JP2005017082A - レーダ信号処理装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水平偏波受信信号Hと垂直偏波受信信号Vとの偏波間の位相差φdpを算出する位相差算出部4と、水平偏波受信信号Hまたは垂直偏波受信信号Vからエコー強度Aを算出するエコー強度算出部1と、エコー強度Aから降雨強度の暫定推定値Raを算出する暫定推定値算出部2と、暫定推定値Raを用いて、位相差φdpの距離微分を計算する際の距離微分区間Dを設定する距離微分区間設定部3と、距離微分区間Dを用いて位相差φdpを距離で微分し、位相差距離微分値Kdpを算出する距離微分算出部5と、位相差距離微分値Kdpから降雨強度推定値Rを算出する降雨強度推定部6とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、反射電波の水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号を処理して二重偏波計測値を取得する気象観測用の二重偏波レーダの信号処理装置および方法に関し、特に位相誤差の影響の小さい強雨領域での距離分解能の劣化を防止したレーダ信号処理装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から広く用いられている単一偏波の気象レーダにおいては、エコー強度と降雨強度との間に成立する関係式を用いて、降雨強度推定値を算出している。
従来用いられている一般的な関係式としては、以下の式(1)があげられる。
【0003】
【数1】
【0004】
ただし、式(1)において、Rは降雨強度[mm/h]、Bおよびβは定数である。Zはレーダ反射因子[mm6/m3]であり、降雨の単位体積当たりのレーダ反射率に対応している。定数Bおよびβは、降雨のタイプによって異なるものの、標準的には、B=200、β=1.6の値がよく用いられている。
しかし、式(1)の関係は、実際には雨滴の粒径分布によって大きく変化するので、単一偏波の気象レーダを用いて正確な降雨強度を求めることは困難であった。
【0005】
一般に、雨滴は、球を垂直方向に押し潰した回転楕円体に近い形状を成しており、大きな粒径の雨滴の場合には回転楕円体の扁平度が大きく、小さな粒径の雨滴の場合には、回転楕円体の扁平度が小さくほぼ球形となる。
したがって、従来から、水平偏波および垂直偏波の2つの偏波を用いた二重偏波レーダによる気象観測システムが提案されており、これにより、雨滴の形状に関する情報(すなわち、粒径分布に対応する情報)が得られるので、高精度の降雨強度の計測が可能になる(たとえば、非特許文献1参照)。
【0006】
また、近年では、降雨強度の計測の精度向上に有効なパラメータ値として、特に位相差距離微分値Kdp(降雨領域を電波が通過する途中で生じる偏波間の位相差を距離微分したパラメータ値)が注目されている。
【0007】
二重偏波レーダを用いた従来のレーダ信号処理装置は、種信号発生部、送信部、分割部、第1、第2の送受切替部、空中線、第1、第2の受信部および信号処理部を備え、種信号発生部からの種信号(空中に放射する送信波の元)を、送信部で大電力信号に増幅して送信波としている。また、通常、送信波は、レーダ観測の距離分解能を確保するためにパルス変調が施される。
【0008】
送信波は、分割部により2分割された後、それぞれ、第1、第2の送受信切替部に入力され、送信タイミングにおいては分割部から出力された送信波が空中線に伝送される。
空中線は、第1の送受信切替部から伝送された送信波を、水平偏波で大気中に放射し、第2の送受信切替部から伝送された送信波を、垂直偏波で大気中に放射する。
【0009】
一方、受信タイミングにおいては、空中線での受信波が、それぞれ第1、第2の受信部に伝送される。
大気で反射された反射電波のうちの水平偏波成分は、空中線から第1の送受切替部を経て第1の受信部に伝送され、反射電波のうちの垂直偏波成分は、空中線から第2の送受切替部を経て第2の受信部に伝送される。
第1、第2の受信部は、それぞれ入力された水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号に対して、増幅および周波数変換を施す。
【0010】
第1、第2の受信信号からの周波数変換後の受信信号は、信号処理部により信号処理が施される。
ここで、位相差距離微分値Kdpは、レーダ観測データから得られる水平偏波と垂直偏波の間の偏波間位相差
【数2】
を距離微分することにより、以下の式(2)のように表される。
【0011】
【数3】
【0012】
ただし、
【数4】
はそれぞれ距離
【数5】
における水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号の位相差である。
【0013】
位相差
【数6】
は、水平偏波信号と垂直偏波信号との相互相関係数の位相を計算することにより、以下の式(3)のように表される。
【0014】
【数7】
【0015】
ただし、式(3)において、
【数8】
は水平偏波を送信して水平偏波を受信することにより得られる受信信号、
【数9】
は、垂直偏波を送信して垂直偏波を受信することにより得られる受信信号である。また、
【数10】
は集合平均を、*は複素共役をそれぞれ表す。
実際の信号処理においては、信号のエルゴード性を仮定して、時間平均または時間積分によって集合平均を実現する。すなわち、複数回のパルス送信により得られる信号の平均処理または積分処理となる。ここで、平均処理または積分処理に用いられるデータ数を、積分数と称する。
【0016】
このように、位相差距離微分値Kdpから降雨強度を推定する二重偏波レーダの場合、信号処理部は、位相差算出部、距離微分算出部および降雨強度推定部を有し、位相差算出部は、各距離の水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号との偏波間の位相差
【数11】
を算出する。また、距離微分算出部は、算出された位相差の距離微分の計算、すなわち、前述の式(2)を実行して位相差距離微分値Kdpを算出し、降雨強度推定部は、位相差距離微分値Kdpを降雨強度に変換する。
位相差距離微分値Kdpを降雨強度に変換する式としては、以下の式(4)があげられる(たとえば、非特許文献2参照)。
【0017】
【数12】
【0018】
ただし、式(4)において、
【数13】
は降雨強度[mm/h]、λはレーダ電波の波長[cm]であり、位相差距離微分値Kdpの単位は[deg/km]である。
【0019】
前述のように、位相差距離微分値Kdpは、降雨強度の計測の精度向上に有効であるが、降雨の弱い領域では、位相差の距離変化率が小さいことが知られている。
したがって、計測値に含まれる位相誤差に、位相差の距離変化が埋もれてしまい、位相差距離微分値の精度が劣化するおそれがある。
一方、微分演算の距離区間を広げれば、2点の距離間での位相差の変化が大きくなるので、距離微分における位相誤差の影響は小さくなるが、計測の距離分解能が劣化する問題が生じる。
【0020】
【非特許文献1】
「若山他、気象レーダにおける二周波観測および二重偏波観測の測定精度、電子情報通信学会信学技報SANE2000−6」
【非特許文献2】
「Richard J.Doviak and Dusan S.Zrnic,Doppler Radar and Weather Observations,Second Edition,Academic Press、Inc.,1993.p.234」
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーダ信号処理装置および方法は以上のように、式(2)から算出される位相差距離微分値(位相差の距離変化率)Kdpが降雨の弱い領域で小さいので、位相差距離微分値の精度が劣化するおそれがあり、また、微分演算の距離区間を広げると、計測における距離分解能が劣化するという問題点があった。
【0022】
さらに、降雨強度が距離方向に対して急激に変化する点においては、偏波間の位相差の距離方向の変化率がその変化点の前後で変化するので、この変化点を挟んで、式(2)の距離微分を行うと、距離微分の精度が劣化するという問題点があった。
【0023】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、位相誤差の影響の小さい強雨領域での距離分解能の劣化を防止したレーダ信号処理装置を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るレーダ信号処理装置は、水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理装置であって、水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する位相差算出部と、水平偏波受信信号または垂直偏波受信信号からエコー強度を算出するエコー強度算出部と、エコー強度から降雨強度の暫定推定値を算出する暫定推定値算出部と、暫定推定値を用いて、位相差の距離微分を計算する際の第1の距離微分区間を設定する距離微分区間設定部と、第1の距離微分区間を用いて位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する距離微分算出部と、第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する降雨強度推定部とを備えたものである。
【0025】
また、この発明に係るレーダ信号処理装置は、水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理装置であって、水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する位相差算出部と、全距離で一定の第1の距離微分区間を設定する距離微分区間設定部と、第1の距離微分区間を用いて位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する距離微分算出部と、第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する降雨強度推定部とを備え、距離微分区間設定部は、降雨強度推定値を用いて第2の距離微分区間を再設定し、距離微分算出部は、第2の距離微分区間を用いて、位相差の第2の位相差距離微分値を再度算出するものである。
【0026】
また、この発明に係るレーダ信号処理方法は、水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理方法であって、水平偏波受信信号または垂直偏波受信信号からエコー強度を算出する第1のステップと、エコー強度から降雨強度の暫定推定値を算出する第2のステップと、暫定推定値を用いて第1の距離微分区間を設定する第3のステップと、水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する第4のステップと、第1の距離微分区間を用いて位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する第5のステップと、第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する第6のステップとを備えたものである。
【0027】
また、この発明に係るレーダ信号処理方法は、水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理方法であって、全距離で一定の第1の距離微分区間を設定する第1のステップと、水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する第2のステップと、第1の距離微分区間を用いて位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する第3のステップと、第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する第4のステップと、反復処理を継続するか否かを判定する第5のステップと、反復処理を継続すると判定された場合に、降雨強度推定値を用いて第2の距離微分区間を再設定し、第4のステップに戻る第6のステップと、反復処理を継続しないと判定された場合に、水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号に対する処理を終了する第7のステップとを備えたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置を示すブロック構成図である。また、図2はこの発明の実施の形態1による動作を示すフローチャート、図3はこの発明の実施の形態1による位相差変化に応じた距離微分区間の設定例を示す説明図である。
【0029】
図1において、水平偏波受信信号Hおよび垂直偏波受信信号Vが入力されるレーダ信号処理装置は、水平偏波受信信号Hからエコー強度Aを算出するエコー強度算出部1と、エコー強度Aから降雨強度の暫定推定値Raを算出する暫定推定値算出部2と、暫定推定値Raから距離微分区間Dを設定する距離微分区間設定部3と、水平偏波受信信号Hと垂直偏波受信信号Vとの偏波間の位相差φdpを算出する位相差算出部4と、距離微分区間Dを用いて位相差φdpの位相差距離微分値Kdpを算出する距離微分算出部5と、位相差距離微分値Kdpから降雨強度推定値Rを算出する降雨強度推定部6とを備えている。
【0030】
次に、図1に示したこの発明の実施の形態1による動作について説明する。
まず、エコー強度算出部1は、水平偏波受信信号Hから受信信号の電力値であるエコー強度Aを算出する。
一般に、レーダのターゲットとなる雨滴は、ランダムに空間分布するので、受信信号もランダムな性質を持つ。
したがって、エコー強度Aの算出時においては、複数回のレーダパルス送信で得られ且つ統計的に独立な複数の受信信号を平均化処理(すなわち、積分処理)することにより、エコー強度Aの推定値のゆらぎを抑圧して、算出精度を向上させている。
【0031】
暫定推定値算出部2は、気象レーダ方程式を用いて、エコー強度Aから降雨のレーダ反射因子を計算し、さらに、レーダ反射因子と降雨強度との関係式を用いて、レーダ反射因子を降雨強度の暫定推定値Raに変換する。
レーダ反射因子と降雨強度(暫定推定値Ra)との間の関係式としては、たとえば、前述の式(1)が用いられる。
【0032】
距離微分区間設定部3は、暫定推定値算出部2で得られた暫定推定値Raに基づいて、位相差距離微分値(後述する)を算出するための距離微分区間Dを設定し、これを距離微分算出部5に入力する。
いま、前述の式(2)の
【数14】
に、それぞれ、
【数15】
の位相誤差が加わったとする。このとき、
【数16】
は独立であることから、降雨強度
【数17】
の相対誤差
【数18】
は、以下の式(5)で表される。
【数19】
ただし、式(5)において、
【数20】
であり、且つ、
【数21】
の二乗平均誤差の平方根がともに、
【数22】
であると仮定している。
上記式(5)から、降雨強度に反比例する距離微分区間Dを設定すれば、降雨強度の相対誤差は一定となる。
【0033】
また、図3のように、局所的に強い降雨が存在し、降雨強度が不連続に変化する場合には、不連続変化点Pを跨がないように、各距離微分区間Dを設定する。
具体的には、暫定推定値Raの暫定位相差距離微分値Kaを算出し、暫定位相差距離微分値Kaが大きくなる点を不連続変化点Pとして検出し、距離微分区間Dを不連続変化点Pの前後で分割する。こうして、各受信信号H、Vの偏波間の位相差φdpの位相差距離微分値Kdpを計算するための距離微分区間Dが設定される。
【0034】
一方、位相差算出部4は、水平偏波受信信号Hと垂直偏波受信信号Vとの位相差φdpを算出し、これを距離微分算出部5に入力する。
したがって、距離微分算出部5は、距離微分区間設定部3で設定された距離微分区間Dを用いて、位相差φdpの位相差距離微分値Kdpを算出する。
【0035】
なお、前述したように、暫定推定値算出部2内のレーダ反射因子推定部において積分処理を行うのと同様の理由により、位相差算出部4においても、各受信信号H、Vの有するランダムな性質に起因する推定値のゆらぎを抑制するために、複数回のレーダパルス送信で得られた複数の受信信号での平均的な位相差φdpが算出されるように、積分処理が行われる。
【0036】
最後に、降雨強度推定部6は、距離微分算出部5で算出された位相差距離微分値Kdpを降雨強度推定値Rに変換する。このときの変換処理においては、たとえば前述の式(4)が用いられる。
降雨強度推定部6で得られた降雨強度推定値Rは、最終的な降雨強度の二重偏波計測値として外部機器(図示せず)に出力される。
【0037】
次に、図2を参照しながら、上記処理動作の具体的手順について説明する。
まず、水平偏波受信信号Hからエコー強度Aを推定し(ステップS1)、気象レーダ方程式を用いて、エコー強度Aからレーダ反射因子を算出する(ステップS2)。
また、レーダ反射因子と降雨強度との間に成立する関係式として、たとえば、式(1)を仮定して、レーダ反射因子から降雨強度の暫定推定値Raを算出する(ステップS3)。
【0038】
続いて、降雨強度の暫定推定値Raから、距離微分区間Dを設定する(ステップS4)。
このとき、距離微分区間Dは、降雨強度の暫定推定値Raが大きければ大きいほど短く設定され、暫定推定値Raが小さければ小さいほど長く設定される。
また、図3に示すように、距離微分区間Dは、暫定推定値Raが不連続に変化する点Pを跨がないように設定される。
【0039】
次に、水平偏波受信信号Hと垂直偏波受信信号Vとの偏波間の位相差φdpを各距離で算出し(ステップS5)、算出された位相差φdpを距離方向に微分することにより、位相差距離微分値Kdpを算出する(ステップS6)。
ここで、位相差距離微分値Kdpの算出に用いる位相差データの距離区間幅としては、上記ステップS4で設定された距離微分区間Dが用いられる。
最後に、位相差距離微分値Kdpと降雨強度との関係式として、たとえば、式(4)を用いて、降雨強度推定値Rを算出し(ステップS7)、図2の処理を終了する。
【0040】
なお、ここでは、エコー強度Aの推定演算を、水平偏波受信信号Hに基づいて実行したが、垂直偏波受信信号Vに基づいて算出してもよく、または、水平偏波受信信号Hおよび垂直偏波受信信号Vの両方に基づいて算出してもよい。
【0041】
また、前述のように、レーダのターゲットとなる降雨からのエコーは、ランダムな性質を有しており、ランダムな性質に起因するエコー強度Aのゆらぎは、積分処理によって抑制することができるが、積分数が十分に多くない場合には、ゆらぎが残ることもある。
そこで、ステップS1〜S4において、受信信号のエコー強度Aから距離微分区間Dを設定する際に、エコー強度Aまたは暫定推定値Raのいずれかの処理段階において、暫定推定値Raに対して距離方向に平滑化処理を施しておけば、エコー強度のゆらぎの影響を受けることなく、距離微分区間Dを安定且つ高精度に設定することができる。
【0042】
また、レーダビームを水平または垂直に走査しながら降雨の空間分布を計測するような場合には、距離方向の平滑化処理に代えて、または、距離方向の平滑化処理に加えて、角度方向(方位角方向、または、仰角方向)に、エコー強度A、レーダ反射因子、暫定推定値Raのいずれかに対して平滑化処理を施してもよく、距離方向の平滑化処理と同様の作用効果を奏する。
さらに、レーダ観測を時間方向に繰り返す場合は、エコー強度A、レーダ反射因子、暫定推定値Raのいずれかに対して、時間方向に平滑化処理を施してもよく、同様の作用効果を奏する。
【0043】
以上の二重偏波レーダ装置によれば、各受信信号H、Vの偏波間の位相差から降雨強度推定値Rを算出する際に、エコー強度Aの情報を用いて距離微分区間Dを設定することにより、降雨強度が強い場合であっても、降雨強度の計測精度を維持したまま、降雨状況に応じて高い距離分解能を得ることができる。
また、距離微分区間Dは、暫定推定値Raが高い場合に短く設定され、暫定推定値Raが低い場合に長く設定されるので、さらに降雨強度の計測精度を維持し且つ降雨強度の高い領域で高い距離分解能を得ることができる。
また、図3に示すように、距離微分区間DBは、暫定推定値Raが不連続に変化する点Pを跨がないように設定されるので、降雨強度が距離方向に不連続に変化する場合にも、降雨強度推定値Rの精度劣化を回避することができる。
【0044】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、エコー強度Aから推定された暫定推定値Raを用いて距離微分区間Dを設定したが、暫定推定値Raの精度が十分高くない場合には、必ずしも最適な距離微分区間Dが設定されるとは限らないので、位相差距離微分値Kdpから算出された降雨強度推定値Rを用いて、さらに距離微分区間を再設定してもよい。
【0045】
図4は降雨強度推定値を用いてさらに距離微分区間を再設定したこの発明の実施の形態2によるレーダ信号処理装置を示すブロック構成図である。また、図4はこの発明の実施の形態2による動作を示すフローチャートである。
図4において、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
また、図5において、前述(図2参照)と同様の処理については、前述と同一符号を付して、または符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
【0046】
図4において、降雨強度推定部6Bにより算出された降雨強度推定値RBは、距離微分区間設定部3Bにフィードバックされており、距離微分区間設定部3Bは、距離微分区間DBを再設定して距離微分算出部5Bに入力し、距離微分算出部5Bは、再設定された距離微分区間DBから位相差距離微分値KdpBを再度算出する点が、前述(図1参照)と異なっている。
また、図5において、ステップS6B、S7Bは、前述(図2参照)のステップS6、S7にそれぞれ対応しており、ステップS18、S19は、追加された反復処理である。
【0047】
前述のように、エコー強度Aから推定される暫定推定値Raの精度が不十分な場合に対処するために、この場合、距離微分区間設定部3Bは、位相差距離微分値KdpBから推定演算された降雨強度推定値RBを用いて、距離微分区間DBを再設定するようになっている。
すなわち、距離微分算出部5Bは、エコー強度Aから設定した距離微分区間を用いて、一旦、位相差距離微分値を算出し、降雨強度推定部6Bは、最初の位相差距離微分値による降雨強度推定値RBを一旦算出する。
【0048】
続いて、距離微分区間設定部3Bは、降雨強度推定値RBを用いて距離微分区間DBを再設定し、距離微分算出部5Bは、距離微分区間DBを用いて位相差距離微分値Kdpを算出し、降雨強度推定部6Bは、位相差距離微分値Kdpに基づく降雨強度推定値RBの算出を行う。
このように、降雨強度推定値RBの算出を反復して実行することにより、降雨強度推定値RBの算出精度を向上させることができる。
【0049】
次に、図5を参照しながら、この発明の実施の形態2による上記処理動作の具体的手順について説明する。
なお、ここでは、水平偏波受信信号Hからエコー強度Aを推定する場合を示しているが、垂直偏波受信信号Vから推定してもよく、水平偏波受信信号Hおよび垂直偏波受信信号Vの両方から推定してもよい。
まず、前述と同様に、水平偏波受信信号Hからエコー強度Aを推定し(ステップS1)、エコー強度Aから気象レーダ方程式を用いてレーダ反射因子を算出し(ステップS2)、レーダ反射因子と降雨強度との関係式(前述の式(1))を仮定して降雨強度の暫定推定値Raを算出し(ステップS3)、暫定推定値Raから前述の条件下で距離微分区間Dを設定し(ステップS4)、各受信信号H、Vの偏波間の位相差φdpを各距離で算出する(ステップS5)。
【0050】
次に、ステップS5で算出された位相差φdpを距離方向に微分して、位相差距離微分値KdpBを算出する(ステップS6B)。このとき、距離微分算出に用いられる位相差データの距離区間幅としては、初期においては、ステップS4で設定された距離微分区間Dが適用され、反復処理時においては、後述するステップS19で設定される距離微分区間DBが適用される。
続いて、距離微分算出部5Bにより算出された位相差距離微分値KdpBと降雨強度との関係式として、たとえば、前述の式(4)を用いて、降雨強度推定値RBを算出する(ステップS7B)。
【0051】
次に、ステップS6BおよびS7Bの反復処理を継続するか否かを判定し(ステップS18)、反復処理の終了条件を満たし、反復処理を継続しない(すなわち、NO)と判定されれば、その時点での降雨強度推定値RBを最終的な降雨強度の計測値として採用し、図5の処理を終了する。
一方、ステップS18において、反復処理の継続条件を満たし、反復処理を継続する(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS7Bで算出された降雨強度推定値RBを用いて距離微分区間DBを再設定し(ステップS19)、ステップS6Bに戻って上記処理を繰り返す。
【0052】
このとき、ステップS18の判定基準としては、距離微分区間DBの変化が所定の基準値と比べて十分小さくなった場合に、反復処理の終了条件を満たすと判定することが考えられる。
すなわち、今回の反復処理で算出された降雨強度推定値RB(n)と、前回の反復処理で算出された降雨強度推定値RB(n−1)との推定値偏差ΔRBの絶対値(=|RB(n)−RB(n−1)|)が、所定の基準値α以上を示す場合には、反復処理の継続条件を満たすものと判定し、推定値偏差ΔRBの絶対値が所定の基準値αよりも小さい場合には、信号処理の終了条件を満たすものと判定する。
【0053】
また、ステップS18での他の判定基準として、反復回数の上限値(所定回数N)をあらかじめ設定しておき、反復処理の実行回数が所定回数N(≧1)に達した場合に、信号処理の終了条件を満たすものと判定して反復処理を終了し、反復処理の実行回数が所定回数Nに達していない場合には、反復処理の継続条件を満たすものと判定して反復処理を繰り返してもよい。
【0054】
また、距離微分区間DBの前回値と今回値との区間偏差(変化量)ΔDBの絶対値が所定の基準区間値γ以上を示す場合には、反復処理の継続条件を満たすものと判定し、推定値偏差ΔDBの絶対値が所定の基準区間値γよりも小さい場合には、信号処理の終了条件を満たすものと判定してもよい。さらに、上記各条件を組合せて適用してもよい。
【0055】
このように、各受信信号の偏波間の位相差φdpから降雨強度を推定する際に、まずエコー強度Aの情報を用いて距離微分区間Dを設定するとともに、降雨強度推定値RBに基づく距離微分区間DBの設定処理を反復し、距離微分区間DBの設定精度を改良することにより、さらに高精度の降雨強度推定値RBが得られ、降雨強度が強い場合でも、降雨強度の計測精度を維持したまま、降雨状況に応じて高い距離分解能を実現することができる。
また、再設定される距離微分区間DBは、降雨強度推定値RBが高い場合に短く設定され、降雨強度推定値RBが低い場合に長く設定されるので、さらに降雨強度の計測精度を維持し且つ降雨強度の高い領域で高い距離分解能を得ることができる。
また、距離微分区間Dは、暫定推定値Raが不連続に変化する点を跨がないように設定されるので、降雨強度が不連続に変化する状況でも降雨強度を正確に推定できる。
また、再設定される距離微分区間DBは、降雨強度推定値RBが不連続に変化する点を跨がないように設定されるので、降雨強度が距離方向に不連続に変化する場合にも、降雨強度推定値RBの算出精度が劣化することもない。
また、所定回数Nの反復処理を実行した場合に反復処理を完了することにより、演算時間の増加を最低限に抑えたまま、降雨強度の計測精度と距離分解能を高めることができる。
また、今回の降雨強度推定値RB(n)と、前回の反復処理で算出された降雨強度推定値RB(n−1)との推定値偏差ΔRBの絶対値が、所定の基準値αよりも小さい場合に、反復処理を完了することにより、距離微分区間DBを最適に設定することができ、降雨強度の計測精度を維持し、且つ可能な範囲で高い距離分解能を得ることができる。
また、エコー強度Aまたは暫定推定値Raを、距離方向、時間方向または角度方向(方位角または仰角方向)に平滑化して距離微分区間Dを設定することにより、エコー強度Aまたは位相値の統計的ゆらぎが大きい場合にも、適切に距離微分区間を設定することができる。
【0056】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、受信信号のエコー強度Aから距離微分区間D、DBを設定したが、エコー強度Aの情報を用いることなく、反復処理による改良手法のみを用いて、各受信信号H、Vの偏波間の位相差φdpの距離微分区間の最適化を実現してもよい。
図6はエコー強度Aの情報を用いずに反復処理のみを用いて距離微分区間を最適化したこの発明の実施の形態3によるレーダ信号処理装置を示すブロック構成図である。また、図7はこの発明の実施の形態3による動作を示すフローチャートである。
【0057】
図6において、前述(図4参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
また、図7において、前述(図5参照)と同様の処理については、前述と同一符号を付して、または前述と同一符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
図6において、前述(図4参照)のエコー強度算出部1および暫定推定値算出部2は省略されており、距離微分区間設定部3Cは、全距離で一定の距離微分区間DCを設定するようになっている。
【0058】
図7において、まず、距離微分区間設定部3Cは、全距離で一定の距離微分区間DCを設定する(ステップS4C)。
このとき、距離微分区間DCは、通常時に最適となる区間幅よりも広めに設定されており、これにより、位相差距離微分値KdpCの空間分解能は低下するが、全距離区間にわたって安定に距離微分を実行することができる。
【0059】
一方、位相差算出部2は、ステップS5において、水平偏波受信信号Hと垂直偏波受信信号Vとの偏波間の位相差φdpを各距離で算出する。
次に、ステップS5で算出された位相差φdpを距離方向に微分することにより、位相差距離微分値KdpCを算出する(ステップS6C)。
このとき、位相差距離微分値KdpCの算出に用いられる位相差データの距離区間幅としては、初期においては、ステップS4Cで設定された距離微分区間DCが適用され、反復処理時においては、後述するステップS19Cで設定される距離微分区間DCが適用される。
【0060】
続いて、位相差距離微分値KdpCと降雨強度との関係式として、たとえば、前述の式(4)を用いて、降雨強度推定値RCを算出する(ステップS7C)。
最後に、反復処理を継続するか否かを判定し(ステップS18C)、反復処理を継続する(すなわち、YES)と判定されれば、ステップS7Cで算出された降雨強度推定値RCを用いて距離微分区間を再設定し(ステップS19C)、反復処理を継続しない(すなわち、NO)と判定されれば、その時点での降雨強度推定値RCを最終的な降雨強度の計測値に採用し、図7の処理を終了する。
【0061】
なお、前述と同様に、反復処理(ステップS19C)において、距離微分区間DCは、降雨強度推定値RCが大きければ大きいほど短い値に設定され、且つ、降雨強度推定値RCが不連続に変化する点を跨がないように設定される。
また、ステップS19Cにおいて、距離微分区間DCは、降雨強度推定値RCが距離方向に平滑化された後に再設定され、また、降雨強度推定値RCの相対誤差が一定となるように設定される。
【0062】
また、ステップS18Cでの判定基準としては、距離微分区間DCの区間偏差ΔDCが所定の基準区間値γcと比べて十分小さくなった場合に、反復処理の終了条件を満たすものと判定してもよい。
また、反復回数の上限値をあらかじめ所定回数Nとして設定しておき、所定回数Nだけ反復処理を実行した場合に、反復処理の終了条件を満たすものと判定してもよく、さらに、基準区間値γcより小さい区間偏差ΔDCと、所定回数Nの反復処理とのいずれか一方の基準を満たした場合に反復を終了するようにしてもよい。
【0063】
このように、全距離で一定の距離微分区間DCを設定するステップS4Cと、各受信信号H、Vの偏波間の位相差φdpを算出するステップS5と、距離微分区間DCを用いて位相差φdpを距離で微分し、位相差距離微分値KdpCを算出するステップS6Cと、位相差距離微分値KdpCから降雨強度推定値RCを算出するステップS7Cと、反復処理を継続するか否かを判定するステップS18Cと、反復処理を継続すると判定された場合に、降雨強度推定値RCを用いて距離微分区間DCを再設定し、ステップS6Cに戻るステップS19Cと、反復処理を継続しないと判定された場合に、図7の処理を終了するステップとを備え、位相差φdpから降雨強度推定値RCを算出する際に、距離微分区間DCの設定を反復改良することにより、降雨強度が強い場合であっても、降雨強度の計測精度を維持したまま、高い距離分解能を実現することができる。
また、降雨強度推定値DCを距離方向に平滑化して距離微分区間を再設定することにより、位相値の統計的ゆらぎが大きい場合にも、適切に距離微分区間を設定することができる。
さらに、距離微分区間DCを、降雨強度推定値RCの相対誤差が一定となるように設定することにより、降雨強度の相対誤差を一定に保ったまま、降雨強度の強い領域で距離分解能を高めることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理装置であって、水平偏波受信信号と垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する位相差算出部と、水平偏波受信信号または垂直偏波受信信号からエコー強度を算出するエコー強度算出部と、エコー強度から降雨強度の暫定推定値を算出する暫定推定値算出部と、暫定推定値を用いて、位相差の距離微分を計算する際の第1の距離微分区間を設定する距離微分区間設定部と、第1の距離微分区間を用いて位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する距離微分算出部と、第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する降雨強度推定部とを備えたので、位相誤差の影響の小さい強雨領域での距離分解能の劣化を防止したレーダ信号処理装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置を示すブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1による降雨強度が不連続に変化する点における偏波間の位相差算出処理を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるレーダ信号処理装置を示すブロック構成図である。
【図5】この発明の実施の形態2によるレーダ信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態3によるレーダ信号処理装置を示すブロック構成図である。
【図7】この発明の実施の形態3によるレーダ信号処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エコー強度算出部、2 暫定推定値算出部、3、3B、3C 距離微分区間設定部、4 位相差算出部、5、5B、5C 距離微分算出部、6、6B、6C 降雨強度推定部、A エコー強度、D、DB、DC 距離微分区間、H 水平偏波受信信号、Kdp、KdpB、KdpC 位相差距離微分値、P 不連続変化点、Ra 暫定推定値、R、RB、RC 降雨強度推定値、V 垂直偏波受信信号、φdp 位相差、S1 第1のステップ、S3 第2のステップ、S4、S4C 第3のステップ、S5 第4のステップ、S6、S6B、S6C 第5のステップ、S7、S7B、S7C 第6のステップ、S18、S18C 第7のステップ、S19、S19C 第8のステップ。
Claims (19)
- 水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理装置であって、前記水平偏波受信信号と前記垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する位相差算出部と、
前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号の少なくとも一方からエコー強度を算出するエコー強度算出部と、
前記エコー強度から降雨強度の暫定推定値を算出する暫定推定値算出部と、
前記暫定推定値を用いて、前記位相差の距離微分を計算する際の第1の距離微分区間を設定する距離微分区間設定部と、
前記第1の距離微分区間を用いて前記位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する距離微分算出部と、
前記第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する降雨強度推定部とを備えたことを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 前記距離微分区間設定部は、前記降雨強度推定値を用いて第2の距離微分区間を再設定し、
前記距離微分算出部は、前記第2の距離微分区間を用いて、前記位相差の第2の位相差距離微分値を再度算出することを特徴とする請求項1に記載のレーダ信号処理装置。 - 水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理装置であって、前記水平偏波受信信号と前記垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する位相差算出部と、
全距離で一定の第1の距離微分区間を設定する距離微分区間設定部と、
前記第1の距離微分区間を用いて前記位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する距離微分算出部と、
前記第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する降雨強度推定部とを備え、
前記距離微分区間設定部は、前記降雨強度推定値を用いて第2の距離微分区間を再設定し、
前記距離微分算出部は、前記第2の距離微分区間を用いて、前記位相差の第2の位相差距離微分値を再度算出することを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理方法であって、前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号の少なくとも一方からエコー強度を算出する第1のステップと、
前記エコー強度から降雨強度の暫定推定値を算出する第2のステップと、
前記暫定推定値を用いて第1の距離微分区間を設定する第3のステップと、
前記水平偏波受信信号と前記垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する第4のステップと、
前記第1の距離微分区間を用いて前記位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する第5のステップと、
前記第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する第6のステップとを備えたことを特徴とするレーダ信号処理方法。 - 前記第3のステップにおいて、前記第1の距離微分区間は、前記暫定推定値が大きければ大きいほど短く設定され、前記暫定推定値が小さければ小さいほど長く設定されることを特徴とする請求項4に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第3のステップにおいて、前記第1の距離微分区間は、前記暫定推定値が不連続に変化する点を跨がないように設定されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第6のステップに続いて、反復処理を継続するか否かを判定する第7のステップと、
前記第7のステップにより反復処理を継続すると判定された場合に、前記降雨強度推定値を用いて第2の距離微分区間を再設定し、前記第5のステップに戻る第8のステップと、
前記第7のステップにより反復処理を継続しないと判定された場合に、前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号に対する処理を終了する第9のステップとを備えたことを特徴とする制御信号請求項4から請求項6までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。 - 前記第8のステップにおいて、前記第2の距離微分区間は、前記降雨強度推定値が大きければ大きいほど短く設定され、前記降雨強度推定値が小さければ小さいほど長く設定されることを特徴とする請求項7に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第8のステップにおいて、前記第2の距離微分区間は、前記降雨強度推定値が不連続に変化する点を跨がないように設定されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第7のステップにおいて、反復処理の実行回数が所定回数に達していない場合には、反復処理の継続条件を満たすものと判定し、前記反復処理の実行回数が前記所定回数に達した場合には、信号処理の終了条件を満たすものと判定することを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第7のステップにおいて、今回の反復処理で算出された降雨強度推定値と、前回の反復処理で算出された降雨強度推定値との推定値偏差の絶対値が、所定の基準値以上を示す場合には、反復処理の継続条件を満たすものと判定し、前記推定値偏差の絶対値が前記所定の基準値よりも小さい場合には、信号処理の終了条件を満たすものと判定することを特徴とする請求項7から請求項10までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第7のステップにおいて、今回の反復処理で算出された距離微分区間と、前回の反復処理で算出された距離微分区間との区間偏差の絶対値が、所定の基準区間値以上を示す場合には、反復処理の継続条件を満たすものと判定し、前記区間偏差の絶対値が前記所定の基準区間値よりも小さい場合には、信号処理の終了条件を満たすものと判定することを特徴とする請求項7から請求項11までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第8のステップにおいて、前記降雨強度推定値の相対誤差が一定となるように、前記第2の距離微分区間を設定することを特徴とする請求項7から請求項12までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第1または第2のステップにおいて、前記エコー強度または前記暫定推定値を、距離方向に平滑化処理することを特徴とする請求項4から請求項13までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第1または第2のステップにおいて、前記エコー強度または前記暫定推定値を、方位角方向または仰角方向に平滑化処理することを特徴とする請求項4から請求項14までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第1または第2のステップにおいて、前記エコー強度または前記暫定推定値を、時間方向に平滑化処理することを特徴とする請求項4から請求項15までのいずれか1項に記載のレーダ信号処理方法。
- 水平偏波および垂直偏波の2つの電波を空間に放射し、ターゲットで反射された電波を、2つの偏波で水平偏波受信信号および垂直偏波受信信号として受信し、前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号に対して処理を施すことにより二重偏波計測値を取得するレーダ信号処理方法であって、
全距離で一定の第1の距離微分区間を設定する第1のステップと、
前記水平偏波受信信号と前記垂直偏波受信信号との偏波間の位相差を算出する第2のステップと、
前記第1の距離微分区間を用いて前記位相差を距離で微分し、第1の位相差距離微分値を算出する第3のステップと、
前記第1の位相差距離微分値から降雨強度推定値を算出する第4のステップと、
反復処理を継続するか否かを判定する第5のステップと、
前記反復処理を継続すると判定された場合に、前記降雨強度推定値を用いて第2の距離微分区間を再設定し、前記第4のステップに戻る第6のステップと、
前記反復処理を継続しないと判定された場合に、前記水平偏波受信信号および前記垂直偏波受信信号に対する処理を終了する第7のステップとを備えたことを特徴とするレーダ信号処理方法。 - 前記第6のステップにおいて、前記降雨強度推定値を距離方向に平滑化した後に、前記第2の距離微分区間を再設定することを特徴とする請求項17に記載のレーダ信号処理方法。
- 前記第6のステップにおいて、前記降雨強度推定値の相対誤差が一定となるように、前記第2の距離微分区間を設定することを特徴とする請求項17または請求項18に記載のレーダ信号処理方法。
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