JP2016521355A - 地点観測を使用して天気予報を精密化する方法及びシステム - Google Patents

地点観測を使用して天気予報を精密化する方法及びシステム Download PDF

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Abstract

特定の場所及び時間における気象事象の実際の観測を利用することにより、より正確な天気予報を生成する方法、装置、及び非一時的なコンピュータ読取り可能記憶媒体が提供される。例えば、観測データはユーザ装置から受信され、ユーザが観測した気象事象を示す情報を含んでいる。それに代えて、又はそれに加えて、観測データは、特定の場所に配置された1つ又は複数のセンサで自動的に生成され、観測を検出すると自動的に中央のサーバに送信されることもできる。観測データを使用して、観測された事象が発生したその特定の場所に対応する、又はその他の形で関連する場所の天気予報を予測することができる。【選択図】 図1A

Description

[0002]本明細書に開示される主題は、一般には、天気予報を生成する方法に関する。より詳細には、本開示の主題は、天気予報を生成するソフトウェアアプリケーションに関する。
関連出願の相互参照
[0001]本願は、本願の出願人に共有され、共同で発明された、2013年4月4日に出願された米国特許出願第13/856,923号、2013年6月20日に出願された米国特許出願第13/922,800号、2013年7月22日に出願された米国特許出願第13/947,331号、2013年6月26日に出願された米国仮出願第61/839,675号、2013年6月16日に出願された米国仮出願第61/835,626号、及び、2013年6月19日に出願された米国仮出願第61/836,713号に対する優先権を主張し、それらの全開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
[関連する従来技術]
[0003]天気予報を生成するシステムで現在利用可能なものはプッシュ型のシステムしかない。すなわち、システムがセンサやデータベース等から情報を収集し、その情報に基づいて天気予報を生成し、その天気予報をユーザにプッシュする。
[0004]ユーザはしばしば予報が自分の所在地には正確でないと感じ、予報の生成者は、自分が生成した予報が本当に正確であるかどうかを判断する手段を持たない。
[0005]当市場では、天気予報が生成される対象区域にいる、場合によってはユーザでもある観測者から情報をプルすることにより天気予報の正確度を向上させる助けとすることが必要とされている。
[0006]コンピュータによって実施される方法を提供することができ、この方法は、遠隔の装置から、第1の場所及び第1の時間に関連付けられた気象に関連する観測データを受信するステップであって、気象に関連する観測データは、第1の場所及び第1の時間に関連付けられた気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含む、ステップと、気象に関連する観測データに基づいて、第2の場所及び第2の時間に関連付けられた天気予報を生成するステップと、天気予報を遠隔の装置に出力するステップとを含む。
[0007]実施形態によっては、上記方法は、第2の場所の画像を形成するステップを含むことができ、画像は天気予報値に関連付けられた画素を含む。
[0008]実施形態によっては、上記方法は、第2の場所の少なくとも2つの画像を形成するステップを含むことができ、画像は各々異なる時間に関連付けられている。
[0009]実施形態によっては、気象関連事象は、雹、風、稲妻、温度、降水、及び日光の強度、の少なくとも1つからなることができる。
[0010]実施形態によっては、上記方法は、気象に関連する観測データに基づいて、画素に関連付けられた天気予報値に変更を加えるステップを含むことができる。
[0011]実施形態によっては、気象関連事象は、遠隔の装置を操作するユーザによって観測され、ユーザが遠隔の装置から気象に関連する観測データを送信させる。
[0012]実施形態によっては、遠隔の装置は、気象関連事象の観測を検出すると、気象に関連する観測データを自動的に送信することができる。
[0013]実施形態によっては、上記方法は、第2の遠隔の装置から、第3の場所及び第3の時間に関連付けられた第2の気象に関連する観測データを受信するステップを含むことができ、第2の気象に関連する観測データは、第3の場所及び第3の時間に関連付けられた気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含み、第2の場所及び第2の時間に関連付けられた天気予報は、第1の場所及び第1の時間に関連付けられた気象に関連する観測データと、第3の場所及び第3の時間に関連付けられた第2の気象に関連する観測データとの両方に基づいて生成される。
[0014]実施形態によっては、上記方法は、受信された気象に関連する観測データを記憶するステップと、記憶された気象に関連する観測データについての統計を生成するステップであって、統計は、天気予報を受信した遠隔の装置の数を示す情報を含む、ステップと、統計の少なくとも一部を遠隔の装置に出力するステップとを含むことができる。
[0015]実施形態によっては、上記方法は、気象に関連する観測データを事前に記憶された気象データと比較するステップと、比較に基づいて、天気予報の生成に影響する、気象に関連する観測データの重みを決定するステップとを含むことができる。
[0016]実施形態によっては、上記方法は、遠隔の装置に関連付けられる信用性の評価を生成するステップと、信用性の評価に基づいて、天気予報の生成に影響する、遠隔の装置から受信された気象に関連する観測データの重みを決定するステップとを含むことができる。それに加えて、又はそれに代えて、1つ又は複数の遠隔の装置を操作している、又はその他の形で1つ又は複数の遠隔の装置に関連付けられているユーザに信用性の評価を割り当てることもできる。
[0017]他の実施形態では、天気予報を精密化する方法を提供することができ、この方法は、特定の位置及び所与の時間における気象に関連する観測結果を取得するステップと、その気象に関連する観測結果を使用して、地球上の特定の地域のグリッド画像を形成するステップであって、グリッド画像は画素からなり、各画素は値を有し、その値は気象値に対応し、その気象値は天気予報に対応する、ステップとを含み、グリッド画像を形成するステップは、複数のグリッド画像を形成することを含み、各グリッド画像はある瞬時に対応する。
[0018]さらに、所与の時間の特定の位置における気象関連事象の存在を予想する方法も提供することができる。実施形態によっては、この方法は、その特定の位置及び所与の時間における気象関連事象の気象に関連する観測結果を取得するステップと、気象に関連する観測結果に基づいて、グリッド画像中の気象値を変更又は確定するステップと、変更又は確定後の気象値を使用して天気予報を生成するステップとを含むことができる。
[0019]他の実施形態では、観測者からの貢献を天気予報で使用する方法を提供することができる。この方法は、観測者から気象に関連する観測結果を取得するステップであって、各観測は特定の位置で所与の時間に行われる、ステップと、観測者から得た気象に関連する観測結果を使用して、ユーザに対して将来の天気予報を生成するステップと、観測者から得た気象に関連する観測結果、天気予報、及び観測結果から恩恵を受けたユーザ、についての統計を計算するステップと、観測者の少なくとも1人から取得された気象に関連する観測結果についての統計の少なくとも一部を含むメッセージを、観測者の少なくとも1人に送信するステップとを含むことができる。
[0020]実施形態によっては、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプロセッサによって実行されることが可能なコンピュータ命令を記憶したメモリとを備える装置を提供することができ、それらの命令が実行されると、装置に、上記の方法の1つ又は複数を行わせる。さらに、そのような命令を記憶した非一時的なコンピュータ読取り可能媒体を提供することができる。この装置は、これらに限られないが、手持ち型の装置、携帯電話、車両等のモバイル装置である。
[0021]本開示のさらに他の特徴及び利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより明らかになろう。
一実施形態による、地点観測を使用して天気予報を生成するシステム(ナウキャスター(nowcaster))のブロック図の例を示す図である。 別の実施形態による、地点観測を使用して天気予報を生成するシステム(ナウキャスター)のブロック図の例を示す図である。 別の実施形態による、地点観測を使用して天気予報を生成するシステム(ナウキャスター)のブロック図の例を示す図である。 一実施形態による、観測結果から天気予報を生成する、クラウドソーシングによる気象観測の方法のフローチャートの例を示す図である。 一実施形態による地点観測及び気象レーダのデータに基づいて雹を予想する方法のフローチャートの例を示す図である。 一実施形態による、観測者からの貢献を天気予報で使用する方法のフローチャートの例を示す図である。 一実施形態による、天気予報を提示し、観測者から地点観測の結果を取得するために使用されるアプリケーションの例を示す画面例の図である。 一実施形態による、天気予報を提示し、観測者から地点観測の結果を取得するために使用されるアプリケーションの例を示す画面例の図である。 一実施形態による、天気予報を提示し、観測者から地点観測の結果を取得するために使用されるアプリケーションの例を示す画面例の図である。 一実施形態による、天気予報を提示し、観測者から地点観測の結果を取得するために使用されるアプリケーションの例を示す画面例の図である。 実施形態を実施することが可能なネットワーク環境の例を示す図である。 請求される主題の実施形態を実施することができる適切なコンピューティング動作環境の例示的な図である。
[0031]すべての添付図面で、同様の特徴は同様の参照符号で識別されることに留意されたい。
[0032]以下に本願の一部をなす添付図面を参照して実施形態をより完全に説明するが、添付図面には、実施形態を実施することができる特定の実施形態を例示として示す。それらの実施形態は、本開示が特許請求される主題の範囲を当業者に伝えるようにも説明される。ただし、それらの実施形態は、多数の異なる形態で具現化することも可能であり、本明細書に述べられる実施形態に限定されるものとは解釈すべきでない。
[0033]本発明の実施形態は特に方法又は装置として具現化することができる。したがって、実施形態は、完全にハードウェアによる実施形態、完全にソフトウェアによる実施形態、及びソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態等の形態を取ることができる。さらに、実施形態については携帯型又は手持ち型の装置を参照して説明するが、デスクトップ、ラップトップコンピュータ、タブレット装置、又はそれらの実施形態を実装するのに十分な演算資源を有する他のコンピューティング装置上で実装することもできる。
[0034]定義
[0035]本明細書では、以下の用語は下記のように定義されるものとする。
[0036]短時間予報(nowcast):用語「nowcast」は、「now」と「forecast」の短縮形であり、典型的には0〜12時間の範囲の短期間の予報を行うために考案された一連の技術を指す。
[0037]ナウキャスターは、地球上の非常に狭い領域(5メートル、10メートル、50メートル、100メートル、500メートル、1000メートル等)である所与の区域について、非常に短期間の予報(例えば1分、5分、15分、30分等)を作成する天気予報装置である。
[0038]気象値は、温度、気圧、視程、降水の種類及び強度、積雪、雲量、風など、気象に関連する任意種類の数量又は属性である。
[0039]予想気象値は、ナウキャスターによって予測される気象値である。
[0040]気象関連事象は、例えば、雹、突風、稲妻、温度変化等の少なくとも1つである。
[0041]降水の種類(PType):降水の種類を表す。降水の種類の例には、これらに限定されないが、雨、雪、雹(ひょう)、雨氷、凍雨、氷晶等が含まれる。
[0042]降水量(PRate):降水の強度を表す。降水量値の例には、これらに限定されないが、「なし」(すなわち降水なし)、「弱い」、「中程度」、「強い」、「極めて強い」等が含まれる。一実施形態では、降水量は値の範囲として表すこともでき、「降水なし」から「弱い」、「弱い」から「中程度」、「中程度」から「強い」、又はそれらの任意の組合せ等を表すこともできる。
[0043]降水確率:降水が発生する確率を表す。降水確率値の例には、これらに限定されないが、「可能性は全くない」、「見込みはあまりない」、「低い可能性がある」、「可能性がある」、「見込みが高い」、「見込みが非常に高い」、「確実」等が含まれる。
[0044]一実施形態では、降水確率は、「降水なし」から「弱い」、「弱い」から「中程度」、「中程度」から又は「強い」等、値の範囲として表すこともできる。降水確率は、例えば0%、25%、50%、75%、100%等の百分率、又は例えば0%〜25%、25%〜50%、50%〜75%、75%〜100%等の百分率の範囲で表すこともできる。一実施形態では、降水確率は、確率分布から求めることができる。
[0045]降水種類及び降水量カテゴリ(PTypeRate):PTypeRateカテゴリは、降水の種類と降水量の組合せであり、それに所与の期間の発生の確率を関連付けて、特定の降水量で特定種類の降水を受ける可能性を表すことができる。
[0046]天気予報は、ユーザに表示することが可能な1つ又は複数の予想気象値のセットである。
[0047]気象に関連する観測結果は、画像、映像、自由形式のテキスト(ツイート、メッセージ、電子メール等)や、温度、気圧、視程、降水の種類及び強度、積雪、雲量、風などの任意種類の気象値である。
[0048]地点観測は、本明細書の定義では、所与の時間に特定の位置(「場所」と呼ぶこともある)で行われる観測である。
[0049]特定の位置は、観測が行われる地球上の位置である。本明細書に記載される実施形態には5メートル〜10メートルの精度が適するが、位置の変化量は、25メートル、50メートル、100メートル、1000メートル又はそれ以上など、より大きくすることもできる(例えば精度がより低くなる)。特定の位置を取得する手段には、本特許出願の出願時に利用することができる任意種類の地理位置特定手段又は測位システムが含まれる。地理位置特定手段又は測位システムは自動化される場合も、自動化されない場合もある。自動化された地理位置特定手段又は測位システムには、全地球測位システム、RF位置特定システム、無線標定技術、インターネットプロトコル(IP)アドレス、MACアドレス、WiFi、無線周波識別(RFID)等が含まれる。測位システムは、街路上の所在地、交差点、建物や目印となる物等を提供するなど、人手によることもできる。
[0050]所与の時間は、特定の位置に対応する時間帯で地点観測が行われる、時、分、及び秒と定義される。所与の時間の時、分、及び秒は、所与の時間がその特定の位置に依存しないように、協定世界時(UTC)やグリニッジ標準時(GMT)に従って記録することもできる。所与の時間の精度は、1秒よりも大きく、又は1秒よりも小さくすることもできる。例えば、実施形態によっては、5秒、10秒、30秒、60秒等の精度で、本明細書に記載される実施形態には十分である場合もある。
[0051]ユーザは、天気予報が転送される対象の個人である。観測者は、自動化された観測結果及び/又は人手による観測結果を提供するエンティティである。観測者は、人間である場合も、自動化された機械である場合もある。観測者は、本明細書で定義されるようにユーザである場合もある。
[0052]グリッド画像は、緯度及び経度の座標を含む画像である。したがって、グリッド画像は、地理位置が特定された2次元の点I画素の集まりである。
[0053]グリッド画像中の各画素は1つの位置に対応し、単一の気象値を表すことも、値の確率分布を表すことも、信頼度を表すこともできる。
[0054]簡単に述べると、ここで説明する実施形態は、各種の気象値だけでなく、特定の場所で特定の時間に行われた実際の観測結果を考慮することによってより正確な天気予報を生成する、コンピュータによって実施される方法及びシステムを記載する。そのような観測は、自動化して自動的にデータベースにプッシュすることも、又は、ユーザが自分が行った観測を個々に報告するなど、ユーザ主導型とすることもできる。
[0055]ナウキャスター
[0056]図1A〜図1Cは、ここで説明するナウキャスターのブロック図の例である。
[0057]図1A〜図1Cに示すように、ナウキャスター200は、種々のデータ源201から気象観測結果を受け取り、それらのデータ源は、これらに限定されないが、地点観測201−2(例えばユーザや自動ステーションから得られるフィードバック)、気象レーダ201−3、衛星201−4、及び他の種類の気象観測201−1を含む気象観測データ源と、数値気象予測(NWP)モデルの出力201−5や天気予報及び注意報201−6などの天気予報データ源などである。
[0058]ナウキャスター200は、メモリ220及びプロセッサ210を備える。メモリ220は、本方法のための命令を含み、また気象データ源201からのデータ、中間結果、及び天気予報も記憶する。プロセッサ210は、ナウキャスター200が計算を行うことを可能にする。
[0059]ナウキャスター200は、通信ネットワーク254を通じてユーザ150から情報230を受信することができる。一実施形態によると、この情報230は、選択された時間の増加単位である。
[0060]ナウキャスター200は、1件の天気予報又は一続きの天気予報を出力する。
[0061]図1Bはナウキャスター200の一実施形態である。この実施形態では、ナウキャスター200は、PType分布予想器202及びPRate分布予想器204を備える。PType予想器202は、種々のデータ源201から気象観測結果を受け取り、所与の緯度及び経度(並びに/又は場所)について任意の時間間隔にわたる降水種類の確率分布を出力する。例えば、
a.雪:10%
b.雨:30%
c.雨氷:60%
d.雹:0%
e.凍雨:0%
[0062]同様に、PRate予想器204は種々のデータ源201から所与の経度及び緯度についての気象観測結果を受け取り、不確実性を表す表現で降水量の確率分布の予想(PRate)を出力する。例えば、PRateは、所与の経度及び緯度についての一定の時間間隔にわたる降水量又は降水量の範囲の確率分布として出力される。例えば以下のようになる。
f.降水なし:30%
g.弱い降水:40%
h.中程度の降水:20%
i.強い降水:10%
[0063]PRate予想器204及びPType予想器202から出力されたPRate及びPTypeの値は予想組合せ器206に送られて、それらの値を組み合わせて、降水の結果を表す単一の値PTypeRateにする。例えば、PTypeの値が「雪」で、「PRate」の値が「強い」であれば、組み合わせられたPTypeRateの値は「強い雪」になる。
[0064]所与の緯度及び経度について、システムは、事前に定義された時間間隔の予想PTypeRateの分布を出力し、時間間隔は、固定する(例えば1分)か、又は可変(例えば1分、次いで5分、次いで10分等)にすることができる。システムは、一連の時間間隔にわたる予想PTypeRateの分布を予め計算して記憶しておくことも、実時間で計算することもできる。PTypeRateの分布は、時間間隔ごとに、あるPTypeRateが発生する確実性又は不確実性を表す。
[0065]図1Bを参照すると、予想組合せ器206は、PType予想器202から最終的なPRateの分布を、PRate予想器204から最終的なPRateの分布を受け取って、それらを組み合わせてPTypeRate分布値のグループにし、各グループは、ある降水量である種類の降水を受ける確率を表す。一例を以下に提供する。
[0066]PType分布が、雪:50%、雨0%、雨氷:30%、雹:0%、凍雨:20%で、PRate分布が、降水なし:0%、弱い:10%、中程度:20%、強い:30%、非常に強い:40%であるとすると、PTypeRate分布は例えば次のようになる。
Figure 2016521355
[0067]したがって、予想組合せ器206は各種類の降水の確率に各降水量の確率を乗算して、例えば20%の強い雪の可能性、12%の非常に強い雨氷の可能性など、ある降水量である種類の降水を受ける確率を得る。一実施形態では、確率の範囲にテキスト情報を関連付けて、確率を数字で表示する代わりに、テキスト情報をユーザに表示することができる。例えば、5%〜15%の間の確率は「低い可能性」というテキストに関連付け、40%〜70%の間の確率は「高い可能性」又は「非常に見込みが高い」等のテキストに関連付け、それにより「60%の強い雪の可能性」と表示する代わりに、「強い雪の可能性が高い」と表示することができる。
[0068]別の実施形態では、1つ又は複数の次元(次元は降水量、種類、又は確率を含む)に沿って2つ以上の異なるPTypeRateを組み合わせることが可能である。例えば、そのような組合せの結果には、弱い雨から中程度の雨の見込みが高い、弱い雨又は雪から中程度の雨又は強い雪の見込みが高い、中程度の雨又は雪の見込みが高い、雨又は雪の見込みが高い、弱い雨から中程度の雨又は強い雪又は弱い雹の可能性がある、中程度の雨、雪、又は雹の可能性がある、雨、雪、又は雹の可能性がある、等が含まれる可能性がある。
[0069]したがって、ナウキャスター200は、短時間予報が必要とされる場所、並びに短時間予報が必要とされる時間及び/又は時間間隔を受け取り、その場所及び特定の時間についてのPTypeRateの分布を出力する。
[0070]図1Cは、ナウキャスター200の別の実施形態を示す。この実施形態では、ナウキャスター200は、PType選択器/受信器202−C、及びPRate分布予想器204を有する。
[0071]図1Bに示す実施形態と同様に、PRate分布予想器204は、種々のデータ源201から所与の緯度及び経度についての気象観測結果を受け取り、不確実性を表す表現で降水量(PRate)の確率分布の予想を出力する。例えば、PRateは、所与の緯度及び経度における任意の時間間隔にわたる降水量又は降水量の範囲の確率分布として出力することができる。例えば、
f.降水なし:30%
g.弱い:40%
h.中程度:20%
i.強い:10%
となる。
[0072]ただし、PType選択器/受信器202−Cは、種々の降水種類に関連付けられた確率分布は出力しない。代わりに、PType選択器/受信器202−Cは、所与の緯度及び経度に対応する気象観測結果を種々のデータ源201から受け取って、様々な降水種類の一覧から1つの降水種類を選択する。例えば、データ源201から受け取られた入力に基づいて、PType選択器/受信器202−Cは、下記の降水種類の一覧から、当該の緯度及び経度(並びに/又は場所)で発生する可能性が最も高い単一の降水種類を選択する。
a.雪
b.雨
c.雨氷
d.雹
e.凍雨
f.それらの混合(例えばa+c、a+d、b+c、a+e、c+e、d+e等)
[0073]上記のような降水種類の一覧から、所与の場所に対して1つのみの降水種類が選択される。例えば、所与の時間に所与の場所で最も可能性の高い降水種類として雪と雨氷の混合が選択される可能性がある。降水種類は確率値には関連付けられない。つまり、任意の場所とその場所に対応する時間について1つだけの降水種類が選択されるので、選択された降水種類は実質的に100%の確率値を有することになる。
[0074]1つの種類を選択するために利用できる降水種類の一覧は、2つの異なる降水種類(例えば雪と雨氷、雹と凍雨等)の混合を表す混合タイプを含むことができる。混合タイプは、選択することが可能な独立した降水種類と考えられ、上記一覧の(f)に示すように、様々な降水種類の異なる組の混合を表す異なる混合タイプは、多数存在する可能性がある。
[0075]別の実施形態では、降水の種類はPType選択器/受信器202−Cによって選択されるのではなく、ナウキャスター200の外部にあるデータ源から受け取られる。言い換えると、ナウキャスター200は、遠隔のデータ源(例えば第三者の気象サービス)に、所与の時間に所与の場所で発生する可能性が最も高い降水種類を特定することを要求し、最も可能性の高い降水種類を特定する応答をデータ源から受け取ることができる。この場合、降水種類の選択はナウキャスター200によっては行われない。ナウキャスター200には単に既に選択された降水種類が入力され、それにより、選択を行う場合に必要となるナウキャスター200の演算力を節減することができる。
[0076]それぞれPType選択器/受信器202−C及びPRate分布予想器204から出力された、選択された降水種類とPRate値が組み合わせられる。例えば、選択された降水の種類が雪で、PRate値が上記のような値である場合、組み合わせた情報は次のようになる。
a.降雪なし:30%
b.弱い雪:40%
c.中程度の雪:20%
d.強い雪:10%
[0077]関係する降水種類が1つのみであるため、組合せを行って最終的な天気予報データを出力するために必要とされる演算力が最小量で済む。PType選択器/受信器202−Cは所与の場所と時間について一つ(1)の降水種類を出力するので、PRate分布予想器204がm個の数の確率分布を出力した場合、最終的な天気予報データはm(m*1)個のみの天気予報分布を含む。
[0078]最終的な天気予報データを出力する際に、図1Bに示した実施形態と同様に、確率の範囲にテキスト情報を関連付けて、確率を数で表示する代わりにテキスト情報をユーザに表示することができる。例えば、5%〜15%の確率は「低い可能性」というテキストに関連付け、40%〜70%の確率は「高い可能性」又は「非常に高い見込み」などのテキストに関連付け、それにより、「60%の強い雪の可能性」と表示する代わりに、「強い雪の可能性が高い」と表示することができる。
[0079]したがって、ナウキャスター200は、短時間予報が必要とされる場所、並びに短時間予報が必要とされる時間及び/又は時間間隔を受け取り、その場所及び特定の時間について、選択されたPType及びPRateの分布を出力する。
[0080]図1Cに示す実施形態によるナウキャスターは、効率性が要求される状況では図1Bに示す実施形態よりも有利である可能性がある。図1Cの実施形態は、図1Bの実施形態に比べてはるかに少ない処理力を使用して実装することができる。しかし、図1Bの実施形態は、所与の場所及び時間についてのより詳細で正確な天気予報データのスナップショットを提供することにおいては図1Cの実施形態よりも適する可能性がある。
[0081]クラウドソーシングによる気象観測
[0082]簡単に述べると、ここで説明する実施形態は、ユーザ及び/又は自動化された機械から気象に関連する観測結果(又は単に「観測結果」)を収集し、それを管理して、天気予報を行うための観測モザイク(例えばモザイク)を生成するシステム及び/又は方法を記載する。このシステムは、ジオタグが付与された観測結果をデータベースに送信する多数の自動化された観測データ源及び/又は人手による観測データ源(例えば観測者)を備える。モザイクビルダーが、観測結果を取り込んで、地球上の特定の地域(例えばドメイン)のグリッド画像(例えばモザイク)を形成し、それにより、そのドメイン内の各画素に気象値の「最良の推測(best-guess)」を作成する。図1A〜図1Cに示すナウキャスターの実施形態は、ユーザの観測データ(例えば201−2)を入力として取り込み、所与の時間における所与の場所の最も正確な予想降水種類及び降水量の分布を予測するか、又はその他の方法で特定する。
[0083]モザイクを構築するために、モザイクビルダーは、観測の時間及び位置に基づいて、含める観測結果を選択する。各観測結果は、モザイク上で、提供された地理的場所に正確に配置される。
[0084]その観測結果の周辺の領域が定義される(観測領域)。観測領域内の各地点は、観測の距離、観測の時間、観測者の信用性及び信頼性の要因、並びにその他の要因などの各種の要因に基づいて、モザイクに寄与することができる。
[0085]次いで図2を参照すると、一実施形態による、観測結果から天気予報を生成するクラウドソーシングによる気象観測の方法300のフローチャートが示される。
[0086]方法300は、
特定の位置及び所与の時間における気象に関連する観測結果を取得するステップ(例えばステップ302)、
その気象に関連する観測結果をデータベースに保存するステップ(例えばステップ304)、及び
気象に関連する観測結果を使用して、地球上の特定の地域のグリッド画像を形成するステップであって、グリッド画像は画素からなり、各画素は値を有し、その値は気象値に対応し、その気象値は天気予報に対応する、ステップ(例えばステップ306)
を含む。
[0087]方法300の別の実施形態によると、気象に関連する観測結果を取得するステップは、自動化されるか、又は観測者によって行われる。
[0088]別の実施形態によると、重複した観測領域に対処するための機構が提供される。例えば、観測結果はデータベースに報告される。観測結果には特定の場所及び時間をタグ付けして、同じ場所で行われた第2の観測結果が後に報告された時に、それを第1の報告観測結果と関連付けられるようにする。第2の観測が、第1の観測が行われた時間からごく短い時間内にある時間に行われた場合、第2の観測は冗長な報告として無視することができる。
[0089]別の実施形態によると、気象観測結果の信用度及び信頼性を評価する機構が提供される。例えば、報告が、事前に記憶された気象データと矛盾する情報を含む場合(例えば、ユーザが特定の時間に特定の場所で雪を報告しているが、温度や気圧等の他の客観的な気象データは、その場所及び時間に雪の可能性はないことを示す場合)には、そのユーザには下げた信用性の評価が与えられる。事前に記憶された気象データは、客観的な気象データ源から得られたデータのみを含み、ユーザから個々に報告されたデータは含まないようにすることもできる。信用性の評価は段階で提供することができ、信用性の評価が閾値を下回るデータ源からの報告はすべて無視することもできる。
[0090]別の実施形態によると、気象の短時間予報システムでモザイクを使用することができる。
[0091]地点観測に基づく雹の予報
[0092]簡単に述べると、ここで説明する実施形態は、雹の観測結果、変位場(例えば流れ場)、及び場合によっては気象レーダのデータを使用して雹を予報するシステム及び/又は方法を記載する。雹事象の位置及び時間(例えば観測結果)がコンピュータに送信される。コンピュータは、気象レーダのシグネチャ(signature)がその雹の観測結果と整合するかどうかを判定することを試みる。整合する場合は、レーダのシグネチャを使用して、又は使用せずに、領域(例えば雹域)が作成され、レーダから捕捉された降水の動きを分析し、その動きに沿って雹域を変位させることにより、今後の雹を予想する。レーダ相関が存在しない場合は、レーダを使用せずに領域(例えば雹域)を作成する。どちらの場合も、雹域には、時間又は元の雹が観測された場所からの距離に応じて変更を加えることができる。時間若しくは元の雹が観測された場所からの距離、又はその他のパラメータに応じて信頼度スコアを生成することもできる。
[0093]次いで図3を参照すると、一実施形態による、地点観測及び気象レーダのデータに基づいて雹を予報する方法320のフローチャートが示される。
[0094]ここで、雹は気象関連事象の一例に過ぎないことに留意されたい。ここで図3及び他の図に沿って説明する実施形態は、本明細書で定義される、又は当業者に知られる他種の気象関連事象にも適用できることを理解されたい。
[0095]方法320は、
特定の位置及び所与の時間における雹の観測結果を取得するステップ(例えばステップ322)、
その雹の観測結果に基づいて、グリッド画像中の気象値を変更又は確定するステップ(例えばステップ324)、及び
変更又は確定後の気象値を使用して天気予報を生成するステップ(例えばステップ326)
を含む。
[0096]別の実施形態によると、方法320は、気象値を使用してグリッド画像の領域内に雹域を作成又は確定するステップをさらに含む。
[0097]別の実施形態によると、方法320は、グリッド画像の領域の中又は周辺の気象値の変位場を取得し、雹域の動きを分析し、雹域の動きに基づいて天気予報を精密化するステップをさらに含む。
[0098]別の実施形態によると、方法320は、所与の時間における特定の位置のグリッド画像中の気象レーダのシグネチャが雹の観測に相当するかどうかを判定するステップをさらに含み、その判定に基づいて、気象値を変更するか、及び/又は気象値の信頼度スコアを計算することができる。
[0099]観測者からの貢献を天気予報で使用する
[00100]簡単に述べると、ここで説明する実施形態は、予報の計算に貢献したユーザに、どのくらい他の人がその貢献の恩恵を受けたかを報告するシステム及び方法を記載する。
[00101]ユーザが、予報を行うコンピュータに送信される気象事象の位置と時間を知らせることによって観測を行う(観測者)。予報コンピュータは、その観測者からの情報を使用して、将来のある期間についての予報を計算する。
[00102]予報を求めるユーザからの各要求を分析して、そのユーザへの予報に貢献した観測者のリストを生成する。そして、各観測者に、その観測者の観測の恩恵を受けた人の数(及び他のユーザ特性)を知らせる。
[00103]その情報から順位表を構築することができる。観測者には、影響を与えたユーザの数に基づいて、賞、又は地位の獲得、又はバッジを付与することができる。
[00104]次いで図4を参照すると、一実施形態による、観測者からの貢献を天気予報で使用する方法330のフローチャートが示される。
[00105]方法330は、
観測者から気象に関連する観測結果を取得するステップであって、各観測は特定の位置で所与の時間に行われる、ステップ(例えばステップ332)、
観測者から得た気象に関連する観測結果を使用して、ユーザに対して将来の天気予報を生成するステップ(例えばステップ334)、
観測者から得た気象に関連する観測結果についての統計を計算するステップ(例えばステップ336)、及び
観測者の少なくとも1人から取得された気象に関連する観測結果についての統計の少なくとも一部を含むメッセージを、観測者の少なくとも1人に送信するステップ(例えばステップ338)
を含む。
[00106]別の実施形態によると、方法330は、気象に関連する観測結果をデータベースに保存するステップをさらに含む。
[00107]方法330の別の実施形態によると、統計を計算するステップは、気象に関連する観測結果から、上記ユーザへの将来の天気予報に貢献した観測者、及びその天気予報の恩恵を受けたユーザの選択された群を生成することを含む。
[00108]方法330の別の実施形態によると、統計を計算するステップは、気象に関連する観測結果から、観測者の1人又は複数について、観測者の当該1人又は複数による観測結果が将来の天気予報を生成する際に使用されたユーザのリストを生成することを含む。
[00109]方法330の別の実施形態によると、統計を計算するステップは、気象に関連する観測結果から、観測者ごとに、それぞれの観測者によって行われた観測の信頼度を生成することを含む。
[00110]方法330の別の実施形態によると、統計を計算するステップは、気象に関連する観測結果から、且つ観測の回数及び観測の信頼度の少なくとも一方から、観測者の順位付けリストを生成することを含む。
[00111]別の実施形態によると、方法330は、順位付けリストに基づいて観測者の少なくとも1人に優位な立場を与えるステップをさらに含む。
[00112]次いで図5A〜図5Dを参照すると、一実施形態による、天気予報を提示し、観測者から地点観測の結果を取得するために使用されるアプリケーションの画面例が示される。
[00113]より具体的には、図5Aは短時間予報アプリケーションの画面例である。この画面例は、右上の隅に「目」のアイコンを示している。この「目」のアイコンは、観測結果をシステムに入力できることをユーザに知らせるものである。「目」のアイコンを選択すると、地点観測ページ(図5B及び5C参照)が表示される。
[00114]図5B及び図5Cは、地点観測を行うための選択肢を観測者に与える短時間予報アプリケーションのページの画面例である。
[00115]図5Dは、「晴れ(Sunny)」が選択されたことを示す画面例である。地点観測が選択されたため、「送信(Submit)」ボタンが有効になっている。「送信」ボタンが選択されると、観測者の選択を確定する確定ページを提供することができる。確定されると、地点観測結果がナウキャスターに送信される。
[00116]図6は、実施形態を実施することが可能なネットワーク環境の例である。システム200(例えば「ナウキャスター」)は、遠隔通信ネットワーク254を通じて複数のクライアントコンピュータ252からアクセスできるサーバ/コンピュータ250で実装することができる。クライアントコンピュータは、これらに限定されないが、ラップトップ、デスクトップ、携帯型コンピューティング装置、タブレット等を含むことができる。クライアントコンピュータ252を使用して、各ユーザは、短時間予報を受け取りたい時間間隔と、短時間予報が必要とされる場所を指定することができる。例えば、ユーザは、短時間予報が必要とされる時間間隔と併せて、短時間予報が必要とされる場所の郵便番号、住所、地図上の位置又は緯度及び経度を入力することができる。時間間隔は1分〜数時間の間に及ぶことができる。
[0117]場所情報及び時間情報を受け取ると、サーバ250は、指定された場所について入手可能な気象値を受け取り、指定された期間にわたるその特定の場所の短時間予報を表す上記の種々のPTypeRateを出力することができる。短時間予報の正確度は、特定の地域について利用できる気象データ源の数にも依存する可能性がある。例えば、人口の多い地域は、森林地帯の辺鄙な地域よりも多くの気象レーダを含み、メディアの注目を集める可能性がある(したがって衛星の被覆範囲や予報も多い可能性がある)。ナウキャスターは、気象事象など、他の種類の気象情報も出力することができる。
[00118]そして、サーバ250で生成されたPTypeRateをクライアントコンピュータ252に送信してユーザに表示することができる。一実施形態では、PTypeRateは順に次々に表示するか、又は百分率が高いものを表示することができる。
[00119]ハードウェア及び動作環境
[00120]図7は、請求される主題の実施形態を実施することができる適切なコンピューティング動作環境の例示的な図である。以下の説明は図5に関連し、実施形態をそれとの関連で実装することができる適切なコンピュータハードウェア及び適切なコンピューティング環境の簡単で一般的な説明を提供するものである。上記実施形態を実施するためにすべての構成要素が必須であるとは限らず、実施形態の主旨又は範囲から逸脱することなく構成要素の配置と種類の変種を作製することができる。
[00121]これは必須ではないが、実施形態は、パーソナルコンピュータ、手持ち型若しくは手のひらサイズのコンピュータ、スマートフォン、又は消費者装置や特殊な産業用コントローラの内部にあるコンピュータなどの組み込みシステムなどのコンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で説明する。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを行うか、又は特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造等を含む。
[00122]さらに、当業者には、実施形態は他のコンピュータシステム構成で実施することもでき、そのような構成には、手持ち型装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサを利用した、若しくはプログラム可能な消費者電気製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、ディスプレイページャ、無線周波(RF)装置、赤外線(IR)装置、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、着用可能コンピュータ、タブレットコンピュータ、iPod若しくはiPad系列の装置、上記装置の1つ若しくは複数を組み合わせた総合装置、又は、本明細書に記載される方法及びシステムを行うことが可能な他のコンピューティング装置が含まれることが理解されよう。実施形態は、通信ネットワークで結ばれた遠隔の処理装置によって作業が行われる分散コンピューティング環境で実施することもできる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモート両方のメモリ記憶装置に置くことができる。
[00123]図5A〜図5Dの例示的なハードウェア及び動作環境は、コンピュータ720の形態の汎用コンピューティング装置を含み、これは、処理装置721、システムメモリ722、及び、システムメモリを含む各種のシステム構成要素を動作的に処理装置721に結合するシステムバス723を含む。処理装置721は1つのみ、又は2つ以上ある場合があり、コンピュータ720のプロセッサは、単一の中央演算処理装置(CPU)、又は一般に並列処理環境と呼ばれる複数の処理装置を備える。コンピュータ720は、従来のコンピュータ、分散コンピュータ、又は他の種類のコンピュータであるが、実施形態はそれらに限定されない。
[00124]システムバス723は、各種のバスアーキテクチャを使用した、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス、及びローカルバスを含む数種のバス構造のいずれであってもよい。システムメモリは単にメモリと呼ばれる場合もあり、読出し専用メモリ(ROM)724及びランダムアクセスメモリ(RAM)725を含む。起動時などにコンピュータ720内の要素間の情報転送を助ける基本ルーチンを含んでいる基本入出力システム(BIOS)726がROM724に記憶される。請求される主題の一実施形態では、コンピュータ720は、図示しないハードディスクの読み書きを行うハードディスクドライブ727、取り外し可能磁気ディスク729の読み出し又は書き込みを行う磁気ディスクドライブ728、及びCD ROMや他の光学媒体などの取り外し可能の光ディスク731の読み出し又は書き込みを行う光ディスクドライブ730をさらに含む。請求される主題の代替実施形態では、ハードディスクドライブ727、磁気ディスク729、及び光ディスクドライブ730によって提供される機能は、電力を節減し、システムのサイズを縮小するために、揮発性又は不揮発性のRAMを使用して模倣される。そのような代替実施形態では、RAMは、コンピュータシステム内に固定されるか、又はコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリカードなど取り外し可能なRAM装置とすることができる。
[00125]請求される主題の一実施形態では、ハードディスクドライブ727、磁気ディスクドライブ728、及び光ディスクドライブ730は、それぞれハードディスクドライブインターフェース732、磁気ディスクドライブインターフェース733、及び光ディスクドライブインターフェース734によってシステムバス723に接続される。これらのドライブとそれに関連付けられたコンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータ720のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、及び他のデータの不揮発性の記憶を提供する。当業者には、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク、ベルヌーイカートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)等、コンピュータによりアクセス可能なデータを記憶することができる任意種類のコンピュータ読取り可能媒体を例示的な動作環境で使用できることが理解されよう。
[00126]ハードディスク、磁気ディスク729、光ディスク731、ROM724又はRAM725にはいくつかのプログラムモジュールを記憶することができ、それらにはオペレーティングシステム735、1つ又は複数のアプリケーションプログラム736、他のプログラムモジュール737及びプログラムデータ738が含まれる。ユーザは、キーボード740やポインティングデバイス742などの入力装置を通じてパーソナルコンピュータ720にコマンドと情報を入力することができる。他の入力装置(図示せず)には、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星受信アンテナ、スキャナ、タッチセンシティブパッド等がある。上記及び他の入力装置は多くの場合、システムバスに結合されたシリアルポートインターフェース746を通じて処理装置721に接続されるが、パラレルポート、ゲームポート又はユニバーサルシリアルバス(USB)等の他のインターフェースで接続することもできる。また、システムへの入力は、音声入力を受け取るマイクロフォンで提供することができる。
[00127]モニタ747又は他の種類の表示装置も、ビデオアダプタ748などのインターフェースを介してシステムバス723に接続される。請求される主題の一実施形態では、モニタは液晶ディスプレイ(LCD)からなる。モニタに加えて、コンピュータは通例、スピーカやプリンタなどの他の周辺出力装置(図示せず)も含む。モニタは、ユーザが表面を押す、又は表面に触れることによってコンピュータとインターフェースを取ることができるタッチセンシティブ面を含むことができる。
[00128]コンピュータ720は、リモートコンピュータ749などの1つ又は複数のリモートコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク環境で動作することができる。そのような論理接続は、コンピュータ720に結合された、又はコンピュータ720の一部である通信装置によって実現されるが、実施形態は特定種類の通信装置には限定されない。リモートコンピュータ749は、別のコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、クライアント、ピアデバイス、又は他の一般的なネットワークノード等であり、図6にはメモリ記憶装置750のみを示すが、通例は、コンピュータ720との関連で上述した要素の多く又はすべてを含む。図6に示す論理接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)751及びワイドエリアネットワーク(WAN)752を含む。このようなネットワーキング環境は、オフィス、企業規模のコンピュータネットワーク、イントラネット、及びインターネットで広く見られる。
[00129]LANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ720は、通信装置の一種であるネットワークインターフェース又はアダプタ753を通じてローカルネットワーク751に接続される。WANネットワーキング環境で使用される場合、コンピュータ720は通例、通信装置の一種であるモデム754、又はインターネットなどのワイドエリアネットワーク752を通じて通信を確立するための他の種類の通信装置を含む。モデム754は、内蔵型である場合も外付け型である場合もあり、シリアルポートインターフェース746を介してシステムバス723に接続される。ネットワーク環境では、パーソナルコンピュータ720に関連して図示するプログラムモジュール又はその一部は、遠隔のメモリ記憶装置に記憶することができる。図のネットワーク接続は例示的なものであり、コンピュータ間に通信リンクを確立する他の手段及び通信装置を使用できることが認識される。
[00130]請求される主題の実施形態をそれとの関連で実施することができるハードウェア及び動作環境について説明した。請求される主題の実施形態をそれとの関連で実施することができるコンピュータは、従来のコンピュータ、手持ち型若しくは手のひらサイズのコンピュータ、組み込みシステム中のコンピュータ、分散コンピュータ、又は他の種類のコンピュータ等であるが、請求される主題はそれらに限定されない。そのようなコンピュータは通例、1つ又は複数の処理装置をプロセッサとして含み、またメモリなどのコンピュータ読取り可能媒体を含む。コンピュータはネットワークアダプタやモデムなどの通信装置も含む場合があり、通信的に他のコンピュータに結合することができる。
[00131]上記で好ましい実施形態について説明し、添付図面に示したが、本開示から逸脱することなく変更を加えることが可能であることは当業者には明瞭であろう。そのような変更は、本開示の範囲に包含される、可能な変形と考えられる。

Claims (25)

  1. コンピュータによって実施される方法であって、
    遠隔の装置から、第1の場所及び第1の時間に関連付けられた気象に関連する観測データを受信するステップであり、前記気象に関連する観測データは、前記第1の場所及び前記第1の時間に関連付けられた気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含む、ステップと、
    前記気象に関連する観測データに基づいて、第2の場所及び第2の時間に関連付けられた天気予報を生成するステップと、
    前記天気予報を前記遠隔の装置に出力するステップと
    を含む方法。
  2. 前記第2の場所の画像を形成するステップを含み、前記画像は天気予報値に関連付けられた画素を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の場所の少なくとも2つの画像を形成するステップを含み、前記少なくとも2つの画像は各々異なる時間に関連付けられている請求項2に記載の方法。
  4. 前記気象関連事象が、雹、風、稲妻、温度、降水、及び日光の強度、の少なくとも1つからなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記気象に関連する観測データに基づいて、画素に関連付けられた天気予報値に変更を加えるステップを含む請求項2又は3に記載の方法。
  6. 前記気象関連事象が、前記遠隔の装置を操作するユーザによって観測され、前記ユーザが前記遠隔の装置から前記気象に関連する観測データを送信させる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 気象関連事象の観測を検出すると、前記遠隔の装置が気象に関連する観測データを自動的に送信する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第2の遠隔の装置から、第3の場所及び第3の時間に関連付けられた第2の気象に関連する観測データを受信するステップを含み、前記第2の気象に関連する観測データは、前記第3の場所及び前記第3の時間に関連付けられた気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含み、
    前記第2の場所及び前記第2の時間に関連付けられた前記天気予報は、前記第1の場所及び前記第1の時間に関連付けられた気象に関連する観測データと、前記第3の場所及び前記第3の時間に関連付けられた第2の気象に関連する観測データとの両方に基づいて生成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記受信された気象に関連する観測データを記憶するステップと、
    前記記憶された気象に関連する観測データに関連付けられた統計を生成するステップであって、前記統計は、前記天気予報を受信した遠隔の装置の数を示す情報を含む、ステップと、
    前記統計の少なくとも一部を前記遠隔の装置に出力するステップと
    を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記気象に関連する観測データを事前に記憶された気象データと比較するステップと、
    前記比較に基づいて、前記気象に関連する観測データに関連付けられる重みを決定するステップと
    を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記遠隔の装置に関連付けられる信用性の評価を生成するステップと、
    前記信用性の評価に基づいて、前記遠隔の装置から受信された前記気象に関連する観測データに関連付けられる重みを決定するステップと
    を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 地点観測を使用して天気予報を精密化する装置であって、
    1つ又は複数のプロセッサと、
    前記1つ又は複数のプロセッサの命令を記憶しているメモリと、
    通信ネットワークを介して遠隔の装置に接続する通信モジュールと
    を備え、
    前記1つ又は複数のプロセッサが前記メモリに記憶された前記命令を実行すると、前記装置に、
    前記遠隔の装置から、第1の場所及び第1の時間に関連付けられた気象に関連する観測データを受信させ、前記気象に関連する観測データは、前記第1の場所で前記第1の時間に気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含み、
    前記気象に関連する観測データに基づいて第2の時間における第2の場所の天気予報を生成させ、
    前記天気予報を前記遠隔の装置に出力させる、装置。
  13. 前記装置に、前記第2の場所の画像を形成させ、前記画像は天気予報値に関連付けられた画素を含む、請求項12に記載の装置。
  14. 前記装置に、前記第2の場所の少なくとも2つの画像を形成させ、前記少なくとも2つの画像は各々異なる時間に関連付けられている請求項13に記載の装置。
  15. 前記気象関連事象が、前記遠隔の装置を操作しているユーザによって観測され、前記ユーザが前記遠隔の装置から前記気象に関連する観測データを送信させる、請求項12〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 気象関連事象の観測を検出すると、前記遠隔の装置が、気象に関連する観測データを自動的に前記装置に送信する請求項12〜15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記装置に、
    第2の遠隔の装置から、第3の場所及び第3の時間に関連付けられた第2の気象に関連する観測データを受信させ、前記気象に関連する観測データは、前記第3の場所で前記第3の時間に気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含み、
    前記第2の時間における前記第2の場所の前記天気予報は、前記第1の場所及び前記第1の時間に関連付けられた気象に関連する観測データと、前記第3の場所及び前記第3の時間に関連付けられた第2の気象に関連する観測データとの両方に基づいて生成される、請求項12〜16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記装置に、
    前記受信された気象に関連する観測データを記憶させ、
    前記記憶された気象に関連する観測データについての統計を生成させ、前記統計は、前記天気予報を受信した遠隔の装置の数を示す情報を含み、
    前記統計の少なくとも一部を前記遠隔の装置に出力させる、請求項12〜17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記装置に、
    前記気象に関連する観測データを事前に記憶された気象データと比較させ、
    前記遠隔の装置に関連付けられる信用性の評価を割り当てさせ、
    前記比較及び前記信用性の評価に基づいて、前記遠隔の装置から受信された前記気象に関連する観測データに関連付けられる重みを決定させる、請求項12〜18のいずれか一項に記載の装置。
  20. サーバと、通信ネットワークを通じて前記サーバに接続される遠隔の装置とを具備するシステムであって、
    前記サーバは、1つ又は複数のプロセッサと、前記1つ又は複数のプロセッサに天気予報精密化処理を実行させるプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取り可能媒体とを備え、前記天気予報精密化処理は、
    遠隔の装置から、第1の場所及び第1の時間に関連付けられた気象に関連する観測データを受信するステップであり、前記気象に関連する観測データは、前記第1の場所で前記第1の時間に気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含む、ステップと、
    前記気象に関連する観測データに基づいて第2の時間における第2の場所の天気予報を生成するステップと、
    前記天気予報を前記遠隔の装置に出力するステップと
    を含み、
    前記遠隔の装置は、コンピュータと、ディスプレイと、前記コンピュータに処理を実行させるプログラムを記憶した非一時的なコンピュータメモリとを備え、前記処理は、
    前記サーバから出力された前記天気予報を前記通信ネットワークを通じて取得するステップと、
    前記天気予報の少なくとも一部を前記ディスプレイに表示させるステップと
    を含む、システム。
  21. 天気予報を精密化する方法であって、
    特定の位置及び所与の時間における気象に関連する観測結果を取得するステップと、
    前記気象に関連する観測結果を使用して、地球上の特定の地域のグリッド画像を形成するステップであり、グリッド画像は画素からなり、各画素は値を有し、その値は気象値に対応し、その気象値は天気予報に対応する、ステップと
    を含み、
    グリッド画像を形成するステップは、複数のグリッド画像を形成することを含み、各グリッド画像はある瞬時に対応する、方法。
  22. 所与の時間の特定の位置における気象関連事象の存在を予想する方法であって、
    前記特定の位置及び前記所与の時間における気象関連事象の気象に関連する観測結果を取得するステップと、
    前記気象に関連する観測結果に基づいて、グリッド画像中の気象値を変更又は確定するステップと、
    前記変更又は確定後の気象値を使用して天気予報を生成するステップと
    を含む方法。
  23. 観測者からの貢献を天気予報で使用する方法であって、
    前記観測者から気象に関連する観測結果を取得するステップであり、各観測は特定の位置で所与の時間に行われる、ステップと、
    前記観測者から得た気象に関連する観測結果を使用して、ユーザに対して将来の天気予報を生成するステップと、
    前記観測者から得た前記気象に関連する観測結果、天気予報、及び前記観測結果から恩恵を受けたユーザ、についての統計を計算するステップと、
    前記観測者の少なくとも1人から取得された気象に関連する観測結果についての前記統計の少なくとも一部を含むメッセージを、前記観測者の少なくとも1人に送信するステップと
    を含む方法。
  24. 地点観測を使用して精密化した天気予報を表示する装置であって、
    1つ又は複数のプロセッサと、
    前記1つ又は複数のプロセッサの命令を記憶したメモリと、
    通信ネットワークを通じて遠隔のサーバに接続する通信モジュールと、
    ディスプレイと
    を備え、
    前記1つ又は複数のプロセッサが前記メモリに記憶された前記命令を実行すると、前記装置に、
    前記遠隔のサーバから天気予報を受信させ、前記天気予報は、第1の場所及び第1の時間に関連付けられており、少なくとも気象に関連する観測データに基づいて前記遠隔のサーバによって生成され、前記気象に関連する観測データは、第2の時間に第2の場所で気象関連事象を観測することによって取得されたデータを含み、
    前記遠隔のサーバから受信された前記天気予報の少なくとも一部を前記ディスプレイに表示させる、装置。
  25. 請求項1〜11及び21〜23のいずれか一項に記載の命令を記憶した非一時的なコンピュータ読取り可能媒体。
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