JP3172647B2 - 送電線雪害予測方法及び装置 - Google Patents

送電線雪害予測方法及び装置

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JP3172647B2
JP3172647B2 JP520795A JP520795A JP3172647B2 JP 3172647 B2 JP3172647 B2 JP 3172647B2 JP 520795 A JP520795 A JP 520795A JP 520795 A JP520795 A JP 520795A JP 3172647 B2 JP3172647 B2 JP 3172647B2
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健二 飯田
博朗 北川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送電線への着雪量の推
定に基づき雪害を予測する送電線雪害予測方法及び装置
に係り、特に、気温の誤差に左右されにくい送電線雪害
予測方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】送電線は苛酷な自然環境に晒されてお
り、種々の自然災害を被る危険がある。特に、冬期の降
雪時には送電線への着雪により送電線の荷重が過大とな
って断線事故或いは鉄塔倒壊事故に至ることもある。従
って、降雪時の送電線の着雪量を定量的に推定すること
が事故の未然防止の観点から極めて重要である。
【0003】着雪量の推定を、気温、風速、降水量等の
気象データを基に行うために、以下のような様々な着雪
量推定式が提案されている。
【0004】1)アドミラートの式 P.Admirat 他によ
る「日本とフランスでの実例に基づく雪堆積モデルの測
定;1988年9月構造物の大気による着氷に関する第
4回国際会議」 2)エルビックの式 M.Ervik 他による「実験室と実地
の観測へ応用される伝送線路の着氷のための広範囲測定
モデル;1988年9月構造物の大気による着氷に関す
る第4回国際会議」 3)マッコネンの式 Makkonenによる「構造物上での湿
った雪の成長の概算;寒冷地科学技術」 4)坂本の式 電力中央研究所、坂本による。
【0005】一方、雪害の予測を行うためのニューラル
ネットが提案されている。即ち、過去の雪害の事例にお
ける気象データを用いて、ニューラルネットに気象デー
タを入力すれば「事故有り」または「事故無し」の事象
を出力するようにニューラルネットを学習させる。この
ニューラルネットに対して気象予報データを入力すれ
ば、「事故有り」または「事故無し」のいずれかの事象
に分類して予測することができる。
【0006】また、ニューラルネットが「事故有り」の
判断し、かつ上記着雪量推定式により算出された推定着
雪量が所定値を越えたときに警報を出すようにするシス
テムが考案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、送電線への
着雪率は、ある特定の温度で最大になることが、風洞実
験等により推定されている。しかし、前記した推定着雪
量の式のうち、アドミラートの式及びマッコネンの式で
は着雪量が気温に全く依存しない。また、エルビックの
式では、着雪量が気温に対して直線的に増加する。一
方、坂本の式は、気温の変化に対する着雪量の変化が風
洞実験等の結果をよく反映している。
【0008】しかし、坂本の式には、気温が少し変化す
るだけで着雪量が大きく違ってくるという傾向がある。
一般に、雪害の予測に用いる気象予報データは、真の気
象データに対し、ある程度の誤差を有するものである。
従って、坂本の式を用いると、誤差により計算結果が大
きく変わってしまい、予測精度が悪くなるという欠点が
生じる。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、気温の誤差に左右されにくい送電線雪害予測方法及
び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の方法は、気温、風速、降水量等の気象予報デ
ータから送電線への着雪量を推定する着雪量推定計算式
を用い、この推定着雪量に基づき雪害の有無を予測する
送電線雪害予測方法において、上記気象予報データの気
温について予め誤差の確率密度関数を設定しておき、与
えられた気象予報データの気温に対し任意の誤差を付加
した複数の気温をそれぞれ上記着雪量推定計算式に代入
して複数の着雪量を計算し、これらの着雪量に確率密度
関数を重み付けした加重平均を求めて推定着雪量とする
ものである。
【0011】また、本発明の装置は、気温、風速、降水
量等の気象予報データから送電線への着雪量を推定する
着雪量推定計算回路を有し、この推定着雪量に基づき雪
害の有無を予測する送電線雪害予測装置において、上記
気象予報データの気温について予め誤差の確率密度関数
が設定され、与えられた気象予報データの気温に対し任
意の誤差を付加した複数の気温をそれぞれ上記着雪量推
定計算式に代入して複数の着雪量を計算する統計処理装
置と、これらの着雪量に確率密度関数を重み付けした加
重平均を求めて推定着雪量とする累計回路とを設けたも
のである。
【0012】上記気象予報データの気温の誤差が正規分
布に従うものとして上記確率密度関数を設定してもよ
い。
【0013】上記確率密度関数を付加する誤差の総数に
対し規格化し、各着雪量に確率密度関数を重み付けして
累計することにより加重平均を得てもよい。
【0014】上記確率密度関数を付加する誤差の総数を
少なくとも10個とし、正の誤差と負の誤差とを均等に
設けてもよい。
【0015】上記着雪量推定計算に用いる気温が0〜2
℃、0℃以下、2℃以上のいずれであるか判定し、気温
が0〜2℃であればそのまま着雪量を計算し、気温が0
℃以下であれば雪が送電線に付着するかどうかを判定し
てから着雪量を計算し、気温が2℃以上であれば着雪量
を計算した後に落雪があるかどうかを判定してもよい。
【0016】上記雪が送電線に付着するかどうかの判定
は、既に雪が送電線に付着しているか、又は風速3m/
s以下であれば付着する、そうでなければ付着しないと
判定し、上記落雪があるかどうかの判定は、雪の含水率
が50%以上であれば落雪があるものとし、50%未満
であれば落雪がないものとしてもよい。
【0017】上記気象データを基にニューラルネットに
よって雪害の有無を予測し、この予測結果と上記推定着
雪量に基づく雪害の有無の予測とから警報を行うか否か
を判定してもよい。
【0018】
【作用】前記したように、雪害の予測に用いる気象予報
データの気温は、真の気温に対し、ある程度の誤差を有
する。この真の気温に対する気象予報データの気温の誤
差は、なんらかの誤差分布に従うと考えられる。そこ
で、誤差の大きさと、その大きさの誤差が現れる確率と
の関係を確率密度関数で表すことができる。逆に、気象
予報データの気温が与えられたとき、真の気温がある大
きさの誤差で存在する確率は確率密度関数に従う。
【0019】本発明の方法及び構成にあっては、気象予
報データの気温について予め誤差の確率密度関数を設定
しておく。与えられた気象予報データの気温に対し任意
の誤差を付加した複数の気温をそれぞれ着雪量推定計算
式に代入して複数の着雪量を計算すると、それぞれの着
雪量が真の着雪量である確率は確率密度関数に従う。こ
れらの着雪量に確率密度関数を重み付けした加重平均は
真の着雪量の期待値であり、この期待値を推定着雪量と
することで、気温の誤差が直接的に着雪量推定計算結果
に与える変化を緩和することができる。即ち、気温の誤
差に左右されにくい雪害予測が可能となる。
【0020】気象予報データの気温の誤差は正規分布に
従うものと考えられる。そこで、設定する確率密度関数
には正規分布を表す確率密度関数を用いる。正規分布に
よれば、誤差xとなる確率ψは、標準偏差s、平均値m
のとき、
【0021】
【数1】
【0022】で表される。
【0023】正規分布を用いた場合の推定着雪量の計算
は、以下のようになる。
【0024】まず、任意のn個の誤差x1 ,x2 ,・
・,xnを設定し、式(1)によって確率密度ψ1 ,ψ
2 ,・・,ψnを計算する。標準偏差s、平均値mは、
事前に計算しておいたものである。
【0025】次に、気象予報データの気温T0 に対し
て、誤差を付加した気温T+x1 ,T+x2 ,・・,T
+xnを求め、これらの温度を着雪量推定計算式に代入
して着雪量w1 ,w2 ,・・,wnを計算する。式
(2)に示すように、これらの着雪量に確率密度関数を
重み付けし、平均すると、求める着雪量Wとなる。
【0026】
【数2】
【0027】確率密度関数を付加する誤差の総数に対し
規格化しておく。即ち、付加する誤差の確率を総和する
と1になるようにしておく。各着雪量に確率密度関数を
重み付けして累計していけば、全ての誤差について累計
したところで加重平均が得られる。
【0028】確率密度関数を付加する誤差の総数は、少
なすぎると信頼性にかかわる。反面、あまり多すぎると
計算量が多くなり煩わしい。誤差の総数を少なくとも1
0個とすれば、必要な信頼性が得られる。また、誤差の
分布は正負で対称性を有すると考えられる。そこで、正
の誤差と負の誤差とを均等に設ける。
【0029】一般に、送電線への着雪量は、気温が0〜
2℃のとき最大であり、この温度条件において上記着雪
量推定計算式がそのまま成立する。気温が0℃以下又は
2℃以上では着雪しにくい条件又は着雪した雪が落雪す
る条件が加わる。そこで、気温が0〜2℃、0℃以下、
2℃以上の場合に別けてその気温条件に応じた着雪量推
定を行うのがよい。まず、着雪量推定計算に用いる気温
が0〜2℃、0℃以下、2℃以上のいずれであるか判定
する。気温が0〜2℃であればそのまま着雪量を計算す
ればよい。気温が0℃以下であれば雪が送電線に付着す
るかどうかを判定してから着雪量を計算する。また、気
温が2℃以上であれば着雪量を計算した後に落雪がある
かどうかを判定する。
【0030】気温が0℃以下のときには、すでに着雪が
起きていれば着雪量は多い(着雪量推定計算どおりであ
る)が、着雪が起きていなければ着雪量は少ないと判断
できる。また、風速が小さければ着雪量は多いが、風速
が大きければ着雪量は少ないと判断できる。そこで、既
に雪が送電線に付着しているか、又は風速3m/s以下
であれば付着する、そうでなければ付着しないと判定
し、それから着雪量を計算する。
【0031】気温が2℃以上のときには、雪中の含水率
によって落雪の有無が判断できる。そこで、雪の含水率
が50%以上であれば落雪があるものとし、50%未満
であれば落雪がないものとする。落雪が起きていれば先
に求めた着雪量は消去され、落雪が起きていなければ着
雪量は保存されることになる。
【0032】前記したように気象データを基にニューラ
ルネットによって雪害の有無を予測することができる。
この予測結果と上記推定着雪量に基づく雪害の有無の予
測とを組み合わせて警報を行うか否かを判定することに
より、警報の信頼性がいっそう向上する。
【0033】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0034】本発明の送電線雪害予測装置は、気温、風
速、降水量等の気象予報データから送電線への着雪量を
推定する着雪量推定計算回路を有し、この推定着雪量に
基づき雪害の有無を予測することができる。また、気象
予報データの気温について予め誤差の確率密度関数が設
定され、与えられた気象予報データの気温に対し任意の
誤差を付加した複数の気温をそれぞれ上記着雪量推定計
算式に代入して複数の着雪量を計算する統計処理装置
と、これらの着雪量に確率密度関数を重み付けした加重
平均を求めて推定着雪量とする累計回路とが設けられて
いる。
【0035】一例として図1に示した送電線のための雪
害警報システムは、外部からの気象現況や気象予報から
なる気象データを受信するデータ受信装置1と、式
(1)の計算をする統計処理回路2と、気象データの気
温が0〜2℃、2℃以上、0℃以下のいずれであるか判
定する気温判定回路3と、この気温判定回路3の0〜2
℃の出力によって駆動され、そのときの着雪量を計算す
る着雪量計算回路5aと、気温判定回路3の2℃以上の
出力によって駆動され、そのときの含水率を計算する含
水率計算回路6及び着雪量を計算する着雪量計算回路5
b及びこの着雪量と含水率とから落雪を判定する落雪判
定回路7と、気温判定回路3の0℃以下の出力によって
駆動され、そのときの雪の付着を判定する乾雪付着判定
回路4及び着雪量を計算する着雪量計算回路5cと、式
(2)の計算をする着雪量累計回路8と、気象データを
入力としてニューラルネットの計算を行うニューラルネ
ット計算回路9と、着雪量累計回路8の出力及びニュー
ラルネットの出力に応じて警報を出すか否かを判定する
警報判定装置10とを備えている。
【0036】統計処理回路2は、気象予報データの気温
について予め正規分布に従う誤差の確率密度関数が設定
してあり、任意のn個の誤差x1 ,x2 ,・・,xnを
設定し、式(1)によって確率密度ψ1 ,ψ2 ,・・,
ψnを計算し、さらに気象予報データの気温T0 に対し
て、誤差を付加した気温T+x1 ,T+x2 ,・・,T
+xnを求めるようになっている。気温判定回路3は、
誤差を付加した気温T+x1 ,T+x2 ,・・,T+x
nを3系統の回路に仕分ける働きをする。
【0037】この実施例では、着雪量計算回路5a、5
b、5cはいずれも着雪量推定式として坂本の式を用い
た回路であり、その式(3)は、
【0038】
【数3】
【0039】で示される。
【0040】ここで、w ;着雪量(g/cm) T ;気温(℃) V ;風速(m/s) Pnt ;t時間中の有効降水強度 である。
【0041】次に、含水率の計算式は、実験によって求
められたものであり、その式(4)は、
【0042】
【数4】
【0043】ここで、LWC;含水率 D ;着雪外径(cm) D0 ;電線外径(cm) H ;湿度(%) I ;負荷電流(A) R ;電気抵抗(Ω) α0 ;初期含水率 θ ;電線と風向とのなす角 ω ;雪片の落下速度(cm) γ ;0.04T2 である。
【0044】着雪量計算回路5aにあっては、気温が0
〜2℃のとき式(3)により着雪量を計算するようにな
っている。含水率計算回路6及び着雪量計算回路5b及
び落雪判定回路7にあっては、気温が2℃以上のとき式
(4)で含水率を求め、含水率が50%以上であれば落
雪があったものとして着雪量をゼロとし、含水率が50
%未満であれば気温を2℃として式(3)により着雪量
を計算するようになっている。乾雪付着判定回路4及び
着雪量計算回路5cにあっては、気温が0℃以下のと
き、既に電線に着雪しているか、風速が3m/s以下で
あるかを判定し、上記のいずれかであれば気温を0℃と
して式(3)により着雪量を計算し、そうでなければ着
雪量をゼロとするようになっている。着雪量累計回路8
は上記3系統の回路で得られた出力を重み付けして累計
するようになっている。
【0045】警報判定装置10は、着雪量累計回路8か
らの推定着雪量計算値がある設定値以上で、かつニュー
ラルネット計算回路9が「事故有り」と判定した場合、
警報を発生するようになっている。
【0046】次に実施例の作用を述べる。
【0047】データの流れに沿って動作を説明すると、
まず、データ受信装置1で受信した気温、風速、降水量
等の気象データが統計処理回路2とニューラルネット計
算回路9とに渡される。統計処理回路2では気象データ
中の気温Tに対してn個の誤差x1 ,x2 ,・・,xn
を設定する。なお、個数nは10以上であることが望ま
しい。また、誤差x1 ,x2 ,・・,xnは正の誤差と
負の誤差とが均等にあるのが適切である。次に、統計処
理回路2で、各誤差に対して式(1)によって確率密度
ψ1 ,ψ2 ,・・,ψnを計算する。そして、誤差を付
加した気温T+x1 ,T+x2 ,・・,T+xnを気温
判定回路3で3系統の回路に仕分けて供給する。各系統
において、着雪の条件を考慮し、着雪量計算回路5a,
5b,5cで、着雪量w1 ,w2 ,・・,wnを計算す
る。着雪量累計回路8では、3系統の回路で得られた出
力が重み付けされて累計され、n個の着雪量について累
計しおわると、推定着雪量Wが得られる。
【0048】一方、ニューラルネット計算回路9では、
過去の雪害事故発生時の気象データによって学習したニ
ューラルネットにより、被害発生の危険の有無を判定す
る。警報判定装置10は、着雪量累計回路8からの推定
着雪量計算値がある設定値以上で、かつニューラルネッ
ト9が「事故有り」と判定した場合、警報を発生する。
【0049】なお、本実施例では気象予報データの気温
について統計処理したが、気温以外の予報気象データ
(風速、降水量)に適用してもよい。
【0050】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0051】(1)坂本の式のように気温が少し変化す
るだけで着雪量が大きく違ってくる式を用いる場合で
も、気温の誤差に左右されにくい、即ち、確度の高い雪
害予測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す雪害警報システムのブ
ロック図である。
【符号の説明】
2 統計処理回路 3 気温判定回路 4 乾雪付着判定回路 5a,5b,5c 着雪量計算回路 6 含水率計算回路 7 落雪判定回路 8 着雪量累計回路 9 ニューラルネット計算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊地知 良雄 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社オプトロシステム研究所 内 (56)参考文献 特開 平6−105428(JP,A) 特開 平7−167966(JP,A) 特開 平5−197708(JP,A) 特許2875944(JP,B2) 特許3034167(JP,B2) 山本敏行、金丸公春、狩野均、伊地知 良雄、近野好文、“ニューラルネットを 利用した送電線着雪情報判定手法”、電 気学会論文誌B、社団法人電気学会、平 成4年、第112巻、第7号、p.585− 592 飯田健二、金丸公春、伊地知良雄、北 川博朗、近野好文、“ユーラルネットを 利用した送電線雪害警報システムの試験 運用評価”、平成6年電気学会電力・エ ネルギー部門大会論文集(論文2)、社 団法人電気学会、平成6年、第5巻、第 2号、p.620−621 立崎修二、坂本雄吉、水島和夫、河西 清一、山田久栄、島田喜弘、“送電線の 着雪予報システムの開発”、電力中央研 究所狛江研究所報告、社団法人電力中央 研究所、平成元年、第T89001号、p. 1−31 崔圭享、西谷健一、長谷川淳、奈良宏 一、“電線着雪対策決定支援エキスパー トシステムの開発”、電気学会論文誌 B、社団法人電気学会、平成2年、第 110巻、第8号、p.669−676 田中輝彦、大坪芳次、大窪寛和、村上 真史、馬場邦彦、長谷美達雄、“送電線 着雪予測システムの開発”、雪氷、日本 雪氷学会、平成4年、第54巻、第3号、 p.245−257 山本敏行、金丸公春、狩野均、伊地知 良雄、近野好文、“ニューラルネットに よる送電線着雪情報判定手法”、電気学 会全国大会講演論文集、社団法人電気学 会、平成4年、p.10−88−10−89 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01W 1/00 - 1/18 G06F 17/00 - 17/60 G06F 15/18 G08B 21/00 - 21/24 G05B 13/00 - 13/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気温、風速、降水量等の気象予報データ
    から送電線への着雪量を推定する着雪量推定計算式を用
    い、この推定着雪量に基づき雪害の有無を予測する送電
    線雪害予測方法において、上記気象予報データの気温に
    ついて予め誤差の確率密度関数を設定しておき、与えら
    れた気象予報データの気温に対し任意の誤差を付加した
    複数の気温をそれぞれ上記着雪量推定計算式に代入して
    複数の着雪量を計算し、これらの着雪量に確率密度関数
    を重み付けした加重平均を求めて推定着雪量とすること
    を特徴とする送電線雪害予測方法。
  2. 【請求項2】 気温、風速、降水量等の気象予報データ
    から送電線への着雪量を推定する着雪量推定計算回路を
    有し、この推定着雪量に基づき雪害の有無を予測する送
    電線雪害予測装置において、上記気象予報データの気温
    について予め誤差の確率密度関数が設定され、与えられ
    た気象予報データの気温に対し任意の誤差を付加した複
    数の気温をそれぞれ上記着雪量推定計算式に代入して複
    数の着雪量を計算する統計処理装置と、これらの着雪量
    に確率密度関数を重み付けした加重平均を求めて推定着
    雪量とする累計回路とを設けたことを特徴とする送電線
    雪害予測装置。
  3. 【請求項3】 上記気象予報データの気温の誤差が正規
    分布に従うものとして上記確率密度関数を設定すること
    を特徴とする請求項記載の送電線雪害予測方法
  4. 【請求項4】 上記確率密度関数を付加する誤差の総数
    に対し規格化し、各着雪量に確率密度関数を重み付けし
    て累計することにより加重平均を得ることを特徴とする
    請求項1、3いずれか記載の送電線雪害予測方法
  5. 【請求項5】 上記確率密度関数を付加する誤差の総数
    を少なくとも10個とし、正の誤差と負の誤差とを均等
    に設けることを特徴とする請求項1、3〜4いずれか記
    載の送電線雪害予測方法
  6. 【請求項6】 上記着雪量推定計算に用いる気温が0〜
    2℃、0℃以下、2℃以上のいずれであるか判定し、気
    温が0〜2℃であればそのまま着雪量を計算し、気温が
    0℃以下であれば雪が送電線に付着するかどうかを判定
    してから着雪量を計算し、気温が2℃以上であれば着雪
    量を計算した後に落雪があるかどうかを判定することを
    特徴とする請求項1、3〜5いずれか記載の送電線雪害
    予測方法
  7. 【請求項7】 上記雪が送電線に付着するかどうかの判
    定は、既に雪が送電線に付着しているか、又は風速3m
    /s以下であれば付着する、そうでなければ付着しない
    と判定し、上記落雪があるかどうかの判定は、雪の含水
    率が50%以上であれば落雪があるものとし、50%未
    満であれば落雪がないものとすることを特徴とする請求
    1、3〜6いずれか記載の送電線雪害予測方法
  8. 【請求項8】 上記気象データを基にニューラルネット
    によって雪害の有無を予測し、この予測結果と上記推定
    着雪量に基づく雪害の有無の予測とから警報を行うか否
    かを判定することを特徴とする請求項1、3〜7いずれ
    か記載の送電線雪害予測方法
  9. 【請求項9】 上記気象予報データの気温の誤差が正規
    分布に従うものとして上記確率密度関数を設定すること
    を特徴とする請求項2記載の送電線雪害予測装置。
  10. 【請求項10】 上記確率密度関数を付加する誤差の総
    数に対し規格化し、各着雪量に確率密度関数を重み付け
    して累計することにより加重平均を得ることを特徴とす
    る請求項2、9いずれか記載の送電線雪害予測装置。
  11. 【請求項11】 上記確率密度関数を付加する誤差の総
    数を少なくとも10個とし、正の誤差と負の誤差とを均
    等に設けることを特徴とする請求項2、9〜10いずれ
    か記載の送電線雪害予測装置。
  12. 【請求項12】 上記着雪量推定計算に用いる気温が0
    〜2℃、0℃以下、2℃以上のいずれであるか判定し、
    気温が0〜2℃であればそのまま着雪量を計算し、気温
    が0℃以下であれば雪が送電線に付着するかどうかを判
    定してから着雪量を計算し、気温が2℃以上であれば着
    雪量を計算した後に落雪があるかどうかを判定すること
    を特徴とする請求項2、9〜11いずれか記載の送電線
    雪害予測装置。
  13. 【請求項13】 上記雪が送電線に付着するかどうかの
    判定は、既に雪が送電線に付着しているか、又は風速3
    m/s以下であれば付着する、そうでなければ付着しな
    いと判定し、上記落雪があるかどうかの判定は、雪の含
    水率が50% 以上であれば落雪があるものとし、50%
    未満であれば落雪がないものとすることを特徴とする請
    求項2、9〜12いずれか記載の送電線雪害予測装置。
  14. 【請求項14】 上記気象データを基にニューラルネッ
    トによって雪害の有無を予測し、この予測結果と上記推
    定着雪量に基づく雪害の有無の予測とから警報を行うか
    否かを判定することを特徴とする請求項2、9〜13い
    ずれか記載の送電線雪害予測装置。
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