方式により加熱する加熱ベルト、外部の熱源から加熱する加熱ベルトのいずれであってもよい。
但し、本実施形態に係る定着部材を電磁誘導方式により加熱する加熱ベルトに適用する場合、基材と弾性層との間に、電磁誘導により発熱する金属層(発熱層)を設けることがよい。
<定着装置>
本実施形態に係る定着装置としては、種々の構成があり、例えば、第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備える。そして、第1回転体及び第2回転体の少なくとも一方として、本実施形態に係る定着部材が適用される。
以下に、第1実施形態として、加熱ロールと加圧ベルトとを備えた定着装置を説明する。また、第2実施形態として、加熱ベルトと加圧ロールとを備えた定着装置を説明する。そして、第1及び第2実施形態において、本実施形態に係る定着部材は、加圧ベルト、加熱ベルトのいずれにも適用され得る。
なお、本実施形態に係る定着装置は、第1及び第2実施形態に限られない。例えば、電磁誘導加熱方式の定着装置であってもよい。
[定着装置の第1実施形態]
第1実施形態に係る定着装置について説明する。図2は、第1実施形態に係る定着装置の一例を示す概略図である。
なお、第1実施形態に係る定着装置において、本実施形態に係る定着部材は、加圧ベルト(定着部材の一例)として適用される。
第1実施形態に係る定着装置60は、図2に示すように、例えば、回転駆動する加熱ロール61(第1回転体の一例)と、加圧ベルト62(第2回転体の一例)と、加圧ベルト62を介して加熱ロール61を押圧する押圧パッド64(押圧部材の一例)とを備えて構成されている。
なお、押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62と加熱ロール61とが相対的に加圧されていればよい。従って、加圧ベルト62側が加熱ロール61に加圧されてもよく、加熱ロール61側が加熱ロール61に加圧されてもよい。
加熱ロール61の内部には、ハロゲンランプ66(加熱手段の一例)が配設されている。加熱手段としては、ハロゲンランプに限られず、発熱する他の発熱部材を用いてもよい。
一方、加熱ロール61の表面には、例えば、感温素子69が接触して配置されている。この感温素子69による温度計測値に基づいて、ハロゲンランプ66の点灯が制御され、加熱ロール61の表面温度が目的とする設定温度に制御される。
加圧ベルト62は、例えば、内部に配置された押圧パッド64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持されている。そして、挟込領域N(ニップ部)において押圧パッド64により加熱ロール61に対して押圧されて配置されている。
押圧パッド64は、例えば、加圧ベルト62の内側において、加圧ベルト62を介して加熱ロール61に加圧される状態で配置され、加熱ロール61との間で挟込領域Nを形成している。
押圧パッド64は、例えば、幅の広い挟込領域Nを確保するための前挟込部材64aを挟込領域Nの入口側に配置し、加熱ロール61に歪みを与えるための剥離挟込部材64bを挟込領域Nの出口側に配置している。
加圧ベルト62の内周面と押圧パッド64との摺動抵抗を小さくするために、例えば、前挟込部材64a及び剥離挟込部材64bの加圧ベルト62と接する面にシート状の摺動部材68が設けられている。そして、押圧パッド64と摺動部材68とは、金属製の保持部材65に保持されている。
なお、摺動部材68は、例えば、その摺動面が加圧ベルト62の内周面と接するように設けられており、加圧ベルト62との間に存在する潤滑剤の保持・供給に関与する。
保持部材65には、例えば、ベルト走行ガイド63が取り付けられ、加圧ベルト62が回転する構成となっている。
加熱ロール61は、例えば、図示しない駆動モータにより矢印S方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62は、加熱ロール61の回転方向と反対の矢印R方向へ回転する。すなわち、例えば、加熱ロール61が図2における時計方向へ回転するのに対して、加圧ベルト62は反時計方向へ回転する。
そして、未定着トナー像を有する用紙K(記録媒体の一例)は、例えば、定着入口ガイド56によって導かれて、挟込領域Nに搬送される。そして、用紙Kが挟込領域Nを通過する際に、用紙K上のトナー像は挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に倣う凹形状の前挟込部材64aにより、前挟込部材64aがない構成に比して、広い挟込領域Nを確保される。
また、第1実施形態に係る定着装置60では、例えば、加熱ロール61の外周面に対し突出させて剥離挟込部材64bを配置することにより、挟込領域Nの出口領域において加熱ロール61の歪みが局所的に大きくなるように構成されている。
このように剥離挟込部材64bを配置すれば、例えば、定着後の用紙Kは、剥離挟込領域を通過する際に、局所的に大きく形成された歪みを通過することになるので、用紙Kが加熱ロール61から剥離しやすい。
剥離の補助手段として、例えば、加熱ロール61の挟込領域Nの下流側に、剥離部材70を配設されている。剥離部材70は、例えば、剥離爪71が加熱ロール61の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に加熱ロール61と近接する状態で保持部材72によって保持されている。
[定着装置の第2実施形態]
第2実施形態に係る定着装置について説明する。図3は、第2実施形態に係る定着装置の一例を示す概略図である。なお、第2実施形態に係る定着装置において、本実施形態に係る定着部材は、加熱ベルト(定着部材の一例)として適用される。
第2実施形態に係る定着装置80は、図3に示すように、例えば、加熱ベルト84(第1回転体の一例)を備える定着ベルトモジュール86と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)に押圧して配置された加圧ロール88(第2回転体の一例)とを含んで構成されている。そして、例えば、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する挟込領域N(ニップ部)が形成されている。挟込領域Nでは、用紙K(記録媒体の一例)が加圧及び加熱されトナー像が定着される。
定着ベルトモジュール86は、例えば、無端状の加熱ベルト84と、加圧ロール88側で加熱ベルト84が巻き掛けられ、モータ(不図示)の回転力で回転駆動すると共に加熱ベルト84をその内周面から加圧ロール88側へ押し付ける加熱押圧ロール89と、加熱押圧ロール89と異なる位置で内側から加熱ベルト84を支持する支持ロール90とを備えている。
定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84の外側に配置されてその周回経路を規定する支持ロール92と、加熱押圧ロール89から支持ロール90までの加熱ベルト84の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール94と、加熱ベルト84(定着ベルトモジュール86)と加圧ロール88とが接触する領域である挟込領域Nの下流側において加熱ベルト84を内周面から張力を付与する支持ロール98とが設けられている。
そして、定着ベルトモジュール86は、例えば、加熱ベルト84と加熱押圧ロール89との間に、シート状の摺動部材82が介在するように設けられている。
摺動部材82は、例えば、その摺動面が加熱ベルト84の内周面と接するように設けられており、加熱ベルト84との間に存在する潤滑剤の保持・供給に関与する。
ここで、摺動部材82は、例えば、その両端が支持部材96により支持された状態で設けられている。
加熱押圧ロール89の内部には、例えば、ハロゲンヒータ89A(加熱手段の一例)が設けられている。
支持ロール90は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、内部にはハロゲンヒータ90A(加熱手段の一例)が配設されており、加熱ベルト84を内周面側から加熱するようになっている。
支持ロール90の両端部には、例えば、加熱ベルト84を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設されている。
支持ロール92は、例えば、アルミニウムで形成された円筒状ロールであり、支持ロール92の表面には厚み20μmのフッ素樹脂を含む離型層が形成されている。
支持ロール92の離型層は、例えば、加熱ベルト84の外周面からのトナーや紙粉が支持ロール92に堆積するのを防止するために形成されるものである。
支持ロール92の内部には、例えば、ハロゲンヒータ92A(加熱源の一例)が配設されており、加熱ベルト84を外周面側から加熱するようになっている。
つまり、例えば、加熱押圧ロール89と支持ロール90及び支持ロール92とによって、加熱ベルト84が加熱される構成となっている。
姿勢矯正ロール94は、例えば、アルミニウムで形成された円柱状ロールであり、姿勢矯正ロール94の近くには、加熱ベルト84の端部位置を測定する端部位置測定機構(不図示)が配置されている。
姿勢矯正ロール94には、例えば、端部位置測定機構の測定結果に応じて加熱ベルト84の軸方向における当り位置を変位させる軸変位機構(不図示)が配設され、加熱ベルト84の蛇行を制御するように構成されている。
一方、加圧ロール88は、例えば、回転自在に支持されると共に、図示しないスプリング等の付勢手段によって加熱ベルト84が加熱押圧ロール89に巻き回された部位に押圧されて設けられている。これにより、定着ベルトモジュール86の加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)が矢印S方向へ回転移動するのに伴って、加熱ベルト84(加熱押圧ロール89)に従動して加圧ロール88が矢印R方向に回転移動するようになっている。
そして、未定着トナー像(不図示)を有する用紙Kは、矢印P方向に搬送され、定着装置80の挟込領域Nに導かれると、挟込領域Nに作用する圧力と熱とによって定着される。
なお、第2実施形態に係る定着装置80では、加熱源の一例としてハロゲンヒータ(ハロゲンランプ)を適用した形態を説明したが、これに限られず、ハロゲンヒータ以外の輻射ランプ発熱体(放射線(赤外線等)を発する発熱体)、抵抗発熱体(抵抗に電流を流すことによりジュール熱を発生させる発熱体:例えばセラミック基板に厚膜抵抗を有する膜を形成して焼成させたもの等)を適用してもよい。
<画像形成装置>
次に、本実施形態に係る画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、帯電された像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着する定着手段と、を備える。そして、定着手段として、本実施形態に係る定着装置が適用される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置について図面を参照しつつ説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示した概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、例えば、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kと、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー像を記録媒体である用紙Kに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙K上に定着させる定着装置60と、を備えている。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
この定着装置60が既述の第1実施形態に係る定着装置60である。なお、画像形成装置100は、既述の第2実施形態に係る定着装置80を備える構成であってもよい。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体11を備えている。
感光体11の周囲には、帯電手段の一例として、感光体11を帯電させる帯電器12が設けられ、潜像形成手段の一例として、感光体11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。
また、感光体11の周囲には、現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。
更に、感光体11の周囲には、感光体11上の残留トナーが除去される感光体クリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16及び感光体クリーナ17の電子写真用デバイスが感光体11の回転方向に沿って順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば、0.1mm程度に構成されている。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図4に示すB方向に目的に合わせた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(不図示)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能する張力付与ロール33、二次転写部20に設けられる背面ロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニング背面ロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒状ロールである。
そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体11に圧接配置され、更に一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、背面ロール25と、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成されている。
背面ロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。この背面ロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、芯体と、芯体の周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。芯体は鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒状ロールである。
そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んで背面ロール25に圧接配置され、更に二次転写ロール22は接地されて背面ロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙K上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。
なお、中間転写ベルト15、一次転写部10(一次転写ロール16)、及び二次転写部20(二次転写ロール22)が、転写手段の一例に該当する。
一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられたマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
更に、本実施形態に係る画像形成装置では、用紙Kを搬送する搬送手段として、用紙Kを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Kを予め定められたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Kを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Kを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Kを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Kを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体11上に形成されたトナー像は、各感光体11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から目的とするサイズの用紙Kが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Kは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Kは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせて位置合わせロール(不図示)が回転することで、用紙Kの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22が背面ロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Kは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22と背面ロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22と背面ロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙K上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Kは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Kを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙K上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱及び圧力で定着処理を受けることで用紙K上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Kは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Kへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニング背面ロール34及び中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が適用され、本発明の要件を満足する範囲内で実現されることは言うまでもない。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
[定着ベルトの作製]
<実施例1>
ポリイミドワニス(商品名:TX−HMM、ユニチカ社製)を外径168mmのアルミ金型上に、固形分膜厚80μmでブレード塗布法にて塗布し、130℃、20分間乾燥した後、最高温度380℃、20分間の条件で焼成した。冷却後、金型から脱型して、ポリイミド基材を得た。
付加硬化液状シリコーンゴムを、ポリイミド基材上にブレード塗布法にて膜厚が300μmとなるように塗布し、110℃、20分間の条件で焼成して弾性層を形成した。
シリコーンゴム(商品名:TSE3331K、モメンティブ・パフォーマンス社製)に、発泡剤として重炭酸ソーダを2.5質量部添加し、接着性付与成分としてグリシドキシプロピルトリエトキシシランを10質量部添加し、ブレード塗布法にて発泡後の膜厚が10μmとなるよう塗布し、180℃、0.5時間の条件で加熱して接着層を形成した。
次いで、接着層上に、異物として、粒径が500μmの粒子と、粒径が1000μmの粒子をそれぞれ配置し、内面接着処理済みのPFAチューブ(厚み:30μm)を被覆後、200℃、4時間の条件で焼成して環状のベルトを形成した。
その後、アルミ金型からベルトを脱型し、実施例1の定着ベルトを得た。得られた定着ベルトの表面層には、接着層上に配置した異物に起因して、図5に示すように大きさ(最大長)が2mmの浮き部と4mmの浮き部が形成されていた。
<実施例2>
接着層の膜厚を30μmとした以外は実施例1と同様にして、実施例2の定着ベルトを得た。
<実施例3乃至実施例13>
接着層の構成を表1に記載の内容に変更したこと以外は実施例1と同様にして、定着ベルトを得た。
<比較例1>
接着層として発泡構造を有さないソリッドタイプの付加硬化液上シリコーンゴムを使用したこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の定着ベルトを得た。
<比較例2>
接着層を形成しないこと以外実施例1と同様にして、比較例2の定着ベルトを得た。
<実施例14>
発泡剤としてアゾビス−イソブチロニトリル2.5質量部を添加したこと以外は実施例1と同様にして、実施例14の定着ベルトを得た。
[評価]
(発泡率の測定)
各実施例で作製した定着ベルトについて、接着層の発泡率を、既述の水銀ポロシメーター(Pore Master GT60、シスメックス株式会社)を用いて水銀圧入法にて測定した。
(浮き部の剥がれ)
加熱ベルトとして、各例で得られた定着ベルトを富士ゼロックス社製の画像形成装置(Color1000Press)用の定着装置に装着し、この定着装置を画像形成装置に組み込んだ。この画像形成装置により、J紙(富士ゼロックス社製)を用いて40万枚の画像を出力する走行試験を行った。
走行試験終了後、定着ベルト(加熱ベルト)の表面層(PFAチューブ)における浮き部の大きさを目盛付きルーペを使用して測定し、下記の基準により評価した。
A:40万枚の画像出力後、表面層における2mmの浮き部と4mmの浮き部のいずれにおいても剥がれが拡大していない。
B:40万枚の画像出力後、表面層の2mmの浮き部で剥がれが拡大しなかったが、4mmの浮き部で剥がれが拡大した。
C:40万枚の画像出力後、表面層における2mmの浮き部と4mmの浮き部のいずれにおいても剥がれが拡大した。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、表面層の剥がれが抑制されていることが分かる。
60 定着装置
61 加熱ロール
62 加圧ベルト
63 ベルト走行ガイド
64 押圧パッド
64a 前挟込部材
64b 剥離挟込部材
65 保持部材
66 ハロゲンランプ
68 摺動部材
69 感温素子
70 剥離部材
71 剥離爪
72 保持部材
80 定着装置
82 摺動部材
84 加熱ベルト
86 定着ベルトモジュール
88 加圧ロール
89A ハロゲンヒータ
89 加熱押圧ロール
90A ハロゲンヒータ
90 支持ロール
92A ハロゲンヒータ
92 支持ロール
94 姿勢矯正ロール
96 支持部材
98 支持ロール
100 画像形成装置
110 定着部材
112 基材
114 弾性層
116 発泡構造を有する接着層
118 表面層
120 異物
122 浮き部

Claims (8)

  1. 環状の基材と、
    前記環状の基材の外周面側に配置され、発泡構造を有する接着層と、
    前記基材の外周面に又は前記基材の外周面側で前記接着層の内周面側に配置された層に前記接着層を介して接着されている表面層と、
    を有する定着部材。
  2. 前記環状の基材の外周面側に配置された弾性層をさらに有し、前記弾性層と前記表面層との間に前記接着層が配置されている請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記接着層が、連続発泡構造を有する請求項1又は請求項2に記載の定着部材。
  4. 前記接着層の発泡率が、33%以上67%以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着部材。
  5. 前記接着層の厚さが、5μm以上30μm以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着部材。
  6. 前記接着層が、シリコーンゴムを含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の定着部材。
  7. 第1回転体と、第1回転体の外面に接して配置される第2回転体と、を備え、
    前記第1回転体及び前記第2回転体の少なくとも一方が、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の定着部材である定着装置。
  8. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着する請求項7に記載の定着装置を含む定着手段と、
    を備える画像形成装置。
JP2015020569A 2015-02-04 2015-02-04 定着部材、定着装置、画像形成装置 Pending JP2016142993A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015020569A JP2016142993A (ja) 2015-02-04 2015-02-04 定着部材、定着装置、画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015020569A JP2016142993A (ja) 2015-02-04 2015-02-04 定着部材、定着装置、画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016142993A true JP2016142993A (ja) 2016-08-08

Family

ID=56570370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015020569A Pending JP2016142993A (ja) 2015-02-04 2015-02-04 定着部材、定着装置、画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016142993A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11343691B2 (en) 2010-01-07 2022-05-24 Nec Corporation Radio communication system, radio terminal, radio network, radio communication method and program

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11343691B2 (en) 2010-01-07 2022-05-24 Nec Corporation Radio communication system, radio terminal, radio network, radio communication method and program

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6446916B2 (ja) 定着部材、定着装置、画像形成装置
JP2016184085A (ja) 定着用加圧部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2015129797A (ja) 画像定着用管状体、定着装置、および画像形成装置
US9645539B2 (en) Decurler and image forming apparatus
JP5966806B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP6884996B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP6171574B2 (ja) 定着用加圧ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP2020016809A (ja) 定着装置
JP2016142993A (ja) 定着部材、定着装置、画像形成装置
US10663897B2 (en) Fixing member, method for producing fixing member, fixing device, and image forming apparatus
JP6981129B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
US20200209787A1 (en) Image heating device that prevents failure caused by insufficient supply of lubricant at ends parts
JP2005274888A (ja) 定着装置、ベルトおよび画像形成装置
US20170261894A1 (en) Fixing member, fixing device, and image forming apparatus
JP7155551B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2018156026A (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP6488801B2 (ja) 管状体、定着装置および画像形成装置
JP2010152124A (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP7180239B2 (ja) 定着部材、定着装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP6965584B2 (ja) 定着部材、定着装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2017219822A (ja) 定着部材、定着装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2006235006A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6127829B2 (ja) 画像定着用の管状体、定着装置、及び画像形成装置
JP6413526B2 (ja) 定着装置用シート状摺動部材、定着装置、及び画像形成装置
JP6079424B2 (ja) 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置