JP5047260B2 - 降水量予測システム、降水量予測方法およびプログラム - Google Patents

降水量予測システム、降水量予測方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、降水量予測システム、降水量予測方法およびプログラムに関する。
ダムなどの貯水施設の運用には、河川等から貯水施設への水の流入量の影響が大きい。流入量は降水量に応じて変化するので、精度のよい降水量の予測が求められる。特許文献1には、運動学的手法によるt時間後の予測降雨量と、物理的手法によるt時間後の予測降雨量とに重み関数を加味して足し合わせることにより、降雨量の予測を行う方法が開示されている。
特開2005−351866
特許文献1に記載の方法は、3時間から10時間程度先の短期の予測精度を向上しようとするものである。しかしながら、例えば貯水施設の水位を計画するに当たっては、短期のみならず、中長期の予測精度をも向上することが望まれる。
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、中長期の降水量の予測精度を向上することのできる、降水量予測システム、降水量予測方法およびプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のうち主たる発明は、降水量の予測を行うシステムであって、過去の日付における天気を示す天気語および前記天気が発生した時間を示す時間語を含む天気概況と当該日付における降水量とを含む概況情報を取得する概況取得部と、前記概況情報に含まれる前記天気概況から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べたパターンを生成する概況パターン生成部と、前記パターンに対応付けて前記降水量を記憶する降水量記憶部と、将来の天気を示す天気語および前記将来の天気が発生する時間を示す時間語を記述した天気予報を取得する天気予報取得部と、前記天気予報から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べた前記パターンである予報パターンを生成する予報パターン生成部と、前記予報パターンに対応する前記降水量を前記降水量記憶部から読み出し、読み出した前記降水量を集計して降水量の予測値を算出する予測降水量算出部と、前記降水量の予測値を出力する予測降水量出力部と、を備えることとする。
本発明の降水量予測システムによれば、将来の天気予報に含まれる天気語および時間経過語によるパターンと同じパターンの過去の降水量の実績値を集計して降水量の予測値とすることができる。天気と降水量との相関は高いと考えられるので、本発明の降水量予測システムによれば、精度の高い降水量の予測値を求めることができる。また、過去の実績値を集計することにより予測を行うため、天気予報が可能な期間についての予測を行うことができる。天気予報は、数時間先から数日先までの短期予報、1週間程度先までの週間予報、1ヶ月程度先までの月間予報などと各種の予報が提供されており、その精度も高い。これらの予報を用いることで、幅広い期間について、精度の高い降水量の予測を行うことができる。
また、本発明の降水量予測システムでは、前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記天気語は、「大雨」「雨」「雪」「曇」「晴」であり、前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記時間語は、「時々」「一時」「後」であることとする。
また、本発明の降水量予測システムでは、前記予測降水量算出部は、前記予報パターンに対応する複数の前記降水量を前記降水量記憶部から読み出し、読み出した前記降水量を少ない順にソートし、ソートした前記降水量から所定のパーセンタイル値を前記降水量の予測値とするようにしてもよい。
また、本発明の降水量予測システムでは、前記概況パターン生成部および前記予報パターン生成部は、前記天気概況および前記天気予報から前記天気語および前記時間語以外の単語を削除した文字列を、前記天気語の直後で分割して、前記時間語および前記天気語から構成される文字列である天気チャンクを生成し、前記天気チャンクの組合せを前記パターンとして生成するようにしてもよい。
また、本発明の降水量予測システムでは、前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記天気語のそれぞれについて、前記降水量に関係する度合いが設定され、前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記時間語のそれぞれについて、前記降水量に関係する度合いが設定され、前記概況パターン生成部および前記予報パターン生成部は、前記天気チャンクのリストを生成し、前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記天気語のそれぞれについて、前記天気語を含む前記天気チャンクが前記リストに複数含まれている場合、当該複数の天気チャンクに含まれている前記時間語のうち、前記度合いが最も強いものを特定し、当該複数の天気チャンクのうち、特定した前記時間語が含まれていないものを前記リストから削除し、前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記時間語のそれぞれについて、前記時間語を含む前記天気チャンクが前記リストに複数含まれている場合、当該複数の天気チャンクに含まれている前記天気語のうち、前記度合いが最も強いものを特定し、当該複数の天気チャンクに、特定した前記天気語が含まれていないものを前記リストから削除し、前記リストをパターンとするようにしてもよい。
また、本発明の他の態様は、降水量の予測を行う方法であって、コンピュータが、過去の日付における天気の変化を記述した天気概況と当該日付における降水量とを含む概況情報を取得し、前記概況情報に含まれる前記天気概況から、天気を表す単語である天気語、および前記天気に係る時間の経過を示す時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べたパターンを生成し、前記パターンに対応付けて前記降水量をメモリに記憶し、将来の天気を記述した天気予報を取得し、前記天気予報から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べた前記パターンである予報パターンを生成し、前記予報パターンに対応する前記降水量を前記メモリから読み出し、読み出した前記降水量を集計して降水量の予測値を算出し、前記降水量の予測値を出力することとする。
また、本発明の降水量予測方法では、前記コンピュータは、前記予報パターンに対応する複数の前記降水量を前記メモリから読み出し、読み出した前記降水量を少ない順にソートし、ソートした前記降水量から所定のパーセンタイル値を前記降水量の予測値とするようにしてもよい。
また、本発明の降水量予測方法では、前記コンピュータは、前記天気概況および前記天気予報から前記天気語および前記時間語以外の単語を削除した文字列を、前記天気語の直後で分割して、前記時間語および前記天気語を含む文字列である天気チャンクを生成し、前記天気チャンクの組合せを前記パターンとして生成するようにしてもよい。
また、本発明の他の態様は、降水量の予測を行うためのプログラムであって、降水量の予測を行うためのプログラムであって、コンピュータに、過去の日付における天気の変化を記述した天気概況と当該日付における降水量とを含む概況情報を取得するステップと、前記概況情報に含まれる前記天気概況から、天気を表す単語である天気語、および前記天気に係る時間の経過を示す時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べたパターンを生成するステップと、前記パターンに対応付けて前記降水量をメモリに記憶するステップと、将来の天気を記述した天気予報を取得するステップと、前記天気予報から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べた前記パターンである予報パターンを生成するステップと、前記予報パターンに対応する前記降水量を前記メモリから読み出し、読み出した前記降水量を集計して降水量の予測値を算出するステップと、前記降水量の予測値を出力するステップと、を実行させることとする。
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄および図面により明らかにされる。
本発明によれば、中長期の降水量の予測精度を向上することができる。
本実施形態の運用支援システムの全体構成を示す図である。 降水量予測システム10のハードウェア構成を示す図である。 降水量予測システム10のソフトウェア構成を示す図である。 天気概況データベース131に記憶される天気概況情報の構成例を示す図である。 天気パターンデータベース132に記憶される天気パターン情報の構成例を示す図である。 天気パターン情報の登録処理の流れを示す図である。 天気パターン情報の登録処理に用いられるパターン表161の構成を示す図である。 天気概況情報に基づく天気パターン情報の登録処理の具体例を説明するための図である。 降水量の予測処理の流れを示す図である。 天気予報に基づく天気パターン情報の作成処理の流れを示す図である。 降水がない場合の流入量の変化を示すグラフである。 降水がある場合の流入量の変化を示すグラフである。 融雪がある場合の流入量の変化を示すグラフである。 本実施形態の流入量予測システム20のハードウェア構成を示す図である。 本実施形態の流入量予測システム20のソフトウェア構成を示す図である。 気象実績データベース233に記憶される気象実績情報の構成例を示す図である。 降雪気温推計部211による降雪気温δの推計処理の流れを示す図である。 降雪量が0より大きい気象実績情報を抽出することを説明する図である。 ある降雪気温δについて推計降雪量および誤差の2乗を計算した結果を示す図である。 流入量予測処理の流れを示す図である。 流入量分布の作成処理の流れを説明するための図である。 運用計画システム30のハードウェア構成を示す図である。 運用計画システム30のソフトウェア構成を示す図である。 諸元記憶部331に記憶される諸元情報の構成例を示す図である。 電力価格データベース333の構成例を示す図である。 最適水位データベース334の構成例を示す図である。 確率論的動的計画法により最適な水位を求める方法を説明するための図である。 確率論的動的計画法により最適な水位を求める方法において用いられる表の構成を示す図である。 確率論的動的計画法により最適な水位を求める方法を説明するための図である。 最適な水位を計画する処理の流れを示す図である。 最適水位の計画処理に用いる作業表である水位流入量別電力量表352の構成例を示す図である。 最終月についての確率論的動的計画法による水位の計画処理の流れを示す図である。 最終月以外の月についての確率論的動的計画法による水位の計画処理の流れを示す図である。 期待合計発電電力量の計算処理の流れを示す図である。 運用水位のシミュレーションに用いられる画面60の一例を示す図である。 ある貯水施設において、過去の実績水位についてシミュレーションを行った結果を示すグラフである。 放流量の実績値と、上限値ありのシミュレーションの結果における放流量の理論値と、上限値なしのシミュレーションの結果における放流量とを比較したグラフである。
==システム構成==
以下、本発明の一実施形態に係る貯水施設の運用支援システムについて説明する。本実施形態の運用支援システムは、ダムなどの貯水施設における水位を適切に運用するための支援を行う。本実施形態の運用支援システムでは、過去の気象のパターンを用いて降水量を予測し、統計モデルを用いて貯水施設に河川や降水などにより流入する水の量(以下、単に流入量という。)の確率分布を算出し、発電電力量を最大化するように、水位の計画を策定する。
図1は、本実施形態の運用支援システムの全体構成を示す図である。本実施形態の運用支援システムは、降水量予測システム10、流入量予測システム20、および運用計画システム30を含んで構成される。降水量予測システム10、流入量予測システム20および運用計画システム30は、それぞれ通信ネットワーク40に接続されており、互いに通信可能となっている。通信ネットワーク40は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)であり、イーサネット(登録商標)や公衆電話回線網、無線通信網などにより構築される。
降水量予測システム10は、降水量を予測するコンピュータである。流入量予測システム20は、貯水施設への流入量を予測するコンピュータである。本実施形態では、流入量予測システム20は、流入量および流入量の確率分布を算出する。運用計画システム30は、貯水施設における最適な水位の計画を作成する。降水量予測システム10、流入量予測システム20および運用計画システム30には、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末など各種のコンピュータを採用することができる。
==降水量予測システム10==
降水量予測システム10は、降水量を予測する。本実施形態では、降水量予測システム10は、過去の天気の概況をパターン化しておき、将来の天気予報をパターン化して、同じパターンの過去の日付の降水量のパーセンタイル値を用いて降水量の予測を行う。
図2は、降水量予測システム10のハードウェア構成を示す図である。降水量予測システム10は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105および出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のプログラムやデータを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ、CD−ROMドライブなどである。CPU101は、記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。通信インタフェース104は、通信ネットワーク40に接続するためのインタフェースである。通信インタフェース104は、例えば、イーサネット(登録商標)や公衆電話回線網、無線通信網により構築される。入力装置105は、ユーザからデータの入力を受け付ける、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
図3は、降水量予測システム10のソフトウェア構成を示す図である。降水量予測システム10は、天気概況取得部111、天気パターン登録部112、予測降水量取得要求受信部113、天気予報取得部114、降水量予測部115、予測降水量送信部116、天気概況データベース131および天気パターンデータベース132を備えている。なお、天気概況取得部111、天気パターン登録部112、予測降水量取得要求受信部113、天気予報取得部114、降水量予測部115および予測降水量送信部116は、降水量予測システム10が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現される。また、天気概況データベース131および天気パターンデータベース132は、降水量予測システムが備えるメモリ102や記憶装置103が提供する記憶領域として実現される。
天気概況データベース131は、過去の日付の天気および降水量の実績を示す情報(以下、天気概況情報という。)を記憶する。図4は、天気概況データベース131に記憶される天気概況情報の構成例を示す図である。同図に示すように、天気概況情報には、日付、1日の降水量の合計値、昼の時間帯(06:00〜18:00)における降水量の最大値、夜の時間帯(18:00〜翌日06:00)における降水量の最大値、昼の時間帯における天気を表す文字情報(以下、天気概況という。)、および夜の時間帯における天気概況が含まれている。なお、天気概況情報は、気象庁や気象会社などが一般に提供しているものである。
天気概況取得部111は、天気概況情報を取得する。天気概況取得部111は、例えば、気象庁や民間気象会社が運営するサーバにアクセスして天気概況情報を取得するようにすることができる。また、天気概況取得部111は、ユーザから天気概況情報の入力を受け付けるようにしてもよい。
天気パターンデータベース132は、日付ごとに、天気概況をパターン化した情報(以下、天気パターン情報という。)を記憶する。図5は、天気パターンデータベース132に記憶される天気パターン情報の構成例を示す図である。天気パターン情報には、日付に対応付けて、天気を示す用語(以下、天気語という。)と、その天気が発生する時間を示す用語(以下、時間語という。)との組合せ(以下、天気パターンという。)ごとのフラグ値が含まれている。本実施形態では、天気を示す用語(以下、天気語という。)は、「晴」「曇」「雪」「雨」「大雨」のいずれかであるものとし、時間語は、「時々」「一時」「後」のいずれかであるものとする。なお、時間語には、空文字(時間が指定されていないことを示す。)も含まれるものとする。すなわち、図5に示すように、本実施形態では、天気パターンは、「晴」「曇」「雪」「雨」「大雨」「時々大雨」「一時大雨」「後大雨」「時々雨」「一時雨」「後雨」「時々雪」「一時雪」「後雪」「時々曇」「一時曇」「後曇」「時々晴」「一時晴」および「後晴」である。
天気パターン登録部112は、天気概況情報に基づいて天気パターン情報を生成して天気パターンデータベース132に登録する。図6は、天気パターン情報の登録処理の流れを示す図である。図7は、天気パターン情報の登録処理に用いられる表(以下、パターン表161という。)の構成を示す図である。
図7に示すように、パターン表161は、天気を行とし、時間語を列とする表である。また、パターン表161の行列には、降水量に関する度合いの強い項目がより上および左になるように配置される。図7のパターン表161の例では、行は、「大雨」「雨」「雪」「曇」「晴」の順に配置され、列は、「一時」「時々」「後」の順に配置されている。
天気概況取得部111は、まず天気概況情報を取得する(S1511)。
天気パターン登録部112は、各セルに「0」を設定したパターン表161を生成する(S1512)。天気パターン登録部112は、天気概況情報に含まれている、昼の天気概況と、夜の天気概況とのそれぞれについて以下の処理を行う。
天気パターン登録部112は、天気概況から天気語および時間語以外の語句を削除し(S1513)、天気概況を、天気を示す用語の直後で分割し、分割した語句を天気チャンクとする(S1514)。天気パターン登録部112は、分割した各天気チャンクについて、天気チャンクに含まれている時間語および天気に対応するパターン表161の値を「1」に設定する(S1515)。
天気パターン登録部112は、以上の処理を昼の時間帯の天気概況と夜の時間帯の天気概況とのそれぞれについて行った後、パターン表161の各行について、「1」が設定されているセルのうち最も左にあるものを検索し、検索したセルよりも右にある全てのセルに「0」を設定する(S1516)。天気パターン登録部112は、パターン表161の各列について、「1」が設定されているセルのうち最も上にあるものを検索し、検索したセルよりも下にある全てのセルに「0」を設定する(S1517)。
天気パターン登録部112は、以上のようにして作成したパターン表161から、時間語と天気語との組合せと、日付とを含む天気パターン情報を作成して天気パターンデータベース132に登録する(S1518)。
図8は、天気概況情報に基づく天気パターン情報の登録処理の具体例を説明するための図である。図8の例では、天気概況情報に含まれる昼の時間帯についての天気概況1711が「曇一時雨後晴」であり、夜の時間帯についての天気概況1712が「晴後一時曇」である。
天気パターン登録部112は、昼の天気概況1711について、天気語の直後、すなわち「曇」「雨」および「晴」の後ろで分割して、「曇」「一時雨」および「後晴」の天気チャンクを作成する(S1514)。
次に、天気パターン登録部112は、各天気チャンクに含まれる天気語および時間語に対応するセル、すなわち、「曇」および空文字に対応するセル1721、「雨」および「一時」に対応するセル1722、並びに、「晴」および「後」に対応するセル1723に「1」を設定する(S1515)。
天気パターン登録部112は、夜の時間帯についての天気概況1712についても同様に、「晴」および「後一時曇」の天気チャンクに分割して(S1514)、「晴」および空文字に対応するセル1731、並びに、「曇」と「一時」および「後」のそれぞれとに対応するセル1732およびセル1733に「1」を設定する(S1515)。
天気パターン登録部112は、パターン表161の各行の最も左の「1」のみを残してその他のセルに「0」を設定する(S1516)。行174では、「1」が設定されているセルのうち最も左にあるセル1741を残して、その他のセル1742および1743には「0」が設定されることになる。
天気パターン登録部112は、パターン表161の各列の最も上の「1」のみを残してその他のセルに「0」を設定する(S1517)。列175では、「1」が設定されているセルのうち最も上にあるセル1751を残し、その他のセル1752には「0」が設定される。
上記の処理が行われると、図8においてパターン表161は、「曇」および空白に対応するセル1751および「雨」および「一時」に対応するセル1753のみに「1」が設定された状態となる。そして、パターン表161に基づき、「曇」および「一時雨」のみに「1」が設定された天気パターン情報177が生成されて天気パターンデータベース132に登録される。
予測降水量取得要求受信部113は、通信ネットワーク40に接続される他のコンピュータから、降水量の予測値(以下、予測降水量ともいう。)を取得するためのコマンド(以下、予測降水量取得要求という。)を受信する。予測降水量取得要求には、パーセンタイルの設定値(以下、パーセンタイル設定値という。)が設定される。パーセンタイル設定値としては、例えば、5%や10%など、任意の数値(0<パーセンタイル設定値<1)を設定することができる。
天気予報取得部114は、天気予報が記載された情報(以下、天気予報情報という。)を取得する。天気予報取得部114は、例えば、気象庁や気象会社などから天気予報情報を取得するようにしてもよいし、ユーザから天気予報情報の入力を受け付けるようにしてもよい。天気予報情報は、日付と、その日付における天気予報とが含まれている。天気予報情報は、天気概況情報とは異なり1日単位で天気が記述されている。一方、天気予報情報は、天気概況と同様に、天気と、必要に応じて時間語とが記述されている。
降水量予測部115は、予測降水量を算出し、予測降水量送信部116は、降水量予測部115が算出した予測降水量を、予測降水量取得要求の送信元に対して送信する。降水量予測部115は、天気予報取得部114が取得した天気予報をパターン化し、同じパターンの過去の日の降水量を取得してソートし、パーセンタイル設定値に基づくパーセンタイル値を取得して予測降水量とする。図9は降水量の予測処理の流れを示す図である。
天気予報取得部114が天気予報情報を取得すると(S1531)、降水量予測部115は、天気予報情報に含まれる天気予報をパターン化した情報(以下、予報天気パターン情報という。)を作成する(S1532)。図10は、天気予報に基づく天気パターン情報の作成処理の流れを示す図である。
降水量予測部115は、図7のパターン表161を作成して全てのセルに「0」を設定する(S1551)。降水量予測部115は、天気予報から、天気語および時間語を除く語句を削除し(S1552)、天気予報を各天気語の直後で分割して、分割した文字列を天気チャンクとする(S1553)。
降水量予測部115は、各天気チャンクについて、天気チャンクに含まれている時間語と天気語とに対応するパターン表161のセルに「1」を設定する(S1554)。降水量予測部115は、パターン表161の各行について、「1」が設定されているセルのうち最も左にあるものを選択し、選択したセルよりも右にある全てのセルに「0」を設定する(S1555)。また、降水量予測部115は、パターン表161の各列について、「1」が設定されているセルのうち最も上にあるものを選択し、選択したセルよりも下にある全てのセルに「0」を設定する(S1556)。
降水量予測部115は、パターン表161から、時間指定語と天気語との各組合せについて、組合せに対応するセルの値を抽出し、抽出した値とを設定した予報天気パターン情報を作成する(S1557)。
図9に戻り、降水量予測部115は、作成した予報天気パターン情報にマッチする日付のうち、天気予報情報に含まれている日付と同じ月であるものを天気パターンデータベース132から検索し(S1533)、検索した日付に対応する降水量を天気概況データベース131から取得する(S1534)。降水量予測部115は、取得した降水量の少ない順にソートし(S1535)、取得した降水量の数に、予測降水量取得要求に含まれるパーセンタイル設定値を乗じた値(を整数値に変換したもの)をnとする(S1536)。降水量予測部115は、ソートした降水量の先頭からn番目の降水量を予測降水量とする(S1537)。
以上のようにして、本実施形態の降水量予測システム10によれば、過去の天気概況をパターン化して降水量と対応付けて記憶しておき、将来の天気予報をパターン化し、同じパターンの過去の降水量を、将来の予測値として用いることができる。天気と降水量とは相関することが知られており、精度の高い降水量の予測を行うことができる。また、本実施形態の降水量予測システム10によれば、天気概況に含まれる文字列をパターン化して記憶することができるので、天気予報と同じ天気であった過去の日の降水量を容易に抽出することができる。
なお、本実施形態の降水量予測システム10では、予報天気パターン情報にマッチする日付のうち、天気予報情報に含まれている日付と同じ月であるものを検索するものとしたが、天気パターン情報に、その予報対象の地域において台風が発生しているか否かを示す台風情報や、梅雨入りしているか否かを示す梅雨入り情報を含ませるようにして、予報天気パターン情報にマッチし、かつ、台風情報または梅雨入り情報が一致する日付のうち、予報日と同じ月のものを検索するようにしてもよい。台風が発生している場合と、していない場合、梅雨入りしている場合と、していない場合では、降水量のパターンは異なる。したがって、台風情報や梅雨入り情報が一致している天気パターン情報にのみマッチする日の降水量の実績値を降水量の予測値に用いることで、同じような降水量のパターンになると期待される実績値に基づいて降水量の予測を行うことが可能になる。よって、より精度の高い降水量の予測を行うことができる。
==流入量予測システム20==
次に、流入量予測システム20について説明する。流入量予測システム20は、貯水施設への流入量を予測する。本実施形態では、流入量予測システム20は、過去の気温、降水量、降雪量、積雪量、融雪量、流入量を、後述する統計モデルを用いて回帰分析することにより回帰係数を推計し、気温および降水量の予測値(例えば、気象予報による予報値を採用することができる。)と、推計した回帰係数とを統計モデルに適用して流入量を予測する。なお、流入量の予測は所定の第1単位期間(本実施形態では、一日とする。)単位で行い、流入量の確率分布は、第1単位期間よりも長い第2単位期間(本実施形態では、一ヶ月とする。)単位で行うものとする。
図11〜13は、流入量の変化を示すグラフである。降水や融雪などがない場合にも、例えば山林などからの滲出によって、所定の流入量は存在する。したがって、降水や融雪がないと、流入量は所定の均衡値(以下、均衡流入量という。)に逓減していく(図11)。これに対し、降水があると、それに応じて流水量は一時的に増加するが、降水が止むとともに、再度均衡流入量に向けて逓減を始める(図12)。一方、気温が上昇すると融雪が発生し、それに応じて流水量も増加するが、融雪は降水に比べて流入量に与える影響の変化が緩やかである(図13)。これは、例えば冬季から春季に向けての時期などにおいて、平均気温が上昇している場合に、継続的に融雪が発生するような場合である。
そこで、本実施形態では、降水量、融雪量および均衡流入量に着目し、流入量を算出する回帰モデルを用いて流入量を予測する。本実施形態の流入量予測システム20は、過去の気温や降水量などの気象データの実績値と後述する回帰モデルとに基づいてパラメタを推計し、推計したパラメタと、例えば気象予報などにより求められる気温の予測値(以下、予測気温という。)と、降水量予測システムが求めた予測降水量とを回帰モデルに適用して流入量の予測値を算出する。以下、詳細について説明する。
図14は、本実施形態の流入量予測システム20のハードウェア構成を示す図である。流入量予測システム20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205および出力装置206を備える。記憶装置204は、各種のプログラムやデータを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ、CD−ROMドライブなどである。CPU201は、記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。通信インタフェース204は、通信インタフェース204は、通信ネットワーク40に接続するためのアダプタである。通信インタフェース204は、例えば、イーサネット(登録商標)や公衆電話回線網、無線通信網により構築される。入力装置205は、ユーザからデータの入力を受け付ける、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
図15は、本実施形態の流入量予測システム20のソフトウェア構成を示す図である。本実施形態の流入量予測システム20は、降雪気温推計部211、融雪量モデル推計部212、流入量モデル推計部213、予測気温取得部214、予測降水量取得部215、予測流入量取得要求受信部216、流入量予測部217、予測流入量送信部218、流入量分布取得要求受信部219、流入量発生確率モデル推計部220、流入量分布生成部221、流入量分布送信部222、モデル記憶部231、パラメタ記憶部232、および気象実績データベース233を備えている。
なお、降雪気温推計部211、融雪量モデル推計部212、流入量モデル推計部213、予測気温取得部214、予測降水量取得部215、予測流入量取得要求受信部216、流入量予測部217、予測流入量送信部218、流入量分布取得要求受信部219、流入量発生確率モデル推計部220、流入量分布生成部221、流入量分布送信部222は、流入量予測システム20のCPU11が、記憶装置13に記憶されているプログラムをメモリ12に読み出して実行することにより実現される。また、モデル記憶部231、パラメータ記憶部232、気象実績データベース233は、流入量予測システム20のメモリ202や記憶装置203が提供する記憶領域として実現される。
気象実績データベース233には、気象の各種実績値を含む情報(以下、気象実績情報という。)の履歴が記憶される。図16は、気象実績データベース233に記憶される気象実績情報の構成例を示す図である。同図に示すように、気象実績情報には、日付に対応付けて、気温、降水量、降雪量、積雪量、融雪量、流入量が含まれている。気温は、一日の平均気温である。降水量、降雪量、融雪量は一日の降水量、降雪量、融雪量の累積値である。積雪量は、その日に観測された積雪量である。流入量は、一日にダムなどの貯水施設に流入した水量の累計値である。気温、降水量、降雪量および積雪量は、例えば、気象庁や民間気象会社などが提供するデータである。流入量は、貯水施設において測定した測定値である。流入量は、例えば、河川を管理する自治体などが提供する河川の流量の測定値としてもよい。融雪量は、気象庁や民間気象会社、測量会社などが測定したものであってもよいし、後述するモデルにより計算した値を実績値として記録するようにしてもよい。
モデル記憶部231には、気象実績情報に基づく各種の統計モデルが記憶され、パラメタ記憶部232には、モデル記憶部231に記憶されているモデルに適用される回帰係数や定数などのパラメタが記憶される。モデル記憶部231には、降水量の統計モデル(以下、降水量モデルA1という。)、降雪量の統計モデル(以下、降雪量モデルA2という。)、積雪量の統計モデル(以下、積雪量モデルA3という。)、融雪量の統計モデル(以下、融雪量モデルA4という。)、前日からの流入量の増加量に係る統計モデル(以下、流入量モデルA5という。)、および流入量の発生確率に係る統計モデル(以下、流入量確率モデルA6という。)が記憶される。パラメタ記憶部132には、降雨が降雪に変わる気温(以下、降雪気温という。)δ、日単位の均衡流入量μ、月単位の均衡流入量μ、融雪が始まる気温μ、回帰係数α〜α、β、βがパラメタ記憶部32に記憶される。なお、日単位の均衡流入量μ、および融雪が始まる気温μについては、所定の定数として、予めパラメタ記憶部132に記憶されているものとする。
なお以下の説明において、日付tにおける気温、降水量、降雪量、積雪量、融雪量および流入量をそれぞれ、T、P、S、D、MおよびFとする。前日からの流入量の増加量をΔFtとする。気温Ttがδより高い場合の降水量をP1、気温Tがδ以下である場合の降水量をP2とする。また、m月における流入量をFとし、m月についての過去の流入量の平均をIとする。FをIで割ることによって規格化した流入量をF とし、流入量の増加量を規格化したものをΔF とする。
降水量モデルA1は、降水量Pが、降雪気温δを境に、P1またはP2となることを示すモデルであり、次式で表される。
Figure 0005047260
降雪量モデルA2は、気温Tがδ以下である場合の降水量P2tを説明変数とし、降雪量Stを目的変数とした回帰モデルであり、次式で表される。
Figure 0005047260
積雪量モデルA3は、積雪量Dが、前日までの積雪量Dt−1に当日の降雪量Sを加え、そこから融雪量Mを引いたものに一致するという関係を示すモデルであり、次式で表される。
Figure 0005047260
融雪量モデルA4は、気温Tから融雪が始まる気温μを減じた値に積雪量Dを乗じた値と、P1とを説明変数とし、融雪量Mを目的変数とした回帰モデルであり、次式で表される。
Figure 0005047260
融雪量モデルA4において、気温Tがμよりも低ければ第1項は0になり、前日までの積雪量Dt−1が0であれば融雪量Mは0になる。
流入量モデルA5は、均衡流入量μから前日の流入量Ft−1を減じた値と、当日の気温Tがδより高い場合の降水量P1と、当日の融雪量Mとを説明変数とし、流入量の増加量ΔFを目的変数とした回帰モデルであり、次式で表される。
Figure 0005047260
流入量確率モデルA6は、月単位の均衡流入量μと、均衡流入量μから前月の正規化流入量Fm−1 を減じたものと、残差項となるuとを説明変数とし、規格化流入量の増加量ΔF を目的変数としたモデルであり、次式で表される。
Figure 0005047260
降雪気温推計部211は、降水量モデルA1および気象実績情報に基づいて降雪気温δを推計し、推計した降雪気温δをパラメタ記憶部232に登録する。なお、降雪気温推計部211によるδの推計処理の詳細については後述する。
また、降雪気温推計部211は、各日付tについて、日付tに対応する気象実績情報を気象実績データベース233から読み出し、読み出した気象実績情報の降水量および気温と、上記推計した降雪気温δを前記降水量モデル1に適用してP2を算出する。降雪気温推計部211は、気象実績情報、P2、および降雪量モデルA2に基づいて回帰分析を行い、回帰変数γを推計する。降雪気温推計部211は、推計した回帰変数γをパラメタ記憶部32に登録する。
融雪量モデル推計部212は、積雪量モデルA3を融雪量モデルA4に代入した式
Figure 0005047260
を回帰分析して、回帰係数α、αおよびμを推計する。融雪量モデル推計部212は、推計した回帰係数α、αおよびμをパラメタ記憶部232に登録する。
流入量モデル推計部213は、流入量モデルA5および気象実績情報に基づいて回帰係数α、β、およびβを推計する。具体的には、流入量モデル推計部213は、各日付tについて、降水量モデル1、δおよび日付tに対応する気象実績情報の降水量に基づいてP1を算出し、各日付tの気象実績情報と、対応するP1を用いて、流入量モデルA5を回帰分析し、回帰係数α、β、βおよびμを推計する。気象実績情報に融雪量がない場合は,日付t−1の積雪量と日付tのその他の気象情報を用いて,融雪量モデルA4を用いて算出したMを用いて,流入量モデルA5を回帰分析し、回帰係数α、β、βおよびμを推計することもできる。流入量モデル推計部23は、推計した回帰係数α、β、βおよびμをパラメタ記憶部232に登録する。
予測気温取得部214は、気温の予測値(以下、予測気温という。)を取得する。予測気温取得部214は、例えば、ユーザから予測気温の入力を受け付けてもよいし、気象庁や民間気象会社のコンピュータにアクセスして予測気温を取得するようにしてもよい。また、予測気温取得部214は、気象実績情報に基づいて気温の予測を行うようにしてもよい。この場合、例えば、一般的な気温の予測に用いられる統計モデルをモデル記憶部31に記憶しておき、予測気温取得部214がその統計モデルと気象実績情報とに基づいて回帰分析を行ってパラメタを推計し、推計したパラメタと気象実績情報とを統計モデルに適用して予測気温を算出することができる。
予測降水量取得部215は、予測降水量を取得する。本実施形態では、予測降水量取得部215は、降水量予測システム10に対して、予測降水量取得要求を送信し、予測降水量取得要求に応じて降水量予測システム10から応答される予測降水量を受信することにより、予測降水量を取得するものとする。予測降水量取得部215は、所定のパーセンタイル設定値(例えば、10%や90%など)を設定した予測降水量取得要求を降水量予測システムに送信する。なお、予測降水量取得部215は、例えば、ユーザから予測降水量の入力を受け付けてもよいし、気象庁や民間気象会社のコンピュータにアクセスして予測降水量を取得するようにしてもよい。また、予測降水量取得部215は、予測気温取得部214と同様に、気象実績情報に基づいて降水量の予測を行うようにしてもよい。
予測流入力取得要求受信部216は、通信ネットワーク40に接続された他のコンピュータから、流入量の予測値(以下、予測流入量という。)を取得するためのコマンド(以下、予測流入量取得要求という。)を受信する。
流入量予測部217は、予測気温取得部214が取得した予測気温、予測降水量取得部215が取得した予測降水量、降雪気温推計部211が推計したパラメタ、気象実績情報、および流入量モデルA5を用いて、予測流入量を算出する。なお、予測流入量の算出処理の詳細については後述する。
予測流入量送信部218は、流入量予測部217が算出した予測流入量を、予測流入量取得要求の送信元に対して送信する。
流入量分布取得要求受信部219は、通信ネットワーク40に接続された他のコンピュータから、流入量の発生確率分布を取得するためのコマンド(以下、流入量分布取得要求という。)を受信する。
流入量確率モデル推計部219は、流入量確率モデルA6を回帰分析して、パラメタαおよびμを推計する。なお、流入量確率モデル推計部219は、推計したパラメタαおよびμは、パラメタ記憶部232に登録しておくようにしてもよいが、本実施形態では、流入量分布取得要求の受信に応じて流入量確率モデルA6のパラメタの推計を行うものとする。
流入量分布生成部221は、流入量の発生確率分布(以下、流入量分布という。)を生成する。本実施形態では、流入量分布は、前期の流入量の発生を条件とした、条件付確率Pr(F|Fm−1)の分布であるものとし、条件付確率で発生する流入量は月単位での流入量の平均値であるものとする。なお、流入量分布の生成処理の詳細については後述する。
流入量分布送信部222は、流入量分布生成部221が生成した流入量の分布を送信する。
以下、本実施形態の流入量予測システムにおける処理の詳細について説明する。
==降雪気温δの推計処理==
まず、降雪気温推計部211による降雪気温δの推計処理について説明する。図17は、降雪気温推計部211による降雪気温δの推計処理の流れを示す図である。
まず、降雪気温推計部211は、気象実績データベース233から降雪量が0より大きい気象実績情報を取得する(S2501)。これにより、図18に示すように、気象実績データベース233に記憶されている気象実績情報のうち、降雪量が0より大きいもののみが抽出される。
次に、降雪気温推計部211は、抽出した気象実績情報に基づき、モデル
降雪量=a×気温+b×降水量
を回帰分析して、回帰係数aおよびbを推計する(S2502)。
降雪気温推計部211は、気温がδ以下の場合には「a×気象実績情報の気温+b×気象実績情報の降水量」、気温がδより高い場合には「0」を推計降雪量として、推計降雪量と気象実績情報の降雪量との差を2乗した値が最小になるδを算出する(S2503)。
降雪気温推計部211は、例えば、所定範囲の気温を所定ステップごとに増加させたδについて、図19に示すように、各気象実績情報について、気温がδより高ければ、上記回帰係数aを気温に乗じた値と、上記か域係数bを降水量に乗じた値とを合計して推計降雪量として算出し、推計降雪量と気象実績情報の降雪量との差を2乗した値を誤差の2乗として算出していき、誤差の2乗が最も小さくなったものをδとして決定することができる。なお、上記誤差の2乗が最も小さくなるように上記δを決定する処理については、一般的な統計手法を利用することが可能である。
降雪気温推計部211は、上記のようにして決定したδを、パラメタ記憶部32に登録する(S2504)。
以上のようにして融雪気温δが決定される。
==流入量の予測処理==
次に、流入量の予測について説明する。図20は、本実施形態の流入量予測システム20における流入量予測処理の流れを示す図である。なお、図20の処理では、日付tが予測対象となる日付であるものとしている。
予測気温取得部214は、予測気温Tを取得する(S2521)。上述したように、予測気温取得部214は、例えば、ユーザからデータの入力を受け付けたり、気象庁や民間気象会社のコンピュータにアクセスしてデータを取得することにより、Tを取得することができる。予測降水量取得部215は、予測降水量Pを取得する(S2522)。上述したように、予測降水量取得部215は、所定のパーセンタイル設定値を設定した予測降水量取得要求を降水量予測システム10に送信し、降水量予測システム10から応答される予測降水量を受信することにより予測降水量を取得する。
流入量予測部217は、パラメタ記憶部132からδを読み出し(S2523)、降水量モデル1にδ、TおよびPを適用してP1を算出する(S2524)。すなわち、予測気温Tがδより大きければP1=Pとなり、Tがδ以下であればP1=0となる。
流入量予測部217は、パラメタ記憶部32から、α〜α、β、β、μ、μを読み出す(S2525)。流入量予測部217は、気象実績データベース233から、前日t−1に対応する気象実績情報を読み出し、読み出した気象実績情報の積雪量をDt−1とし(S2526)、読み出した気象実績情報の流入量をFt−1とする(S2527)。
流入量予測部217は、融雪量モデルA4に、α、T、μ、Dt−1、α、P1を代入して、融雪量の予測値Mを算出し(S2528)、流入量モデルA5に、α、μ、Ft−1、β、P1、β、Mを代入して流入増加量の予測値ΔFを算出する(S2529)。流入量予測部217は、Ft−1にΔFを加算して、予測流入量Fを算出する(S2530)。
以上のようにして、本実施形態の流入量予測システム20によれば、予測気温および予測降水量と、気象実績情報とに基づいて、降水量および融雪量を考慮した流入量の予測を行うことができる。降水がなかい場合にも融雪により流入量は増加するため、融雪量を考慮して流入量の予測を行うことで、予測の精度を向上することができる。
また、本実施形態の流入量予測システム20によれば、融雪量は、降水量および気温から算出することができる。降水量および気温の予測は、気象予報の手法として様々な手法が存在し、容易に入手可能である。したがって、融雪量の予測が困難である場合でも、容易に取得可能な降水量や気温の予測値に基づいて融雪量の予測を行うことで、融雪量を考慮した流入量の予測を容易に実現することができる。
また、上記流入量モデルA5では、第1項を均衡流入量と流入量との差であるものとして、均衡流入量を考慮に入れているので、単に流入量を説明変数とする場合に比べ、より精度の高い流入量予測を行うことができる。
なお、本実施形態の流入量予測システムでは、ダムなどの貯水施設に河川から流入する水量についての予測を行うものとしたが、河川を流れる水量の予測を行うシステムにも容易に適用することができる。この場合、河川の上流域における気温や降水量の予報値および実績値などを取得および記録するものとする。
また、本実施形態では、均衡流入量μおよび融雪が始まる気温μについては、予めパラメタ記憶部32に記憶されているものとしたが、これに限らず、過去の気象実績情報に基づいて当てはまりのよい値を推計するようにしてもよい。
また、貯水施設が降雪や積雪の少ない地域に存在する場合などには、流入量モデルA5は融雪量Mを考慮しないようにしてもよい。この場合流入量モデルA5は、次式で表される。
Figure 0005047260
また、本実施形態の各回帰モデルについて、誤差項に系列相関があるような場合には、降雪気温推計部211がPrais-Winstein変換やコクラン・オーカット法によりパラメータを推計するようにしてもよい。この場合、例えば、コクランオーカット法により流入量モデルA5のパラメータを推計する場合、残差をεとし、説明変数Xt*=X−ρXt−1として(すなわち、Ft*=F−ρFt−1、P1t*=P1−ρP1t−1、Mt*=M−ρMt−1などとして)、流入量モデルA5を式のようにすることができる。
Figure 0005047260
上記式(A5”)を変形すると次式となる。
Figure 0005047260
上記のようにして、残差εに系列相関がなくなるn期前まで遡って式変形を行った流入量モデルA5を求めることができる、その他のモデルについても同様に、誤差項に系列相関がなくなるようにパラメータを推計することができる。上記のようにして残差εの系列相関がなくなるn期遅れのモデルをモデル記憶部131に記憶しておき、n期遅れのモデルを用いて流入量を予測することにより、残差項に系列相関がある場合にも、適切なパラメータの推計を行うことが可能となり、適切なパラメータを用いて精度よく流入量を予測することができる。
==流入量分布の作成処理==
次に、流入量分布の作成処理について説明する。流入量分布は、前月の流入量を条件とした条件付確率の分布である。本実施形態では、流入量Fは、流入量Fは、所定の最小値(以下、最小流入量といい、Fminと表記する。)から最大値(以下、最大流入量といい、Fmaxと表記する。)までの間を、単位量(例えば、1立法メートルや、10立方メートル、1000立方メートルなどである。以下、単位流入量という。)ずつ増減する離散値であるものとし、流入量分布は、最小流入量Fminから最大流入量Fmaxまで単位流入量ごとの流入量に対応付けて、確率が記述された表であるものとする。
条件付確率Pr(F|Fm−1)に、流入量確率モデルA6を適用すると次式のように変形できる。
Figure 0005047260
ここで、残差uには系列相関がないことから、A6’は、さらに次式のように変形できる。
Figure 0005047260
すなわち、条件付確率Pr(F|Fm−1)は、前期(m−1月)の流入量に応じて変化するドリフト項α(μ−Fm−1 )Iと、残差項uとから構成されることになる。
なお、本実施形態において条件付確率は、前月の流入量を条件とするが、前月および前々月の流入量を条件とした条件付確率、すなわち、Pr(F|Fm−1,Fm−2)としてもよい。
図21は、流入量分布の作成処理の流れを説明するための図である。
流入量確率モデル推計部219は、各月(1月〜12月)をmとして、以下の処理を行う。
流入量確率モデル推計部219は、気象実績データベース233から、全ての年のm月の日付に対応する流入量を平均してIを算出し(S2541)、全ての年のm−1月の日付に対応する流入量を平均してIm−1を算出する(S2542)。
流入量確率モデル推計部219は、気象実績データベース233に記憶されている気象実績情報の日付が属する年のそれぞれについて、当該年のm月の日付に対応する日付の流入量を平均してFを算出し(S2543)、FをIで割ることで規格化して、F を算出する(S2544)。また、流入量確率モデル推計部219は、気象実績データベース233から、当該年のm−1月の日付に対応する流入量を平均してFm−1を算出し(S2545)、Fm−1をIm−1で割ることで規格化して、Fm−1 を算出する(S2546)。
流入量確率モデル推計部219は、以上の処理を各年について行った後、流入量確率モデルA6”を回帰分析してαおよびμを推計し(S2547)、流入量確率モデル推計部219は、ドリフト項α(μ−Fm−1 )Iを計算し(S2548)する。
また、流入量確率モデル推計部219は、流入量確率モデルA6”の残差uを次式により計算する(S2549)。
Figure 0005047260
流入量確率モデル推計部219は、残差項uを算出する(S2550)。
流入量確率モデル推計部219は、以上の処理を各月について繰り返して、各月についてのドリフト項および残差項を算出した後、ドリフト項ドリフト項α(μ−Fm−1 )Iの頻度分布を生成し(S2551)、残差項uの頻度分布を生成し(S2552)、これらを足し合わせて流入量Fの頻度分布を作成する(S2553)。流入量確率モデル推計部219は、流入量Fの頻度分布に基づいて、流入量の条件付発生確率Pr(F|Fm−1)を算出し(S2554)、算出した発生確率を記述した流入量分布を作成する。なお、流入分布は、確率分布の計算式として記述するようにしてもよい。
==運用計画システム30==
運用計画システム30は、長期の運用計画の対象となる期間(以下、長期運用期間という。本実施形態では1年とする。)における発電電力量が最大となるように、中期の運用計画の対象となる期間(以下、中期運用期間という。本実施形態では、1ヶ月とする。)ごとの最適な水位についてのシミュレーションを行い、その後、中期運用期間における最適な水位となり、かつ、短期の運用対象となる期間(以下、短期運用期間という。本実施形態では6日とする。)における売電額が最大となるように、短期運用期間中の各単位期間(本実施形態では1日とする。)ごとの水位を求める。なお、以下の説明において、貯水施設における水位は、所定の単位量(例えば、1メートルや5メートルなどである。以下、単位水位という。)ごとの離散値であるものとする。長期運用期間における発電電力量が最大となるような中期運用期間での水位は、確率論的動的計画法(Stochastic Dynamic Programming; SDP)により求める。短期運用期間における各単位期間の水位は、貯水施設における水位の最大最小値や水力発電に利用する水量(以下、取水量といい、Qと表記する。)の最大最小値などの制約の下に、流入量予測システム20が予測した予測流入量を用いて、各日の水位を単位水位ずつ変化させてシミュレーションし、売電額が最大となるような水位を算出する。
図22は、運用計画システム30のハードウェア構成を示す図である。同図に示すように、運用計画システム30は、CPU301、メモリ302、記憶装置303、通信インタフェース304、入力装置305、および出力装置306を備えている。記憶装置303は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ、CD−ROMドライブなどである。CPU301は、記憶装置303に記憶されているプログラムをメモリ302に読み出して実行することにより各種の機能を実現する。通信インタフェース304は、通信ネットワーク40に接続するためのインタフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタや、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための通信器などである。入力装置305は、データの入力を受け付ける、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、マイクロフォンなどである。出力装置306は、データを出力する、例えば、ディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
図23は、運用計画システム30のソフトウェア構成を示す図である。同図に示すように、運用計画システム30は、諸元入力部311、貯水量設定値入力部312、流入量分布取得部313、中期計画部314、予測流入量取得部315、短期計画部316、諸元記憶部331、モデル記憶部332、電力価格データベース333、最適水位データベース334を備えている。なお、諸元入力部311、貯水量設定値入力部312、流入量分布取得部313、中期計画部314、予測流入量取得部315、および短期計画部316は、運用計画システム30が備えるCPU201が、記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現される。また、諸元記憶部331、電力価格データベース333、および最適水位データベース334は、運用計画システム30が備えるメモリ202や記憶装置203が提供する記憶領域として実現される。なお、諸元記憶部331、モデル記憶部332、電力価格データベース333、および最適水位データベース334は、運用計画システム30とは異なるデータベースサーバが管理し、運用計画システム30がそのデータベースサーバにアクセスするようにしてもよい。
諸元記憶部331は、貯水施設、河川、発電設備などの各種の諸元の設定値を含む情報(以下、諸元情報という。)を記憶する。図24は、諸元記憶部331に記憶される諸元情報の構成例を示す図である。同図に示すように、諸元情報は、諸元名、単位、および設定値が含まれる。
諸元入力部311は、諸元情報の入力を受け付け、受け付けた諸元情報を諸元記憶部331に登録する。諸元入力部311は、例えば、キーボードやマウスなどの入力装置205から諸元情報の各項目の入力を受け付けるようにしてもよいし、例えば、電力会社のホストコンピュータにアクセスして諸元情報を取得するようにしてもよい。
なお、諸元入力部331は予め、貯水施設に係る諸元として、水位の最高値(最高運用水位;以下、Hmaxと表記する。単位はmである。)、および水位の最低値(最低運用水位;以下、Hminと表記する。単位はmである。)の入力を受け付け、受け付けた最高運用水位を含む諸元情報と、最低運用水位を含む諸元情報とを作成して諸元記憶部331に登録し、河川に係る諸元として、維持流量(以下、S0と表記する。単位はm/sである。)の入力を受け付け、受け付けた維持流量を含む諸元情報を作成して諸元記憶部331に登録し、発電設備に係る諸元として、発電に利用する可能な最大の水量(最大取水量;以下、Qmaxと表記する。単位はm/sである。)、発電に利用可能な最低の水量(最小取水量;以下、Qminと表記する。単位はm/sである。)、発電した後に放水する高さ(放水位;以下、Houtと表記する。単位はmである。)、および損失落差(以下、Hlosと表記する。単位はmである。)の入力を受け付けて、受け付けた最大取水量を含む諸元情報、最小取水量を含む諸元情報、放水位を含む諸元情報、および損失落差を含む諸元情報を作成して諸元記憶部331に登録しているものとする。
電力価格データベース333は、日付ごとの電力価格を記憶する。図25は電力価格データベース333の構成例を示す図である。同図に示すように、電力価格データベース333には、日付に対応付けて電力価格(単位は、円/kWhである。)が記憶されている。本実施形態では、電力価格は日付ごとに変更しうるものとし、また各日の電力価格は予めユーザから入力されて電力価格データベース333に登録されているものとする。
貯水量設定値入力部312は、短期運用期間の初日の開始時点(0時)における貯水量の予定値(以下、初期貯水量という。)の入力を受け付ける。なお、貯水量設定値入力部312は、例えば、現在の貯水施設の貯水量を取得して初期貯水量としてもよい。また、貯水量設定値入力部312は、過去の水位から初期貯水量を予測するようにしてもよい。
最適水位データベース334は、月と、当該月の開始時点における水位と、当該月における流入量とに対応する、最適な中期運用期間後の水位を記憶する。図26は、最適水位データベース334の構成例を示す図である。同図に示すように、最適水位データベース334には、長期運用期間中の各月mごとに、水位Hおよび流入量Fに対応付けて、その翌月における最適な水位(1月後最適水位Hm+1)が設定される水位流入量別目標水位表351を記憶している。後述するように、月と、その月の開始時点における水位と、予測流入量とに対応する1月後最適水位を最適水位データベース334から読み出すことにより、その月の最終時点における目標水位を取得することができる。
流入量分布取得部313は、流入量分布を取得する。本実施形態では、流入量分布取得部313は、流入量予測システム20に流入量分布取得要求を送信し、流入量分布取得要求に応じて流入量予測システム20が送信する流入量分布を受信することにより流入量分布を取得するものとする。なお、流入量分布取得部313は、ユーザから流入量分布の入力を受け付けるようにしてもよい。
中期計画部314は、中期運用期間ごとの最適な水位の計画を作成する。中期計画部314は、流入量分布と、後述するモデル記憶部332に記憶されている統計モデルとを用いて、確率論的動的計画法により最適な水位の計画を作成して、最適水位データベース334に登録する。なお、中期計画部314による最適水位計画の作成処理の詳細については後述する。
予測流入量取得部313は、流入量予測システム20にアクセスして、流入量予測システム20が予測した、短期運用期間内の各日についての流入量Rの予測値(予測流入量)を取得する。なお、予測流入量取得部313は、例えば、キーボードやマウスなどの入力装置205から、予測流入量の入力を受け付けるようにしてもよい。
短期計画部316(最適貯水量決定部)は、シミュレーションにより、短期運用期間中の各日における最適な水位(以下、短期運用水位といい、Hと表記する。)を算出し、算出した各日の短期運用水位を出力装置に出力する。短期計画部316は、後述するモデル記憶部332に記憶されている統計モデルを用いてシミュレーションを行う。
モデル記憶部332には、以下のモデルB1〜B11が記憶されている。
モデルB1は、貯水量Vに基づいて運用水位Hを算出するためのもの(水位算出モデル)であり、次式により表される。なお、aは貯水施設に固有の定数である。
Figure 0005047260
モデルB2は、最高運用水位Hmaxに基づいて貯水量の上限(以下、上限貯水量といい、Vmaxと表記する。)を算出するためのものであり、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB3は、最低運用水位Hminに基づいて貯水量の下限(以下、下限貯水量といい、Vminと表記する。)を算出するためのものであり、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB4は、1日の0時から24時(すなわち次の日の0時)の貯水量に基づいて、単位期間の開始時点から終了時点までの貯水量の差(以下、貯水量差といい、ΔVと表記する。)を算出するものであり、ある日付tの0時における貯水量をVとして、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB5は、流入量Rから維持流量S0および貯水量差ΔVを引いた水量(R0)を算出するためのものであり、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB6は、最小取水量Qmin、最大取水量Qmax、最低運転出力Q0minおよびR0に基づいて、取水量Qを決定するためのもの(取水量算出モデル)であり、次式により表される。
Figure 0005047260
すなわち、R0が、最小取水量Qmin以上であり、かつ、最大取水量Qmax以下である場合には、R0が取水量Qとなり、R0が最小取水量Qminよりも小さい場合には最小取水量Qminが取水量Qとなり、R0が最大取水量よりも大きい場合には最大取水量Qmaxが取水量Qとなる。ただし、R0が最低運転出力Q0minよりも小さい場合は、取水量Qは0となる。
モデルB7は、R0および取水量Qに基づいて、1日に貯水施設において放流される水量(以下、普通放流量といい、Sと表記する。)を算出するためのものであり、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB8は、1日の終了時点における運用水位、放水位Houtおよび損失落差Hlosに基づいて、有効落差hnを算出するためのものであり、日付tの0時における運用水位をHとし、水位を海抜高さに変換するための所定の定数をbとして、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB9は、取水量Qおよび有効落差hnに基づいて1日に発電される発電電力Pnを算出するためのものであり、発電の変換効率に係る係数をc、重力加速度をgとして、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB10は、発電電力Pnに基づいて1日に発電される発電電力量Enを算出するためのもの(電力量算出モデル)であり、次式により表される。
Figure 0005047260
モデルB11は、ある日付についての発電電力量Enと、その日付に対応する電力価格とに基づいて売電額を算出するためのものであり、次式により表される。
Figure 0005047260
==中期計画==
中期計画部314は、流入量分布と上記の統計モデルとを用いて確率論的動的計画法により最適な水位を算出する。具体的には、中期計画部314は、次式を満たす水位の組合せを求める。
Figure 0005047260
式B12において、GE(H,Hm+1,F)は、月mの開始時点mにおいて水位がHであり、月mの終了時点(月m+1の開始時点)m+1における水位がHm+1であり、月mの流入量がFである場合の発電電力量Enである。ここで、月mにおける発電電力量は、上記モデルB10により算出される1日あたりの発電電力量Enに、月mの日数を乗じることにより算出される。
図27〜29は、確率論的動的計画法により最適な水位を求める方法を説明するための図である。図27〜29の例では、説明を簡単にするために、長期運用期間が4ヶ月であるものとし、貯水施設の水位はh1〜h3のいずれかの値のみを取るものとしている。なお、中期計画部314は、終了時点m5における水位がh1〜h3のそれぞれである場合について以下の処理を行う。
図27に示すように、中期計画部314は、前の期(ステージ)の合計発電電力量E(1,H,F)を0として、第4月の開始時点m4における水位ごとに、第4月における各流入量ごとに発電電力量を算出し、算出した発電電力量に、第1月の流入量の発生確率を乗じて算出された水位毎の期待値を加算したもの(ここでは合計発電電力量が0であるため、期待値も0になる。)を第4月の期待値として算出する。中期計画部314は、第4月の期待値が最も大きいもの(図中に太線で示す。)を選択する(ステップ1)。
中期計画部314は、時点m4における水位と、時点m3における水位の各組合せについて、第3月における発電電力量を算出し、算出値に第4月の流入量の発生確率を乗じて算出された水位毎の期待値を加算したものを第3月以降の期待値として算出する。中期計画部314は、第3月以降の期待値が最も大きい組合せ(図中に太線で示す。)を選択する(ステップ2)。
中期計画部314は、同様に、時点m3における水位と、時点m2における水位の各組合せについて、第2月における発電電力量に、第3月の流入量の発生確率を乗じて算出された水位毎の期待値を加算して、第2月以降の発電電力量の期待値を算出し、第2月以降の期待値が最大になる組合せ(図中に太線で示す。)を選択する(ステップ3)。
中期計画部314は、第1月についても、時点m2における水位と、時点m1における水位との各組合せについて、第1月における発電電力量に、第2月の流入量の発生確率を乗じて算出された水位毎の期待値を加算した、第1月以降の発電電力量の期待値を算出し、第1月以降の期待値が最大になる組合せ(図中に太線で示す。)を選択する(ステップ4)。
以上のようにして最適な水位が決定される。
上記説明では、長期運用期間の終了時点における水位(目的水位)のみを与え、発電電力量の期待値を最大化するような各月の水位の組合せを算出する手順を示したが、長期運用期間の終了時点における水位によっては、次の長期運用期間の運用パフォーマンスが悪化することが考えられる。この問題を解決するために長期運用期間における合計発電電力量の期待値が最大となるまで繰り返していく。
中期計画部314は、上述した各処理(ステージ)が終わるごとに、第1月から第4月までの発電電力量の合計値を、第1月の水位Hおよび第1月の流入量Fに対応付けて管理する水位流入量別電力量表341を作成していく。水位流入量別電力量表341の構成例を図28に示す。中期計画部314は、二回目以降の各ステージにおいては、前のステージの合計発電電力量を水位流入量別電力量表341から読み出して、上記処理を行う(図29参照)。中期計画部314は、前のステージにおける合計電力量と、現在のステージにおける合計電力量との差が所定値以下となるまで上記処理を繰り返す。
図30は、長期運用期間における最適水位の計画処理の流れを示す図である。
中期計画部314は、処理のステージを示すSTに1を設定し(S3601)、最終月(本実施形態では第12月)から第1月までの各月について、確率的動的計画法による水位の計画処理を行う(S3602)。図31は、確率的動的計画法による水位計画処理に用いられる表である水位流入量別発電電力量表352の構成を示す図である。図31に示す水位流入量別発電電力量表352には、第12月の水位H12と、第12月の流入量F12とに対応づけて、第12月における発電電力量が登録される。
図32および図33は、確率的動的計画法による水位計画処理の流れを示す図である。
図32は、最終月(12月)についての水位計画処理の流れを示す図である。中期計画部314は、1つ前の処理に係る月である第1月(第12月から第1月までの各月に対して処理が行われるため、第12月の1つ前の処理に係る月は第1月となる。)までの累計発電電力量E(1,H,F)を0とし(S3621)、最終月の水位H12に、最低水位Hminを設定する(S3622)。中期計画部314は、12月までの累計発電電力量E(12,H12,F12)に0を設定し(S3623)、12月の流入量F12に、最小流入量Fminを設定する(S3624)。中期計画部314は、1月の水位Hに最低水位Hminを設定し(S3625)、諸元記憶部331に記憶されている各諸元を上述したモデルに適用して、発電電力量Enを算出する(S3626)。中期計画部314は、Enに31(12月の日数)を乗じて、1ヶ月の発電電力量の期待値GEを算出する(S3627)。中期計画部314は、1月の流入量Fの発生確率を取得し(S3628)、各Fについて、F12を条件としたFの条件付確率を累計発電電力量E(12,H12,F12)に乗じた値を合計してGEに加算し、E1(12,H12,F12)を算出する(S3629)。
中期計画部314は、E1(12,H12,F12)が、E(12,H12,F12)以上である場合(S3630:YES)、E(12,H12,F12)にE1(12,H12,F12)を設定して(S3631)、月12、H12、H、F12を水位流入量別目標水位表351および水位流入量発電電力量表352に登録する(S3632)。
中期計画部314は、Hに単位水位を加算し(S3633)、加算後のHが最高水位Hmaxよりも大きくなければ(S3634:NO)、ステップS3626からの処理を繰り返す。加算後の水位Hが最高水位Hmaxよりも大きい場合には(S3634:YES)、中期計画部314は、流入量F12に単位流入量を加算する(S3635)。流入量F12が最大流入量Fmaxを越えていない場合には(S3636:NO)、ステップS3625からの処理を繰り返す。流入量F12が最大流入量Fmaxを越えた場合(S3636:YES)、中期計画部314は、水位H12に単位水位を加算し(S3637)、加算後の水位H12が最大水位Hmaxよりも大きくなっていなければ(S3638:NO)、ステップS3623からの処理を繰り返す。中期計画部314は、水位H12が最大水位Hmaxよりも大きくなると(S3638)、処理を終了する。
図33は、最終月(12月)以外の月m(m=11,10,...,1)についての水位計画処理の流れを示す図である。まず、中期計画部314は、1つ前の処理に係る月m+1までの累計発電電力量E(m+1,Hm+1,Fm+1)を、水位流入量別発電電力量表352から算出する(S3641)。上述した図32の最終月に係る水位計画の処理では、累計発電電力量E(1,H,F)を0として計算をしていたが(図32、S3621)、これは、最初に図32の処理を実行するとき、水位流入量別発電電力量表352に値が登録されていないためである。
次に、中期計画部314は、図32の処理と同様に、月mの水位Hに、最低水位Hminを設定し(S3642)、月mまでの累計発電電力量E(m,H,F)に0を設定し(S3643)、月mの流入量Fに、最小流入量Fminを設定する(S3644)。中期計画部314は、前の期の月m+1の水位Hm+1に最低水位Hminを設定し(S3645)、諸元記憶部331に記憶されている各諸元を上述したモデルに適用して、発電電力量Enを算出する(S3646)。中期計画部314は、Enに月mの日数を乗じて、1ヶ月の発電電力量の期待値GEを算出する(S3647)。中期計画部314は、前期の月m+1の流入量Fm+1の発生確率を取得し(S3648)、各Fm+1について、Fm+1を条件としたFの条件付確率を累計発電電力量E(m+1,Hm+1,Fm+1)に乗じた値を合計してGEに加算し、E1(m,H,F)を算出する(S3649)。
中期計画部314は、E1(m,H,F)が、E(m,H,F)以上である場合(S3650:YES)、E(m,H,F)にE1(m,H,F)を設定して(S3651)、月m、H、Hm+1、Fを水位流入量別目標水位表351および水位流入量発電電力量表352に登録する(S3652)。
中期計画部314は、Hm+1に単位水位を加算し(S3653)、加算後のHm+1が最高水位Hmaxよりも大きくなければ(S3654:NO)、ステップS3646からの処理を繰り返す。加算後の水位Hm+1が最高水位Hmaxよりも大きい場合には(S3654:YES)、中期計画部314は、流入量Fに単位流入量を加算する(S3655)。流入量Fが最大流入量Fmaxを越えていない場合には(S3656:NO)、ステップS3645からの処理を繰り返す。流入量Fが最大流入量Fmaxを越えた場合(S3656:YES)、中期計画部314は、水位Hに単位水位を加算し(S3657)、加算後の水位Hが最大水位Hmaxよりも大きくなっていなければ(S3658:NO)、ステップS3643からの処理を繰り返す。中期計画部314は、水位Hが最大水位Hmaxよりも大きくなると(S3658)、処理を終了する。
第12月から第1月までの各月について上記確率的動的計画法による水位計画処理を行った後、中期計画部314は、図34に示す期待合計発電電力量の計算処理を行う(S3603)。中期計画部314は、HにHminを設定し(S3661)、単位流入量ごとの各Fの発生確率を取得する(S3662)。中期計画部314は、第1月までの累積発電電力量E(1,H,F)を水位流入量別発電電力量表352から算出し(S3663)、各Fについて、F12を条件としたFの条件付確率をEに乗じた値を合計して、ステージの期待合計発電電力量EE(1,H)を算出する(S3664)。中期計画部は、Hに単位水位を加算し(S3665)、HがHmaxを越えなければ(S3666:NO)、ステップS3663からの処理を繰り返す。
図30に戻り、中期計画部314は、STが1である場合(S3604:1)、期待合計発電電力量EE(1,H)をE02(1,H)として設定し(S3605)、STが2である場合には(S3604:2)、期待合計発電電力量EE(1,H)をE01(1,H)として設定する(S3606)。中期計画部314は、STをインクリメントして(S3607)、ステップS3602の最終月から第1月までの確率的計画法による水位計画処理からの処理を繰り返す。
一方、STが3以上である場合には(S3604:3以上)、中期計画部314は、期待合計発電電力量EE(1,H)をE00(1,H)として設定し(S3609)、E02(1,H)からE01(1,H)を減じた第1の値を、E01(1,H)からE00(1,H)を減じた第2の値で割った商が所定の閾値を越えていないかどうかにより、収束を判断する。上記商が閾値を越えている場合(S3610:YES)、中期計画部314は、E02(1,H)にE01(1,H)を設定し(S3611)、E01(1,H)にE00(1,H)を設定して(S3612)、上述したステップS3607に進む。上記商が閾値を越えていなければ(S3610:NO)、中期計画部314は、処理を終了する。
以上のようにして、最適水位データベース334に格納される各月についての水位流入量別目標水位表351が更新される。
本実施形態の運用計画システム30によれば、将来の流入量の予測値を用いて、長期運用期間における発電電力量の期待値を大きくする、中期運用期間の開始時点および終了時点の水位の組合せを求めることができる。したがって、貯水施設の運用者は、中期運用期間の開始時点に、最適水位データベース334を参考にして、その時点での水位に対応する1ヶ月後の水位を目標の水位として貯水施設を運用することにより、1年間の発電電力量を大きくすることが可能となる。よって、貯水施設の運用者の経験が浅い場合であっても容易に最適な水位に調整することができる。
また、本実施形態の運用計画システム30によれば、貯水施設の運用者の勘と経験によって水位を計画する場合に比べ、客観的なデータに基づいて、水位の計画を策定することができる。また、本実施形態の運用計画システム30では、確率論的動的計画法を用いることにより、将来の流入量の予測値を確率分布として求めた場合でも、貯水施設における発電電力量の期待値を大きくする最適な水位の計画を容易に導出することができる。
==短期計画==
上述のように、中期計画部314は、中期運用期間(月)の開始時点および終了時点の最適な水位の組合せを求めるのに対し、短期計画部334は、短期運用期間(6日)における売電額を大きくするように、短期運用期間における水位を計画する。
短期計画部316は、貯水量設定値入力部312が受け付けた初期貯水量を短期運用期間の初日のVとし、VをモデルB1に適用し、初日の水位Hを算出する。短期計画部316は、短期運用期間が属する月とHとに対応する1月後最適水位を読み出して、短期運用期間の終了時点(7日目の開始時点でもある。)における水位Hとする。短期計画部316は、水位HおよびモデルB2またはB3を用いて、短期運用期間の終了時点における貯水量の目標値(以下、最終目的貯水量という。)Vを算出する。短期計画部316は、各日付t(t=2〜6)について、0時における貯水量VをVminからVmaxの間で所定のステップ(例えば、0.1や0.5、1など)で変化させてシミュレーションを行い、Enが最大となるようにVを決定する。短期計画部316は、このシミュレーションにおいて、動的計画法を用いるものとする。動的計画法を用いることで、最適なVの組合せを迅速に算出することができる。
==画面例==
図35は、運用水位のシミュレーションに用いられる画面60の一例を示す図である。画面60には、運用期間の入力欄611、初期貯水量の入力欄612、最終目的貯水量の入力欄613、および各種諸元の表示欄621〜627が設けられている。
短期計画部316は、諸元記憶部331から、最小運用水位および最大運用水位に対応する設定値(HminおよびHmax)を読み出し、読み出したHminおよびHmaxを表示欄621および表示欄622に表示する。短期計画部316は、諸元記憶部331から、維持流量に対応する設定値(S0)を読み出し、読み出したS0を表示欄623に表示する。短期計画部316は、諸元記憶部331から、最小取水量および最大取水量に対応する設定値(QminおよびQmax)を読み出し、読み出したQminおよびQmaxを表示欄624および625にそれぞれ表示する。短期計画部316は、諸元記憶部331から、放水位に対応する設定値(Hout)を読み出し、読み出したHoutを表示欄626に表示する。短期計画部316は、諸元記憶部331から、損失落差に対応する設定値(Hlos)を読み出し、読み出したHlosを表示欄627に表示する。
また、短期計画部316は、上述したモデルB2およびモデルB3を用いて、VmaxおよびVminを算出し、算出したVmaxおよびVminを表示欄631および表示欄632にそれぞれ表示する。
予測流入量取得部313は、流入量予測システム20にアクセスして、流入量予測システム20が予測した、運用期間内の各日についての流入量Rの予測値を取得し、取得したRを表示欄633に表示する。
入力欄611、612および613に運用期間、初期貯水量および最終目的貯水量が入力され、ボタン641が押下されると、貯水量設定値入力部312は、入力欄611、612および613に入力された運用期間、初期貯水量、および最終目的貯水量の入力を受け付け、短期計画部316は、運用期間中の各日について貯水量Vをシミュレーションする。短期計画部316は、例えば以下のようにして貯水量Vのシミュレーションを行う。なお、図35の例では、貯水施設に固有の係数a=30000であり、水位を海抜高さに変換する定数b=500であるものとしている。
短期計画部316は、入力欄612に入力された初期貯水量を第1日目の貯水量Vとし、入力欄613に入力された最終目的貯水量を第7日目の貯水量Vとし、第1日目から第6日目までの貯水量Vのシミュレーションを行い、貯水量Vを表示欄651に表示する。
短期計画部316は、各日付についての貯水量VをモデルB1に適用して運用水位Hを算出し、算出した運用水位Hを表示欄652に表示する。短期計画部316は、1〜6日目の日付tについて、VおよびVt+1をモデルB4に適用して、各日付tについての貯水量差ΔVを算出し、算出した貯水量差ΔVを表示欄653に表示する。
短期計画部316は、流入量の予測値R、維持流量S0、および貯水量差ΔVをモデルB5に適用してR0を算出し、モデルB6によりR0に応じた取水量Qを決定し、決定した取水量Qを表示欄654に表示する。短期計画部316は、R0および取水量QをモデルB7に適用して、普通放流量Sを算出し、算出したSを表示欄655に表示する。
短期計画部316は、1〜6日目の各日tについて、上記算出した運用水位Ht+1、放水位Houtおよび損失落差HlosをモデルB8に適用して、有効落差hnを算出し、算出したhnを表示欄656に表示する。
短期計画部316は、取水量Q、有効落差hnをモデルB9に適用して、発電電力Pnを算出して表示欄657に表示するとともに、算出したPnをモデルB10に適用して発電電力量Enを算出し、算出したEnを表示欄660に表示する。
短期計画部316は、運用期間中の各日の日付に対応する電力価格を電力価格データベース333から読み出して表示欄659に表示するとともに、上記Enおよび読み出した電力価格をモデルB11に適用して、売電額を算出し、算出した売電額を表示欄658に表示する。
短期計画部316は、貯水量V(t=2〜6)を最大VminからVmaxまで変化させて、上記の処理を繰り返すことによりシミュレーションを行い、運用期間中の売電額の合計額が最大となる貯水量Vの組合せを決定する。なお、短期計画部316は、動的計画法により、貯水量Vの組合せを決定することで、効率的に最適な貯水量を決定することができる。短期計画部316は、決定した貯水量Vの組合せに対応するように表示欄651〜660を表示する。
図36は、ある貯水施設において、過去の実績水位についてシミュレーションを行った結果を示すグラフである。
図36(a)は、比較的豊水期として知られている2003年7月における取水量および運用水位の変化を示すグラフである。貯水施設では、運用者の経験によって運用水位が決定されており、2003年7月期における売電額の実績値は約258(百万円)であった。これに対して、上記シミュレーションの結果の貯水量Vの組合せに対応する売電額は約269(百万円)となった。すなわち、約4%の売電額の上昇がみられた。
図36(b)は、比較的渇水期として知られている2007年4月における取水量および運用水位の変化を示すグラフである。2007年4月期における売電額の実績値は107(百万円)であったところ、上記シミュレーションの結果の貯水量Vの組合せに対応する売電価格は114(百万円)となり、約6%の上昇がみられた。
このように、上記シミュレーションにより、売電額が最大になるように貯水量Vの組合せを決定して運用水位Hを運用することで、運用者の経験による運用に比べて売電額の上昇が可能になることが確認された。
以上説明したように、本実施形態の水位運用支援システムによれば、初期貯水量および最終目的貯水量に応じて、売電額が最大になるような運用水位を提示することができる。したがって、貯水施設の運用者は、水位運用支援システムからの提示を参考にして、貯水位施設の水位を運用することで、より効率的かつ効果的に水力発電を行うことができる。
なお、本実施形態では、降水量予測システム10、流入量予測システム20、運用計画システム30はそれぞれ異なるコンピュータであるものとしたが、1台のコンピュータにより実現することもできる。また、降水量予測システム10、流入量予測システム20および運用計画システム30のいずれかを、複数台のコンピュータにより実現するようにすることもできる。
また、本実施形態の降水量予測システム10では、天気は、「晴」「曇」「雪」「雨」「大雨」のいずれかであるものとしたが、例えば、「みぞれ」や「ひょう」などを含めてもよい。また、本実施形態では、時間語は、「時々」「一時」「後」のいずれかであるものとしたが、例えば、「次第に」「はじめ」などを含めてもよい。
また、本実施形態の降水量予測システム10では、天気概況情報には昼の時間帯および夜の時間帯の天気概況が含まれているものとしたが、これに限らず、1日の天気概況のみが含まれていてもよいし、午前、午後、夜など3つ以上の時間帯についての天気概況が含まれていてもよい。
また、本実施形態の降水量予測システム10では、パターン表161の行列ともに、降水量への度合いの強い順に天気語および時間語が並んでいるものとしたが、例えば、天気語および時間語に対応付けて、降水量に関する度合い(優先度)を記憶する優先度記憶部を備えるようにしてもよい。この場合、天気パターン登録部112は、パターン表161を用いず、図6のステップS1514で天気チャンクのリストを生成し、リストに含まれる天気チャンクのそれぞれについて、含まれる天気語に対応する度合いと、含まれる時間語に対応する度合いとを優先度記憶部から取得し、取得した度合いの合計値を当該天気チャンクの優先度とする。天気パターン登録部112は、天気語のそれぞれについて、当該天気語が含まれる天気チャンクを特定し、特定した天気チャンクのうち、最も優先度が高いものを残して、それ以外をリストから削除する。天気パターン登録部112は、リストに残った天気チャンクに基づいて、天気パターン情報を作成して天気パターンデータベース132に登録することができる。
また、本実施形態の降水量予測システム10では、天気パターンデータベース132は、日付と天気チャンクに対応するフラグ値が登録されるものとしたが、これに限らず、例えば、日付に対応付けて、天気チャンクのリストを登録するようにしてもよい。また、天気パターンデータベース132に、日付に対応付けて、天気概況情報に含まれていた降水量も記憶するようにしてもよい。
また、本実施形態の流入量予測システム20では、パーセンタイル値を用いて予測降水量を決定するものとしたが、これに限らず、平均値や中央値などとしてもよい。
また、本実施形態では、流入量および水位は単位流入量および単位水位ごとの離散値であるものとしたが、実数の連続値としてもよい。この場合、流入量予測システム20において作成される流入量分布は、流入量に応じた確率を求める関数として記述され、また、運用計画システム30の最適水位データベース334は、月、水位、および流入量を引数として、1ヵ月後の最適水位を求める関数として記述される。
また、本実施形態の運用計画システム30では、長期運用期間は1年であり、中期運用期間は1ヶ月であり、短期運用期間は6日であるものとしたが、これに限らず、任意の長さを設定することができる。例えば、長期運用期間を半年や3ヶ月などとしてもよいし、中期運用期間を3ヶ月や旬(10日)、1週間としてもよい。また、短期運用期間を2週間や1週間、4日などとしてもよい。
また、本実施形態の運用計画システム30では、確率論的動的計画法により中期運用期間の開始時点および終了時点における最適な水位の組合せを求めるものとしたが、これに限らず、長期運用期間における発電電力量の期待値を最大化するような、各種の最適経路探索手法を用いて水位を算出することができる。
また、本実施形態の運用計画システム30では、売電額が最大になるように貯水量Vの組合せを決定するものとしたが、発電電力量Enが最大となるような組合せを決定するようにしてもよい。この場合、価格の変動に関わらず、より効率的な発電を行うことが可能となる。
また、運用計画システム30は、普通放流量Sの上限を設けて、シミュレーションを行うようにしてもよい。この場合、短期計画部316は、ユーザから上限値の入力を受け付けて、普通放流量Sが上限値を超えない貯水量Vの組合せのうち、売電額が最大になるものを決定するようにする。図37は、上記2003年7月期における放流量Sの実績値と、上限値を設けなかった場合に売電額が最大になるときの放流量Sの理論値と、上限値を15m/sと設定した場合に売電額が最大になるときの放流量Sの理論値とを比較したグラフである。図37に示すように、例えば、7月24日では、放流量Sが25(m/2)近くまで増加している。この場合の売電額も、約269(百万円)となり、約4%の上昇がみられた。したがって、実際の貯水施設の運用時には、例えば、釣り人やキャンプをしている人などがいる場合などの、下流への影響を考慮して、放流量には上限値を設けることが行われるが、上限値を設けたとしても、上記のシミュレーションの結果に従って貯水施設の水位を運用することで、より効率的な発電を行うことが可能となる。
また、本実施形態の流入量予測システム20では、ダムなどの貯水施設に河川から流入する水量についての予測を行うものとしたが、河川を流れる水量の予測を行うシステムにも容易に適用することができる。この場合、河川の上流域における気温や降水量の予報値および実績値などを取得および記録するものとする。
また、本実施形態の運用計画システム30では、流入量予測システム20から流入量Rを取得するものとしたが、これに限らず、例えば、流入量Rの入力をユーザから受け付けるようにしてもよい。また、過去の流入量の実績値をデータベースに記憶しておき、過去の実績値をRとして読み出してシミュレーションするようにしてもよい。
また、本実施形態の運用計画システム30では、予め電力価格は電力価格データベース333に記憶されているものとしたが、例えば、日本卸電力取引所における電力価格(JEPX価格)を自動的に取得するようにしてもよい。この場合、電力価格データベース333を省略して、短期計画部316によるシミュレーションの度に、JEPX価格を取得するようにすることもできる。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
10 降水量予測システム
20 流入量予測システム
30 運用計画システム
40 通信ネットワーク
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
111 天気概況取得部
112 天気パターン登録部
113 予測降水量取得要求受信部
114 天気予報取得部
115 降水量予測部
116 予測降水量送信部
131 天気概況データベース
132 天気パターンデータベース
201 CPU
202 メモリ
203 記憶装置
204 入力装置
205 出力装置
211 降雪気温推計部
212 融雪量モデル推計部
213 流入量モデル推計部
214 予測気温取得部
215 予測降水量取得部
216 予測流入量取得要求受信部
217 流入量予測部
218 予測流入量送信部
219 流入量分布取得要求受信部
220 流入量発生確率モデル推計部
221 流入量分布生成部
222 流入量分布送信部、
231 モデル記憶部
232 パラメタ記憶部
233 気象実績データベース
211 降雪気温推計部
212 融雪量モデル推計部
213 流入量モデル推計部
214 予測気温取得部
215 予測降水量取得部
216 予測流入量取得要求受信部
217 流入量予測部
218 予測流入量送信部
219 流入量分布取得要求受信部
220 流入量発生確率モデル推計部
221 流入量分布生成部
222 流入量分布送信部
231 モデル記憶部
232 パラメタ記憶部
233 気象実績データベース
311 諸元入力部
312 貯水量設定値入力部
313 流入量分布取得部
314 中期計画部
315 予測流入量取得部
316 短期計画部
331 諸元記憶部
332 モデル記憶部
333 電力価格データベース
334 最適水位データベース
351 水位流入量別目標水位表
352 水位流入量別発電電力量表

Claims (9)

  1. 降水量の予測を行うシステムであって、
    過去の日付における天気を示す天気語および前記天気が発生した時間を示す時間語を含む天気概況と当該日付における降水量とを含む概況情報を取得する概況取得部と、
    前記概況情報に含まれる前記天気概況から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べたパターンを生成する概況パターン生成部と、
    前記パターンに対応付けて前記降水量を記憶する降水量記憶部と、
    将来の天気を示す天気語および前記将来の天気が発生する時間を示す時間語を記述した天気予報を取得する天気予報取得部と、
    前記天気予報から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べた前記パターンである予報パターンを生成する予報パターン生成部と、
    前記予報パターンに対応する前記降水量を前記降水量記憶部から読み出し、読み出した前記降水量を集計して降水量の予測値を算出する予測降水量算出部と、
    前記降水量の予測値を出力する予測降水量出力部と、
    を備えることを特徴とする降水量予測システム。
  2. 請求項1に記載の降水量予測システムであって、
    前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記天気語は、「大雨」「雨」「雪」「曇」「晴」であり、
    前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記時間語は、「時々」「一時」「後」であること、
    を特徴とする降水量予測システム。
  3. 請求項1に記載の降水量予測システムであって、
    前記予測降水量算出部は、前記予報パターンに対応する複数の前記降水量を前記降水量記憶部から読み出し、読み出した前記降水量を少ない順にソートし、ソートした前記降水量から所定のパーセンタイル値を前記降水量の予測値とすること、
    を特徴とする降水量予測システム。
  4. 請求項1に記載の降水量予測システムであって、
    前記概況パターン生成部および前記予報パターン生成部は、前記天気概況および前記天気予報から前記天気語および前記時間語以外の単語を削除した文字列を、前記天気語の直後で分割して、前記時間語および前記天気語から構成される文字列である天気チャンクを生成し、前記天気チャンクの組合せを前記パターンとして生成すること、
    を特徴とする降水量予測システム。
  5. 請求項4に記載の降水量予測システムであって、
    前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記天気語のそれぞれについて、前記降水量に関係する度合いが設定され、前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記時間語のそれぞれについて、前記降水量に関係する度合いが設定され、
    前記概況パターン生成部および前記予報パターン生成部は、
    前記天気チャンクのリストを生成し、
    前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記天気語のそれぞれについて、前記天気語を含む前記天気チャンクが前記リストに複数含まれている場合、当該複数の天気チャンクに含まれている前記時間語のうち、前記度合いが最も強いものを特定し、当該複数の天気チャンクのうち、特定した前記時間語が含まれていないものを前記リストから削除し、
    前記天気概況および前記天気予報に含まれうる前記時間語のそれぞれについて、前記時間語を含む前記天気チャンクが前記リストに複数含まれている場合、当該複数の天気チャンクに含まれている前記天気語のうち、前記度合いが最も強いものを特定し、当該複数の天気チャンクに、特定した前記天気語が含まれていないものを前記リストから削除し、
    前記リストをパターンとすること、
    を特徴とする降水量予測システム。
  6. 降水量の予測を行う方法であって、
    コンピュータが、
    過去の日付における天気の変化を記述した天気概況と当該日付における降水量とを含む概況情報を取得し、
    前記概況情報に含まれる前記天気概況から、天気を表す単語である天気語、および前記天気に係る時間の経過を示す時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べたパターンを生成し、
    前記パターンに対応付けて前記降水量をメモリに記憶し、
    将来の天気を記述した天気予報を取得し、
    前記天気予報から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べた前記パターンである予報パターンを生成し、
    前記予報パターンに対応する前記降水量を前記メモリから読み出し、読み出した前記降水量を集計して降水量の予測値を算出し、
    前記降水量の予測値を出力すること、
    を特徴とする降水量予測方法。
  7. 請求項6に記載の降水量予測方法であって、
    前記コンピュータは、前記予報パターンに対応する複数の前記降水量を前記メモリから読み出し、読み出した前記降水量を少ない順にソートし、ソートした前記降水量から所定のパーセンタイル値を前記降水量の予測値とすること、
    を特徴とする降水量予測方法。
  8. 請求項6に記載の降水量予測方法であって、
    前記コンピュータは、前記天気概況および前記天気予報から前記天気語および前記時間語以外の単語を削除した文字列を、前記天気語の直後で分割して、前記時間語および前記天気語を含む文字列である天気チャンクを生成し、前記天気チャンクの組合せを前記パターンとして生成すること、
    を特徴とする降水量予測方法。
  9. 降水量の予測を行うためのプログラムであって、
    コンピュータに、
    過去の日付における天気の変化を記述した天気概況と当該日付における降水量とを含む概況情報を取得するステップと、
    前記概況情報に含まれる前記天気概況から、天気を表す単語である天気語、および前記天気に係る時間の経過を示す時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べたパターンを生成するステップと、
    前記パターンに対応付けて前記降水量をメモリに記憶するステップと、
    将来の天気を記述した天気予報を取得するステップと、
    前記天気予報から前記天気語および前記時間語を抽出し、前記天気語および前記時間語を並べた前記パターンである予報パターンを生成するステップと、
    前記予報パターンに対応する前記降水量を前記メモリから読み出し、読み出した前記降水量を集計して降水量の予測値を算出するステップと、
    前記降水量の予測値を出力するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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