JP2010266702A - 加熱定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 定着部材を外部から接触加熱する加熱方式に於いて耐久性、熱効率に優れた加熱定着装置の提供。
【解決手段】 定着部材を外部から加熱する加熱手段をカーボンヒータとし、カーボンヒータを定着部材に接触させながら加熱する。カーボンヒータは自己潤滑性を有するため摺擦による定着部材へのダメージを軽減する。また、カーボンヒータから放射される熱は反射板によりカーボンヒータ、または定着部材に照射することにより熱効率を向上させる。また、カーボンヒータの持つ負抵抗温度特性により非通紙部昇温を抑えることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 定着部材を外部から加熱する加熱手段をカーボンヒータとし、カーボンヒータを定着部材に接触させながら加熱する。カーボンヒータは自己潤滑性を有するため摺擦による定着部材へのダメージを軽減する。また、カーボンヒータから放射される熱は反射板によりカーボンヒータ、または定着部材に照射することにより熱効率を向上させる。また、カーボンヒータの持つ負抵抗温度特性により非通紙部昇温を抑えることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、定着部材と加圧部材で形成される定着ニップに未定着画像を導入して狭持搬送させることにより加熱定着させる加熱定着装置であり、特に定着部材への加熱を外部の加熱手段から行う加熱定着装置に関するものである。
従来、電子写真方式の複写機、プリンター等の多くは未定着トナー像を固着像とするための加熱定着手段として熱効率、安全性が良好な接触加熱型の熱ローラ定着方式や、省エネルギータイプのフィルム加熱方式を採用している。
図8にその熱ローラ方式の加熱定着装置の概略構成を示す。定着ローラ26はアルミニウムやステンレス製の中空芯金26aの中にハロゲンランプなどの加熱体26bを設け、外表面にはトナーのオフセットを防止するためフッ素樹脂等の離型性層26cを供えたものである。また、加圧ローラ27は芯金27aの外部にシリコーンゴム等を形成した弾性層27bあるいはシリコーンゴムなどを発泡してなるスポンジ弾性層27bを形成し、更にその外層には定着ローラと同様のフッ素樹脂等の離型性層27cが形成されている。また、高速機あるいはカラートナーを用いた画像形成装置の場合、トナーの定着性を十分に満足させるために、定着ローラ26の中空芯金26aの外表面にシリコーンゴム等の厚み2mm程度の弾性層を設けることにより、軟らかくなった定着ローラ表面でトナーを包み込むことで、記録材及びトナーへの熱の伝播効率を向上させている。熱ローラ定着装置は定着ローラ内部のハロゲンランプ26bの熱を芯金26a、弾性層、離型層26cを介して記録材に伝えるため熱効率が低い、また定着ローラ26の熱容量が大きいためローラの表面温度を定着可能な温度にするまでの時間(立ち上がり時間)が非常に長くなってしまう。また、立ち上がり時間を短縮しようとしてスタンバイ時においても定着ローラ26を高温に保つ場合は無駄な電力を消費してしまう。
一方、フィルム加熱方式の定着装置(オンデマンド定着装置)は例えば特許文献1等に提案されており、その代表例を図9に示す。すなわち図9において、アルミナ、チッ化アルミ等のセラミック基板上に通電発熱抵抗層が形成された加熱ヒータ28が耐熱性樹脂より形成されたステイホルダー29に固定され、このステイホルダー29にルーズに外嵌させたポリイミド等の樹脂やSUS等の金属から構成された耐熱性の薄肉フィルム30(以下、定着フィルムと記す)を有する。この加熱ヒータ28と加圧ローラ31とを定着フィルム30を挟んで圧接させて定着ニップ部を形成させてある。
定着フィルム30は芯金31aの外周面にシリコーンゴム等の弾性層31b、フッ素樹脂等からなる離型性層31cを形成してなる弾性加圧ローラ31の矢印の方向への回転駆動力により、定着ニップ部において加熱ヒータ28に密着・摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される。加熱ヒータ28の温度は、ヒータ背面に配置されたサーミスタ等の温度検知手段32により検知し、不図示の通電制御部へフィードバックされ、加熱ヒータ28が所定の一定温度(定着温度)になるように加熱、温調される。
しかしながら、上記フィルム加熱方式においても加熱部材の内部に発熱体があり、トナーや記録材への熱供給は定着フィルム等の加熱部材を介して行われる。発熱体の熱を効率よくトナーや記録材に供給するためには加熱部材の熱伝導率を小さくする必要があるため、熱ローラ方式で行っているように定着フィルムの外表面に弾性層を設けると発熱体の熱が弾性層によりトナーや記録材に効率よく伝わらない。したがって、フィルム加熱方式では定着フィルム外表面は弾性が無いためトナーや記録材の凹凸に定着部材が追従できず、未定着トナー像面に定着部材が接触する部分と接触しない部分ができてしまう。このためトナーの溶融状態に部分的なバラツキができ、定着後のトナー像に画像ムラが発生するという問題がある。また、弾性が無い定着フィルムであっても定着部材と加圧部材の加圧力を高くすることにより均一な定着画像を得ることが可能であるが、均一な定着画像が得られるまでに加圧力を高くすると、定着フィルムやセラミックヒータ摺動面へのダメージが大きくなり、耐久性が低化してしまう。
以上のように、熱ローラ方式においては立ち上がり時間や待機時の消費電力が主な課題となっており、フィルム加熱方式においては定着均一性または耐久性が主な課題となっているが、この各方式の課題を解決するような定着方式が例えば特許文献2に提案されている。すなわち図10に示されるように定着部材33が弾性を持つローラ34で構成され、その外側に外部加熱手段35を有し、外部から定着部材表面を加熱する方式である。また、定着ローラ34は弾性を持たなくても高い加圧力をかければ定着均一性を保つことが可能となるため高い加圧力であっても耐久により破損しないような部材であれば良い。
定着部材表面は断熱性を有し、外部加熱手段35から供給された熱を加熱部材内側へ伝達せず表面のみが加熱されるため急速に昇温する。また、定着部材表面が弾性を有している場合は記録材やトナーによる凹凸にも十分に追従し、定着ムラにより画質が低化することはない。また定着部材の加圧部材への加圧力が高い場合でも記録材やトナーによる凹凸があっても定着ムラを防止し、画質が低化することは無い。外部加熱手段35はスタンバイ時の省エネ性を保ちつつ速い立ち上がり時間を達成するためには熱容量の大きい熱ローラでは困難である。したがって、加熱手段としては図11のようにフィルム加熱方式の定着部材39、または更なる熱効率向上のために図12のようなフィルムレス40の加熱手段が用いられる。
しかしながら、上記のように加熱手段を外部から接触加熱する定着方式では以下のような問題点があった。すなわち、外部加熱手段が図12のように発熱体が形成された窒化アルミやアルミナなどのセラミックヒータであり、該ヒータを加熱手段に直接当接した場合、定着部材表面はセラミックヒータとの摺動のため、耐久が進むと傷付いてしまい画像に影響を及ぼしてしまっていた。上記問題を防止するためには図11のようにセラミックヒータを定着フィルム等の離型性をもつ部材で覆ってしまう事が有効であるが、ポリイミド等の樹脂性フィルムを用いた場合、熱伝導率が低いためヒータの熱を効率よくローラやベルト表面に伝達することができなくなり、定着ローラやベルト表面を定着可能な温度にする場合、セラミックヒータはその温度よりもはるかに高い温度で制御しなければならず、セラミックヒータのバックアップ部材や定着フィルムの耐熱温度を超える恐れがある。また、定着フィルムをSUS等熱伝導率の高い金属にした場合は、フィルムが高弾性であるため、フィルムを加圧した際の弾性変形により内面の平面形状のセラミックヒータに沿わずヒータの熱を効率よく加熱手段に伝達することができなくなってしまう。金属フィルムを用いてもヒータの加圧力を高くすれば金属フィルムの回転軌跡がヒータ形状に沿いヒータの熱を効率よくローラやベルト表面に伝えることができるが、ヒータ表面とフィルム内面の摺動によるダメージが大きく、耐久が進むとフィルムが回転しなくなる恐れがある。また、加圧力を高くすると定着部材へのダメージも大きく、弾性を有する低硬度のものでは破損する恐れもある。
また、発熱体の幅よりも十分に幅の小さい記録材を連続通紙した場合に記録材の通過しない非通紙部域において定着ローラや加圧ローラ、ヒータが昇温し続け、高温になるという問題もある。
上記問題を解決するために本出願に係わる第1の発明は
記録材に担持された未定着画像を、定着部材と加圧部材により形成された定着ニップを通過させることにより加熱定着させる加熱定着装置に於いて、上記定着部材を外部から表面加熱する加熱手段がカーボンヒータであり、上記カーボンヒータは上記定着部材に接触していることを特徴とする。
記録材に担持された未定着画像を、定着部材と加圧部材により形成された定着ニップを通過させることにより加熱定着させる加熱定着装置に於いて、上記定着部材を外部から表面加熱する加熱手段がカーボンヒータであり、上記カーボンヒータは上記定着部材に接触していることを特徴とする。
また、上記加熱手段であるカーボンヒータの形状は板状であることを特徴とする。
また、上記加熱手段の一方に上記カーボンヒータの放射光を反射する部材を設け、反射光がカーボンヒータに照射されることを特徴とする。
また、上記加熱手段の一方に上記カーボンヒータの放射光を反射する部材を設け、反射光が定着部材に照射されることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、定着部材を外部から加熱する手段として炭素系発熱体であるカーボンヒータを用い、それを定着部材に接触させながら加熱する事により、高い熱効率を達成し、且つカーボンヒータの持つ自己潤滑性により定着部材との摩擦抵抗が小さくすることができ、摺擦による定着ローラへのダメージを軽減し耐久性を向上させることができる。また、加熱定着装置の駆動トルクも小さくすることができるため、駆動モータの低コスト化も可能となる。また、カーボンヒータは負抵抗温度特性(NTC特性)を持ち、温度の上昇により抵抗値が低くなるという特徴をもっているため、高温となった部分での発熱量が小さくなり過剰な昇温が抑えられる。
(実施例1)
(1)画像形成装置例の説明
図1は本実施例における画像形成装置の構成略図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザプリンタである。
(1)画像形成装置例の説明
図1は本実施例における画像形成装置の構成略図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザプリンタである。
1は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。
感光ドラム1は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ2によって一様帯電される。
次に、その感光ドラム1の一様帯電面に対してレーザスキャナユニット3によりレーザビーム走査露光Lが施されて画像情報の静電潜像が形成される。感光ドラム1に対するレーザビーム走査露光Lは画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビームがレーザスキャナユニット3内で回転するポリゴンミラーにより反射されてなされる。
この静電潜像は現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、不図示の給紙機構部から所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム1上より転写される。ここで感光ドラム1上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するようにセンサ6にて記録材Pの先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム1と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。
このトナー像が転写された記録材Pは加熱定着装置7へと搬送され、定着される。
一方、感光ドラム1上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置8により感光ドラム1表面より除去される。
(2)加熱定着装置7
1)装置7の全体的構成
図2は加熱定着装置7の概略構成図である。9は加熱部材であり、加熱源としてのカーボンヒータ10により構成されている。12は定着部材であり、断熱性の高いローラである。16は加圧部材としての加圧ローラである。
(2)加熱定着装置7
1)装置7の全体的構成
図2は加熱定着装置7の概略構成図である。9は加熱部材であり、加熱源としてのカーボンヒータ10により構成されている。12は定着部材であり、断熱性の高いローラである。16は加圧部材としての加圧ローラである。
定着ローラ12には不図示の加圧バネにより加圧ローラ16側に加圧力がかかっており、それにより定着ニップN2を形成している。また、カーボンヒータ10も不図示の加圧バネにより定着ローラ側に加圧力がかかっており、それにより加熱ニップN1を形成している。
2)定着ローラ12
図3は定着ローラ12の断面図である。15aは芯金でありSUS、SUM、Al等の金属より形成されている。芯金12aの外側にには以下の方法により形成された断熱層12bが形成されている。断熱層12bとしては、シリコーンゴム組成物であり、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物100重量部に平均粒子径が500μm以下の中空フィラーを0.1〜200重量部配合してなるシリコーンゴム組成物を加熱硬化して形成される。ここで、中空フィラーとしては、硬化物内に気体部分を持つことでスポンジゴムのように熱伝導率を低下させるもので、マイクロバルーン材等があり、このような材料としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、フェノールバルーン、アクリロニトリルバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなど、いかなるものでもかまわない。無機系マイクロバルーンの具体例を以下に挙げるが本発明はこれらに限定されない。シラスバルーンとしては、イヂチ化成(株)製のウインライト(「ウインライト」は登録商標)、三機工業(株)製のサンキライト、ガラスバルーンとしては、日本板硝子(株)製のカルーン(「カル−ン\Caloon」は登録商標)、旭ガラス(株)製のセルスター、3M(株)製のグラスバブルズフィラー、シリカバルーンとしては、旭硝子(株)製のQ−CEL、フライアッシュバルーンとしては、PFAMARKETING(株)製のCEROSPHERES、アルミナバルーンとしては、昭和電工(株)製のBW、ジルコニアバルーンとしては、ZIRCOA(株)製のHOLLOW ZIRCONIUM SPHEES、カーボンバルーンとしては、呉羽化学(株)製クレカスフェアなどである。これらの中では、中空フィラー自体が弾性を有するもの、即ち、熱可塑性樹脂製中空バルーン、特に塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合物或いはこれらのうち、2種以上の共重合物などからなるものが好適である。さらには、熱膨張マイクロバルーン材として、松本油脂製薬株式会社の松本マイクロスフェア-Fシリーズ(「マツモト マイクロスフェアー」は登録商標)、エクスパンセル社のエクスパンセルシリーズ等(「エクスパンセル」は登録商標)を挙げることができ、熱膨張マイクロバルーンの場合には、未膨張の樹脂マイクロカプセルは通常その直径が約1〜50μmであり、これを適切な加熱温度で膨張させ直径が約10〜500μm程度のほぼ真球に近い球体とすることができる。また、中空フィラーの強度を持たせるため等の理由で、表面に無機フィラー等を付着させたものでもよい。この場合、シリコーンゴム組成物内で十分な熱伝導性の低下を行うには、中空フィラーの真比重が0.01〜1.0であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5である。但し、熱膨張マイクロバルーンを用いる場合には、未膨張時のマイクロバルーンの真比重は0.5〜1.4程度が好ましい。真比重が小さすぎると配合・取り扱いが難しいばかりか、中空フィラーの耐圧強度が不十分で成形時に破壊してしまい、軽量化、熱伝導率の低下ができなくなってしまう。また、比重が大きすぎると、中空フィラーの殻の厚さが大きく、熱伝導性の低下が十分とはならない場合が生じる。また、中空フィラーの平均粒子径は、500μm以下、好ましくは300μm以下で、平均粒子径が大きすぎると成形時の射出圧力により中空フィラーが破壊されてしまい、熱伝導率が高くなってしまったり、ロール成形後の表面の粗さが大きくなってしまうなどの問題が生じる。中空フィラーの平均粒子径の下限は特に制限されないが、通常、10μm、特に20μmである。なお、ここでの平均粒子径は、通常、レーザー光回折法による重量平均値(又はメジアン径)として求めることができる。上記中空フィラーの配合量は、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物100重量部に対し0.1〜200重量部であり、好ましくは0.2〜150重量部、より好ましくは0.5〜100重量部である。この場合、中空フィラーの熱定着ロール用シリコーンゴム組成物中での含有量が体積比で10〜80%、特に15〜75%となるように配合することが好ましい。体積割合が少なすぎると熱伝導率の低下が不十分で、また多すぎると成形、配合が難しいだけでなく成形物もゴム弾性のない脆いものとなってしまうおそれがある。また、熱膨張マイクロバルーンを未膨張でオルガノポリシロキサン組成物に混入させる場合には、マイクロバルーンが熱膨張することを考慮してオルガノポリシロキサン組成物100重量部に対して未膨張のマイクロバルーンを0.1〜10重量部程度混入、加熱硬化させることで断熱性の良好な断熱層を形成できる。
図3は定着ローラ12の断面図である。15aは芯金でありSUS、SUM、Al等の金属より形成されている。芯金12aの外側にには以下の方法により形成された断熱層12bが形成されている。断熱層12bとしては、シリコーンゴム組成物であり、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物100重量部に平均粒子径が500μm以下の中空フィラーを0.1〜200重量部配合してなるシリコーンゴム組成物を加熱硬化して形成される。ここで、中空フィラーとしては、硬化物内に気体部分を持つことでスポンジゴムのように熱伝導率を低下させるもので、マイクロバルーン材等があり、このような材料としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、カーボンバルーン、フェノールバルーン、アクリロニトリルバルーン、塩化ビニリデンバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、シラスバルーンなど、いかなるものでもかまわない。無機系マイクロバルーンの具体例を以下に挙げるが本発明はこれらに限定されない。シラスバルーンとしては、イヂチ化成(株)製のウインライト(「ウインライト」は登録商標)、三機工業(株)製のサンキライト、ガラスバルーンとしては、日本板硝子(株)製のカルーン(「カル−ン\Caloon」は登録商標)、旭ガラス(株)製のセルスター、3M(株)製のグラスバブルズフィラー、シリカバルーンとしては、旭硝子(株)製のQ−CEL、フライアッシュバルーンとしては、PFAMARKETING(株)製のCEROSPHERES、アルミナバルーンとしては、昭和電工(株)製のBW、ジルコニアバルーンとしては、ZIRCOA(株)製のHOLLOW ZIRCONIUM SPHEES、カーボンバルーンとしては、呉羽化学(株)製クレカスフェアなどである。これらの中では、中空フィラー自体が弾性を有するもの、即ち、熱可塑性樹脂製中空バルーン、特に塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合物或いはこれらのうち、2種以上の共重合物などからなるものが好適である。さらには、熱膨張マイクロバルーン材として、松本油脂製薬株式会社の松本マイクロスフェア-Fシリーズ(「マツモト マイクロスフェアー」は登録商標)、エクスパンセル社のエクスパンセルシリーズ等(「エクスパンセル」は登録商標)を挙げることができ、熱膨張マイクロバルーンの場合には、未膨張の樹脂マイクロカプセルは通常その直径が約1〜50μmであり、これを適切な加熱温度で膨張させ直径が約10〜500μm程度のほぼ真球に近い球体とすることができる。また、中空フィラーの強度を持たせるため等の理由で、表面に無機フィラー等を付着させたものでもよい。この場合、シリコーンゴム組成物内で十分な熱伝導性の低下を行うには、中空フィラーの真比重が0.01〜1.0であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5である。但し、熱膨張マイクロバルーンを用いる場合には、未膨張時のマイクロバルーンの真比重は0.5〜1.4程度が好ましい。真比重が小さすぎると配合・取り扱いが難しいばかりか、中空フィラーの耐圧強度が不十分で成形時に破壊してしまい、軽量化、熱伝導率の低下ができなくなってしまう。また、比重が大きすぎると、中空フィラーの殻の厚さが大きく、熱伝導性の低下が十分とはならない場合が生じる。また、中空フィラーの平均粒子径は、500μm以下、好ましくは300μm以下で、平均粒子径が大きすぎると成形時の射出圧力により中空フィラーが破壊されてしまい、熱伝導率が高くなってしまったり、ロール成形後の表面の粗さが大きくなってしまうなどの問題が生じる。中空フィラーの平均粒子径の下限は特に制限されないが、通常、10μm、特に20μmである。なお、ここでの平均粒子径は、通常、レーザー光回折法による重量平均値(又はメジアン径)として求めることができる。上記中空フィラーの配合量は、熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物100重量部に対し0.1〜200重量部であり、好ましくは0.2〜150重量部、より好ましくは0.5〜100重量部である。この場合、中空フィラーの熱定着ロール用シリコーンゴム組成物中での含有量が体積比で10〜80%、特に15〜75%となるように配合することが好ましい。体積割合が少なすぎると熱伝導率の低下が不十分で、また多すぎると成形、配合が難しいだけでなく成形物もゴム弾性のない脆いものとなってしまうおそれがある。また、熱膨張マイクロバルーンを未膨張でオルガノポリシロキサン組成物に混入させる場合には、マイクロバルーンが熱膨張することを考慮してオルガノポリシロキサン組成物100重量部に対して未膨張のマイクロバルーンを0.1〜10重量部程度混入、加熱硬化させることで断熱性の良好な断熱層を形成できる。
上記熱硬化性オルガノポリシロキサン組成物には、その他の成分として、必要に応じて、シリカ微粒子、炭酸カルシウムのような充填剤、補強剤となるシリコーン系のレジン、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤、連泡化剤としてのトリエチレングリコール等を配合することは任意とされる。
ここで、本発明のシリコーンゴム組成物は、その硬化物(シリコーンゴム)の熱伝導度が0.2W/m・K以下、特に0.15W/m・K以下であることが好ましく、かかる熱伝導度を達成するように配合組成を調整することが好ましい。
また、断熱層12bであるシリコーン組成物は熱分解方発泡剤を添加する方法や硬化時に副生する水素ガスを発泡剤として発泡体を形成する方法などにより形成する発泡シリコーンゴムであっても良い。また、断熱層12bとしては高加圧に耐えられるような多孔質のセラミックであっても良い。
また、上記定着ローラ12の外表面には離型性層12cが被覆してあっても良い。離型性層12cとしては、長期間に渡り加熱手段9により加熱され、記録材から多数回の摩擦を受け、さらにトナーに曝される。このため、離型性層12cには、良好な耐熱性、摺動性、トナー離型性が要求される。このような要求を満たす好ましい材料としての例としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、液晶ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。フッ素系樹脂としては、フッ素系樹脂コーティング剤やフッ素系樹脂チューブなどにより形成され、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレンポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)等を挙げることができる。コーティングとしては、ラテックスやダイエルラテックス(ダイキン工業社製、フッ素系ラテックス)、ディスパージョンによるディッピング塗工、スプレー塗工等、定着ローラ12の表面に被覆するどのような方法であっても良い。
3)加圧ローラ16
加圧部材としての加圧ローラ16も上記定着ローラと同様にSUS、SUM、Al等の金属製芯金16aの外側にシリコーンゴムやシリコーンゴムを発泡して形成したシリコーンスポンジゴム、シリコーンゴム中に中空フィラー、ガラスビーズなどを含有させたバルーンゴムまたは多孔質のセラミックによる断熱層16bを形成し、この上にPFA、PTFE、FEPなどの離型性層を形成してあっても良い。
加圧部材としての加圧ローラ16も上記定着ローラと同様にSUS、SUM、Al等の金属製芯金16aの外側にシリコーンゴムやシリコーンゴムを発泡して形成したシリコーンスポンジゴム、シリコーンゴム中に中空フィラー、ガラスビーズなどを含有させたバルーンゴムまたは多孔質のセラミックによる断熱層16bを形成し、この上にPFA、PTFE、FEPなどの離型性層を形成してあっても良い。
加圧ローラ16の金属芯金16aの長手方向端部より、不図示の駆動手段により回転駆動される。
4)加熱部材
定着ローラを外部から加熱する加熱部材は図2に示されるように炭素系発熱体である板状のカーボンヒータ10、カーボンヒータ10の定着ローラ12と接しない側の放射光を反射させる反射板11からなる。カーボンヒータ10は例えば下記のような製造方法により得られる。すなわち、塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社製 T-741)33重量%に天然黒鉛微粉末(日本黒鉛製 平均粒径5μm)1重量%、窒化硼素(信越化学工業製 平均粒径2μm)66重量%に、可塑剤としてジアリルフタレートモノマー20重量%を添加して、ヘンシェルミキサーを用いて分散した後、表面温度を120℃に保ったミキシング用2本ロールを用いて十分に混練を繰り返して組成物を得、ペレタイザーによってペレット化し、成形用組成物を得る。このペレットをスクリュー型押出機成型し、これを200℃に加熱されたエアオーブン中で10時間処理してプレカーサー(炭素前駆体)線材とした。次にこれを1×10-2Pa以下の真空中で1500℃で焼成して得られる。
定着ローラを外部から加熱する加熱部材は図2に示されるように炭素系発熱体である板状のカーボンヒータ10、カーボンヒータ10の定着ローラ12と接しない側の放射光を反射させる反射板11からなる。カーボンヒータ10は例えば下記のような製造方法により得られる。すなわち、塩素化塩化ビニル樹脂(日本カーバイド社製 T-741)33重量%に天然黒鉛微粉末(日本黒鉛製 平均粒径5μm)1重量%、窒化硼素(信越化学工業製 平均粒径2μm)66重量%に、可塑剤としてジアリルフタレートモノマー20重量%を添加して、ヘンシェルミキサーを用いて分散した後、表面温度を120℃に保ったミキシング用2本ロールを用いて十分に混練を繰り返して組成物を得、ペレタイザーによってペレット化し、成形用組成物を得る。このペレットをスクリュー型押出機成型し、これを200℃に加熱されたエアオーブン中で10時間処理してプレカーサー(炭素前駆体)線材とした。次にこれを1×10-2Pa以下の真空中で1500℃で焼成して得られる。
上記カーボンヒータ10により放射された熱は反射板11によって反射され、再びカーボンヒータ10によって吸収され、カーボンヒータ10の発熱を促す。そのためカーボンヒータ10で発熱した熱は定着ローラ12に伝達される。
(3)比較実験
上記構成において加熱定着装置の耐久性、定着器の駆動トルクおよび立ち上がり時間の評価を行った。本実験に於いては定着ローラ12、加圧ローラ16ともに以下のような構成とした。すなわち、外径12mmのSUM芯金に厚み3mmの中空フィラー含有シリコーンゴム層、さらに最表層には30μm厚のPFAチューブを被覆した。なお中空フィラーとしては、粒径80μmのアクリロニトリルバルーンをオルガノポリシロキサン組成物100重量部に対して30重量部、気泡が連結するようにトリエチレングリコールを微少量配合し、加熱硬化後の定着ローラ12および加圧ローラ16としては、弾性層部の熱伝導率を0.12W/m・Kとした。また、加熱ニップN1を形成するためにカーボンヒータ10を定着ローラ12に加圧する加圧力を3kgf、定着ニップN2を形成するために定着ローラ12を加圧ローラ16に加圧する加圧力を15kgfとした。比較例1として外部加熱手段が図4のようにセラミック基板上に発熱抵抗層を形成したヒータ13を接触加熱する構成のもの、比較例2として外部加熱手段が図5のように上記セラミックヒータ13をポリイミドフィルム14で覆った構成のものについて同様の評価を行った。
(3)比較実験
上記構成において加熱定着装置の耐久性、定着器の駆動トルクおよび立ち上がり時間の評価を行った。本実験に於いては定着ローラ12、加圧ローラ16ともに以下のような構成とした。すなわち、外径12mmのSUM芯金に厚み3mmの中空フィラー含有シリコーンゴム層、さらに最表層には30μm厚のPFAチューブを被覆した。なお中空フィラーとしては、粒径80μmのアクリロニトリルバルーンをオルガノポリシロキサン組成物100重量部に対して30重量部、気泡が連結するようにトリエチレングリコールを微少量配合し、加熱硬化後の定着ローラ12および加圧ローラ16としては、弾性層部の熱伝導率を0.12W/m・Kとした。また、加熱ニップN1を形成するためにカーボンヒータ10を定着ローラ12に加圧する加圧力を3kgf、定着ニップN2を形成するために定着ローラ12を加圧ローラ16に加圧する加圧力を15kgfとした。比較例1として外部加熱手段が図4のようにセラミック基板上に発熱抵抗層を形成したヒータ13を接触加熱する構成のもの、比較例2として外部加熱手段が図5のように上記セラミックヒータ13をポリイミドフィルム14で覆った構成のものについて同様の評価を行った。
それぞれの評価方法と結果について説明する。
1)耐久性
各構成において定着性が同等となるような条件に於いて通紙耐久を行った。記録材として坪量80g/m2の普通紙を用い、記録材搬送速度は200mm/sとした。結果を下表1に示す。
各構成において定着性が同等となるような条件に於いて通紙耐久を行った。記録材として坪量80g/m2の普通紙を用い、記録材搬送速度は200mm/sとした。結果を下表1に示す。
比較例1では定着ローラ12表面とセラミックヒータ13表面の摺擦により、定着ローラ12表面が受けるダメージが大きく、5000枚通紙した所で定着ローラ表面の離型性層12cに傷が付いてしまった。定着ローラ12表面は定着ニップN2においてトナー像と接するため離型性層12cの傷の部分にトナーが付着し、それが記録材上において不良画像として出てしまった。比較例2では定着ローラ12とセラミックヒータ13を覆っているポリイミドフィルム14が従動回転しているため定着ローラ12表面にダメージはほとんど無く、100000枚通紙後も定着ローラ12、加圧ローラ16、ポリイミドフィルム14等の部材の破損は見られなかった。また、本実施例においてはカーボンヒータ10と定着ローラ12が摺擦しているが、カーボンヒータ10が自己潤滑性を有しているため、摺擦による定着ローラ12へのダメージが軽減され、100000枚通紙後も定着ローラ12、加圧ローラ16、カーボンヒータ10等の部材の破損は見られなかった。
2)駆動トルク
各構成において加熱定着装置を駆動するためのトルクを測定した。各構成とも加圧ローラ16から駆動し、定着ローラ12は加圧ローラ16との摩擦力により従動回転している。本測定では加圧ローラ16を200mm/sの搬送速度で回転させた時の駆動トルクを測定した。結果を下表2に示す。
各構成において加熱定着装置を駆動するためのトルクを測定した。各構成とも加圧ローラ16から駆動し、定着ローラ12は加圧ローラ16との摩擦力により従動回転している。本測定では加圧ローラ16を200mm/sの搬送速度で回転させた時の駆動トルクを測定した。結果を下表2に示す。
比較例1ではセラミックヒータ13表面と定着ローラ12表面の間の摩擦力が非常に大きいため定着ローラ12を従動回転させるためには加圧ローラ16を駆動させるための駆動トルクが大きくなった。また、加圧ローラ16と定着ローラ12の間の摩擦力がセラミックヒータ13表面と定着ローラ表面12の間の摩擦力より小さくなってしまった場合、定着ローラ12が従動回転できずに記録材を搬送できなくなる恐れがある。比較例2ではセラミックヒータ13表面にポリイミドフィルム14内面との摩擦力を低減させるために耐熱性の潤滑グリスを塗布している。そのため、定着ローラ12がポリイミドフィルム14を従動回転させるために要する力は小さい。したがって、加圧ローラ16の駆動トルクは小さかった。また、本実施例においては定着ローラ12はカーボンヒータ10と摺擦しながら回転しているが、カーボンヒータ10が自己潤滑性を有しているため、カーボンヒータ10と定着ローラ12の摩擦力は小さい。したがって、加圧ローラ16の駆動トルクは小さかった。
3)立ち上がり時間
それぞれの構成において熱効率の良さを表す指標の一つである立ち上がり時間について比較を行った。各構成において加熱ヒータに800Wの電力を投入した場合に定着ローラ12表面が200℃に到達するまでの時間を測定した。結果を表3に示す。
それぞれの構成において熱効率の良さを表す指標の一つである立ち上がり時間について比較を行った。各構成において加熱ヒータに800Wの電力を投入した場合に定着ローラ12表面が200℃に到達するまでの時間を測定した。結果を表3に示す。
比較例1においてはヒータの熱を効率よく定着ローラ12に伝えているため、200℃に達する時間が5.3秒であるのに対し、比較例2ではセラミックヒータ13から熱伝導性の低いポリイミドフィルム14を介して定着ローラ12を温めているためポリイミドフィルム14を介していない比較例1よりも立ちあがり時間が1秒以上も遅くなっている。一方本実施例ではカーボンヒータ10を直接接触させていることにより効率よく定着ローラ12に伝えているため比較例1と比較しても大きく劣ることはなかった。
4)非通紙部昇温
それぞれの構成において非通紙部の昇温状態を比較するために加熱定着す装置の最大通紙幅より十分幅の狭い記録材を連続プリントした時の非通紙域の定着ローラ12の温度を測定した。本実験では加熱定着装置の最大通紙幅は216mmであるのに対し、幅104.8mmの封筒を連続プリントした時の定着ローラの温度12を測定した。結果を表4に示す。
それぞれの構成において非通紙部の昇温状態を比較するために加熱定着す装置の最大通紙幅より十分幅の狭い記録材を連続プリントした時の非通紙域の定着ローラ12の温度を測定した。本実験では加熱定着装置の最大通紙幅は216mmであるのに対し、幅104.8mmの封筒を連続プリントした時の定着ローラの温度12を測定した。結果を表4に示す。
比較例1および比較例2では発熱体としてセラミックヒータ13を用いているが、セラミックヒータ13は負抵抗温度特性を有していないため非通紙域で温度が上昇しているにも関らず抵抗値が低下するわけでは無い。そのため、非通紙域の発熱量は中央部の通紙域と同様の発熱量となり、記録材に熱が奪われないために非通紙域の温度が高温になってしまった。一方、本実施例ではカーボンヒータ10が負抵抗温度特性を有しており、温度が高くなるほど抵抗値が低下する。したがって、非通紙域で温度が高くなった位置においてカーボンヒータの抵抗値が低下し、発熱量も小さくなる。すなわち定着ローラの温度を均一に保つように作用するため非通紙域に於いて昇温が抑えられた。
(4)まとめ
以上の3つの比較実験を簡単にまとめたものを下表4に示す。
以上の3つの比較実験を簡単にまとめたものを下表4に示す。
表4から分かるように比較例1では耐久性、駆動トルクにおいて、比較例2では熱効率において満足のいく結果は得られなかった。一方、本実施例では耐久性、駆動トルク、熱効率ともに良好な結果が得られた。更に非通紙部昇温においても優れた特性を示した。
(実施例2)
本実施例の加熱定着装置の構成を図6に示す。前記実施例1ではカーボンヒータ10の定着ローラ12と接触しない面から放射される熱は反射板11により再度カーボンヒータ10に照射されカーボンヒータ10を温めていた。本実施例では定着ローラ12と接触しない面から放射される熱を反射板11により定着ローラ12表面に照射し、定着ローラ12表面を加熱する事を特徴とする。
本実施例の加熱定着装置の構成を図6に示す。前記実施例1ではカーボンヒータ10の定着ローラ12と接触しない面から放射される熱は反射板11により再度カーボンヒータ10に照射されカーボンヒータ10を温めていた。本実施例では定着ローラ12と接触しない面から放射される熱を反射板11により定着ローラ12表面に照射し、定着ローラ12表面を加熱する事を特徴とする。
図6において、前記実施例1で示した図2の同一符号の部材に関しては同様の部材、機能であるため説明を省く。
本実施例では図6のように反射板11の形状を、カーボンヒータ10から放射された熱が再びカーボンヒータ10に照射されず定着ローラ12に照射されるようにする。以上のようにすることにより接触加熱による加熱ニップと非接触加熱による加熱ニップを加えて加熱ニップ幅N1が格段に広くなる。本構成では接触加熱の方が熱を効率的に定着ローラ12に伝達することができるため、実施例1のように接触加熱でのみ熱を定着ローラに供給する方が熱効率は良いが、平面のカーボンヒータ10と曲面の定着ローラ12の接触面積は限度がある。接触による熱の移動は物体間の温度差と接触面積に比例するため、更に熱を供給するためにはカーボンヒータの温度を上げる必要がある。しかしながら、カーボンヒータを保持する部材や電力を供給するための電極などの耐熱性が問題となりカーボンヒータの上限温度も規制され熱を十分に供給されない恐れがある。本実施例2では接触加熱と同時に非接触加熱によっても定着ローラに熱を供給しているためカーボンヒータの温度を抑えつつ十分に定着ローラに熱を供給することが可能となる。
なお、反射板の形状は図6のような形状に限定されず、図7のようなM型形状など、定着ローラ12と接触しない側のカーボンヒータ10の放射熱を効率的に定着ローラ12に照射するような形状であればどのような形状でも良い。
以上のように本実施例では接触加熱に加えてカーボンヒータの定着ローラと接触しない側の放射光を定着ローラに照射し非接触加熱を行うことにより、より多くの熱を定着部材に与えることができる。
10 カーボンヒータ
11 反射板
12 定着ローラ
16 加圧ローラ
11 反射板
12 定着ローラ
16 加圧ローラ
Claims (4)
- 記録材に担持された未定着画像を、定着部材と加圧部材により形成された定着ニップを通過させることにより加熱定着させる加熱定着装置に於いて、上記定着部材を外部から表面加熱する加熱手段がカーボンヒータであり、上記カーボンヒータは上記定着部材に接触していることを特徴とする加熱定着装置。
- 上記加熱手段であるカーボンヒータの形状は板状であることを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置。
- 上記加熱手段の一方に上記カーボンヒータの放射光を反射する部材を設け、反射光がカーボンヒータに照射されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱定着装置。
- 上記加熱手段の一方に上記カーボンヒータの放射光を反射する部材を設け、反射光が定着部材に照射されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱定着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009118217A JP2010266702A (ja) | 2009-05-15 | 2009-05-15 | 加熱定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009118217A JP2010266702A (ja) | 2009-05-15 | 2009-05-15 | 加熱定着装置 |
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Family Applications (1)
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JP2009118217A Pending JP2010266702A (ja) | 2009-05-15 | 2009-05-15 | 加熱定着装置 |
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-
2009
- 2009-05-15 JP JP2009118217A patent/JP2010266702A/ja active Pending
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