JP4269722B2 - 円筒体の浸漬塗布方法、及び定着ベルトの製造方法 - Google Patents

円筒体の浸漬塗布方法、及び定着ベルトの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒体の表面に浸漬塗布によって塗膜を形成する円筒体の浸漬塗布方法、及び、その浸漬塗布方法を用いてフッ素樹脂層を形成する定着ベルトの製造方法に関する。該定着ベルトは、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置の加熱定着装置に好ましく使用される。
【0002】
【従来の技術】
円筒体の表面に浸漬塗布方法によって塗膜を形成することは、従来から知られている。その場合、円筒体の内部に塗料が浸入すると、円筒体の内面に塗料が付着して、塗料が無駄になるばかりか、内面を汚してしまうため好ましくない。
【0003】
そこで、円筒体の上部(底部に対向する側)の開口面を密閉して、円筒体内部に空気を閉じ込めた状態で塗料中に浸漬し、円筒体の内部への塗料の浸入を防止することが行われている。そのようにして円筒体の上部の開口面を密閉するには、弾性膜の膨張により円筒体上部を密閉し保持する装置、あるいは、袋状弾性部材を押圧変形させて円筒体上部を密閉し保持する装置(例えば、特許文献参照)が、密閉操作と保持操作とを簡便に取り扱うことができて好ましい。
【0004】
一方、円筒体の内部に塗料を全く浸入させないために、円筒体の底部の開口面に蓋を取り付ける方法もある(例えば、特許文献参照)。蓋を円筒体の底部に取り付けるには、例えば、蓋の嵌合部の外径を円筒体の底部の内径よりわずかに大きくして、摩擦力で装着する方法がある。但し、それぞれの径には誤差というものがあるので、組み合わせ次第では入らない場合や、逆にゆるい場合があって、安定しないという短所がある。
【0005】
そのため、円筒体の底部に蓋を完全に密着させて取り付けるのは甚だ困難であった。弾性体で蓋を構成して、円筒体の底部に圧入する方法もあるが、一般的に弾性体は塗布時の溶剤に耐えられないものが多く、溶解するか、溶解に至らなくても、膨潤によって変形することが多いという問題がある。
【0006】
また、円筒体の底部に蓋を取り付けても完全に密閉されていない場合には、円筒体の上部を弾性膜の変形によりチャックした状態で、円筒体を塗料中に浸漬すると、円筒体内外の温度変化が原因で内部空気が膨張し、蓋のわずかな隙間から空気が漏れて気泡となり、塗膜に欠陥を発生させることがあった。温度変化の原因としては、浸漬前の円筒体の温度より、塗料の温度が高いとか、浸漬して引き上げる際に円筒体の温度が室温等によって上昇する、等が挙げられる。
【0007】
円筒体の上部を閉塞し、円筒体の底部に蓋を取り付けた後に、蓋を密着させるために、内部空気を吸い出す方法もあるが(例えば、特許文献参照)、機構が複雑になるばかりか、円筒体の内部に、塗料が逆にわずかずつ侵入するおそれがあった。
【0008】
一方、定着ベルトは、ポリイミド樹脂(以下、ポリイミドは適宜「PI」と略す)を代表とする耐熱樹脂ベルトの表面に、定着されるトナーの剥離性のため、非粘着性の層が設けられる。そして、該非粘着性の層としては、フッ素樹脂層が好ましく用いられる。
【0009】
耐熱樹脂ベルトとしてのPI樹脂層は、PI前駆体を円筒状芯体表面に塗布し、加熱して得られる。このPI樹脂層の表面にフッ素樹脂層を形成するには、フッ素樹脂が溶剤に不溶性であるため、フッ素樹脂の粉体を、界面活性剤を用いて水等の溶媒に分散した塗料を、PI樹脂層表面に塗布した後、溶媒を乾燥し、焼成して加熱溶融する方法が採られる。また、PI樹脂層表面にフッ素樹脂分散液を塗布する代わりに、PI前駆体表面に塗布し、加熱時に、PI樹脂の生成とフッ素樹脂の焼成を同時に行っても良い。その方が、PI樹脂層とフッ素樹脂層の密着性が向上することもあって、好ましい方法といえる。
【0010】
上記フッ素樹脂分散液の塗布方法としては、スプレー塗布法は表面の平滑性が劣るほか、高価なフッ素樹脂分散液の塗着効率が悪いために好ましくないので、PI樹脂またはその前駆体の皮膜が形成された円筒状芯体をフッ素樹脂分散液に浸漬し、次いで引き上げることにより塗布する浸漬塗布方法が採られる。この方法では、最終的にベルトを円筒状芯体から剥離し、円筒状芯体は再利用されるので、円筒状芯体の内外面を汚すのは好ましくない。特に、フッ素樹脂分散液は乾くと粉状になるので、異物欠陥を発生させやすく、塗布環境を悪化させる原因になる。
【0011】
そこで、フッ素樹脂分散液の浸漬塗布時には、円筒状芯体の底部に蓋を取り付け、フッ素樹脂分散液を浸入させないのが好ましい。ところが、フッ素樹脂分散液は、混入されている界面活性剤のために、液が泡立ちやすいという問題がある。そのため、フッ素樹脂分散液の浸漬塗布時には、気泡の発生に十分に注意する必要があり、蓋の隙間から空気が漏れることは絶対に避けねばならないことである。
【0012】
しかし、前述のように、円筒体の底部に蓋を取り付けるなどの方法により密閉する場合には、円筒体内部の空気の漏れなどにより泡の発生が起こりやすく、安定した定着ベルトの製造を行うことができなかった。
【0013】
【特許文献1】
実開平4−70163号公報
【特許文献2】
特開昭59−42067号公報
【特許文献3】
特開平11−156286号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、円筒体の底部を密閉すると共に、円筒体の上部を密閉して円筒体の表面に浸漬塗布をする際、底部の密閉性がある程度不十分であっても、密閉部の隙間から気泡を発生させることがない円筒体の浸漬塗布方法を提供することを目的とする。また、該円筒体の浸漬塗布方法を利用した定着ベルトの製造方法を提供することを目的する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明者は、下記本発明により前記課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は、
<1> 円筒体を、その軸方向が垂直となるように保持しながら塗料に浸漬し、垂直方向に引き上げることにより、該塗料を前記円筒体の表面に塗布をする円筒体の浸漬塗布方法であって、
前記円筒体の底部の開口面を密閉すると共に、円筒体の底部と対向する側の開口面を、円筒体保持部材に連結されている密閉部材により密閉し、かつ、円筒体の内部の空気圧を外部大気圧と同等に保って、円筒体が塗料中に浸漬されることを特徴とする円筒体の浸漬塗布方法である。
【0016】
<2> 前記密閉部材が弾性膜であり、該弾性膜の変形により前記円筒体の底部と対向する側の開口面を密閉することを特徴とする<1>に記載の円筒体の浸漬塗布方法である。
【0017】
<3> 前記密閉部材に空気の流通孔を設けることにより、円筒体の内部の空気圧を外部大気圧と同等に保つことを特徴とする<1>または<2>に記載の円筒体の浸漬塗布方法である。
【0018】
<4> 前記円筒体の底部の開口面が、円錐部と円柱部と嵌合部と、からなる蓋で密閉されることを特徴とする<1>に記載の円筒体の浸漬塗布方法である。
【0019】
<5> 前記蓋の円錐部と円柱部との境目が、なめらかな形状であることを特徴とする<4>に記載の円筒体の浸漬塗布方法である。
【0020】
<6> ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体からなる皮膜が表面に形成された円筒体が、その軸方向が垂直となるように保持され、該円筒体の底部の開口面を密閉すると共に、前記円筒体の底部と対向する側の開口面を、円筒体保持部材に連結されている密閉部材により密閉し、かつ、前記円筒体の内部の空気圧を外部大気圧と同等に保って、前記円筒体がフッ素樹脂塗料中に浸漬され、引き上げられることにより、前記皮膜の表面にフッ素樹脂塗料が塗布され、次いで、加熱焼成により表面にフッ素樹脂層が形成された前記皮膜が、前記円筒体から抜き取られることを特徴とする定着ベルトの製造方法である。
【0021】
<7> 前記円筒体の底部の開口面が、該開口面に蓋を取り付けることにより密閉され、該密閉が、ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体の皮膜端部と、前記蓋の側面とを被覆するように被覆処理することにより行われることを特徴とする<6>に記載の定着ベルトの製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の浸漬塗布方法および定着ベルトの製造方法を、図面を参照して詳細に説明する。
<円筒体の浸漬塗布方法>
第一の本発明である円筒体の浸漬塗布方法について、図1を用いて説明する。
図1は、円筒体の開口部の密閉状態の一例を示す断面図である。円筒体1は、底部(図面における下側)の開口面に蓋10が取り付けられ、上部(底部と対向する側)の開口面は、円筒体保持部材11に連結された弾性膜12(密閉部材)を膨張させてチャック(密閉)されている。
【0023】
弾性膜12を膨張させるためには、通気管13から加圧空気等の流体が注入される。弾性膜12が膨張すると、円筒体1の内面に密着するので、円筒体1の内部は密閉空間となるが、弾性膜12には流通孔12が設けられており、ここを通じて円筒体1の内部と外部とを通じさせるので、円筒体1の内部の空気圧が外部大気圧と同等に保たれ、内部の圧力が高くなることがないのである。
【0024】
円筒体1の上部開口面のチャック(密閉)方法としては、特に限定されないが、上記変形する弾性膜12を用いることが、開口面の密閉を確実に行うことができ、また、例えば前記のように弾性膜12の内部に流体を注入することで弾性体12を変形させる方法によれば、円筒体1の保持、開放を連続的に行うことができ、生産性の点からも好ましい。なお、前記密閉方法としては、袋状弾性部材を変形させる方法であってもよい。
【0025】
前記蓋10の材質としては、塗料によって侵されない樹脂や金属が用いられる。蓋10の構造としては、円筒体1への嵌合を確実にするため、例えば図8の断面図に示すように、円錐部26に加えて、円筒体1の内径よりわずかに小さい外径の嵌合部25が設けられる。また、下述のように、蓋10に粘着テープを貼り付けやすいよう、図9の断面図に示すように、円錐部26及び嵌合部25に加えて、円柱部27を設けることが好ましい。
【0026】
上記円柱部27の外径は、円筒体1の外径と同じであるのが好ましい。また、蓋10の下端部が円錐形の場合、図10の断面図に示すように、円錐部26と円柱部27との境目28は、なめらかな形状であることがに好ましい。該なめらかな形状とは、上記境目28に角がなく、例えば曲率を有する円弧状であるような形状をいう。
【0027】
なお、蓋10の図面における下端側は、図8における円錐部26のように、塗料中に浸漬した際に、円筒体1の底面に泡が取り込まれないよう、円錐形のほか、ドーム形など、突起形状にするのが好ましい。
【0028】
蓋10を円筒体1の底部に取り付け密閉する確実な方法は、両者を粘着テープで固定することである。図2に、円筒体の底部に蓋を固定する状態の概略図を示すが、円筒体1の底部に蓋10を嵌めた後、粘着テープからなる被覆部材15を、図2のように、円筒体1の底部側面と蓋10との外面(蓋に円柱部27を有する場合には円柱部)に貼り付け、被覆する(被覆処理)。この方法は、特に、円筒体1がその表面に皮膜18を有する場合、皮膜の18の端面に円筒体1との隙間があっても、その皮膜18の端面ごと被覆をすることができるため好ましい。
【0029】
円筒体1の底部と蓋10との固定の際、完全に密閉させることはできず、わずかな隙間が生じる。その場合であっても、本発明は前述の流通孔14を設けることによって、円筒体内部の空気圧が上昇することはなく、従って、円筒体1を塗料中に浸漬しても、蓋10の隙間から気泡を生じさせることがないのである。また、わずかな隙間の場合、隙間から空気が漏れることはあっても、粘度や表面張力により、液体が円筒体内部に浸入することはほとんどない。
【0030】
前記流通孔14は、円筒体内部と外部とを通じさせるものであれば、特に設けられる位置、大きさ、個数等は限定されないが、図1に示すように、円筒体の上部開口面側から密閉部材を貫通して設けられることが好ましく、前記円筒体保持部材11及び弾性膜12と一体になっていることが、それらを塗布装置として使用する場合の使いやすさの点からも好ましい。
【0031】
本発明の円筒体の浸漬塗布方法は、種々の用途に用いることができる。例えば、電子写真用の感光体の層形成や、電子写真用機器に用いられる転写ベルト、搬送ベルト、及び後述する定着ベルトなど各種回転体としての無端ベルトの製造等に好ましく用いることができる。
【0032】
本発明により電子写真感光体を製造する場合には、円筒体として導電性基体、塗料として感光層形成用塗料を用いて、前記本発明の円筒体の製造方法に準じて行うことができる。本発明は、電子写真感光体におけるいずれの層形成にも適用可能である。
【0033】
前記円筒体としての導電性基体の材質は、金属(例えばアルミニウム、ステンレス鋼等)、導電性を付与したプラスチック等、従来公知のものが挙げられる。
【0034】
感光層形成用塗料としては、例えば電荷輸送層形成用の場合、電荷輸送剤(例えばヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物、トリフェニルアミン化合物等)を、バインダー樹脂(ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル等)と混合して塗料化したものが挙げられる。また、下引き層形成用の塗料も適用可能である。
【0035】
前記無端ベルトの製造は、前記本発明の円筒体の浸漬塗布方法に準じて、円筒体として筒状の芯体、塗料として皮膜形成用塗料を用いて行うことができる。
【0036】
筒状の芯体の材質としては、金属(例えばアルミニウム、ステンレス鋼等)等が挙げられるが、金属表面をフッ素樹脂、シリコーン樹脂、或いはこれらの混合樹脂で表面を被覆したり、ニッケルやクロムでメッキしたり、離型剤を塗布したものも、皮膜形成後の皮膜の剥離を容易にする観点から有効である。
【0037】
皮膜形成用塗料としては、皮膜形成用樹脂(例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、フタル酸系ポリエステル、ポリウレタン等)を塗料化したものが挙げあげられる。これらの中も、強度や寸法安定性の面でポリイミドが特に好ましい。皮膜形成用塗料の固形分濃度は15〜50質量%程度であり、粘度は1〜100mPa・s程度が好ましい。塗布の条件としては、引き上げ速度は50〜1000mm/min程度であるのが好ましい。
なお、本発明に用いられる塗料としては、前記感光層形成用塗料も含め、例えば、界面活性剤を含む、あるいは高粘度等、泡が発生しやすく、またその泡が消え難いような塗料を使用する場合に好ましく用いられる。
【0038】
皮膜を形成するには、乾燥後、塗膜を芯体ごと所定温度で加熱し、樹脂を硬化させることが好ましい。塗膜の乾燥時に樹脂材料がどうしても下方に垂れる場合には、芯体を横にして回転しながら乾燥させる方法もある。その後、形成された皮膜を芯体から剥離することで、無端ベルトを得ることができる。無端ベルトには、更に必要に応じて端部のスリット加工、パンチング穴あけ加工、テープ巻き付け加工等が施される。
【0039】
得られる無端ベルトを転写ベルトや接触帯電フィルムのような帯電体として使用する場合には、樹脂材料の中に必要に応じて導電性物質を分散させる。導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
【0040】
<定着ベルトの製造方法>
第二の本発明は、定着ベルトの製造方法であるが、これは、PI樹脂製無端ベルトの表面に、フッ素樹脂層が形成されたものである。該PI樹脂製無端ベルトは、円筒状芯体の表面に、PI前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱反応させることにより製造される。
【0041】
定着ベルトは、ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体からなる皮膜が表面に形成された円筒状芯体を、フッ素樹脂粉体を含有する分散液(フッ素樹脂塗量)中に浸漬し、次いで、円筒状芯体を引き上げてフッ素樹脂塗膜を形成する工程(フッ素樹脂塗膜形成工程)、その後、焼成処理等を施してフッ素樹脂層とする工程(加熱焼成工程)を経て製造される。
以下、各工程について説明する。
【0042】
(ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体からなる皮膜の形成)
円筒状芯体の材質は、前述のように、アルミニウムや、ニッケル、ステンレス鋼等の金属が好ましい。芯体の表面は、クロムやニッケルでメッキしたり、フッ素樹脂やシリコーン樹脂で被覆してもよい。
【0043】
後述するポリイミド樹脂皮膜等を形成してこれを乾燥する際に、残留している溶剤、あるいは加熱反応時に樹脂から生成する水が除去しきれないことがある。この場合、ポリイミド樹脂皮膜に膨れが生じることがあり、特にポリイミド樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合に顕著である。その場合、円筒状芯体表面の粗面化が有効である。
【0044】
粗面化の粗さは、算術粗さRaで0.2〜2μmの範囲程度が好ましい。粗面化方法には、ブラスト、切削、サンドペーパーがけ等の方法があるが、PI樹脂ベルト内面を摺動性のよい球形面状で凸形状とするために、円筒状芯体の表面は、球状の粒子を用いてブラスト処理を施すことが好ましい。
【0045】
上記粗面化により、ポリイミド樹脂皮膜から生じる残留溶剤または水の蒸気は、円筒状芯体とポリイミド樹脂皮膜との間にできるわずかな隙間を通って外部に出ることができ、膨れが生じなくなる。
【0046】
円筒状芯体の表面には、PI樹脂が接着しないよう、離型性を付与するのが好ましい。離型性を付与するためには、円筒状芯体表面をクロムやニッケルでメッキしたり、フッ素系樹脂やシリコーン樹脂で表面を被覆したり、あるいは表面にポリイミド樹脂が接着しないよう、表面に離型剤を塗布することが有効である。
【0047】
ポリイミド前駆体皮膜は、円筒状芯体にポリイミド前駆体を塗布するポリイミド前駆体塗布工程と、その後乾燥してポリイミド前駆体皮膜を形成するポリイミド前駆体乾燥工程とから形成される。
【0048】
−ポリイミド前駆体塗布工程−
PI前駆体塗布工程では、まず、PI前駆体が非プロトン系極性溶剤に溶解したPI前駆体溶液を調製する。
PI前駆体としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、適宜「BPDA」と略す)とp−フェニレンジアミン(以下、適宜「PDA」と略す)とからなるポリイミド前駆体を用いたもの、BPDAと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとからなるポリイミド前駆体を用いたもの、ピロメリット酸二無水物(PMDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとからなるポリイミド前駆体を用いたもの、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルメタンとからなるポリイミド前駆体を用いたもの、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノベンゾフェノンとからなるポリイミド前駆体を用いたものなど、種々の組み合せからなるものを用いることができる。また、PI前駆体は、2種以上を混合して用いてもよいし、酸またはアミンのモノマーを混合して共重合されたものを用いてもよい。
【0049】
上記のポリイミド前駆体は、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン系極性溶剤に溶解することで、ポリイミド前駆体溶液として調製される。なお、この調製の際におけるポリイミド前駆体の混合比、濃度、粘度等の選択は、適宜調整して行われる。
【0050】
ポリイミド前駆体塗布工程において、塗布方法の一つとして、PI前体溶液をノズルから芯体表面に流下させつつ、へらでPI前駆体溶液を平坦化し、ノズルとへらを円筒状芯体の一端から他の一端へ水平方向に移動させることにより、芯体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法がある(螺旋塗布法)。
【0051】
他の塗布方法としては、円筒状芯体をPI前駆体溶液に浸漬して上昇させる(引き上げる)浸漬塗布法がある。但し、PI前駆体溶液が高粘度のために、膜厚が厚くなりすぎる場合には、円筒状芯体の外径よりも大きな孔を設けた環状体により、PI前駆体溶液の膜厚を制御する浸漬塗布方法が適用できる。
【0052】
なお、「円筒状芯体表面に塗布する」とは、円柱も含まれる円筒状芯体の側面の表面、及び該表面に層を有する場合は、その層の表面に塗布することをいう。また、「円筒状芯体を上昇」とは、塗布時の液面との相対関係であり、「円筒状芯体を停止し、塗布液面を下降」させる場合を含む。
【0053】
この方法について、図3を参照して説明する。
図3は、環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。ただし、図3においては塗布主要部のみを示し、他の装置は省略している。
【0054】
図3に示すように、この浸漬塗布法は、塗布槽3に満たされたPI前駆体溶液2に、円筒状芯体1の外径よりも大きな孔6を設けた環状体5を浮かべ、円筒状芯体1を図面における上側から前記孔6を通してPI前駆体溶液2に浸漬し、次いで、円筒状芯体1を引き上げる塗布法である。
【0055】
環状体5は、PI前駆体溶液液面に浮くように構成されており、その材質としては、PI前駆体溶液2によって侵されないものであればよく、例えば、種々の金属やプラスチック等から選ばれる。また、浮上しやすいように、例えば、中空構造であってもよいし、沈没防止のために、環状体の外周面または塗布槽3に、環状体5を支える足や腕を設けても良い。
【0056】
環状体5は、PI前駆体溶液2の液面を自由に動くことができる必要がある。そこで、PI前駆体溶液2の液面でわずかの力で動くことができよう、上記環状体5を溶液面に浮遊させる方法のほか、環状体5をロールやベアリングで支える方法、環状体5をエア圧で支える方法、などの方法で自由移動可能に設置されることが好ましい。
【0057】
また、環状体5が塗布槽3の中央部に位置するように、環状体5を一時的に固定する固定手段を設けてもよい。このような固定手段としては、環状体5に足を設ける手段、塗布槽3と環状体5とを固定する手段などがある。但し、これらの固定手段を用いた場合、円筒状芯体1を浸漬した後、引き上げる際には、環状体5が自由に動き得るように、上記固定手段は取り外し可能なように配置される。
【0058】
円筒状芯体1の外径と、孔6の径との間隙は、所望の塗布膜厚を鑑みて調整する。所望の塗布膜厚(乾燥膜厚)は、濡れ膜厚とPI前駆体溶液2の不揮発分濃度との積になる。これから、所望の濡れ膜厚が求められる。また、円筒状芯体1の外径と、孔6の径との間隙は、所望の濡れ膜厚の1倍〜2倍の範囲であるのが好ましい。1倍〜2倍の範囲とするのは、PI前駆体溶液2の粘度及び/または表面張力などにより、間隙が濡れ膜厚になるとは限らないからである。このように、所望の乾燥膜厚及び所望の濡れ膜厚から、所望の孔6の径が定められる。
【0059】
浸漬塗布を行う際、円筒状芯体1を、孔6を通してPI前駆体溶液2に浸漬する。その際、円筒状芯体1が環状体5に接触しないようにする。次いで、孔6を通して円筒状芯体1を引き上げる。この際、円筒状芯体1と孔6との間隙により塗膜4の厚さが決定される。引き上げ速度は、0.1〜1.5m/min程度の範囲が好ましい。この塗布方法に好ましいPI前駆体溶液の固形分濃度は、10〜40質量%の範囲、粘度は1〜100Pa・sの範囲である。
【0060】
円筒状芯体1を、孔6を通して引き上げる際、ポリイミド前駆体溶液2の介在により、円筒状芯体1と環状体5との間に摩擦抵抗が生じ、環状体5には上昇力が作用し環状体5は少し持ち上げられる。この時、環状体5は自由移動可能状態であり、更に、環状体の孔6が円形であり、かつ、円筒状芯体1の外周も円形であるため、円筒状芯体1と環状体5との摩擦抵抗が周方向で一定になるように、環状体5は動くことができる。即ち、円筒状芯体1を引き上げる際、ある位置で、環状体5と円筒状芯体1との間隙が狭まろうとした場合、狭まろうとした部分では摩擦抵抗が大きくなる一方、その反対側では摩擦抵抗が小さくなり、一時的に摩擦抵抗が不均一な状態が生じる。しかしながら、環状体5が自由に動くこと、円筒状芯体1の外周が円形であること、及び、環状体の孔6が円形であることから、そのような摩擦抵抗が不均一な状態から均一な状態になるように、環状体5が動く。従って、環状体5が円筒状芯体1と接触するようなことはない。
【0061】
また、摩擦抵抗が均一となる位置は、円筒状芯体1の外周の円形と、環状体5の孔6の円形とがほぼ同心円となる位置である。よって、円筒状芯体1断面の円の中心が、軸方向において許容範囲内でずれている場合であっても、環状体5はそれに追随するように動く。従って、円筒状芯体1の表面には、一定の濡れ膜厚を有するポリイミド前駆体塗膜4を形成することができる。
【0062】
このような、環状体5により膜厚を制御する浸漬塗布法を適用することで、高粘度のポリイミド前駆体溶液2を用いることによる、円筒状芯体1の上端部での塗膜のタレは少なくなり、簡易に膜厚を均一にすることができる。
【0063】
なお、PI前駆体塗布工程おいて、上記の浸漬塗布法を用いるほかにも、図3に示す環状塗布法も適用できる。ここで、図4は、環状塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。
【0064】
図4において、図3との違いは、環状塗布槽7の底部に、円筒状芯体の外径より若干小さい穴を有する環状シール材8が設けられていることである。この環状シール材8は、ポリエチレンやシリコーンゴム等の柔軟性板材から成る。環状塗布槽7の底部には環状シール材8が取り付けられ、円筒状芯体1を環状シール材8の中心に挿通させ、環状塗布槽7にPI前駆体溶液2を収容する。これにより、PI前駆体溶液2が漏れないようになっている。円筒状芯体1は、図面における環状塗布槽7の下部から上部に順次つき上げられ、環状シール材8を挿通させることにより、表面に塗膜4の形成が行われる。円筒状芯体1の上下には、円筒状芯体1に嵌合可能な中間体9、9’が取り付けられることもある。環状体5の機能は、前述と同様である。
このような環状塗布法では、環状塗布槽7は図3の浸漬塗布槽3よりも小さくできるので、溶液の必要量が少なくて済む利点がある。
【0065】
−ポリイミド前駆体乾燥工程−
円筒状芯体表面にポリイミド前駆体溶液を塗布後、乾燥をすると、ポリイミド前駆体からなる皮膜が形成される。乾燥温度は50〜200℃の範囲、乾燥時間は30〜200分間の範囲とするのが好ましい。乾燥時の温度により、乾燥前の塗膜は粘度が低下し、重力の影響を受けて、垂れが生じやすいが、その場合には、円筒状芯体の軸方向を水平にして、10〜60rpmの範囲程度で回転させるのがよい。
【0066】
PI前駆体の塗布時、円筒状芯体の端部に皮膜がない不塗布部を設けた場合はもちろんであるが、円筒状芯体の全面にわたって塗布した場合でも、乾燥によりPI前駆体皮膜が収縮するので、円筒状芯体の端部に露出部が生じることとなる。
【0067】
こうして得られたPI前駆体からなる皮膜が形成された円筒状芯体を、次のフッ素樹脂塗膜形成工程に付してもよいが、この段階でPI前駆体からなる皮膜を加熱反応させ、PI樹脂皮膜とし、その後フッ素樹脂塗膜形成工程に付してもよい。
【0068】
本発明においては、好ましくは300〜450℃の範囲、より好ましくは350℃前後で、20〜60分間、PI前駆体からなる皮膜を加熱反応させることで、PI樹脂皮膜を形成することができる。
【0069】
(フッ素樹脂塗膜形成工程)
この工程では、PI樹脂皮膜またはPI前駆体皮膜のいずれかが形成された円筒状芯体を、その軸方向を垂直にした際に、下端側となる部分(底部)に蓋を嵌め、蓋と共にPI前駆体皮膜の端部、および円筒状芯体表面の露出部に被覆処理を施した後、円筒状芯体をフッ素樹脂分散液(フッ素樹脂塗料)に浸漬して塗布する。
【0070】
被覆処理には、図2に示すように、PI前駆体皮膜18の端部と円筒状芯体表面露出部とを覆うように、蓋10に粘着テープ15を貼り付ける方法;粘着テープの代わりに幅広のゴムバンドを拡張して被せる方法;芯体の下端をすっぽり覆うキャップ(例えばゴム栓)を取り付ける方法;等を適用することができる。
【0071】
図5に、フッ素樹脂分散液の浸漬塗布状態の一例を概略断面で示す。図5に示すように、前記被覆処理を行った円筒状芯体1を図1に示した円筒体保持部材11に取り付け、塗布槽17内のフッ素樹脂分散液16(フッ素樹脂塗料)に浸漬し、引き上げることにより、フッ素樹脂分散液16の塗膜19が形成される。
【0072】
フッ素樹脂分散液16は、塗布槽17に溜め置きするほか、図6に示すような、塗布槽17の外側に、円筒状芯体1の体積以上の容量を有する外部槽21を設けた塗布装置を用い、ポンプ22により、図面における塗布槽17の下部からフッ素樹脂分散液を供給し、上部から溢流させて、循環させてもよい。ポンプ22としては、フッ素樹脂分散液に機械的応力が加わりにくい方式のものが好ましく、具体的には、ローラーチューブポンプ、サインポンプ、モーノポンプ、ギヤポンプ等が挙げられる。
【0073】
このようにして循環をさせると、フッ素樹脂分散液16の沈降や凝集を防止でき、液の表面を常に新鮮な状態に確保することができるため好ましい。外部槽21との間で循環させることは、外部に別の塗料タンクを設けて循環するよりも、使用する高価なフッ素樹脂分散液16の総量を少なくできるほか、塗布槽17上部から溢流するフッ素樹脂分散液16が、外部塗料タンクに落流することによる泡立ちが起きにくいという利点もある。循環経路にはフィルター23や、粘度計、希釈液追加装置等を付加することも好ましい。
【0074】
フッ素樹脂分散液16には、粒径が0.1〜20μmの範囲のフッ素樹脂粉体が分散されている。その材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が挙げられる。また、耐摩耗性や静電オフセットの向上、トナーの付着防止用オイルとの親和性等のために、カーボン粉体や、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機化合物粉体等、フッ素樹脂以外の材料を含んでもよい。
【0075】
フッ素樹脂分散液16の溶媒は、水のほか、エタノールやブタノール等のアルコールや、エチレングリコール等のグリコール、またそのエステル類を併用してもよい。
また、界面活性剤や粘度調整剤等も添加してもよい。前記カーボン粉体や、酸化チタン、硫酸バリウム等のフッ素樹脂以外の材料を含ませる場合には、上記フッ素樹脂分散液16の中にこれらを混ぜて分散すればよい。界面活性剤を添加したものは非常に泡立ちやすく、また一旦、泡が形成された場合は、泡が消えにくいので、本発明には好適に用いることができる。
【0076】
フッ素樹脂分散液16の固形分濃度は、塗布する膜厚にもよるが、10〜70質量%の範囲であることが好ましく、粘度は0.1〜1Pa・s程度の範囲であることが好ましい。溶媒の蒸発により、フッ素樹脂分散液16の濃度が変化した場合には、アルコール等を加えて調整すればよい。
【0077】
フッ素樹脂分散液16を塗布槽17に入れる前には、脱泡処理により、液中から泡を除去しておくのが好ましい。脱泡の方法には、時間をかけて静置する方法のほか、減圧や遠心分離、ろ過、超音波印加、等による方法がある。
【0078】
なお、水は20℃で窒素が約1.19体積%、酸素が約0.64体積%の溶解度を有しており、フッ素樹脂分散液中にはこれらの気体が溶存するが、溶存気体も減圧によって除いておくことが好ましい。
【0079】
フッ素樹脂分散液16を塗布する際、円筒状芯体1の引き上げ速度は、所望の膜厚にもよるが、50〜500mm/分程度の範囲であることが好ましい。
【0080】
なお、フッ素樹脂分散液16は、主溶媒が水であるために乾燥が比較的遅く、浸漬塗布方法で塗布すると、円筒状芯体1の引き上げ最中に、図7に示すように、塗膜19に不規則な垂れ24が発生したり、軸方向上下で膜厚のむらを生じることもある。これらの問題は、膜厚が25μm以上の場合に特に発生しやすい。そこで、塗布後の被膜の溶媒を速やかに乾燥させるために、塗膜19に風を吹き付ける方法もあるが、円筒状芯体1に温度変化を生じ、気泡の原因となることがあった。
【0081】
そこで、引き上げの際、フッ素樹脂分散液16の塗膜19に垂れ24が生じる場合、図5および図6に示すように、塗布層17の図面における上部に送風装置20を設けて、塗膜19に気流を当て、溶媒の乾燥を促進することが好ましい。塗膜19に当てる気流は、一方向からよりは、周方向で均一になるよう、周回または環状に当てるのが好ましい。そのような送風装置としては、特許第2844784号明細書や、特許第2629417号明細書に記載されているものが好ましい。
【0082】
前記気流の風速は、1〜10m/分程度の範囲が好ましい。これが弱いと乾燥促進の効果が小さく、強すぎると塗膜19に筋やむら等の欠陥を生じるおそれがある。また、塗膜19に当たった気流が塗布槽17に流れると、液面が揺れたり、液面で溶媒の乾燥が生じるので、気流が塗布槽17に流れないよう、図面における上向きに当てるのが好ましい。気流としては空気流を使用することができる。
【0083】
フッ素樹脂分散液16の塗膜19に気流を当てることにより、水を主体とする溶媒の乾燥が促進されるので、塗膜19は垂れ24を生じる間もなく、乾燥される。
【0084】
なお、前記のように、ポリイミド前駆体皮膜を形成し、加熱してポリイミド樹脂皮膜を形成した後に、当該フッ素樹脂層形成工程を設けてもよい。
【0085】
(加熱焼成工程)
フッ素樹脂分散液16の塗布後、室温から150℃の温度に5〜20分間置いて、溶媒を乾燥させる。乾燥を促進するために、熱風を吹き付けることも有効であるが、熱風が当たった部分と当たらなかった部分とで、筋目を生じたり、粗さ等がむらになることがある。これを防止するためには、塗膜に熱風が直に当たらないように、円筒状芯体1の軸方向を垂直に立てた状態で、その上方から熱風を下降させる方法を採ることが好ましい。
【0086】
または、円筒状芯体1の軸方向を垂直に立てた状態で、円筒状芯体1を回転させて、その横方向から熱風を吹き付けて、塗膜に熱風が直に当たっても、一様になるようにすることが好ましい。
上記いずれかの方法を採ることにより、筋目やむらを生じることなく、溶媒の乾燥が促進される。
【0087】
前記乾燥の前後において、先に形成した被覆処理を取り外す。その後、350〜450℃の温度範囲で20〜60分間加熱すると、ポリイミド前駆体は縮合反応しポリイミド樹脂皮膜となり、フッ素樹脂粉体は溶融焼成されてフッ素樹脂層となる。この時、ポリイミド前駆体皮膜中に溶剤が残留していると、皮膜に膨れを生じることがあるため、前記温度に達するまでに、完全に残留溶剤を除去することが好ましく、温度を段階的に上昇させたり、ゆっくりと上昇させることが好ましい。
【0088】
その後、常温に冷やすと、PI樹脂皮膜が形成され、円筒状芯体1から取り外すことでPI樹脂無端ベルトが製造される。更に必要に応じて、端部の長さを揃える切断加工、表面の粗さを調整する研磨加工、等が施され、定着ベルトが得られる。
【0089】
研磨加工は、乾式法および湿式法のいずれで行ってもよい。乾式法としては、サンドペーパや研磨フィルムを使用して研磨する方法がある。湿式法としては、上記と同じことを、水等の液体を介して行う方法がある。
【0090】
定着ベルトとしてのポリイミド樹脂皮膜層の厚さは、25〜200μmの範囲が好ましく、非粘着層の厚さは5〜50μmの範囲が好ましい。
【0091】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0092】
(実施例1)
フッ素樹脂塗料として、水のほかに、エタノール、t−ブタノールを含むPFA水性塗料(固形分濃度:60質量%、粘度:500mPa・s)を用意した。この中には固形分として、平均粒径約17μmのPFA粉体(大粒子)が55質量%、平均粒径約1μmのPFA粉体(小粒子)が40質量%、平均粒径約0.1μmのカーボン粉体が5質量%分散されている。この液を20hPaの減圧下で12時間放置して脱泡処理を行った。
【0093】
これを内径が90mm、高さが480mmの塗布槽に入れた。塗布槽の上部には、環状に風速5m/分の気流が上方45°に向けて吹き出される環状送風装置を取り付けた。
【0094】
被塗布体として、図1に示すような円筒体の両端部の開口面が密閉されたものを用意した。
円筒体1として、外径が68mm、内径が62mm、長さが400mmのアルミニウム製円筒を用いた。蓋10は、POM樹脂を加工して、図9の断面図形状(円筒体との嵌合部の外径E:61.9mm)のものを作製した。図9において、嵌合代(A)は6mm、円柱部分外径(B)は68mm、円柱部分長さ(C)は8mm、円錐部高さ(D)は10mmである。
【0095】
円筒体1の底部に、ポリエステル粘着テープ(日東電工社製)を貼り付けて固定した。円筒体保持部材11は、弾性膜12を膨張させてチャックするエアピッカーP045TCAX860(ブリヂストン社製の商品名)を連結して構成した。これに、図1のように、径が2mmの流通孔14を設けた。
【0096】
通気管13から加圧空気を注入して、弾性膜12を膨張させ、円筒体1の上部の開口面を密閉した。弾性膜12は、円筒体1の内面に密着し、その部分での空気の漏れはなかった。
【0097】
次いで、円筒体1を0.4m/分の速度で前記PFA水性塗料に浸漬し、次いで環状送風装置により気流を当てながら、0.2m/分の速度で引き上げ、PFAの塗膜を形成した。引き上げ終了後、粘着テープを除去し、蓋10を取り外した後、80℃の無風乾燥炉で10分間乾燥した。
【0098】
その後、加熱焼成工程として、150℃で20分間、220℃で20分間、及び380℃で30分間、加熱した。これにより、アルミニウム製円筒の表面に、均一で欠陥のない40μm厚のPFA被膜を形成することができた。
【0099】
(比較例1)
実施例1において、円筒体1に流通孔14を設けなかった以外は実施例1と同様にして、円筒体1に蓋を取り付けてPFA水性塗料に浸漬したところ、引き上げ過程において、粘着テープの一部の隙間から、非常に微小な泡が次々と浮き上がるのが観察された。形成された塗膜には、その泡が付着しており、欠陥となった。
【0100】
(比較例2)
実施例1において、円筒体1の底部に蓋を取り付けず、かつ、流通孔14を設けないで円筒体の上部を弾性膜12により密閉した以外は実施例1と同様にして、円筒体1を前記PFA水性塗料に浸漬した。これにより、円筒体1の内部に空間が形成された状態で塗布を行った。この場合、塗料の水圧により、円筒体1の下部から15mmまで塗料が内部に浸入しており、内側にも塗料が付着した。この塗料は乾燥すると、PFAの粉が生じたが、周囲をよごさずに、この内側に付着したPFAの粉をきれいに拭き取るのは困難であった。
【0101】
(実施例2)
PI前駆体溶液として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、p−フェニレンジアミンとが、N,N−ジメチルアセトアミド中で等モル反応した、固形分濃度18質量%、粘度約20Pa・sのPI前駆体溶液を用意した。
【0102】
外径が70mm、内径が62mm、長さが400mmの素管を350℃で10分間加熱し、自然冷却した後、表面を切削して外径を68mmにしたアルミニウム製円筒を用意した。その表面を、球形アルミナ粒子(不二製作所社製、粒径:105〜125μm)によるブラスト処理により、算術平均粗さRaで0.8μmに粗面化した後、シリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布して、300℃で1時間の焼き付け処理し、円筒状芯体とした。
【0103】
図4における塗布槽7として、内径が120mm、高さが50mmの環状槽を用意し、底面に66mmの円孔をあけた0.5mm厚のポリエチレン製環状シール8を取り付けた。環状体5としては、高さが25mm、外径が84mm、最小部6の内径が69.0mm、最大部の内径が75mmの、内面が図4に示すような傾斜面のステンレス鋼リングを用意した。環状体5の外側に3本のアームを取り付け、環状槽に載せた。円筒状芯体1の上下に中間体9を取り付けて、環状槽に図面における下側から通し、溶液2として前記PI前駆体溶液を入れた。
【0104】
次いで、円筒状芯体1を400mm/分の速度で上昇させた。その間、環状体5は約20mm持ち上げられたが、円筒状芯体1に接触することはなく、円筒状芯体1の表面には、濡れ膜厚が約0.5mmのPI前駆体塗膜4が形成された。
【0105】
塗布後、円筒状芯体1を10rpmで回転させながら、120℃の乾燥炉に入れた。60分後に取り出すと、約150μm厚のPI前駆体皮膜が形成され、残留溶剤は約40%(質量比)であった。この状態ではまだ、皮膜を円筒状芯体1から取り外すことはできなかった。
【0106】
次いで、円筒状芯体1の一端に、図10に示すような、円錐部26と円柱部27との境目がなだらかな形状である蓋10(円筒状芯体との嵌合部の径E’:61.9mm)を嵌め、図2に示すように、幅20mmの粘着テープ15を一周巻き付け、蓋10を固定した。
【0107】
なお、図10において、嵌合代(A’)は6mm、円柱部分外径(B’)は68mm、円柱部分長さ(C’)は8mm、円錐部分高さ(D’)は10mm、円錐部と円柱部との境目の形状は曲率半径8mm程度の曲面であった。
【0108】
一方、図6に示すように、内径が90mm、高さが480mmの塗布槽17の外側に、内径が150mm、高さが160mmの外部槽21を取り付けた。実施例1と同様に、あらかじめ脱泡処理したPFA水性塗料であるフッ素樹脂分散液16を塗布槽17に満たし、更に外部槽21の下部から30mmまで入れ、ポンプ22(商品名:サインポンプ、特殊機化工業社製)にて、2リットル/分の流量で循環した。このポンプは、液体にかかるせん断応力が小さい特徴を有する。連続的に多数本の塗布をする場合は、実施例1のように液を溜め置くより、樹脂粒子の沈降等がなく好ましい。
【0109】
なお、循環経路には、200メッシュのフィルター23を介し、凝集粉を除くようにした。塗布槽17の上部には、環状に風速5m/分の気流が上方45°に向けて吹き出される環状送風装置20を取り付けた。
【0110】
前記PI前駆体皮膜を形成した円筒状芯体1の上部開口面を、図1に示すように弾性膜12で密閉し、PI前駆体皮膜18の上部から5mm残して前記PFA水性塗料に、0.6mm/分の速度で浸漬した。その際の浸漬速度は、図10に示す蓋10を用いたことにより、実施例1の場合より速くしても、泡の巻き込みをなくすことができた。次いで気流を当てながら、0.2m/分の速度で円筒状芯体1を引き上げ、PFAの塗膜19を形成した。
【0111】
引き上げ終了後、粘着テープを除去し、蓋10を取り外した後、円筒状芯体1の軸方向を垂直にした状態で、120℃の熱風が上方から下降する乾燥炉に5分間入れて乾燥した。これにより、PFA被膜に筋目やむらを生じることなく、乾燥時間を短縮することができた。
【0112】
加熱焼成工程として、150℃で20分間、220℃で20分間、及び380℃で30分間、円筒状芯体1を加熱して、PI樹脂皮膜を形成すると共に、PFA塗膜(フッ素樹脂層)を焼成した。円筒状芯体1が室温に冷えた後、PI樹脂皮膜を円筒状芯体1から取り外し、厚さ75μmのPI樹脂皮膜表面に、厚さ40μmのPFA層を有するPI樹脂製無端ベルトを得た。PFA層に泡欠陥がないのは、実施例1と同様であった。
【0113】
その両端を切断して、長さを340mmとなるようにして、定着ベルトを製造することができた。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、気泡に起因する欠陥を生じない円筒体の浸漬塗布方法を提供するができる。また、この円筒体の浸漬塗布方法により、塗膜に泡を発生させることなく、フッ素樹脂層を形成することが可能な定着ベルトの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における円筒体の密閉状態を示す断面図である。
【図2】 本発明における被覆処理を示す説明図である。
【図3】 ポリイミド前駆体の塗布の一例を示す概略断面図である。
【図4】 ポリイミド前駆体の塗布の他の一例を示す概略断面図である。
【図5】 フッ素樹脂分散液(フッ素樹脂塗料)の浸漬塗布の一例を示す概略図である。
【図6】 フッ素樹脂分散液(フッ素樹脂塗料)の浸漬塗布の他の一例を示す概略図である。
【図7】 フッ素樹脂塗料の塗膜に生じる垂れを説明するための図である。
【図8】 蓋の構造の一例を示す断面図である。
【図9】 蓋の構造の他の一例を示す断面図である。
【図10】 蓋の構造の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 円筒体
2 ポリイミド前駆体溶液
3 塗布槽
4 ポリイミド前駆体塗膜
5 環状体
6 孔
7 環状塗布槽
8 環状シール材
9、9’ 中間体
10 蓋
11 円筒体保持部材
12 弾性膜
13 通気管
14 流通孔、
15 被覆部材
16 フッ素樹脂分散液(フッ素樹脂塗料)
17 浸漬塗布槽
18 ポリイミド前駆体皮膜
19 塗膜
20 送風装置
21 外部槽
22 ポンプ
23 フィルター
24 垂れ
25 嵌合部
26 円錐部
27 円柱部
28 円錐部と円柱部との境目

Claims (7)

  1. 円筒体を、その軸方向が垂直となるように保持しながら塗料に浸漬し、垂直方向に引き上げることにより、該塗料を前記円筒体の表面に塗布をする円筒体の浸漬塗布方法であって、
    前記円筒体の底部の開口面を密閉すると共に、円筒体の底部と対向する側の開口面を、円筒体保持部材に連結されている密閉部材により密閉し、かつ、円筒体の内部の空気圧を外部大気圧と同等に保って、円筒体が塗料中に浸漬されることを特徴とする円筒体の浸漬塗布方法。
  2. 前記密閉部材が弾性膜であり、該弾性膜の変形により前記円筒体の底部と対向する側の開口面を密閉することを特徴とする請求項1に記載の円筒体の浸漬塗布方法。
  3. 前記密閉部材に空気の流通孔を設けることにより、円筒体の内部の空気圧を外部大気圧と同等に保つことを特徴とする請求項1または2に記載の円筒体の浸漬塗布方法。
  4. 前記円筒体の底部の開口面が、円錐部と円柱部と嵌合部と、からなる蓋で密閉されることを特徴とする請求項1に記載の円筒体の浸漬塗布方法。
  5. 前記蓋の円錐部と円柱部との境目が、なめらかな形状であることを特徴とする請求項4に記載の円筒体の浸漬塗布方法。
  6. ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体からなる皮膜が表面に形成された円筒体が、その軸方向が垂直となるように保持され、該円筒体の底部の開口面を密閉すると共に、前記円筒体の底部と対向する側の開口面を、円筒体保持部材に連結されている密閉部材により密閉し、かつ、前記円筒体の内部の空気圧を外部大気圧と同等に保って、前記円筒体がフッ素樹脂塗料中に浸漬され、引き上げられることにより、前記皮膜の表面にフッ素樹脂塗料が塗布され、次いで、加熱焼成により表面にフッ素樹脂層が形成された前記皮膜が、前記円筒体から抜き取られることを特徴とする定着ベルトの製造方法。
  7. 前記円筒体の底部の開口面が、該開口面に蓋を取り付けることにより密閉され、該密閉が、ポリイミド樹脂またはポリイミド前駆体の皮膜端部と、前記蓋の側面とを被覆するように被覆処理することにより行われることを特徴とする請求項6に記載の定着ベルトの製造方法。
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