JP5203104B2 - 降水予測システム、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、降水予測システム、方法及びプログラムに関し、より具体的には、ごく短時間先の降水を精度よく予測する降水予測システム、方法及びプログラムに関する。
従来、地上レーダにより上空の雲量を動画像として撮影し、雲画像又は降雨域の動きベクトルに従い現在の雲又は降雨域を移動させることで、降水を予測していた(特許文献1、2、3参照)。
特許文献4には、地形効果を加味して、レーダ画像における降水域の発達・衰退を2次元画像の形で高精度に予測する降水パターン変化予測方法と装置が記載されている。
特許文献5には、レーダにより降水粒子を計測し、降水量を予測するシステムが記載されている。
特許文献6には、広域で観測される広域気象観測データを局地的に観測される局地気象観測データで補正する気象予測システムが記載されている。
特許文献7には、超短時間降雨瞬時予測方法及び装置が記載されている。具体的には、気象庁による所定時間毎の降水観測値Aと、その移動経路に所定の間隔で分散配置された雨量計で観測された雨量Bとを比較して二次元補正値Cを算出し、降水観測値を実雨量分布D(=A×C)に変換する。実雨量分布Dに対してパターンマッチングを行うことにより得た実雨量分布の平均移動ベクトルMから、現時点の実雨量分布Dの予測時点における到達位置(x1 ,y1 )を求め、この到達位置の実雨量分布Dから予測時点における予測地点の降雨量予測値Eを算出する。
また、GPS及び静止衛星により可降水量を計測できることが知られている(非特許文献1)
特開2001−264456号公報 特開平11−023727号公報 特開平10−227872号公報 特開平10−288674号公報 特開2003−344556号公報 特開2002−328178号公報 特開2001−033567号公報 赤塚 慎,遠藤 貴宏,安岡 善文,「衛星画像とGPSを用いた陸域可降水量分布の推定」,生産研究 58,343 (2006)
気象レーダにより観測される降水域の移動を将来に向かって外挿する方法では、そもそも気象レーダによる雲又は降水域の観測の存在が前提となり、雷雨等の急発達する雨を予測することはできない。
本発明は、このような急発達する雨等も予測可能な降水予測システム、方法及びプログラムを提示することを目的とする。
本発明に係る降水予測システムは、複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力手段と、複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力手段と、複数地点の気圧データを入力する気圧入力手段と、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データから、それぞれ、所定距離間隔の格子点上の可降水量格子点データ、風格子点データ及び気圧格子点を生成するメッシュ化手段と、当該可降水量格子点データの時間変動を算出する可降水量変動算出手段と、当該風格子点データの収束発散量を算出する収束発散量算出手段と、当該気圧格子点データの時間変動を算出する気圧変動算出手段と、降水量統計データ及び降水確率統計データを記憶する統計データ記憶手段と、当該可降水量変動算出手段、当該収束発散量算出手段及び当該気圧変動算出手段の出力に従い、当該降水量統計データ及び降水確率統計データを参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る降水予測システムは、複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力手段と、複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力手段と、複数地点の気圧データを入力する気圧入力手段と、所定気象モデルに基づき気象状態を予測する気象モデル予測手段と、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データを、当該気象モデル予測手段からの気象モデル値にデータ同化して、修正可降水量、修正風向風速値、及び修正気圧値を出力するデータ同化手段と、当該修正可降水量の時間変動を算出する可降水量変動算出手段と、当該修正風向風速値の収束発散量を算出する収束発散量算出手段と、当該修正気圧値の時間変動を算出する気圧変動算出手段と、降水量統計データ及び降水確率統計データを記憶する統計データ記憶手段と、当該修正可降水量の時間変動、当該修正風向風速値の収束発散量及び当該修正気圧値の時間変動に従い、当該降水量統計データ及び降水確率統計データを参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る降水予測方法は、複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップと、複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップと、複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップと、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データから、それぞれ、所定距離間隔の格子点上の可降水量格子点データ、風格子点データ及び気圧格子点を生成するメッシュ化ステップと、当該可降水量格子点データの時間変動を算出する可降水量変動算出ステップと、当該風格子点データの収束発散量を算出する収束発散量算出ステップと、当該気圧格子点データの時間変動を算出する気圧変動算出ステップと、当該可降水量変動算出ステップ、当該収束発散量算出ステップ及び当該気圧変動算出ステップの算出結果に従い、降水量統計データ及び降水確率統計データを参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測ステップとを具備することを特徴とする。
本発明に係る降水予測方法は、複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップと、複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップと、複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップと、所定気象モデルに基づき気象状態を予測する気象モデル予測ステップと、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データを、当該気象モデル予測手段からの気象モデル値にデータ同化して、修正可降水量、修正風向風速値、及び修正気圧値を出力するデータ同化ステップと、当該修正可降水量の時間変動を算出する可降水量変動算出ステップと、当該修正風向風速値の収束発散量を算出する収束発散量算出ステップと、当該修正気圧値の時間変動を算出する気圧変動算出ステップと、当該可降水量変動算出ステップ、当該収束発散量算出ステップ及び当該気圧変動算出ステップの算出結果に従い、降水量統計データ及び降水確率統計データを参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測ステップとを具備することを特徴とする。
本発明に係る降水予測プログラムは、コンピュータに複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップと、当該コンピュータに複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップと、当該コンピュータに複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップと、当該コンピュータに、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データから、それぞれ、所定距離間隔の格子点上の可降水量格子点データ、風格子点データ及び気圧格子点を生成させるメッシュ化ステップと、当該コンピュータに、当該可降水量格子点データの時間変動を算出させる可降水量変動算出ステップと、当該コンピュータに、当該風格子点データの収束発散量を算出させる収束発散量算出ステップと、当該コンピュータに、当該気圧格子点データの時間変動を算出させる気圧変動算出ステップと、当該コンピュータに、当該可降水量変動算出ステップ、当該収束発散量算出ステップ及び当該気圧変動算出ステップの算出結果に従い、降水量統計データ及び降水確率統計データを参照して、降水量及び降水確率を予測させる降水量予測ステップとを具備することを特徴とする。
本発明に係る降水予測プログラムは、コンピュータに複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップと、当該コンピュータに複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップと、当該コンピュータに、複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップと、当該コンピュータに、所定気象モデルに基づき気象状態を予測させる気象モデル予測ステップと、当該コンピュータに、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データを、当該気象モデル予測手段からの気象モデル値にデータ同化して、修正可降水量、修正風向風速値、及び修正気圧値を出力させるデータ同化ステップと、当該コンピュータに当該修正可降水量の時間変動を算出させる可降水量変動算出ステップと、当該コンピュータに、当該修正風向風速値の収束発散量を算出させる収束発散量算出ステップと、当該コンピュータに、当該修正気圧値の時間変動を算出させる気圧変動算出ステップと、当該コンピュータに、当該可降水量変動算出ステップ、当該収束発散量算出ステップ及び当該気圧変動算出ステップの算出結果に従い、降水量統計データ及び降水確率統計データを参照して、降水量及び降水確率を予測させる降水量予測ステップとを具備することを特徴とする。
本発明では、頻繁に観測されうるGPS可降水量を使って降水を予測するので、従来よりも高精度に予測が可能になる。また、地上のGPS受信機で観測することで、陸上の予測が可能になり、高密度にGPS受信機が配備されることで、空間的な精度も向上する。これらの結果、急発達する雨等も予測可能になる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は,本発明の第1実施例の概略構成ブロック図を示す。
GPS受信機10は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS電波を受信し、各GPS衛星からの受信電波で搬送されるGPS受信データを可降水量解析装置12に出力する。このようなGPS受信データは、例えば、GEONETデータとして入手可能である。
可降水量解析装置12は、まず、GPS受信機10からのGPS受信データと各GPS衛星の軌道情報から天頂大気遅延量を算出する。他方、地上気圧から天頂静水圧遅延量を算出する。天頂大気遅延量から天頂静水圧遅延量を減算することで、天頂湿潤遅延量が得られる。この天頂湿潤遅延量は、天頂方向に見た水蒸気量を反映しており、可降水量解析装置12は、このような演算で得られた天頂湿潤遅延量を可降水量に換算して、可降水量観測値PWVobsとして出力する。このように、GPS電波を利用して観測される可降水量観測値PWVobsをGPS可降水量観測値と呼び、そのデータをGPS可降水量観測データと呼ぶ。
GPS受信機10は通常、1秒間隔程度でGPS受信データを出力できるが、可降水量解析装置12は、所定の解析演算時間でGPS受信機10の出力データから可降水量観測値PWVobsを演算する。この解析演算時間が遅れとなるものの、この遅延時間は、可降水量解析装置12の処理能力の向上により短縮できることは明らかである。本実施例では、以降の動作の理解を容易にするために、可降水量解析装置12は、ΔT(分)間隔で間引かれた状態で、可降水量観測値PWVobsを出力するとし、ΔT(分)は例えば、5分程度である。
可降水量変動算出装置14は、可降水量解析装置12からの可降水量観測値PWVobsの時間変動を算出して、降水量予測装置16に供給する。例えば、ΔT毎の差分を算出する。
ハードディスク18には、可降水量の時間変動と実際の降水量との関係を示す過去の統計データからなる降水量統計データ18aと、可降水量の時間変動と降水確率との関係を示す過去の統計データからなる降水確率統計データ18bが格納されている。降水量統計データ18aは、可降水量の時間変動(すなわち、可降水量変動算出装置14から出力される時間変動量)と実際の降水量との関係を長期にわたり計測し、統計的に解析した結果からなり、季節毎又は現象毎等に分類されている。また、降水確率統計データ18bは、過去の長期にわたる可降水量の時間変動と降水確率との関係を統計的に解析した結果からなり、これもまた、季節毎又は現象毎等に分類されている。
降水量予測装置16は、可降水量変動算出装置14で算出された変動量を、ハードディスク18に格納される統計データ18a,18bと照合して,降水量と降水確率を予測する。
また、GPS受信機10と同じ又は近隣する地点でレーダエコーによる雨量強度のデータを得られる場合、降水量予測装置16により予測される降水量に、レーダエコーによる雨量強度を加味しても良い。具体的には、合成装置20が、降水量予測装置16により予測された降水量RPWVと、レーダエコーによる雨量強度Rradarを,下記式により重み係数d,eで合成し、
降水量(予測)=Rradar×d+RPWV×e
降水量(予測)を算出する。重み係数d,eは、過去の統計結果から予め求めておく。
本実施例では,GPS受信機を設置されている場所の降水量と降水確率をスポット的に予測できる。
図2は、第2実施例の概略構成ブロック図を示す。この実施例では、GPS受信データによる可降水量観測値に加えて、風(風向、風速)と気圧の観測値を参照して、降水量と降水確率をスポット予測する。
GPS受信機110、可降水量解析装置112、可降水量変動算出装置114及び合成装置120の作用は、それぞれ、図1に示す実施例の、GPS受信機10、可降水量解析装置12、可降水量変動算出装置14及び合成装置20の作用と同じである。
本実施例では、GPS受信機110と実施的に同じ位置に、風観測器122と気圧観測器124を設置する。風観測器122はGPS受信機110を設置された位置の風の風向と風速(又は風速の東西成分と南北成分)を計測し、気圧観測器124は、GPS受信機110を設置された位置の気圧を計測する。風観測器122及び/又は気圧観測器124は、地上又は空中の規定の環境下に設置される。典型的には、同じビルの屋上に、GPS受信機110、風観測器120及び気圧観測器122を設置してもよく、GPS受信機110設置した建物の隣の建物に、風観測器120及び気圧観測器122を設置してもよい。もちろん、ラジオゾンデ、ウインドウプロファイラー及びドップラーレーダー等も、風観測器122及び/又は気圧観測器124として利用可能である。
収束発散量算出装置126は、風観測器122からの風向と風速のデータから風の収束発散量を算出する。例えば、地上風の風速の東西成分をuとし、南北成分をvとしたとき、収束発散量Dは、
D=du/dx+dv/dy
で計算される。
気圧変動算出装置128は、時間ΔTに対する気圧の変動量を算出する。算出される気圧の時間変動量ΔPsfcは、現在の気圧からΔT前の気圧を減算した結果に等しい。即ち、
ΔPsfc=Psfc(t)−Psfc(t−ΔT)
である。tcは現在時刻を示す。
ハードディスク118に格納される降水量統計データ118aは、可降水量の時間変動、風の収束・発散量、及び気圧変動と、実際の降水量との関係を示す統計データからなり、降水量統計データ118aに更に、収束発散量算出装置126により得られる風の収束・発散量と、気圧変動算出装置128により得られる気圧の時間変動とを加味したものである。また、降水確率統計データ118bは、可降水量の時間変動、風の収束・発散量、及び気圧変動と、降水確率との関係を示す統計データからなる。降水確率統計データ118bは、降水確率統計データ18bに更に、収束発散量算出装置126により得られる風の収束・発散量と、気圧変動算出装置128により得られる気圧の時間変動とを加味したものである。降水量統計データ118a及び降水確率統計データ118bは共に、降水量統計データ18a及び降水確率統計データ18bと同様に、季節毎又は現象毎等に分類されている。
降水量予測装置116は、可降水量変動算出装置114で算出される可降水量の時間変動量、収束発散量算出装置126で算出される風の収束・発散量、及び気圧変動算出装置128により算出される気圧の時間変動量を、ハードディスク118に格納される統計データ118a,118bと照合して,降水量と降水確率を予測する。
本実施例でも、GPS受信機10と同じ又は近隣する地点でレーダエコーによる雨量強度のデータを得られる場合、このデータを併用することで、降水量の予測精度を高めることができる。合成装置120が、降水量予測装置116により予測された降水量RPWVと、レーダエコーによる雨量強度Rradarを,下記式により重み係数d,eで合成し、
降水量(予測)=Rradar×d+RPWV×e
降水量(予測)を算出する。重み係数d,eは、過去の統計結果から予め求めておく。
本実施例では、GPS受信機を設置されている場所の降水量と降水確率をスポット的に予測できる。風と気圧を参照することで、より高い精度で,降水量と降水確率を予測できる。
図3は、本発明の第3実施例の概略構成ブロック図を示す。この実施例は、空間的にある程度以上に密に、可降水量データをリアルタイム(又は準リアルタイム)で得られる場合に適用される。
GPS受信機210−1〜210−nは、降水予測地域内の異なる位置(x,y)〜(x,y)に密に配置されている。各GPS受信機210−1〜210−nは、GPS受信機10と同様に、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS衛星の時刻データと軌道情報を含む受信データを出力する。
可降水量解析装置212−1〜212−nは、各GPS受信機210−1〜210−nからのGPS受信データから、可降水量解析装置12と同様の演算で可降水量観測値PWVobsを演算する。可降水量解析装置212−1〜212−nから出力される可降水量観測値PWVobsは、対応するGPS受信機210−1〜210−nの設置位置(x,y)に依存し、また、時間tの関数である。
各GPS受信機210−1〜210−nからのGPS受信データを一カ所に集約し、1台の可降水量解析装置又は可降水量解析コンピュータプログラムにより各地点(x,y)〜(x,y)の可降水量を演算してもよいことはいうまでもない。理解を容易にするために、本実施例では、複数の可降水量解析装置212−1〜212−nを図示してある。
可降水量解析装置212−1〜212−nから出力される可降水量観測値PWVobs(x,y,t)は、一般的には、時間的には非同期であり、水平空間上で一般的に一定間隔に位置するものではない。そこで、同時化装置230が、内挿処理により、可降水量解析装置212−1〜212−nからの各可降水量観測値PWVobs(x,y,t)を時間軸上で再構成して、同じ時刻の観測値を示すように同時化する。同時化装置230の同時化処理は、各GPS受信機210−1〜210−nから順次、出力されるデータの内、実質的に同時のデータのみを解析装置212−1〜212−nにより処理させることでも実現されうる。
なお、複数のGPS受信機による時刻同期したGPS受信データがGEONETデータとして入手可能であり、このデータを利用してもよい。この場合、同時化装置230は不要であり、また、可降水量解析装置212−1〜212−nを1台の可降水量解析装置又は可降水量解析用コンピュータプログラムに集約できる。
メッシュ化装置232が、同時化装置230により時間上で同じ時間に同時化された複数地点の可降水量観測値PWVobs(x,y,t)を、対象地域内において、水平空間上で一定距離間隔のメッシュ点(格子点)上に位置するように再配置する。このメッシュ化により、コンピュータ処理が容易になる。例えば、コンピュータ処理として、後段の予測処理や、データ同化処理、他のデータと合成する処理、最終的に得られる降水量の分布を作図する処理等がある。本実施例では、同時化装置230とメッシュ化装置232により、原観測値データを、時間軸上及び空間上で所定の間隔に並ぶ観測値データ(観測値格子点データ)に変換する。
メッシュ化装置232の出力データは、ハードディスク234に格納される。ハードディスク234は、後段の可降水量変動算出装置214による時間変動の算出のためにメッシュ化された観測値データを記憶するものであり、最低でも2つの異なる時間の、一定エリア内の観測値データを記憶可能である。
可降水量変動算出装置214は、ハードディスク234から同じ地点の異なる時間の観測値格子点データを読み出して、その差分(時間変動)を算出し、降水量予測装置216に供給する。可降水量変動算出装置214は、例えば、観測値格子点データのΔT毎の差分を算出する。
ハードディスク218には、ハードディスク18の降水量統計データ18aと同様の内容の降水量統計データ218a、及び降水確率統計データ18bと同様の内容の降水確率統計データ218bが格納されている。但し、降水量統計データ18a及び降水確率統計データ18bが、GPS受信機10の設置されるスポットの統計データであるのに対し、降水量統計データ218a及び降水確率統計データ218bは、GPS受信機210−1〜210−nの設置エリア(又はその中の複数の格子点)に拡張されている。勿論、降水量統計データ218a及び降水確率統計データ218bは、季節毎又は現象毎等に分類されている。
降水量予測装置216は、可降水量変動算出装置214で算出された各格子点上の観測値の時間変動量を、ハードディスク218に格納される統計データ218a,218bと照合して、各格子点上の降水量と降水確率を予測する。
降水量予測装置216は、ある格子点の降水量と降水確率の予測が終了すると、可降水量変動算出装置214に次の格子点に対する観測値の時間変動の算出を指示する。可降水量変動算出装置214は、次の格子点の、異なる時間の観測値格子点データをハードディスク234から読み出して、その差分(時間変動)を算出し、降水量予測装置216に供給する。このように、可降水量変動算出装置214と、降水量予測装置216は、逐次的に、ハードディスク234の全格子点に対して、差分の演算と降水量及び降水確率の予測を実行する。
本実施例でも、ハードディスク234に格納される観測値格子点データの格子点と同じ又は近隣する地点でレーダエコーによる雨量強度のデータを得られる場合、降水量予測装置216により予測される降水量に、レーダエコーによる雨量強度を加味しても良い。具体的には、合成装置220が、降水量予測装置216により予測された降水量RPWVと、レーダエコーによる雨量強度Rradarを,下記式により重み係数d,eで合成し、
降水量(予測)=Rradar×d+RPWV×e
降水量(予測)を算出する。重み係数d,eは、過去の統計結果から予め求めておく。
本実施例では,GPS受信機を設置されている場所の降水量と降水確率を面的に予測できる。GPS受信機を充分な密度で配置することで、観測値に基づき、降水量と降水確率を準リアルタイムで予測できる。また、観測値をメッシュ化することで、コンピュータ処理に適した予測データ(降水量、降水確率)を得ることができる。メッシュ化の前に、同時化を実行しておくことで、空間的な再配置を精度よく行えるようになる。物理量の時間変動の範囲は、通常、予測可能であり、同時化処理では、空間内でのメッシュ化よりも高い精度を得やすいからである。
図4は、本発明の第4実施例の概略構成ブロック図を示す。観測値をメッシュ化する方法として、気象モデルに基づく客観解析を利用可能である。本実施例では、気象分布データから特定のモデルに基づいて将来の気象データ値を予測し、観測値との比較により誤差を逐次的に修正していく。これにより、観測値を反映した気象データ、ここでは可降水量の水平面分布データを得ることができる。この可降水量の水平面分布データは、実施例3の観測値格子点データに対応する。
GPS受信機310−1〜310−nは、GPS受信機210−1〜210−nと同様に、降水予測地域内の異なる位置(x,y)〜(x,y)に密に配置されており、各GPS受信機310−1〜310−nは、GPS受信機210−1〜210−nと同様に、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS衛星の時刻データと軌道情報を含む受信データを出力する。
可降水量解析装置312−1〜312−nは、各GPS受信機310−1〜310−nからのGPS受信データから、可降水量解析装置12と同様の演算で可降水量観測値PWVobsを演算し、演算結果の可降水量観測値PWVobsとその観測誤差R(x,y)を出力する。可降水量解析装置312−1〜312−nから出力される可降水量観測値PWVobsは、対応するGPS受信機310−1〜310−nの設置位置(x,y)に依存し、また、時間tの関数である。
可降水量解析装置312−1〜312−nは、互いに同じ観測時刻における可降水量観測値PWVobsを出力するように、同期制御されている。即ち、図3に示す実施例の可降水量解析装置212−1〜212−nと同時化装置230からなる部分を、可降水量解析装置312−1〜312−nとすればよい。これにより、後段での客観解析が容易になる。
先に述べたように、複数のGPS受信機による時刻同期したGPS受信データが、GEONETデータとして入手可能であり、本実施例でも、このデータを利用してもよい。この場合、可降水量解析装置312−1〜312−nを1台の可降水量解析装置又は可降水量解析用コンピュータプログラムに集約でき、かつ、特別な同期処理無しで,時刻同期したGPS観測の可降水量データを得ることができる。
可降水量解析装置312−1〜312−nから出力される可降水量観測値PWVobs(x,y,t)とその観測誤差R(x,y)は、客観解析のデータ同化装置330に入力する。
客観解析は、3次元空間上に気温、気圧,風速、風向き,湿度等の気象データ値を配置した気象モデルに対し、所定の物理法則の下でその気象データの時間変化を算出し、時間変化の結果を実際の観測値で修正していくことで、実際の状況を精度よく示す気象データを得ようとする解析手法である。
気象モデル値記憶装置336には、初期値として気象モデル値が格納される。本実施例では,気象モデル値は、降水予測地域をカバーする3次元空間上の比湿値q(x,y,z)からなる。勿論、気象モデル値としては、他の気象要素も含む。
気象モデル予測装置338は、気象モデル値記憶装置336に記憶される各気象モデル値とその誤差(気象モデル誤差)を読み出し、地形と空間的な気象変化の物理法則に従い、この気象モデル値から時間ΔT後の気象モデル値を予測する。そして、気象モデル予測装置338は、計算した予測値(この実施例では、比湿値q(x,y,z,t))と、この気象モデル値の誤差b(x,y,z)をデータ同化装置330に供給する。気象モデル予測装置338の予測時間間隔を、可降水量解析装置312−1〜312−nの出力する可降水量の時間間隔ΔTに一致させることで、観測値を気象モデル値の修正に効率的に活用できる。
データ同化装置330は、気象モデル予測装置338からの予測気象モデル値から各水平位置における可降水量モデル値を算出する。そして、この可降水量モデル値を、可降水量解析装置312−1〜312−nからの可降水量観測値PWVobs(x,y,t)とその観測誤差R(x,y)、及び気象モデル予測装置338からの気象モデル誤差を加味して修正し、修正可降水量モデル値を算出する。データ同化装置330は、更に、修正可降水量モデル値を算出する際の修正重みに従い、予測気象モデル値を修正し、この修正された予測気象モデル値で気象モデル値記憶装置336の記憶データを更新する。このようなデータ同化処理、又は帰還的な処理により、気象モデル値記憶装置336に記憶される気象モデル値を、気象モデル値の空間的密度よりも低い密度の観測値を使って、より精度の高い値に逐次的に修正できる。この意味で,データ同化装置330は、モデル値を実際の観測値で修正する修正装置とも言える。ある程度以上の時間を経過したときには、気象モデル値記憶装置336に記憶される気象モデル値は、考慮対象の3次元空間について実際の気象データ値を精度良く示すものとなる。
図5は、データ同化装置330の動作フローチャートを示す。データ同化装置330は、可降水量解析装置312−1〜312−nからの可降水量観測値PWVobs(x,y)とその観測誤差R(x,y)を全部、読み込む(S1)。気象モデル予測装置338により予測される予測気象モデル値(比湿値(x,y,z))とその誤差b(x、y、z)を読み込み、予測気象モデル値を天頂方向(z方向)に積分して、可降水量相当値となる可降水量モデル値PWVmodel(x,y)を算出する(S2)。同時に、気象モデル値の誤差b(x,y,z)から可降水量モデル値PWVmodel(x,y)のモデル誤差B(x,y)を算出する(S2)。例えば、比湿値(x,y,z)はz方向に関して気圧で表現されている場合には、qをモデル最下層の気圧からモデル最上層の気圧の間で積分し、重力加速度で減算した結果が、PWVmodel(x,y)となる。
可降水量観測値PWVobs(x,y)と可降水量モデル値PWVmodel(x,y)とを差の絶対値が所定値以上の場合、観測値は異常である可能性があるので破棄する(S3)。
残った可降水量観測値PWVobs(x,y)を使って、客観解析の手法の一つである変分法を使い、残った可降水量観測値PWVobs(x,y)と、可降水量モデル値PWVmodel(x,y)と、観測誤差R(x,y)と、モデル誤差B(x,y)とから、客観解析値を算出する(S4)。得られた客観解析値は、いわば、可降水量モデル値PWVmodel(x,y)を可降水量観測値PWVobs(x,y)で修正した値を示す。データ同化装置330は、この修正された可降水量モデル値をハードディスク334に格納する。
データ同化装置330は、ステップS4での修正の程度に応じて予測気象モデル値を修正し、この修正値(修正比湿値)で気象モデル値記憶装置336を更新する(S5)。
ハードディスク334は、後段の可降水量変動算出装置314による時間変動の算出のために、予測対象エリア内の複数の修正可降水量モデル値を記憶するものであり、最低でも2つの異なる時間の、予測対象エリア内の一定間隔の複数地点の修正可降水量モデル値を記憶可能である。
可降水量変動算出装置314、降水量予測装置316、及び合成装置320は、それぞれ、図3に示す実施例の、可降水量変動算出装置214、降水量予測装置216、及び合成装置220と同様に動作する。また、ハードディスク318に記憶される降水量統計データ318a及び降水確率統計データ318bは、修正可降水量モデル値に対する統計データであることを除いて、降水量統計データ218a及び降水確率統計データ218bと同様の要素からなる。
即ち、可降水量変動算出装置314は、ハードディスク334から各地点の異なる時間の修正可降水量モデル値を読み出して、その差分(時間変動)を算出し、降水量予測装置316に順次、供給する。可降水量変動算出装置314は、例えば、ΔT毎の差分を算出する。
降水量予測装置316は、変動差分装置314からの各格子点の可降水量時間変動データをハードディスク317に一時記憶する。降水量予測装置316は、ハードディスク317に格納される各格子点の修正可降水量モデル値の時間変動量を、ハードディスク318に格納される統計データ318a,318bと照合して、気象モデルの各格子点上の降水量と降水確率を予測する。
降水量予測装置316は、各格子点の可降水量時間変動データを変動差分装置414に順番で算出させ、各格子点上の降水量と降水確率を逐次的に予測するようにしてもよい。この場合、ハードディスク317を省略できる。
本実施例でも、設定される気象モデル値の水平地域内又は近接する地域外でレーダエコーによる雨量強度のデータを得られる場合、降水量予測装置316により予測される降水量に、レーダエコーによる雨量強度を加味しても良い。具体的には、合成装置320が、降水量予測装置316により予測された降水量RPWVと、レーダエコーによる雨量強度Rradarを,下記式により重み係数d,eで合成し、
降水量(予測)=Rradar×d+RPWV×e
降水量(予測)を算出する。重み係数d,eは、過去の統計結果から予め求めておく。
本実施例では,GPS受信機を設置されている場所の降水量と降水確率を面的に予測できる。GPS受信データによる可降水量を使って予測することで、準リアルタイムに降水量及び降水確率を予測できる。気象モデルと客観解析を使うことで、十分に密に配置されたGPS受信機を用意しなくても、対象エリア内を充分な空間密度と精度で降水量と降水確率を予測できる。水平面内の一定間隔のメッシュとして、コンピュータ処理に適した予測データ(降水量、降水確率)を得ることができる。
図6は、本発明の第5実施例の概略構成ブロック図を示す。図6に示す実施例は、図3に示す実施例に風の影響と気圧の影響を加味したものである。
GPS受信機410−1〜410−n、可降水量解析装置412−1〜412−n、同時化装置430、メッシュ化装置432及びハードディスク434の機能は、それぞれ、図3に示す実施例の、GPS受信機210−1〜210−n、可降水量解析装置212−1〜212−n、同時化装置230、メッシュ化装置232及びハードディスク234の機能と同じである。
すなわち、GPS受信機410−1〜410−nは、降水予測地域内の異なる位置(x,y)〜(x,y)に密に配置されている。各GPS受信機410−1〜410−nは、GPS受信機10と同様に、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS衛星の時刻データと軌道情報を含む受信データを出力する。
可降水量解析装置412−1〜412−nは、各GPS受信機410−1〜410−nからのGPS受信データから、可降水量解析装置12と同様の演算で可降水量観測値PWVobsを演算する。可降水量解析装置412−1〜412−nから出力される可降水量観測値PWVobsは、対応するGPS受信機410−1〜410−nの設置位置(x,y)に依存し、また、時間tの関数である。
各GPS受信機410−1〜410−nからのGPS受信データを一カ所に集約し、1台の可降水量解析装置又は可降水量解析コンピュータプログラムにより各地点(x,y)〜(x,y)の可降水量を演算してもよいことはいうまでもない。理解を容易にするために、GPS受信機410−1〜410−n毎の可降水量解析装置412−1〜412−nを図示してある。
可降水量解析装置412−1〜412−nから出力される可降水量観測値PWVobs(x,y,t)は、一般的には、時間的には非同期であり、水平空間上で一般的に一定間隔に位置するものではない。そこで、同時化装置430が、内挿処理により、可降水量解析装置412−1〜412−nからの各可降水量観測値PWVobs(x,y,t)を時間軸上で再構成して、同じ時刻の観測値を示すように同時化する。同時化装置430の同時化処理は、各GPS受信機410−1〜410−nから順次、出力されるデータの内、実質的に同時のデータのみを解析装置412−1〜412−nにより処理させることでも実現されうる。
先に述べたように、複数のGPS受信機による時刻同期したGPS受信データが、GEONETデータとして入手可能であり、本実施例でも、このデータを利用してもよい。この場合、同時化装置230は不要であり、また、可降水量解析装置212−1〜212−nを1台の可降水量解析装置、又は可降水量解析用コンピュータプログラムに集約できる。
メッシュ化装置432が、同時化装置430により時間上で同じ時間に同時化された複数地点の可降水量観測値PWVobs(x,y,t)を、対象地域内において、水平空間上で一定距離間隔のメッシュ点(格子点)上に位置するように再配置する。このメッシュ化により、コンピュータ処理が容易になる。例えば、コンピュータ処理として、後段の予測処理や、データ同化処理、他のデータと合成する処理、最終的に得られる降水量の分布を作図する処理等がある。本実施例では、同時化装置430とメッシュ化装置432により、原観測値データを、時間軸上及び空間上で所定の間隔に並ぶ観測値データ(観測値格子点データ)に変換する。
メッシュ化装置432の出力データは、ハードディスク434に格納される。ハードディスク434は、後段の可降水量変動算出装置414による時間変動の算出のためにメッシュ化された観測値データを記憶するものであり、最低でも2つの異なる時間の、一定エリア内の観測値データを記憶可能である。
風及び気圧に対しても、解析装置412−1〜412−n、同時化装置430及びメッシュ化装置432に相当する構成が用意される。ただし、風(風速及び風向)及び気圧を連続的に直接、計測している場合、解析装置412−1〜412−n及び同時化装置430に相当する構成は不要になる。
予測対象地域内にp台の風観測器440−1〜440−pが分散配置され、q台の気圧観測器442−1〜442−qが分散配置される。pとqは、nと等しいのが好ましいが、一般的にはn以下でもn未満でも良く、単に十分な精度でメッシュ化が可能なほどの台数であればよい。風観測器と気圧観測器を一体化した気象観測器を使用する場合には、p=qとなる。
各風観測器440−1〜440−pは、風向と風速(又は風速の東西成分と南北成分)を計測し、各気圧観測器442−1〜442−qは、気圧を計測する。風観測器440−1〜440−p及び気圧観測器442−1〜442−qは、風観測器122及び/又は気圧観測器124と同様に、地上又は空中の規定の環境下に設置される。ラジオゾンデ等も利用可能である。
メッシュ化装置444が、風観測器440−1〜440−pからの風向・風速データから同時化装置430による同時化タイミングと同じ時刻の計測データをサンプリングした上で、予測対象地域において水平空間上又は3次元空間で一定距離間隔のメッシュ点(格子点)上に位置するように再配置し、再配置した風向風速データをハードディスク446に格納する。同様に、メッシュ化装置448が、気圧観測器442−1〜442−qからの気圧データから同時化装置430による同時化タイミングと同じ時刻の計測データをサンプリングした上で、予測対象地域において水平空間上又は3次元空間で一定距離間隔のメッシュ点(格子点)上に位置するように再配置し、再配置した気圧データをハードディスク450に格納する。
メッシュ化装置444,448によるメッシュの位置は、メッシュ化装置432のメッシュの位置と同じであるのがコンピュータ処理上、好ましいが、そうでなければ降水予測を実現できないということではない。
同時化装置430、及びメッシュ化装置432,444,448により、不規則な地点からの観測値を時間軸上及び空間上で所定の間隔に並ぶ観測値データ(観測値格子点データ)に変換でき、以後のコンピュータ処理及び図形化が容易になる。
可降水量変動算出装置414は、ハードディスク434に記憶される各格子点の異なる時間の観測値格子点データを読み出して、その差分(時間変動)を算出し、降水量予測装置216に供給する。可降水量変動算出装置414は、本実施例では、観測値格子点データのΔT毎の差分を算出する。
収束発散量算出装置452は、ハードディスク446に記憶される各格子点の風向と風速のデータから風の収束発散量を算出し、降水量予測装置416に供給する。例えば、地上風の風速の東西成分をuとし、南北成分をvとしたとき、収束発散量Dは、
D=du/dx+dv/dy
で計算される。
気圧変動算出装置454は、ハードディスク446に記憶される各格子点の時間の異なる気圧データを読み出し、時間ΔTに対する気圧の変動量を算出し、降水量予測装置416に供給する。算出される気圧の時間変動量ΔPsfcは、現在の気圧からΔT前の気圧を減算した結果に等しい。即ち、
ΔPsfc=Psfc(t)−Psfc(t−ΔT)
である。tcは現在時刻を示す。
降水量予測装置416は、変動差分装置414からの各格子点の可降水量時間変動データ、収束発散量算出装置452からの各格子点の収束発散量データ、及び気圧変動算出装置454からの各格子点の気圧時間変動データをハードディスク417に一時記憶する。
ハードディスク418に格納される降水量統計データ418aは、可降水量の時間変動、風の収束・発散量、及び気圧変動と、実際の降水量との関係を示す統計データからなり、更に、GPS受信機410−1〜410−n、風観測器440−1〜440−p及び気圧観測器442−1〜442−qが設置される予測対象地域に拡張されている。また、降水確率統計データ418bは、降水量統計データ118bと同様に、可降水量の時間変動、風の収束・発散量、及び気圧変動と、降水確率との関係を示す統計データからなり、更に、上記の予測対象地域に拡張されている。降水量統計データ418a及び降水確率統計データ418bは共に、季節毎又は現象毎等に分類されている。
降水量予測装置416は、ハードディスク417に格納される各格子点上の可降水量の時間変動、風の収束・発散量、及び気圧変動のデータを、ハードディスク418に格納される統計データ418a,418bと照合して、各格子点上の降水量と降水確率を予測する。
降水量予測装置416は、各格子点の可降水量時間変動データ、収束発散量及び気圧の時間変動をそれぞれ変動差分装置414、収束発散量算出装置452及び気圧変動算出装置454に順番で算出させ、各格子点上の降水量と降水確率を逐次的に予測するようにしてもよい。この場合、ハードディスク417を省略できる。
本実施例でも、観測対象地域又は近隣する地域でレーダエコーによる雨量強度のデータを得られる場合、降水量予測装置416により予測される降水量に、レーダエコーによる雨量強度を加味しても良い。具体的には、合成装置420が、合成装置220と同様に、降水量予測装置416により予測された降水量RPWVと、レーダエコーによる雨量強度Rradarを,下記式により重み係数d,eで合成し、
降水量(予測)=Rradar×d+RPWV×e
降水量(予測)を算出する。重み係数d,eは、過去の統計結果から予め求めておく。
本実施例では,GPS受信機を設置されている場所の降水量と降水確率を面的に予測できる。風及び気圧を加味することで、より精密な予測が可能になる。観測値をメッシュ化することで、観測地点からずれた地点の予測も可能になると共に、コンピュータ処理に適した予測データ(降水量、降水確率)を得ることができる。
図7は、本発明の第6実施例の概略構成ブロック図を示す。観測値をメッシュ化する方法として、気象モデルに基づく客観解析を利用可能である。本実施例では、比湿値、風向風速及び気圧を含む気象分布データから特定のモデルに基づいて将来の気象データ値を予測し、観測値との比較により誤差を逐次的に修正していく。これにより、観測値を反映した気象データの2次元又は3次元の分布データを得ることができる。
GPS受信機510−1〜510−nは、GPS受信機410−1〜410−nと同様に、降水予測地域内の異なる位置(x,y)〜(x,y)に密に配置されており、各GPS受信機510−1〜510−nは、GPS受信機10,410−1〜410−nと同様に、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からのGPS電波を受信し、各GPS衛星からの受信電波で搬送されるGPS受信データを出力する。本実施例でも、上述のGEONETデータを利用してもよい。
可降水量解析装置512−1〜512−nは、各GPS受信機510−1〜510−nからのGPS受信データから、可降水量解析装置12,412−1〜412−nと同様の演算で可降水量観測値PWVobsを演算し、演算結果の可降水量観測値PWVobsとその観測誤差R(x,y)を出力する。可降水量解析装置512−1〜512−nから出力される可降水量観測値PWVobsは、対応するGPS受信機510−1〜510−nの設置位置(x,y)に依存し、また、時間tの関数である。
可降水量解析装置512−1〜512−nは、互いに同じ観測時刻における可降水量観測値PWVobsを出力するように、同期制御されている。即ち、図3に示す実施例の可降水量解析装置212−1〜212−nと同時化装置230からなる部分を、可降水量解析装置512−1〜512−nとすればよい。これにより、後段での客観解析が容易になる。
各GPS受信機510−1〜510−nからのGPS受信データを一カ所に集約し、1台の可降水量解析装置により各地点(x,y)〜(x,y)の可降水量を演算してもよいことはいうまでもない。
可降水量解析装置512−1〜512−nから出力される可降水量観測値PWVobs(x,y,t)とその観測誤差R(x,y)は、データ同化装置544に入力する。
本実施例では更に、予測対象地域内にp台の風観測器540−1〜540−pが分散配置され、q台の気圧観測器542−1〜542−qが分散配置される。pとqは、nと等しいのが好ましいが、一般的にはn以下でもn未満でも良く、単に十分な精度でメッシュ化が可能なほどの台数であればよい。風観測器と気圧観測器を一体化した気象観測器を使用する場合には、p=qとなる。
各風観測器540−1〜450−pは、風向と風速(又は風速の東西成分と南北成分)を計測し、計測値とその計測誤差をデータ同化装置544に供給する。各気圧観測器542−1〜542−qは、気圧を計測し、計測値とその計測誤差をデータ同化装置544に供給する。風観測器540−1〜540−p及び気圧観測器542−1〜452−qは、風観測器122,440−1〜440−p及び/又は気圧観測器124,442−1〜452−qと同様に、地上又は空中の規定の環境下に設置される。ラジオゾンデ等も利用可能である。
気象モデル値記憶装置546には、初期値として気象モデル値が格納される。本実施例では,気象モデル値は、降水予測地域をカバーする3次元空間上の比湿値q(x,y,z)、風向風速データw(x、y、z)及び気圧p(x,y,z)からなる。
気象モデル予測装置548は、気象モデル値記憶装置546に記憶される各気象モデルサンプル値とその誤差(気象モデル誤差)を読み出し、地形と空間的な気象変化の物理法則に従い、この気象モデルサンプル値から時間ΔT後の気象モデルサンプル値を予測する。そして、気象モデル予測装置548は、計算した予測値(この実施例では、比湿値q(x,y,z,t)、風向風速値w(x,y,z,t)及び気圧p(x,y,z,t))と、この気象モデルサンプル値の誤差b(x,y,z),w(x,y,z),p(x,y,z)をデータ同化装置544に供給する。気象モデル予測装置548の予測時間間隔を、可降水量解析装置512−1〜512−nの出力する可降水量の時間間隔ΔTに一致させることで、観測値を気象モデル値の修正に効率的に活用できる。
データ同化装置544は、データ同化装置330と同様に、気象モデル予測装置548からの比湿値qから各水平位置における可降水量モデル値を算出する。そして、この可降水量モデル値を、可降水量解析装置512−1〜512−nからの可降水量観測値PWVobs(x,y,t)とその観測誤差R(x,y)、及び気象モデル予測装置338からの気象モデル誤差を加味して修正し、修正可降水量モデル値を算出し、ハードディスク550に格納する。
データ同化装置544は、更に、修正可降水量モデル値を算出する際の修正重みに従い、気象モデル予測値からの予測比湿値を修正し、修正後の予測比湿値で気象モデル値記憶装置546の記憶データを更新する。
風向風速と気圧に関して、データ同化装置544は、気象モデル予測装置548からの風向風速データw及び気圧pを風観測器540−1〜540−pからの風向風速観測値及び気圧観測器542−1〜542−qからの気圧観測値とそれぞれ対比し、これらの誤差の元で客観解析を行うことで、気象モデルの各サンプル点における風向風速の修正モデル値及び気圧の修正モデル値を算出する。そして、このように算出された風向風速の修正モデル値及び気圧の修正モデル値をハードディスク550に格納する。
このような帰還制御により、気象モデル値記憶装置546に記憶される気象モデル値を、気象モデル値の空間的密度よりも低い密度の観測値を使って、より精度の高い値に逐次的に修正できる。ある程度以上の時間を経過したときには、気象モデル値記憶装置546に記憶される気象モデル値は、考慮対象の3次元空間について実際の気象データ値を精度良く示すものとなる。なお、気圧が修正されると、気象学的な法則に従い風向風速も修正される。逆に、風向風速が修正されると、気象学的な法則に従い気圧も修正される。データ同化装置544において、風向風速モデル値の修正に気圧観測値の影響を加味し、気圧モデル値の修正に風向風速観測値の影響を加味することで、少ない観測点でも、風向風速及び気圧に関して精度の良いモデル値を得られる。
ハードディスク550は、後段の可降水量変動算出装置514及び気圧変動算出装置554による時間変動の算出のために、予測対象エリア内の複数の修正可降水量モデル値及び気圧モデル値を記憶するものであり、最低でも2つの異なる時間の、予測対象エリア内の一定間隔の複数地点の修正可降水量モデル値及び気圧モデル値を記憶可能である。風向風速については、空間的な収束発散を計算するのみなので、異なる時間のデータを記憶する必要は無い。
可降水量変動算出装置514は、ハードディスク550に記憶される各水平地点の異なる時間の修正可降水量モデル値を読み出して、その差分(時間変動)を算出し、降水量予測装置516に供給する。可降水量変動算出装置514は、本実施例では、ΔT毎の差分を算出する。
収束発散量算出装置552は、ハードディスク550に記憶される各サンプル点の修正風向風速モデル値から風の収束発散量を算出し、降水量予測装置516に供給する。例えば、風速の東西成分をuとし、南北成分をvとしたとき、収束発散量Dは、
D=du/dx+dv/dy
で計算される。
気圧変動算出装置554は、ハードディスク550に記憶される各サンプル点の時間の異なる気圧データを読み出し、時間ΔTに対する気圧の変動量を算出し、降水量予測装置516に供給する。算出される気圧の時間変動量ΔPsfcは、現在の気圧からΔT前の気圧を減算した結果に等しい。即ち、
ΔPsfc=Psfc(t)−Psfc(t−ΔT)
である。tcは現在時刻を示す。
降水量予測装置516は、変動差分装置514からの各水平地点の可降水量時間変動データ、収束発散量算出装置552からの各サンプル点の収束発散量データ、及び気圧変動算出装置554からの各サンプル点の気圧時間変動データをハードディスク517に一時記憶する。
ハードディスク518には、降水量統計データ418aと同内容の降水量統計データ518a、及び、降水確率統計データ418bと同内容の降水確率統計データ518bが格納されている。いうまでもないが、統計データ518a,518bは、統計データ418a,418bに比べて、空間的に高密度のデータからなる。
降水量予測装置516は、ハードディスク517に格納される各水平地点上の可降水量の時間変動のデータ、並びに、気象モデルの各サンプル点の風の収束・発散量及び気圧変動のデータを、ハードディスク518に格納される統計データ518a,518bと照合して、各水平地点上の降水量と降水確率を予測する。
降水量予測装置516は、各水平地点の可降水量時間変動データ、並びに、各サンプル点の収束発散量及び気圧の時間変動をそれぞれ変動差分装置514、収束発散量算出装置552及び気圧変動算出装置554に順番で算出させ、各水平地点上の降水量と降水確率を逐次的に予測するようにしてもよい。この場合、小容量の一時記憶手段で済み、ハードディスク517を省略できる。
本実施例でも、観測対象地域又は近隣する地域でレーダエコーによる雨量強度のデータを得られる場合、降水量予測装置516により予測される降水量に、レーダエコーによる雨量強度を加味しても良い。具体的には、合成装置520が、合成装置420と同様に、降水量予測装置516により予測された降水量RPWVと、レーダエコーによる雨量強度Rradarを,下記式により重み係数d,eで合成し、
降水量(予測)=Rradar×d+RPWV×e
降水量(予測)を算出する。重み係数d,eは、過去の統計結果から予め求めておく。
本実施例では,GPS受信機を設置されている場所の降水量と降水確率を面的に予測できる。GPS受信データによる可降水量を使って予測することで、準リアルタイムに降水量及び降水確率を予測できる。気象モデルと客観解析を使うことで、GPS受信機、風観測器及び気圧観測器を高密度に配置しなくても、用意しなくても、対象エリア内を充分な空間密度と精度で降水量と降水確率を予測できる。統計データを得るときと実際に予測するときとで、GPS受信機、風観測器及び気圧観測器の設置位置が異なっても良いという利点がある。水平面内の一定間隔のメッシュとしてコンピュータ処理に適した予測データ(降水量、降水確率)を得ることができる。
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の第1実施例の概略構成ブロック図を示す。 第2実施例の概略構成ブロック図を示す。 本発明の第3実施例の概略構成ブロック図を示す。 本発明の第4実施例の概略構成ブロック図を示す。 図4に示す実施例のデータ同化装置330の動作フローチャートである。 本発明の第5実施例の概略構成ブロック図を示す。 本発明の第6実施例の概略構成ブロック図を示す。
符号の説明
10:GPS受信機
12:可降水量解析装置
14:可降水量変動算出装置
16:降水量予測装置
18:ハードディスク
18a:降水量統計データ
18b:降水確率統計データ
20:合成装置
110:GPS受信機
112:可降水量解析装置
114:可降水量変動算出装置
116:降水量予測装置
118:ハードディスク
118a:降水量統計データ
118b:降水確率統計データ
120:合成装置
122:風観測器
124:気圧観測器
126:収束発散量算出装置
128:気圧変動算出装置
210−1〜210−n:GPS受信機
212−1〜212−n:可降水量解析装置
214:可降水量変動算出装置
216:降水量予測装置
218:ハードディスク
218a:降水量統計データ
218b:降水確率統計データ
220:合成装置
230:同時化装置
232:メッシュ化装置
234:ハードディスク
310−1〜310−n:GPS受信機
312−1〜312−n:可降水量解析装置
314:可降水量変動算出装置
316:降水量予測装置
318:ハードディスク
318a:降水量統計データ
318b:降水確率統計データ
320:合成装置
330:データ同化装置
334:ハードディスク
336:気象モデル値
338:気象モデル予測装置
410−1〜410−n:GPS受信機
412−1〜412−n:可降水量解析装置
414:可降水量変動算出装置
416:降水量予測装置
417:ハードディスク
418:ハードディスク
418a:降水量統計データ
418b:降水確率統計データ
420:合成装置
430:同時化装置
432:メッシュ化装置
440−1〜440−p:風観測器
442−1〜442−q:気圧観測器
444:メッシュ化装置
446:ハードディスク
448:メッシュ化装置
450:ハードディスク
452:収束発散量算出装置
454:気圧変動算出装置
510−1〜510−n:GPS受信機
512−1〜512−n:可降水量解析装置
514:可降水量変動算出装置
516:降水量予測装置
517:ハードディスク
518:ハードディスク
518a:降水量統計データ
518b:降水確率統計データ
520:合成装置
550:ハードディスク
540−1〜540−p:風観測器
542−1〜542−q:気圧観測器
544:データ同化装置
546:気象モデル値
548:気象モデル予測装置
550:ハードディスク
552:収束発散量算出装置
554:気圧変動算出装置

Claims (11)

  1. 複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力手段(410−1〜410−n、412−1〜412−n)と、
    複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力手段(440−1〜440−p)と、
    複数地点の気圧データを入力する気圧入力手段(442−1〜442−q)と、
    当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データから、それぞれ、所定距離間隔の格子点上の可降水量格子点データ、風格子点データ及び気圧格子点を生成するメッシュ化手段(432,444,448)と、
    当該可降水量格子点データの時間変動を算出する可降水量変動算出手段(414)と、
    当該風格子点データの収束発散量を算出する収束発散量算出手段(452)と、
    当該気圧格子点データの時間変動を算出する気圧変動算出手段(454)と、
    降水量統計データ(418a)及び降水確率統計データ(418b)を記憶する統計データ記憶手段(418)と、
    当該可降水量変動算出手段(414)、当該収束発散量算出手段(452)及び当該気圧変動算出手段(454)の出力に従い、当該降水量統計データ(418a)及び当該降水確率統計データ(418b)を参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測手段(416)
    とを具備することを特徴とする降水予測システム。
  2. 更に、当該メッシュ化手段によるメッシュ化の前に、当該複数地点のGPS可降水量観測データを同時化する同時化手段(430)を具備することを特徴とする請求項に記載の降水予測システム。
  3. 複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力手段(510−1〜510−n、512−1〜512−n)と、
    複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力手段(540−1〜540−p)と、
    複数地点の気圧データを入力する気圧入力手段(542−1〜542−q)と、
    所定気象モデル(546)に基づき気象状態を予測する気象モデル予測手段(548)と、
    当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データを、当該気象モデル予測手段からの気象モデル値にデータ同化して、修正可降水量、修正風向風速値、及び修正気圧値を出力するデータ同化手段(544)と、
    当該修正可降水量の時間変動を算出する可降水量変動算出手段(514)と、
    当該修正風向風速値の収束発散量を算出する収束発散量算出手段(552)と、
    当該修正気圧値の時間変動を算出する気圧変動算出手段(554)と、
    降水量統計データ(518a)及び降水確率統計データ(518b)を記憶する統計データ記憶手段(518)と、
    当該修正可降水量の時間変動、当該修正風向風速値の収束発散量及び当該修正気圧値の時間変動に従い、当該降水量統計データ(318a)及び当該降水確率統計データ(218b)を参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測手段(516)
    とを具備することを特徴とする降水予測システム。
  4. 前記可降水量入力手段が、異なる地点に配置される複数のGPS受信手段(10−1〜410−n;510−1〜510−n)と、当該複数のGPS受信手段の受信出力データから各地点の当該GPS可降水量観測データを算出する可降水量解析手段(12−1〜412−n;512−1〜512−n)とを具備することを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の降水予測システム。
  5. 更に、降水量予測装置(16,516)による前記降水量に雨量強度観測データを所定の重みの下で合成する合成手段(20,520)を具備することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の降水予測システム。
  6. 複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップ(410−1〜410−n、412−1〜412−n)と、
    複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップ(440−1〜440−p)と、
    複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップ(442−1〜442−q)と、
    当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データから、それぞれ、所定距離間隔の格子点上の可降水量格子点データ、風格子点データ及び気圧格子点を生成するメッシュ化ステップ(432,444,448)と、
    当該可降水量格子点データの時間変動を算出する可降水量変動算出ステップ(414)と、
    当該風格子点データの収束発散量を算出する収束発散量算出ステップ(452)と、
    当該気圧格子点データの時間変動を算出する気圧変動算出ステップ(454)と、
    当該可降水量変動算出ステップ(414)、当該収束発散量算出ステップ(452)及び当該気圧変動算出ステップ(454)の算出結果に従い、降水量統計データ(418a)及び降水確率統計データ(418b)を参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測ステップ(416)
    とを具備することを特徴とする降水予測方法。
  7. 複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップ(510−1〜510−n、512−1〜512−n)と、
    複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップ(540−1〜540−p)と、
    複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップ(542−1〜542−q)と、
    所定気象モデル(546)に基づき気象状態を予測する気象モデル予測ステップ(548)と、
    当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データを、当該気象モデル予測手段からの気象モデル値にデータ同化して、修正可降水量、修正風向風速値、及び修正気圧値を出力するデータ同化ステップ(544)と、
    当該修正可降水量の時間変動を算出する可降水量変動算出ステップ(514)と、
    当該修正風向風速値の収束発散量を算出する収束発散量算出ステップ(552)と、
    当該修正気圧値の時間変動を算出する気圧変動算出ステップ(554)と、
    当該可降水量変動算出ステップ(514)、当該収束発散量算出ステップ(552)及び当該気圧変動算出ステップ(554)の算出結果に従い、降水量統計データ(518a)及び降水確率統計データ(518b)を参照して、降水量及び降水確率を予測する降水量予測ステップ(516)
    とを具備することを特徴とする降水予測方法。
  8. 更に、降水量予測ステップ(16,516)による当該降水量に雨量強度観測データを所定の重みの下で合成する合成ステップ(20,520)を具備することを特徴とする請求項6又は7に記載の降水予測方法。
  9. コンピュータに複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップ(410−1〜410−n、412−1〜412−n)と、
    当該コンピュータに複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップ(440−1〜440−p)と、
    当該コンピュータに複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップ(442−1〜442−q)と、
    当該コンピュータに、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データから、それぞれ、所定距離間隔の格子点上の可降水量格子点データ、風格子点データ及び気圧格子点を生成させるメッシュ化ステップ(432,444,448)と、
    当該コンピュータに、当該可降水量格子点データの時間変動を算出させる可降水量変動算出ステップ(414)と、
    当該コンピュータに、当該風格子点データの収束発散量を算出させる収束発散量算出ステップ(452)と、
    当該コンピュータに、当該気圧格子点データの時間変動を算出させる気圧変動算出ステップ(454)と、
    当該コンピュータに、当該可降水量変動算出ステップ(414)、当該収束発散量算出ステップ(452)及び当該気圧変動算出ステップ(454)の算出結果に従い、降水量統計データ(418a)及び降水確率統計データ(418b)を参照して、降水量及び降水確率を予測させる降水量予測ステップ(416)
    とを具備することを特徴とする降水予測プログラム。
  10. コンピュータに複数地点のGPS可降水量観測データを入力する可降水量入力ステップ(510−1〜510−n、512−1〜512−n)と、
    当該コンピュータに複数地点の風向風速データを入力する風向風速入力ステップ(540−1〜540−p)と、
    当該コンピュータに、複数地点の気圧データを入力する気圧入力ステップ(542−1〜542−q)と、
    当該コンピュータに、所定気象モデル(546)に基づき気象状態を予測させる気象モデル予測ステップ(548)と、
    当該コンピュータに、当該複数地点のGPS可降水量観測データ、当該複数地点の風向風速データ及び当該複数地点の気圧データを、当該気象モデル予測手段からの気象モデル値にデータ同化して、修正可降水量、修正風向風速値、及び修正気圧値を出力させるデータ同化ステップ(544)と、
    当該コンピュータに当該修正可降水量の時間変動を算出させる可降水量変動算出ステップ(514)と、
    当該コンピュータに、当該修正風向風速値の収束発散量を算出させる収束発散量算出ステップ(552)と、
    当該コンピュータに、当該修正気圧値の時間変動を算出させる気圧変動算出ステップ(554)と、
    当該コンピュータに、当該可降水量変動算出ステップ(514)、当該収束発散量算出ステップ(552)及び当該気圧変動算出ステップ(554)の算出結果に従い、降水量統計データ(518a)及び降水確率統計データ(518b)を参照して、降水量及び降水確率を予測させる降水量予測ステップ(516)
    とを具備することを特徴とする降水予測プログラム。
  11. 更に、当該コンピュータに、降水量予測ステップ(16,516)による当該降水量に雨量強度観測データを所定の重みの下で合成させる合成ステップ(20,520)を具備することを特徴とする請求項9又は10に記載の降水予測プログラム。
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