JP2004126110A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2004126110A JP2002288542A JP2002288542A JP2004126110A JP 2004126110 A JP2004126110 A JP 2004126110A JP 2002288542 A JP2002288542 A JP 2002288542A JP 2002288542 A JP2002288542 A JP 2002288542A JP 2004126110 A JP2004126110 A JP 2004126110A
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夫馬 宏史
Hisayoshi Nagase
永瀬 久喜
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小野寺 正泰
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Abstract

【課題】定着性と熱効率に優れ、広範囲で連続した光沢度制御が可能な定着ベルト方式の定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙P上に形成された未定着トナー画像を、加熱された定着ベルトと加圧ローラとにより挟持して加熱定着する定着装置8を備えた画像形成装置であって、定着ベルト85の温度を検知して設定温度に制御する制御手段と、設定温度を変更する設定温度変更手段と、定着ベルト85の外側より圧接して定着ベルト85に補助ニップ領域Mを形成する外部加圧ローラ82と、定着ベルト85の内側から外部加圧ローラ82に向けて圧力を付与する内部加圧手段86と、補助ニップ領域Mのニップ量を切り換える切換手段と、を有する画像形成装置。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、転写材上に形成された未定着トナー画像を、定着ベルトを有する定着装置によって加熱定着して画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を有する複合機等の電子写真式画像形成装置に用いられている定着装置は、所定の温度に維持された定着ローラと、弾性層を有してその定着ローラに圧接する加圧ローラとによって、未定着のトナー画像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ定着方式が、低速機から高速機まで、モノクロ機からカラー機に至るまで、幅広く採用されている。
【0003】
従来の熱ローラ定着方式の定着装置では、転写材上のトナーを加熱する際に、熱容量の大きな定着ローラを加熱する必要があるため、省電力面で不利であり、また、プリント時に定着ローラを暖めるのに時間がかかり、プリントを開始するまでの時間(ウォーミングアップタイム)が長くなってしまうという問題がある。
【0004】
近年、定着装置に定着ベルトを用い、熱ローラを定着ベルトにより低熱容量化し、温度制御されたヒータを定着ベルトに直接加圧接触させることで熱伝導効率を大幅に向上させ、省電力とウォーミングアップタイムを殆ど必要としないクイックスタートを図ったベルト定着方式の定着装置や画像形成装置が提案され、最近用いられてきている。
【0005】
特許第3159125号明細書に記載された定着装置は、発熱手段が内蔵された加熱ローラ、複数のローラによって張架されると共に加熱ローラの周面の一部に対して巻き付くように配設された無端状の定着ベルトと、定着ベルトを介して加熱ローラに圧接する加圧ローラと、定着ベルトを介して定着ベルトの内面側から加熱ローラに圧接する補助加圧部材とから構成され、加熱ローラと定着ベルトとの間に挟み込まれた記録シートの搬送速度が、加圧ローラと補助加圧部材との間の位置における加熱ローラの表面速度とほぼ同一速度に制御されるものである。
【0006】
【特許文献1】
特許第3159125号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のベルト定着方式の定着装置における画像の光沢度制御手段として、定着ベルトの温度を変更する、補助加圧部材の加圧ローラへの圧接圧力を切り換えてニップ量を制御する、などの方法が採られてきた。しかし、これらの従来方法では、光沢度の制御範囲が狭い、制御範囲が不連続になる、などで不十分なものであった。
【0008】
本発明は、定着ベルト方式の定着装置を備えた画像形成装置により、ウォーミングアップタイムを短縮したクイックスタート化を達成し、且つ、定着ベルトの熱容量を大きくして、高い定着性能を得るとともに、広範囲にわたって且つ連続的な光沢度制御を可能にする定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の手段により達成される。
【0010】
(1) 転写材上に形成された未定着トナー画像を、加熱された定着ベルトと加圧部材とにより挟持して加熱定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、前記定着ベルトの温度を検知して設定温度に制御する制御手段と、前記設定温度を変更する設定温度変更手段と、前記定着ベルトの外側より圧接して前記定着ベルトに補助ニップ領域を形成する外部加圧手段と、前記定着ベルト内側から前記外部加圧手段に向けて圧力を付与する内部加圧手段と、前記補助ニップ領域のニップ量を切り換える切換手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【0011】
(2) 前記定着ベルトの設定温度変更手段と、前記補助ニップ領域のニップ量を可変に切り換える切換手段とは、前記画像形成装置に設けた画像光沢度入力手段により入力される光沢度指令によって可変に制御されることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る定着装置及び該定着装置を搭載した画像形成装置を図面によって説明する。
【0013】
[画像形成装置の一実施形態]
図1は、本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【0014】
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、縦列配置された複数組の画像形成部10Y,10M,10C,10Kと、複数のローラを巻回する回動可能な半導電性エンドレスベルト状の中間転写体7と、給紙搬送手段、及び定着装置8とから成る。
【0015】
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、像担持体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、一次転写手段5K、クリーニング手段6Kを有する。入力手段9は、画像形成装置の各種機能の設定、開始、及び表示を行う。
【0016】
画像形成部10Y,10M,10C,10Kより形成された各色の画像は、一次転写手段5Y,5M,5C,5Kにより、回動する中間転写体7上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(以下、用紙と称す)Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A,22B,22C,22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段5Aに搬送され、用紙P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置8により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0017】
両面画像形成時には、定着装置8から排出された第1面に画像形成された用紙Pは、分岐手段26により用紙排紙路から分岐され、下方の反転通紙路27A,27B,27Cを通過して、中間ローラ22Dにおいて合流する。反転搬送された用紙Pは、レジストローラ23を経て、二次転写手段5Aに搬送され、用紙Pの第2面上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着装置8により定着処理され、排紙ローラ24に挟持されて機外の排紙トレイ25上に載置される。
【0018】
一方、二次転写手段5Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを曲率分離した中間転写体7は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
【0019】
画像形成処理中、一次転写手段5Kは常時、像担持体1Kに圧接している。他の一次転写手段5Y,5M,5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する像担持体1Y,1M,1Cに圧接する。二次転写手段5Aは、ここを用紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、中間転写体7に圧接する。
【0020】
[定着装置の全体構成]
図2は、本発明の定着装置の一実施の形態を示す断面図である。
【0021】
ベルト定着方式の定着装置8は、圧接して回転する一対の加圧部材である支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ(外部加圧手段)82、回転可能な加熱ローラ84、ハロゲンランプ等の加熱源83、加熱ローラ84と支持加圧ローラ81の各外周面を巻回する加熱部材である定着ベルト85、定着ベルト85の内側に摺接するパッド86Aを外部加圧ローラ82に向けて圧力を付与する内部加圧手段86等から構成されている。
【0022】
支持加圧ローラ81、外部加圧ローラ82、定着ベルト85の駆動は、図示しない駆動手段により支持加圧ローラ81もしくは外部加圧ローラ82、或いはこれらの両ローラを駆動することによって行われる。
【0023】
定着ベルト85の内側に配置されて接離可能に移動する内部加圧手段86のパッド86Aを保持する保持部材86Bは、図示しない案内手段により移動可能に支持され、バネ86Cにより付勢され、更に、カム86Dにより移動可能である。なお、定着ベルト85の内側より圧接するパッド86Aの代わりに弾性ローラなどを配置する構成でも、同様に効果があることは言うまでもない。
【0024】
内部に加熱源83を備えた加熱ローラ84は、図示しない案内手段により移動可能に支持され、バネ87により付勢されて、定着ベルト85を張設する。バネ88は軸受部82Aを介して外部加圧ローラ82を付勢して、定着ベルト85を介して支持加圧ローラ81を押圧する。
【0025】
外部加圧ローラ82は、図示しない駆動手段により揺動され、図示の破線位置から実線位置に移動可能である。
【0026】
加熱ローラ84の外周面には温度検知素子TSが配置されている。温度検知素子TSは、加熱ローラ84の表面温度を検知する。温度検知素子TSの検出信号により、制御手段は、温度変更手段によって加熱ローラ84の表面温度を所定温度に制御する。
【0027】
定着ベルト85の下方には、ガイド板89が配置されている。図示しない搬送手段により定着装置8に搬送される用紙Pは、ガイド板89と、加熱源83により加熱された定着ベルト85との傾斜間隙を通過し、支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82とが圧接する定着ニップ領域Nに送り込まれる。
【0028】
用紙P上に形成されたトナー像tは、定着ニップ領域Nにおいて、定着ベルト85と外部加圧ローラ82により加熱、溶融されるとともに、支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82とにより圧接されて用紙Pに定着される。
【0029】
図3は支持加圧ローラ81、外部加圧ローラ82、定着ベルト85、内部加圧手段86の拡大断面図である。
【0030】
支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82とは、バネ88(図2参照)により付勢されて、定着ニップ領域Nを形成する(図2参照)。
【0031】
定着ニップ領域Nの用紙搬送方向上流側から搬送される用紙Pは、外部加圧ローラ82の外周面に巻き付くように、定着ベルト85の図示下方から進行し、定着ニップ領域Nの用紙搬送方向上流側に接触領域(以下、補助ニップ領域とも称す)Mを形成する。この補助ニップ領域Mでは、定着ベルト85と用紙Pとの間に微少な速度差が発生し、トナー像が用紙Pの上でずれるという不具合が発生する。
【0032】
図4は、定着ベルト85の線速度・温度と、画像ずれ発生の関係を示す特性図である。
【0033】
補助ニップ領域Mで内部加圧手段86による加圧を行わない場合、図4に示すように、定着ベルト85の温度を高くする必要がある。特に、定着ベルト85を高線速度で回動させる場合、定着ベルト85の温度を高くする必要がある。定着ベルト85の温度を高くすると、定着ベルト85の耐久性等に問題が生じると同時に、定着ベルト85の温度を低くできないため、温度を下げて低光沢度を得ることができなくなってしまう。
【0034】
しかしながら、補助ニップ領域Mにおいて、定着ベルト85の内側から30kPa〜150kPaの圧力で50ms程度の時間幅で加圧すると、図4の太い破線で示すように、トナー画像ずれ抑止加減温度が低下し、選択できる温度領域が大きく広がる。
【0035】
この定着ベルト85の内側からの加圧は、画像ずれ抑止の点からは高い方が望ましいが、加圧が高すぎると、定着ベルト85等の部材の耐久性に悪影響を与える。
【0036】
なお、この特性図は、外部加圧ローラ82を120℃〜140℃の範囲に設定し、単位面積当たりの質量100〜110g/mの厚さの用紙について求めたもので、対象とする用紙Pや、外部加圧ローラ82の設定温度や、使用するトナーにより上下に移動する事になる。
【0037】
補助ニップ領域Mにおいて、用紙Pは、外部加圧ローラ82と、加熱源83を有する加熱ローラ84により加熱された定着ベルト85に密接して、予備加熱される。用紙Pは、更に、支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82とが圧接する定着ニップ領域Nにおいて、定着ベルト85と、支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82との加圧によりトナー像が加熱定着される。
【0038】
定着ニップ領域Nのみで定着した場合に比べ、補助ニップ領域Mによって余熱が行われ、また、熱伝導によってトナーが加熱される時間が長くなるため、トナーはより高温になり、高い光沢度を得ることができる。
【0039】
以下に、定着装置8の定着ニップ領域Nを構成する部材の一実施例を示す。
支持加圧ローラ81及び外部加圧ローラ82のゴム層は、アルミニウム合金、鋼などから成る厚さ1〜10mmの金属製の芯金の外側に、厚さ約1〜3mm、直径約30〜60mmのシリコーンゴムにより形成される。
【0040】
定着ベルト85は、ニッケル電鋳などの金属基体、もしくはポリイミド(PI)などの耐熱樹脂基体等の上に、シリコーンゴム、あるいは耐熱性ゴムに高熱容量物質(金属・金属酸化物など)粒子を分散した耐熱性ゴムから成る中間層を形成し、さらにパーフルオロアルコキシ(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの離型層を外側層に設けた層構成をなす。ポリイミド(PI)などの耐熱樹脂基体を用いる場合には、この耐熱樹脂基体にも高熱容量物質を分散させてもよい。
【0041】
パッド86Aは、耐熱性、耐摩耗性に優れた弾性部材により形成され、例えば、シリコーンゴムから成り、定着ベルト85との摺接面にはPFA又はPTFEなどの摩擦係数の低い樹脂シートによって被覆されている。
【0042】
定着ベルト85は、支持加圧ローラ81もしくは外部加圧ローラ82によって駆動されており、ガイド板89等により定着領域に搬送されてきたトナー像tを保持した用紙Pと定着ベルト85を支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82とにより挟んで加圧する。支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82との間で形成される定着ニップ領域Nによる主加圧ニップに先立ち、支持加圧ローラ81に巻き掛けた定着ベルト85と外部加圧ローラ82の間に形成された補助ニップ領域Mにより用紙Pが挟まれて予熱される。定着ベルト85の持つ熱と、支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82とによる押圧力によって、トナー像tは用紙Pに定着される。
【0043】
トナー像tにはゴム、もしくはごく薄い離型性層を介してゴムが当接されるため、ゴムが弾性変形して用紙Pやトナー像tの凹凸に追従して、均一に接触し、光沢むらなどのない均一な定着が行われ、定着後のトナー像tは適度な光沢を持つ。また定着後には、用紙Pは安定して定着ベルト85から分離する。
【0044】
図5は、外部加圧ローラ82が図示しない駆動手段によって移動され、支持加圧ローラ81の直下の位置に停止した状態の定着装置の断面図である。
【0045】
外部加圧ローラ82を移動させる事により、補助ニップ領域Mを切り換える事ができる。図4に示す停止位置においては、支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82との各外周面が圧接する定着ニップ領域Nにおいてのみ定着ベルト85が挟持され、補助ニップ領域Mは形成されない。
【0046】
[光沢度]
光沢の強さは、通常、鏡面光沢度Gでパーセントで表示している。
【0047】
=(I/I)×100
ここで、Iは画像の正反射光量、Iは基準面の正反射光量である。
【0048】
光沢度Gは、日本工業規格JIS−Z8741の「鏡面光沢度−測定方法」で規定されている。紙に対する鏡面光沢度の測定方法は、光源からの入射角と受光器への出射角がそれぞれ75度に設定され、G(75°)と表示される。
【0049】
[光沢度の制御]
図2にしめすように、定着ベルト85は、支持加圧ローラ81もしくは外部加圧ローラ82によって駆動されている。ガイド板89により定着領域に搬送されてきたトナー像tを保持した用紙Pは、定着ベルト85と外部加圧ローラ82に挟まれて加圧、加熱されて、トナー像tは用紙Pに定着される。
【0050】
高光沢度を得たい場合には、支持加圧ローラ81と外部加圧ローラ82とで形成される定着ニップ領域Nに先立ち、外部加圧ローラ82に巻き掛けた定着ベルト85と外部加圧ローラ82とにより形成される補助ニップ領域Mに用紙Pが挟持され、更に、内部加圧手段86のパッド86Aによって加圧、予熱される。その後、定着ニップ領域Nにおいて、定着ベルト85が有する熱と、外部加圧ローラ82による圧力とによって、トナー像tは用紙Pに定着される。
【0051】
トナー像tには、離型性層を介してゴムが当接するから、ゴムが加圧力により弾性変形して、用紙Pやトナー像tの凹凸に追従して均一に接触し、光沢ムラのない均一な定着が行われ、また、定着後、用紙Pは安定して定着ベルト85から分離する。
【0052】
図6は、用紙種別の光沢度制御範囲を示す特性図である。図7は、定着装置制御のブロック図である。
【0053】
単独の画像形成指令が画像形成装置の入力手段9により入力された場合、その指令の光沢度指定に従って、補助ニップ領域Mや定着ベルト85の温度を選択して出力する。即ち、制御手段は、定着ベルト85の表面温度を温度検知素子TSによって検知して所定温度に制御する。また、制御手段は、設定された光沢度に対応する補助ニップ領域Mのニップ量を選択して、外部加圧ローラ82を図示しない切換手段及び駆動手段により移動させ、所定位置に停止させる。
【0054】
図6に示す▲1▼の領域は、線速度300mm/secのとき、補助ニップ領域Mを形成した状態(図2参照)で、定着ベルトの耐熱上限温度と、補助ニップ領域Mでの用紙Pと定着ベルト85との速度差に起因する画像ずれを発生しない下限温度での光沢度範囲を示したものである。
【0055】
用紙PAは普通紙、用紙PBはコート紙であるが、このような得られる光沢度は用紙の種類だけではなく、使用するトナーや適用する線速度などによって異なり、図6はその一例を示したものである。
【0056】
なお、上限温度と下限温度は、測定系のバラツキや温度制御の追従性を考慮して、それぞれ20℃の余裕がみてある。
【0057】
補助ニップ領域Mの入口では、内部加圧手段86のパッド86Aによって、30〜150kPa、20〜100msの先行加圧がなされているが、この先行加圧を行わないと、画像ずれ発生の下限温度が高くなり、選択できる光沢度領域が小さくなり、200mm/sec以上の線速度では、出力可能な温度域がなくなってしまう。これは、先に図4で示したように、高線速度ほど画像ずれ発生の下限温度が高いためである。
【0058】
▲1▼の領域の図示左方の低光沢度は、補助ニップ領域Mを変更して得る。図6に示す▲2▼の領域は、図3で示す補助ニップ領域Mをゼロとして、定着ベルト85の温度を変更したときに得られる光沢度である。この場合、補助ニップ領域Mで発生する画像ずれの制約がないため、光沢度上限側は定着ベルト85の耐熱上限温度、光沢度下限側は定着性が得られる下限である。
【0059】
この二つの領域が連続しているため、マットな画像からグロッシーな画像まで、任意の光沢度を得る事ができる。
【0060】
定着ベルト85の温度変更と、外部加圧ローラ82による補助ニップ領域Mの形成と、内部加圧手段86による補助ニップ領域M入口部付近の先行加圧、とをすべて組み合わせる事で、従来にない広範囲で連続した光沢度制御が可能になった。これらの何れかが欠けても、光沢度制御はごく狭い範囲か、不連続な範囲にとどまる。
【0061】
なお、温度切り換えの範囲を限定したり、不連続な多段設定(例えば、170℃、180℃、190℃のような)にすることで生じる不連続な制御も本発明に含まれる事はいうまでもない。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置の定着装置により、定着性と熱効率に優れ、広範囲で連続した光沢度制御が可能な定着ベルト方式の定着装置を備えた画像形成装置が提供される。
【0063】
特に、カラー画像形成装置の定着装置において、4色のトナー画像を加熱定着するとき、グラフィック画像、ピクチャー画像等を形成する場合、カラー画像に光沢を付与させるときに優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定着装置を備えた画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図。
【図2】本発明の定着装置の一実施の形態を示す断面図。
【図3】支持加圧ローラ、外部加圧ローラ、定着ベルト、内部加圧手段の拡大断面図。
【図4】定着ベルトの線速度・温度と、画像ずれ発生の関係を示す特性図。
【図5】外部加圧ローラが支持加圧ローラの直下の位置に停止した状態の定着装置の断面図。
【図6】用紙種別の光沢度制御範囲を示す特性図。
【図7】定着装置制御のブロック図。
【符号の説明】
8 定着装置
9 入力手段
81 支持加圧ローラ
82 外部加圧ローラ(外部加圧手段)
83 加熱源
84 加熱ローラ
85 定着ベルト
86 内部加圧手段
86A パッド
87,88 バネ
M 接触領域(補助ニップ領域)
N 定着ニップ領域
P 転写材(用紙)
TS 温度検知素子

Claims (2)

  1. 転写材上に形成された未定着トナー画像を、加熱された定着ベルトと加圧部材とにより挟持して加熱定着する定着装置を備えた画像形成装置であって、
    前記定着ベルトの温度を検知して設定温度に制御する制御手段と、
    前記設定温度を変更する設定温度変更手段と、
    前記定着ベルトの外側より圧接して前記定着ベルトに補助ニップ領域を形成する外部加圧手段と、
    前記定着ベルト内側から前記外部加圧手段に向けて圧力を付与する内部加圧手段と、
    前記補助ニップ領域のニップ量を切り換える切換手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記定着ベルトの設定温度変更手段と、前記補助ニップ領域のニップ量を可変に切り換える切換手段とは、前記画像形成装置に設けた画像光沢度入力手段により入力される光沢度指令によって可変に制御されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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