JP2673959B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2673959B2
JP2673959B2 JP63091270A JP9127088A JP2673959B2 JP 2673959 B2 JP2673959 B2 JP 2673959B2 JP 63091270 A JP63091270 A JP 63091270A JP 9127088 A JP9127088 A JP 9127088A JP 2673959 B2 JP2673959 B2 JP 2673959B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、加熱溶融性のトナーを用いて転写材上に画
像を形成し、これを加熱定着処理する画像形成装置に用
いられる定着装置に関する。
[従来の技術] 従来、この種の装置に用いられている定着装置は、所
定の温度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該
加熱ローラに圧接する加圧ローラとによって、未定着の
トナー画像が形成された転写材を挟持搬送しつつ加熱す
るローラ定着方式が多用されている。しかしながら、こ
の種の装置では、加熱ローラにトナーが転移するいわゆ
るオフセット現象を防止するために、加熱ローラを最適
な温度に維持する必要があり、加熱ローラあるいは加熱
体の熱容量を大きくしなければならなかった。すなわ
ち、加熱ローラは熱容量が小さい場合には、発熱体によ
る供給熱量との関係により通紙あるいは他の外的要因で
加熱ローラ温度が低温側あるいは高温側に大きく変動し
易くなる。低温側に変動した場合には、トナーの軟化溶
融不足によって、定着不良や低温オフセットを生じ、高
温側に変動した場合には、トナーが完全に溶融してしま
いトナーの凝集力が低下するために、高温オフセットを
生ずる。
かかる問題を回避するために、加熱ローラの熱容量を
大きくすると、加熱ローラを所定の温度まで昇温するた
めの時間が長くなり、装置の使用の際に待機時間が大き
くなるという別の問題が生ずる。
かかる問題を解決する方策として、米国特許第3,578,
797号に開示されているように、 トナー像が加熱体でその融点へ加熱して溶融し、 溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性とし、 トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウェブか
ら剥す、 という過程を経ることによって、オフセットを生ぜずに
定着する方法が知られている。
上記公知の方法では、これに加えて加熱体に対して、
トナー像及び転写材を加圧圧接することなしに加熱する
方式をとっているので、転写材を加熱する必要がなく他
の方法に較べてはるかに少ないエネルギーでトナーを溶
融できるとしている。しかしながら、周知のごとく加圧
圧接させることなく加圧体に接触した場合は、熱伝達効
率が低下し、トナーの加熱溶融に比較的長時間を要す
る。そこで特願昭47−25896号では、これに公知の加圧
圧接技術を付加して熱伝達効率の向上を図りトナーの加
熱溶融を短時間でしかも十分に行うことが提案されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、この特願昭47−25896号では、トナー
の加熱を比較的短時間でしかも十分行えるようにするた
めに、 一対の加熱体の間にトナー像及び転写材を加圧挟持さ
せて加熱し、 加熱を停止して後強制的に冷却する、 方式をとっているので、定着に要するエネルギーが大
きくなるという不都合を生ずる。すなわち、一対の加熱
体により加熱させることによりトナー像は上下から加熱
されるので一見効率的に考えられるが、逆にトナー像を
転写紙側から加熱するには、先づ転写材を十分に加熱す
ることが必要であり、そのためにかえって大きなエネル
ギーが必要となる。さらに、冷却工程においてはトナー
像を加熱する際に加熱昇温した転写材をも冷却しなけれ
ば分離できず、強制的な冷却手段が必要となっておりエ
ネルギーの無駄が大きい。
以上のように、一旦加熱したトナーを冷却した後に分
離することにより、高温オフセットを生ずることなく定
着する方式が提案されているが、上記のごとくの欠点を
伴うために実用化されていない。
上記2つの提案例では加熱体は加熱ローラ及びこれに
より送られるウェブと加熱ローラに内蔵された発熱源と
によって構成されていて加熱はウェブを介して行われ、
ウェブの搬送ローラとしての機能を有している。このた
め、発熱源への給電方法や温度検知素子の当接支持の形
態が複雑化し、また、温度制御の精度も悪くなりがちで
あった。さらには、温度検知素子が加熱ローラと摺動す
る構成では断線による過昇温が生じ易い等安全上の問題
もあった。しかし、上述2例の場合ともに比較的大きな
熱容量の加熱体を必要とするために、機内への放熱が増
大し、機内昇温が著るしくなるという不都合もあった。
本発明は、上述の従来装置の有していた問題点を解決
し、定着不良やオフセットを生ずることなく加熱体の熱
容量を小さくすることを可能とし、その結果、待機時間
や消費電力、さらには機内昇温の小さい画像形成装置の
ための定着装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的の達成のために、 支持部材に発熱体、保護層が順次形成された固定の加
熱体と、一方の面が上記加熱体の保護層と摺動し他方の
面が記録材上の未定着トナー像と接し記録材と共に移動
するフィルムとを有し、上記フィルムを介した上記加熱
体からの熱により未定着トナー像を記録材上に定着する
定着装置において、 記録材の移動方向に関して上記加熱体の保護層表面は
発熱体の部分が最も突出した凸形状である、 ことにより構成される。
[実施例] 以下、添付図面にもとづいて本発明の実施例を説明す
る。
先ず、本実施例としての定着装置が適用される画像形
成装置の概略構造を第1図に基づいて説明すると、1は
ガラス等の透明部材よりなる原稿載置台で、矢印a方向
に往復動して原稿を走査する。原稿載置台の直下には短
焦点小径結像素子アレイ2が配されていて、原稿載置台
1上に置かれた原稿像Gは照明ランプ7によって照射さ
れ、その反射光像は上記アレイ2によって感光ドラム3
上にスリット露光される。なおこの感光ドラム3は矢印
b方向に回転する。また4は帯電器であり、例えば酸化
亜鉛感光層あるいは有機半導体感光層3a等を被覆された
感光ドラム3上に一様に帯電を行なう。この帯電器4に
より一様に帯電されたドラム3は、素子アレイ2によっ
て画像露光が行なわれた静電画像が形成される。この静
電潜像は、現像器5により加熱で軟化溶融する樹脂等よ
り成るトナーを用いて顕像化される。一方、カセットS
内に収納されている記録材であるシートPは、給送ロー
ラ6と感光ドラム3上の画像と同期するようタイミング
をとって上下方向で圧接して回転される対の搬送ローラ
9によって、ドラム3上に送り込まれる。そして、転写
放電器8によって、感光ドラム3上に形成されているト
ナー像は、シートP上に転写される。その後、公知の分
離手段によってドラム3から分離されたシートPは、搬
送ガイド10によって本実施例の定着装置20に導かれ加熱
定着処理された後にトレイ11上に排出される。なお、ト
ナー像を転写後、ドラム3上の残留トナーはクリーナ12
によって除去される。
第2図は本実施例の上記定着装置20の拡大図である。
同図において54は加熱体であり、例えば幅160μm、長
さ(紙面に直角な方向の長さ)216mmで例えばTa2N等よ
り成り搬送方向に直角成分をもって配された線状もしく
は帯状の抵抗発熱帯28及びその両側に電極52を有し、さ
らにその表面に摺動保護層50として例えば、厚さ5μm
の膜状のPTFFをはじめとする弗素樹脂等で覆われてい
る。摺動保護層50の表面はシートPの移動方向に関して
抵抗発熱体28の部分が最も突出した凸形状となってい
る。抵抗発熱体28の上面には、絶縁層51を介して、サー
ミスタ等の温度検知素子51が配置されており、該素子の
検知した温度に応じて抵抗発熱体28への通電を制御する
ことにより、加熱体54の定着部における表面温度を所定
の値に維持している。そして、以上の部材は、発熱体支
持部材21により固定保持される、発熱体支持部材21は、
断熱性及び電気絶縁性を有するもの、例えばベークライ
トから成っている。耐熱を有する定着フィルム23は、ポ
リエステルを基材とし、耐熱処理を施した、例えば約6
μm厚に形成され、矢印C方向へ送り出し可能にフィル
ム送り出し軸24に巻回されている。上記定着フィルム23
は加熱体54の表面に当接し、曲率の大きな分離ローラ26
を介してフィルム巻取り軸27に巻き取られる。
一方、加圧ローラ22は、金属等より成る芯材上にシリ
コンゴム等より成る弾性層を有するものであり、駆動源
(図示せず)による駆動されて、搬送ガイド10によって
導かれた未定着トナー画像Tを有する転写材Pを、該転
写材Pの同一の速度で移動する定着フィルム23を介して
加熱体に密着させている。ここで、加圧ローラ22の搬送
速度は、画像形成時の搬送速度とほぼ同一であることが
好ましく、定着フィルム23の移動速度は、それに準ずる
値で設定される。
搬送ベルト32は、例えばEPDMから成り、加圧ローラ22
と分離搬送ローラ26の間でエンドレスに構成されてい
て、加熱体54と加圧ローラ22の圧接部Nから分離搬送ロ
ーラ26の位置の圧接部まで、転写材P上のトナー画像を
耐熱シート23に密着圧接させつつ、転写材を搬送する。
かかる構成の本実施例装置にあっては、転写紙P上の
加熱溶融性のトナーより成るトナー画像は先ず、耐熱性
ある定着フィルム23を介して、加熱体54によって上記圧
接部Nにて加熱され、完全に溶融される。しかる後、圧
接部Nから離れ、分離ローラ26に達する間に、トナー画
像は自然放熱して再び冷却固化し、曲率の大きな分離ロ
ーラ対26を通過した後に定着フィルム23は転写紙Pから
離れる。上述のように、トナーTは一旦完全に軟化溶融
した後、再び固化するので、トナーの凝集力が非常に大
きくなっていて、一団となって挙動することになる。ま
た、加熱された軟化溶融された際に加圧ローラ22によっ
て加圧されるため、トナー像Tの一部は転写材表層に浸
透してそのまま冷却固化しているので、定着フィルム23
にオフセットすることなく転写材P上に定着される。
本実施例において、定着工程中の圧接部Nにおける加
熱体54の表面温度は、トナー融点よりも十分高く、上記
表面温度とトナー融点との差は従来の熱ローラ定着に比
べて大きい。また、トナーが加熱される圧接部Nの幅は
従来の熱ローラ定着に比べて小さい。このような条件下
で定着する理由は、トナー画像に高熱量を短時間のみ加
えることにより、転写材Pをほとんど昇温させることな
く効率よくトナーを溶融させることができ、その結果、
定着工程中の消費電力を低減できるからである。ここ
で、本実施例において加圧ローラには熱源を設けず、ト
ナー像の加熱は上述のごとく高温に維持された加熱体に
より短時間のうちに行なわれるため、転写材Pの昇温が
極力抑えられているので、加熱後の冷却工程においては
転写材Pによってトナー像の冷却が行なわれる。
また、本実施例において、加熱体54が固定されている
ので、本実施例のように温度検知素子51を加熱体と容易
に一体に構成することができ、温度検知素子と加熱体表
面の摺動がないために両者の劣化がない。上記いずれの
場合においても加熱体の温度調整が安定するので、安全
上の問題にとらわれることなく従来の熱ローラ定着方式
に比べて表面温度を高く設定することができる。
このように本実施例は加熱体が未定着トナー像に対し
て発熱体の部分が最も突出した凸形状となっているの
で、発熱体の部分では突出部により記録材は加熱体とフ
ィルムを介して十分に密着し熱及び圧力が確実に未定着
トナー像に伝えられて良好な定着を行なうことができ、
発熱体部分の前後では加熱体表面はトナー像から離れて
いるのでトナー像が発熱体の部分に入る前、また出た後
で加熱体表面とフィルムを介して過度に接触することが
なく画像乱れを防止することができる。つまり本実施例
のように加熱体の表面を凸形状とすることで、画像乱れ
がなく定着性がアップされた良好な定着を行なうことが
できる。
第5図は、以上のごとくの本実施例の定着器を用いて
表面にトナー層を有する転写紙を搬送しつつ定着処理す
る場合の、トナー及び転写紙の温度(詳しくは、それぞ
れの断面方向の中央部の温度)の時間変化を計算により
求めたグラフである。なお定着条件は、以下の通りであ
る。
加熱条件:一定温度180℃に保たれた線状加熱体によ
り、8ms加熱される。
トナーの定着温度:125℃ フィルム:PET基材(厚さ6μm) トナー層の厚さ:20μm 転写紙の厚さ:100μm 室温:20℃ 本実施例ではトナーの定着温度125℃よりはるかに高
い180℃に保たれた加熱体により加熱処理を行なうため
短時間の加熱によってトナーは定着温度を越えて十分に
加熱され良好な定着性が得られる。
一方、転写紙の昇温は極めて小さく、従来の熱ローラ
定着に比べてエネルギーの無駄が少ない。さらに、本実
施例では加熱時間や加熱体の温度が変動して過剰なエネ
ルギーが与えられた場合でも、高温オフセットの発生が
なく、許容範囲が広い。
これに対し、第6図は、従来の定着器を用いて表面に
トナー層を存する転写紙を搬送しつつ定着処理する場合
の比較例である。なお、定着条件は、一定温度150℃に
保たれた定着ローラにより40ms加熱されるという点以外
は第5図の実施例の場合と同様である。
熱ローラ定着方式を用いたこの従来例では、定着ロー
ラ表面温度をトナーの定着温度より著しく高くしてしま
うと、トナーが過剰に溶融し定着ローラに付着する、い
わゆる高温オフセットを生ずるので、定着ローラ温度は
トナーの定着温度に対してわずか高めの温度に留める必
要がある。そのため、従来例ではトナーを十分な定着性
が得られるまで加熱するには40msという長い時間を要す
る。その結果、トナーの下部に位置する転写紙への熱伝
導が大きくなり、昇温が極めて大きくエネルギーの無駄
も大きい。また、定着ローラ表面温度の最適範囲が狭
く、高精度の制御が必要であった。
また、本実施例において、電極25対が加熱体54の長手
方向にわたってそれぞれ一体に構成されているため、長
手方向の一端から給電可能である。そして加熱体が固定
されているので該加熱体への給電は極めて容易となる。
さらに本実施例においては、従来の熱ローラ定着にお
いては発熱体がハロゲンランプ、そして加熱体が定着ロ
ーラというように発熱体と加熱体が大きな空間を隔てて
別々に配置されていたのに対し、発熱体と加熱体が一体
に構成され、発熱体により、薄い保護膜50と定着フィル
ム23を介して直接トナー画像を加熱するようのなってお
り、しかも、加熱体は小型化のもので十分であるため、
熱容量が小さくなる。したがって通電開始と同時に加熱
体が昇温を始めるので、従来の熱ローラ定着の場合不可
避であった通電開始から加熱体表面の昇温までの大きな
遅れが極めて小さくなり昇温速度が極めて大きくなる。
したがって画像形成時において、加熱体54より上流側
に配置された転写材検知アーム25の位置に転写材Pが到
達した時に発熱体28に通電を開始しても、転写材Pが圧
接部Nに達するまでの時間内に加熱体表面温度を定着温
度まで上昇させることが十分に可能であるので、非画像
形成時に発熱体28に通電していなくとも定着器のウエイ
ト時間は実質的にないのに等しい。かくして、非画像形
成時の消費電力を低減できると共に機内昇温も防止でき
ることとなる。
また、かかる本実施例では、定着フィルム23として薄
くて安価なポリエステルフィルムを基に耐熱処理を施し
たものを用いることが可能なので、第2図のごとく定着
フィルム23は巻取り方式で使用後に交換する形態を採る
ことができる。すなわち、所定長さのフィルムを巻いた
ロールをフィルム送り出し軸24にセットし、加熱体と加
圧ローラ及び分離ローラ対の間を通して巻取り軸27にフ
ィルムの先端を固定する。かかる方式を採った場合は、
定着フィルムセンサーアーム30とセンサー(図示せず)
で定着フィルムの残量を検出してフィルムが終端近くな
った場合に使用者に警告表示ないしは警告音で定着フィ
ルムの交換を促すようにするのがよい。そして、定着フ
ィルム23の交換の際には、加熱体と加圧ローラ、分離ロ
ーラ対とをそれぞれ離間させるように、回転軸31を中心
に第3図のごとく開閉可能にすることが望まれる。本実
施例では、定着フィルム23を上記のごとく巻取り交換方
式で、定着フィルムの耐久性に関係なく、薄膜化するこ
とが可能となり、低電力化することができる。
また、本実施例では前述のごとく定着フィルムへのオ
フセットが生じないので、定着フィルムの熱変形や劣化
が小さければ、巻取った定着フィルムを再び使用するこ
とが可能であり、自動的に巻戻したりあるいは巻取側と
送出側とを交換するなどして複数回使用しても良い。
次に、本実施例装置による実験結果を具体的数値をも
って示す。キヤノン株式会社製PPC PC−30(商品名)用
のワックス系トナーを用いて、トナー画像Tを形成し、
幅1mmの圧接部Nにおける加熱体表面温度が180℃になる
ように温度制御しつつ、定着処理速度50mm/secで定着テ
ストを行なったところ、実用上全く問題のない画像が得
られた。本具体例では、トナーの最低定着温度と加熱体
の設定温度との差と加熱時間を前述の説明よりもさらに
大きくして、高温オフセットの発生有無を検証した。
本実施例で使用されたトナーの融点は約80℃であるの
で、圧接部Nにおいてトナー層Tの温度は、従来高温オ
フセットを生ずると言われている温度を超える。しかし
前述のごとく、再度十分に冷却固定化した後に耐熱シー
ト23と転写材Pとが離れるのでオフセットは生じない。
すなわち、本実施例では加熱体の設定温度に関し、従来
の熱ローラ定着より特に高温側に許容幅が広く、加熱体
の温度調節が容易である。
第4図は、本発明に係る画像形成装置に適用される参
考例としての加熱定着装置の断面図である。なお、前出
の実施例と共通部分には同一符号を付し、その説明は省
略する。
本参考例では、前出の有端定着フィルム23の代わりに
耐熱性の無端状のフィルムを採用しており、この無端定
着フィルム40は何度も加熱され、かつトナー層Tとの接
触も繰り返される。このため、耐熱性・機械的強度に優
れた基材として25μm厚のポリイミド樹脂を用いて、そ
の外周面には離型性の高い弗素樹脂等より成る離型層を
設けた複合材で、上記フィルムを形成している。上記無
端定着フィルム40は、駆動軸41によって転写材の搬送速
度と同一の周速度となるように駆動され、回転自在軸43
とともに、上記無端定着フィルム40に張力を与えるよう
に付勢されたアイドラー42とによって緊張されつつ回転
駆動される。
本参考例においては、加熱体54の発熱体層としてチタ
ン層バリウム等のPTC発熱体層60を用いており、正の抵
抗温度係数を有しているので、通電発熱させ抵抗層がキ
ューリー温度付近に達すると急激に抵抗が増大して発熱
量が低下するので、抵抗層の物質固有の温度に自己温度
制御される。加熱体54によりトナー像Tに加圧ローラ22
にとの圧接幅Nにおいて有効に加熱されている。また、
本参考例では、耐熱性の無端フィルム40の耐久性を得る
ために前出の実施例に比べて厚いものを使用しているの
で、加熱体からトナー像への熱伝達が若干劣ることにな
り、そのため、入口側において耐熱無端フィルム40を予
備加熱する部分(M)を設けている。したがって、加熱
体の加熱部は転写材の入口側の方が出口側よりも長くな
るように構成されている。
また、本参考例で用いたPTC発熱体層60は熱容量がや
や大きくなるので予め加熱する必要があるが、数秒で昇
温するので、画像形成開始とともに加熱を開始しても、
転写紙上にトナー像が形成され、転写材の定着工程が始
まるまでには十分に昇温するので、画像形成装置として
は待時間は不要ないしは短かくすることができる。
かかる本参考例によれば、 耐熱性、機械的強度に優れた基材を用いて離型性に優
れた材料を複合化しな耐久性のある無端定着フィルムを
用いているので、装置構成を簡略化できるとともに低コ
スト化が可能となる。
加熱体を固定支持して使用する方式であるので、形状
的な制約が大きい反面、自己温度制御性を有するPTC発
熱体を用いることができ、加熱体の温度制御がさらに容
易となる。
また、繰り返し使用に対処するために、無端定着フィ
ルム40上に付着した紙粉等を除去するためにクリーニン
グ部材を設けてもよく、あるいはアイドラー42をクリー
ニングローラとして用いることもできる。
また、同時にフェルトパッドに若干の離型剤、例えば
シリコーンオイルを含浸させて、これを無端定着フィル
ム40に当接させるなどして離型性をさらに向上させても
よい。さらに、本参考例では絶縁性の弗素樹脂を用いて
いるので、トナー画像を撹乱する静電気が無端定着フィ
ルムに発生し易いので、これに対処するために接地した
除電ブラシで除電するのがよい。ここで接地せずにブラ
シにバイアス電圧を印加してトナー像を撹乱しない範囲
で、無端定着フィルムを帯電させてもよい。さらに定着
フィルム自体に導電性の粉体繊維、例えばカーボンブラ
ック等を添加して、上述の静電気による画像乱れを防止
するのも一策である。また、加圧ローラの除帯電及び導
電化に関しても同様の手段により行なうことができる。
また、帯電防止剤等の塗布や、添加を行なってもよい。
本発明は以上の実施例にて電子写真方式を用いた複写
装置に適用された場合について説明されたが、本発明は
これに限定されることなく、レーザービームプリンタ等
の加熱により軟化溶融するトナーを用いた画像形成装置
に適用可能であり、特に待時間を必要とせずに加熱定着
処理することが可能であるので、ファクシミリの出力装
置としても好適に用いられる。
[発明の効果] このように本発明は、加熱体が未定着トナー像に対し
て発熱体の部分が最も突出した凸形状となっているの
で、発熱体の部分では突出部により記録材は加熱体とフ
ィルムを介して十分に密着し熱及び圧力が確実に未定着
トナー像に伝えられて良好な定着を行なうことができ、
発熱体部分の前後では加熱体表面はトナー像から離れて
いるのでトナー像が発熱体の部分に入る前、また出た後
で加熱体表面とフィルムを介して過度に接触することが
なく画像乱れを防止することができる。つまり、このよ
うな加熱体の表面を凸形状とすることで、画像乱れがな
く定着性がアップされた良好な定着を行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての定着装置を用いた画
像形成装置の概要構成を示す断面図、第2図は第1図の
定着装置の拡大断面図、第3図は第2図装置の定着フィ
ルム交換時における断面図、第4図は本発明に係る参考
例としての定着装置の断面図、第5図は第1図装置にお
ける、加熱工程での加熱体、トナー像、転写材の温度変
化図、第6図は従来装置における同様の温度変化図であ
る。 3……感光ドラム 20……加熱定着手段 22……加圧ローラ 23,40……定着フィルム 28……発熱体 50……保護層 54……加熱体 P……転写材 T……トナー像
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−122667(JP,A) 特開 昭59−68766(JP,A) 特開 昭56−123579(JP,A) 実開 昭55−79346(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持部材に発熱体、保護層が順次形成され
    た固定の加熱体と、一方の面が上記加熱体の保護層と摺
    動し他方の面が記録材上の未定着トナー像と接し記録材
    と共に移動するフィルムとを有し、上記フィルムを介し
    た上記加熱体からの熱により未定着トナー像を記録材上
    に定着する定着装置において、 記録材の移動方向に関して上記加熱体の保護層表面は発
    熱体の部分が最も突出した凸形状であることを特徴とす
    る定着装置。
JP63091270A 1987-06-16 1988-04-15 定着装置 Expired - Lifetime JP2673959B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63091270A JP2673959B2 (ja) 1988-04-15 1988-04-15 定着装置
EP88305483A EP0295901B1 (en) 1987-06-16 1988-06-16 An image fixing apparatus
DE3854801T DE3854801T2 (de) 1987-06-16 1988-06-16 Bildfixiergerät
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