JP4613934B2 - 気象レーダ装置 - Google Patents
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Description
以下、この発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1による気象レーダ装置の構成図であり、図1において1は観測対象である観測領域(観測レンジ)へ送信信号として垂直偏波及び水平偏波の二重偏波でパルス状のマイクロ波(送信波)を送信し、その送信波が反射物(岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物)に反射して戻ってくる反射波を受信する空中線部、2は空中線部1に送信波を供給し、空中線部1が受信した反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して受信信号の中間周波数を導出する送受信部と、3は送受信部2が周波数変換した受信信号から偏波パラメータ、受信強度データ及び受信強度データをMTI処理したMTI処理受信強度データを算出する信号処理部、4は信号処理部3が算出した偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データから受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出するレーダ情報処理部、5は信号処理部3が算出した偏波パラメータと受信強度データとから受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分を気象エコー成分とクラッタ成分とに分け、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子−地形判定部、6はIDデータから降雨強度を算出するために使用する強度データを観測レンジ又はマトリックス状に観測レンジを分割した観測メッシュごとに選択するデータ選択部、7はデータ選択部6が選択した強度データから観測レンジ又はマトリックス状に観測レンジを分割した観測メッシュごとの降雨強度を算出する降雨強度算出回路である。
実施の形態1では、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15で構成され、受信エコーの粒子判定のみで岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物からの地形エコーによるクラッタ成分が発生する領域(クラッタ成分領域)の有無を判断するので、地形の変動要素がリアルタイムで対応できることを説明したが、この変形例1では、図3(b)に示すように、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15と出現率比較回路16とで構成されている場合について説明するが、変形例1の発明において粒子−地形判定部5までの動作は、実施の形態1に記載された発明と同様であるので説明は省略する。
変形例1では、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15と出現率比較回路16とで構成された場合を説明したが、この変形例2では、図3(c)に示すように、粒子−地形判定部5が粒子判定回路15と時間積算回路17とで構成されている場合について説明するが、変形例2の発明において粒子−地形判定部5までの動作は、実施の形態1及び変形例1に記載された発明と同様であるので説明は省略する。
以下、この発明の実施の形態2について図1〜図8を用いて説明する。図7は、実施の形態2による気象レーダ装置のデータ選択部の詳細図、図7(a)はデータ選択回路によるデータ選択部構成図(実質的に、実施の形態1及び変形例1、2と同じ構成)、図7(b)はデータ選択回路と地形データ判別回路とによるデータ選択部構成図、図8は、実施の形態2による気象レーダ装置の粒子−地形判定部の詳細図、図8(a)は粒子判定回路と地形データ判別回路とによる粒子−地形判定部構成図、図8(b)は粒子判定回路、出現率比較回路及び地形データ判別回路による粒子−地形判定部構成図、図8(c)は粒子判定回路、時間積算回路及び地形データ判別回路による粒子−地形判定部構成図であり、図7において18はデータ選択部6を構成するデータ選択回路、19は地形データ判別回路を示す。図9(a)に地形データ登録の概念図を示す。19の地形データ判別回路は空中線1の仰角と該当観測距離r及び空中線1のビーム幅から算出されたビーム存在高度と該当地点での海抜高により送信波が必ず地面に干渉する地点をマップデータとして登録し、送信波が必ず地面に干渉する地点は観測レンジ又は観測メッシュのIDデータの判別結果によらずクラッタ成分領域と判断し、それ以外の領域はIDデータの判断結果を出力することにより、そのマップデータに岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物が存在するときは、その固定物が存在する前記観測レンジ又は前記観測メッシュの前記データ選択に使用するIDデータにはクラッタ成分領域を含んでいると判定する。マップデータは運用に使用している仰角毎に登録し、仰角に対応したマップデータを使用する。従って、仰角が上がる程送信波が通過する海抜高は高くなり地表と干渉する地点が減少するため、図9(b)の図に示す通りマップデータの登録地点数は減少する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。実施の形態2の発明においてデータ選択部6までの動作は、実施の形態1及び変形例1、2記載された発明と同様であるので説明は省略する。また、図2に示す観測レンジr又はマトリックス状に観測レンジrを分割した観測メッシュ単位で降雨強度データを算出する場合における説明をする。実施の形態2と実施の形態1及び変形例1、2との構成の違いは、実施の形態1及び変形例1、2では、図7(a)に示すようにデータ選択部6がデータ選択回路18のみで構成されていることに対して、実施の形態2では、図7(b)に示すようにデータ選択部6がデータ選択回路18と地形データ判別回路19とで構成されていることである。
5…粒子−地形判定部 6…データ選択部 7…降雨強度算出回路 8…気象レーダ装置
9…観測領域(複数の観測レンジ) 10…気象エコー成分領域
11…クラッタ成分領域 12…無エコー観測メッシュ 13…気象エコー観測メッシュ
14…クラッタ観測メッシュ 15…粒子判定回路 16…出現率比較回路
17…時間積算回路 18…データ選択回路 19…地形データ判別回路
Claims (5)
- 送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、この粒子判定回路が作成したIDデータを前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えた気象レーダ装置。
- 送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、所定回数の前記空中線部の走査ごとに得られた前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとのIDデータをそれぞれ比較して、気象エコー成分領域のみであるIDデータ又は所定の出現率未満の確率でクラッタ成分領域が検出されたIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、前記所定の出現率以上の確率でクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分領域が含まれると判定する出現率比較回路と、この出現率比較回路が判定したIDデータを前記観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えた気象レーダ装置。
- 送受信部から供給される送信波である垂直偏波及び水平偏波を空中線部が走査して観測レンジに送信し、送信波が反射物に反射した反射波を受信して、前記送受信部がその反射波の垂直偏波及び水平偏波の周波数をそれぞれ周波数変換して導出された受信信号の中間周波数から信号処理部が偏波パラメータ、受信強度データ及びMTI処理受信強度データを算出して、これらの値から受信エコーを算出し、その受信エコーに含まれる気象エコーを検出して降雨強度を算出する気象レーダ装置において、前記信号処理部が算出した偏波パラメータである偏波間相関係数が、しきい値以下の領域をクラッタ成分領域とし、それ以外の領域を気象エコー成分領域として判定する受信エコーの粒子判定を行い、受信エコーの成分が検出された領域を気象エコー成分領域とクラッタ成分領域とに分類して受信エコーのIDデータを作成する粒子判定回路と、所定回数の前記空中線部の走査ごとに得られた前記観測レンジ又はマトリックス状に前記観測レンジを分割した観測メッシュごとのIDデータがそれぞれ所定の単位時間でクラッタ成分領域が未検出であるIDデータは気象エコー成分領域のみであると判定し、一度でもクラッタ成分領域が検出されたIDデータにはクラッタ成分が含まれると判定する時間積算回路と、この時間積算回路が判定したIDデータを前記観測メッシュごとに気象エコー成分領域のみであるIDデータには対応する前記信号処理部が算出した受信強度データ、クラッタ成分領域を含んでいるIDデータには対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データをそれぞれ選択するデータ選択部と、このデータ選択部が選択したIDデータに対応する受信強度データ及びMTI処理受信強度データから前記観測レンジ又は前記観測メッシュの降雨強度を算出する降雨強度算出回路とを備えた気象レーダ装置。
- 前記データ選択部は、データ選択に使用するIDデータが作成された前記観測レンジ又は前記観測メッシュのマップデータを保持し、そのマップデータに岡や山の地形及び地上面の構造物などの固定物が存在するときは、その固定物が存在する前記観測レンジ又は前記観測メッシュの前記データ選択に使用するIDデータにはクラッタ成分領域を含んでいると判定し、そのIDデータに対応する前記信号処理部が算出したMTI処理受信強度データを選択する請求項1〜3のいずれかに記載の気象レーダ装置。
- 前記粒子判定回路は、気象エコー成分領域として判定した領域の降水粒子の種類を偏波パラメータ及び地形データから判定する請求項1〜4のいずれかに記載の気象レーダ装置。
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