JP6542363B2 - メモリセル、半導体デバイスおよび製造方法 - Google Patents

メモリセル、半導体デバイスおよび製造方法 Download PDF

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Description

[優先権主張]
本出願は、2014年10月16日に出願された米国特許出願整理番号14/516,347“MEMORY CELLS,SEMICONDUCTOR DEVICES,AND METHODS OF FABRICATION”の出願日の利益を享受する権利を主張する。
本開示は、様々な実施形態において、概して、メモリデバイス設計および製造の分野に関する。より詳細には、本開示は、スピントルクトランスファー磁気ランダムアクセスメモリ(STT−MRAM)セルとして特徴づけられるメモリセルの設計および製造に関し、このようなメモリセル内で使用される半導体構造、およびこのようなメモリセルを組み込む半導体デバイスに関する。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、磁気抵抗に基づいた不揮発性コンピュータメモリ技術である。MRAMの一種は、スピントルクトランスファーMRAM(STT−MRAM)であり、磁気セルコアは、例えば、“固定領域”と“自由領域”の少なくとも二つの磁気領域と、その間の非磁気領域とを有する磁気トンネル接合(“MTJ”)サブ構造を含む。自由領域および固定領域は、領域の幅に対して水平方向に配向される(“平面内”)か、鉛直方向に配向される(“平面外”)かのいずれかの磁気配向を示すことができる。固定領域は、実質的に固定された(例えば、スイッチング不能な)磁気配向を有する磁気材料を含む。一方、自由領域は、セルの動作中に“パラレル”構造と“アンチパラレル”構造との間でスイッチングされ得る磁気配向を有する磁気材料を含む。パラレル構造においては、固定領域および自由領域の磁気配向は、同一方向(例えば、其々、北と北、東と東、南と南または西と西)に方向づけられる。“アンチパラレル”構造においては、固定領域および自由領域の磁気配向は、反対方向(例えば、其々、北と南、東と西、南と北、または西と東)に方向づけられる。パラレル構造においては、STT−MRAMセルは、磁気抵抗素子(例えば、固定領域および自由領域)にわたってより低い電気抵抗を示し、MRAMセルの“0”論理状態を規定する。アンチパラレル構造においては、STT−MRAMセルは、磁気抵抗素子にわたってより高い電気抵抗を示し、STT−MRAMセルの“1”論理状態を規定する。
自由領域の磁気配向のスイッチングは、固定領域および自由領域を含む磁気セルコアにプログラミング電流を通すことによって達成されることができる。固定領域は、プログラミング電流の電子スピンを分極させ、コアをスピン分極電流が通ると、トルクが生成される。スピン分極電流は、自由領域に対してトルクを及ぼす。スピン分極電流のトルクが自由領域の臨界スイッチング電流密度(J)よりも大きいと、自由領域の磁気配向の方向がスイッチングされる。したがって、プログラミング電流は、磁気領域にわたる電気抵抗を変化させるために用いられることができる。結果として生じる磁気抵抗素子にわたる高い、または低い電気抵抗状態は、MRAMセルの書き込みおよび読み出し動作を可能とする。所望の論理状態に関連付けられたパラレル構造とアンチパラレル構造のうちの一つを達成するための、自由領域の磁気配向のスイッチング後、自由領域の磁気配向は、MRAMセルが異なる構造(即ち、異なる論理状態)に書き換えられるべき時まで、“保存”段階の間、維持されることが通常、望まれる。
幾つかのSTT−MRAMセルは、デュアル酸化物領域、即ち、MTJサブ構造の“中間酸化物領域”(“トンネルバリア”とも呼ばれることがある)に加えて、別の酸化物領域を含む。自由領域は、中間酸化物領域と、別の酸化物領域との間にあってもよい。二つの酸化物領域に対する自由領域の露出は、セルコア内の減衰を低下させるとともに、自由領域の磁気異方性(“MA”)強度を増加させることがある。例えば、酸化物領域は、例えば、自由領域の隣接する材料との表面/界面MAを誘発するように構成されることができる。MAは、磁気材料の磁気特性の方向依存性を示すものである。したがって、MAは、また、材料の磁気配向の強度を示すもの、および磁気配向の変化に対するその抵抗性を示すものでもある。高いMA強度を有する磁気配向を示す磁気材料は、より低いMA強度を有する磁気配向を示す磁気材料よりも、その磁気配向の変化を受けにくいことがある。さらに、デュアル酸化物領域によって提供される低い減衰は、セルのプログラミング中の低いプログラミング電流の利用を可能とすることができる。高いMA強度を有する自由領域は、低いMA強度を有する自由領域よりも保存中により安定であることができ、減衰の低いセルコアは、減衰のより高いセルコアよりもより効率的にプログラムされることができる。
ただ一つの酸化物領域(即ち、中間酸化物領域)に隣接する自由領域と比較すると、デュアル酸化物領域は、自由領域のMA強度を増加させ、セルコアの減衰を低下させることができ、磁気セルコア内に追加された酸化物材料の量は、コアの電気抵抗(例えば、直列抵抗)を増加させることがあり、それによって、ただ一つの酸化物領域(即ち、中間酸化物領域)を含むセルコアと比較すると、セルの実効磁気抵抗(例えば、トンネル磁気抵抗(“TMR”))を低下させる。電気抵抗の増加は、また、セルの抵抗面積(“RA”)を増加させ、プログラミング中の、自由領域の磁気配向をスイッチングするために必要な電圧を増加させることがある。実効磁気抵抗の減少は、RAおよびプログラミング電圧の増加により、セルの性能を低下させることがある。したがって、磁気抵抗(例えば、TMR)、RAおよびプログラミング電圧などの他の特性を低下させることなく、高いMA強度および低い減衰のために、自由領域の周囲にデュアル酸化物領域を有するようにSTT−MRAMセルを形成することは、課題を提示する。
自由領域の他の有利な特性は、しばしば、自由領域の微細構造と関連付けられる。これらの特性は、例えば、セルのTMRを含む。TMRは、アンチパラレル構造(Rap)におけるセルの電気抵抗と、パラレル構造(R)におけるその抵抗との間の差の、Rに対する比(即ち、TMR=(Rap−R)/R)である。一般的に、均質な結晶構造(例えば、bcc(001)結晶構造)を有し、その磁気材料の微細構造内にほとんど構造的欠陥がない自由領域は、構造的欠陥を有する薄い自由領域よりも高いTMRを有する。高いTMRを有するセルは、高い読み出し信号を有することができ、これは、動作中のMRAMセルの読み出し速度を増加させることができる。高いTMRは、高いMAおよび低い減衰を伴うことができ、低いプログラミング電流の使用を可能とする。
所望の結晶構造で磁気材料を形成するための努力が行われてきた。これらの努力は、隣接する材料(“結晶シード材料”と本明細書でよばれる)から磁気材料(“対象磁気材料”と本明細書でよばれる)に所望の結晶構造を伝搬することを含み、この伝搬は、材料のアニーリングによって支援されることができる。しかしながら、結晶シード材料と、対象磁気材料と双方の同時の結晶化は、対象磁気材料に完全に伝搬するために結晶シード材料が所望の結晶構造を有する前に、望ましくない結晶構造で対象磁気材料を結晶化することにつながることがある。したがって、結晶シード材料が所望の結晶構造に結晶化される後まで、対象磁気材料の結晶化を遅らせるための努力が行われてきた。これらの努力は、最初に形成されるときに材料が非晶質であるように、対象磁気材料内に添加物を入れることを含んでいた。添加物は、アニール中に対象磁気材料外へと拡散することができ、結晶シード材料が所望の結晶構造に結晶化された後で、結晶シード材料からの伝搬の下で対象磁気材料を結晶化することを可能とする。しかしながら、これらの努力は、結晶シード材料以外の隣接する材料からの競合する結晶構造の伝搬を抑制しない。さらに、対象磁気材料から拡散する添加物は、添加物が構造の他の特性、例えば、MA強度を阻害する場合に、構造内の領域に拡散することがある。したがって、MA強度などの、結果として生じる構造または磁気材料の他の特性を低下させることなく、例えば、高いTMRを可能とするために、所望の微細構造で磁気材料を形成することは、また、課題を提示することがある。
メモリセルが開示される。メモリセルは、磁気セルコアを含む。磁気セルコアは、固定領域と、自由領域と、固定領域および自由領域の間の中間酸化物領域とを含む磁気トンネル接合サブ構造を含む。第二の酸化物領域は、磁気トンネル接合サブ構造に隣接する。ゲッタシード領域は、第二の酸化物領域に近接し、酸素に結合された酸素ゲッタ種を含む。第二の酸化物領域およびゲッタ領域のうちの少なくとも一つは、拡散された種に結合された別のゲッタ種を含む。

コバルト(Co)および鉄(Fe)を含む磁気領域を含むメモリセルも開示される。磁気領域は、スイッチング可能な磁気配向を示す。酸化物領域は、磁気領域と、実質的に固定された磁気配向を示す別の磁気領域との間に配置される。別の酸化物領域は、磁気領域に隣接し、磁気領域との界面に近接して高濃度の酸素を含む。非晶質ゲッタシード領域は、別の酸化物領域に隣接する。ゲッタシード領域は、酸素、ホウ素、酸素ゲッタ種、ホウ素ゲッタ種を含む。
メモリセルを形成する方法もまた開示される。方法は、前駆体構造を形成することを含む。前駆体構造を形成することは、基板の上に前駆体ゲッタシード材料を形成することを含む。前駆体酸化物材料は、前駆体ゲッタシード材料の上に形成される。前駆体磁気材料は、前駆体酸化物材料の上に形成される。前駆体ゲッタシード材料に対して、拡散性の種は、前駆体磁気材料から拡散され、酸素は、前駆体酸化物材料から拡散され、前駆体磁気材料の少なくとも一部を空乏磁気材料に変換し、前駆体酸化物材料の少なくとも一部を酸素空乏材料に変換し、前駆体ゲッタシード材料の少なくとも一部を濃縮ゲッタシード材料に変換する。前駆体構造はパターン化され、濃縮ゲッタシード材料から形成されるゲッタシード領域と、酸素空乏材料から形成される第二の酸化物領域と、空乏磁気材料から形成される自由領域とを含むセルコア構造を形成する。
半導体構造を形成する方法もまた開示される。方法は、基板の上に非晶質前駆体ゲッタシード材料を形成することを含む。非晶質前駆体ゲッタシード材料は、ホウ素ゲッタ種と、酸素ゲッタ種とを含む。酸素を含む前駆体酸化物材料は、非晶質前駆体ゲッタシード材料の上に形成される。ホウ素を含む前駆体磁気材料は、前駆体酸化物材料の上に形成される。別の酸化物材料は、前駆体磁気材料の上に形成される。少なくとも前駆体磁気材料と前駆体酸化物材料とは、非晶質前駆体ゲッタシード材料のホウ素ゲッタ種と、前駆体磁気材料からのホウ素とを反応させ、非晶質前駆体ゲッタシード材料の酸素ゲッタ種と、前駆体酸化物材料からの酸素とを反応させるためにアニールされる。
さらに、STT−MRAMセルを含むスピントルクトランスファー磁気ランダムアクセスメモリ(STT−MRAM)アレイを含む半導体デバイスが開示される。STT−MRAMセルのうちの少なくとも一つのSTT−MRAMセルは、基板の上に磁気トンネル接合サブ構造を含む。磁気トンネル接合サブ構造は、自由領域と、固定領域と、中間酸化物領域とを含む。自由領域は、鉛直方向にスイッチング可能な磁気配向を示す。固定領域は、鉛直方向に実質的に固定された磁気配向を示す。中間酸化物領域は、自由領域と固定領域との間にある。別の酸化物領域は、自由領域と接触する。非晶質領域は、自由領域および別の酸化物領域に隣接する。非晶質領域は、ホウ素と酸素とを含む。
本開示の一実施形態による磁気セル構造の概略断面立面図であって、ゲッタシード領域は、二次的酸化物領域に隣接している。 本開示の別の実施形態による、図1の長方形1Aの拡大図であって、固定領域は、酸化物隣接部分と、中間部分と、電極隣接部分とを含む。 本開示の別の実施形態による、図1の長方形1Bの図であって、固定領域および自由領域は、平面内磁気配向を示す。 本開示の実施形態による、図1、図1A、図1Bの磁気セル構造を製造するための処理の様々な段階中の概略断面立面図である。前駆体ゲッタシード材料を形成する処理の段階中の構造の概略断面立面図である。 本開示の実施形態による、図1、図1A、図1Bの磁気セル構造を製造するための処理の様々な段階中の概略断面立面図である。図2の後の処理段階の概略断面立面図であって、前駆体酸化物材料と前駆体磁気材料が前駆体ゲッタシード材料を被覆するように形成される。 図3の長方形3Aの拡大図である。 本開示の実施形態による、図1、図1A、図1Bの磁気セル構造を製造するための処理の様々な段階中の概略断面立面図である。図3の後の処理段階の概略断面立面図であって、図3の構造がアニールされたものである。 図4の長方形4Aの拡大図である。 本開示の実施形態による、図1、図1A、図1Bの磁気セル構造を製造するための処理の様々な段階中の概略断面立面図である。本開示の一実施形態による図4の後の処理段階中の前駆体構造の概略断面立面図である。 本開示の別の実施形態による磁気セル構造の概略断面立面図であって、ゲッタシード領域は、ゲッタ二次的酸化物領域に隣接している。 本開示の実施形態による、図6の磁気セル構造を製造するための処理の様々な段階中の概略断面立面図である。処理の段階中の構造の概略断面立面図であって、前駆体ゲッタ酸化物材料と前駆体磁気材料が前駆体ゲッタシード材料を被覆するように形成される。 図7の長方形7Aの拡大図である。 本開示の実施形態による、図6の磁気セル構造を製造するための処理の様々な段階中の概略断面立面図である。図7の後の処理段階の概略断面立面図であって、図7の構造がアニールされたものである。 図8の長方形8Aの拡大図である。 本開示の実施形態による、図6の磁気セル構造を製造するための処理の様々な段階中の概略断面立面図である。本開示の一実施形態による、図8の後の処理段階中の前駆体構造の概略断面立面図である。 本開示の一実施形態による、磁気セル構造を有するメモリセルを含むSTT−MRAMシステムの概略図である。 本開示の一実施形態による磁気セル構造を有するメモリセルを含む半導体デバイス構造の簡略化ブロック図である。 本開示の一つ以上の実施形態により実装されるシステムの簡略化ブロック図である。
メモリセル、半導体構造、半導体デバイス、メモリシステム、電子システム、メモリセルを形成する方法、半導体構造を形成する方法が開示される。メモリセルの製造中、拡散性の種と、“前駆体ゲッタシード材料”などの隣接する材料の少なくとも一つの“ゲッタ種”との間の化学親和力によって、“拡散性の種”は、“前駆体磁気材料”とも本明細書で特徴づけられる磁気材料から少なくとも部分的に除去される。さらに、メモリセルの製造中、前駆体ゲッタシード材料の酸素ゲッタ種などの少なくとも別のゲッタ種と酸素との間の化学親和力によって、酸素などの別の拡散性の種は、“前駆体酸化物材料”とも本明細書で特徴づけられ得る酸化物材料から少なくとも部分的に除去される。
“空乏磁気材料”と特徴づけられ得るものを形成する前駆体磁気材料からの拡散性の種の除去は、例えば、別の隣接する材料からの結晶構造の伝搬によって、所望の結晶構造(例えば、bcc(001)構造)への空乏磁気材料の結晶化を促進する。この結晶化は、結果として生じるセルコア構造内の高いトンネル磁気抵抗(“TMR”)を促進する。
“酸素空乏材料”として特徴づけられ得るものを形成する、前駆体酸化物材料からの酸素の除去は、酸化物材料の電気抵抗を低下させ、結果として生じるセルコア構造の低い減衰および低い抵抗面積(“RA”)を促進する。したがって、結果として生じるセルコア構造は、実質的に減衰および電気抵抗を増加させる二次的酸化物領域なしで、自由領域に隣接するデュアル酸化物領域を含む。
本明細書で用いられるように、“基板”という語は、メモリセル内などのコンポーネントが形成されるベース材料または他の構造を意味し、含む。基板は、半導体基板、支持構造上のベース半導体材料、金属電極、または一つ以上の材料、構造、もしくは領域がその上に形成される半導体基板とすることができる。基板は、従来のシリコン基板または半導電性材料を含む他のバルク基板であってもよい。本明細書で用いられるように、“バルク基板”という語は、シリコンウェーハのみならず、シリコン・オン・サファイア(“SOS”)基板もしくはシリコン・オン・グラス(“SOG”)基板、ベース半導体基盤上のシリコンのエピタキシャル層などのシリコン・オン・インシュレータ(“SOI”)基板、または、とりわけ、シリコン・ゲルマニウム(Si1−xGe、xは例えば、0.2から0.8の間のモル分率である)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)もしくはリン化インジウム(InP)などの他の半導体または光電子材料も意味し、含む。さらに、以下の記述において、“基板”に対する参照が行われるときには、それ以前の処理段階は、ベース半導体構造もしくは基盤内の材料、領域または接合を形成するために用いられることができる。
本明細書で用いられるように、“STT−MRAMセル”という語は、自由領域と固定領域との間に配置された非磁気領域を含む磁気セルコアを含む磁気セル構造を意味し、含む。非磁気領域は、磁気トンネル接合(“MTJ”)構造の電気的に絶縁性(例えば、誘電性)の領域とすることができる。MTJ構造は、自由領域と固定領域との間に非磁気領域を含む。例えば、自由領域と固定領域との間の非磁気領域は、酸化物領域(本明細書では、“中間酸化物領域”と呼ばれる)とすることができる。
本明細書で用いられるように、“二次的酸化物領域”という語は、中間酸化物領域以外のSTT−MRAMセルの酸化物領域を指す。二次的酸化物領域は、例えば、自由領域などの隣接する磁気材料との磁気異方性(“MA”)を誘発するように調製され、配置されてもよい。
本明細書で用いられるように、“磁気セルコア“という語は、メモリセルの使用および動作中に、自由領域と固定領域の磁気配向のパラレル構造またはアンチパラレル構造をもたらすように電流が通される(即ち、流される)自由領域および固定領域を含むメモリセル構造を意味し、含む。
本明細書で用いられるように、“磁気領域”という語は、磁気を示す領域を意味する。磁気領域は、磁気材料を含み、一つ以上の非磁気材料もまた含んでもよい。
本明細書で用いられるように、“磁気材料”という語は、強磁気材料、フェリ磁気材料、反強磁気および常磁気材料を意味し、含む。
本明細書で用いられるように、“CoFeB材料”および“CoFeB前駆体材料”という語は、コバルト(Co)、鉄(Fe)およびホウ素(B)を含む材料(例えば、CoFe、ここでx=10から80、y=10から80、z=0から50)を意味し、含む。CoFeB材料またはCoFeB前駆体材料は、その構造(例えば、その厚さ)により、磁気を示してもよいし、示さなくてもよい。
本明細書で用いられるように、“種”という語は、材料を構成する元素周期表からの一つ以上の元素を意味し、含む。例えば、限定することなく、CoFeB材料においては、Co、FeおよびBの各々は、CoFeB材料の種とよばれてもよい。
本明細書で用いられるように、“拡散性の種”という語は、材料の化学種を意味し、含み、その欠如は、材料の所望の機能を阻害するものではない。例えば、限定することなく、磁気領域のCoFeB材料において、ホウ素(B)が存在しなくても、それと関係なくコバルト(Co)および鉄(Fe)が磁気材料として機能する(即ち、磁気を示す)という点で、ホウ素(B)は拡散性の種とよばれてもよい。別の例として、限定することなく、二次的酸化物領域の酸化マグネシウム(MgO)材料において、その材料内に酸素(O)が実質的にほとんど存在しなくても、それと関係なく、MgOが隣接する磁気材料とのMAを誘発するように機能し得るという点で、酸素(O)は、拡散性の種と呼ばれてもよい。例えば、MgOは、MA誘発材料のボディの残りに渡って酸素(O)がなくても、もし酸素(O)が磁気材料との界面に沿って存在する場合には、MgOは界面MAを誘発するように機能することができる。拡散に続いて、“拡散性の種”は、“拡散された種”とよばれてもよい。
本明細書で用いられるように、“空乏”という語は、材料を記述するために用いられるとき、前駆体材料から拡散性の種を全体的または部分的に除去した結果として生じる材料を記述する。
本明細書で用いられるように、“濃縮”という語は、材料を記述するために用いられるとき、拡散された種が添加された(例えば、注入された)材料を記述する。
本明細書で用いられるように、“前駆体”という語は、材料、領域、または構造を指すとき、結果として生じる材料、領域または構造へと変形されるべき材料、領域または構造を意味し、指す。例えば、限定することなく、“前駆体材料”とは、空乏材料に前駆体材料を変形するため、その材料由来の種が拡散される材料を指すことがあり、“前駆体材料”とは、濃縮材料に前駆体材料を変形するため、その材料へ種が拡散される材料を指すことがあり、“前駆体材料”とは、“濃縮・空乏”材料へと前駆体材料を変換するために、ある種がその中に拡散されるべきであって、別の種がそこから拡散されるべき材料を指すことがあり、“前駆体構造”とは、結果として生じるパターン化された構造へ前駆体構造を変換するためにパターン化される材料または領域の構造を指すことがある。
本明細書で用いられるように、文脈がそうでないと示さない限りは、“から形成される”という語は、材料または領域を記述するとき、前駆体材料または前駆体領域の変化を生成した作用の結果として生じた材料または領域を指す。
本明細書で用いられるように、“化学親和力”という語は、これにより異なる化学種が化学化合物を形成する傾向がある電子的特性を意味し、指す。化学親和力は、化学化合物の生成熱によって示されてもよい。例えば、拡散性の種と、第2の材料の他の種との間の化学親和力と比較すると、第2の材料の拡散性の種に対してより高い化学親和性を有するものとして記述された第1の材料は、拡散性の種と第2の材料の他の種を含む化学化合物の生成熱よりも、拡散性の種と第1の材料由来の少なくとも一つの種を含む化学化合物の生成熱がより低いことを意味し、含む。
本明細書で用いられるように、“非晶質”という語は、材料に対して言及されるとき、非結晶質の構造を有する材料を意味し、指す。例えば、限定することなく、“非晶質”材料はガラスを含む。
本明細書で用いられるように、“固定領域”という語は、磁気材料を含み、STT−MRAMセルの使用および動作中に固定された磁気配向を有するSTT−MRAMセル内の磁気領域を意味し、含み、セルコアの一つの磁気領域(例えば、自由領域)の磁気配向における変化をもたらす電流または印加された電界は、固定領域の磁気配向における変化はもたらし得ない。固定領域は、一つ以上の磁気材料を含んでもよく、任意で、一つ以上の非磁気材料を含んでもよい。例えば、固定領域は、磁気サブ領域によって接合されたルテニウム(Ru)のサブ領域を含む合成反強磁気体(SAF)として構成されてもよい。あるいは、固定領域は、磁気材料およびカプラ材料の交互のサブ領域の構造で構成されてもよい。磁気サブ領域の各々は、その中に一つ以上の材料および一つ以上の領域を含んでもよい。別の例として、固定領域は、単一の均質な磁気材料として構成されてもよい。したがって、固定領域は、均一の磁化を有してもよく、またはSTT−MRAMセルの使用および動作中に固定された磁気配向を有する固定領域を全体としてもたらす、異なる磁化のサブ領域を有してもよい。
本明細書で用いられるように、“カプラ”という語は、材料、領域またはサブ領域に対して言及されるとき、隣接する磁気材料、領域またはサブ領域を反強磁気的に結合するよう調製されるか、さもなければ構成される材料、領域またはサブ領域を意味し、含む。
本明細書で用いられるように、“自由領域”という語は、磁気材料を含み、STT−MRAMセルの使用および動作中にスイッチング可能な磁気配向を有するSTT−MRAMセル内の磁気領域を意味し、含む。磁気配向は、電流または印加される電界の適用によってパラレル構造とアンチパラレル構造との間でスイッチングされてもよい。
本明細書で用いられるように、“スイッチング”という語は、自由領域および固定領域の磁気配向のパラレルまたはアンチパラレル構造をもたらすために、プログラミング電流がSTT−MRAMセルの磁気セルコアを通過する、メモリセルの使用および動作の段階を意味し、含む。
本明細書で用いられるように、“保存”という語は、STT−MRAMセルの磁気セルコアをプログラミング電流は通過せず、自由領域および固定領域の磁気配向のパラレルまたはアンチパラレル構造が意図的に変化させられないメモリセルの使用および動作の段階を意味し、含む。
本明細書で用いられるように、“鉛直方向”という語は、其々の領域の幅と長さに対し垂直な方向を意味し、含む。“鉛直方向”は、また、STT−MRAMセルが配置される基板の主表面に垂直な方向をも意味し、含んでもよい。
本明細書で用いられるように、“水平方向”という語は、其々の領域の幅と長さのうちの少なくとも一つに対して平行な方向を意味し、含む。“水平方向”は、また、STT−MRAMセルが配置される基板の主表面に平行な方向をも意味し、含んでもよい。
本明細書で用いられるように、“サブ領域”という語は、別の領域に含まれる領域を意味し、含む。したがって、一つの磁気領域は、非磁気サブ領域、即ち、非磁気材料のサブ領域と共に、一つ以上の磁気サブ領域、即ち、磁気材料のサブ領域を含んでもよい。
本明細書で用いられるように、“サブ構造”という語は、別の構造の一部として含まれる構造を意味し、含む。したがって、あるセルコア構造は、一つ以上のサブ構造、例えば、MTJサブ構造を含むことができる。
本明細書で用いられるように、“間”という語は、少なくとも二つの他の材料、領域またはサブ領域に対して、一つの材料、領域またはサブ領域の相対的な配置を記述するために用いられる空間的に相対的な語である。“間”という語は、他の材料、領域またはサブ領域に直接隣接する一つの材料、領域またはサブ領域の配置と、他の材料、領域またはサブ領域に間接的に隣接する一つの材料、領域またはサブ領域の配置との双方を包含し得る。
本明細書で用いられるように、“隣接する”という語は、別の材料、領域またはサブ領域の近傍の一つの材料、領域またはサブ領域の配置を記述するために用いられる空間的に相対的な語である。“隣接する”という語は、そこに間接的に隣接する配置、直接的に隣接する配置、その内部にある配置を含む。
本明細書で用いられるように、別の要素“の上(on)”または別の要素“の上に(over)”あるとされる要素に対する言及は、他の要素の直接上部に、他の要素に隣接して、他の要素の下に、または他の要素に直接接触する要素を意味し、含む。それは、また、それらの間に存在するそのまた他の要素を伴いつつ、他の要素の間接的に上部、他の要素に対し隣接、または他の要素の近傍にある、要素をも含む。対照的に、ある要素が、別の要素の“直接上(directly on)”または“直接隣接して(directly adjacent to)”いるものとして言及される場合には、中間要素は存在しない。
本明細書で用いられるように、“下方(below)”“下部(lower)”“底部(bottom)”“上方(above)”“上部(upper)”“上部(top)”などの他の空間的に相対的な語は、図面内で図示されるように別の(複数の)要素または(複数の)特徴に対する、ある要素または特徴の関係を記述すための記述を容易にするために用いられてもよい。そうでないと特に示されない限り、空間的に相対的な語は、図面内に示される方向に加えて、材料の異なる方向を包含することが意図される。例えば、図面内の材料が反転される場合、他の要素または特徴の“下方(below)”または“下部(under)”または“底部(bottom)”として記述される要素は、今度は、他の要素または特徴の“上方(above)”または“上部(on top of)”に方向づけられるだろう。したがって、“下方(below)”という語は、その語が用いられる文脈によっては、上方と下方の双方の方向を包含することができ、このことは、当業者に明らかであろう。材料は、それ以外の方向に方向づけられてもよく(90度回転される、反転されるなど)、本明細書で用いられる空間的に相対的な語は、それに従って解釈されてもよい。
本明細書で用いられるように、“含む(comprises)”“含む(comprising)”“含む(includes)”および/または“含む(including)”という語は、言及された特徴、領域、段階、動作、要素、材料、コンポーネントおよび/または集合の存在を示すが、一つ以上の他の特徴、領域、段階、動作、要素、材料、コンポーネントおよび/またはその集合、の存在または追加を排除するものではない。
本明細書で用いられるように、“および/または(and/or)”は、関連して記載された項目のうちの一つ以上の任意および全ての組み合わせを含む。
本明細書で用いられるように、“a”“an”および“the”という単数形は、文脈が明確にそうでないと示さない限りは、複数形を同様に含むものと意図される。
本明細書に提示された図示は、任意の特定の材料、種、構造、デバイスまたはシステムの実際の外観を意味するものではなく、本開示の実施形態を記述するために使用される単なる理想化された表現に過ぎない。
本明細書では、概略図である断面図を参照して、実施形態が記述される。したがって、例えば、製造技術および/またはトレランスの結果として図面の形状からの変形が予想されるべきである。したがって、本明細書に記述される実施形態は、図示される特定の形状または領域に限定されると解釈されるべきではなく、例えば、製造技術の結果として生じる形状面での逸脱を含んでもよい。例えば、箱型形状として図示され、または記述される領域は、粗いおよび/または非線形の外形を有してもよい。さらに、鋭角として図示される角度が、丸まっていてもよい。このように、図面内に図示された材料、特徴および領域は、本質的に概略的なものであって、それらの形状は、材料、特徴または領域の精密な形状を説明することを意図するものではなく、本請求項の範囲を限定するものではない。
以下の記述は、材料の種類および処理条件などの具体的な詳細事項を提供し、開示されるデバイスおよび方法に係る実施形態の完全な記述を提供する。しかしながら、デバイスおよび方法に係る実施形態は、これらの具体的な詳細事項を使用しなくても実施できることを、当業者は理解するであろう。実際には、デバイスおよび方法の実施形態は、業界で使用される従来の半導体製造技術と組み合わせて実施することができる。
本明細書で記述される製造プロセスは、半導体デバイス構造を処理するための完全なプロセスフローを形成しない。プロセスフローの残りは、当業者に既知のものである。従って、本デバイスおよび方法の実施形態を理解するうえで必要な方法および半導体デバイス構造のみが本明細書に記述される。
文脈がそうでないと示さない限りは、本明細書で記述される材料は、スピンコーティング、ブランケットコーティング、化学蒸着(“CVD”)、原子層堆積(“ALD”)、プラズマ増強ALD、物理蒸着(“PVD”)(例えば、スパッタリング)またはエピタキシャル成長、を含みつつも、そのいずれにも限定されない任意の適切な技術によって形成されてもよい。形成されるべき特定の材料によって、材料を堆積または成長させるための技術は、当業者によって選択されてもよい。
そうでないと文脈が示さない限りは、本明細書で記述される材料の除去は、エッチング、イオンミリング、研磨平坦化、または他の既知の方法、を含みつつも、そのいずれにも限定されない任意の適切な技術によって達成されてもよい。
ここで、図面に対して参照が行われ、類似の参照番号は、図面を通して類似のコンポーネントを指す。図面は、必ずしも同一の縮尺で描かれるとは限らない。
メモリセルが開示される。メモリセルは、磁気トンネル接合(“MTJ”)サブ構造と、二次的酸化物領域と、ゲッタシード領域とを含む磁気セルコアを含む。ゲッタシード領域は、MTJサブ構造の前駆体磁気材料の拡散性の種に対する化学親和力を有するゲッタ種を含む。ゲッタシード領域は、また、二次的酸化物領域からの酸素に対する化学親和力を有する酸素ゲッタ種を含む。メモリセルの形成中、拡散性の種は、前駆体磁気材料からゲッタシード領域に注入される。また、メモリセルの形成中、二次的酸化物領域からの酸素は、前駆体酸化物材料からゲッタシード領域へ注入される。
前駆体磁気材料からの拡散性の種の除去は、結果として生じる空乏磁気材料の結晶化を可能とし、改善することができる。例えば、拡散性の種が前駆体磁気材料から除去されると、結晶構造は、例えば、MTJサブ構造の中間酸化物領域の隣接する結晶材料、例えば、結晶酸化物材料から空乏磁気材料に伝搬することができる。さらに、結果として生じる濃縮ゲッタシード領域は、非晶質のままであるか、または非晶質となることができる。濃縮ゲッタシード材料の非晶質特性は、隣接する結晶材料、例えば、中間酸化物領域の酸化物材料から、空乏磁気材料への結晶構造の伝搬と競合し得ないか、または悪影響を与え得ない。幾つかの実施形態においては、濃縮ゲッタシード材料は、高温(例えば、約300℃を超える、例えば、約500℃を超える)であっても、非晶質とすることができる。したがって、高温アニールは、濃縮ゲッタシード材料を結晶化することなく、空乏磁気材料の結晶化を促進するために用いられることができる。空乏磁気材料の結晶化は、高いTMR(例えば、約100%を超える、例えば、約120%を超える)を可能とすることができる。さらに、ゲッタ種との結合を介する、濃縮ゲッタシード材料内の拡散された種の保持は、磁気領域と隣接する中間酸化物領域との間の界面に沿ったMA誘発を拡散された種が妨げることを抑制することができる。如何なる理論に限定されることもなく、非磁気材料と、磁気材料との間の結合(例えば、磁気領域内の鉄(Fe)と非磁気領域内の酸素(O)との間、即ち鉄・酸素(Fe−O)結合)は、より高いMA強度および高いTMRに寄与することができることが予測される。空乏磁気材料と、隣接する酸化物領域との間の界面において拡散性の種がほとんど、または全くないことによって、MA誘発結合およびスピンフィルタリング結合を形成することを可能とすることができる。したがって、拡散された種によるMA誘発結合の阻害の欠如は、高いMA強度とTMRとを可能とすることができる。
二次的酸化物領域の前駆体酸化物材料からの酸素の除去は、二次的酸化物領域の結果として生じる空乏酸化物材料内の低い電気抵抗と、最終的なセルコア構造内の低い減衰とを可能とすることができる。しかしながら、前駆体酸化物材料から全ての酸素が除去されるわけではないことが予測される。むしろ、結果として生じる空乏酸化物材料内に残っている任意の酸素(本明細書では“残留酸素”と呼ばれることがある)は、例えば、MTJサブ構造内の自由領域の、二次的酸化物領域と、隣接する磁気材料との間の界面に沿って最大濃度の酸素を含むことがある。したがって、例えば、空乏磁気材料内の鉄(Fe)と空乏酸化物材料内の残留酸素(O)との間のMA誘発結合は、依然界面MAを形成し誘発することがある。したがって、デュアル酸化物領域は、高いMA誘発を促進するために用いられ、二次的酸化物領域内の酸素濃度の空乏が、構造内に含まれる二次的酸化物領域があっても、セルコア構造内の低い電気抵抗と低い減衰とを可能とすることができる。
結晶化を促進するための前駆体磁気材料からの拡散性の種の空乏と、低い電気抵抗および低い減衰を促進するための、前駆体酸化物材料からの酸素の空乏があっても、磁気メモリセルは、高いTMR、高いMA強度、低い電気抵抗(低い抵抗面積(“RA”)を含む)および低い減衰で形成されることができる。
図1は、本開示による磁気セル構造100の一実施形態を図示する。磁気セル構造100は、基板102の上の磁気セルコア101を含む。磁気セルコア101は、上部電極104と下部電極105との間に配置されてもよい。磁気セルコア101は、ある磁気領域と別の磁気領域、例えば、其々“固定領域”110と“自由領域”120を含み、その間に酸化物領域(例えば、“中間酸化物領域”130)を有する。固定領域110、自由領域120およびその間の中間酸化物領域130のサブ構造は、本明細書では、磁気トンネル接合(“MTJ”)サブ構造123またはMTJ構造123と呼ばれることがある。したがって、中間酸化物領域130は、トンネルバリア領域として構成されてもよく、界面131に沿って固定領域110と接触してもよく、界面132に沿って自由領域120と接触してもよい。
固定領域110および自由領域120のうちのいずれか、またはその双方は、均質に形成、または、任意に2以上のサブ領域を含むように形成されてもよい。例えば、図1Aを参照すると、幾つかの実施形態においては、磁気セルコア101(図1)の固定領域110’は、複数の部分を含んでもよい。例えば、固定領域110’は、酸化物隣接部分113として磁気サブ領域を含んでもよい。導電性サブ領域などの中間部分115は、電極隣接部分117から酸化物隣接部分113を分離してもよい。電極隣接部分117は、磁気サブ領域118とカプラサブ領域119の交互の構造を含んでもよい。
図1を続けて参照すると、一つ以上の下部中間領域140は、任意に、磁気領域(例えば、固定領域110および自由領域120)の下に配置されてもよく、一つ以上の上部中間領域150は、任意に、磁気セル構造100の磁気領域の上に配置されてもよい。下部中間領域140および上部中間領域150は、もしこれらが含まれる場合には、メモリセルの動作中に、下部電極105と上にある材料との間、および上部電極104と下にある材料との間の種の拡散を其々、抑制するように構成されてもよい。下部中間領域140および上部中間領域150は、追加的または代替的に、隣接する材料内の所望の結晶化を促進するように調製された材料を含んでもよい。
二次的酸化物領域170は、MTJサブ構造123に隣接して配置される。例えば、二次的酸化物領域170は、自由領域120に隣接していてもよい。幾つかの実施形態においては、二次的酸化物領域170は、界面172に沿って自由領域120と直接物理的に接触してもよい。このような二次的酸化物領域170は、したがって、自由領域120の磁気材料内の界面MAを誘発するように配置されることができる。このような実施形態においては、磁気セル構造100は、“デュアル酸化物”構造で構成されることができる。
自由領域120は、また、ゲッタシード領域180に隣接して配置されることができる。幾つかの実施形態においては、ゲッタシード領域180は、二次的酸化物領域170によって自由領域120から離隔されることができる。幾つかの実施形態においては、ゲッタシード領域180は、界面178に沿って二次的酸化物領域170と直接物理的に接触してもよい。ゲッタシード領域180は、少なくとも一つのゲッタ種を含む前駆体ゲッタシード材料から形成される。幾つかの実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料は、少なくとも二つのゲッタ種を含み、そのうちの少なくとも一方は、隣接する前駆体磁気材料由来の拡散性の種に対する化学親和力を有するように調製され、その少なくとも他方は、隣接する前駆体酸化物材料由来の酸素などの拡散性の種に対する化学親和力を有するように調製される。幾つかの実施形態においては、図6から図9を参照して以下にさらに議論されるが、前駆体磁気材料の拡散性の種に対する化学親和力を有するゲッタ種は、二次的酸化物領域170に含まれてもよい。各ゲッタ種は、対応する隣接する前駆体材料の他の種と、対応する対象の拡散性の種との間の化学親和力よりも、その対応する対象の拡散性の種に対してより高い化学親和力を有することができる。
前駆体磁気材料の拡散性の種の最初の存在は、前駆体磁気材料の結晶化を抑制することがあるが、前駆体磁気材料に対するゲッタシード領域180の近接性は、前駆体磁気材料からゲッタシード領域180の材料に対する拡散性の種の拡散を可能とすることができる。拡散されると、拡散された種は、ゲッタ種と化学反応することができ、最終構造内のゲッタシード領域180内に残る化合物を形成する。
前駆体磁気材料からの拡散性の種の除去は、所望の結晶構造(例えば、bcc(001))へ結晶化することができる空乏磁気材料(即ち、拡散前の濃度に比較して、より低い濃度の拡散性の種を有する磁気材料)を残す。所望の結晶構造は、一つ以上の隣接する材料、例えば、中間酸化物領域130の酸化物から伝搬されることができる。所望の結晶構造を有する結晶化された空乏磁気材料は、高いTMR(例えば、約100%(約1.00)を超える、例えば、約120%(約1.20)を超える)を示すことができる。
前駆体酸化物材料の拡散性の種は、酸素(O)とすることができ、前駆体酸化物材料内のその最初の存在は、電気抵抗および酸化物材料内の高い減衰に寄与する。前駆体酸化物材料に対するゲッタシード領域180の近接性は、前駆体酸化物材料からゲッタシード領域180への酸素(O)の拡散を可能とすることができる。拡散されると、拡散された種(O)は、他のゲッタ種と化学反応することができ、これは、本明細書では、“酸素ゲッタ種”とよばれることがあり、最終構造においてゲッタシード領域180内に残る酸化物化合物を形成する。
幾つかの実施形態においては、ゲッタシード領域180は、隣接する空乏磁気材料が結晶化する間、非晶質であって、非晶質のままであるように調製されることができる。したがって、ゲッタシード領域180の前駆体材料は、最初に形成されたときに非晶質とすることができ、例えば、アニール中など高温であっても、また、前駆体磁気材料および前駆体酸化物材料から拡散された種で濃縮されたとしても、非晶質のままであることができる。したがって、ゲッタシード領域180の材料は、隣接する空乏磁気材料の結晶化を抑制し得ない。
ゲッタシード領域180の厚さ、組成および構造は、ゲッタシード領域180内で、前駆体磁気材料からの拡散性の種に対して十分な量のゲッタ種と、前駆体酸化物材料からの拡散性酸素(O)に対して十分な量の酸素ゲッタ種と、を提供するように選択されることができ、隣接する前駆体磁気材料と隣接する前駆体酸化物材料から拡散された種を受け取って、結合するための所望の性質を有する。より厚いゲッタシード領域は、より薄いゲッタシード領域と比較すると、拡散された種に対して比較的高い性質を有することができる。図1に示されたような一実施形態によると、ゲッタシード領域180は、約7.5Å(約0.75nm)と約30Å(約3.0nm)の間の厚さであってもよい。
二次的酸化物領域170の厚さ、組成および構造は、前駆体磁気材料から二次的酸化物領域170の材料を通って、ゲッタシード領域180に、拡散性の種の拡散を可能とするように選択されることができる。例えば、二次的酸化物領域170の厚さは、十分高い厚さに成るように調製されることができ、十分に低い厚さでも自由領域120との界面172に沿って界面MAが誘発され、前駆体磁気材料からの拡散性の種がそこを通って拡散でき、十分な酸素が二次的酸化物領域170の材料からゲッタシード領域180へと拡散することができ、低い電気抵抗および低い減衰を提供することができるようにする。したがって、二次的酸化物領域170の厚さは、MTJサブ構造123内の中間酸化物領域130の厚さよりも小さくすることができる。図1に示されたような一実施形態によると、二次的酸化物領域170は、約2Å(約0.2nm)と約10Å(約1.0nm)の間の厚さとすることができ、中間酸化物領域130の厚さは、約5Å(約0.5nm)と約10Å(約1.0nm)の間とすることができる。
幾つかの実施形態(図示せず)においては、さらなるゲッタシード領域が存在してもよい。例えば、別のゲッタシード領域は、二次的酸化物領域170の内部に、または二次的酸化物領域170および自由領域120のうちの一方またはその双方に側方向に隣接して配置されてもよい。さらなるゲッタシード領域は、また、自由領域120の前駆体磁気材料から拡散された種を受け取るように調製されることができ、二次的酸化物領域170の前駆体酸化物材料から拡散された酸素を受け取るように調製されることができる。
図1を続けて参照すると、ゲッタシード領域180が自由領域120に隣接する実施形態においては、ゲッタシード領域180は、一つ以上の他の領域によって、例えば、自由領域120、中間酸化物領域130、二次的酸化物領域170によって、固定領域110から物理的に分離されることができる。したがって、ゲッタシード領域180のゲッタ種は、固定領域110の種と化学反応し得ない。
図1の磁気セル構造100は、“トップピン(top−pinned)”メモリセル、即ち、固定領域110が自由領域120の上に配置されるメモリセルとして構成される。他の実施形態(図示せず)においては、メモリセルは、“ボトムピン(bottom−pinned)”メモリセル、即ち、固定領域110が自由領域120の下に配置されるメモリセルとして構成されることができる。このような実施形態においては、二次的酸化物領域170は、自由領域120を被覆することができ、ゲッタシード領域180は、二次的酸化物領域170を被覆することができる。ゲッタシード領域180は、それとは関係なく、自由領域120の前駆体磁気材料から拡散された種を受け取り、空乏磁気材料に中間酸化物領域130からの所望の結晶構造の伝搬を可能とし、二次的酸化物領域170の前駆体酸化物材料から拡散された酸素を受け取り、二次的酸化物領域内の低い電気抵抗および低い減衰を可能とするように調製されることができる。したがって、“トップピン”として本明細書に図示されるか、または記述される任意の実施形態は、例えば、セルコア構造(例えば、図1のセルコア構造101)の領域の順序を反転させることによって、“ボトムピン”構造で代替的に具現化されることができる。
本開示の実施形態のメモリセルは、図1におけるような平面外STT−MRAMセルとして、または、代替的に、図1Bに示されるような平面内STT−MRAMセルとして構成されてもよい。“平面内”STT−MRAMセルは、水平方向に主に方向づけられた磁気配向を示す磁気領域を含むが、“平面外”STT−MRAMセルは、主に鉛直方向に方向づけられた磁気配向を示す磁気領域を含む。例えば、図1に示されるように、STT−MRAMセルは、磁気領域(例えば、固定領域110および自由領域120)のうちの少なくとも一つにおいて鉛直方向の磁気配向を示すように構成されてもよい。示される鉛直方向の磁気配向は、鉛直方向の磁気異方性(“PMA”)強度によって特徴づけることができる。矢印112および両方向矢印122によって図1に示されるように、幾つかの実施形態においては、固定領域110および自由領域120のうちの各々は、鉛直方向の磁気配向を示してもよい。固定領域110の磁気配向は、“実質的に固定”されたまま、即ち、STT−MRAMセルの動作中ずっと、実質的に同一方向、例えば、図1の矢印112により示される方向に方向づけられたままであってもよい。一方、自由領域120の磁気配向は、図1の両方向矢印122によって示されるように、パラレル構造とアンチパラレル構造との間で、セルの動作中にスイッチングされてもよい。別の例として、図1Bに示されるように、平面内STT−MRAMセルは、固定領域110”における矢印112と自由領域120”における両方向矢印122によって示されるように、MTJサブ構造123’の磁気領域(例えば、固定領域110”および自由領域120”)のうちの少なくとも一つにおいて、水平方向の磁気配向を示すように構成されてもよい。
このように、磁気セルコアを含むメモリセルが開示される。磁気セルコアは、固定領域と、自由領域と、固定領域および自由領域の間の中間酸化物領域とを含む磁気トンネル接合サブ構造を含む。二次的酸化物領域は、磁気トンネル接合サブ構造に隣接する。ゲッタシード領域は、二次的酸化物領域に隣接し、酸素に結合された酸素ゲッタ種を含む。二次的酸化物領域およびゲッタ領域のうちの少なくとも一つは、拡散された種に結合された別のゲッタ種を含む。
図2から図5を参照すると、図1の磁気セル構造100などの磁気セル構造を製造する方法における段階が図示される。図2に示されるように、中間構造200は、基板102の上に形成された導電性材料205と、導電性材料205の上の前駆体ゲッタシード材料280とで形成されることができる。任意で、一つ以上の下部中間材料240は、その上に前駆体ゲッタシード材料280を形成する前に、導電性材料205の上に形成されることができる。
導電性材料205は、下部電極105(図1)がそこから形成されるが、例えば、限定することなく、金属(例えば、銅、タングステン、チタン、タンタル)、金属合金、またはその組み合わせを含んでもよいし、実質的にそれらで構成されてもよいし、またはそれらで構成されてもよい。
任意の下部中間領域140(図1)が下部電極105の上に形成される実施形態においては、そこから下部中間領域140が形成される下部中間材料240は、例えば、限定することなく、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)またはその組み合わせを含んでもよいし、それらで実質的に構成されてもよいし、またはそれらで構成されてもよい。幾つかの実施形態においては、含まれる場合には、下部中間材料240は、下部電極105(図1)が形成されるべき導電性材料205が組み込まれてもよい。例えば、下部中間材料240は、導電性材料205の最上部サブ領域であってもよい。
前駆体ゲッタシード材料280は、例えば、限定することなく、予め形成された材料の上に少なくとも一つのゲッタ種を含む材料をスパッタリングすることによって形成されてもよい。前駆体ゲッタシード材料280は、自由領域120(図1)が形成される前駆体磁気材料由来の拡散性の種に対して、化学親和力を有するように選択された少なくとも一つのゲッタ種を含むように調製される。例えば、少なくとも一つのゲッタ種は、拡散性の種と前駆体磁気材料の別の種との間の化学親和力と比較すると、前駆体磁気材料の拡散性の種に対してより高い化学親和力を有するように選択されることができる。したがって、前駆体ゲッタシード材料280の少なくとも一つのゲッタ種は、前駆体磁気材料から拡散性の種を引き付けるように調製される。
前駆体ゲッタシード材料280は、また、二次的酸化物領域170(図1)が形成される前駆体酸化物材料由来の拡散性の種に対する化学親和力を有するように選択された少なくとも別のゲッタ種を含むようにも調製される。例えば、少なくとも別のゲッタ種は、前駆体酸化物材料の別の種と酸素との間の化学親和力と比較すると、前駆体酸化物材料の酸素(O)に対するより高い化学親和力を有するように選択されることができる。したがって、前駆体ゲッタシード材料280の少なくとも別のゲッタ種は、前駆体酸化物材料から拡散性の種例えば、酸素(O)を引き付けるように調製されることができる。
幾つかの実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料280の各種は、前駆体磁気材料から拡散された種および前駆体酸化物材料から拡散された種(例えば、酸素(O))のうちの少なくとも一つに対する化学親和力を有する(即ち、化学結合に対して整合性がある)ように調製されてもよい。他の実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料280の全てよりは少ない種は、拡散性の種に対する所望の化学親和力を有するように調製されてもよい。したがって、前駆体ゲッタシード材料280は、拡散された種のうちの一方または双方と非反応性の種を含んでもよいし、または拡散された種のうちの一方または双方と反応性を有する種で構成されてもよいし、それらで実質的に構成されてもよい。
図2を続けて参照すると、幾つかの実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料280は、一つ以上の対象291、292を用いてスパッタリングすること(即ち、物理蒸着(PVD))によって形成されることができる。例えば、限定することなく、二つのスパッタリング対象291、292は、同時に用いられることができ、スパッタリング対象291は、前駆体磁気材料の拡散性の種に対する化学親和力を有するゲッタ種を含むように調製され、別のスパッタリング対象292は、前駆体酸化物材料の拡散性の種(例えば、酸素(O))に対する化学親和力を有するゲッタ種(例えば、酸素ゲッタ種)を含むように調製される。対象291、292の双方は、前駆体ゲッタシード材料280が形成されると、種が混合し、実質的には均一に分散するように同時に用いられることができる。
図3を参照すると、前駆体酸化物材料370は、そこから二次的酸化物領域170(図1)が形成されるが、例えば、限定することなく、非磁気酸化物材料(例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)またはMTJサブ構造の従来のトンネルバリア領域の他の酸化物材料)を含むか、実質的にそれらで構成されるか、それらで構成されてもよい。前駆体酸化物材料370は、前駆体ゲッタシード材料280の直接上に形成(例えば、成長、堆積)されることができる。
少なくとも一つの前駆体磁気材料320は、図3にも図示されるように、前駆体ゲッタシード材料280の上に形成されることができる。前駆体磁気材料320は、そこから自由領域120(図1)が最終的に形成されるが、例えば、限定することなく、コバルト(Co)および鉄(Fe)(例えば、CoFe、ここでx=10から80、y=10から80)および幾つかの実施形態においては、ホウ素(B)も(例えば、CoFe、ここでx=10から80、y=10から80かつz=0から50)含む強磁気材料を含んでもよいし、それらで実質的に構成されてもよいし、それらで構成されてもよい。したがって、前駆体磁気材料320は、Co、FeおよびBのうちの少なくとも一つを含んでもよい(例えば、CoFeB材料、FeB材料、CoB材料)。他の実施形態においては、前駆体磁気材料320は、代替的または追加的に、ニッケル(Ni)(例えば、NiB材料)を含んでもよい。
前駆体磁気材料320は、均質な領域として形成されてもよい。他の実施形態においては、前駆体磁気材料320は、例えば、CoFeB材料の一つ以上のサブ領域を含んでもよく、そのサブ領域は、Co、Fe、Bの異なる相対的原子比率を有する。
図3Aを参照すると、前駆体磁気材料320は、少なくとも一つの拡散性の種321を含む。拡散性の種321の欠如は、前駆体磁気材料320、またはそこから形成される空乏磁気材料が磁気を示すことを全体として、または部分的抑制しないだろう。しかしながら、前駆体磁気材料320における拡散性の種321の存在は、非晶質状態で(例えば、スパッタリングによって)前駆体磁気材料320を形成することを可能とすることができる。
図3Aをまた参照すると、前駆体酸化物材料370は、少なくとも一つの拡散性の種372を含む。拡散性の種372は、前駆体酸化物材料370のボディからその欠如が、前駆体酸化物材料370またはそこから形成される空乏酸化物材料が前駆体磁気材料320または空乏磁気材料との界面MAを誘発することを抑制しないだろう。むしろ、前駆体酸化物材料370(または結果として生じる空乏酸化物材料)と前駆体磁気材料320(または結果として生じる空乏磁気材料)との間の界面172のみに沿った拡散性の種372の存在は、界面MAの誘発を可能とすることができる。
前駆体ゲッタシード材料280は、ゲッタ種281および別のゲッタ種282を含む少なくとも二つのゲッタ種を含むように調製されることができる。ゲッタ種281は、前駆体磁気材料320の拡散性の種321に対する化学親和力を有するように調製され、別のゲッタ種282は、前駆体酸化物材料370の拡散性の種372に対する化学親和力を有するように調製される。
前駆体ゲッタシード材料280のゲッタ種281は、前駆体磁気材料320由来の拡散性の種321とゲッタ種281との間の化合物の形成の吸熱を有するように選択されることができる。さらに、ゲッタ種281は、最終構造のゲッタシード領域180(図1)の導電性を増加させるために、導電性を有する(例えば、導電性金属を含むことができる)ように選択されることができる。最後に、ゲッタ種281は、別のゲッタ種282と実質的に非反応性であって、高温(例えば、少なくとも約500℃)まで前駆体ゲッタシード材料280が非晶質構造を示すことを可能とするように選択されることができる。
幾つかの実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料280は、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、窒素(N)、ハフニウム(Hf)およびニッケル(Ni)の少なくとも一つを、前駆体磁気材料320の拡散性の種321に対する化学親和力を有するゲッタ種281として含むことができる。
具体的な一例においては、限定することなく、前駆体磁気材料320はCoFeB磁気材料とすることができ、そのうちのホウ素(B)は、拡散性の種321である。前駆体ゲッタシード材料280(および例えば、対象291(図2))は、約49.5:49.5:1.0の原子比率でタングステン・ルテニウム・窒素(W−Ru−N)を含むか、実質的にそれで構成されるか、それで構成されるように調製されることができる。このような組成物は、高温まで(例えば、約500度まで)非晶質構造を示すように調製される。タングステン(W)、ルテニウム(Ru)および窒素(N)の各々は、ホウ素(B)拡散性の種321に対する化学親和力を示すゲッタ種281とすることができる。
他の実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料280(および、例えば、対象291(図2))は、タングステン(W)および窒素(N)の双方が、ホウ素(B)拡散性の種321に対する化学親和力を示すゲッタ種281とすることができるように、約75:25の原子比率でタングステン・窒素(W−N)を含むか、実質的にそれで構成されるか、それで構成されるように調製されることができ、また、タングステン(W)およびルテニウム(Ru)が、ホウ素(B)に対する化学親和力を示すゲッタ種281とすることができるように、約46:37:17の原子比率でタングステン・ルテニウム・ホウ素(W−Ru−B)を含むか、実質的にそれで構成されるか、それで構成されるように調製されることができ、また、タングステン(W)およびルテニウム(Ru)が、ホウ素(B)に対する化学親和力を示すゲッタ種281とすることができるように、約45:55の原子比率でタングステン・ルテニウム(W−Ru)を含むか、実質的に構成されるか、構成されるように調製されることができ、また、タングステン(W)が、ホウ素(B)に対する化学親和力を示すゲッタ種281とすることができるように、約18より大きく82未満のWに対するFeCoの原子比率で、鉄・コバルト・タングステン(Fe−Co−W)を含むか、実質的に構成されるか、構成されるように調製されることができる。
窒素(N)が前駆体ゲッタシード材料280に含まれる実施形態のうちの任意の実施形態においては、材料内の窒素(N)の存在は、また、結果として生じるセル構造内の低い減衰を可能とし、それによって、より低いプログラミング電流を可能とする。
前駆体ゲッタシード材料280の別のゲッタ種282は、別のゲッタ種282と前駆体酸化物材料270由来の別の拡散性の種372との間の化合物の生成熱を有するように選択されることができ、その生成熱は、別の拡散性の種372と前駆体酸化物材料270の別の種との間の化合物の生成熱以下である。例えば、限定することなく、二次的酸化物材料370が酸化マグネシウム(MgO)で実質的に構成されるように調製される実施形態においては、別のゲッタ種282は、MgOの酸素(O)とマグネシウム(Mg)との間の生成熱と比較すると、別の拡散性の種372である酸素(O)のより低い生成熱を有するように選択されることができる。
幾つかの実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料280は、別のゲッタ種282として、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ベリリウム(Be)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)およびマグネシウム(Mg)のうちの少なくとも一つを含むことができる。
酸化物材料330は、そこから中間酸化物領域130(図1)が形成されるが、例えば、酸化物材料330からの結晶構造の伝搬を介して、前駆体磁気材料320(または、そうではなく前駆体磁気材料320から形成される空乏磁気材料)が結晶化されるアニールの前に、前駆体磁気材料320上に形成されてもよい。酸化物材料330は、例えば、限定することなく、非磁気酸化物材料(例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)または従来のMTJ非磁気領域の他の酸化物材料)を含んでもよいし、実質的にそれらで構成されてもよいし、それらで構成されてもよい。別の酸化物材料330は、前駆体酸化物材料370と同一の材料であってもよいし、または、異なる原子比率ではあるが前駆体酸化物材料370と同一の元素を含む材料であってもよい。例えば、限定することなく、酸化物材料330および前駆体酸化物材料370の双方は、MgOを含んでもよいし、実質的にMgOで構成されてもよいし、MgOで構成されてもよい。
酸化物材料330は、前駆体磁気材料320の直接上に形成(例えば、成長、堆積)されてもよい。酸化物材料330は、最初に形成されるときに結晶質であって(例えば、bcc(001)構造を有して)もよいし、または、その後アニール中に結晶化されてもよい。例えば、図3の中間構造300のアニール中に、所望の結晶構造が、隣接する磁気材料(例えば、空乏磁気材料420(図4))に伝搬し得るように、酸化物材料330が配置されてもよく、磁気材料(例えば、空乏磁気材料420(図4))が同一の結晶構造(例えば、bcc(001)構造)に結晶化することを可能とする。
磁気材料(例えば、空乏磁気材料420(図4))を結晶化するアニール中または図3の中間構造300のその後のさらなるアニール中など、その後の処理中に、拡散性の種321は、前駆体磁気材料320から前駆体酸化物材料370を通って、前駆体ゲッタシード材料280に注入(例えば、拡散)することができる。同様に、アニール中、別の拡散性の種372は、前駆体酸化物材料370から前駆体ゲッタシード材料280に注入(例えば、拡散)することができる。これが起こると、図4および図4Aに示されるように、ゲッタ種281は、拡散性の種321(本明細書においては、ここで拡散された種321’と呼ばれる)と反応して結合することができ、別のゲッタ種282は、別の拡散性の種372(本明細書では、ここで別の拡散された種372’と呼ばれる)と反応して結合することができる。このように、前駆体磁気材料320(図3)は、“空乏”磁気材料420に変換され、前駆体酸化物材料370(図3)は、“空乏”酸化物材料470に変換され、前駆体ゲッタシード材料280(図3)は、“濃縮”ゲッタシード材料480に変換される。
前駆体酸化物領域370(図3)の別の拡散性の種372が酸素(O)である少なくとも一実施形態においては、空乏酸化物領域470は、別の拡散性の種372が完全にないわけではない。むしろ、酸素(O)の量は、空乏磁気材料420との界面172に隣接してそのままであり得る。したがって、空乏酸化物材料470内に残っているあらゆる酸素は、界面172に沿って、最大酸素濃度を含むことができる。したがって、界面172における酸素(O)は、界面172に沿った界面MAを誘発するために、空乏磁気材料420内の例えば鉄(Fe)と結合するように機能することができる。それとは関係なく、空乏酸化物材料470の残りの中での酸素(O)濃度の減少は、空乏酸化物材料470の電気抵抗を減少させることがある。幾つかの実施形態においては、完全な空乏ではなく、酸素の減少は、空乏酸化物材料470が導電性を有することを可能とすることができる。したがって、結果として生じる磁気セル構造は、メモリセルの電気抵抗を劣化させることなく(即ち、電気抵抗を実質的に高めることなく)、デュアル酸化物領域(即ち、空乏酸化物材料470から形成される中間酸化物領域130および二次的酸化物領域170(図1))を含むことができる。
図4Aを続けて参照すると、濃縮ゲッタシード材料480は、拡散された種321’と、別の拡散された種372’と、ゲッタ種281と、別のゲッタ種282とを含む。したがって、前駆体磁気材料320(図3)がCoFeB材料として調製され、前駆体酸化物材料370(図3)が酸化マグネシウム(MgO)を含むように調製された一実施形態においては、濃縮ゲッタシード材料480は、(拡散された種321’として)CoFeB材料由来のホウ素(B)を、(別の拡散された種372’として)MgO由来の酸素(O)の一部を含むことができ、CoFe空乏磁気材料420との界面172に沿って酸素(O)の幾らかを(拡散性の種372として)残す。
このように、コバルト(Co)および鉄(Fe)を含む磁気領域を含むメモリセルが開示される。磁気領域は、スイッチング可能な磁気配向を示す。酸化物領域は、磁気領域と、実質的に固定された磁気配向を示す別の磁気領域との間に配置される。別の酸化物領域は、磁気領域に隣接し、磁気領域との界面に隣接して高濃度の酸素を含む。非晶質ゲッタシード領域は、別の酸化物領域に隣接する。ゲッタシード領域は、酸素、ホウ素、酸素ゲッタ種、ホウ素ゲッタ種を含む。
幾つかの実施形態においては、前駆体ゲッタシード材料280(図3)は、基板102の上に最初に形成されたときに非晶質であって、濃縮ゲッタシード材料480に変換されるとき、非晶質のままであるように調製されることができる。したがって、前駆体ゲッタシード材料280(図3)におけるゲッタ種281、282の原子比率は、最終的な濃縮ゲッタシード材料480の、非晶質であって、高温のアニール温度で非晶質のままである組成物に対する原子比率を調整するように選択されることができる。
さらに、前駆体ゲッタシード材料280(図3)は、空乏磁気材料420を結晶化するためのアニール中に用いられる高温で前駆体ゲッタシード材料280が安定である(例えば、種が拡散しない)ように、調製されることができる。したがって(例えば、酸化物材料330からの結晶構造伝搬によって)、所望の結晶構造(例えば、bcc(001)構造)に空乏磁気材料420の結晶化を促進する高温は、前駆体ゲッタシード材料280が結晶化を抑制することなく、用いられることができる。如何なる理論に限定されることなく、隣接する材料(例えば、中間酸化物領域130(図1)のための酸化物材料330(図3))から空乏磁気材料420に結晶構造が伝搬されると、所望の結晶構造(例えば、bcc(001)構造)とは異なり、それと競合する微細構造を濃縮ゲッタシード材料480が有していた場合、それ以外では形成し得る空乏磁気材料420内の微細構造欠陥を濃縮ゲッタシード材料480の非晶質特性が回避することが予測される。さらに、空乏磁気材料420は、所望の結晶構造を示すように形成され得るため、妨害の欠如により、空乏酸化物材料470によって、空乏磁気材料420への中間酸化物領域130(図1)の酸化物材料330の間の結晶構造伝搬で、自由領域120(図1)は、高いTMRを促進する結晶構造を示すように形成されることができる。
例えば、前駆体磁気材料320(図3)がCoFeB材料であるように調製された一実施形態においては、ホウ素(B)に対する化学親和力を有するゲッタ種281を有する前駆体ゲッタシード材料280で、CoFeB前駆体磁気材料320からホウ素(B)の拡散性の種321(図3A)を除去することは、CoFeBの結晶化温度よりも低い(即ち、前駆体磁気材料320(図3)が拡散性の種321を依然含む)温度で、空乏磁気材料420の結晶化を可能とすることができることが予測される。したがって、用いられるアニール温度(例えば、約500℃以上まで)は、隣接する材料を劣化させるほど高くならずに(例えば、濃縮ゲッタシード材料480から種、例えばタングステン(W)を拡散することなく)(例えば、隣接する材料、例えば、中間酸化物領域130(図1)の酸化物材料330から所望の結晶構造を伝搬することによって)空乏磁気材料420の結晶化を可能とすることができる。空乏磁気材料420は、このように、実質的な構造的欠陥を被ることなく、磁気セル構造(例えば、磁気セル構造100(図1))の形成を可能とする所望の結晶構造(例えば、bcc(001)結晶構造)に結晶化されることができる。実質的な構造的欠陥の欠如が、高いTMRを可能とすることができる。
中間構造300(図3)の他の材料は、また、アニールされた構造400(図4)を形成するためのアニーリングによって、結晶化されることができる。アニーリングプロセスは、約300℃から約700℃(例えば、約500℃)のアニーリング温度で実施されることができ、約1分(約1min)から約1時間(約1hr)、アニーリング温度で保持されることができる。アニーリング温度および時間は、中間構造300の材料、例えば空乏磁気材料420の所望の結晶構造、前駆体磁気材料320(図3)由来の拡散された種321’の所望の空乏の量、前駆体酸化物材料370(図3)由来の別の拡散された種372’の所望の空乏の量に基づいて、調製されることができる。
前駆体磁気材料320(図3)からの拡散性の種321(図3A)の除去が空乏磁気材料420の結晶化を促進し得るが、如何なる理論に限定されることなく、その除去は、また、空乏磁気材料420と空乏酸化物材料470との間の界面172に沿って、結合磁気材料420と中間酸化物領域130(図1)との間の界面132(図1)に沿って、または、双方の界面172および132に沿って、MAの誘発を促進することができることがさらに予測される。例えば、拡散性の種321(図3A)が欠如すると、拡散性の種321が依然前駆体磁気材料320内に包含されていた場合に、空乏磁気材料420の他の種は、他の種が有するよりも多くの酸化物材料との相互作用を有することができる。さらに、ゲッタ種281との化学結合を介する、濃縮ゲッタシード材料480内での拡散された種321’(図4A)の保持は、磁気領域(例えば、自由領域120)とその隣接するMA誘発酸化物領域との間の界面172、132(図1)に対する拡散された種321’の拡散を回避することができる。これは、そうでない場合に達成され得る界面172、132(図1)に沿ったより多くのMA誘発相互作用を可能とすることができる。したがって、MA強度は、前駆体ゲッタシード材料280(または、そうではなく、濃縮ゲッタシード材料480)の存在によって、前駆体ゲッタシード材料280(または、そうではなく、濃縮ゲッタシード材料480)なしでの同一の構造のMA強度よりも大きくすることができる。
例えば、前駆体磁気材料320がCoFeB材料である実施形態において、ホウ素(B)は拡散性の種321であり、前駆体磁気材料320からの拡散性の種321、ホウ素(B)の拡散が、界面172に沿って拡散性の種321ホウ素(B)が残存することを抑制することができ、そうでない場合、界面MAの誘発を阻害し得る。界面172に沿ったホウ素(B)の実質的量があると、ホウ素(B)の存在は、MAを誘発する鉄・酸素(Fe−O)結合などの、磁気材料(例えば、空乏磁気材料420(図4))と酸化物材料(例えば、空乏酸化物材料470(図4))との間の結合の形成を抑制することができることが予測される。したがって、前駆体ゲッタシード材料380内のゲッタ種281の前駆体磁気材料320に対する近接性は、より高い界面MA誘発を可能とすることができる。なぜなら、拡散性の種321は、前駆体ゲッタシード材料380に向けられ、界面172から遠ざけられ得るからである。
自由領域120(図1)は、拡散性の種321(図3A)を含む前駆体磁気材料320(例えば、CoFeB材料)“から形成される”ものとして記述されるが、製造される磁気セルコア101(図1)(または本開示の任意のセルコア)の自由領域120は、前駆体磁気材料320が最初に形成されたときよりも実質的に少ない拡散性の種321(例えば、ホウ素(B))を含むことがある。同様に、二次的酸化物領域170(図1)が別の拡散性の種372(例えば、酸素(O))を含む前駆体酸化物材料320(図3)(例えば、MgO含有材料)“から形成される”ものとして記述されるが、製造される磁気セルコア101(図1)(または本開示の任意のセルコア)の二次的酸化物領域170は、前駆体酸化物材料370が最初に形成されたときよりも実質的に少ない別の拡散性の種372(例えば、酸素(O))を含むことがある。
アニール後、磁気セル構造の他の材料は、アニールされた中間構造400の上に形成されることができ、図5に示されるような前駆体構造500を形成する。他の実施形態においては、磁気セル構造100(図1)の他の材料は、例えば、アニール前に、例えば酸化物材料330の上に形成されることができ、より下部の材料と共にアニールされることができる。
図5を続けて参照すると、別の磁気材料510は、そこから固定領域110(図1)が形成されるが、空乏磁気材料420を結晶化するアニール段階前またはその後に、酸化物材料330の直接上に形成(例えば、成長、堆積)されることができる。別の磁気材料510は、例えば、限定することなく、コバルト(Co)および鉄(Fe)(例えば、CoFe、ここでx=10から80、y=10から80)および幾つかの実施形態においては、ホウ素(B)も(例えば、CoFe、ここでx=10から80、y=10から80かつz=0から50)含む強磁気材料を含んでもよいし、それらで実質的に構成されてもよいし、それらで構成されてもよい。したがって、別の磁気材料510は、CoFeB材料を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、別の磁気材料510は、前駆体磁気材料320(図3)と同一の材料を含んでもよいし、または異なる原子比率ではあるが同一の元素を有する材料を含んでもよい。
固定領域110(図1)が、図1Aの固定領域110’の構造を有するように構成される実施形態においては、中間部分115(図1A)に対する中間材料は、別の磁気材料510の上に形成されることができる。中間材料は、導電性材料(例えば、タンタル(Ta))を含むか、導電性材料で実質的に構成されるか、導電性材料で構成されることができる。磁気サブ領域118(図1A)およびカプラサブ領域119(図1A)に対する交互の磁気材料およびカプラ材料は、其々、中間材料上に形成されることができる。例えば、限定することなく、交互の磁気およびカプラ材料は、コバルト/パラジウム(Co/Pd)マルチサブ領域、コバルト/プラチナ(Co/Pt)マルチサブ領域、コバルト/ニッケル(Co/Ni)マルチサブ領域、コバルト/イリジウム(Co/Ir)マルチサブ領域、コバルト/鉄/テルビウム(Co/Fe/Tb)ベース材料、L0材料、カプラ材料または従来の固定領域の他の磁気材料を含むか、実質的にそれらで構成されるか、それらで構成されることができる。
幾つかの実施形態においては、任意で、一つ以上の上部中間材料550は、別の磁気材料510(および固定領域110(図1)が形成される任意の他の材料)の上に形成されることができる。上部中間材料550は、含まれる場合には、任意の上部中間領域150(図1)を形成するが、隣接する材料内の所望の結晶構造を保証するように構成された材料を含むか、実質的にそれで構成されるか、それで構成されることができる。上部中間材料550は、磁気セル、バリア材料または従来のSTT−MRAMセルコア構造の他の材料の製造中のパターン化プロセスを支援するように構成された金属材料を代替的または追加的に含むことができる。幾つかの実施形態においては、上部中間材料550は、導電性キャッピング領域に形成される導電性材料(例えば、銅、タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、ハフニウム、ジルコニウム、窒化タンタルまたは窒化チタンなどの一つ以上の材料)を含むことができる。
別の導電性材料504は、そこから上部電極104(図1)が形成され得るが、別の磁気材料510(および固定領域110(図1)が形成される任意の他の材料)と、存在する場合には上部中間材料550との上に形成されることができる。幾つかの実施形態においては、別の導電性材料504および上部中間材料550は、存在する場合には、相互に、例えば、導電性材料504の下部サブ領域である上部中間材料550と、一体化されることができる。
前駆体構造500は、図1に示された実施形態による、磁気セル構造100を形成するために、一つ以上の段階でその後パターン化されることができる。磁気セル構造100(図1)などの構造を形成するための前駆体構造500などの構造をパターン化するための技術は、本技術分野で既知であり、本明細書では詳細に記述されない。
前駆体構造500のパターン化後、磁気セル構造100は、二次的酸化物領域170および自由領域120に隣接するゲッタシード領域180を含む磁気セルコア101を含む。自由領域120は、前駆体磁気材料320(図3)から形成された空乏磁気材料420(図4)を含み、そこに隣接するゲッタシード領域180なしで、前駆体磁気材料320(図3)から形成された自由領域よりも低い濃度の拡散性の種321(図3A)を含む。二次的酸化物領域170は、前駆体酸化物材料370(図3)から形成される空乏酸化物材料470(図4)を含み、そこに隣接するゲッタシード領域180なしで前駆体酸化物材料370(図3)から形成される二次的酸化物領域よりも低い濃度の別の拡散性の種372(図3A)を含む。
幾つかの実施形態においては、ゲッタシード領域180に隣接する磁気領域(例えば、自由領域120)は、拡散性の種321が実質的または完全に空乏であり得る。他の実施形態においては、磁気領域は、拡散性の種321が部分的に空乏であり得る。このような実施形態においては、一つ以上の磁気領域は、そこを通る拡散性の種321(例えば、ホウ素)の勾配を有することがあり、その勾配は、界面172(図1)に沿って、ゲッタシード領域180に隣接する部分で拡散性の種321が低濃度であり、界面132(図1)に沿って、相互に対して、ゲッタシード領域180の反対側で拡散性の種321が高濃度である。拡散性の種321の濃度は、幾つかの実施形態においては、アニール後またはアニール中に平衡状態であり得る。
少なくとも部分的に拡散性の種321の除去およびゲッタ種281に対する拡散された種321の結合によって、および少なくとも部分的にゲッタシード領域180の非晶質微細構造によって、結晶質の空乏磁気材料420(図4)から形成される自由領域120は、実質的に欠陥をなくすことができる所望の結晶構造を有することができる。
自由領域120の結晶性は、使用中および動作中に磁気セル構造100が高いTMRを示すことを可能とすることができる。さらに、自由領域120の空乏磁気材料420は、隣接する酸化物領域(例えば、二次的酸化物領域170および中間酸化物領域130)とのMA誘発を促進することができる。
空乏酸化物材料470(図4)から形成される二次的酸化物領域170は、低い電気抵抗を有することができ、例えば、導電性を有することができ、自由領域120との界面172に沿って最大の酸素濃度を有する。
したがって、高いMA強度は、高い電気抵抗(例えば、高い抵抗面積(RA))および高い減衰を示すこともなく、デュアル酸化物領域(即ち、中間酸化物領域130および二次的酸化物領域170)の双方から自由領域120においてMA誘発によって促進されることができる。ゲッタシード領域180が窒素(N)を含む実施形態においては、さらに低い減衰が、可能とされることができる。
このように、メモリセルを形成する方法が開示され、方法は、前駆体構造を形成することを含む。前駆体構造を形成することは、基板の上に前駆体ゲッタシード材料を形成することを含む。前駆体酸化物材料は、前駆体ゲッタシード材料の上に形成される。前駆体磁気材料は、前駆体酸化物材料の上に形成される。前駆体ゲッタシード材料に対して、拡散性の種は、前駆体磁気材料から拡散され、酸素は、前駆体酸化物材料から拡散され、前駆体磁気材料の少なくとも一部を空乏磁気材料に変換し、前駆体酸化物材料の少なくとも一部を酸素空乏材料に変換し、前駆体ゲッタシード材料の少なくとも一部を濃縮ゲッタシード材料に変換する。前駆体構造は、濃縮ゲッタシード材料から形成されるゲッタシード領域と、酸素空乏材料から形成される二次的酸化物領域と、空乏磁気材料から形成される自由領域とを含むセルコア構造を形成するためにパターン化される。
図6を参照すると、本開示の別の実施形態による磁気セル構造600が示される。磁気セル構造600は、ゲッタ二次的酸化物領域670を含む磁気セルコア601を含む。ゲッタ二次的酸化物領域670は、図7に示されるように、前駆体ゲッタ酸化物材料770から形成されることができ、これは、上述された前駆体酸化物材料370(図3)と同一の材料を含み、前駆体磁気材料320の拡散性の種321に対する化学親和力を有するように調製されたさらなるゲッタ種281’も含む。例えば、一実施形態においては、前駆体ゲッタ酸化物材料770は、追加されるさらなるゲッタ種281’を有する酸化マグネシウム(MgO)を含むことができる。前駆体ゲッタ酸化物材料770は、中間構造700内で、前駆体ゲッタシード材料280と前駆体磁気材料320との間に配置されることができる。
図7Aに示されるように、拡散性の種321(例えば、ホウ素(B))は、前駆体ゲッタシード材料280内のゲッタ種281に対してのみならず、前駆体ゲッタ酸化物材料770内のさらなるゲッタ種281’に対しても引き付けられることができる。したがって、アニールに続いて、図8および図8Aに示されるようにアニールされた構造800は、前駆体ゲッタ酸化物材料770から形成された“濃縮・空乏”酸化物材料870を含む。濃縮・空乏酸化物材料870は、さらなるゲッタ種281’に結合された、拡散された種321’の幾らかの量で濃縮され、かつ、界面172に沿って以外は、別の拡散性の種372(例えば、酸素(O))が空乏である。
さらなるゲッタ種281’は、濃縮ゲッタシード材料480内のゲッタ種281と同一でもよいし、異なってもよい。したがって、さらなるゲッタ種281’は、ゲッタ種281について上述された種のうちの任意の種から選択されることができる。
前駆体酸化物材料770(図7)を形成するために、さらなるゲッタ種281’は、前駆体磁気材料320の形成前に、前駆体酸化物材料370(図3)に移植されることができる。例えば、限定することなく、さらなるゲッタ種281’は、物理蒸着(PVD)を用いてさらなるゲッタ種281’および前駆体酸化物材料370の双方を同時スパッタリングすることによって、前駆体酸化物材料370(図3)に注入されることができる。別の例として、限定することなく、さらなるゲッタ種281’は、前駆体酸化物材料370の堆積中にガスの形体で導入されることができる。前駆体構造900の残りの材料は、図9に示されるように、その後形成されることができ、前駆体構造900は、図6の磁気セル構造600を形成するためにパターン化される。
二次的酸化物領域170(図1)またはゲッタ二次的酸化物領域670(図6)が、酸化マグネシウム(MgO)を含むように調製される、本開示のこの実施形態または前述の実施形態において、前駆体ゲッタシード材料280および前駆体酸化物材料370(図3)または前駆体ゲッタ酸化物材料770(図7)の複合組成物は、マグネシウム(Mg)、酸素(O)、さらなるゲッタ種281’(前駆体ゲッタ酸化物材料770を用いる場合)を含むゲッタ種281(例えば、ホウ素ゲッタ種)、別のゲッタ種282(例えば、酸素ゲッタ種)の原子比率(即ち、Mg:O:B−ゲッタ:O−ゲッタ原子比率)が、約40:40:10:10から約45:45:5:5と成り得るようなものであってもよい。このように、さらなるゲッタ種281’(含まれる場合)を含むゲッタ種281および別のゲッタ種282の一つ以上は、低い原子レベル(例えば、約10原子%未満、例えば、約5原子%未満、例えば、約2原子%未満の“ドーパント”レベル)とすることができる。
このように、半導体構造を形成する方法が開示される。方法は、基板の上に非晶質前駆体ゲッタシード材料を形成することを含む。非晶質前駆体ゲッタシード材料は、ホウ素ゲッタ種と、酸素ゲッタ種とを含む。酸素を含む前駆体酸化物材料は、非晶質前駆体ゲッタシード材料の上に形成される。ホウ素を含む前駆体磁気材料は、前駆体酸化物材料の上に形成される。別の酸化物材料は、前駆体磁気材料の上に形成される。少なくとも前駆体磁気材料と前駆体酸化物材料はアニールされ、非晶質前駆体ゲッタシード材料のホウ素ゲッタ種と前駆体磁気材料由来のホウ素を反応させ、非晶質前駆体ゲッタシード材料の酸素ゲッタ種と、前駆体酸化物材料由来の酸素とを反応させる。
図10を参照すると、STT−MRAMセル1014と動作可能なように通信する周辺デバイス1012を含むSTT−MRAMシステム1000が示され、そのグルーピングは、多数の行および列を含むグリッドパターンでメモリセルのアレイを形成するように、またはシステム要件および製造技術によって様々な他の配置で製造されることができる。STT−MRAMセル1014は、磁気セルコア1002と、アクセストランジスタ1003と、データ/センス線1004(例えば、ビット線)として機能し得る導電性材料と、アクセス線1005(例えば、ワード線)として機能し得る導電性材料と、ソース線1006として機能し得る導電性材料とを含む。STT−MRAMシステム1000の周辺デバイス1012は、読み出し/書き込み回路1007と、ビット線基準1008と、センス増幅器1009とを含むことができる。セルコア1002は、上述された磁気セルコア(例えば、磁気セルコア101(図1)、601(図6))のうちの任意の磁気セルコアとすることができる。セルコア1002の構造、製造方法またはその双方によって、STT−MRAMセル1014は、高いMA強度、低い抵抗(例えば、低い抵抗面積(RA)積)、低い減衰および高いTMRを有することができる。
使用および動作においては、STT−MRAMセル1014がプログラムされるように選択されると、プログラミング電流がSTT−MRAMセル1014に印加され、電流は、セルコア1002の固定領域によってスピン分極され、セルコア1002の自由領域に対してトルクを及ぼし、これがSTT−MRAMセル1014に“書き込む”または“プログラム”するために、自由領域の磁化をスイッチングする。STT−MRAMセル1014の読み出し動作においては、電流は、セルコア1002の抵抗状態を検出するために用いられる。
STT−MRAMセル1014のプログラミングを開始するために、読み出し/書き込み回路1007は、データ/センス線1004およびソース線1006に対して、書き込み電流(即ち、プログラミング電流)を生成することができる。データ/センス線1004とソース線1006との間の電圧の極性は、セルコア1002内の自由領域の磁気配向のスイッチングを決定する。スピン極性で自由領域の磁気配向を変化させることによって、自由領域は、プログラミング電流のスピン極性に従って磁化され、プログラムされた論理状態がSTT−MRAMセル1014に書き込まれる。
STT−MRAMセル1014を読み出すために、読み出し/書き込み回路1007は、セルコア1002およびアクセストランジスタ1003を通って、データ/センス線1004およびソース線1006に対して、読み出し電圧を生成する。STT−MRAMセル1014のプログラムされた状態は、セルコア1002にわたる電気抵抗に関連し、これは、データ/センス線1004とソース線1006との間の電圧差によって決定されることができる。幾つかの実施形態においては、電圧差は、ビット線基準1008に対して比較されて、センス増幅器1009によって増幅されることができる。
図10は、動作可能なSTT−MRAMシステム1000の一例を示す。しかしながら、磁気セルコア101(図1)、601(図6)は、磁気領域を有する磁気セルコアを組み込むように構成された任意のSTT−MRAMシステム内で組み込まれて使用されることができると予測される。
このように、STT−MRAMセルを含むスピントルクトランスファー磁気ランダムアクセスメモリ(STT−MRAM)アレイを含む半導体デバイスが開示される。STT−MRAMセルのうちの少なくとも一つのSTT−MRAMセルは、基板の上に磁気トンネル接合サブ構造を含む。磁気トンネル接合サブ構造は、自由領域と、固定領域と、中間酸化物領域とを含む。自由領域は、鉛直方向にスイッチング可能な磁気配向を示す。固定領域は、鉛直方向に実質的に固定された磁気配向を示す。中間酸化物領域は、自由領域と固定領域との間にある。別の酸化物領域は自由領域に接触している。非晶質領域は、自由領域および別の酸化物領域に隣接している。非晶質領域は、ホウ素と、酸素とを含む。
図11を参照すると、本明細書に記述された一つ以上の実施形態により実装される半導体デバイス1100の簡略化ブロック図が示される。半導体デバイス1100は、メモリアレイ1102と、制御論理コンポーネント1104とを含む。メモリアレイ1102は、上述された磁気セルコア(例えば、磁気セルコア101(図1)、601(図6))のうちの任意の磁気セルコアを含む、複数のSTT−MRAMセル1014(図10)を含むことができ、磁気セルコア(例えば、磁気セルコア101(図1)、601(図6))は、上述された方法に従って形成されることができ、上述された方法に従って動作することができる。制御論理コンポーネント1104は、メモリアレイ1102内の任意または全てのメモリセル(例えば、STT−MRAMセル1014(図10))から読み出し、書き込みするために、メモリアレイ1102と動作可能なように相互作用するように構成されることができる。
図12を参照すると、プロセッサベースのシステム1200が示される。プロセッサベースのシステム1200は、本開示の実施形態により製造された様々な電子デバイスを含むことができる。プロセッサベースのシステム1200は、コンピュータ、ページャ、携帯電話、パーソナルオーガナイザ、制御回路または他の電子デバイスなどの様々な種類のうちの任意の種類とすることができる。プロセッサベースのシステム1200は、マイクロプロセッサなどの一つ以上のプロセッサ1202を含むことができ、プロセッサベースのシステム1200内のシステム機能および要求の処理を制御する。プロセッサ1202およびプロセッサベースのシステム1200の他のサブコンポーネントは、本開示の実施形態により製造された磁気メモリデバイスを含むことができる。
プロセッサベースのシステム1200は、プロセッサ1202と動作可能なように通信する電源1204を含むことができる。例えば、プロセッサベースのシステム1200がポータブルシステムである場合、電源1204は、燃料電池、動力掃気装置、永久電池、交換式電池、再充電可能な電池のうちの一つ以上を含んでもよい。電源1204は、また、ACアダプタも含んでもよい。したがって、プロセッサベースのシステム1200は、例えば、壁のコンセントにプラグを差し込まれてもよい。電源1204は、また、DCアダプタを含んでもよく、これにより、プロセッサベースのシステム1200は、例えば、自動車の煙草ライターまたは自動車の電源ポートにプラグを差し込まれることが可能となる。
プロセッサベースのシステム1200が実行する機能によって、種々の他のデバイスがプロセッサ1202に結合されてもよい。例えば、ユーザインターフェイス1206は、プロセッサ1202に結合されてもよい。ユーザインターフェイス1206は、ボタン、スイッチ、キーボード、ライトペン、マウス、デジタイザおよびスタイラス、タッチスクリーン、音声認識システム、マイクまたはその組み合わせなどの入力デバイスを含んでもよい。ディスプレイ1208は、また、プロセッサ1202に結合されてもよい。ディスプレイ1208は、LCDディスプレイ、SEDディスプレイ、CRTディスプレイ、DLPディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLEDディスプレイ、LEDディスプレイ、三次元投影、音声ディスプレイまたはその組み合わせを含んでもよい。さらに、RFサブシステム/ベースバンドプロセッサ1210が、また、プロセッサ1202に結合されてもよい。RFサブシステム/ベースバンドプロセッサ1210は、RF受信器およびRF送信器(図示せず)に結合されたアンテナを含んでもよい。通信ポート1212または2以上の通信ポート1212は、またプロセッサ1202に結合されてもよい。通信ポート1212は、例えば、モデム、プリンタ、コンピュータ、スキャナもしくはカメラなどの一つ以上の周辺デバイス1214に、または、ローカルエリアネットワーク、リモートエリアネットワーク、イントラネット、もしくはインターネットなどのネットワークに結合されるように適合されてもよい。
プロセッサ1202は、メモリ内に格納されたソフトウェアプログラムを実装することによってプロセッサベースのシステム1200を制御してもよい。ソフトウェアプログラムは、例えば、オペレーティングシステム、データベースソフトウェア、ドラフティングソフトウェア、ワープロソフトウェア、メディア編集ソフトウェアまたはメディア再生ソフトウェアを含んでもよい。メモリは、種々のプログラムの実行を格納し、容易にするために、プロセッサ1202に動作可能なように結合される。例えば、プロセッサ1202は、システムメモリ1216に結合されてもよく、スピントルクトランスファー磁気ランダムアクセスメモリ(STT−MRAM)、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、レーストラックメモリおよび他の既知のメモリ種類のうちの一つ以上を含んでもよい。システムメモリ1216は、揮発性メモリ、不揮発性メモリまたはその組み合わせを含んでもよい。システムメモリ1216は、典型的には大型なので、動的にロードされたアプリケーションおよびデータを格納することができる。幾つかの実施形態においては、システムメモリ1216は、図11の半導体デバイス1100などの半導体デバイスと、上述されたような磁気セルコア101(図1)、601(図6)のうちの任意の磁気セルコアを含むメモリセル、またはその組み合わせを含んでもよい。
プロセッサ1202は、また、不揮発性メモリ1218に結合されてもよいが、これは、システムメモリ1216が必ずしも揮発性であることを示唆するわけではない。不揮発性メモリ1218は、STT−MRAM、MRAM、EPROM、抵抗性リードオンリーメモリ(RROM)などのリードオンリーメモリ(ROM)、システムメモリ1216と組み合わせて使用されるフラッシュメモリのうちの一つ以上を含んでもよい。不揮発性メモリ1218のサイズは、任意の必要なオペレーティングシステム、アプリケーションプログラムおよび固定データを格納するのに十分な大きさとなるように一般的に選択される。さらに、不揮発性メモリ1218は、例えば、抵抗性メモリまたは他の種類の不揮発性ソリッドステートメモリを含むハイブリッドドライブなどの、ディスクドライブメモリなどの高容量メモリを含んでもよい。不揮発性メモリ1218は、図11の半導体デバイス1100などの半導体デバイス、上述された磁気セルコア101(図1)、601(図6)のうちの任意の磁気セルコアを含むメモリセル、またはその組み合わせを含んでもよい。
本開示は、種々の改変およびその実装における代替形態が可能であるが、特定の実施形態は、図面内で例示として示され、本明細書で詳細に記述されてきた。しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図されるものではない。むしろ、本開示は、以下に添付の請求項およびその法的均等物によって定義されるように、本開示の範囲内にある全ての改変、組み合わせ、均等物、変形および代替物を包含する。

Claims (18)

  1. 固定領域と、
    自由領域と、
    前記固定領域および前記自由領域の間の中間酸化物領域と、
    を含む磁気トンネル接合サブ構造と、
    前記磁気トンネル接合サブ構造に隣接する二次的酸化物領域と、
    前記二次的酸化物領域に隣接し、酸素に結合される酸素ゲッタ種を含むゲッタシード領域と、
    を含む磁気セルコアを含む少なくとも一つのメモリセルを含み、
    前記二次的酸化物領域および前記ゲッタシード領域のうちの少なくとも一つが拡散された種に結合されるホウ素ゲッタ種を含み、
    前記ホウ素ゲッタ種は、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)および窒素(N)を含み、
    前記メモリセルは、1.20(120%)より大きいトンネル磁気抵抗(TMR)を示す、
    半導体デバイス。
  2. 前記自由領域は、前駆体磁気材料から形成され、
    前記ホウ素ゲッタ種に結合された前記拡散された種は、前記前駆体磁気材料から拡散される、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  3. 前記二次的酸化物領域は、前駆体酸化物材料から形成され、
    前記酸素ゲッタ種に結合された前記酸素は、前記前駆体酸化物材料から拡散される、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  4. 前記二次的酸化物領域は、導電性を有する、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  5. 前記酸素ゲッタ種は、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、ベリリウム(Be)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)およびマグネシウム(Mg)のうちの少なくとも一つを含む、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  6. 前記ホウ素ゲッタ種は、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、窒素(N)、ハフニウム(Hf)およびニッケル(Ni)のうちの少なくとも一つを含む、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  7. 前記拡散された種は、ホウ素(B)を含む、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  8. 前記ゲッタシード領域は非晶質構造を示す、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  9. 前記二次的酸化物領域および前記ゲッタシード領域の双方は、前記ホウ素ゲッタ種を含む、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  10. 前記二次的酸化物領域および前記ゲッタシード領域のうちの前記少なくとも一つの前記ゲッタシード領域のみが前記ホウ素ゲッタ種を含む、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  11. 前記自由領域は、コバルト(Co)および鉄(Fe)を含み、前記自由領域は、スイッチング可能な磁気配向を示し、
    前記固定領域は、実質的に固定された磁気配向を示し、
    前記二次的酸化物領域は、前記自由領域との界面に隣接して高濃度の酸素を含み、
    前記ゲッタシード領域は、非晶質構造を示し、
    前記拡散された種は、ホウ素(B)を含み、
    前記ゲッタシード領域は、前記酸素に結合された前記酸素ゲッタ種を含み、前記ホウ素(B)に結合された前記ホウ素ゲッタ種を含む、
    請求項1に記載の半導体デバイス。
  12. 前記自由領域および前記固定領域は、鉛直方向の磁気配向を示す、
    請求項11に記載の半導体デバイス。
  13. 前記少なくとも一つのメモリセルは、アレイ内に複数のメモリセルを含み、前記少なくとも一つのメモリセルは、少なくとも一つの周辺デバイスと動作可能なように通信する、
    請求項1から12のうちのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
  14. メモリセルを形成する方法であって、
    基板の上に前駆体ゲッタシード材料を形成することと、
    前記前駆体ゲッタシード材料の上に前駆体酸化物材料を形成することと、
    前記前駆体酸化物材料の上に前駆体磁気材料を形成することと、
    前記前駆体ゲッタシード材料に対して、前記前駆体磁気材料からホウ素を拡散し、前記前駆体酸化物材料から酸素を拡散し、前記前駆体磁気材料の少なくとも一部を空乏磁気材料に変換し、前記前駆体酸化物材料の少なくとも一部を酸素空乏材料に変換し、前記前駆体ゲッタシード材料の少なくとも一部を濃縮ゲッタシード材料に変換することと、
    を含む、前駆体構造を形成することと、
    前記濃縮ゲッタシード材料から形成されたゲッタシード領域と、
    前記酸素空乏材料から形成される二次的酸化物領域と、
    前記空乏磁気材料から形成される自由領域と、
    を含むセルコア構造を形成するために、前記前駆体構造をパターン化することと、
    を含み、
    前記前駆体ゲッタシード材料は、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)および窒素(N)をホウ素ゲッタ種として含み、
    前記メモリセルは、1.20(120%)より大きいトンネル磁気抵抗(TMR)を示す、
    方法。
  15. 前記前駆体ゲッタシード材料に、前記前駆体磁気材料からホウ素を拡散し、前記前駆体酸化物材料から酸素を拡散することは、前記前駆体磁気材料から前記前駆体酸化物材料を通って、前記前駆体ゲッタシード材料に対して、前記ホウ素を拡散することを含む、
    請求項14に記載の方法。
  16. 前記前駆体ゲッタシード材料の上に前駆体酸化物材料を形成することは、前記ホウ素に対する化学親和力を有するゲッタ種を酸化物材料内に注入することを含む、
    請求項14に記載の方法。
  17. 前駆体ゲッタシード材料を形成することは、前記基板の上に非晶質前駆体ゲッタシード材料を形成することを含み、前記非晶質前駆体ゲッタシード材料は、ホウ素ゲッタ種と酸素ゲッタ種とを含み、
    前駆体磁気材料を形成することは、ホウ素を含む前駆体磁気材料を形成することを含み、
    前記前駆体磁気材料の上に別の酸化物材料を形成することをさらに含み、
    前記前駆体磁気材料からホウ素を拡散し、前記前駆体酸化物材料から酸素を拡散することは、少なくとも前記前駆体磁気材料および前記前駆体酸化物材料をアニールし、前記非晶質前駆体ゲッタシード材料の前記ホウ素ゲッタ種と、前記前駆体磁気材料由来の前記ホウ素を反応させ、前記非晶質前駆体ゲッタシード材料の前記酸素ゲッタ種と、前記前駆体酸化物材料由来の酸素を反応させることを含む、
    請求項14に記載の方法。
  18. 前記基板の上に非晶質前駆体ゲッタシード材料を形成することは、
    スパッタ対象から前記ホウ素ゲッタ種をスパッタリングすることと、
    別のスパッタ対象から前記酸素ゲッタ種をスパッタリングすることと、
    を同時に含む、
    請求項17に記載の方法。
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