JPH06220181A - ポリカーボネート共重合体とその製造法及びこれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

ポリカーボネート共重合体とその製造法及びこれを用いた電子写真感光体

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JPH06220181A
JPH06220181A JP5028502A JP2850293A JPH06220181A JP H06220181 A JPH06220181 A JP H06220181A JP 5028502 A JP5028502 A JP 5028502A JP 2850293 A JP2850293 A JP 2850293A JP H06220181 A JPH06220181 A JP H06220181A
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秀幸 宮本
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秀治 坂元
Hironobu Morishita
浩延 森下
Tomohiro Nagao
知浩 長尾
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 透明性に優れ、かつ機械的性質、特に耐摩耗
性に優れたポリカーボネート共重合体とその製造法、電
子写真感光体の作製時に塗工液が白化(ゲル化)したり
することがなく、機械的強度(表面硬度など)に優れ、
長時間にわたって優れた耐刷性及び電子写真特性を保つ
電子写真感光体を提供する。 【構成】 繰り返し単位A及びB1若しくはB2及びC
を有するポリカーボネート共重合体、及びこれをバイン
ダー樹脂として用いた電子写真感光体。 (式中、pは自然数、qは0又は自然数を示し、p+q
は150未満である。) [式中、Yは単結合、−O−、−S−、−CO−、−S
O−、−SO2−等(Vは単結合、−O−又は−CO−
を示す。)を示し、Wは 等を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なポリカーボネー
ト共重合体とその製造法及びこれを用いた電子写真感光
体に関する。より詳しくは、耐摩耗性に優れたポリカー
ボネートとその効果的な製造法、及び長時間にわたって
優れた機械的強度及び電子写真特性を維持する実用上優
れた電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは、広汎な分野で工業
材料に用いられているが、ビスフェノールAなど一般的
な原料を用いたものでは、性能的に十分でない点もあ
り、用途分野の拡大に伴ってさらに優れたポリカーボネ
ートの開発が望まれている。
【0003】また、最近の電子写真感光体においては、
積層型の電子写真感光体、即ち、感光層が、露光により
電荷を発生させる電荷発生層(CGL)と電荷を輸送す
る電荷輸送層(CTL)との少なくとも2層を有する積
層型の有機電子写真感光体(OPC)や、感光層が電荷
発生物質及び電荷輸送物質をバインダー樹脂に分散させ
た単一層からなる単層型の電子写真感光体が提案され利
用されている。積層型の電子写真感光体の電荷輸送層及
び単層型電子写真感光体の感光層のバインダー樹脂とし
ては、ビスフェノールA又はビスフェノールZを原料と
するポリカーボネート樹脂が広く利用されている。ビス
フェノールA又はビスフェノールZを原料とするポリカ
ーボネート樹脂は、電荷輸送物質との相溶性が良いた
め、これを感光層中のバインダー樹脂として用いて感光
体を作製した場合、電気特性が良好であり、また比較的
機械的強度が大きい感光体を得ることができる。
【0004】しかしながら、バインダー樹脂としてビス
フェノールA又はビスフェノールZを原料とするポリカ
ーボネート樹脂を用いて電荷輸送層を形成した場合に
は、下記の、等の問題点があることが明らかになっ
た。 感光体作製時において、感光層を塗布する際、用い
る溶媒によっては塗工液が白化(ゲル化)したり、感光
層が容易に結晶化を起こすことがある。この結晶化を起
こした部分では、光減衰がなく、電荷や残留電位となっ
て残り、画質上ディフェクトとなって出現する。 バインダー樹脂としてビスフェノールA又はビスフ
ェノールZを原料とするポリカーボネート樹脂を用いた
電荷輸送層又は感光層は、下地との密着性が悪く剥離し
やすかったり、表面硬度不足のため傷ついたり、表面が
摩耗して耐刷寿命が短くなるという欠点がある。ここで
言う下地とは、通常の場合、単層型感光耐及び逆層型感
光体では導電性基板を指し、正帯電型電子写真感光体の
ように導電体の上に電荷輸送層及び電荷発生層を順次積
層する場合には、導電体が下地となり、また、電子写真
特性の向上を目的に導電体と電荷輸送層又は電荷発生層
と電荷輸送層との間にブロッキング層や中間層を設けた
場合には、それらが下地となる。
【0005】また国際公開第91/00885号パンフ
レットにはシロキサン構造単位を含むポリカーボネート
が示されているが、これはジメチルシロキサン単位を1
00以上含むもので、不透明なポリカーボネートであ
る。このような不透明な樹脂では、電子写真感光体のバ
インダー樹脂や、光学機器用素材などに使用することが
できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
基づいてなされたものである。本発明の目的は、透明性
に優れ、かつ機械的性質、特に耐摩耗性に優れたポリカ
ーボネート共重合体とその製造法、及び感光層のバイン
ダー樹脂としてビスフェノールA又はビスフェノールZ
を原料とするポリカーボネート樹脂を用いた従来の電子
写真感光体に認められる上記の問題点を解決し、電子写
真感光体の作製時に塗工液が白化(ゲル化)したりする
ことがなく、機械的強度(表面硬度など)に優れ、長時
間にわたって優れた耐刷性及び電子写真特性を保つ実用
上著しく優れた電子写真感光体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ジシロキサン単
位を繰り返し単位中に有する特定の芳香族ポリカーボネ
ート共重合体が耐摩耗性及び透明性に優れること、及び
これが電子写真感光体のバインダー樹脂として好適に用
いられ、これを用いて製造される電子写真感光体が耐刷
性及び電子写真特性に優れることを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、下記一般式(A)
【0009】
【化16】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6 は各々独立
に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の
置換若しくは無置換のアリール基を示し、R7 及びR8
各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル
基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
基を示し、Xは炭素数1〜6の置換若しくは無置換のア
ルキレン基を示し、nは1〜6の整数を示し、a及びb
は各々独立に、0〜4の整数を示し、pは自然数、qは
0又は自然数を示し、p+qは150未満である。]で
表される繰り返し単位(A)及び下記一般式(B1)若
しくは(B2)
【0010】
【化17】 [式中、R9 及びR10 は各々独立に、ハロゲン原子、炭
素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若
しくは無置換のアリール基を示し、c及びdは各々独立
に、0〜4の整数を示し、Yは単結合、−O−、−S
−、−CO−、−SO−、−SO2 −、
【0011】
【化18】 (ただし、R11、R12、R13、R14及びR15は各々独立
に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素
数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基を示し、
eは各々独立に0〜4の整数、fは各々独立に0〜6の
整数を示し、Vは単結合、−O−又は−CO−を示
す。)を示し、Wは
【0012】
【化19】 (ただし、R16は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1
〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無
置換のアリール基を示し、gは各々独立に0〜4の整数
を示し、hは0〜2の整数を示す。)]で表わされる繰
り返し単位(B1)若しくは(B2)及び下記一般式
(C)
【0013】
【化20】 [式中、R17及びR18は各々独立に、フッ素以外のハロ
ゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜1
2の置換若しくは無置換のアリール基を示し、iは各々
独立に0〜4の整数を示し、Zは炭素数2〜12のα,
ω−アルキレン基、炭素数5〜8の1,1−シクロアル
キレン基又は−CR1920−(ただし、R19及びR20
各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメ
チル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12
の置換若しくは無置換のアリール基を示す。) で表わさ
れる二価の基を示す。]で表わされる繰り返し単位
(C)を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.
5g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.2〜
2.5dl/gであることを特徴とするポリカーボネー
ト共重合体を提供するものである。
【0014】本発明はまた、上記ポリカーボネートの好
適な製造法として、下記一般式(D)
【0015】
【化21】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
X、n、a、b、p、q及びnは前記と同じ。]及び下
記一般式(E1)若しくは(E2)
【0016】
【化22】 [式中、R9、R10、c、d、Y及びWは前記と同
じ。]で表わされる二価フェノール(E1)若しくは
(E2)及び下記一般式(F)
【0017】
【化23】 [式中、R17、R18、i及びZは前記と同じ。]で表わ
される二価フェノールに、炭酸エステル形成性化合物を
反応させることを特徴とするポリカーボネート共重合体
の製造法を提供するものである。
【0018】本発明はまた、導電性基板上に感光層を設
けた電子写真感光体において、該感光層のバインダー樹
脂として、下記一般式(A)
【0019】
【化24】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
X、n、a、b、p、q及びnは前記と同じ。]で表さ
れる繰り返し単位(A)及び下記一般式(B1)若しく
は(B2)
【0020】
【化25】 [式中、R9、R10、c、d、Y及びWは前記と同
じ。]で表わされる繰り返し単位(B1)若しくは(B
2)及び下記一般式(C)
【0021】
【化26】 [式中、R17、R18、i及びZは前記と同じ。]で表わ
される繰り返し単位(C)を有し、かつ塩化メチレンを
溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃における
還元粘度が0.2〜2.5dl/gであるポリカーボネ
ート共重合体を用いたことを特徴とする電子写真感光体
を提供するものである。
【0022】本発明のポリカーボネート共重合体を電子
写真感光体中のバインダー樹脂としての用途に用いる場
合には、上記繰り返し単位(A)の含有割合は共重合体
の繰り返し単位の合計に対するモル比で0.001〜1
5モル%とすることが好ましい。このモル比が0.00
1モル%未満であると機械的強度が十分でなく、電子写
真感光体に用いたとき、耐刷性及び電子写真特性の向上
が不十分となることがある。15モル%を超えると樹脂
自体が不透明となり感光体用途として適当でなくなるこ
とがある。更に好ましい範囲は0.01〜10モル%、
特に好ましくは0.1〜10モル%である。
【0023】繰り返し単位(A)中のポリシロキサン単
位の重合度を表わすp+qは、ポリカーボネート共重合
体の強度、透明性、密着性に関連するので一概に規定す
ることは難しいが、一般に150未満、好ましくは12
0未満とする。150を超えるとポリカーボネート共重
合体の透明性が低下する。
【0024】また、本発明のポリカーボネートを電子写
真感光体の用途に用いる場合、繰り返し単位(B1)若
しくは(B2)の含有割合は5〜50モル%とすること
が好ましい。このモル比が5モル%未満であると機械的
強度が十分でなく、電子写真感光体に用いたとき、耐刷
性及び電子写真特性の向上が不十分となることがある。
50モル%を超えると樹脂が結晶化し、感光体用途とし
て適当でなくなることがある。更に好ましい範囲は10
〜40モル%である。
【0025】また、本発明のポリカーボネートは繰り返
し単位(B1)を有する共重合体と繰り返し単位(B
2)を有する共重合体との混合物であってもよい。
【0026】なお、本発明のポリカーボネート共重合体
は、本発明の目的に支障のない範囲で、前記以外の他の
繰り返し単位を有していてもよく、また、他のポリカー
ボネート成分や添加物を適宜添加配合した混合物として
用いてもよい。
【0027】本発明のポリカーボネートは、塩化メチレ
ンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃にお
ける還元粘度[ηsp/c]が0.2〜2.5dl/g、
より好ましくは、0.3〜2.0dl/gの範囲にある
ことが好ましい。還元粘度[ηsp/c]が0.2dl/
g未満ではポリカーボネート共重合体の機械的強度が低
く、特に電子写真感光体の感光層のバインダーとして用
いたとき、このポリカーボネート共重合体を含有する層
の表面硬度が不足し、感光体が摩耗して耐刷寿命が短く
なることがある。一方、還元粘度[ηsp/c]が2.5
dl/gを超えると、ポリカーボネート共重合体の溶液
粘度が上昇し、溶液塗工法による感光体製造が困難にな
ることがある。
【0028】本発明のポリカーボネート共重合体は、下
記一般式(D)
【0029】
【化27】 及び下記一般式(E1)若しくは(E2)
【0030】
【化28】 で表わされる二価フェノール(E1)若しくは(E2)
及び下記一般式(F)
【0031】
【化29】 で表わされる二価フェノールに、炭酸エステル形成性化
合物を反応させることにより製造することができる。
【0032】この反応は、炭酸エステル形成性化合物と
してホスゲンをはじめとする各種のジハロゲン化カルボ
ニル、クロロホルメート化合物等のハロホルメート類又
は炭酸エステル化合物などを用いて、適当な酸結合剤の
存在下に重縮合反応を行うか、あるいは、炭酸エステル
形成性化合物としてビスアリールカーボネート類を用い
るエステル交換反応を行うなどの方法によって行われ
る。
【0033】前記一般式(D)で表される二価フェノー
ルとしては、例えば次に示すような化合物が好適に用い
られる。
【0034】
【化30】
【0035】前記一般式(E1)で表される二価フェノ
ールとしては、例えば次に示すような化合物が好適に用
いられる。
【0036】
【化31】 その他ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキサイド、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−フェニル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホン等も使用可能であ
る。
【0037】前記一般式(E2)で表される二価フェノ
ールとしては、例えば次に示すような化合物が好適に用
いられる。
【0038】
【化32】 前記一般式(F)で表される二価フェノール(F)とし
ては、具体的には、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタ
ン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン、4,4′−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニ
ルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(3−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
2,2−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、1,1−ビス(2−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、1,1
−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−tert
−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)イソ
ブタン、1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)ヘプタン、1,1−ビ
ス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(2
−tert−アミル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)ブタン、ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4
−ヒドロキシ−5−クロロフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)
ブタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、1−フェニル−1,1−ビス
(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらジヒドロキ
シアリール化合物は、1種単独で用いることもできる
し、また2種以上を併用することもできる。
【0039】特に好ましくは、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、4,4′−ジヒドロキシテ
トラフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル及び2,2−ビス(3−
フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが用いら
れる。
【0040】前記炭酸エステル形成性化合物として上記
ジハロゲン化カルボニル、ハロホルメート類、炭酸エス
テル化合物などを用い、酸結合剤の存在下に重縮合を行
う反応は、通常、溶媒中で行われる。
【0041】炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、
反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよ
い。また、ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化
合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好
適に採用できる。
【0042】前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸
塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物など
が用いられる。
【0043】酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応
の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具
体的には、使用する二価フェノールの合計モル数(通常
1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれよ
り若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
【0044】前記溶媒としては、公知のポリカーボネー
トの製造に使用されるものなど各種の溶媒を1種単独で
あるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例と
しては、例えば、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチ
レン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水
素溶媒などが挙げられる。互いに混ざり合わない2種の
溶媒を用いて界面重縮合反応を行なってもよい。
【0045】また、重縮合反応を促進するために、トリ
エチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニ
ウム塩などの触媒を、また、重合度を調整するために、
p−tert−ブチルフェノールやフェニルフェノール
などの分子量調節剤を添加して反応を行なうことが望ま
しい。また、所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロ
サルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
反応は、通常0〜150℃、好ましくは5〜40℃の範
囲の温度で行なわれる。反応圧力は、減圧、常圧、加圧
のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応
系の自圧程度で好適に行ない得る。反応時間は、反応温
度等によって左右されるが、通常0.5分間〜10時
間、好ましくは1分間〜2時間程度である。
【0046】また、二価フェノール(D)、(E1)若
しくは(E2)、(F)からなる反応原料の一部と炭酸
エステル形成性化合物とを反応させてオリゴマーを生成
せしめ、次いで残りの反応原料を添加して重縮合を完結
させる2段階法を用いることもできる。このような2段
階法によれば、反応の制御が容易であり、精度の高い分
子量コントロールを行なうことができる。
【0047】後者の二価フェノールとビスアリールカー
ボネートとのエステル交換法を用いる場合の反応形式と
しては、溶融重縮合法、固相重縮合法などが好適であ
る。溶融重縮合法を行なう場合は、上記2種又は3種の
単量体を混合し、減圧下で高温において溶融状態で反応
させる。反応は、通常150〜350℃、好ましくは2
00〜300℃の範囲の温度において行なわれる。固相
重縮合法を行なう場合は、上記2種又は3種の単量体を
混合し、固相状態のまま、生成ポリカーボネート共重合
体の融点以下の温度に加熱して重縮合を行なう。いずれ
の場合においても、反応の最終段階で減圧度を好ましく
は1mmHg以下にして、エステル交換反応により生成
した上記ビスアリールカーボネートから由来するフェノ
ール類を系外へ留去させる。反応時間は反応温度や減圧
度などによって左右されるが、通常1〜4時間程度であ
る。反応は窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で
行なうことが好ましく、また、所望に応じて前記の分子
量調節剤や酸化防止剤などを添加して反応を行なっても
よい。
【0048】得られるポリカーボネート共重合体の還元
粘度[ηsp/c]を前記の範囲にするには、例えば、前
記反応条件の選択、分子量調節剤の使用量の調節など各
種の方法によってなすことができる。また、場合によ
り、得られたポリカーボネート共重合体に適宜物理的処
理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー
反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所望の還
元粘度[ηsp/c]のポリカーボネートとして取得する
こともできる。
【0049】得られた反応生成物(粗生成物)は公知の
分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精
製度)のポリカーボネート共重合体として回収すること
ができる。
【0050】本発明の電子写真感光体は、導電性基板上
に感光層を設けた電子写真感光体であって、該感光層中
のバインダー樹脂として上記のポリカーボネート共重合
体を用いたものである。
【0051】本発明の電子写真感光体は、上記のポリシ
ロキサン単位を含むポリカーボネート共重合体をバイン
ダー樹脂として用いている限り、公知の種々の形式の電
子写真感光体はもとよりどのようなものとしてもよい
が、感光層が、少なくとも1層の電荷発生層と少なくと
も1層の電荷輸送層を有する積層型電子写真感光体にお
いて、電荷輸送層のバインダー樹脂として用いることが
好ましい。
【0052】積層型電子写真感光体としては、感光層
中、電荷発生層上に電荷輸送層が積層されているもので
もよく、また、電荷輸送層上に電荷発生層が積層されて
いるものでもよい。また、必要に応じて表面層に導電性
又は絶縁性の保護膜が形成されていてもよい。さらに、
各層間の接着性を向上させるための接着層あるいは電荷
のブロッキングの役目を果たすブロッキング層等の中間
層などが形成されているものであってもよい。
【0053】本発明の電子写真感光体において、前記ポ
リカーボネート共重合体は、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を組合せて用いてもよい。また、所望に応
じて本発明の目的を阻害しない範囲で、他のポリカーボ
ネート等をバインダー樹脂成分として含有させてもよ
い。さらに、酸化防止剤等の添加物を含有させてもよ
い。
【0054】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性基板材料としては、公知のものなど各種のものを使用
することができ、具体的には、例えば、アルミニウム、
真ちゅう、銅、ニッケル、鋼等の金属板、金属ドラム若
しくは金属シート、プラスチックシート上にアルミニウ
ム、ニッケル、クロム、パラジウム、グラファイト等の
導電性物質を蒸着、スパッタリング、塗布等によりコー
ティングするなどして導電化処理を施したもの、金属ド
ラムの表面を電極酸化などにより金属酸化物処理したも
の、あるいは、ガラス、プラスチック板、布、紙等の基
板に導電化処理を施したもの等を使用することができ
る。
【0055】積層型電子写真感光体の電荷発生層は少な
くとも電荷発生物質を有するものであり、この電荷発生
層はその下地となる基板上に真空蒸着、スパッタ法等に
より電荷発生物質の層を形成せしめるか、又はその下地
となる基板上に電荷発生物質をバインダー樹脂を用いて
結着してなる層を形成せしめることによって得ることが
できる。バインダー樹脂を用いる電荷発生層の形成方法
としては公知の方法等各種の方法を使用することができ
るが、通常、例えば、電荷発生物質をバインダー樹脂と
共に適当な溶媒により分散若しくは溶解した塗工液を、
所定の下地となる基板上に塗布し、乾燥せしめる方法等
が好適に使用される。
【0056】前記電荷発生物質としては、公知のものな
ど各種のものを使用することができ、具体的には、例え
ば、非晶質セレン、三方晶セレン等のセレン単体、セレ
ン−テルル等のセレンの合金、As2 Se3 等のセレン
化合物若しくはセレン含有組成物、酸化亜鉛、CdS−
Se等の第II族及び第IV族元素からなる無機材料、
酸化チタン等の酸化物系半導体、アモルファスシリコン
などのシリコン系材料等の各種の無機材料、金属若しく
は無金属フタロシアニン、シアニン、アントラセン、ビ
スアゾ化合物、ピレン、ペリレン、ピリリウム塩、チア
ピリリウム塩、ポリビニルカルバゾール、スクェアリウ
ム顔料等の各種の有機材料等を挙げることができる。
【0057】なお、これらは、1種単独で用いてもよ
く、あるいは、2種以上を混合するなどして、併用する
こともできる。
【0058】前記電荷発生層におけるバインダー樹脂と
しては、特に制限はなく、公知のものなど各種のものを
使用でき、具体的には、例えば、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルアセタール、アルキッド樹脂、アク
リル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、
ポリアミド、ポリケトン、ポリアクリルアミド、ブチラ
ール樹脂、ポリエステルなどの熱可塑性樹脂、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹
脂を使用することができる。
【0059】なお、上記電荷発生層におけるバインダー
樹脂として、本発明のポリシロキサン単位を含むポリカ
ーボネート共重合体を使用することもできる。
【0060】次に、前記電荷輸送層は、下地となる基板
上に、電荷輸送物質を本発明のポリシロキサン単位を含
むポリカーボネート共重合体をバインダー樹脂として用
いて結着してなる層を形成することによって得ることが
できる。
【0061】この電荷輸送層の形成方法としては、公知
の方法等の各種の方式を使用することができるが、通
常、電荷輸送物質を本発明のポリカーボネート共重合体
と共に適当な溶媒に分散若しくは溶解した塗工液を、所
定の下地となる基板上に塗布し、乾燥する方式などが使
用される。
【0062】この電荷輸送層において、本発明のポリカ
ーボネート共重合体は1種単独で用いることもできる
し、また2種以上を混合して用いることもできる。ま
た、本発明の目的を阻害しない範囲で、他のバインダー
樹脂を本発明のポリカーボネート共重合体と併用するこ
とも可能である。
【0063】本発明において使用することのできる電荷
輸送物質としては、例えば、従来用いられている電子輸
送性物質及び正孔輸送性物質がある。
【0064】電子輸送性物質の具体例としては、例えば
クロラニル、ブロマニル、2,3−ジクロロ−5,6−
ジシアノ−p−ベンゾキノン、テトラシアノエチレン、
テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9
−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−9−ジシア
ノメチレンフルオレノン、2,4,5,7−テトラニト
ロキサントン、2,4,9−トリニトロチオキサント
ン、3,5−ジメチル−3′,5′−ジ−tert−ブ
チル−4,4′−ジフェノキノン等の電子吸引物質やこ
れらの電子吸引物質を高分子化したもの等がある。な
お、これらは1種単独で用いてもよく、あるいは、2種
以上を混合するなどして併用することもできる。
【0065】正孔輸送性物質としては、ピレン、N−エ
チルカルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N
−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−
9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジ
ノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N
−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチ
ルフェノチアジン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3
−メチリデン−10−エチルフェノキサジン、p−ジエ
チルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N−α
−ナフチル−N−フェニルヒドラゾン、p−ピロリジノ
ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、
1,3,3−トリメチルインドレニン−ω−アルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルベンズ
アルデヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2−ヒド
ラゾン、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロ
キノリン−6−カルボキシアルデヒド−1′,1′−ジ
フェニルヒドラゾン等のヒドラゾン類、2,5−ビス
(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノ
スチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラ
ゾリン、1−[キノリル(2)]−3−(p−ジエチル
アミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−[レピジル(2)]−3−(p−
ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノ
フェニル)ピラゾリン、1−[6−メトキシ−ピリジル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(5)]−3−(p−ジエチルアミノフェニル)
ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−
ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル
(2)]−3−(α−メチル−p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(α−ベンジル−
p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルア
ミノフェニル)ピラゾリン、スピロピラゾリン等のピラ
ゾリン類、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−δ−
ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−5−(2−クロロフェニル)オキサゾール等のオ
キサゾール系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチアゾ
ール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチル
フェニル)−フェニルメタン等のトリアリールメタン系
化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−
2−メチルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2−テト
ラキス(4−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェ
ニル)エタン等のポリアリールアミン類、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(メチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(エチルフ
ェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(プロピルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジ
フェニル−N,N′−ビス(ブチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(イソプロ
ピルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル−
N,N′−ビス(sec−ブチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(tert
−ブチルフェニル)ベンジジン、N,N′−ジフェニル
−N,N′−ビス(クロロフェニル)ベンジジン等のベ
ンジジン系化合物、あるいはブタジエン系化合物、トリ
フェニルアミン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
ビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルア
クリジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、有
機ポリシラン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチル
カルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることが
できる。
【0066】なお、これらは、1種単独で用いてもよ
く、あるいは、2種以上を混合するなどして併用しても
よい。
【0067】前記電荷発生層、電荷輸送層形成の際に使
用する前記溶媒の具体例としては、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール、酢酸エチル、エチルセロソルブ等の
エステル、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルホルムア
ミド等を挙げることができる。
【0068】これらの溶媒は、1種単独で使用してもよ
く、あるいは、2種以上を混合溶媒として併用してもよ
い。
【0069】各層の塗布は公知のものなど各種の塗布装
置を用いて行なうことができ、具体的には、例えば、ア
プリケーター、スプレーコーター、バーコーター、チッ
プコーター、ロールコーター、ディップコーター、ドク
タブレード等を用いて行なうことができる。
【0070】単層型電子写真感光体の感光層は、少なく
とも、本発明のポリシロキサン単位を含むポリカーボネ
ート共重合体、前記電荷輸送物質及び前記電荷輸送物質
を含有するものである。この感光層の形成方法としては
公知の方法等各種の方法を使用することができるが、通
常、例えば、電荷発生物質及び電荷輸送物質を、本発明
のポリカーボネート共重合体と共に適当な溶媒により分
散若しくは溶解して得た塗工液を、所定の下地となる基
板上に塗布し、乾燥せしめる方法等を好適に使用するこ
とができる。
【0071】また、本発明の目的を阻害しない範囲で、
他のバインダー樹脂を本発明のポリカーボネート共重合
体と併用することも可能である。
【0072】本発明の電子写真感光体は、その作製時に
塗工液が白化(ゲル化)したりすることがなく、しか
も、繰り返し長時間にわたって使用しても優れた耐刷性
等の機械的強度及び電子写真特性を維持する実用上著し
く優れた電子写真感光体であり、各種の電子写真分野に
好適に利用することができる。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0074】実施例1 原料モノマーとして2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン42.6g(0.205モル)及び4,
4′−ジヒドロキシビフェニル9.5g(0.051モ
ル)を濃度8%の水酸化ナトリウム水溶液550mlに
溶解し、塩化メチレン250ml、触媒として10%ト
リエチルアミン水溶液3mlを邪魔板付き反応器内に導
入し、100℃付近に保持して激しく攪拌しながら、ホ
スゲンを950ml/minの割合で15分間吹き込ん
だ。
【0075】この反応液を静置後、有機層を分離し、重
合度2〜4で分子末端がクロロホルメート基の1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと4,4′−
ジヒドロキシビフェニルの組成比約4:1の共オリゴマ
ーの塩化メチレン溶液を得た。
【0076】このオリゴマー溶液に末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノール0.15g及び下記のジ
ヒドロキシジアリール化合物22.5g(0.013モ
ル)、塩化メチレンを加え全量を750mlにした後、
水酸化ナトリウム水溶液250mlと混合し、10%ト
リエチルアミン水溶液5mlを加え、邪魔板付き反応器
中室温下1時間攪拌を続け重合を完了させた。
【0077】
【化33】 反応終了後、有機層に塩化メチレン1リットルを加えて
希釈し、水、希塩酸、水の順に洗浄した後、メタノール
中に投入してポリカーボネート共重合体を得た。
【0078】このようにして得られた共重合体は塩化メ
チレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃
における還元濃度[ηsp/c]が0.78dl/gであ
った。1H−NMRスペクトル分析より下記の繰り返し
単位からなることが確認された。CD2Cl2中TMS基
準の化学シフト(ppm)と帰属を次に示す。7.5
(dd):1.52H,7.25(dd):6.16
H,6.7〜7.2(m):0.32H,2.65
(m):0.16H、1.30(m):0.16H、
0.65(m):0.16H,1.7(s):4.62
H,0.2(m):4.8H
【0079】
【化34】
【0080】電荷輸送物質として、下記のヒドラゾン化
合物の50wt%のテトラヒドロフラン溶液を調製し、
塗工液とした。この塗工液は、1カ月間放置しても、白
濁、ゲルの発生等は見られなかった。導電性基板をアル
ミニウムとして、オキソチタニウムフタロシアニンを用
いた約0.5μmの電荷発生層上にこの塗工液を浸漬塗
工法により塗布し、乾燥後、20μmの電荷輸送層を設
けて積層型電子写真感光体を作製した。塗布時に電荷輸
送層が結晶化することはなかった。また、電子写真持性
は、静電気帯電試験装置EPA−8100((株)川口
電機製作所製)を用いて測定した。−6KVのコロナ放
電を行ない、初期表面電位(V0)、光照射(10Lu
x)後の残留電位(VR)、半減露光量(E1/2)を測定
した。結果を表1に示す。また、この電荷輸送層の耐摩
耗性を摩耗試験機を用いて評価した。試験条件は200
gの荷重をかけた摩耗紙上でサンプルを1,200回往
復運動させ、その後の減耗量の変化を測定した。結果は
表2に示したようになった。
【0081】
【化35】
【0082】実施例2 原料モノマーとして1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン67.7g(0.235モル)を
用いて、実施例1と同様にオリゴマーの塩化メチレン溶
液を得た。
【0083】このオリゴマー溶液に末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノール0.15g及び下記のジ
ヒドロキシジアリール化合物24.0g(0.08モ
ル)、塩化メチレンを加え全量を750mlにし、十分
に攪拌した後、9、9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン6.3g(0.17モル)の10%水酸
化カリウム水溶液250mlを混合し、10%トリエチ
ルアミン水溶液5mlを加え、邪魔板付き反応器中室温
下1時間攪拌を続け重合を完了させた。
【0084】
【化36】
【0085】反応終了後、有機層に塩化メチレン1リッ
トルを加えて希釈し、水、希塩酸、水、の順に洗浄した
後、メタノール中に投入してポリカーボネート共重合体
を得た。
【0086】このようにして得られた共重合体は塩化メ
チレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃
における還元濃度[ηsp/c]が0.75dl/gであ
った。1H−NMRスペクトル分析より下記の繰り返し
単位からなることが確認された。CD2Cl2中TMS基
準の化学シフト(ppm)と帰属を次に示す。7.25
(dd):7.2H,7.20(dd):0.56H,
8.0(m):0.19H,7.0〜7.4(m):
0.42H,6.7〜7.2(m):0.24H,7.
6(m):6H,2.30(m):3.6H,1.66
(m):3.6H,1.50(m):1.8H,2.0
5(m):0.12H,1.30(m):0.12H,
0.65(m):0.12H
【0087】
【化37】
【0088】この重合体を用いて、実施例1と同様にし
て積層型電子写真感光体を作製した。塗工液の安定性、
塗布時の結晶化の評価結果は、いずれも実施例1と同様
であった。また、電子写真特性、耐摩耗性の評価結果は
それぞれ表1及び表2に示したようになった。
【0089】実施例3 原料モノマーとして2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチル−フェニル)プロパン53.6g(0.235
モル)を用いて、実施例1と同様にオリゴマーの塩化メ
チレン溶液を得た。
【0090】このオリゴマー溶液に末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノール0.15g及び下記のジ
ヒドロキシジアリール化合物2.8g(0.014モ
ル)、塩化メチレンを加え全量を750mlにし、十分
に攪拌した後、2,7−ジヒドロキシナフタレン4.3
g(0.027モル)の10%水酸化カリウム水溶液2
50mlを混合し、10%トリエチルアミン水溶液5m
lを加え、邪魔板付き反応器中室温下1時間攪拌を続け
重合を完了させた。
【0091】
【化38】
【0092】反応終了後、有機層に塩化メチレン1リッ
トルを加えて希釈し、水、希塩酸、水、の順に洗浄した
後、メタノール中に投入してポリカーボネート共重合体
を得た。
【0093】このようにして得られた共重合体は塩化メ
チレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃
における還元濃度[ηsp/c]が0.74dl/gであ
った。1H−NMRスペクトル分析より下記の繰り返し
単位からなることが確認された。CD2Cl2中TMS基
準の化学シフト(ppm)と帰属を次に示す。7.15
(m):5.1H,7.95(d):0.2H,7.7
5(d):0.2H,7.40(d):0.2H,6.
72〜7.2:0.4H,7.65(m):3.85
H,2.20(s):5.1H,1.67(s):5.
1H,2.65(m):0.2H,1.30(m):
0.2H,0.65(m):0.2H,0.15
(m):2.25H
【0094】
【化39】
【0095】この重合体を用いて、実施例1と同様にし
て積層型電子写真感光体を作製した。塗工液の安定性、
塗布時の結晶化の評価結果は、いずれも実施例1と同様
であった。また、電子写真特性、耐摩耗性の評価結果は
それぞれ表1及び表2に示したようになった。
【0096】比較例1 欧州特許出願公開第500087号明細書(1992
年)の記載に準じて、原料モノマーとしてビスフェノー
ルA54.7g(0.24モル)、下記のジヒドロキシ
ジアリール化合物108g(0.03モル)を濃度8%
の水酸化ナトリウム水溶液550mlに加え、激しく攪
拌したが、溶解せず均一な溶液が得られず、油状物の分
散液になった。
【0097】この分散液と、末端停止剤としてp−te
rt−ブチルフェノール0.15g、10%トリエチル
アミン水溶液5ml及び塩化メチレン250mlを邪魔
板付き反応器内に導入したところ、白色の結晶が析出し
た。この反応液を10℃付近に保持して結晶が細かく砕
けるように激しく攪拌しながら、ホスゲンガスを340
ml/minの割合で30分間吹き込んだ。更に、常温
下2時間攪拌を続け、重合の完結を試みた。
【0098】
【化40】
【0099】反応終了後、有機層に塩化メチレン1リッ
トルを加えて希釈し、水、希塩酸、水、の順に洗浄した
後、メタノール中に投入してポリカーボネート共重合体
を得た。
【0100】このようにして得られた共重合体は塩化メ
チレンを溶媒とする濃度0.5g/dlの溶液の20℃
における還元濃度[ηsp/c]が0.45dl/gであ
り、GPC分析の結果、不均一な分子量分布を示す二つ
のピークをもつ分布曲線が確認された。1H−NMRス
ペクトル分析より下記の繰り返し単位からなることが確
認された。CD2Cl2中TMS基準の化学シフト(pp
m)と帰属を次に示す。7.25(dd):7.6H,
6.72〜7.2(m):0.4H,2.65(m):
0.2H,1.7(s):5.4H,1.30(s):
0.2H,0.65(m):0.2H,0.2(m):
9.8H
【0101】
【化41】
【0102】この重合体を用いて、実施例1と同様にし
て積層型電子写真感光体を作製した。その結果、塗工液
は3日目に白濁し、ゲルが発生した。また、塗布時電荷
輸送層の一部が結晶化(白化)した。電子写真特性の評
価結果は表1に示したように電子写真感光体として満足
できるものではなかった。耐摩耗性の評価結果はそれぞ
れ表2に示したようになった。
【0103】比較例2 市販のポリマーであるビスフェノールZ(末端停止剤と
してp−tert−ブチルフェノール)を用いて製造さ
れた下記構造のポリカーボネート([ηsp/c]=0.
78dl/g)を用いて、実施例1と同様に積層型電子
写真感光体を作製した。その結果、塗工液は2日目に白
濁し、ゲルが発生した。また、塗布時には電荷輸送層の
一部が結晶化(白化)した。得られた積層型電子写真感
光体の電子写真特性及び耐摩耗性の評価結果はそれぞれ
表1、表2に示したようになった。
【0104】
【化42】
【0105】
【0106】
【表1】
【0107】
【表2】
【0108】
【発明の効果】本発明によると、透明性及び耐摩耗性に
優れたポリカーボネート共重合体を得ることができ、ま
た長期間にわたって優れた耐刷性と電子写真特性を維持
する電子写真感光体を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 長尾 知浩 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A) 【化1】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6 は各々独立
    に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の
    置換若しくは無置換のアリール基を示し、R7 及びR8
    各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル
    基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
    基を示し、Xは炭素数1〜6の置換若しくは無置換のア
    ルキレン基を示し、nは1〜6の整数を示し、a及びb
    は各々独立に、0〜4の整数を示し、pは自然数、qは
    0又は自然数を示し、p+qは150未満である。]で
    表される繰り返し単位(A)及び下記一般式(B1)若
    しくは(B2) 【化2】 [式中、R9 及びR10 は各々独立に、ハロゲン原子、炭
    素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若
    しくは無置換のアリール基を示し、c及びdは各々独立
    に、0〜4の整数を示し、Yは単結合、−O−、−S
    −、−CO−、−SO−、−SO2 −、 【化3】 (ただし、R11、R12、R13、R14及びR15は各々独立
    に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素
    数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基を示し、
    eは各々独立に0〜4の整数、fは各々独立に0〜6の
    整数を示し、Vは単結合、−O−又は−CO−を示
    す。)を示し、Wは 【化4】 (ただし、R16は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1
    〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無
    置換のアリール基を示し、gは各々独立に0〜4の整数
    を示し、hは0〜2の整数を示す。)]で表わされる繰
    り返し単位(B1)若しくは(B2)及び下記一般式
    (C) 【化5】 [式中、R17及びR18は各々独立に、フッ素以外のハロ
    ゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜1
    2の置換若しくは無置換のアリール基を示し、iは各々
    独立に0〜4の整数を示し、Zは炭素数2〜12のα,
    ω−アルキレン基、炭素数5〜8の1,1−シクロアル
    キレン基又は−CR1920−(ただし、R19及びR20
    各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメ
    チル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12
    の置換若しくは無置換のアリール基を示す。) で表わさ
    れる二価の基を示す。]で表わされる繰り返し単位
    (C)を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.
    5g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.2〜
    2.5dl/gであることを特徴とするポリカーボネー
    ト共重合体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(D) 【化6】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々独立
    に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の
    置換若しくは無置換のアリール基を示し、R7 及びR8
    各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル
    基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
    基を示し、Xは炭素数1〜6の置換若しくは無置換のア
    ルキレン基を示し、nは1〜6の整数を示し、a及びb
    は各々独立に、0〜4の整数を示し、pは自然数、qは
    0又は自然数を示し、p+qは150未満である。]で
    表される二価フェノール(D)及び下記一般式(E1)
    若しくは(E2) 【化7】 [式中、R9及びR10は各々独立に、ハロゲン原子、炭
    素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若
    しくは無置換のアリール基を示し、c及びdは各々独立
    に、0〜4の整数を示し、Yは単結合、−O−、−S
    −、−CO−、−SO−、−SO2−、 【化8】 (ただし、R11、R12、R13、R14及びR15は各々独立
    に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素
    数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基を示し、
    eは各々独立に、0〜4の整数、fは各々独立に、0〜
    6の整数を示し、Vは単結合、−O−又は−CO−を示
    す。)を示し、Wは 【化9】 (ただし、R16は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1
    〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無
    置換のアリール基を示し、gは各々独立に、0〜4の整
    数を示し、hは各々独立に、0〜2の整数を示す。)]
    で表わされる二価フェノール(E1)若しくは(E2)
    及び下記一般式(F) 【化10】 [式中、R17及びR18は各々独立に、フッ素以外のハロ
    ゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜1
    2の置換若しくは無置換のアリール基を示し、iは0〜
    4の整数を示し、Zは炭素数2〜12のα,ω−アルキ
    レン基、炭素数5〜8の1,1−シクロアルキレン基又
    は−CR1920−(ただし、R19及びR20は各々独立
    に、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、
    炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若
    しくは無置換のアリール基を示す。) で表わされる二価
    の基を示す。]で表わされる二価フェノールに、炭酸エ
    ステル形成性化合物を反応させることを特徴とする請求
    項1記載のポリカーボネート共重合体の製造法。
  3. 【請求項3】 導電性基板上に感光層を設けた電子写真
    感光体において、該感光層のバインダー樹脂として、下
    記一般式(A) 【化11】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は各々独立
    に、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の
    置換若しくは無置換のアリール基を示し、R7及びR8
    各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル
    基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール
    基を示し、Xは炭素数1〜6の置換若しくは無置換のア
    ルキレン基を示し、nは1〜6の整数を示し、a及びb
    は各々独立に、0〜4の整数を示し、pは自然数、qは
    0又は自然数を示し、p+qは150未満である。]で
    表される繰り返し単位(A)及び下記一般式(B1)若
    しくは(B2) 【化12】 [式中、R9及びR10は各々独立に、ハロゲン原子、炭
    素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若
    しくは無置換のアリール基を示し、c及びdは各々独立
    に、0〜4の整数を示し、Yは単結合、−O−、−S
    −、−CO−、−SO−、−SO2−、 【化13】 (ただし、R11、R12、R13、R14及びR15は各々独立
    に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素
    数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基を示し、
    eは各々独立に、0〜4の整数、fは各々独立に、0〜
    6の整数を示し、Vは単結合、−O−又は−CO−を示
    す。)を示し、Wは 【化14】 (ただし、R16は各々独立に、ハロゲン原子、炭素数1
    〜6のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無
    置換のアリール基を示し、gは各々独立に、0〜4の整
    数を示し、hは各々独立に、0〜2の整数を示す。)]
    で表わされる繰り返し単位(B1)若しくは(B2)及
    び下記一般式(C) 【化15】 [式中、R17及びR18は各々独立に、フッ素以外のハロ
    ゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜1
    2の置換若しくは無置換のアリール基を示し、iは各々
    独立に、0〜4の整数を示し、Zは炭素数2〜12の
    α,ω−アルキレン基、炭素数5〜8の1,1−シクロ
    アルキレン基又は−CR1920−(ただし、R19及びR
    20は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、トリフルオ
    ロメチル基、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜
    12の置換若しくは無置換のアリール基を示す。) で表
    わされる二価の基を示す。]で表わされる繰り返し単位
    (C)を有し、かつ塩化メチレンを溶媒とする濃度0.
    5g/dlの溶液の20℃における還元粘度が0.2〜
    2.5dl/gであるポリカーボネート共重合体を用い
    たことを特徴とする電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート共重合体の前記一般式
    (A)で表わされる繰り返し単位の含有割合が0.00
    1〜15モル%であり、前記一般式(B1)若しくは
    (B2)で表わされる繰り返し単位の含有割合が5〜5
    0モル%である請求項3記載の電子写真感光体。
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