JP2006092058A - 流量予測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】予報雨量の予報誤差発生傾向を解析し、その結果を用いて確度の高い予測流量を得るようにした流量予測装置を提供する。
【解決手段】貯水施設または河川の将来の流量を、現在流量、現在の上流域の実況雨量及び予報雨量を用いて予測する流量予測装置において、過去の一定期間における予報雨量と実況雨量との予報誤差を解析して誤差分布を求める降雨予報誤差解析手段40と、前記誤差分布を用いて現在の予報雨量を修正し、修正予報雨量を求める予報雨量修正手段60と、前記現在流量、現在の上流域の実況雨量及び前記修正予報雨量を用いて流量を予測するニューラルネットワーク等の流量予測手段70と、実況雨量・予報雨量受信手段10、実況雨量・予報雨量データベース20,30、予報誤差解析結果及び予測流量の表示手段50,80を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、系統制御所、給電指令所、ダム管理所、水力発電所等、下水処理場、ポンプ場等において、計算機上でダム等の貯水施設への流入量や河川の流量を自動的に予測する流量予測装置に関するものである。
ダム等の貯水施設への流入量やその上流の河川の流量(以下、必要に応じて両者を単に流量という)の予測は、ダム運用の安全性と経済性のために非常に重要である。数時間先の流量予測は、降雨時のダム放流量を適切に決定するために必要であり、それによって流域の安全性確保に役立てることができる。また、数時間先から数日先の流量予測、特に翌日の流量予測は、発電計画の適切な立案によって水力エネルギーの有効利用・経済性の向上に寄与するものである。
従来、この種の流量予測は、熟練運用者の経験と直感的知識に従って行われることが多い。このため、数時間先までの予測作業を自動化する例として、タンクモデル、貯留関数法、ニューラルネットワーク等を用いた様々な方法が提案されており、その予測精度も次第に向上してきている。
ところで、ダム流入量予測モデルを作成するときには、河川や流域の地形、地質等の特性を踏まえた降雨量及び流量の分析を欠かすことができない。特に、上流域における降雨がダム等の流量に反映されるまでの時間(降雨後に流量が増加するまでの時間)である流下時間は重要なファクターであるが、従来では、主として上流域における降雨量のピーク時刻と流量のピーク時刻との差を求めてこれを流下時間としていた。
また、通常、流量予測のためには複数の雨量計が用いられている。すなわち、雨量計の情報はばらつきが大きいので、複数の雨量計による測定値を平均化して用いるのが一般的である。このとき、上流に複数の河川が存在する場合には、河川ごとの平均雨量を算出して用いる方法と、全ての流域をまとめた流域平均雨量を用いる方法とがある。
ここで、従来技術である特許文献1に記載された「ダムまたは河川における流量予測方法」では、現在時を基準とした過去所定期間の流量実績値をグラフ表示すると共に、少なくとも前記所定期間の上流域における累積雨量を前記流量実績値に重ねて表示し、累積雨量と流量実績値との相関関係から流量の増減傾向を予測している。
また、この特許文献1には、実際に流量予測値を算出する方法として、前記累積雨量の変化分Δcを算出し、流量予測値dを、d=現在流量+A・Δc+B(A,Bは予測モデルの構築時に過去の出水事例に基づき最小自乗法等を用いて求めた定数)として求める方法が開示されている。
特開2001−167078号公報(請求項1,2、段落[0015]〜[0024]、図1〜図5等)
さて、ダムや河川の流量予測はダムゲート操作に直結しており、下流域の安全上の問題から精度良い予測が求められている。これらの予測においては、上流域における将来の降雨量によって将来の流量が影響を受けるため、流量の予測に上流域の実況雨量だけでなく予報雨量を用いることが必要であり、雨量の予報精度が流量の予測精度に大きく影響してくる。しかし、予報雨量には通常、予報誤差が含まれているため、この予報雨量をそのまま用いて流量を予測すると、雨量予報の誤差に起因する流量予測誤差が発生する。
一般的に、ダムの流入量予測等においては、1時間先〜12時間先などの将来の流入量を予測しており、これに対応する予報雨量として、おおよそ1時間先〜12時間先の1時間ごとのデータが必要となる(当然ながら、何時間分の雨量データが必要であるかは、上流の降雨地からダムへの流下時間によって決められるべきものであるから、対象となるダムのロケーションや流域の地形、地質、水系の特性等により異なる)。
前述したように、ここで用いられる1時間ごとの予報雨量には予報誤差が含まれている。最近の予報技術の進歩によって予報精度はかなり向上しているが、現実的には依然として予報誤差は大きい。特に、長時間先になればなるほど予報誤差が大きくなる傾向がある。このため、予報雨量を用いた予測流量にも多くの誤差が含まれることとなってしまう。
しかしながら、従来では、あくまで予報雨量が正しいという前提のもとで流量予測が行われており、雨量の予報誤差を適切に考慮したものではなかった。
そこで本発明の解決課題は、予報雨量の誤差傾向を解析し、その結果を用いることによって確度の高い予測流量を得るようにした流量予測装置を提供することにある。
具体的には、降雨予報が外れる可能性を定量的に評価し、予報雨量の誤差を考慮して最も可能性が高い予測流量を得る流量予測装置を実現することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、被予測地点としての貯水施設または河川の将来の流量を、被予測地点の現在流量、上流域の現在の実況雨量及び予報雨量を用いて予測する流量予測装置において、
上流域の過去の一定期間における予報雨量と実況雨量との誤差を解析して誤差分布を求める降雨予報誤差解析手段と、
前記誤差分布を用いて、上流域の現在の予報雨量を修正して修正予報雨量を求める予報雨量修正手段と、
被予測地点の現在流量、上流域の現在の実況雨量及び前記修正予報雨量を用いて被予測地点の将来の流量を予測する流量予測手段と、
を備えたものである。
請求項2に記載した発明は、請求項1において、
前記流量予測手段が、ニューラルネットワークを用いて流量を予測するものである。
請求項3に記載した発明は、請求項1または2において、
前記予報誤差解析手段が、予報誤差のばらつきを正規分布やポアソン分布等の確率分布関数を用いて表現するものである。
請求項4に記載した発明は、請求項1または2において、
前記予報誤差解析手段が、予報誤差のばらつきを、予報誤差の範囲と当該範囲に予報誤差が含まれる発生確率とを用いて表現するものである。
請求項5に記載した発明は、請求項3において、
前記予報雨量修正手段及び流量予報手段は、
請求項3における確率分布関数により発生させた乱数を用いて複数の修正予報雨量を求め、これらの修正予報雨量を用いたモンテカルロシミュレーションの結果に基づいて最終的な予測流量を算出するものである。
請求項6に記載した発明は、請求項4において、
前記予報雨量修正手段及び流量予報手段は、
請求項4における予報誤差の範囲及び当該範囲に予報誤差が含まれる発生確率に基づいて前記範囲の数だけ修正予報雨量を求めることにより予報誤差の発生シナリオを作成し、これらの各シナリオについて流量予測を行うと共に、その予測結果を用いて最終的な予測流量を算出するものである。
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6の何れか1項において、
気象事業者等から現在の上流域の実況雨量及び予報雨量を受信する受信手段と、
前記実況雨量及び予報雨量を保存するデータベースと、
予報誤差解析手段による解析結果及び流量予測手段予報による予測結果を表示する表示手段と、を備えたものである。
本発明においては、過去における上流域の予報雨量の誤差を、確率分布関数や所定範囲に誤差が含まれる誤差発生確率を用いて解析することにより定量化し、モンテカルロシミュレーションによる予測や予報誤差の発生シナリオごとの予測を行うことにより、流量予測精度を従来よりも向上させることができる。
また、気象事業者等から得た元の予報雨量をそのまま用いた場合の予測流量、修正予報雨量に基づく最も可能性が高い予測流量、予報誤差に起因する予測流量の幅などを表示することにより、運用上、極めて有益な支援情報を得ることができる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は本発明にかかる流量予測装置の概要を示す構成図、図2は一連の流量予測手順を示すフローチャートである。
図1に示すように、この流量予測装置は、実況雨量・予報雨量受信手段10、実況雨量データベース20、予報雨量データベース30、降雨予報誤差解析手段40、降雨予報誤差解析結果表示手段50、予報雨量修正手段60、流量予測手段70、予測流量表示手段80から構成されている。
実況雨量・予報雨量受信手段10は、被予測地点であるダム等の貯水施設や河川の上流域における実況雨量(現時点の実際の雨量)及び将来の一定期間の予報雨量(例えば1時間先、2時間先、……の予報雨量)を、気象事業者等による発表データとして受信するものである。この受信手段10は、周知の有線または無線通信装置や通信機能を備えたパソコン等により構成可能であり、受信データを下記のデータベース20,30に保存可能な形式に加工する機能も備えている。
実況雨量データベース20及び予報雨量データベース30は、上述した実況雨量及び予報雨量をそれぞれ保存するものであり、ハードディスクや光ディスク、光磁気ディスク等からなる大容量の記憶装置を備えている。
これらの受信手段10によるデータ受信動作及び各データベース20,30による保存処理は、図2におけるステップS1に相当する。
降雨予報誤差解析手段40は、上記各データベース20,30に保存されているデータを用いて、過去の一定期間の予報雨量とその各時点における実況雨量との誤差を解析して予報誤差分布を作成するものであり、後述する確率分布関数や予報誤差発生確率の演算を実行可能な演算処理装置から構成されている。この解析手段40による誤差解析処理は、図2におけるステップS2に相当する。
以下、この降雨予報誤差解析手段40による誤差解析処理について説明する。
まず、第1の誤差解析動作として、解析手段40では、請求項3に記載するように過去の予報誤差Errの分布(ばらつき)を確率分布関数f(Err)を用いて表現する。
過去の一定期間の各時点における予報雨量をRとし、これらの各時点における実況雨量をRとすると、予報誤差Errは数式1により表される。
[数1]
rr=R−R
ここで、本実施形態では、代表的な確率分布関数として正規分布及びポアソン分布の確率分布関数を用いる。
(1)正規分布
母平均μ、母分散σを持つ正規分布N(μ,σ)の確率分布関数は、数式2によって表される。
Figure 2006092058
(2)ポアソン分布
ポアソン分布の確率分布関数は、数式3によって表される。
Figure 2006092058
次に、第2の誤差解析動作として、解析手段40では、請求項4に記載するように予報誤差の分布を予報誤差の範囲及び誤差発生確率を用いて表現する。
すなわち、数式1にて表した予報誤差Errのとりうる値を、e(i)(i=1〜n)で表されるn個の範囲に分割する。そして、予報誤差Errがそれぞれの範囲に含まれる確率、つまりe(i)<Err≦e(i+1)となる確率を求めてp(i)とする。
降雨予報誤差解析結果表示手段50は、上述した第1の誤差解析処理または第2の誤差解析処理による解析結果(予報雨量、予報誤差分布、予報誤差の範囲、標準偏差などの統計指標)のほか、後述する予報雨量修正手段60により得た修正予報雨量等をディスプレイ装置に表示するものである。
予報雨量修正手段60は、例えば、前記確率分布関数に従って発生させた予報誤差の乱数、あるいは、予報誤差の平均値を気象事業者等から発表された予報雨量から減算する等の方法により、上流域における元の予報雨量を修正する手段であり、降雨予報誤差解析手段40と同様に演算処理装置によって構成されている。
この修正手段60による修正動作は、図2におけるステップS3に相当する。
流量予測手段70は、予報雨量修正手段60から出力される修正予報雨量を用いて、被予測地点であるダム等の貯水施設や河川の流量予測を行う手段であり、例えば、請求項2に記載するように、入出力因数間に非線形性を有する場合のモデル化能力に優れたニューラルネットワークによって構成されている。この流量予測手段70による予測動作は、図2におけるステップS4に相当する。なお、ニューラルネットワークの構成及び動作については本発明の要旨ではないため、説明を省略する。
以下、前記予報雨量修正手段60による予報雨量の修正動作と共に、流量予測手段70による予測動作について説明する。
まず、第1の予測処理としては、請求項5に記載するように、降雨予報誤差解析手段40の第1の誤差解析処理により得た確率分布関数f(Err)を用いて乱数を発生させ、この乱数に基づいてモンテカルロシミュレーションを行うことにより、流量予測を行う。
モンテカルロシミュレーションとは、乱数を用いて何度もシミュレーションを繰り返し、その結果得られる測定値の平均等によって真の値を推定するものであり、解析的に解を求めることが難しい問題には非常に有効な手段である。
以下、具体的な流量予測の手順を述べる。
(1)第1の誤差解析処理により得た確率分布関数f(Err)に従って、乱数Errを発生させる。
(2)ある時点の上流域の予報雨量(実況雨量・予報雨量受信手段10により受信した気象事業者等による発表データ)をRとすると、予報雨量修正手段60は、上記乱数Errを用いて予報雨量Rを修正してなる修正予報雨量R’を、以下の数式4により計算する。
[数4]
’=R−Err
(3)流量予測手段70は、予測に用いる予報雨量としてRの代わりに上記R’を用い、更に、目的とする被予測地点(貯水施設や河川)の現在流量、現在の上流域の実況雨量を用いて、被予測地点の流量予測を行う。
(4)上記(1)〜(3)の処理を予め設定した回数(m回)だけ繰り返してm個の予測流量を得る。
(5)m個の予測流量が得られたら、これらのm個のデータから最終的な予測値を決定する。最終的な予測値の決定方法は、以下の通りである。
a.モード(最頻値)
b.メジアン(中央値)
c.平均値
次に、第2の予測処理として、請求項6に記載するように、降雨予報誤差解析手段40の第2の誤差解析処理により得た離散的な予報誤差及び誤差発生確率に従って予報誤差の発生シナリオを作成し、これを用いて、流量予測を前述の範囲分割数であるn回実行する。
以下、具体的な流量予測の手順を述べる。
(1)予報誤差が含まれる範囲の誤差の代表値を決定する。ここでは、範囲iの誤差の代表値を、予報誤差の平均値Erravg(i)とする。なお、i=1〜nである。
(2)ある時点の上流域の予報雨量(実況雨量・予報雨量受信手段10により受信した気象事業者等による発表データ)をRとすると、予報雨量修正手段60は、予報雨量を修正した修正予報雨量R’(i)を数式5により計算する。なお、範囲数がnの場合にはn個のR’(i)を算出することにより、n個の発生シナリオを作成する。
[数5]
’(i)=R−Erravg(i)
(3)流量予測手段70は、予測に用いる上流域の予報雨量データとしてRの代わりにR’(i)を用い、更に、目的とする被予測地点(貯水施設や河川)の現在流量、現在の上流域の実況雨量を用いて、被予測地点の流量予測を行う。この予測演算は、予報誤差の範囲の数、つまり発生シナリオの数であるn回、実行する。
(4)n回の計算が終了してn個の予測流量が得られたら、これらの結果から最終的な予測値を決定する。
予報誤差の範囲iに対応する予測流量をQ(i)とすると、この予測流量Q(i)と誤差発生確率p(i)とを用い、数式6により予測流量の期待値を計算して最終的な予測流量とする。
[数6]
予測流量=Σ(p(i)・Q(i))
予測流量表示手段80は、流量予測手段70によって得られた予測結果(修正予報雨量を用いて予測した予測流量、予測流量の確率分布、範囲、標準偏差などの統計指標を含む。なお、修正前の予報雨量を用いて予測した予測流量を含めても良い。)を表示するものであり、前記降雨予報誤差解析結果表示手段50と同一のディスプレイ装置を使用することができる。予測流量表示手段80による予測結果の表示動作は、図2におけるステップS5に相当する。
降雨予報誤差解析結果表示手段50及び予測流量表示手段80による表示データは、必要に応じて外部へ伝送したり、プリンタ装置により印字したり、データベースとして保存しても良い。
なお、図3は、図1,図2に示した本実施形態の構成及び動作の主要部を概念的に示したものであり、その内容については重複を避けるために説明を省略する。
次に、本発明の実施例(実施例1,2)を説明する。まず、実施例1,2に共通する事項について説明する。
両実施例では、流量予測手段70としてニューラルネットワークを用い、以下の因子を入出力因子として、2時間先の流量予測を行う場合につき説明する。
・入力因子:現時点の被予測地点(ダム等の貯水施設や河川)の流量,上流域における現時点の実況雨量,1時間先の予報雨量
・出力因子:2時間先の被予測地点の流量
入力因子のうち、上流域における現時点の実況雨量,1時間先の予報雨量は、気象事業者等による発表データを使用する。これらの雨量は、図1に示した実況雨量・予報雨量受信手段10により受信され、各データベース20,30に保存される。降雨予報誤差解析手段40は、予報誤差の発生傾向が似通っていると思われる期間の予報雨量を用いて予報誤差を解析する(なお、ここでいう期間については、相関分析や、クラスタリング、その他の方法で自動的に決定しても良い)。
降雨予報誤差解析手段40では、上記期間(例えば、7月の流量を予測する場合には、去年の7月)における、予報雨量データベース30に蓄積された予報雨量と、実況雨量データベース20に蓄積された実況雨量とを用いて予報誤差を解析する。
この実施例は、請求項1〜3,5の発明に相当する。
降雨予報誤差解析手段40において、去年の7月分の予報誤差を確率分布関数によりフィッティングする。例えば、予報誤差を平均μ[mm/h(時間)]、分散σの正規分布N(μ,σ)とすると、この正規分布の確率分布関数は前述した数式2によって表される。
予報雨量修正手段60では、数式2に従って発生させた予報誤差の乱数を、気象事業者等の発表データによる元の予報雨量から減算し、修正予報雨量を算出する。例えば、ある時点の1時間先の元の予報雨量が10[mm/h]、数式2に従って発生させた予報誤差の乱数が+2[mm/h]であったとすると、修正予報雨量は、8[mm/h]となる。
すなわち、元の予報雨量は10[mm/h]であるが、この予報雨量は誤差により2[mm/h]大きいという場合を考えているため、その分を減じた8[mm/h]を修正予報雨量とする。
流量予測手段70では、現時点の被予測地点の流量、上流域の現時点の実況雨量と、1時間先の元の予報雨量(上記の例における10[mm/h])に代わる1時間先の修正予報雨量(上記の例における8[mm/h])とを入力データとして、ニューラルネットワークにより2時間先の流量を予測する。
同時にモンテカルロシミュレーションにより、複数回、例えば1000回の乱数を発生させてその都度、修正予報雨量を算出し、これらの修正予報雨量を用いて流量予測を行う。その結果、1000個の予測流量を得ることができる。
そして、最終的な予測値は、1000個の予測流量のモード(最頻値),メジアン(中央値),平均値等を求めて決定する。
この実施例は、請求項1,2,4,6の発明に相当する。
降雨予報誤差解析手段40において、去年の7月分の予報誤差を計算し、これらの予報誤差がいくつかの範囲に含まれる確率(発生確率)を求める。
一例を挙げると、以下の通りである。
・範囲1(−10[mm/h]≦予報誤差Err<−5[mm/h])における予報誤差の発生確率は、0.2
・範囲2(−5[mm/h]≦予報誤差Err<+5[mm/h])における予報誤差の発生確率は、0.5
・範囲3(+5[mm/h]≦予報誤差Err<+10[mm/h])における予報誤差の発生確率は、0.3
予報雨量修正手段60では、上記の各範囲1〜3に対し、予報誤差の代表値(例えば平均値)を、気象事業者等の発表データによる元の予報雨量から減算し、修正予報雨量を算出する。
上記各範囲の代表値は、範囲1が−7.5[mm/h]、範囲2が0[mm/h]、範囲3が+7.5[mm/h]となる。
ここで、ある時点の1時間先の元の予報雨量が10[mm/h]とすると、修正予報雨量は、範囲1では17.5[mm/h]、範囲2では10[mm/h]、範囲3では2.5[mm/h]となる。
流量予測手段70では、現時点の被予測地点の流量と、上流域の現時点の実況雨量と、1時間先の元の予報雨量(上記の例における10[mm/h])に代わる各範囲1〜3の1時間先の修正予報雨量とを入力データとして、ニューラルネットワークにより2時間先の流量を予測する。
この予測演算を各範囲1〜3について行うことにより、以下のように3個の予測流量が得られたとする。
・範囲1:50[m/s]
・範囲2:30[m/s]
・範囲3:20[m/s]
被予測地点の最終的な予測流量は、前述した数式6に基づき、各範囲の誤差発生確率と各範囲に対応した予測流量とを用いた期待値により計算する。この例における最終的な予測流量は、
0.2×50+0.5×30+0.3×20=31
となり、31[m/s]が最終的な予測流量として得られるものである。
本発明にかかる流量予測装置の実施形態の概要を示す構成図である。 実施形態による一連の流量予測手順を示すフローチャートである。 本実施形態の構成及び動作の主要部を概念的に示した説明図である。
符号の説明
10:実況雨量・予報雨量受信手段
20:実況雨量データベース
30:予報雨量データベース
40:降雨予報誤差解析手段
50:降雨予報誤差解析結果表示手段
60:予報雨量修正手段
70:流量予測手段
80:予測流量表示手段

Claims (7)

  1. 被予測地点としての貯水施設または河川の将来の流量を、被予測地点の現在流量、上流域の現在の実況雨量及び予報雨量を用いて予測する流量予測装置において、
    上流域の過去の一定期間における予報雨量と実況雨量との誤差を解析して誤差分布を求める降雨予報誤差解析手段と、
    前記誤差分布を用いて、上流域の現在の予報雨量を修正して修正予報雨量を求める予報雨量修正手段と、
    被予測地点の現在流量、上流域の現在の実況雨量及び前記修正予報雨量を用いて被予測地点の将来の流量を予測する流量予測手段と、
    を備えたことを特徴とする流量予測装置。
  2. 請求項1に記載した流量予測装置において、
    前記流量予測手段が、ニューラルネットワークを用いて流量を予測することを特徴とする流量予測装置。
  3. 請求項1または2に記載した流量予測装置において、
    前記予報誤差解析手段が、予報誤差のばらつきを確率分布関数を用いて表現することを特徴とする流量予測装置。
  4. 請求項1または2に記載した流量予測装置において、
    前記予報誤差解析手段が、予報誤差のばらつきを、予報誤差の範囲と当該範囲に予報誤差が含まれる発生確率とを用いて表現することを特徴とする流量予測装置。
  5. 請求項3に記載した流量予測装置において、
    前記予報雨量修正手段及び流量予報手段は、
    請求項3における確率分布関数により発生させた乱数を用いて複数の修正予報雨量を求め、これらの修正予報雨量を用いたモンテカルロシミュレーションの結果に基づいて最終的な予測流量を算出することを特徴とする流量予測装置。
  6. 請求項4に記載した流量予測装置において、
    前記予報雨量修正手段及び流量予報手段は、
    請求項4における予報誤差の範囲及び当該範囲に予報誤差が含まれる発生確率に基づいて前記範囲の数だけ修正予報雨量を求めることにより予報誤差の発生シナリオを作成し、これらの各シナリオについて流量予測を行うと共に、その予測結果を用いて最終的な予測流量を算出することを特徴とする流量予測装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載した流量予測装置において、
    気象事業者等から現在の上流域の実況雨量及び予報雨量を受信する受信手段と、
    前記実況雨量及び予報雨量を保存するデータベースと、
    予報誤差解析手段による解析結果及び流量予測手段予報による予測結果を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする流量予測装置。
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