JP2010152124A - 定着部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトの反り返り部(表面層と反対側が伸ばされる箇所)においても表面層にシワが発生しない定着ベルト、該定着ベルトを備える定着装置、該定着装置を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】基材上に、弾性層と表面層とをこの順で積層した定着ベルト610であって、前記弾性層の膜厚をt(μm)としたときに、t≦550μmの関係を満たし、定着ロール611、及び複数の張架ロールに張架され、更に、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、該定着ベルトの表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で用いられる。
【選択図】図1
【解決手段】基材上に、弾性層と表面層とをこの順で積層した定着ベルト610であって、前記弾性層の膜厚をt(μm)としたときに、t≦550μmの関係を満たし、定着ロール611、及び複数の張架ロールに張架され、更に、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、該定着ベルトの表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で用いられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、定着部材、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置の定着装置として、無端状の定着ベルトと加圧ローラ、或いは定着ベルトと加圧ベルトとにより圧接部を形成するベルト定着タイプがある。
フルカラー定着装置の場合、定着ベルトとしては、基体上に少なくとも弾性層と表面層をこの順で積層した構造が利用されている。弾性層にはシリコーンゴム等の耐熱性エラストマー材料が用いられ、表面層には離型性の良いフッ素樹脂等の材料が用いられる。
このような定着ベルトを用いた定着装置として、以下のようなものが提案されている。すなわち、定着ロールと複数の張架ロールとによって定着ベルトが張架された定着ベルトモジュールと、定着ベルトを介して定着ロールを押圧するように配置された加圧ロールとを備え、定着ベルトモジュールには、定着ロールと加圧ロールとの圧接部の下流側近傍にて、定着ベルトの外表面を加圧ロールに押圧するように配置された剥離パッドを設けた定着システムである(例えば、特許文献1参照)。
上記定着システムを用いることによって、画像形成装置の高速化を図った場合においても、高い定着性能を維持することが可能となる。
この定着システムの特徴の一つとして、定着ベルトの表面層が張架ロールに接した状態で、張架ロールよってベルトが反り返る構造となっていることが挙げられる。
この定着システムの特徴の一つとして、定着ベルトの表面層が張架ロールに接した状態で、張架ロールよってベルトが反り返る構造となっていることが挙げられる。
従来の定着ベルトとしては、80μmのポリイミド基材上に、デュロメーター硬さA/35の液状シリコーンゴムを膜厚160μmで形成し、30μmのフッ素樹脂チューブを被覆した複合管状物を用いていた。
特開2007−57682号公報
本発明は、ベルトの反り返り部(表面層と反対側が伸ばされる箇所)においても表面層にシワが発生しない定着部材を提供する。
前記課題は、下記の本発明により解決した。即ち、
請求項1に係る発明は、
基材上に、弾性層と表面層とをこの順で積層し、
前記弾性層の膜厚をt(μm)としたときに、
下記式(1)の関係を満たし、
定着ロール、及び複数の張架ロールに張架され、更に、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で、定着装置に用いられることを特徴とする定着部材である。
t≦550μm …(1)
請求項1に係る発明は、
基材上に、弾性層と表面層とをこの順で積層し、
前記弾性層の膜厚をt(μm)としたときに、
下記式(1)の関係を満たし、
定着ロール、及び複数の張架ロールに張架され、更に、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で、定着装置に用いられることを特徴とする定着部材である。
t≦550μm …(1)
請求項2に係る発明は、
下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の定着部材である。
250μm≦t …(2)
下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の定着部材である。
250μm≦t …(2)
請求項3に係る発明は、
弾性層のタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さをA/Hとしたときに、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着部材である。
t≦12H―170 …(3)
弾性層のタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さをA/Hとしたときに、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着部材である。
t≦12H―170 …(3)
請求項4に係る発明は、
回転可能な定着ロールと、
前記定着ロール、及び複数の張架ロールに張架される定着部材と、
前記定着部材を前記定着ロールに押圧するように配置された加圧部材と、
を備え、
前記定着部材が、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の定着部材であり、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で用いられることを特徴とする定着装置である。
回転可能な定着ロールと、
前記定着ロール、及び複数の張架ロールに張架される定着部材と、
前記定着部材を前記定着ロールに押圧するように配置された加圧部材と、
を備え、
前記定着部材が、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の定着部材であり、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で用いられることを特徴とする定着装置である。
請求項5に係る発明は、
請求項4に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項4に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、式(1)を満たさない場合に比べて、ベルトの反り返り部(表面層と反対側が伸ばされる箇所)においても表面層にシワが発生しない定着部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、式(2)を満たさない場合に比べて、高速運転においてもエンボス紙へ安定して定着する定着部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、式(3)を満たさない場合に比べて、長期に亘って定着ベルトの表面層に発生する突入キズを抑制する定着部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、式(2)を満たさない場合に比べて、高速運転においてもエンボス紙へ安定して定着する定着部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、式(3)を満たさない場合に比べて、長期に亘って定着ベルトの表面層に発生する突入キズを抑制する定着部材が提供される。
請求項4に係る発明によれば、式(1)〜(3)を満たさない定着部材を使用する場合に比べて、長期に亘って良好な定着画像が得られる定着装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、本構成の定着装置を有さない場合に比べて、長期に亘って良好な定着画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、本構成の定着装置を有さない場合に比べて、長期に亘って良好な定着画像が得られる画像形成装置が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る定着部材は、基材上に、弾性層と表面層とをこの順で積層し、前記弾性層の膜厚をt(μm)としたときに、下記式(1)の関係を満たし、定着ロール、及び複数の張架ロールに張架され、更に、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で、定着装置に用いられることを特徴とする。
t≦550μm …(1)
本実施形態に係る定着部材は、基材上に、弾性層と表面層とをこの順で積層し、前記弾性層の膜厚をt(μm)としたときに、下記式(1)の関係を満たし、定着ロール、及び複数の張架ロールに張架され、更に、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で、定着装置に用いられることを特徴とする。
t≦550μm …(1)
通常、定着部材を定着装置に用いる場合は、定着部材の表面層側が伸ばされる方向で用いられるが、張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧した場合、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態、つまり表面層側が縮む状態となる。その結果、表面層にシワが発生する。しかし、本実施形態に係る定着部材は、定着部材の弾性層の膜厚を550μm以下とすることで、部材反り返り時における表面層の変形量を塑性変形以下となり、表面層の反り返しシワの発生が抑制される。前記定着部材の弾性層の膜厚は、550μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る定着部材は、下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
250μm≦t …(2)
通常、高速運転にけるエンボス紙への画像の定着は、エンボス紙の厚さ及び凹凸により、困難になる。しかし、本実施形態に係る定着部材は、定着部材の弾性層膜厚を250μm以上とすることで定着部材の熱容量を大きくし、トナー溶融のための充分な熱量が供給され、高速運転においてもエンボス紙へ安定して定着される。
250μm≦t …(2)
通常、高速運転にけるエンボス紙への画像の定着は、エンボス紙の厚さ及び凹凸により、困難になる。しかし、本実施形態に係る定着部材は、定着部材の弾性層膜厚を250μm以上とすることで定着部材の熱容量を大きくし、トナー溶融のための充分な熱量が供給され、高速運転においてもエンボス紙へ安定して定着される。
更に、本実施形態に係る定着部材は、弾性層のタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さをA/Hとしたときに、下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
t≦12H―170 …(3)
通常、厚みが厚い記録材への画像の定着をすることにより、表面層の突入キズが発生する。しかし、本実施形態に係る定着部材は、前記式(3)の関係を満たすことにより、記録材突入による表面層の変形量を塑性変形以下となり、表面層の突入キズ発生が抑制される。
t≦12H―170 …(3)
通常、厚みが厚い記録材への画像の定着をすることにより、表面層の突入キズが発生する。しかし、本実施形態に係る定着部材は、前記式(3)の関係を満たすことにより、記録材突入による表面層の変形量を塑性変形以下となり、表面層の突入キズ発生が抑制される。
ここで、弾性層の膜厚は、デジマチックインジケーター(株式会社ミツトヨ社製)を用いて測定した。
また、デュロメータ硬さとは、JIS K6253(1997)に規定される硬さである。
また、デュロメータ硬さとは、JIS K6253(1997)に規定される硬さである。
従来の定着部材(定着ベルト)では、定着速度を低速化したとしても、エンボス紙を定着することが困難であった。これに対して鋭意検討した結果、定着ベルトの弾性層を厚膜化することによって、エンボス紙を定着させることが可能となることが分かった。
しかし一方で、弾性層を厚膜化すると、記録材が定着ベルトと加圧ロールとによって形成される圧接部に突入する際に発生する突入キズが悪化し、更に、ベルトの反り返り部(表面層と反対側が伸ばされる箇所)において、表面層にシワが発生してしまう現象が発生した。
本発明者らは、前式(1)〜(3)の関係を満たすことにより、高速でエンボス紙へ画像が定着され、かつ、表面層にシワとキズが発生しない定着部材が提供されることを見出した。
しかし一方で、弾性層を厚膜化すると、記録材が定着ベルトと加圧ロールとによって形成される圧接部に突入する際に発生する突入キズが悪化し、更に、ベルトの反り返り部(表面層と反対側が伸ばされる箇所)において、表面層にシワが発生してしまう現象が発生した。
本発明者らは、前式(1)〜(3)の関係を満たすことにより、高速でエンボス紙へ画像が定着され、かつ、表面層にシワとキズが発生しない定着部材が提供されることを見出した。
本実施形態に係る定着部材は、基体上に少なくとも弾性層と表面層とをこの順で設けた構造を有しており、基体の材料としては、SUS、ニッケル、ポリイミド、ポリアミドイミド等が好ましい。
前記弾性層には、耐熱性に優れたシリコーンゴム、フッ素ゴム等を用いるのが好ましく、シリコーンゴムを用いることが特に好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、RTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴム、液状シリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。各種添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、補強剤(カーボンブラック等)、充填剤(炭酸カルシウム等)、軟化剤(パラフィン系等)、加工助剤(ステアリン酸等)、老化防止剤(アミン系等)、加硫剤(硫黄、金属酸化物、過酸化物等)、機能性充填剤(アルミナ等)等が挙げられる。
表面層としては、耐熱性、離型性の観点から、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリエチレン・テトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、フッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂を用いるのが好ましい。表面層の厚みとしては、加工性及び定着性の点で、10μm以上50μm以下が好ましく、20μm以上45μm以下がより好ましい。
また、本実施形態に係る定着部材は、基体と弾性層、弾性層と表面層の間に接着層等の他の層が形成されていてもよい。
次に、本実施形態に係る定着装置を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る定着装置の一例の概略構成を示す側断面図である。
図1に示す定着装置60は、加熱部材の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、本実施形態に係る定着部材の一例としての定着ベルト610、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール611、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612、外側から定着ベルト610を張架する張架ロール613、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール614、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との圧接部N内の下流側領域であって、定着ロール611の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64、圧接部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615により主要部が構成されている。
図1は、本実施形態に係る定着装置の一例の概略構成を示す側断面図である。
図1に示す定着装置60は、加熱部材の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、本実施形態に係る定着部材の一例としての定着ベルト610、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール611、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612、外側から定着ベルト610を張架する張架ロール613、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール614、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62との圧接部N内の下流側領域であって、定着ロール611の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64、圧接部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615により主要部が構成されている。
ここで、定着ベルト610は、定着ロール、及び張架ロール612、613に張架され、更に、張架ロール613が、定着ベルト610の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態となっている。張架ロール613が、定着ベルト610の表面層側を押圧することにより、駆動源を持たない張架ロール613が定着ベルト610に従動して駆動する。張架ロール613により、定着ベルト610の表面層側を押圧した場合、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態、つまり表面層側が縮む状態となる。
このときの該押圧された箇所の曲率半径Rは、定着部材表面シワ発生の抑制、及び、定着装置コンパクト化の点で、40mm以上80mm以下であることが好ましい。
定着ロール611は、外径65mm、長さ360mm、厚さ10mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。そして定着ロール611は、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて、300mm/sの表面速度で矢印C方向に回転する。
また、定着ロール611の内部には、加熱源として定格900Wのハロゲンヒータ616aが配設され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(後述の図2参照)が定着ロール611の表面温度を150℃に制御している。
また、定着ロール611の内部には、加熱源として定格900Wのハロゲンヒータ616aが配設され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(後述の図2参照)が定着ロール611の表面温度を150℃に制御している。
張架ロール612は、外径30mm、肉厚2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。そして、張架ロール612の内部には加熱源として定格1000Wのハロゲンヒータ616bが配設されており、温度センサ617bと制御部40(図2参照)とによって、張架ロール612の表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール612は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を加熱する機能をも併せ持っている。
また、張架ロール612の両端部には定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設され、定着ベルト610全体の張力を15kgfに設定している。その際に、定着ベルト610の張力を幅方向に亘って均一にするとともに、定着ベルト610の軸方向の変位をできる限り小さく抑えるため、張架ロール612は、外径が端部よりも中央部のほうを100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成されている。
張架ロール613は、外径25mm、肉厚2mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円筒状ロールである。また、張架ロール613の表面には厚さ20μmのPFAが被覆されて離型層が形成されている。この離型層は、定着ベルト610の外周面からの僅かなオフセットトナーや紙粉が張架ロール613に堆積するのを防止するために形成されるものである。また、張架ロール613も張架ロール612と同様に、外径が端部よりも中央部の方を100μmだけ大きくしたクラウン形状で形成されている。なお、張架ロール612と張架ロール613の双方をクラウン形状で形成する場合のみならず、張架ロール612または張架ロール613のいずれか一方のみをクラウン形状で形成してもよい。
張架ロール613の内部には、加熱源としての定格1000Wのハロゲンヒータ616cが配設されており、温度センサ617cと制御部40(図2参照)とによって表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を外表面から加熱する機能をも併せ持っている。したがって、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612および張架ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
姿勢矯正ロール614は、外径15mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。姿勢矯正ロール614の近傍には、定着ベルト610のエッジ位置を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。そして、姿勢矯正ロール614は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて定着ベルト610の軸方向における接触位置を変位させる軸変位機構が配設され、定着ベルト610の蛇行(ベルトウォーク)を制御するように構成されている。
剥離パッド64は、例えばSUSの金属や樹脂等の剛体で形成された断面が略円弧形状のブロック部材である。そして、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域の下流側近傍位置において、定着ロール611の軸方向全域に亘って固定配置されている。
次に、加圧ロール62は、直径45mm、長さ360mmのアルミニウムからなる円柱状ロール621を基体として、基体側から順に、デュロメータ硬さA/30のシリコーンゴムからなる厚さ10mmの弾性層622と、膜厚100μmのPFAチューブからなる離型層623とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に押圧されるように設置され、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印C方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印E方向に回転する。その進行速度は、定着ロール611の表面速度と同じ300mm/sである。
定着装置60による定着プロセスでは、トナー像を保持した用紙Pは、ロールニップ部N1において加熱および加圧されてトナーが溶融圧着される。その際に、ロールニップ部N1内において熱を受けた用紙Pやトナーからは、用紙P中の水分が気化して水蒸気を発生させたり、トナー中の空気が熱膨張しようとする。ところが、ロールニップ部N1では高いニップ圧が印加されているため、定着ベルト610と加圧ロール62との間に水蒸気や膨張した空気によるエアーギャップ(気泡)が生じることはない。
次に、定着装置60における定着動作について説明する。
画像形成装置の二次転写部20(図2参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55および定着入口ガイド56により、定着装置60の圧接部Nに向けて(図2参照:矢印F方向)搬送されてくる。そして、圧接部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロール圧接部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
画像形成装置の二次転写部20(図2参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55および定着入口ガイド56により、定着装置60の圧接部Nに向けて(図2参照:矢印F方向)搬送されてくる。そして、圧接部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロール圧接部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
このとき、本実施の形態の定着装置60では、圧接部Nに作用する熱は、主として定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ616aから定着ロール611を通じて供給される熱と、張架ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ616bから張架ロール612を通じて供給される熱と、張架ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ616cから張架ロール616を通じて供給される熱とによって加熱されるように構成されている。そのため、定着ロール611のみでは熱エネルギーが不充分である場合においても、張架ロール612および張架ロール613から適切かつ速やかに熱エネルギーを補給することができるので、圧接部Nにおいては、プロセススピードが300mm/sという高速であっても充分な熱量を確保することができる。
すなわち、本実施の形態の定着装置60では、直接的な加熱部材として機能する定着ベルト610は、極めて熱容量を小さく形成することができる。加えて、定着ベルト610は、熱供給部材である定着ロール611と、張架ロール612および張架ロール613とに広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト610が1回転する短かい期間に、定着ロール611や張架ロール612および張架ロール613から充分な熱量が供給されるので、定着ベルト610を必要な定着温度に短時間で復帰させることが可能となる。それにより、圧接部Nにおいては、定着装置60が高速化されても、所定の定着温度を常に維持することができる。
その結果、本実施の形態の定着装置60においては、連続通紙時においても定着温度を略一定に維持することが可能となる。また、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となる。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループの発生を抑制することができる。さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ616a、さらにはハロゲンヒータ616b、ハロゲンヒータ616cの出力調整により、所望の温度への切り替えを容易、かつ速やかに行われる。
そして、定着ベルト610から分離された用紙Pは、排紙ガイド65および排紙ロール66によって機外に排出されて、定着処理が完了する。
そして、定着ベルト610から分離された用紙Pは、排紙ガイド65および排紙ロール66によって機外に排出されて、定着処理が完了する。
以上説明したように、定着装置60は、加熱部材として定着ベルト610が定着ロール611を含む複数のロールで張架されて構成された定着ベルトモジュール61を用いているので、画像形成装置が高速化されても、定着装置60において所定の定着温度を常に維持することができる。さらには、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となる。そのため、高品質な定着画像を短時間で大量に提供される。
次に、本実施形態の画像形成装置を図を用いて説明する。
図2は本実施態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
図2は本実施態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
図2において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとしては、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34が配設されている。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性体層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107〜109Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が107〜1010Ω/□となるように形成され、硬さは例えばASKER C に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性体層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107〜109Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、図2に示す画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送路53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。図2に示す画像形成装置では、定着装置60として本実施形態に係る定着装置を用いる。
次に、図2に示す画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの現像器14によって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性と逆極性(プラス極性)の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送路53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性と同極性(マイナス極性)の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における搬送速度に合わせて、用紙Pを最適な搬送速度で定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴って搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴って搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以下に、本発明の実施形態について実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、厚さ80μm、外径168mmのポリイミドベルトを準備した。準備したポリイミドベルト上にデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムから成る厚さ250μmの弾性層を形成した。弾性層上に、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなる、膜厚30μmの表面層を形成して実施例1の定着部材を得た。
(実施例1)
基材として、厚さ80μm、外径168mmのポリイミドベルトを準備した。準備したポリイミドベルト上にデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムから成る厚さ250μmの弾性層を形成した。弾性層上に、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなる、膜厚30μmの表面層を形成して実施例1の定着部材を得た。
(実施例2)
実施例1において、デュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、デュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例2の定着部材を得た。
実施例1において、デュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、デュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例2の定着部材を得た。
(実施例3)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ400μmのデュロメータ硬さA/50のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例3の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ400μmのデュロメータ硬さA/50のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例3の定着部材を得た。
(実施例4)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ400μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例4の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ400μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例4の定着部材を得た。
(実施例5)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ550μmのデュロメータ硬さA/60のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例5の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ550μmのデュロメータ硬さA/60のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例5の定着部材を得た。
(実施例6)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ550μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例6の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ550μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例6の定着部材を得た。
(実施例7)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ200μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例7の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ200μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例7の定着部材を得た。
(実施例8)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ200μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例8の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ200μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例8の定着部材を得た。
(実施例9)
実施例1において、デュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、デュロメータ硬さA/30のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例9の定着部材を得た。
実施例1において、デュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、デュロメータ硬さA/30のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例9の定着部材を得た。
(実施例10)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ400μmのデュロメータ硬さA/42のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例10の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ400μmのデュロメータ硬さA/42のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例10の定着部材を得た。
(実施例11)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/のシリコーンゴムの代わりに、厚さ550μmのデュロメータ硬さA/52のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例11の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/のシリコーンゴムの代わりに、厚さ550μmのデュロメータ硬さA/52のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして実施例11の定着部材を得た。
(比較例1)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ600μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして比較例1の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ600μmのデュロメータ硬さA/70のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして比較例1の定着部材を得た。
(比較例2)
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ600μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして比較例2の定着部材を得た。
実施例1において、厚さ250μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムの代わりに、厚さ600μmのデュロメータ硬さA/35のシリコーンゴムを用いたこと以外、実施例1と同様にして比較例2の定着部材を得た。
(評価)
実施例および比較例で得たそれぞれの定着部材を図1に示す定着装置にセットし、更に、該定着装置を図2に示す画像形成装置に設置し、エンボス紙定着性と、表面層の突入キズ、表面層の反り返りシワの発生状況について以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。なお、実施例および比較例で得たそれぞれの定着部材は、図1に示す定着装置に、張架ロール613で押圧された箇所の曲率半径Rが50mmとなる条件で設置された。
実施例および比較例で得たそれぞれの定着部材を図1に示す定着装置にセットし、更に、該定着装置を図2に示す画像形成装置に設置し、エンボス紙定着性と、表面層の突入キズ、表面層の反り返りシワの発生状況について以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。なお、実施例および比較例で得たそれぞれの定着部材は、図1に示す定着装置に、張架ロール613で押圧された箇所の曲率半径Rが50mmとなる条件で設置された。
(エンボス紙定着性)
レザック66(富士ゼロックス社製)紙を用いて、下記の基準でエンボス紙定着性を評価した。
[評価基準]
○:エンボス紙への定着ができた。
△:エンボス紙への定着が一部できなかった。
×:エンボス紙への定着ができなかった(溝部未定着)。
レザック66(富士ゼロックス社製)紙を用いて、下記の基準でエンボス紙定着性を評価した。
[評価基準]
○:エンボス紙への定着ができた。
△:エンボス紙への定着が一部できなかった。
×:エンボス紙への定着ができなかった(溝部未定着)。
(表面層の突入キズ)
NColor209(富士ゼロックス社製)紙を用いて、下記の基準で表面層の突入キズを評価した。
[評価基準]
◎:通紙300,000枚までにキズ発生が視認されなかった。
○:通紙200,000枚以降から300,000枚の間にキズ発生が視認された。
△:通紙100,000枚以降から200,000枚の間にキズ発生が視認された。
×:通紙100,000枚以内にキズ発生が視認された。
NColor209(富士ゼロックス社製)紙を用いて、下記の基準で表面層の突入キズを評価した。
[評価基準]
◎:通紙300,000枚までにキズ発生が視認されなかった。
○:通紙200,000枚以降から300,000枚の間にキズ発生が視認された。
△:通紙100,000枚以降から200,000枚の間にキズ発生が視認された。
×:通紙100,000枚以内にキズ発生が視認された。
(表面層の反り返りシワの発生状況)
NColor209(富士ゼロックス社製)紙を用いて、下記の基準で表面層の反り返りシワの発生状況を評価した。
[評価基準]
◎:通紙300,000枚までにキズ発生が視認されなかった。
○:通紙100,000枚以降から300,000枚の間に反り返りシワの発生が視認された。
×:通紙100,000枚以内に反り返りシワの発生が視認された。
NColor209(富士ゼロックス社製)紙を用いて、下記の基準で表面層の反り返りシワの発生状況を評価した。
[評価基準]
◎:通紙300,000枚までにキズ発生が視認されなかった。
○:通紙100,000枚以降から300,000枚の間に反り返りシワの発生が視認された。
×:通紙100,000枚以内に反り返りシワの発生が視認された。
表1より、本実施形態に係る定着部材を用いることによって、エンボス紙定着が可能となり、かつ、表面層の突入キズと表面層の反り返りシワが発生せず、長期に亘って良好な定着画像が得られることが示された。
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、60,90…定着装置、61…定着ベルトモジュール、62…加圧ロール、64…剥離パッド
Claims (5)
- 基材上に、弾性層と表面層とをこの順で積層し、
前記弾性層の膜厚をt(μm)としたときに、
下記式(1)の関係を満たし、
定着ロール、及び複数の張架ロールに張架され、更に、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で、定着装置に用いられることを特徴とする定着部材。
t≦550μm …(1) - 下記式(2)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
250μm≦t …(2) - 弾性層のタイプAデュロメータによるデュロメータ硬さをA/Hとしたときに、下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着部材。
t≦12H―170 …(3) - 回転可能な定着ロールと、
前記定着ロール、及び複数の張架ロールに張架される定着部材と、
前記定着部材を前記定着ロールに押圧するように配置された加圧部材と、
を備え、
前記定着部材が、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の定着部材であり、前記複数の張架ロールの少なくとも1つが、定着部材の表面層側を押圧し、該押圧された箇所では、前記表面層とは反対側が伸ばされた状態で用いられることを特徴とする定着装置。 - 請求項4に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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US9891548B2 (en) | 2014-06-27 | 2018-02-13 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming method, toner, and image forming apparatus |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008330712A patent/JP2010152124A/ja active Pending
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