JP2006240099A - 熱硬化性樹脂製無端ベルト、及びその製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂製無端ベルト、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 熱硬化性樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時における膨れの発生を防止すると共に、円筒状芯体からの剥離を容易にすることが可能であり、安定した収率が得られる熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】 熱硬化性樹脂溶液を、円筒状芯体表面に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、該塗膜を乾燥し、加熱反応させて皮膜を形成する熱硬化性樹脂皮膜形成工程と、加熱反応後の皮膜を、円筒状芯体から剥離する熱硬化性樹脂皮膜剥離工程と、を有する熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法であって、前記円筒状芯体は、前記熱硬化性樹脂溶液が塗布される箇所における円筒状芯体の軸方向両端部に凹凸形状が設けられ、かつ、前記凹凸形状は、該凹凸形状が設けられた領域における円筒状芯体の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造となっており、更に、前記凹凸形状が設けられた円筒状芯体表面に離型剤層を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真装置に用いる熱硬化性樹脂製無端ベルト、及びその製造方法に関する。
電子写真プロセスを用いた画像形成装置において、感光体、帯電手段、転写手段、及び定着手段には、金属やプラスチック、またはゴム製の回転体が使用されているが、機器の小型化あるいは高性能化のために、これら回転体は変形可能なものが好ましい場合があり、それには肉厚が薄いプラスチック製のフィルムからなるベルトが用いられる。この場合、ベルトに継ぎ目(シーム)があると、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じるので、継ぎ目がない無端ベルトが好ましく用いられる。
上記無端ベルト用の材料としては、熱硬化性樹脂が用いられ、強度や寸法安定性、耐熱性等の面でポリイミド樹脂が特に好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂中で特に好ましいポリイミド樹脂製無端ベルトを作製する方法としては、例えば、円筒体の内面にポリイミド前駆体溶液を塗布し、回転しながら乾燥させる遠心成形法や、円筒体内面にポリイミド前駆体溶液を展開する内面塗布法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。但し、これらの円筒体の内面に成膜する方法では、ポリイミド前駆体の熱硬化の際に、硬化前の皮膜を円筒体から抜いて外型に載せ換える必要があり、工数がかかるという短所がある。
また、他のポリイミド樹脂製無端ベルトの製造方法としては、例えば、円筒状芯体の表面に、浸漬塗布法によってポリイミド前駆体溶液を塗布して乾燥し、加熱反応させた後、ポリイミド樹脂皮膜を円筒状芯体から剥離する方法もある(例えば、特許文献3参照)。この方法では、皮膜を外型に載せ換える工数が不要であるという利点がある。
更に、かかる製造方法のように、加熱反応させた後、ポリイミド樹脂皮膜を円筒状芯体から剥離する際には、ポリイミド樹脂の熱膨張率Aと、円筒状芯体の熱膨張率Bとの差(B−A)が大きいことが好ましい。すなわち、上述のように、ポリイミド樹脂皮膜を形成する際には、加熱反応時の収縮力のため、円筒状芯体から抜き取ることが容易ではない。そこで、加熱反応してポリイミド樹脂皮膜を形成させた後、冷却した際に、円筒状芯体がポリイミド樹脂皮膜よりも大きく収縮する現象を利用して剥離することが好ましい。
従って、円筒状芯体の熱膨張率は大きいほど好ましいが、円筒状芯体として使用可能な金属材料の熱膨張率は、アルミニウムが23×10-6/K、18−8SUSが18×10-6/K、銅が17×10-6/K、鉄が12×10-6/K、真鍮が18×10-6/K、ニッケルが15×10-6/K(いずれも常温での値)と、あまり大きい値ではない。
一方、ポリイミド樹脂(皮膜)の熱膨張率は小さいほど好ましい。各種ポリイミド樹脂の熱膨張率は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、適宜「BPDA」と称する)とp−フェニレンジアミン(以下、適宜「PDA」と称する)とからなるポリイミド前駆体を用いたもの(以下、適宜「S型」と称する)で12×10-6/K、BPDAと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミド前駆体を用いたもの(以下、適宜「A型」と称する)で21×10-6/K、ピロメリット酸二無水物(以下、適宜「PMDA」と称する)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなるポリイミド前駆体を用いたもの(以下、「K型」と称する)で20×10-6/K、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルメタンからなるポリイミド前駆体を用いたもので50×10-6/K、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノベンゾフェノンからなるポリイミド前駆体を用いたもので24×10-6/K、等であり、前記円筒状芯体材料の熱膨張率を鑑みると、最も大きなアルミニウムと比較しても、これより大幅に小さいものは、前記S型1種類しかない。
但し、金属製の円筒状芯体表面にポリイミド前駆体の塗布液を直接塗布する場合には、後述するポリイミド樹脂皮膜形成工程において、形成されたポリイミド樹脂皮膜が円筒状芯体表面に接着してしまう可能性が高いため、円筒状芯体の表面には、離型性が付与されていることが更に好ましい。この離型性を付与するためには、円筒状芯体表面をクロムやニッケルでメッキしたり、フッ素系樹脂やシリコーン樹脂で円筒状芯体表面を被覆したり、あるいは表面にポリイミド樹脂が接着しないよう、円筒状芯体の表面に離型剤を塗布することが有効である。
しかし、円筒状芯体の表面の全面に離型性を付与すると、その後、表面に塗布したポリイミド前駆体の塗布液が、離型剤の撥液作用によりはじかれ、円筒状芯体の軸方向の中央部から端部に塗布液の移動が起こり、離型剤の撥液作用の強さや塗膜の膜厚にもよるが、おおよそ、塗布両端部より5〜20mmに最も塗布液が集まり、この部分での膜厚の増加が発生する。
また、ポリイミド樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時にも、乾燥させたポリイミド前駆体が一時低粘化して、前記した塗布両端部での膜厚の増加が発生するという問題や、それに伴ない、両端部が円筒状芯体に密着してしまい、円筒状芯体とポリイミド樹脂皮膜との熱膨張率差による円筒状芯体との剥離が容易でなくなる場合があり、ポリイミド樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時は、塗膜中の残留溶剤とイミド化に伴い発生する水の蒸気を皮膜両端部から放出不良からなる、皮膜の膨れ、ベルトの外観不良、及び円筒状芯体への接着張り付きが発生して収率が上がらないといった問題が発生していた。
一方、ポリイミド前駆体塗布液の乾燥時やポリイミド樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時にはポリイミド樹脂皮膜は、円筒状芯体の軸方向や周方向(膜厚方向)の収縮が非常に大きいという性質を有しており、特に両端部が円筒状芯体に密着してしまい、円筒状芯体とポリイミド樹脂皮膜との熱膨張率差による円筒状芯体との剥離が容易でなくなるばかりでなく、ポリイミド樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時は、塗膜中の残留溶剤とイミド化に伴い発生する水の蒸気を皮膜両端部から放出する必要があり、これが不十分であると、蒸気圧による皮膜の限界を超え、皮膜が膨れてしまい、ベルトの外観不良や、円筒状芯体への接着張り付きが発生して収率が上がらないといった問題が発生した。
これらの問題は、ポリイミド樹脂以外の熱硬化性樹脂にも発生する。
特開昭57−74131号公報 特開昭62−19437号公報 特開昭61−273919号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、熱硬化性樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時における膨れの発生を防止すると共に、円筒状芯体からの剥離を容易にすることが可能であり、安定した収率が得られる熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法、及び該製造方法により製造された膨れのない熱硬化性樹脂製無端ベルトを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記の本発明が前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
<1> 熱硬化性樹脂溶液又はその前駆体溶液を、円筒状芯体表面に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、該塗膜を乾燥し、加熱反応させて熱硬化性樹脂皮膜を形成する熱硬化性樹脂皮膜形成工程と、加熱反応後の熱硬化性樹脂皮膜を、円筒状芯体から剥離する熱硬化性樹脂皮膜剥離工程と、を有する熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法であって、前記円筒状芯体は、前記熱硬化性樹脂溶液又はその前駆体溶液が塗布される箇所における円筒状芯体の軸方向両端部に凹凸形状が設けられ、かつ、前記凹凸形状は、該凹凸形状が設けられた領域における円筒状芯体の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造となっており、更に、前記凹凸形状が設けられた円筒状芯体表面に離型剤層を形成していることを特徴とする熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法である。
<2> 前記凹凸形状は、表面粗さRaで0.3μm以上3.5μm以下であることを特徴とする<1>に記載の熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法である。
<3> <1>又は<2>に記載の熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法により製造された熱硬化性樹脂製無端ベルトである。
である。
本発明は、熱硬化性樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時における膨れの発生を防止すると共に、円筒状芯体からの剥離を容易にすることが可能であり、安定した収率が得られる熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法、及び該製造方法により製造された膨れのない熱硬化性樹脂製無端ベルトを提供することができる。
本発明の熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法は、熱硬化性樹脂溶液又はその前駆体溶液を、円筒状芯体表面に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、該塗膜を乾燥し、加熱反応させて熱硬化性樹脂皮膜を形成する熱硬化性樹脂皮膜形成工程と、加熱反応後の熱硬化性樹脂皮膜を、円筒状芯体から剥離する熱硬化性樹脂皮膜剥離工程と、を有する熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法であって、前記円筒状芯体は、前記熱硬化性樹脂溶液又はその前駆体溶液が塗布される箇所における円筒状芯体の軸方向両端部に凹凸形状が設けられ、かつ、前記凹凸形状は、該凹凸形状が設けられた領域における円筒状芯体の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造となっており、更に、前記凹凸形状が設けられた円筒状芯体表面に離型剤層を形成していることを特徴とする。
前記熱硬化性樹脂としては、ポリアミドイミド、ポリイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド、フェノール、エポキシ、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ジアクリルフタレートが挙げられ、この中でもポリアミドイミド、ポリイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、強度や寸法安定性、耐熱性等の点でポリイミド樹脂が特に好ましい。
以下、熱硬化性樹脂が特に好ましいポリイミド樹脂である場合について、本発明を説明する。
本発明に用いる円筒状芯体の素材としては、例えば、アルミニウムや銅、ステンレス等の金属が好ましく用いることができる。
一方、本発明に用いる円筒状芯体は、その熱膨張率がポリイミド樹脂皮膜の熱膨張率と、7×10-6/K以上の差を有していることが好ましく、10×10-6/K以上の差を有していることがより好ましい。このことより本発明に用いる円筒状芯体の素材は、熱膨張率が大きい方が好ましく、この観点から、アルミニウムがより好ましい。
尚、円筒状芯体がアルミニウムの場合、350℃に加熱すると強度が低下して変形を起こしやすい。このようなアルミニウムの熱変形は、円筒状芯体の形状への冷間加工中に歪みが蓄積していると発生しやすい。そのような歪みを取り去るには、アルミニウムを焼鈍(焼きなまし)する方法がある。但し、焼鈍によっても熱変形が起こるので、所定形状への加工は、その後に施す必要がある。焼鈍とは、アルミニウム素材を350〜400℃に加熱し、空気中で自然に冷却する方法である。
本発明に用いる円筒状芯体は、図1に示すように、ポリイミド前駆体溶液が塗布される箇所における円筒状芯体1の軸方向両端部(以下、「本発明における軸方向両端部」という場合がある。)に、該凹凸形状が設けられた領域における円筒状芯体の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造である凹凸形状10が設けられ、かつ凹凸形状10が設けられた円筒状芯体1表面に離型剤層を形成している。これにより、円筒状芯体1表面にポリイミド前駆体溶液を塗布しても、離型剤の撥液作用によって、前記塗布液の円筒状芯体1の軸方向の中央部から端部への移動が起こりにくく、また、ポリイミド樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時においても、乾燥させたポリイミド前駆体溶液は、一時低粘化しても、離型剤の撥液作用による円筒状芯体1の軸方向の中央部から端部への移動が起こりにくい、この作用により、両端部の膜厚増加が抑制できるという効果がある。
更に、後述するポリイミド前駆体塗膜の乾燥時又はポリイミド樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時において、該ポリイミド前駆体塗膜又はポリイミド樹脂皮膜が、円筒状芯体1の軸方向や周方向(膜厚方向)の収縮が非常に大きいことによる円筒状芯体1への収縮密着力を軽減出来る。
尚、凹凸形状10は、後述するポリイミド前駆体溶液が塗布される箇所における円筒状芯体1の軸方向両端部に形成されていればよいが、図1に示すように更に該ポリイミド前駆体溶液が塗布される箇所における円筒状芯体1の軸方向両端部より外側にも形成され、円筒状芯体1の軸方向両端部まで凹凸形状10が形成されていてもよい。
また、凹凸形状10は、該凹凸形状が設けられた領域における円筒状芯体の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造となっているので、ポリイミド樹脂皮膜を形成する際の加熱反応時に、塗膜中の残留溶剤とイミド化に伴い発生する水の蒸気を皮膜両端部から放出し易くなることから、皮膜の膨れや、ベルトの外観不良や、円筒状芯体への張り付きの問題を解決できる。
更に、ポリイミド樹脂皮膜から生じる残留溶剤又は水の蒸気は、円筒状芯体1とポリイミド樹脂皮膜の間にできるわずかな隙間を通って外部に出易くする効果を高めている。
既述のように、本発明に用いる円筒状芯体1は、本発明における軸方向両端部に、凹凸形状10が設けられている。先ず本発明における軸方向両端部について説明する。
ポリイミド製無端ベルトの製造は、後述するように円筒状芯体1にポリイミド前駆体溶液を塗布してポリイミド前駆体塗膜を形成し、次に該ポリイミド前駆体塗膜を加熱反応させることによりポリイミド皮膜を形成し、更に該ポリイミド皮膜を円筒状芯体1から剥離し、最後に剥離したポリイミド皮膜の軸方向両端部を切断し、残ったポリイミド皮膜の軸方向中央部を最終製品である無端ベルトとして得るものである。本発明において、本発明における軸方向両端部は、ポリイミド前駆体溶液が塗布される領域の内、最終製品である無端ベルトとなる箇所以外の場所をいい、具体的には、ポリイミド前駆体溶液が塗布される領域の内、円筒状芯体1の軸方向の両端部から2%の領域をいう。この領域に凹凸形状10が形成されていないと、膨れの発生を防止し、円筒状芯体からの剥離を容易にし、安定した収率が得られるという本発明の効果が得られない。
また、本発明においては、凹凸形状10が形成される領域が、ポリイミド前駆体溶液が塗布される領域の内、円筒状芯体1の軸方向の両端部から2%以上の領域にまでわたることが好ましく、5%以上の領域にまでわたることがより好ましい。
一方、凹凸形状10が形成される領域が、ポリイミド前駆体溶液が塗布される領域の内、円筒状芯体1の軸方向の両端部から15%を超える領域にまでわたらないことが好ましい。凹凸形状10が形成される領域が、15%を超える領域にまでわたると、最終製品である無端ベルトとなる領域にまで、凹凸形状10が形成されてしまい、得られた無端ベルトを用いて画像を形成した場合に、画像が劣る場合がある。
次に凹凸形状10について説明する。
本発明において、凹凸形状10は、凹凸形状10が設けられた領域における円筒状芯体1の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造となっていることを特徴とする。ここで、凹凸形状10が設けられた領域における円筒状芯体の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造とは、凹部又は凸部が円筒状芯体1の軸方向側に隣接し、それが凹凸形状10が設けられた領域における円筒状芯体1の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部まで連なっている箇所を少なくとも有する構造のことをいい、例えば、凹部又は凸部が円筒状芯体1の周方向のみに連なっている構造を除くものである。
凹凸形状10が、凹部又は凸部が円筒状芯体1の周方向のみに連なっている構造であると、残留溶剤やイミド化に伴い発生する水の蒸気等が谷又は山にとどまってしまい、膨れの発生を防止し、円筒状芯体からの剥離を容易にし、安定した収率が得られるという本発明の効果が得られない。
また、凹凸形状10は、表面粗さRaで0.3μm以上3.5μm以下であることが好ましく、0.6μm以上2.0μm以下であることがより好ましく、1.0μm以上1.5μm以下であることが更に好ましい。前記表面粗さRaが0.3μm未満であると、ポリイミド前駆体塗膜或いはポリイミド皮膜の円筒状芯体1の軸方向の両端部の膜厚が増加してしまう場合がある。一方、3.5μmを超えると、ポリイミド皮膜を円筒状芯体1から容易に剥離出来ない場合がある。
なお、表面粗さRaとは、粗さの尺度の一つである算術平均粗さであり、公知の触針式表面粗さRa測定機(例えばサーフコム1400A、東京精密社製等)を使用して測定することができる。
本発明において、表面粗さRaは、東洋精機社製 サーフコム表面粗さ測定機を用いて、算出規格:JIS−82規格、粗さ測定モード:測定長2.5mm、カットオフ波長:0.25mm、カットオフ種別:2CR(位相非補償)、傾斜補正:最小二乗直線補正、測定速度:0.06mm/sの条件にて測定した。
凹凸形状10を設ける手段としては、円筒状芯体1の表面を乾式或いは湿式のブラスト処理する方法、エッジング処理する方法、サンドペーパー等で凹凸を形成する方法が挙げられ、この中でも乾式或いは湿式のブラスト処理する方法が好ましい。
本発明においては、以上のように凹凸形状10を設けた金属製の円筒状芯体1表面に、ポリイミド前駆体溶液を直接塗布した場合には、後述するポリイミド皮膜形成工程において、形成されたポリイミド樹脂皮膜が円筒状芯体表面に接着する可能性が高いため、円筒状芯体1の表面に離型剤層を形成する。円筒状芯体1の表面に離型剤層を形成する方法としては、離型剤を塗布し、溶剤を乾燥させて、そのまま、あるいは焼き付け処理をする方法が挙げられる。該離型剤としては、シリコーン系やフッ素系のオイルを変性して、耐熱性を持たせたものが有効である。また、シリコーン樹脂の超微粒子を水に分散させた水系離型剤も挙げられる。
−ポリイミド前駆体塗膜形成工程(熱硬化性樹脂塗膜形成工程)−
ポリイミド前駆体塗膜形成工程では、まず、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン系極性溶剤にポリイミド前駆体が溶解されたポリイミド前駆体溶液を調製する。
ポリイミド前駆体としては、前記において列記した種々の組み合せからなるものを用いることができる。また、ポリイミド前駆体は、2種以上を混合して用いてもよいし、酸又はアミンのモノマーを混合して共重合されてもよい。ポリイミド前駆体の混合比、濃度、粘度等は、適宜選択して行われる。
特に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、適宜「BPDA」と称する)とp−フェニレンジアミン(以下、適宜「PDA」と称する)とからなるポリイミド前駆体を用いたS型のポリイミド樹脂は、その皮膜の機械的強度がポリイミド樹脂の中では最も強いことが知られており、定着ベルトや転写ベルトとして使用した際には、変形しにくい利点があり好ましい。反面、転写ベルトのように、感光体の表面に直に接する部材においては、感光体表面を傷付けたり、磨耗させたりすることもあるので、機械的強度はある程度低い方が好ましい場合がある。このような場合、S型と、他の組成からなるポリイミド前駆体を混合して強度を調整することができる。
ここで、調製されたポリイミド前駆体溶液を用いて製造されるポリイミド樹脂(皮膜)の熱膨張率は、円筒状芯体よりも小さければよいが、具体的には、20×10-6/K以下であることが好ましい。
本発明においては、既述の凹凸形状10が設けられ、更にその後に離型剤層を形成する為、ポリイミド樹脂皮膜に膨れが発生することは無いが、特にポリイミド樹脂皮膜の膜厚が50μmを越えるような厚い場合においても、加熱反応時に皮膜中に存在する残留溶剤とイミド化反応に伴って発生する水の蒸気による膨れがより確実に発生しないように、円筒状芯体1の表面を製品の特性に影響を及ぼさない範囲で、例えばブラスト、切削等の方法で表面粗さRa=0.1μm〜0.3μm程度に粗面化した後、両端面を非連続凹凸形状化してもよい。
ポリイミド前駆体塗膜形成工程おいては、前記ポリイミド前駆体溶液を円筒状芯体1表面に塗布してポリイミド前駆体塗膜を形成するが、その塗布方法としては、円筒状芯体をポリイミド前駆体溶液に浸漬して引き上げる浸漬塗布法、円筒状芯体を回転させながらその表面にポリイミド前駆体溶液を吐出する流し塗り法、その際にブレードで皮膜をメタリングするブレード塗布法など、既存の公知の方法が採用できる。前記流し塗り法やブレード塗布法では塗布部を水平移動させるので皮膜はらせん状に形成されるが、ポリイミド前駆体溶液は乾燥が遅いために継ぎ目は自然に平滑化される。なお、「円筒状芯体表面に塗布する」とは、円柱も含まれる円筒状芯体の側面の表面、及び該表面に層を有する場合は、その層の表面に塗布することを意味する。
ポリイミド前駆体塗膜形成工程おいて、ポリイミド前駆体溶液の塗布を浸漬塗布法で行う場合、ポリイミド前駆体溶液は粘度が非常に高いので、膜厚が所望値より厚くなりすぎることがある。その際は、例えば、以下に示す環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法が適用できる。
環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法の一例を、図2〜4を用いて説明する。
図2は、環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。ただし、図は塗布主要部のみを示し、他の装置は省略する。
図2に示すように、この浸漬塗布法は、塗布槽3に満たされたポリイミド前駆体溶液2に、円筒状芯体1の外径よりも大きな孔6を設けた環状体5を浮かべ、該孔6を通して円筒状芯体1をポリイミド前駆体溶液2に浸漬し、次いで、引き上げて、円筒状芯体1の表面に塗膜4を塗布する方法である。
図3は、図2に示す環状体5の設置状態を説明するための要部拡大斜視図を示す。図3に示すように、ポリイミド前駆体溶液2液面に、円筒状芯体1の外径よりも一定の間隙だけ大きい径を有する孔6を設けた環状体5を浮かべてある。
環状体5は、ポリイミド前駆体溶液2液面に浮くもので、その材質は、ポリイミド前駆体溶液2によって侵されないものがよく、例えば、種々の金属、種々のプラスチック等が挙げられる。環状体5は中空構造でもよい。また、環状体5の沈没防止のために、環状体5の外周面または塗布槽3に、環状体5を支える足や腕を設けてもよい。
塗膜4の濡れ膜厚は、芯体1と孔6との間隙により定まるので、孔6の内径は、所望の膜厚から設定する。すなわち、乾燥後の膜厚は、濡れ膜厚と溶液の不揮発分濃度の積であり、これから所望の濡れ膜厚が求められる。
浸漬塗布を行う際、円筒状芯体1を、孔6を通してポリイミド前駆体溶液2に浸漬する。その際、円筒状芯体1が環状体5に接触しないようにする。次いで、孔6を通して円筒状芯体1を引き上げる。この際、円筒状芯体1と孔6との間隙により塗膜4が形成される。引き上げ速度としては100〜1500mm/min程度であるのが好ましい。この塗布方法に好ましいポリイミド前駆体溶液の固形分濃度は10〜40質量%、粘度は1〜250Pa・sである。
環状体5は、溶液2上でわずかの力で動くことができるよう、自由移動可能状態で設置するが、その方法としては、液上に浮遊させる方法のほか、環状体をロールやベアリングで支える方法、環状体をエア圧で支える方法等がある。
環状体5の孔6を通して芯体1を溶液から上昇させると、ポリイミド前駆体溶液2の介在により、芯体1と環状体5との間に摩擦抵抗が生じ、環状体5には上昇力が作用し、環状体5は少し持ち上げられる。このとき、環状体5は芯体1との摩擦抵抗が周方向で一定になるように移動し、間隙が一定になるので、塗布される膜厚は周方向で均一になる。すなわち、均一な膜厚の塗膜4が芯体1上に形成される。
更に、図2に示す装置には、円筒状芯体を保持する円筒状芯体保持手段、並びに、所望により、該保持手段を上下方向に移動する第1の移動手段及び/又はポリイミド前駆体溶液を入れる容器を上下方向に移動する第2の移動手段を有してもよい。
このような、環状体5を適用することで、高粘度のポリイミド前駆体溶液を用いても、円筒状芯体上端部での垂れは少なくなり、簡易に膜厚を均一にすることができる。
また、ポリイミド前駆体塗膜形成工程おいて、上述の浸漬塗布法を用いる他にも、図4の概略構成図に示すような環状塗布法も適用できる。
図4において、図2との違いは、環状塗布槽3Aの底部に、円筒状芯体1を通過させることの可能な環状シール材9が設けられていることである。環状塗布槽3Aの底部には環状シール材9が取り付けられ、円筒状芯体1を環状シール材9の中心に挿通させたところに、環状塗布槽3Aにポリイミド前駆体溶液2を収容する。これにより、ポリイミド前駆体溶液2が漏れないようになっている。円筒状芯体1は、環状塗布槽3Aの下部から上部に順次つき上げられ、環状シール材9を挿通させることにより、表面に塗膜4が行われる。環状体5の機能は、前述と同様である。
このような環状塗布法では、環状塗布槽3Aが浸漬塗布槽3よりも小さくできるので、溶液の必要量が少なくても済む利点がある。
円筒状芯体1にポリイミド前駆体塗膜4を形成する方法として、円筒状芯体1を回転させながら、円筒状芯体1表面にポリイミド前駆体塗液4を塗布するフローコート法が挙げられる。該フローコート法を図5を用いて説明する。
図5において、円筒状芯体1は回転保持され、ノズル22よりポリイミド前駆体塗液2が塗出され、ノズル22の移動と共に、円筒状芯体1表面にポリイミド前駆体塗膜4を形成させる。この場合、平滑化ブレード23を用いて、ポリイミド前駆体塗膜4を平滑化させてもよい。
−ポリイミド樹脂皮膜形成工程−
ポリイミド樹脂皮膜形成工程では、円筒状芯体1表面に形成され、乾燥したポリイミド前駆体塗膜4を、好ましくは300〜450℃、で、20〜60分間、加熱し反応させることで、ポリイミド樹脂皮膜を形成することができる。加熱反応の際、非プロトン系極性溶剤が残留しているとポリイミド樹脂皮膜に膨れが生じることがあるため、加熱の最終温度に達する前には、完全に残留溶剤を除去することが好ましく、具体的には、加熱前に、150〜200℃の温度で、30〜60分間加熱乾燥して残留溶剤を除去し、続けて、温度を段階的、又は一定速度で上昇させて、加熱してポリイミド樹脂皮膜を形成することが好ましい。
以上のようにして得られたポリイミド樹脂皮膜は、円筒状芯体1から剥離し、円筒状芯体1の軸方向両端部を切断することにより無端ベルトとなる。ポリイミド樹脂皮膜を円筒状芯体1から剥離する方法としては、単に円筒状芯体1を手で抜き取る方法以外に、手動或いは自動にて円筒状芯体1とポリイミド樹脂皮膜間にエアブローした後、円筒状芯体1を抜き取る方法や、ポリイミド樹脂皮膜に粘着テープを貼り付け、これをきっかけとして、ポリイミド樹脂皮膜を円筒状のまま抜き取る方法が挙げられる。
得られた無端ベルトを転写ベルトや接触帯電体として使用する場合には、樹脂材料の中に必要に応じて導電性物質を分散させる。導電性物質としては、例えば、カーボンブラック、カーボンブラックを造粒したカーボンビーズ、カーボンファイバー、グラファイト等の炭素系物質、銅、銀、アルミニウム等の金属又は合金、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、SnO2−In23複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー等が挙げられる。
また、無端ベルトを定着体として使用する場合には、表面に付着するトナーの剥離性の向上のため、ベルト表面に非粘着性の樹脂皮膜を形成することが有効である。該非粘着性の樹脂皮膜の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂が好ましい。また、非粘着性の樹脂皮膜には、耐久性や静電オフセットの向上のためにカーボン粉末が分散されていてもよい。
これらフッ素系樹脂皮膜を形成するには、その水分散液を無端ベルトの表面に塗布して焼き付け処理する方法が好ましい。また、フッ素系樹脂皮膜の密着性が不足する場合には、必要に応じて、ベルト表面にプライマー層をあらかじめ塗布形成する方法がある。プライマー層の材料としては、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、ポリイミド及びこれらの誘導体挙げられ、更にフッ素系樹脂から選ばれる少なくとも一つの化合物を含むことが好ましい。
このように、ベルト表面にプライマー層、及びフッ素系樹脂皮膜を形成するには、加熱硬化してポリイミド樹脂皮膜(ベルト)を円筒状芯体の表面に形成してから、これらを塗布してもよいが、ポリイミド前駆体溶液を塗布して水に接触させた後、溶剤を乾燥させてから、又は、溶剤を乾燥させないまま、プライマー層、及びフッ素系樹脂分散液を塗布し、その後に加熱してイミド転化完結反応とフッ素系樹脂皮膜の焼成処理を同時に行ってもよい。この場合、プライマー層がなくてもフッ素系樹脂皮膜の密着性が強固になることもある。
無端ベルトを定着体として使用する場合、その厚さとしては25〜500μmの範囲であることが好ましい。必要に応じて設けられるプライマー層の厚さは0.5〜10μmの
範囲が好ましい。また、フッ素系樹脂皮膜の厚さは4〜40μmの範囲が好ましい。
なお、プライマー層とフッ素系樹脂皮膜は、ある程度の柔軟性を有しており、膨張や収縮はポリイミド樹脂皮膜に追従することができるので、積層体としての熱膨張率または吸湿膨張率は、ポリイミド樹脂だけの値と同じと見なすことができる。
以上、熱硬化性樹脂がポリイミド樹脂である場合について説明したが、ポリイミド樹脂
以外の熱硬化性樹脂を用いた場合も同様の効果があげられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
−ポリイミド前駆体塗膜形成工程−
ポリイミド前駆体溶液2として、ユーピレックスS−301(宇部興産製、粘度は140Pa・s、固形分18%)を使用した。
このポリイミド前駆体溶液2を用い、図4に示す装置を用いた環状塗布法により、ポリイミド前駆体塗膜を形成した。
円筒状芯体1として、外径35mm、長さ600mmのアルミニウム製円筒体を用意した。この、円筒状芯体は先に、熱処理を施した後、歪みを除去し、更に表面を切削加工し、表面粗さRa0.08μmとしてある。更に円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面を表面粗さRa:1.5μmに粗面化した後、その円筒状芯体1の表面にシリコーン系離型剤(商品名:KS700、信越化学(株)製)を塗布し、300℃で1時間焼き付け処理を施した。
焼き付け処理を施した円筒状芯体1を環状シール材9の中心に挿通させ、得られたポリイミド前駆体溶液2を図4に示す装置の環状塗布槽3Aに収容する。次いで、円筒状芯体1を上昇させ、孔6を通して円筒状芯体1を引き上げ、表面に塗膜4を形成した。このときの円筒状芯体1の引き上げ速度は800mm/minであった。
更に、塗膜4を120℃で乾燥し、350℃で30分間加熱反応させることにより、膜厚が80μmのポリイミド皮膜を得た。
得られたポリイミド皮膜を金型と皮膜の間にエアブローした後、手で円筒状芯体1から抜き取って剥離し、下記の基準で剥離性を評価た。その結果を表1に示す。更に剥離したポリイミド皮膜の軸方向両端15mmの領域を切り落とし、無端ベルトを得た。得られた無端ベルトについて、下記の基準で膨れを評価した。その結果を表1に示す。
(剥離性評価基準)
◎:抵抗なく剥離できた。
○:僅かな抵抗があったが、問題なく剥離できた。
△:やや抵抗があったが、許容範囲内であり、問題なく剥離できた。
×:円筒状芯体1に皮膜が密着していた。
(膨れ評価基準)
◎:膨れが全くない。
○:膨れが僅かに発生した。
△:膨れがやや発生したが、許容範囲内である。
×:膨れがかなり発生した。
(実施例2)
実施例1において、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面を表面粗さRaで0.3μmに粗面化した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド皮膜を作製し、実施例1と同様に剥離性を評価した。更に実施例1と同様にして、無端ベルトを作製し、膨れを評価した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面を表面粗さRa:3.5μmに粗面化した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド皮膜を作製し、実施例1と同様に剥離性を評価した。更に実施例1と同様にして、無端ベルトを作製し、膨れを評価した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面を表面粗さRa:1.0μmに粗面化した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド皮膜を作製し、実施例1と同様に剥離性を評価した。更に実施例1と同様にして、無端ベルトを作製し、膨れを評価した。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面を表面粗さRa:0.2μmに粗面化した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド皮膜を作製し、実施例1と同様に剥離性を評価した。更に実施例1と同様にして、無端ベルトを作製し、膨れを評価した。その結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1において、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲に、球形ガラス粒子によるブラスト処理により、表面を表面粗さRa:4.0μmに粗面化した以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド皮膜を作製し、実施例1と同様に剥離性を評価した。更に実施例1と同様にして、無端ベルトを作製し、膨れを評価した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲への、球形ガラス粒子によるブラスト処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド皮膜を作製し、実施例1と同様に剥離性を評価した。更に実施例1と同様にして、無端ベルトを作製し、膨れを評価した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲への球形ガラス粒子によるブラスト処理を行わず、円周方向に切削加工することにより、円筒状芯体1の両端部各50mmの範囲に、円筒状芯体1の周方向のみに連なっている構造の凹部からなる凹凸形状を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリイミド皮膜を作製し、実施例1と同様に剥離性を評価した。更に実施例1と同様にして、無端ベルトを作製し、膨れを評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2006240099
表1より、実施例1〜6は、製造過程における円筒状芯体1からの皮膜の剥離性が良好で、かつ得られた無端ベルトには膨れがないことがわかる。
凹凸形状が形成された円筒状芯体を示す概略図である。 環状体により膜厚を制御する浸漬塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。 図2に示す環状体の設置状態を説明するための要部拡大斜視図である。 環状塗布法に用いる装置の一例を示す概略構成図である。 フローコート法を説明するための模式図である。
符号の説明
1 円筒状芯体、
2 ポリイミド前駆体溶液、
3 塗布槽、
3A 環状塗布槽、
4 塗膜、
5 環状体、
6 環状体の孔、
9 環状シール材、
10 凹凸形状、
22 ノズル、
23 平滑化ブレード

Claims (3)

  1. 熱硬化性樹脂溶液又はその前駆体溶液を、円筒状芯体表面に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、該塗膜を乾燥し、加熱反応させて熱硬化性樹脂皮膜を形成する熱硬化性樹脂皮膜形成工程と、加熱反応後の熱硬化性樹脂皮膜を、円筒状芯体から剥離する熱硬化性樹脂皮膜剥離工程と、を有する熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法であって、
    前記円筒状芯体は、前記熱硬化性樹脂溶液又はその前駆体溶液が塗布される箇所における円筒状芯体の軸方向両端部に凹凸形状が設けられ、
    かつ、前記凹凸形状は、該凹凸形状が設けられた領域における円筒状芯体の軸方向の中央部側縁部から端部側縁部へ、気体の流通が可能な構造となっており、
    更に、前記凹凸形状が設けられた円筒状芯体表面に離型剤層を形成していることを特徴とする熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法。
  2. 前記凹凸形状は、表面粗さRaで0.3μm以上3.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂製無端ベルトの製造方法により製造された熱硬化性樹脂製無端ベルト。
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