JP4613934B2 - 気象レーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、垂直偏波及び水平偏波の二重偏波を用いて得られた偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI(Moving Target Indicator)処理後の受信強度データ(以下、MTI処理受信強度データと称する)から気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置に関するものである。
従来、単一偏波を用いた気象レーダ装置には、観測領域(観測レンジ)に送信したレーダ波(送信波)が反射物に反射して得られる受信エコーの成分に雨、雪、雹などの気象目標の気象エコー成分だけでなく、観測領域に存在する岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物に反射して観測されるクラッタ成分が含まれるので、受信エコーからドップラ成分が0でない移動している気象エコー成分とドップラ成分が0である固定物のクラッタ成分とをMTI処理により分離してからクラッタ成分を除去して、残りの受信エコーの強度から降雨強度を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、垂直偏波及び水平偏波の二重偏波を用いた気象レーダ装置には、受信エコーの垂直偏波及び水平偏波の偏波パラメータである受信エコーにおける垂直偏波及び水平偏波の直交偏波比(強度比)Zdrデータ、伝播位相差の微分値Kdpデータなどから気象エコーの粒子判定を行い、気象エコーの扁平度、形状、大きさ、密度を検出して粒子(雨、雪、雹など)や粒径(雨、雪、雹など)を算出し、それらの分布情報から、受信エコーの強度から得られる降雨強度よりも精度が高い降雨強度が得られるものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−292476号公報(第2図)
特開2004−170188号公報(第1図)
しかし、単一偏波を用いた気象レーダ装置のMTI処理には、受信電波の電力値、送信電波との位相差から観測レンジをマトリックス状に分割した観測メッシュごとに受信エコーの移動変移を算出することにより、気象エコー以外のクラッタ成分を検出し減算することによりクラッタ成分の除去を行っているが、気象エコーそのものの動きが小さい場合に気象エコーの変質を招いてしまうという課題があった。
特許文献1に記載の発明では、二種類の異なるMTI処理と気象エコーの移動速度を検出するドップラ観測を用いて、一種類とドップラ観測結果により受信エコーからクラッタ成分を抽出し、残る一種類でクラッタ成分を受信エコーから除去して、岡や山の地形及び地上面の構造物などによる受信エコーへの影響を低減させているが、上記の課題と同様にMTI処理とドップラ処理は、いずれも受信エコーの動きにより判定、検出しているため、観測メッシュにおけるクラッタ領域の見落としやクラッタ成分がない領域でのクラッタ成分の誤認識が生じて、MTI処理による気象エコーの減衰、消滅の発生及びクラッタの誤検出による算出降雨強度の精度を劣化させる可能性があるという課題があった。
また、特許文献2に記載の発明には、偏波パラメータから受信エコーの粒子判定は行えるが、偏波パラメータのみから得られる降雨強度の場合、一定の降雨強度以下では、偏波情報の変化幅が許容観測可能範囲を下回り、観測精度が単一偏波より劣化するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、二重偏波を用いた受信エコーの粒子判定を利用して、MTI処理による気象エコーの減衰、消滅の発生及びクラッタの誤検出による算出降雨強度の精度の劣化を限定的なものとし、より精度の高い降雨強度データの算出を行える気象レーダ装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る気象レーダ装置は、送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、この粒子判定回路が作成したIDデータを前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る気象レーダ装置は、送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、所定回数の前記空中線部の走査ごとに得られた前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとのIDデータをそれぞれ比較して、気象エコー成分領域のみであるIDデータ又は所定の出現率未満の確率でクラッタ成分領域が検出されたIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、前記所定の出現率以上の確率でクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分領域が含まれると判定する出現率比較回路と、この出現率比較回路が判定したIDデータを前記観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えたことを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る気象レーダ装置は、送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、所定回数の前記空中線部の走査ごとに得られた前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとのIDデータがそれぞれ所定の単位時間でクラッタ成分領域が未検出であるIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、一度でもクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分が含まれると判定する時間積算回路と、この時間積算回路が判定したIDデータを前記観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えたことを特徴とするものである。
請求項4の発明に係る気象レーダ装置は、前記データ選択部、データ選択に使用するIDデータが作成された前記観測レンジ又は前記観測メッシュのマップデータを保持し、そのマップデータに岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物が存在するときは、その固定物が存在する前記観測レンジ又は前記観測メッシュの前記データ選択に使用するIDデータにはクラッタ成分領域を含んでいると判定し、そのIDデータに対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データを選択する請求項1〜3のいずれかに記載のものである。また、請求項5の発明に係る気象レーダ装置は、前記粒子判定回路が、気象エコー成分領域として判定した領域の降水粒子の種類を偏波パラメータ及び地形データから判定する請求項1〜4のいずれかに記載のものである。
以上のように、請求項1に係る発明によれば、粒子判定回路が作成した受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータにより、観測レンジ又はマトリックス状に観測レンジを分割した観測メッシュごとに降雨強度の算出に使用する受信強度データを選択することより、実際に降雨(雨、雪、雹など)がある観測レンジ又は観測メッシュにはMTI処理受信強度データではなく受信強度データを用い、降雨(雨、雪、雹など)がない観測レンジ又は観測メッシュにはMTI処理受信強度データを用いるので、気象エコーの減衰、消滅の発生及びクラッタの誤検出による算出降雨強度の精度を高く維持できる気象レーダ装置を得ることができる。
請求項2に係る発明によれば、所定回数の空中線部の走査ごと、つまり所定時間ごとにIDデータにおけるクラッタ成分領域が所定の出現率以上である場合は、そのIDデータはクラッタ成分領域が含まれると判定するので、粒子判定での変動成分を抑制することができるとともに地形の変動要素がリアルタイムで対応できる気象レーダ装置を得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、所定の単位時間内に一度でもIDデータにおけるクラッタ成分領域が検出された場合は、そのIDデータはクラッタ成分領域が含まれると判定するので、粒子判定でのクラッタ成分検出の欠落を抑制でき、MTI処理で発生する気象エコーの減衰、消滅を限定的なものとし、精度の高い降雨強度データの算出を行える気象レーダ装置を得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、請求項1〜3の効果に加えて、観測レンジにおける地図上から明らかに、岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物からの地形エコーによるクラッタ成分が発生する領域(クラッタ成分領域)を事前にマップデータに登録しておくことにより、粒子判定での検出漏れによる観測精度への影響を抑えることが可能な気象レーダ装置を得ることができる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1による気象レーダ装置の構成図であり、図1において1は観測対象である観測領域(観測レンジ)へ送信信号として垂直偏波及び水平偏波の二重偏波でパルス状のマイクロ波(送信波)を送信し、その送信波が反射物(岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物)に反射して戻ってくる反射波を受信する空中線部、2は空中線部1に送信波を供給し、空中線部1が受信した反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して受信信号の中間周波数を導出する送受信部と、3は送受信部2が周波数変換した受信信号から偏波パラメータ、受信強度データ及び受信強度データをMTI処理したMTI処理受信強度データを算出する信号処理部、4は信号処理部3が算出した偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データから受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出するレーダ情報処理部、5は信号処理部3が算出した偏波パラメータと受信強度データとから受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分を気象エコー成分とクラッタ成分とに分け、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子−地形判定部、6はIDデータから降雨強度を算出するために使用する強度データを観測レンジ又はマトリックス状に観測レンジを分割した観測メッシュごとに選択するデータ選択部、7はデータ選択部6が選択した強度データから観測レンジ又はマトリックス状に観測レンジを分割した観測メッシュごとの降雨強度を算出する降雨強度算出回路である。
図2は、実施の形態1による気象レーダ装置における観測領域の模式図、図2(a)は、観測領域の全体図、図2(b)は、図2(a)に記載された一つの観測レンジrにおける気象エコー成分領域及びクラッタ成分領域とこれらの近傍領域との拡大図であり、図2において8は気象レーダ装置、9は観測対象である領域であって、気象レーダ装置8の空中線部1が一定速度で回転し送信波を送信する方位ごとに複数の観測レンジに分割された観測領域、10は気象レーダ装置8により気象エコー成分が検出された観測領域9における気象エコー成分領域、11は気象レーダ装置8によりクラッタ成分が検出された観測レンジrにおけるクラッタ成分領域、12はマトリックス状に観測レンジrを分割した観測メッシュの一つであって、気象エコー成分又はクラッタ成分がない領域の無エコー観測メッシュ、13は気象エコー成分領域10における観測メッシュの一つである気象エコー観測メッシュ、14はクラッタ成分領域11における観測メッシュの一つであるクラッタ観測メッシュである。なお、図2(b)に示される観測メッシュは、扇型の観測レンジrに対して細かくメッシュを切っているので、近似的に正方形状のマトリックスになっているが、実際は、扇型状のマトリックスになる。したがって、気象レーダ装置8から等距離間隔、等方位間隔で、観測レンジrを観測メッシュに分割すると、気象レーダ装置8から近い位置にある観測メッシュと遠い位置にある観測メッシュとの面積に差ができる。仮に、実施の形態1に記載の発明を適用する気象レーダ装置のシステムにおける観測メッシュが等面積を求めている場合は、気象レーダ装置8から離れるにつれ、観測メッシュを細かく切ってもよく、気象レーダ装置のシステムの許容範囲内であれば、信号処理部3が垂直偏波及び水平偏波各々の中間周波数に周波数変換した受信信号を距離及び方位ごとにデジタル処理したものに一対一で対応する観測メッシュであってもよい。また、図2は単一の平面図のみを記載しているが、気象レーダ装置8が複数仰角で観測を行っている場合、観測仰角毎に異なる高度の観測を行っており、観測仰角毎に図2に示すような観測メッシュの平面図が存在する。
図3は、実施の形態1による気象レーダ装置の粒子−地形判定部の詳細図、図3(a)は粒子判定回路による粒子−地形判定部構成図、図3(b)は粒子判定回路と出現率比較回路とによる粒子−地形判定部構成図、図3(c)は粒子判定回路と時間積算回路とによる粒子−地形判定部構成図であり、図3において15は粒子−地形判定部5を構成する粒子判定回路、16はマトリックス状に観測レンジを分割した観測メッシュ単位で所定回数の空中線部1の走査ごとに得られたIDデータをそれぞれ比較して、クラッタ成分領域が未検出である観測メッシュ又は所定の出現率未満の確率でクラッタ成分領域が検出された観測メッシュのIDデータは気象エコー成分領域のみ存在すると判定し、所定の出現率以上の確率でクラッタ成分領域が検出された観測メッシュのIDデータにはクラッタ成分領域が含まれると判定する出現率比較回路、17は出現率比較回路16と同様に所定回数の空中線部1の走査ごとに得られたIDデータが、所定の単位時間でクラッタ成分領域が未検出である観測メッシュは気象エコー成分領域のみであると判定し、一度でもクラッタ成分領域が検出された観測メッシュのIDデータにはクラッタ成分領域が含まれると判定する時間積算回路である。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。
次に動作について説明する。一定速度で回転している空中線部1が送出した垂直偏波及び水平偏波の二重偏波でパルス状のマイクロ波(送信波)が観測領域9の気象目標に反射し、その反射波を1の二重偏波型空中線装置にて垂直偏波及び水平偏波各々受信し、送受信部2は、垂直偏波及び水平偏波各々の受信信号を中間周波数に周波数変換し、信号処理部3に出力する。信号処理部3では、垂直偏波及び水平偏波各々の中間周波数に周波数変換した受信信号を距離及び方位ごとにデジタル処理した後に検波等の処理を行い、水平偏波の受信強度データ(以下、P(NOR)データと称する)、水平偏波の受信強度データをMTI処理したMTI処理受信強度データ(以下、P(MTI)データと称する)、垂直及び水平偏波間の受信電力値の比である直交偏波比(以下、Zdrデータと称する)を生成すると共に、垂直偏波及び水平偏波の中間周波数に周波数変換した受信信号をそれぞれ位相解析等所定の処理を行い、垂直及び水平偏波間の相互相関関係から算出される偏波間相関係数(以下、ρhvデータと称する)と垂直及び水平偏波間の伝播位相差の微分値(以下、Kdpデータと称する)を算出する。また、反射波の受信時における空中線部1の仰角及び送受信の時間差から算出した測定距離から観測距離における受信信号(受信エコー)のビーム高度(以下、Hデータと称する)を算出する。
信号処理部3にて算出された偏波パラメータであるZdrデータ、ρhvデータ、Kdpデータ、HデータとP(NOR)データ、P(MTI)データの各種データは、距離及び方位ごとにレーダ情報処理部4へ出力される。レーダ情報処理部4により、偏波パラメータであるZdrデータ、ρhvデータ、Kdpデータ、HデータとP(NOR)データ、P(MTI)データから観測レンジ又は観測メッシュごとの降雨強度を算出して降雨強度データを外部の配信先へデータ配信を行う。図1及び図3において、偏波パラメータやP(NOR)データ及びP(MTI)データにZdr(r)、ρhv(r)、Kdp(r)、H(r)、P(NOR)(r)、P(MTI)(r)というように添え字の(r)が記されているのは、図2(a)に示す観測レンジrのデータであることを示している。なお、気象レーダ装置のシステム許容範囲によっては観測レンジ又は観測メッシュごとに各種データを送ってもよい。最終的に観測領域の降雨強度データが得られるように選択すればよい。また、観測レンジは気象レーダ装置のシステム又はシステムの運用ごとに任意で観測領域を方位ごとに分割したものである。同じく、観測メッシュは気象レーダ装置のシステム又はシステムの運用ごとに任意で観測レンジを距離及び方位ごとにマトリックス状に分割したものである。したがって、図2に示す観測領域9における観測レンジや観測メッシュは一例である。
続いて、レーダ情報処理部4の動作に関する詳細説明を行う。レーダ情報処理部4は、粒子−地形判定部5、データ選択部6及び降雨強度算出回路7で構成されている。まず、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15のみで構成されている場合について図2及び図3(a)を用いて説明する。粒子判定回路15はP(NOR),Zdr,Kdp,ρhv,H(r)の各データから降水粒子判定と非降水判定を行う。図4はこの粒子判定回路15での動作を示すフローチャート(気象レーダ装置の粒子判定回路のフローチャート)である。
図4において、まず該当メッシュの偏波間相関係数ρhvが非降水判定のしきい値以下であるかを判定する。(ステップS1)このしきい値以下の場合には降水エコーではなく非降水エコーと判定する。次に、ステップ1でしきい値以上と判定されたものについて偏波間相関係数ρhvの値から、雨,雪,あられ,雹及び地形エコー等非降水エコーの特徴により降水粒子毎の確率を求める。(ステップS2)次に、水平偏波反射強度P(NOR)の値から、雨,雪,あられ,雹等の降水粒子及び地形エコー等非降水エコーの特徴により降水粒子毎の確率を求める。(ステップS3)次に、偏波間位相差Kdpの値から、雨,雪,あられ,雹等の降水粒子及び地形エコー等非降水エコーの特徴により降水粒子毎の確率を求める。(ステップS4)次に、偏波間強度比Zdrの値から、雨,雪,あられ,雹等の降水粒子及び地形エコー等非降水エコーの特徴により降水粒子毎の確率を求める。(ステップS5)このように、ステップS2からS5で偏波間相関係数ρhv,水平偏波反射強度Zh,偏波間位相差Kdp,偏波間強度比Zdrのそれぞれの値による降水粒子毎の確率を求めた後に、判定する該当メッシュが遮蔽領域かをH(r)データと地形図データから判定する。(ステップ6)ここで、遮蔽領域でない場合には雨,雪,あられ,雹等の降水粒子毎に偏波間相関係数ρhv,水平偏波反射強度Zh,偏波間位相差Kdp,偏波間強度比Zdrの確率の積を求める。(ステップ7)また、ステップ6で遮蔽領域であった場合には雨,雪,あられ,雹等の降水粒子毎に偏波間相関係数ρhv,水平偏波反射強度Zh,偏波間位相差Kdpの確率の積を求める。(ステップ8)続いて、ステップ7とステップ8で求めた各メッシュの雨,雪,あられ,雹等の降水粒子毎の確率の積から、最も値の大きい降水粒子を判定する。(ステップ9)
以上のようにステップ9までで求めた結果から雨、雪、雹などの気象エコーとそれ以外に分類する粒子判定を行い、受信エコーの成分を気象エコー成分とクラッタ成分とに分類して、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する。以下、観測レンジ及び観測メッシュは、気象レーダ装置のシステムに要望により任意で決定されるので、図2に示す観測レンジr又はマトリックス状に観測レンジrを分割した観測メッシュ単位で降雨強度データを算出する場合における説明をする。また、説明の簡易化のために気象エコー成分とクラッタ成分との両方を含む観測メッシュ及び観測メッシュの一部にのみクラッタ成分が存在する観測メッシュもクラッタ観測メッシュ14とする。
図2(b)は、無エコー観測メッシュ12以外の受信エコーが観測された領域(図2の点線内の領域)を気象エコー観測メッシュ13とクラッタ観測メッシュ14とに分類したものである。また、粒子判定回路15が作成したIDデータにおいて、気象エコー成分領域は気象エコー観測メッシュ13で構成され、クラッタ成分領域はクラッタ観測メッシュ14で構成される。粒子判定回路15が作成したIDデータを基にデータ選択部6が、観測メッシュのうち、気象エコー観測メッシュ13には、その観測メッシュに対応するP(NOR)データを用いて選択し、選択強度データ(以下、Pデータと称する)として、降雨強度計算回路7に送る。降雨強度算出回路7がPデータより、クラッタ観測メッシュ14には、その観測メッシュに対応するP(MTI)データを選択し、降雨強度算出回路7がそのデータから降雨強度を算出する。つまりIDデータにて判別したクラッタ成分領域11を除く気象エコー成分領域10は、その観測領域を構成する複数の観測メッシュに対応するP(NOR)データを用いて降雨強度を算出し、図2おけるクラッタ成分領域11のIDデータには、岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物があるので、その観測領域を構成する複数の観測メッシュに対応するP(MTI)データを用いて降雨強度を算出することになる。最終的に降雨強度算出回路7にて算出された降雨強度データ(以下、Rデータと称する)は外部の配信先へ出力される。図1及び図3において、IDデータ、Pデータ、RデータにそれぞれH(r)、P(r)、R(r)というように添え字の(r)が記されているのは、前述の偏波パラメータやP(NOR)データ及びP(MTI)データと同様に図2(a)に示す観測レンジrのデータであることを示している。
このように実施の形態1に記載の発明は、二重偏波の偏波パラメータによる粒子判定により受信エコーから気象エコー成分とクラッタ成分とを分離し、そのクラッタ成分をMTI処理を行い除去することにより、気象エコーそのものの動きが小さい場合に気象エコーの変質や観測メッシュにおけるクラッタ領域の見落としやクラッタ成分がない領域でのクラッタ成分の誤認識が生じて、MTI処理による気象エコーの減衰、消滅の発生及びクラッタの誤検出による算出降雨強度の精度を劣化を引き起こすことなく、精度が高い算出降雨強度データを得られる。
変形例1.
実施の形態1では、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15で構成され、受信エコーの粒子判定のみで岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物からの地形エコーによるクラッタ成分が発生する領域(クラッタ成分領域)の有無を判断するので、地形の変動要素がリアルタイムで対応できることを説明したが、この変形例1では、図3(b)に示すように、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15と出現率比較回路16とで構成されている場合について説明するが、変形例1の発明において粒子−地形判定部5までの動作は、実施の形態1に記載された発明と同様であるので説明は省略する。
図5は、気象レーダ装置の出現率比較回路のフローチャートである。出現率比較回路16のフローチャートを図5(a)に示す。受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーの粒子判定回路15が作成したIDデータを所定回数の空中線部1の走査ごとに得られた観測レンジ又は観測メッシュごとのIDデータを出現率比較回路16に入力し、判定期間内での気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とが観測された回数を観測レンジ又は観測メッシュごとに検出するので、出現率比較回路16は、所定回数の空中線部の走査ごと、つまり所定時間ごとにIDデータにおける気象エコー成分領域及びクラッタ成分領域の出現率を算出することができる。そして、出現率比較回路16は、気象エコー成分領域のみであるIDデータ又は所定の出現率未満の確率でクラッタ成分領域が検出されたIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、前記所定の出現率以上の確率(図5ではN回転中n回以上、クラッタ成分領域が検出された場合を指す)でクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分領域が含まれると判定する。次の所定時間内継続して同じ判定結果をデータ選択部6へ出力する。図5(b)に判定例を示す。
出現率比較回路16がクラッタ成分の有無を判定したIDデータを基にデータ選択部6が、観測メッシュのうち、気象エコー観測メッシュ13には、その観測メッシュに対応するP(NOR)データを用いて選択し、選択強度データPデータとして、降雨強度計算回路7に送る。降雨強度算出回路7がPデータより、クラッタ観測メッシュ14には、その観測メッシュに対応するP(MTI)データを選択し、降雨強度算出回路7がそのデータから降雨強度を算出する。つまり、複数走査により得られたIDデータにて判別したクラッタ成分領域11を除く気象エコー成分領域10は、その観測領域を構成する複数の観測メッシュに対応するP(NOR)データを用いて降雨強度を算出し、図2おけるクラッタ成分領域11のIDデータには、岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物があるので、その観測領域を構成する複数の観測メッシュに対応するP(MTI)データを用いて降雨強度を算出することになる。最終的に降雨強度算出回路7にて算出されたRデータは外部の配信先へ出力される。この変形例1では、粒子判定データを単位時間蓄積し、クラッタ成分の発生程度を算出しクラッタ成分の有無を判定することにより、粒子判定での変動成分を抑制することができるとともに地形の変動要素がリアルタイムで対応できる。
変形例2.
変形例1では、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15と出現率比較回路16とで構成された場合を説明したが、この変形例2では、図3(c)に示すように、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15と時間積算回路17とで構成されている場合について説明するが、変形例2の発明において粒子−地形判定部5までの動作は、実施の形態1及び変形例1に記載された発明と同様であるので説明は省略する。
図6は、気象レーダ装置の時間積算回路のフローチャートである。受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーの粒子判定回路15が作成したIDデータを所定回数の空中線部1の走査ごとに得られた観測レンジ又は観測メッシュごとのIDデータを時間積算回路17が入力し、判定期間内にクラッタ成分領域が観測されたかを観測レンジ又は観測メッシュごとに検出するので、時間積算回路17は、所定回数の空中線部の走査ごと(図6における回転カウンタでカウントする。図6では、所定回数はNに該当する。)、つまり所定時間ごとにIDデータにおける観測レンジ又は観測メッシュごとにクラッタ成分領域の検出の有無が判定できる。そして、時間積算回路17は、所定の単位時間でクラッタ成分領域が未検出であるIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、一度でもクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分が含まれると判定する。次の所定時間内継続して同じ判定結果をデータ選択部6へ出力する。
時間積算回路17がクラッタ成分の有無を判定したIDデータを基にデータ選択部6が、観測メッシュのうち、気象エコー観測メッシュ13には、その観測メッシュに対応するP(NOR)データを用いて選択し、選択強度データPデータとして、降雨強度計算回路7に送る。クラッタ観測メッシュ14には、その観測メッシュに対応するP(MTI)データを選択し、降雨強度算出回路7がPデータとして、降雨強度計算回路7に送る。そして、降雨強度算出回路7がそれらのデータから降雨強度を算出する。つまり、複数走査により得られたIDデータにて判別したクラッタ成分領域11を除く気象エコー成分領域10は、その観測領域を構成する複数の観測メッシュに対応するP(NOR)データを用いて降雨強度を算出し、図2おけるクラッタ成分領域11のIDデータには、岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物があるので、その観測領域を構成する複数の観測メッシュに対応するP(MTI)データを用いて降雨強度を算出することになる。最終的に降雨強度算出回路7にて算出された降雨強度データは外部の配信先へ出力される。この変形例2では、粒子判定データを所定時間蓄積し、所定時間内に1回でも気象エコー成分以外の成分があればクラッタ成分のありと判定することにより、粒子判定での欠落を抑制することができるとともに地形の変動要素がリアルタイムで対応できる。
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2について図1〜図8を用いて説明する。図7は、実施の形態2による気象レーダ装置のデータ選択部の詳細図、図7(a)はデータ選択回路によるデータ選択部構成図(実質的に、実施の形態1及び変形例1、2と同じ構成)、図7(b)はデータ選択回路と地形データ判別回路とによるデータ選択部構成図、図8は、実施の形態2による気象レーダ装置の粒子−地形判定部の詳細図、図8(a)は粒子判定回路と地形データ判別回路とによる粒子−地形判定部構成図、図8(b)は粒子判定回路、出現率比較回路及び地形データ判別回路による粒子−地形判定部構成図、図8(c)は粒子判定回路、時間積算回路及び地形データ判別回路による粒子−地形判定部構成図であり、図7において18はデータ選択部6を構成するデータ選択回路、19は地形データ判別回路を示す。図9(a)に地形データ登録の概念図を示す。19の地形データ判別回路は空中線1の仰角と該当観測距離r及び空中線1のビーム幅から算出されたビーム存在高度と該当地点での海抜高により送信波が必ず地面に干渉する地点をマップデータとして登録し、送信波が必ず地面に干渉する地点は観測レンジ又は観測メッシュのIDデータの判別結果によらずクラッタ成分領域と判断し、それ以外の領域はIDデータの判断結果を出力することにより、そのマップデータに岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物が存在するときは、その固定物が存在する前記観測レンジ又は前記観測メッシュの前記データ選択に使用するIDデータにはクラッタ成分領域を含んでいると判定する。マップデータは運用に使用している仰角毎に登録し、仰角に対応したマップデータを使用する。従って、仰角が上がる程送信波が通過する海抜高は高くなり地表と干渉する地点が減少するため、図9(b)の図に示す通りマップデータの登録地点数は減少する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。実施の形態2の発明においてデータ選択部6までの動作は、実施の形態1及び変形例1、2記載された発明と同様であるので説明は省略する。また、図2に示す観測レンジr又はマトリックス状に観測レンジrを分割した観測メッシュ単位で降雨強度データを算出する場合における説明をする。実施の形態2と実施の形態1及び変形例1、2との構成の違いは、実施の形態1及び変形例1、2では、図7(a)に示すようにデータ選択部6がデータ選択回路18のみで構成されていることに対して、実施の形態2では、図7(b)に示すようにデータ選択部6がデータ選択回路18と地形データ判別回路19とで構成されていることである。
次に、具体的な動作を説明する。図7(b)に示すように、粒子−地形判定部5から送られてきたIDデータと地形データ判別回路19が保持している送信波が必ず地面に干渉する地点を示すマップデータをもとにIDデータが作成された観測レンジ又は観測メッシュのマップデータとIDデータとを比較して、マップデータに岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物が存在するときは、その固定物が存在する観測レンジ又は観測メッシュのIDデータにはクラッタ成分領域を含んでいると判定して、対応するIDデータにクラッタ成分領域を含んでいない場合は、そのIDデータを修正する。なお、粒子判定によるクラッタ成分領域とマップデータによるクラッタ成分領域とが一致している場合は、IDデータをそのままデータ選択回路18に送ってもよいし、マップデータによるクラッタ成分領域にIDデータを更新してもよい。そして、地形データ判別回路19がマップデータにより修正又は更新されたIDデータを基にデータ選択回路18が、観測メッシュのうち、気象エコー観測メッシュ13には、その観測メッシュに対応するP(NOR)データを用いて選択し、Pデータとして、降雨強度計算回路7に送る。降雨強度算出回路7がPデータより、クラッタ観測メッシュ14には、その観測メッシュに対応するP(MTI)データを選択し、降雨強度算出回路7がそのデータから降雨強度を算出する。最終的に降雨強度算出回路7にて算出されたRデータは外部の配信先へ出力される。図7及び図8において、添え字の(r)が記されているのは、前述の偏波パラメータやP(NOR)データ及びP(MTI)データなどと同様に図2(a)に示す観測レンジrのデータであることを示している。なお、実施の形態2を実施の形態1の変形例1、2にそれぞれ対応づけると、地形データ判別回路19に送られるIDデータは出現率比較回路16、時間積算回路17により、事前に修正されたものを使用することになるので、実施の形態2で、IDデータと説明しているデータは、粒子判定回路15において作成されたデータだけを指すのではなく、出現率比較回路16又は時間積算回路17を経由したものも指す。
実施の形態2では、実施の形態1及び変形例1、2の効果に加えて、粒子判定データを用いてクラッタ成分の有無を判定すると共に観測領域で空中線1の仰角と送信波の発射角度幅を示すビーム幅から送信波が地表と明らかに干渉する地点はクラッタ成分が発生する領域として事前に登録しておくことにより、粒子判定での検出ミスによる観測精度への影響を最低限に抑えるとともにビーム幅の揺らぎや送信波の異常伝搬により発生するマップ登録地点以外での地形クラッタの影響や空気中の浮遊物等により発生するエンジェルエコー等、事前に登録するマップデータでは補えない非降水物からの反射波の影響軽減を粒子判定により行うことができる。また、マップデータとIDデータとを比較する地形データ判別回路19は、必ずしもデータ選択部6内に設ける必要はなく、データ選択回路18の後段の回路に設ければよく、例えば、図8(a)〜(c)に示すように、粒子−地形判別回路5の内部に設けても、データ選択部6内に地形データ判別回路19を設けた場合と同様の効果が得られる。
この発明の実施の形態1及び2による気象レーダ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1及び2による気象レーダ装置における観測領域の模式図である。 この発明の実施の形態1及び2による気象レーダ装置の粒子−地形判定部の詳細図である。 この発明の実施の形態1及び2による気象レーダ装置の粒子判定回路のフローチャートである。 この発明の実施の形態1及び2による気象レーダ装置の出現率比較回路のフローチャートである この発明の実施の形態1及び2による気象レーダ装置の時間積算回路のフローチャートである この発明の実施の形態2による気象レーダ装置のデータ選択部の詳細図である。 この発明の施の形態2による気象レーダ装置の粒子−地形判定部の詳細図である。 この発明の実施の形態2による気象レーダ装置の地形データ判別回路の概念図である
符号の説明
1…空中線部 2…送受信部 3…信号処理部 4…レーダ情報処理部
5…粒子−地形判定部 6…データ選択部 7…降雨強度算出回路 8…気象レーダ装置
9…観測領域(複数の観測レンジ) 10…気象エコー成分領域
11…クラッタ成分領域 12…無エコー観測メッシュ 13…気象エコー観測メッシュ
14…クラッタ観測メッシュ 15…粒子判定回路 16…出現率比較回路
17…時間積算回路 18…データ選択回路 19…地形データ判別回路

Claims (5)

  1. 送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、この粒子判定回路が作成したIDデータを前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えた気象レーダ装置。
  2. 送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、所定回数の前記空中線部の走査ごとに得られた前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとのIDデータをそれぞれ比較して、気象エコー成分領域のみであるIDデータ又は所定の出現率未満の確率でクラッタ成分領域が検出されたIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、前記所定の出現率以上の確率でクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分領域が含まれると判定する出現率比較回路と、この出現率比較回路が判定したIDデータを前記観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えた気象レーダ装置。
  3. 送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、所定回数の前記空中線部の走査ごとに得られた前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとのIDデータがそれぞれ所定の単位時間でクラッタ成分領域が未検出であるIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、一度でもクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分が含まれると判定する時間積算回路と、この時間積算回路が判定したIDデータを前記観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えた気象レーダ装置。
  4. 前記データ選択部は、データ選択に使用するIDデータが作成された前記観測レンジ又は前記観測メッシュのマップデータを保持し、そのマップデータに岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物が存在するときは、その固定物が存在する前記観測レンジ又は前記観測メッシュの前記データ選択に使用するIDデータにはクラッタ成分領域を含んでいると判定し、そのIDデータに対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データを選択する請求項1〜3のいずれかに記載の気象レーダ装置。
  5. 前記粒子判定回路は、気象エコー成分領域として判定した領域の降水粒子の種類を偏波パラメータ及び地形データから判定する請求項1〜4のいずれかに記載の気象レーダ装置。
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