JP2000206808A - 定着用の樹脂フィルム、樹脂フィルムの製造方法および定着装置 - Google Patents

定着用の樹脂フィルム、樹脂フィルムの製造方法および定着装置

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JP2000206808A
JP2000206808A JP604099A JP604099A JP2000206808A JP 2000206808 A JP2000206808 A JP 2000206808A JP 604099 A JP604099 A JP 604099A JP 604099 A JP604099 A JP 604099A JP 2000206808 A JP2000206808 A JP 2000206808A
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resin film
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Keizo Otsuka
圭三 大柄
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム加熱方式の定着装置及び定着用樹脂
フィルムに関して、基層と表面離型層とを有するフィル
ムの強度、熱伝導を向上させて、この種の装置及びフィ
ルムの駆動安定性、耐久性、信頼性を向上させる。 【解決手段】 通電により発熱体とこの発熱体を保護す
る保護層とを備えた加熱体と、一方の面が加熱体の保護
層に接し、他方が未定着画像に接する少なくとも2層か
らなる樹脂フィルムを有する定着装置において、樹脂フ
ィルムの基層には、重量平均粒径dが0.5μm<d<
1.5μmであり、かつ添加量が20重量%〜40重量
%であるフィラーが含有されている樹脂フィルムにおい
て、内周面の表面粗さが1.0μm<Rz<5.0μm
である樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルムを介して画
像担持体(記録材)に熱エネルギーを付与する方式の定
着装置、定着用の樹脂フィルムおよび樹脂フィルムの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機,レーザービームプリンタ,ファ
クシミリ,マイクロフィルムリーダプリンタ,画像表示
(ディスプレイ)装置,記録機等の画像形成装置におい
て、電子写真,静電記録,磁気記録等の適宜の画像形成
プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等より成るトナー
を用いて、記録材(エレクトロファックスシート・静電
記録シート・転写材シート・印刷紙など)の面に直接方
式もしくは間接(転写)方式で目的の画像情報に対応し
た未定着のトナー画像を形成担持させ、該未定着のトナ
ー画像を該画像を担持している記録材面に永久固着画像
として加熱定着処理する画像定着装置として定着装置が
設けられている。
【0003】また、定着装置は、画像定着装置に限定さ
れず、例えば画像を担持した記録材を加熱して表面性を
改質する装置等、広く像担持体を加熱処理する手段とし
て使用される。
【0004】従来、例えば画像の加熱定着等のための記
録材の加熱装置は、所定の温度に維持された加熱ローラ
と、弾性層を有して該加熱ローラに圧接する加圧ローラ
とによって、記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ローラ
方式が多用されている。
【0005】米国特許第3,578,797号明細書に
開示のように、画像定着手段としてベルト定着方式も知
られている。これは、 トナー像を加熱体ウェブに接触させてその融点へ加熱
して溶融し、 溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性とし、 トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウェブか
ら剥す、 という過程を経ることによって、オフセットを生じさせ
ずに定着する方式である。
【0006】また、フラッシュ定着方式やオーブン定着
方式もある。
【0007】最近では、固定支持された加熱体と、該加
熱体に対向圧接するフィルムと、該フィルムを介して記
録材を加熱させる加圧部材からなる構成方式の加熱装置
(フィルム加熱方式)も提案されている。
【0008】特開昭63−313182号公報に開示の
方式装置等がこれに属し、固定発熱体に圧接摺動する薄
肉の耐熱フィルム(シート)を介して未定着トナー像に
熱エネルギーを付与して軟化・溶融せしめ、該フィルム
と記録材を離間させる、或いはトナーが冷却・固化した
後にフィルムと記録材を離間させることを基本とする加
熱装置である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな従来の熱ローラ方式、米国特許第3,578,79
7号明細書に記載のベルト定着方式、その他の方式には
次のような問題があった。
【0010】(1)熱ローラ方式 所定温度に立ち上がるまでにかなり時間がかかり、そ
の間は画像形成作動禁止の時間となる。即ち所謂ウエイ
トタイムがある。
【0011】熱容量が必要な為、大きな電力が必要で
ある。
【0012】回転ローラでローラ温度が高温の為に耐
熱性特殊軸受けが必要。
【0013】ローラに直接手が触れる構成となり、危
険があったり、保護部材が必要。
【0014】ローラの定着温度及び曲率により、記録
材がローラに巻き付き、記録材のジャム(Jam)トラ
ブルを招きやすい。
【0015】記録材上のトナーを定着する定着点の温
度と、記録材と熱ローラの分離点の温度が等しいため、
分離温度に依存する高温オフセットが発生しやすく、ま
た分離温度に依存する画像光沢の程度が制御できない。
【0016】(2)フラッシュ、オーブン定着方式 装置が大きくなる。
【0017】画像の鮮明さが低下したり、記録紙が定
着器内で滞留すると発火することも考えられる。
【0018】(3)ベルト定着方式 この方式の場合も、前記熱ローラ方式のやと同様の
ウエイトタイム、大電力消費等の問題がある。
【0019】フィルム加熱方式は、 熱容量小のため、小電力・ウエイトタイム短縮にな
り、 定着点と分離点が別に設定できるため、オフセットも
防止されるなどの利点を有し効果的なものであるが、ベ
ルト定着方式やフィルム加熱方式の場合は、ベルト・フ
ィルムは長時間高温に加熱され、かつテンション力が負
荷されているので、フィルムにクリープによる伸びが発
生する。
【0020】特に、熱効率よく定着する為にはフィルム
を薄くする必要があり、本発明者等の実験では、耐久性
フィルムとして引っ張り弾性率8000kgf/mm2
のポリイミドを材料とし、12μmの厚みのフィルムを
作り、記録材当接側に離型層としてPTFE(ポリテト
ラフルオロエチレン樹脂)をコートし、周長300mm
のエンドレス定着フィルムを作成し、このエンドレスフ
ィルムを後述する図1に示す構成の定着装置に装着し、
50g/mmのテンションをかけ200℃にヒータを加
熱しながら20時間駆動させたところ、0.6mmの延
びが生じ、フィルムの蛇行の制御が不可能となり、かつ
PTFEコート面に微細なクラックが生じ離型性の低下
が見られた。
【0021】また、フィルムの強度を上げる為に、ポリ
イミドフィルムの厚みを50μmにした時、フィルムの
熱伝導率が約4×10-4cal/cm・sec・℃と小
さいために定着性が著しく減少した。
【0022】また、表面粗さについては、フィルムの内
周面の表面粗さ(Rz)が小さすぎるとフィルムの内面
とヒータ等の摺擦によりフィルムの寿命が短命化する傾
向がある。また、逆にRzが大きすぎるとフィルムと駆
動ローラの間の摩擦が小さくなるためにフィルムとテン
ションローラの間でスリップを生じるという問題が発生
した。
【0023】本出願に係る発明の目的は、フィルム加熱
方式の定着装置に用いられる定着用の樹脂フィルムの強
度および熱伝導性をより一層向上させることができる定
着用の樹脂フィルムおよび樹脂フィルムの製造方法、ま
た定着用樹脂フィルムを用いた定着装置の駆動安定性、
耐久性、信頼性を向上させるものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明の目的
を実現する定着用の樹脂フィルムの第1の構成は、通電
により発熱する発熱体を保護層により保護した加熱体に
おける該保護層に一方の面が接し、他方の面が未定着画
像を担持した記録材と接して共に移動する少なくとも2
層から成り、前記加熱体と接する基層には重量平均粒径
dが0.5μm<d<1.5μmの絶縁性の無機フィラ
ーが含有されていると共に、無機フィラー添加量が20
重量%〜40重量%で含有され、内周面の表面粗さがR
zで1.0μm<Rz<5.0μmとしたものである。
【0025】本出願に係る発明の目的を実現する定着用
の樹脂フィルムの第2の構成は、上記した第1の構成に
おいて、上記基層に含有される絶縁性の無機フィラーの
物質は窒化ホウ素とするものである。
【0026】本出願に係る発明の目的を実現する定着用
の樹脂フィルムの第3の構成は、上記した第1または第
2の構成において、上記基層に含有される絶縁性の無機
フィラーの物質はシリカとするものである。
【0027】本出願に係る発明の目的を実現する定着用
樹脂フィルムの製造方法は、通電により発熱する発熱体
を保護層により保護した加熱体における該保護層に一方
の面が接し、他方の面が未定着画像を担持した記録材と
接して共に移動する少なくとも2層から成り、前記加熱
体と接する樹脂フィルムの基層には重量平均粒径dが
0.5μm<d<1.5μmの絶縁性の無機フィラーが
含有されていると共に、無機フィラー添加量が20重量
%〜40重量%で含有され、内周面の表面粗さがRzで
1.0μm<Rz<5.0μmの定着用の樹脂フィルム
の製造方法において、耐熱性シリンダーの外周面に耐熱
性樹脂の原料を塗布し、剥離するようにしたものであ
る。
【0028】本出願に係る発明の目的を実現する定着装
置の第1の構成は、通電により発熱する発熱体を保護層
により保護した加熱体と、一方の面が前記加熱体の保護
層と接し、他方の面が未定着画像を担持した記録材と接
して共に移動する少なくとも2層から成る樹脂フィルム
と、を有し、前記樹脂フィルムは前記加熱体と接する基
層を備えた定着装置において、前記樹脂フィルムの基層
には重量平均粒径dが0.5μm<d<1.5μmの絶
縁性の無機フィラーが含有されていると共に、無機フィ
ラー添加量が10重量%〜40重量%で含有されている
樹脂フィルムにおいて、内周面の表面粗さがRzで1.
0μm<Rz<5.0μmとするものである。
【0029】本出願に係る発明の目的を実現する定着装
置の第2の構成は、上記した第1の構成において、上記
基層に含有される絶縁性の無機フィラーの物質は窒化ホ
ウ素とするものである。
【0030】本出願に係る発明の目的を実現する定着装
置の第3の構成は、上記した第1または第2の構成にお
いて、上記基層に含有される絶縁性の無機フィラーの物
質はシリカとするものである。
【0031】上記した各構成においては、樹脂フィルム
の基層に重量平均粒径dが0.5μm<d<1.5μm
の絶縁性の無機フィラーをフィラー添加量で20重量%
〜40重量%の割合で含有させ、更に内周面の表面粗さ
がRzで1.0μm<Rz<5.0μmにすることで、
フィルム強度を維持しつつ、駆動安定性を維持しつつ、
熱伝導性を更に向上させることができるため前述の問題
も解消される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施の形
態に基づいて詳細に説明する。
【0033】図1は本発明の第1の実施の形態の定着装
置の断面図を示す。
【0034】本実施の形態の画像定着装置11の全体構
成について、まず図1に基づいて説明する。
【0035】24はエンドレスベルト状の定着フィルム
であり、図中左側の駆動ローラ25と、右側の従動ロー
ラ26と、該両ローラ25・26間の下方に配置した加
熱体としての低熱容量線状加熱体20との互いに並行な
該3部材25・26・20間に懸回張設してある。
【0036】従動ローラ26は、エンドレスベルト状の
定着フィルム24のテンションローラを兼ねさせてお
り、該定着フィルム24は駆動ローラ25の時計方向回
転駆動に伴ない時計方向に所定の周速度、即ち画像形成
部8側から搬送されてくる未定着トナー画像Taを上面
に担持した画像担持体(記録材)たる転写材シートPの
搬送速度と同じ周速度をもってシワや蛇行、速度遅れな
く回動駆動される。
【0037】なお、図には省略したが、長期の使用に際
してのエンドレスベルト状の定着フィルム24の片寄り
を防止する為に、ローラ24・25、加熱体20に懸回
した該フィルム24の前奥(幅方向の手前側と奥側)の
テンションを変化させたり、ローラの前奥(軸方向の手
前側と奥側)の高さ位置を変化させる等のフィルム寄り
制御装置を備えている。
【0038】本実施の形態の定着装置11におけるフィ
ルム寄り制御は、従動ローラ26の片端を上下制御させ
ることにより行なっている。すなわち、従動ローラ26
の手前端を上げるとフィルムは手前に移動し、下げると
逆に移動する。
【0039】28は加圧部材としての、シリコンゴム等
の離型性の良いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、
前記エンドレスベルト状定着フィルム24の下行側フィ
ルム部分を挟ませて前記加熱体20の下面に対して不図
示の不勢手段により例えば総圧4〜7kgの当接圧をも
って対向圧接させており、転写材シートPの搬送方向で
ある順方向(反時計方向)に回転する。
【0040】加熱体としての低熱容量線状加熱体20
は、本実施の形態では、定着フィルム横断方向(フィル
ム幅方向)を長手とする横長の剛性,高耐熱性,断熱性
を有するヒータ支持体27と、この支持体27の下面側
に長手に沿って一体に取付け保持させた発熱体22、検
温素子23等を備えたヒータ基板21を有している。
【0041】ヒータ支持体27は、加熱体20を定着装
置11及び画像形成装置全体に対し断熱支持するもの
で、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド),P
AI(ポリアミドイミド),PI(ポリイミド),PE
EK(ポリエーテルエーテルケトン),液晶ポリマー等
の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス,金
属,ガラス等との複合材料などで構成できる。
【0042】ヒータ基板21は一例として厚み1.0m
m,巾10mm,長さ240mmのアルミナ基板であ
る。
【0043】発熱体22は、基板21の下面の略中央部
に長手に沿って、例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)
等の電気抵抗材料を厚み約10μm,巾1〜3mmにス
クリーン印刷等により塗工し、その上に表面保護層とし
て耐熱ガラス21aを約10μmコートしたものであ
る。
【0044】検温素子23は一例として、基板21の上
面(発熱体22を設けた面とは反対側の面)の略中央部
にスクリーン印刷等により塗工して具備させたPt膜等
の低熱容量の測温抵抗体である。検温素子としては、他
に低熱容量のサーミスタなどを基板21に当接配置する
構成にしてもよい。
【0045】本例の加熱体20の場合は、線状又は帯状
をなす発熱体22に対し、その長手方向両端部より通電
し、発熱体22を略全長にわたって発熱させる。通電は
AC100Vであり、検温素子23の検知温度に応じて
トライアックを含む不図示の通電制御回路により通電す
る位相角を制御することにより、通電電力を制御してい
る。
【0046】(定着実行動作)画像形成スタート信号に
より画像形成装置が画像形成動作し、転写部8から定着
装置11へ搬送された未定着のトナー画像Taを上面に
担持した転写材シートPは、ガイド29に案内されて加
熱体20と加圧ローラ28との圧接部Nの、定着フィル
ム24と加圧ローラ28との間に進入し、未定着トナー
画像面がシートPの搬送速度と同一速度で同方向に回動
状態の定着フィルム24の下面に密着し、面ズレやしわ
寄りを生じることなく定着フィルム24と一緒の重なり
状態で加熱体20と加圧ローラ28との相互圧接部N間
を挟圧力を受けつつ通過していく。
【0047】加熱体20は、画像形成スタート信号によ
り所定のタイミングで通電加熱されるので、トナー画像
Taは圧接部Nにおいて加熱を受けて軟化,溶融像Tb
となる。
【0048】定着フィルム24は、支持体27の曲率の
大きい(曲率半径が約2mm)エッジ部Sにおいて、急
角度(屈曲角度θが略45°)で走行方向が転向する。
【0049】従って、定着フィルム24と重なった状態
で圧接部Nを通過して搬送されたシートPは、エッジ部
Sにおいて定着フィルム24から曲率分離し、排紙トレ
イ12へ排紙されてゆく。排紙される時までにトナーは
十分冷却固化しシートPに完全に定着した状態(トナー
画像Tc)となっている。
【0050】本実施の形態で用いたトナーは、加熱溶融
時の粘度が十分高いので、定着フィルム24と分離する
際のトナー温度がトナーの融点以上であっても、トナー
同士の固着力が定着フィルム24に対するトナーの粘着
力より極めて大きい。従って定着フィルム24とシート
Pの離反に際し、定着フィルム24に対するトナーオフ
セットは実質的に発生することはない。
【0051】また、本実施の形態において、加熱体20
のうち、発熱体22及び基板21の熱容量が小さく、か
つこれらが支持体25により断熱支持されているので、
圧接部Nにおける加熱体20の表面温度は短時間にトナ
ーの融点(又はシートPへの定着可能温度)に対して十
分な高温に昇温するので、加熱体20をあらかじめ昇温
させておく(いわゆるスタンバイ温調)必要がなく、小
エネルギーが実現でき、しかも機内昇温も防止できる。
【0052】定着フィルム24はエンドレス状に限ら
ず、フィルム送り出し軸にロール巻に巻回した有端の定
着フィルムを加熱体と加圧ローラとの間を経由させて巻
取り軸に係止させ、前記送り出し軸側から前記巻取り軸
側へ転写材シートの搬送速度と同一速度をもって走行さ
せる構成のものであっても良い。
【0053】図2は図1の定着装置11を画像定着装置
として組み込んで使用した画像形成装置の概略図を示し
ている。
【0054】本実施の形態の画像形成装置は、原稿載置
台往復動型,回転ドラム型,転写式の電子写真複写装置
である。
【0055】100は装置機筐である。1は該機筐の上
面板100a上に配設したガラス板等の透明板部材より
なる往復動型の原稿載置台であり、機筐上面板100a
上を図面上右方a、左方a′に夫々所定の速度で往復移
動駆動される。
【0056】Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下
向きにして原稿載置台1の上面に所定の載置基準に従っ
て載置し、その上に原稿圧着板1aをかぶせて押え込む
ことによりセットされる。
【0057】100bは機筐上面板100a面に原稿載
置台1の往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直の方
向)を長手として開口された原稿照明部としてのスリッ
ト開口部である。原稿載置台1上に載置セットした原稿
Gの下向き画像面は、原稿載置台1の右方aへの往復移
動過程で右辺側から左辺側にかけて順次にスリット開口
部100bの位置を通過していき、その通過過程でラン
プ7の光Lをスリット開口部100b、透明な原稿載置
台1を通して受けて照明走査される。その照明走査光の
原稿面反射光が短焦点小径結像素子アレイ2によって感
光ドラム3面に結像露光される。
【0058】感光ドラム3は例えば酸化亜鉛感光量,有
機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸3
aを中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に回転駆動
され、その回転過程で帯電器4により正極性又は負極性
の一様な帯電処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿
画像の結像露光(スリット露光)を受けることにより感
光ドラム3面には結像露光した原稿画像に対応した静電
潜像が順次に形成されていく。
【0059】この静電潜像は、現像器5により加熱で軟
化溶融する樹脂等より成るトナーにて順次に顕像化さ
れ、該顕像たるトナー画像が転写部としての転写放電器
8の配設部位へ移行していく。
【0060】Sは記録材としての転写材シートPを積載
収納したカセットであり、該カセット内のシートが給送
ローラ6の回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレ
ジストローラ9により、ドラム3上のトナー画像形成部
の先端が転写放電器8の部位に到達したとき転写材シー
トPの先端も転写放電器8と感光ドラム3との間位置に
丁度到達して両者一致するようにタイミングどりされて
同期給送される。
【0061】そして、その給送シートの面に対して転写
放電器8により感光ドラム3側のトナー画像が順次に転
写されていく。
【0062】転写部8でトナー画像転写を受けたシート
は、不図示の分離手段で感光ドラム3面から順次に分離
されて搬送装置10によって定着装置11に導かれて前
述(作用)の項で説明したように担持している未定着ト
ナー画像の加熱定着処理を受け、画像形成物(コピー)
として機外の排紙トレイ12上に排出される。
【0063】一方、トナー画像転写後の感光ドラム3の
面はクリーニング装置13により転写残りトナー等の付
着汚染物の除去を受けて繰り返して画像形成に使用され
ることとなる。
【0064】本実施の形態の定着フィルム24は、フィ
ルム基層と表面離型層とを有する樹脂フィルムであり、
フィルム基層には絶縁性の無機フィラーが含有され、表
面離型層には導電剤が混入されている。
【0065】図3はこのフィルム24の層構成模型図で
あり、耐熱樹脂材料のフィルム基層101と、その記録
材当接面側にプライマー層104を介して一体に積層し
たPTFE樹脂等の表面離型層103とを有する樹脂フ
ィルムであり、フィルム基層101には絶縁性の無機フ
ィラー102として例えばシリカを配合含有させてお
り、表面離型層103には導電剤を混入して表面抵抗値
を下げている。
【0066】絶縁性の無機フィラー102を含有させた
耐熱樹脂材料のフィルム基層101は、例えば、耐熱樹
脂材料としてのポリイミド前駆体溶液中にフィラー10
2を分散させ、この液を型に塗布後、加熱してイミド化
させてから型から分離する、等して得ることができる。
【0067】フィルム基層101の耐熱樹脂材料として
は耐熱性があれば上記のポリイミド樹脂に限定されるこ
となく、他にも例えばポリエーテルエーテルケトン(P
EEK),ポリエーテルサルホン(PES),ポリエー
テルイミド(PEI)等の耐熱樹脂を使用できる。
【0068】表面離型層103の樹脂材料はPTFE,
PFA,FEP等のフッ素樹脂やシリコン樹脂等の耐熱
高離型材料を使用できる。
【0069】フィルム基層101に対する表面離型層1
03の積層形成は、フィルム基層101に対する離型層
フィルムの接着ラミネート、離型層材料の静電塗装(コ
ーティング),蒸着,CVD等の成膜技術による積層、
フィルム基層樹脂材料と離型層材料の供押し出しによる
2層フィルム化等で行なうことができる。
【0070】定着フィルム24は総厚100μm以下、
駆動安定性の面から10μm以上が好ましい。
【0071】フィルムの熱効率を良くするために無機フ
ィラー102は2.0×10-3cal/cm,sec,
deg以上の熱伝導率を有するものを用いるのがよい。
またフィルム基層101の耐熱樹脂材料とのなじみをよ
くする等の目的により必要に応じてフィラーに表面処理
を施すこともできる。
【0072】フィルム基層101には無機フィラー10
2を含有させたことにより、後述の実施の形態に示した
ように、熱伝導率が上がるために定着効率が上がり、加
熱体の制御温度を下げても十分な定着性を得ることがで
き、更にはフィラーの混入よりフィルム面に微小な凹凸
が生じるので、フィルムと、加熱体との摩擦抵抗が減少
しフィルム寄り制御がよりスムーズとなり、また、フィ
ルムの加熱体との摺擦による摩耗量も減少し耐久性、信
頼性が向上する。
【0073】またフィルム基層101に含有させた無機
フィラー102は絶縁性のものとしたので、加熱体20
側の通電発熱体22の表面保護層21a、即ちフィルム
24に直接に接する層21aにピンホールが存在して通
電発熱体22側の電流が該ピンホールからフィルム側に
リークすることによる悪影響が防止される。
【0074】フィルム24の表面離型層103は導電剤
を混入させてその表面抵抗値を下げたことにより、フィ
ルム24のトナー当接面の帯電を防止でき、この離型層
が絶縁性の場合のように、該離型層が帯電し、記録材た
るシートP上のトナー画像Taが乱されたり、トナー画
像Taが定着フィルム24側に転移する、いわゆる帯電
(静電)オフセットする等の問題をなくすことができ
る。
【0075】この場合、導電剤を混入して抵抗値を下げ
た表面離型層103と、加熱体20の発熱体22は、発
熱体保護層21aとフィルム基層101を挟んで近接し
ているが、フィルム基層101に含有させた無機フィラ
ー101は絶縁性としたから発熱体22と表面離型層1
03の間での電荷リークも防止され、電荷リークによる
局所的な静電オフセットや発熱体22の損傷トラブルが
防止される。
【0076】
【実施例】耐熱フィルム母材樹脂101としてポリイミ
ド樹脂を用い、添加無機フィラー102として窒化ホウ
素を用い、図3のような層形態の厚さ60m,周長10
0mm,幅300mmのエンドレスフィルム24を調製
した。
【0077】このエンドレスフィルムを定着フィルム2
4として図1に示す定着装置に装着使用し、フィルムテ
ンション1.2kg、フィルム駆動速度100mm/s
ecで稼動させて、十分な定着性を得ることのできる定
着可能温度を検討した。
【0078】(フィラーの粒径)基層に添加されるフィ
ラーの粒径の定着性への効果をみるために、図7に示し
たような仕様のサンプルフィルム1〜5を調製した。そ
して、それ等の十分な定着性を得られる定着可能温度を
検討した。その結果を図7に併せて示した。
【0079】耐熱フィルム母材樹脂101としてポリイ
ミド樹脂を用い、添加無機フィラー102として窒化ホ
ウ素を用い、フィラー添加量が30重量%含有した厚さ
50μmの耐熱フィルムに、更に画像担持体に当接する
側の面に離型層103として厚さ10μmのPFA樹脂
コーティング層を形成した図3のような層形態のエンド
レスフィルム24を調製した。
【0080】このエンドレスフィルムを定着フィルム2
4として図1にSで示す定着装置に装着使用し、フィル
ムテンション1.2kg、フィルム駆動速度100mm
/secで稼動させて、十分な定着性をえられる定着可
能温度を検討した。
【0081】図7に結果を示した。この図7から定着可
能温度を下げるためには、フィルムにフィラーを添加す
ることが必要であることが分かる。また、添加するフィ
ラーの最適な重量平均粒径に関しては、もっとも低い定
着可能温度から平均重量粒径が1.0μmのときである
事が分かる。また、フィラーの平均重量粒径が0.5μ
mと1.5μmのときも、平均重量粒径が1.0μmの
ときのほぼ同等の定着可能温度であることがわかる。
【0082】しかし、その範囲を超えると大きく定着可
能温度が高くなっていることが分かる。その原因として
は、平均重量粒径が大きくなりすぎると、フィラーの分
散が均一でなくなるために、熱伝導率が低くなると思わ
れる。また、平均重量粒径が小さくなりすぎると、フィ
ラーの添加量を増加させないと、フィラー添加の効果が
薄れてしまうと思われる。ただ、フィラーの添加量を過
剰にするとフィルムの強度が損なわれ、耐久性に欠ける
という問題が発生する。
【0083】ところで、本発明では重量平均粒径を採用
した。フィラーの粒径を示すには、個数平均粒径という
方法もあるが、個数平均粒径を採用すると、粒径の値が
小さくなる傾向にある。その理由として考えられること
は、フィラーの粒径を個数で平均化すると、極めて微小
のフィラーも個数の対象になるために、フィラーの平均
粒径が小さくなる。また、フィラーの個数で平均すると
粒径の値のばらつきが大きくなるために、実際にフィル
ムを製造する際には、安定してフィラーを添加した効果
を得ることが困難である。例えば、本実施例で平均重量
粒径が0.5μmのときでは、平均重量粒径を採用した
ときの方が、よりフィラーの効果を明確にすることがで
きた。以上のことから、重量平均粒径を採用した。
【0084】以上のことより、フィラーの重量平均粒径
dを0.5μm<d<1.5μmの範囲におさえること
によってフィルムの熱伝導率も上がる為に定着効率が上
がりヒータの制御温度(定着可能温度)を下げても十分
な定着性を得ることができるので、更なる定着フィルム
の長寿命化を図ることができる。
【0085】(フィラー添加量)基層に添加されるフィ
ラーの粒径の定着性への効果をみるために、図8に示し
たような仕様のサンプルフィルム6〜10を調製した。
そして、それ等の十分な定着性を得られる定着可能温度
を検討した。その結果を図8に併せて示した。
【0086】耐熱フィルム母材樹脂101としてポリイ
ミド樹脂を用い、添加無機フィラー102として窒化ホ
ウ素を用い、フィラー添加量をそれぞれの割合で含有し
た厚さ50μmの耐熱フィルムに、更に画像担持体に当
接する側の面に離型層103として厚さ10μmのPF
A樹脂コーティング層を形成した図3のような層形態の
エンドレスフィルム24を調製した。このエンドレスフ
ィルムを定着フィルム24として図1に示す定着装置に
装着使用し、フィルムテンション1.2kg、フィルム
駆動速度100mm/secで稼動させて、十分な定着
性をえられる定着可能温度を検討した。
【0087】図8に結果を示したが、この図8に示す結
果からフィラー添加量が20重量%以上のフィルムでも
っとも低い定着可能温度になった。フィラーの添加量が
10%であるようにフィラーの添加量が少なすぎると定
着可能温度が急激に高くなっていることが分かる。この
ことからフィラーは少なくても添加量で20重量%より
多くないとフィラー添加の効果は見られないことが分か
る。また、フィルム強度を比較すると、フィラーを添加
していないフィルム6が一番高い強度を示しているが、
フィラーを添加するにつれて、強度が下がっていくこと
が分かる。
【0088】そこで、耐久によるフィルムの伸びの検討
を行った。フィルム9を定着フィルム24として図1の
定着装置に装置使用し、ヒータの温調温度を190℃、
フィルムテンション1.2kgf、フィルム駆動速度1
00mm/secで稼動させたところ、30000枚の
コピー後であっても、フィルム24の周長の伸びは0.
28mmでフィルムのしわ等はみられず、フィルムの駆
動安定性は良好だった。
【0089】ところが、フィルム10を定着フィルム2
4として図1の定着装置に装置使用し、ヒータの温調温
度を190℃、フィルムテンション1.2kgf、フィ
ルム駆動速度100mm/secで稼動させたところ、
30000枚のコピー時のフィルム24の周長の伸びは
0.55mでフィルムのしわが発生し、フィルムの駆動
が不安定であった。
【0090】以上よりフィラーの添加量が50重量%を
超えると、フィルム強度が落ちることによって、耐久に
よるフィルムのしわが発生し、フィルムの駆動が不安定
になるため、フィラーの添加量は最大でも40重量%以
下であることが望ましい。
【0091】以上よりフィラー添加量の割合を20重量
%〜40重量%におさえることによってフィルムの熱伝
導率も上がる為に定着効率が上がりヒータの制御温度
(定着可能温度)を下げても十分な定着性を得ることが
できるので、更なる定着フィルムの長寿命化を計ること
ができる。
【0092】(内周面の表面粗さRz)定着フィルムの
内周面の表面粗さについて検討を行った結果、表面粗さ
Rzが0.5μmの場合には、フィルムとヒータ基板と
の摩擦が大きくなるためにフィルム駆動の際にビビリ音
が発生することがあった。また、駆動ローラとフィルム
の摩擦抵抗も増大する。
【0093】駆動ローラとフィルムの摩擦力の増大は駆
動ローラの駆動力が増大するので、初期には良いが、耐
久に於いてはフィルムの摩耗粉が発生し、駆動ローラに
付着した場合は駆動ローラ長手方向に駆動力の大きさバ
ラツキが発生するのでフィルムの極端な寄りが発生する
ことがあった。
【0094】逆に、フィルムの内周面の表面粗さが大き
すぎると、フィルムとヒータ基板の摩擦抵抗も減少する
が、駆動ローラとフィルムの摩擦力も極端に減少するの
で耐久中にフィルムの走行速度が所定の速度より遅くな
ったり、停止する現象が発生する。また、フィルムとヒ
ータの発熱体の間の空隙率が増大するので定着性が低下
するという現象も発生する。以上より、定着フィルムの
内周面の表面粗さはRzで1.0μm<Rz<5.0μ
mであることが好ましい。
【0095】(製造方法)ベース層ポリイミドの本発明
に係る定着フィルムの製造方法は、概略以下の2通りの
方法がある。
【0096】第1の方法は、熱伝導性無機フィラーを含
有したポリイミド酸溶液を金属又はガラス製の耐熱性シ
リンダーの外周面に塗布し、これを加熱反応させた後に
脱型することによりポリイミドのチューブを得る。
【0097】第2の方法は、ポリイミド酸溶液をシリン
ダー内周面へ塗工し、これを加熱反応させた後に脱型す
ることによりポリイミドのチューブを得る。
【0098】いずれのポリイミドチューブも外周面に高
離型性のフッ素樹脂等を塗工して定着フィルムを得るこ
とができる。
【0099】本発明に係る定着フィルムを製造する場
合、ポリイミドベース層に高電熱性フィラーを分散させ
るのでポリイミドベース層表面の粗さが大きくなる。特
にフィラーの粒径が大きく、かつ多量に混入した場合に
この傾向が顕著になる。
【0100】しかしながらこの表面粗さが大きくなる現
象は型当接面側はわずかで、型の表面粗さにほぼ等しい
粗さになるが、その逆の面(エアー面という)は顕著に
現れる。従って前述したように定着フィルム内面の粗さ
をRz1.0μmから5.0μmにするためには上記第
1の方法で製造する方が好ましい。
【0101】(第2の実施の形態)図4は定着装置11
の第2の実施の形態を示している。
【0102】32は加熱体としての加熱ローラであり、
ヒータ33を内蔵し、検温素子41によって検出された
加熱ローラ表面温度に応じてヒータ33を適宜発熱させ
ることにより、加熱ローラ32の表面を所定の温度に維
持できる。
【0103】34は加熱ローラ32よりもシートPの搬
送方向下流側に配置した小径の分離上ローラである。2
5は定着フィルム24を回転走行させる駆動ローラであ
り、26は定着フィルム24に常に適度のテンションを
付勢する従動ローラである。なお、駆動ローラ25と加
熱ローラ32は共にシートPの搬送速度と同一速度で時
計方向に回転駆動される。
【0104】定着フィルム34は上記した実施の形態に
従う構成のもので、上記互いに並行の4部材32,3
4,25,26間に懸回張設してある。
【0105】36は加熱ローラ32の下側に対向して配
設された加圧ローラ、35は分離上ローラ34の下側に
対向して配設した分離下ローラ、37は加圧ローラ36
と分離下ローラ35の間に懸回張設したエンドレスベル
ト状の搬送ベルト(バックアップベルト)である。
【0106】加圧ローラ36は表層をシリコンゴム等の
弾性体で形成したローラである。この加圧ローラ36と
加熱ローラ32の間に、前記のエンドレスベルト状定着
フィルム24の下行側フィルム部分を挟ませて不図示の
付勢力手段により例えば総圧5〜10kgの当接圧を得
ている。
【0107】加熱ローラ32の回転駆動により加圧ロー
ラ36が従動回転して、搬送ベルト37もシートPを定
着フィルム34に圧接しつつ、シートPの搬送速度と同
一速度で反時計方向に回動する。
【0108】画像形成スタート信号により複写装置が画
像形成動作して転写部8から定着装置11へ搬送され
た、未定着のトナー画像Taを上面に担持した転写材シ
ートPは、加熱ローラ32が回転駆動され、従って定着
フィルム24及び搬送ベルト37が回動している状態に
おいて、ガイド29に案内されて加熱ローラ32と加圧
ローラ36との圧接部Nの定着フィルム24と搬送ベル
ト37との間に進入して、未定着トナー画像面がシート
Pの搬送速度と同一速度で同方向に回動状態の定着フィ
ルム24の下面に密着して、面ズレやしわ寄りを生じる
ことなく定着フィルム24と一緒の重なり状態で加熱ロ
ーラ32と加圧ローラ36との相互圧接部N間を挟圧力
受けつつ通過していく。
【0109】相互圧接部Nを通過する過程において、シ
ートP上のトナー画像Taは加熱受けて軟化・溶融像T
bとなる。
【0110】加熱ローラ32と加圧ローラ36との相互
圧接部Nを通過したシート部分は、分離上ローラ34の
位置へ到達するまでの間は、加熱ローラ32と分離上ロ
ーラ34の間で展張して走行している定着フィルム部分
に引き続き密着したまま搬送されていく。搬送ベルト3
7はシートPの裏面を支えてシートPと定着フィルム2
4との密着を維持する作用をはたす。この搬送過程Cに
おいて、軟化・溶融トナー像Tbの熱が放熱されて、冷
却・固化トナー層Tcとなる。
【0111】この放熱・冷却過程におけるトナー放熱
は、本実施の形態の場合は自然放熱冷却であるが、放熱
フィンや送風手段等の配設により強制的に放熱冷却して
もよい。
【0112】そして分離上ローラ34の位置Sまで搬送
されると、定着フィルム24は曲率の大きい分離上ロー
ラ34の面に沿ってシートP面から離れる方向に走行方
向が転向され、定着フィルム24とシートPとが互いに
分離して、シートP排紙トレイ12へ排紙されていく。
この分離時点までにはトナーは十分に冷却固化Tcし
て、シートPに対するトナーの粘着・固着力が十分に大
きく、定着フィルム24に対するそれは極めて小さい状
態となっているので、定着フィルム24とシートPの分
離は定着フィルム24に対するトナーオフセットを実質
的に発生することなく、容易に順次になされる。
【0113】本実施の形態においては加熱体である加熱
ローラ32の温度を、従来の加熱ローラ定着方式では高
温オフセットを生じる温度より高く設定することが可能
となり、定着性が向上する。また、加熱体の許容温度範
囲が高温側に広く、温度制御の簡略化が可能となる。
【0114】また多色時に3色以上のトナー画像を定着
処理する際に、高温で十分溶融できるため混色が容易で
ある。また、一旦トナーを溶融し、定着フィルム24に
密着した状態で冷却固化せしめた後に定着フィルム24
から剥離するので、トナー像の表面性を定着フィルムの
表面性にならわせることが可能となる。従って例えば定
着フィルム24の表面を平滑にすれば、トナー像Tcの
表面に銀塩写真のような光沢を与えることが可能とな
る。
【0115】本実施の形態の定着器に上記した第1の実
施の形態のフィルムを採用すると更に定着温度を下げら
れ、かつ冷却も早いので従来より速度を上げることが出
来た。
【0116】(第3の実施の形態)図5は第3の実施の
形態を示す。
【0117】本実施の形態において、加熱体32は加熱
ローラに限らず、図5に示すように、図1に示す定着装
置で示した固定加熱体20を用いてもよい。この場合上
記の効果に加え、発熱体22と基板21の熱容量が小さ
く、しかも断熱されているので、昇温速度が速く、スタ
ンバイ温調を必要としないという利点がある。
【0118】また、図4に示す第2の実施の形態の定着
装置の分離上ローラ34の代わりに、図5に示す本実施
の形態のように、さらに大きな曲率の端面を有する分離
ステイ38を配置することにより、定着フィルム24か
らシートPをさらに確実に分離可能となる。
【0119】このような定着装置にも本発明の定着フィ
ルムを採用することは前述の利点がある。
【0120】(第4の実施の形態)図6は第4の実施の
形態を示す。
【0121】本実施の形態の定着装置は、図1に示す第
1の実施の形態における定着装置において、加熱体20
の代わりに耐熱ガラス等の透光部材39を配し、該透光
部材39を介してエンドレス定着フィルム24の内部に
配置したハロゲンランプ等の輻射熱源40によりトナー
像を加熱する構成にしてある。
【0122】この実施の形態の場合、定着フィルム24
としては輻射熱波長に対し透明なものが好ましい。そこ
で、本実施の形態では一例として無機フィラーを含有す
るポリイミドから成る耐熱層101・102(図3)に
透明のシリコン樹脂から成る離型層103を形成したフ
ィルム24を用いている。
【0123】本実施の形態装置の場合は、輻射による加
熱であるので、トナーを瞬時に昇温加熱溶融可能であ
る。従ってシートPが圧接部Nにある時のみ加熱すれば
よいので省電力が可能であり、また機内昇温も少ない。
【0124】このような定着装置にも本発明の定着フィ
ルムを採用することを有効である。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、熱
効率のよい、かつ長寿命化を計ることのできるフィルム
加熱方式の定着装置、定着用の樹脂フィルムおよび樹脂
フィルムの製造方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の定着装置の断面図
【図2】図1の定着装置を備えた画像形成装置の断面図
【図3】第1の実施の形態のフィルムの層構成を示す断
面模型図
【図4】第2の実施の形態の定着装置の断面図
【図5】第3の実施の形態の定着装置の断面図
【図6】第4の実施の形態の定着装置の断面図
【図7】第1の実施の形態におけるフィルムのフィラー
粒径と定着可能温度との関係を示す図
【図8】第1の実施の形態におけるフィルムのフィラー
添加量と定着可能温度との関係を示す図
【符号の説明】
24…フィルム 20・32・39・40…加熱体 P…転写材シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 79:08 Fターム(参考) 2H033 AA23 BA11 BE03 4F071 AA51 AA60 AA64 AB26 AB27 AD06 AE17 AF27 AH16 BA03 BB02 BB13 BC05 4F100 AA00A AA00H AA20A AA20H AD06A AD06H AK01A AK01B AK49 BA02 CA23A DD07B DE01A DE01H EH462 EK00 GB41 JG04A JG04H JL00 YY00A YY00B YY00H 4J002 CH001 CH091 CM041 CM051 CN031 DJ016 DK006 FD016 GQ00 GS00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電により発熱する発熱体を保護層によ
    り保護した加熱体における該保護層に一方の面が接し、
    他方の面が未定着画像を担持した記録材と接して共に移
    動する少なくとも2層から成り、前記加熱体と接する基
    層には重量平均粒径dが0.5μm<d<1.5μmの
    絶縁性の無機フィラーが含有されていると共に、無機フ
    ィラー添加量が20重量%〜40重量%で含有され、内
    周面の表面粗さがRzで1.0μm<Rz<5.0μm
    としたことを特徴とする定着用の樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 上記基層に含有される絶縁性の無機フィ
    ラーの物質は窒化ホウ素であることを特徴とする請求項
    1記載の定着用の樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 上記基層に含有される絶縁性の無機フィ
    ラーの物質はシリカであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の定着用の樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 通電により発熱する発熱体を保護層によ
    り保護した加熱体における該保護層に一方の面が接し、
    他方の面が未定着画像を担持した記録材と接して共に移
    動する少なくとも2層から成り、前記加熱体と接する樹
    脂フィルムの基層には重量平均粒径dが0.5μm<d
    <1.5μmの絶縁性の無機フィラーが含有されている
    と共に、無機フィラー添加量が20重量%〜40重量%
    で含有され、内周面の表面粗さがRzで1.0μm<R
    z<5.0μmの定着用の樹脂フィルムの製造方法にお
    いて、 耐熱性シリンダーの外周面に耐熱性樹脂の原料を塗布
    し、剥離することを特徴とする定着用の樹脂フィルムの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 通電により発熱する発熱体を保護層によ
    り保護した加熱体と、一方の面が前記加熱体の保護層と
    接し、他方の面が未定着画像を担持した記録材と接して
    共に移動する少なくとも2層から成る樹脂フィルムと、
    を有し、前記樹脂フィルムは前記加熱体と接する基層を
    備えた定着装置において、 前記樹脂フィルムの基層には重量平均粒径dが0.5μ
    m<d<1.5μmの絶縁性の無機フィラーが含有され
    ていると共に、無機フィラー添加量が10重量%〜40
    重量%で含有されている樹脂フィルムにおいて、内周面
    の表面粗さがRzで1.0μm<Rz<5.0μmであ
    ることを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】 上記基層に含有される絶縁性の無機フィ
    ラーの物質は窒化ホウ素であることを特徴とする請求項
    5記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 上記基層に含有される絶縁性の無機フィ
    ラーの物質はシリカであることを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載の定着装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002225051A (ja) * 2001-02-05 2002-08-14 Nitto Denko Corp シームレスベルト及びその製造方法
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