JP2006005286A - 磁気検出素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に人工フェリ構造の固定磁性層を構成する非磁性中間層の構成を改良して、前記非磁性中間層の上下に隣接する磁性層の磁歪を大きくでき、前記固定磁性層を強固に固定できる磁気検出素子を提供することを目的としている。
【解決手段】 固定磁性層23を構成する第1磁性層23aを第1磁歪増強層22と接して設けることで、前記第1磁性層23aの磁歪定数を増強するのみならず、前記固定磁性層を構成する非磁性中間層23bを、Ruよりも格子定数が大きい、例えばRu−X合金等で形成することで前記非磁性中間層に接する第1磁性層23a及び第2磁性層23cの双方の結晶構造を歪ませ、前記第1磁性層23aおよび第2磁性層23cの磁歪定数を大きく出来る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に固定磁性層自体の一軸異方性によって固定磁性層の磁化を強固に固定できる磁気検出素子に関する。
従来型の磁気検出素子では、固定磁性層の磁化を例えば200Å程度の膜厚を有する反強磁性層との間で発生する交換結合磁界を利用して固定する手法が一般的であった。
図12は従来のCPP型磁気検出素子の構造を模式化したもので、具体的には、フリー磁性層1の上下に非磁性材料層2,2を介して固定磁性層3,3、及び反強磁性層4,4が設けられた多層膜を有し、その多層膜の上下に電極5,6が設けられている。
ここでCPP(current perpendicular to the plane)型とは、前記多層膜の各層の膜面に対し垂直方向に電流が流される構造を言い、一方、CIP(current in the plane)型とは、前記多層膜に対して膜面と平行な方向に電流が流される構造を言う。
現在の磁気検出素子は、CIP型の磁気検出素子が主流であるが、CPP型磁気検出素子は、CIP型磁気検出素子に比べて素子サイズの狭小化によって再生出力を大きく出来るといった利点があると考えられ、CPP型磁気検出素子が今後の更なる高記録密度化に対応できる構造と期待されている。
ところで、図12の構造では、反強磁性層4,4の比抵抗が高く、具体的には200μΩ・cm程度(あるいはそれ以上)の比抵抗を持つため、電極5,6間に電流を流したときに、前記反強磁性層4,4が発熱源となり、ジュール熱を生じる。そのジュール熱の発生に伴い、隣接する固定磁性層3、非磁性材料層2、フリー磁性層1における伝導電子の格子振動によるフォノン散乱やエレクトロマイグレーションが激しくなる。
この結果、CPP型磁気検出素子において前記単位面積当たりの抵抗変化(ΔR・A)に代表されるGMR効果を適切に向上させることが出来ないことがわかった。
またCIP型磁気検出素子においては、前記反強磁性層4,4の存在が、センス電流の分流損失の主な原因となり、記録媒体の高記録密度化に適切に対応するには、上記したセンス電流の分流損失が磁気検出素子の出力向上の妨げとなっていた。
またCIP型及びCPP型の双方の磁気検出素子において、非常に膜厚の厚い反強磁性層の存在により、前記多層膜の上下に形成されるシールド層間の距離が大きくなり、記録媒体の高線記録密度化に適切に対応できない構造となっていた。
特開平8−7235号公報
上記に挙げた特許文献1に開示された磁気検出素子では、反強磁性層を多層膜内の構成から無くし、固定磁性層の磁化を固定磁性層自体の一軸異方性で固定する方式について開示されている。
しかし特許文献1では、タンタルからなるバッファ層62を下地として、その上にピン止め強磁性層70(固定磁性層)を積層しているが、タンタルからなるバッファ層62を用いると、どのような原理によって前記ピン止め強磁性層70の磁化を強固に固定できるのか明確な開示がないこと、及びタンタルはアモルファスになりやすいため、実際にタンタルからなるバッファ層62では、ピン止め強磁性層70(固定磁性層)を適切に磁化固定できないと考えられること、またタンタルは比抵抗が高く、特許文献1の構造をCPP型磁気検出素子に置き換えた場合に、前記バッファ層62が、従来の反強磁性層と同様の発熱源になり伝導電子のスピンに依存しない散乱が生じることによりGMR効果を適切に向上させることができないと予測されること等の理由により、特許文献1の構成を即座に採用することは出来ない。
また、特許文献1では、バッファ層62から距離的に離れた強磁性フィルム74を「自動ピン止め」する工夫はなされておらず、特許文献1の構成では、強磁性フィルム72と74とが互いに反平行の磁化を保ちながら外部磁界に対し変動しやすい構成となっている。
また特許文献1において、前記強磁性フィルム74の固定磁化を強めるために、前記強磁性フィルム74と銅スペーサ層63との間の界面構造を、現行から変更することは、CIP−GMR効果の低下を余儀なくされるため、出来る限り避けたい。
また特許文献1に開示されているように、強磁性フィルム72と74間に介在する層73は、ルテニウム(Ru)で形成されており、この文献の公開明細書[0031]欄にも開示されているように前記強磁性フィルム72と74は、Ru反強磁性結合フィルム73による反強磁性交換結合により磁化が互いに反平行に向けられる。
ところでRu反強磁性結合フィルム73は、前記強磁性フィルム72と74の磁歪を多少大きくする機能を有している。磁歪の増強は、後述するように固定磁性層の一軸異方性を強め、前記固定磁性層の固定磁化を強めることに役立つが、しかし、Ru反強磁性結合フィルム73の磁歪増強効果は、さほど大きくないため、特許文献1のようにTa(バッファ層62)/Co(強磁性フィルム72)/Ru(反強磁性結合フィルム73)/Co(強磁性フィルム74)という積層構造では、いずれにしてもCoで形成された強磁性フィルム72,74を強固に磁化固定することはできない。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に人工フェリ構造の固定磁性層を構成する非磁性中間層の構成を改良して、前記非磁性中間層の上下に隣接する磁性層の磁歪を大きくでき、前記固定磁性層を強固に固定できる磁気検出素子を提供することを目的としている。
本発明は、
固定磁性層と、非磁性材料層と、フリー磁性層とが積層されている多層膜を有する磁気検出素子において、
前記固定磁性層は、複数の磁性層が非磁性中間層を介して積層されたものであり、
前記複数の磁性層のうち前記非磁性材料層から最も離れた位置に形成されている第1磁性層の、前記非磁性材料層側と反対側の面には、非磁性金属製の第1磁歪増強層が前記第1磁性層に接して設けられ、
少なくとも一つの前記非磁性中間層の、少なくとも上面側及び/または下面側の格子定数はRuよりも大きくなっており、
前記第1磁歪増強層内と前記第1磁性層内との少なくとも一部の結晶、及び非磁性中間層内と前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側に接する磁性層内との少なくとも一部の結晶は、エピタキシャルまたはヘテロエピタキシャルな状態であり、前記固定磁性層の記録媒体との対向面側の端面が開放されていることを特徴とするものである。
上記発明は、CIP(current in the plane)型、CPP(current perpendicular to the plane)型のどちらの磁気検出素子にも適用可能である。
本発明は、固定磁性層自体の一軸異方性によって固定磁性層の磁化が固定される、いわゆる自己固定式の磁気検出素子である。
強磁性体膜の磁気異方性磁界を決める要素には、結晶磁気異方性、誘導磁気異方性、及び磁気弾性効果がある。本発明では、このうち固定磁性層の磁化を固定する一軸異方性を決める磁気弾性効果に着目してなされたものである。
磁気弾性効果は、磁気弾性エネルギーに支配される。磁気弾性エネルギーは、固定磁性層にかかる応力と固定磁性層の磁歪定数λsによって規定される。
本発明では、前記固定磁性層の記録媒体との対向面側の端面が開放されているので、応力の対称性がくずれて、前記固定磁性層には、素子高さ方向(ハイト方向;前記対向面に対する法線方向)に引張り応力が働く。本発明では、固定磁性層の磁歪定数λsを大きくすることによって磁気弾性エネルギーを大きくし、これによって、固定磁性層の一軸異方性を大きくするものである。固定磁性層の一軸異方性が大きくなると、固定磁性層の磁化は一定の方向に強固に固定され、磁気検出素子の出力が大きくなりかつ出力の安定性や対称性も向上する。
本発明では、前記固定磁性層は、複数の磁性を有する磁性層が非磁性中間層を介して積層された人工フェリ構造である。
前記複数の磁性層のうち前記非磁性材料層から最も離れた位置に形成された第1磁性層の、前記非磁性材料層側と反対側の面に、非磁性金属製の第1磁歪増強層を前記第1磁性層に接して設ける。前記第1磁性層と前記第1磁歪増強層とは、エピタキシャルまたはヘテロエピタキシャルな状態で接合され、これによって、前記第1磁性層の結晶構造に歪みを生じさせて前記第1磁性層の磁歪定数λsを大きくさせている。これにより前記第1磁性層の磁歪定数λsを大きく出来る。
ところで、前記非磁性中間層は、従来、Ruの単層構造で形成されるのが一般的であった。非磁性中間層としてRuを用いる理由は、前記非磁性中間層を介して形成された磁性層間にRKKY相互作用による強い反平行結合を生じさせることができ、前記磁性層の磁化を反平行状態に効果的に維持できること、さらにはRuを用いたRKKY相互作用による反平行結合は熱的安定性も良好であるため、耐環境性にも優れたものとなっていたからである。
しかし、Ruを用いた非磁性中間層は、第1磁歪増強層に比べて前記磁性層に対する磁歪増強効果が小さく、このため、特に、前記第1磁歪増強層と接していない磁性層は適切に磁歪増強されず、固定磁性層を構成する磁性層全体の磁化を強固に固定することはできなかった。
そこで本発明では、前記非磁性中間層の、少なくとも上面側及び/または下面側の格子定数をRuよりも大きくする。これによって、前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側と接する磁性層の結晶構造に歪みを生じさせ前記磁性層の磁歪定数λsを大きくしている。
本発明において、特に好ましい構成としては、前記固定磁性層は、前記非磁性材料層から最も離れた位置に形成されている第1磁性層と、前記非磁性材料層に最も近い位置に形成された第2磁性層と、前記第1磁性層と第2磁性層間に形成された非磁性中間層との3層構造で形成され、
少なくとも前記非磁性中間層は前記第2磁性層と接する面側がRuよりも大きい格子定数を有して形成される構造である。
第1磁性層の磁歪は第1磁歪増強層による磁歪増強効果によって大きくなるが、第2磁性層は前記第1磁歪増強層から距離的に離れているため前記第1磁歪増強層による磁歪増強効果が小さい。このため少なくとも非磁性中間層の第2磁性層と接する面側に磁歪増強効果をもたせ、前記第2磁性層の磁歪定数を大きくすることが好ましい。
なお本発明では、固定磁性層を構成する非磁性中間層の構造を改良するものであるため、前記非磁性材料層と固定磁性層(第2磁性層)との界面構造は従来のままであり、GMR効果の低下を抑制しながら、適切に前記固定磁性層を強固に磁化固定することが可能である。
また本発明では、前記非磁性中間層の全体がRuよりも格子定数の大きい非磁性材料で形成される構造を提供できる。
かかる場合、前記非磁性中間層はRu−X合金(ただし元素Xは、Re、Ir、Osのいずれか1種または2種以上)で形成されることが好ましい。
あるいは本発明では、前記非磁性中間層はRuで形成されたRu層と、前記Ru層の上面及び/または下面に形成された、前記Ruよりも格子定数の大きい第2磁歪増強層及び/または第3磁歪増強層との積層構造で形成されてもよい。かかる場合、第2磁歪増強層及び第3磁歪増強層は、Re、Ir、Osのいずれか1種または2種以上の元素で形成されることが好ましい。
これにより、非磁性中間層のRuよりも格子定数の大きい面側と接する磁性層の結晶構造を適切に歪ませることができ、前記磁性層を強固に磁化固定することが可能になる。
なお前記第2磁歪増強層及び第3磁歪増強層はRu層よりも薄い膜厚で形成されることが好ましい。
前記非磁性中間層は、前記非磁性中間層を介して対向する磁性層間に、RKKY相互作用による反平行結合を生じさせ、前記対向する磁性層を適切に反平行状態に磁化することが重要な役割の一つである。このため第2磁歪増強層や第3磁歪増強層をRu層の上面あるいは下面に前記Ru層よりも薄い膜厚で形成し、RKKY相互作用による反平行結合を強く生じさせるとともに、前記反平行結合の熱的安定性を良好に確保することが好ましい。
本発明では、前記第1磁歪増強層は、前記第1磁性層側の界面付近あるいは全領域において、及び/または、少なくとも前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側は、面心立方構造(fcc)をとり、前記界面と平行な方向に、{111}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
また本発明では、前記第1磁性層は、前記第1磁歪増強層側の界面付近あるいは全領域において、及び/または、前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側と接する磁性層は、前記非磁性中間層との界面付近あるいは全領域において面心立方構造(fcc)をとり、前記界面と平行な方向に、{111}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
あるいは本発明では、前記第1磁性層は、前記第1磁歪増強層側の界面付近あるいは全領域において、及び/または、前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側と接する磁性層は、前記非磁性中間層との界面付近あるいは全領域において体心立方格子(bcc)構造をとり、前記界面と平行な方向に、{110}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
上記のように、固定磁性層を構成する磁性層が、fcc構造あるいはbcc構造をとり前記界面と平行な方向に、{111}面あるいは{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものであると、前記磁性層を構成する原子と前記第1磁歪増強層や非磁性中間層を構成する原子とが互いに重なりあいやすくなる。
本発明では、固定磁性層を構成する第1磁性層を第1磁歪増強層と接して設けることで、前記第1磁性層の磁歪定数を増強するのみならず、前記固定磁性層を構成する非磁性中間層を、Ruよりも格子定数が大きい、例えばRu−X合金等で形成することで前記非磁性中間層に接する磁性層の磁歪定数をも大きく出来る。
特に本発明では前記固定磁性層は、第1磁性層と第2磁性層と、その間に介在する非磁性中間層との3層構造で形成し、前記非磁性中間層を上記のようにRuよりも大きい格子定数を有するRu−X合金等で形成することで、前記非磁性中間層と接する面側から前記第1磁性層及び第2磁性層の双方の結晶構造を歪ませて、前記第1磁性層及び第2磁性層の磁歪定数を大きくすることができ、前記固定磁性層を構成する磁性層全体の磁歪定数を大きくすることが出来る。
この結果、より効果的に前記固定磁性層の磁化をハイト方向に固定でき、ハードバイアス層からの縦バイアス磁界による固定磁性層の磁化の乱れに起因した再生波形の歪みや非対称性の軽減や、ESD等による固定磁性層の反転を起きにくくすることも出来るとともに、応力変化があっても、安定した固定磁性層の磁化状態を保持でき、信頼性の高い磁気検出素子を提供できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面図、図4は図1に示す磁気検出素子の部分模式図である。なお図4では本発明の最も特徴的な部分である第1磁歪増強層22及び非磁性中間層23bが斜線で示されている。
図1、図4に示される磁気検出素子では、磁性材料製の下部シールド層20上に多層膜T1が形成されている。
図1、図4に示す実施形態では、多層膜T1は、下からシードレイヤ21、第1磁歪増強層22、固定磁性層23、非磁性材料層24、フリー磁性層25及び保護層26の順に積層されたものである。
前記シードレイヤ21は、NiFe合金、NiFeCr合金あるいはCr、Taなどで形成されている。シードレイヤ21は、例えば(Ni0.8Fe0.260at%Cr40at%の膜厚35Å〜60Åで形成される。
シードレイヤ21があると、非磁性金属製の第1磁歪増強層22の{111}配向が良好になる。
第1磁歪増強層22については、後述する。
固定磁性層23は、第1磁性層23aと第2磁性層23cが非磁性中間層23bを介して積層された人工フェリ構造を有している。固定磁性層23は、固定磁性層23自体の一軸異方性によって磁化が、ハイト方向(図示Y方向)に固定されている。
非磁性材料層24は、固定磁性層23とフリー磁性層25との磁気的な結合を防止する層であり、Cu,Cr,Au,Agなど導電性を有する非磁性材料により形成されることが好ましい。特にCuによって形成されることが好ましい。非磁性材料層の膜厚は17Å〜50Åである。
フリー磁性層25は、NiFe合金やCoFe合金等の磁性材料で形成される。図1に示す実施形態では特にフリー磁性層25がNiFe合金で形成されるとき、フリー磁性層25と非磁性材料層24との間にCoやCoFeなどからなる拡散防止層(図示しない)が形成されていることが好ましい。フリー磁性層25の膜厚は20Å〜100Åである。また、フリー磁性層25は、複数の磁性層が非磁性中間層を介して積層された人工フェリ構造であってもよい。また前記フリー磁性層25のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法でトラック幅Twが決められる。
保護層26はTaやRuなどからなり、多層膜T1の酸化の進行を抑える。保護層26の膜厚は10Å〜50Åである。
図1に示す実施形態では、シードレイヤ21から保護層26までの多層膜T1の両側には絶縁層27、ハードバイアス層28及び絶縁層29が積層されている。ハードバイアス層28からの縦バイアス磁界によってフリー磁性層25の磁化はトラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。
前記絶縁層27と前記ハードバイアス層28間にバイアス下地層(図示しない)が形成されていてもよい。前記バイアス下地層は例えばCr、W、W−Ti合金、Fe−Cr合金などで形成される。
前記絶縁層27,29はAlやSiO等の絶縁材料で形成されたものであり、前記多層膜T1内を各層の界面と垂直方向に流れる電流が、前記多層膜T1のトラック幅方向の両側に分流するのを抑制すべく前記ハードバイアス層28の上下を絶縁するものである。
なお前記ハードバイアス層28,28は例えばCo−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成される。
絶縁層29及び保護層26上には、磁性材料からなる上部シールド層30が形成される。図1,図4に示す磁気検出素子の構造はCPP(current perpendicular to the plane)型であり、下部シールド層20及び上部シールド層30が電極として機能し、前記多層膜T1を構成する各層の界面に対し垂直方向に電流を流す電流源となっている。
フリー磁性層25の磁化は、ハードバイアス層28,28からの縦バイアス磁界によってトラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。そして記録媒体からの信号磁界(外部磁界)に対し、フリー磁性層25の磁化が感度良く変動する。一方、固定磁性層23の磁化は、ハイト方向(図示Y方向)に固定されている。
フリー磁性層25の磁化方向の変動と、固定磁性層23の固定磁化方向(特に第2磁性層23cの固定磁化方向)との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化または電流変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出される。
本実施の形態の特徴部分について述べる。
図1、図4に示す磁気検出素子では、固定磁性層23の一軸異方性を決める磁気弾性効果を主に利用して前記固定磁性層23の磁化を固定している。
磁気弾性効果は、磁気弾性エネルギーに支配される。磁気弾性エネルギーは、固定磁性層23にかかる応力σと固定磁性層23の磁歪定数λsによって規定される。
図2は、図1に示された磁気検出素子を図示上側(図示Z方向と反対方向)からみた平面図である。磁気検出素子の多層膜T1は一対の絶縁層27,27、ハードバイアス層28,28及び絶縁層29,29の間に形成されている。なお、絶縁層27,27、ハードバイアス層28,28は、絶縁層29,29の下に設けられているので、図2には図示されていない。多層膜T1と、絶縁層27,27、ハードバイアス層28,28及び絶縁層29,29の周囲は、斜線で示される絶縁層31によって埋められている。
また、多層膜T1、絶縁層27,27、ハードバイアス層28,28、及び絶縁層29,29の記録媒体との対向面側の端面Fは露出しているか、またはダイヤモンドライクカーボン(DLC)などからなる膜厚が20Å〜50Å程度の薄い保護層で覆われているだけであり、開放端となっている。
従って、もともと2次元的に等方的であった下部シールド層20及び上部シールド層30からの応力が端面Fで開放された結果、対称性がくずれて、多層膜T1には、ハイト方向(図示Y方向)に平行な方向に、引っ張り応力が加えられている。また、絶縁層27,27、ハードバイアス層28,28、及び絶縁層29,29の積層膜が圧縮性の内部応力を有している場合には、絶縁層などが面内方向に延びようとするため、多層膜T1には、トラック幅方向に(図示X方向)に平行な方向及び反平行な方向に圧縮応力を加えられている。
すなわち、記録媒体との対向面側の端面Fが開放されている固定磁性層23には、ハイト方向(図示Y方向)の引張り応力とトラック幅方向(図示X方向)の圧縮応力が加えられる。そして、第1磁性層23a及び第2磁性層23cは、磁歪定数λsが正の値である磁性材料によって形成されているので、磁気弾性効果によって、第1磁性層23a及び第2磁性層23cの磁化容易軸は磁気検出素子の奥側(ハイト方向;図示Y方向)に平行方向となり、第1磁性層23a及び第2磁性層23cの磁化方向がハイト方向と平行方向または反平行方向に固定される。第1磁性層23aと第2磁性層23c間には、RKKY相互作用による反平行結合が働き、第1磁性層23aと第2磁性層23cの磁化は互いに反平行状態で固定される。
本発明では、固定磁性層23の磁歪定数λsを大きくすることによって磁気弾性エネルギーを大きくし、これによって、固定磁性層23の一軸異方性を大きくするものである。固定磁性層23の一軸異方性が大きくなると、固定磁性層23の磁化は一定の方向に強固に固定され、磁気検出素子の出力が大きくなりかつ出力の安定性や対称性も向上する。
以下、固定磁性層23の磁歪定数λsを大きくできる構造について説明すると、図1,図4に示される磁気検出素子の固定磁性層23を構成する第1磁性層23aは、固定磁性層23を構成する磁性層のうちで最も前記非磁性材料層24から離れた位置に形成されており、前記第1磁性層23aの前記非磁性材料層24側と反対側の面には非磁性金属製の第1磁歪増強層22が前記第1磁性層23aに接して設けられている。これによって、第1磁性層23aの特に下面側の結晶構造に歪みを生じさせて第1磁性層23aの磁歪定数λsを大きくさせている。
次に、図1、図4の実施形態では、非磁性中間層23bは、Ruよりも格子定数が大きい非磁性材料で形成されている。
従来、非磁性中間層はRuの単層構造で形成されるのが、第1磁性層23aと第2磁性層23c間に生じるRKKY相互作用による反平行結合を強くできること、及び前記RKKY相互作用による反平行結合の熱的安定性を良好にできること等の理由により、一般的であった。
しかし、Ruで形成された非磁性中間層の格子定数は、第1磁性層23aや第2磁性層23cの格子定数と比較的近く(下記に説明するミスマッチ値が約8%程度)、Ruで形成された非磁性中間層と接する前記第1磁性層23aの上面側及び第2磁性層23cの下面側の結晶構造をあまり歪ませることはできず、Ruで形成された非磁性中間層の磁歪増強効果は第1磁歪増強層22ほど強いものではなかった。また非磁性中間層自体が7〜9Åに非常に薄いために格子のミスマッチが存在しても非磁性中間層の方のみが変形しやすく格子歪が大きくなり磁性層の格子歪を大きく出来なかった。このため、比較的大きなミスマッチが好ましかった。
そこで本発明では、前記非磁性中間層23bをRuよりも格子定数が大きい非磁性材料で形成することにより、前記非磁性中間層23bの下面と接する第1磁性層23aの上面側及び、第2磁性層23cの下面側の結晶構造を適切に歪ませ、前記第1磁性層23a及び第2磁性層23cの双方の磁歪を大きくできる構造を提供する。
前記第1磁歪増強層22、非磁性中間層23b及び、第1磁性層23a、第2磁性層23cは、すべて面心立方格子(fcc)構造をとり、界面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが結晶性を良好にできて好ましい。なお前記非磁性中間層23bは、六方稠密(hcp)構造であってもよい。その場合は、C面({0001}面)が優先配向していることが必要である。hcpの{0001}面は最稠密面であり、fccの{111}面と同じ原子配列になっている。
上記の場合、第1磁歪増強層22の{111}面内の最近接原子間距離と、固定磁性層23の第1磁性層23aの{111}面内の最近接原子間距離との差を、第1磁性層23aの{111}面内の最近接原子間距離で割った値(ミスマッチ値)、及び非磁性中間層23bの{111}面内のまたは、hcp構造の場合は{0001}面内の最近接原子間距離と、前記第1磁性層23aの{111}面内の最近接原子間距離との差を、前記第1磁性層23aの{111}面内の最近接原子間距離で割った値(ミスマッチ値)、さらには非磁性中間層23bの{111}面内のまたは、hcp構造の場合は{0001}面内の最近接原子間距離と、前記第2磁性層23cの{111}面内の最近接原子間距離との差を、前記第2磁性層23cの{111}面内の最近接原子間距離で割った値(ミスマッチ値)を0.05以上で0.20以下にすることが好ましい。
本実施の形態の磁気検出素子では、図3に模式的に示すように、第1磁歪増強層22を構成する原子と第1磁性層23aの下面側の原子、及び非磁性中間層23bを構成する原子と第1磁性層23aの上面側の原子、及び非磁性中間層23bを構成する原子と第2磁性層23cの下面側の原子が互いに重なり合いつつも、界面付近で結晶構造に歪みが生じている状態になる。
図3において符号N1は第1磁性層23aの{111}面内の最近接原子間距離を示しており、符号N2は第1磁歪増強層22の{111}面内の最近接原子間距離を示している。また符号N3は、非磁性中間層23bのfcc{111}面内の、またはhcp{0001}面内の最近接原子間距離を示しており、符号N4は第2磁性層23cの{111}面内の最近接原子間距離を示している。N1、N2、N3及びN4は、第1磁歪増強層22と第1磁性層23aの界面、及び非磁性中間層23bと第1磁性層23aとの界面、及び非磁性中間層23bと第2磁性層23cとの界面から離れた歪みの影響の少ないところで測定する。
図3のように第1磁歪増強層22内と前記第1磁性層23aの下面側との少なくとも一部の結晶及び、非磁性中間層23b内と前記第1磁性層23aの上面側との少なくとも一部の結晶、さらには、非磁性中間層23b内と前記第2磁性層23cの下面側との少なくとも一部の結晶はエピタキシャルな状態で結晶成長し、その結果、前記第1磁性層23aについては少なくとも上下面付近の結晶構造に、及び第2磁性層23cについては少なくとも下面付近の結晶構造に歪みが生じ、第1磁性層23a及び第2磁性層23cの磁歪定数λsを大きくすることができる。
なお、本発明では、第1磁性層23aと第1磁歪増強層22の界面付近で、第1磁性層23aを構成する原子と、第1磁歪増強層22を構成する原子の大部分が、及び、第1磁性層23aと非磁性中間層23bの界面付近で、第1磁性層23aを構成する原子と、非磁性中間層23bを構成する原子の大部分が、さらには第2磁性層23cと非磁性中間層23bの界面付近で、第2磁性層23cを構成する原子と、非磁性中間層23bを構成する原子の大部分が、互いに重なり合う整合状態になっていればよい。例えば、図3に模式的に示すように、一部に、第1磁性層23aを構成する原子と、第1磁歪増強層22を構成する原子、及び第1磁性層23a、第2磁性層23cを構成する原子と、非磁性中間層23bを構成する原子が、重なり合わない領域があってもよい。また、多結晶体を構成するうちの一部の少数の結晶粒は非エピタキシャルな非整合状態であってもよい。
上記のように固定磁性層23を構成する第1磁性層23a及び第2磁性層23cの磁歪定数を大きくできる結果、より効果的に前記固定磁性層23の磁化をハイト方向に固定でき、ハードバイアス層からの縦バイアス磁界による固定磁性層23の磁化の乱れに起因した再生波形の歪みや非対称性の軽減や、ESD等による固定磁性層23の反転を起きにくくすることも出来るとともに、応力変化があっても、安定した固定磁性層23の磁化状態を保持でき、信頼性の高い磁気検出素子を提供できる。
ところで図1,図4に示す磁気検出素子では、前記非磁性中間層23bは、第1磁性層23a及び第2磁性層23cに対する磁歪増強効果のみならず、第1磁性層23aと第2磁性層23c間にRKKY相互作用による強い反平行結合を生じさせて、前記第1磁性層23aと前記第2磁性層23cとを互いに反平行状態に磁化させる必要がある。またRKKY相互作用による反平行結合は熱的安定性に優れたものでなければならない。
本発明では、前記非磁性中間層23bは、Ru−X合金(ただし元素Xは、Re、Ir、Os、Rhのいずれか1種または2種以上)で形成されることが好ましい。このとき、Ruの組成比は全体の50at%以上を占めることが好ましい。前記X元素は、単体でも前記第1磁性層23aと第2磁性層23c間に、RKKY相互作用による比較的強い反平行結合を生じさせることができるが、熱的安定性が悪く、例えば磁気ヘッドの製造に必要な250℃程度の環境下では第1磁性層23a及び第2磁性層23cとの間で層間相互拡散を起こし、前記第1磁性層23aと第2磁性層23cの磁化を適切に反平行状態に維持しておくことが出来ない。
またRu−X合金のRu組成比の上限値は、95at%であることが好ましい。Ru組成比が95at%以上になるとX元素の添加量が5at%以下になり、X元素を添加したことによる格子定数の拡大効果がほとんど得られなくなり、具体的には、上記したミスマッチ値を0.08以上で0.20以下の範囲内に収めることができなくなる。
このように、前記非磁性中間層23bはRuを主成分として構成することが好ましい。そして、Ru−X合金で形成された非磁性中間層23bは、第1磁性層23a及び第2磁性層23c間に生じるRKKY相互作用による反平行結合を最も強くできる膜厚で形成されることが必要である。Ruの組成比にもよるが、Ru組成比が50at%以上で95at%の範囲内(残部の組成比が元素Xの組成比)であるとき、前記非磁性中間層23bの膜厚を5Å〜10Åの範囲内に設定すると、RKKY相互作用による反平行結合を適切に強くできる。
なお当然に、Ru−X合金で形成された非磁性中間層23bは、第1磁性層23a及び第2磁性層23cを構成する磁性材料よりも大きい格子定数を有していなければならない。
第1磁性層23a及び第2磁性層23cは、Co,CoFe,Co−Z,CoFe−Z(ただしZは、Ti,Zr,Ta,Hf,Sc,V,Mn,Y,Nbから選択される1種または2種以上の元素)、あるいはNi−Q(ただしQは、Rh,Ir,Be,Al,Si,Ga,Ge,Ti,Mn,Zn,Cd,Snから選択される1種または2種以上の元素)、または組成式がCoMnY(ただしYは、Al,Si,Ga,Ge,Snのうちから選択された1種または2種以上の元素)からなるホイスラー合金で形成される。
Ru−X合金で形成された前記非磁性中間層23bは、上記材質で形成された第1磁性層23a及び第2磁性層23cよりも大きい格子定数を有し、具体的には、上記したように第1磁性層23a及び第2磁性層23cとのミスマッチ値を0.08以上で0.20以下の範囲内に収めることが可能である。
なお図1及び図4に示すCPP型磁気検出素子においては、GMR効果にスピン依存バルク散乱が非常に重要な役割を演じている。そのためGMR効果に寄与する第2磁性層23cのスピン依存バルク散乱係数(β値)は正の値であることが好ましいが、本発明では、上記した材質で第2磁性層23cを形成することで、前記第2磁性層23cのスピン依存バルク散乱係数(β値)を正の値に出来る。
スピン依存バルク散乱係数(β値)について、もう少し説明すると、スピン依存バルク散乱係数(β値)には、ρ↓/ρ↑=(1+β)/(1−β)なる関係式が成り立っており、ρ↓は伝導電子のうちダウンスピンの伝導電子に対する比抵抗値であり、ρ↑は、伝導電子のうちアップスピンの伝導電子に対する比抵抗値である。
前記スピン依存バルク散乱係数(β値)が正の値であると、ρ↓/ρ↑は1よりも大きくなる。すなわちρ↓>ρ↑なる関係を満たすから、強磁性層内を前記ダウンスピンの伝導電子は流れ難くあるいはシャットアウトされて前記ダウンスピンの伝導電子の平均自由行程及びスピン拡散長は短くなり(絶縁的な挙動を示す)、一方、アップスピンの伝導電子は流れやすくなり前記アップスピンの伝導電子の平均自由行程及びスピン拡散長は延び(金属的な挙動を示す)、前記アップスピンの伝導電子とダウンスピンの伝導電子の平均自由行程及びスピン拡散長の差は大きくなる。
CPP型磁気検出素子において、GMR効果の向上に重要な単位面積当たりの抵抗変化(ΔR・A)は、アップスピン及びダウンスピンの伝導電子の各スピン拡散長の差に対して正の相関を示すため、前記スピン依存バルク散乱係数(β値)が正の値で且つβ値が大きい磁性材料を第2磁性層23cに選択することによりアップスピンの伝導電子とダウンスピンの伝導電子のスピン拡散長の差を大きくできこの結果、単位面積当たりの抵抗変化(ΔR・A)を増大でき、高記録密度化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造することが出来るのである。
ところで図1及び図4に示す磁気検出素子では、非磁性中間層23b全体が、Ruよりも格子定数が大きいRu−X合金で形成された構成となっていたが、本発明の他の構成として図7あるいは図8に示す構成のものも提示できる。
図7及び図8はいずれも磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た断面の部分模式図である。
図7及び図8に示す磁気検出素子と、図1及び図4に示す磁気検出素子とを比較すると、固定磁性層23を構成する非磁性中間層23bの形態が異なっている。
図7に示す実施形態では、前記固定磁性層23を構成する非磁性中間層23bは、Ruで形成されたRu層23b2と、前記Ru層23b2の上面側に形成されたRuよりも格子定数が大きい第2磁歪増強層23b3と、前記Ru層23b2の下面側に形成されたRuよりも格子定数が大きい第3磁歪増強層23b1との積層構造で形成されている。
前記第2磁歪増強層23b3及び第3磁歪増強層23b1は、Re、Ir、Os、Rhのいずれか1種または2種以上の元素で形成されることが好ましい。これらの元素で形成された磁歪増強層は、Ru層23b2よりも大きい格子定数を有する。
前記非磁性中間層23bの第1磁性層23a及び第2磁性層23cに対する磁歪増強効果は、特に前記磁性層23a,23cとの界面で強く発揮される。このため前記非磁性中間層23bの上面側及び下面側にRuよりも格子定数が大きい第2磁歪増強層23b3及び第3磁歪増強層23b1を設け、前記第1磁性層23a及び第2磁性層23cと前記磁歪増強層23b1,23b3とを接合させることが好ましい。
ところで、前記非磁性中間層23b全体をRe、Ir、Os、Rhのいずれか1種または2種以上の元素で形成しても、第1磁性層23aと第2磁性層23c間には比較的強いRKKY相互作用による反平行結合が生じるが、RKKY相互作用による反平行結合の熱的安定性が悪化し、使用環境下温度によって、第1磁性層23aと第2磁性層23cとの反平行磁化状態が崩れる可能性があるため、RKKY相互作用による反平行結合の熱的安定性に優れたRu層23b2を、前記非磁性中間層23bの中間層として設けておくことが好ましい。
また、前記第2磁歪増強層23b3及び第3磁歪増強層23b1はRu層23b2よりも薄い膜厚で形成されることが好ましい。RKKY相互作用による反平行結合の熱的安定性を優れたものにするため前記非磁性中間層23bはあくまでもRu層23b2を主体とし、前記Ru層23b2の上下面に付加的に、非常に薄い膜厚の前記第2磁歪増強層23b3及び第3磁歪増強層23b1を設けるだけでも、前記第1磁性層23a及び第2磁性層23cに対する磁歪増強効果を強く発揮させることが出来る。
前記第2磁歪増強層23b3及び第3磁歪増強層23b1は、1Å〜5Åの範囲内の膜厚であることが好ましい。
また、第3磁歪増強層23b1/Ru層23b2/第2磁歪増強層23b3の積層構造で形成された非磁性中間層23bは、第1磁性層23a及び第2磁性層23c間に生じるRKKY相互作用による反平行結合を最も強くできる膜厚で形成されることが必要である。第3磁歪増強層23b1/Ru層23b2/第2磁歪増強層23b3の積層構造で形成された非磁性中間層23bは、5Å〜10Åの範囲内の膜厚で形成されることが好ましい。
図8に示す磁気検出素子では、非磁性中間層23bをRu層23b2と第2磁歪増強層23b3との2層構造で形成している。前記第2磁歪増強層23b3は第2磁性層23cと接して設けられ、この結果、第2磁性層23cの磁歪を大きくすることが出来る。
既に説明したように第1磁性層23aの下面には第1磁歪増強層22が設けられており、第1磁歪増強層22の磁歪増強効果によって、前記第1磁性層23aの結晶構造の少なくとも一部は歪み、前記第1磁性層23aの磁歪を大きく出来る。
このように第1磁性層23aの磁歪は少なくとも、第1磁歪増強層22の磁歪増強効果によって大きくできる一方、第2磁性層23cは前記第1磁歪増強層22から距離的に離れているため、前記第1磁歪増強層22の前記第2磁性層23cに対する磁歪増強効果は小さいから、非磁性中間層23bの層構造を改良する際には、少なくとも前記Ru層23b2と第2磁性層23cとの間に第2磁歪増強層23b3を挿入して、前記第2磁性層23cの磁歪を大きくすることが好ましい。
なおRu層23b2/第2磁歪増強層23b3の積層構造で形成された非磁性中間層23bは、第1磁性層23a及び第2磁性層23c間に生じるRKKY相互作用による反平行結合を最も強くできる膜厚で形成されることが必要である。Ru層23b2/第2磁歪増強層23b3の積層構造で形成された非磁性中間層23bは、5Å〜10Åの範囲内の膜厚で形成されることが好ましい。
次に第1磁歪増強層22の材質について説明する。前記第1磁歪増強層22として必要な条件は、第1磁性層23aよりも大きい格子定数を有する非磁性金属材料である点である。上記した非磁性中間層23bとして使用されるRu−X合金や、第2磁歪増強層23b3及び第3磁歪増強層23b1には、第1磁性層23a及び第2磁性層23c間に生じるRKKY相互作用による反平行結合が(Ruほどではないにしても)出来る限り強くなる材質が求められる。
一方、第1磁歪増強層22には、上記のような要求はないため、第2磁歪増強層23b3及び第3磁歪増強層23b1等に比べて材質の選択の余地は広い。
例えば前記第1磁歪増強層22には、Pt,Au,Pd,Ag,Ir、Rh、Ru,Re,Mo,Wなどの単体元素、あるいはこれらの元素のうち2種以上からなる合金、または、R―Mn(ただし元素Rは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成されていてもよい。
第1磁歪増強層22の膜厚は、5Å以上50Å以下程度である。
R―Mn(ただし元素Rは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)からなる第1磁歪増強層22の膜厚がこの範囲内であると、第1磁歪増強層22の結晶構造は、成膜時の状態である面心立方構造(fcc)を維持しつづける。なお、第1磁歪増強層22の膜厚が、50Åより大きくなると、250℃以上の熱が加わったときに、第1磁歪増強層22の結晶構造がCuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造変態するので好ましくない。ただし、第1磁歪増強層22の膜厚が、50Åより大きくても、250℃以上の熱が加わらなければ、第1磁歪増強層22の結晶構造は、成膜時の状態である面心立方構造(fcc)を維持しつづける。
また第1磁歪増強層22が前記R―Mn合金から成るとき、前記R−Mn合金中のR元素の含有量は45原子%以上99原子%以下であることが好ましい。R元素の含有量がこの範囲内であると、前記第1磁性層23aの磁歪が大きな値をとりつつ安定化する。
また第1磁歪増強層22及び図1に示すRu−X合金で形成された非磁性中間層23b、図7,8に示した第2磁歪増強層23b3、第3磁歪増強層23b1は、前記第1磁性層23a及び第2磁性層23cとの界面付近あるいは全領域において面心立方構造(fcc)または六方稠密(hcp)構造をとり、前記界面と平行な方向に、fccの場合{111}面として、hcpの場合、{0001}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
一方、前記第1磁性層23a及び第2磁性層cは、前記第1磁歪増強層22及び図1に示すRu−X合金で形成された非磁性中間層23b、図7,8に示した第2磁歪増強層23b3、第3磁歪増強層23b1との界面付近あるいは全領域において面心立方構造(fcc)をとり、前記界面と平行な方向に、{111}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
上記のような結晶配向を有することで、第1磁性層23a及び第2磁性層23cを構成する原子と、第1磁歪増強層22を構成する原子及び図1に示すRu−X合金で形成された非磁性中間層23bを構成する原子、図7,8に示した第2磁歪増強層23b3、第3磁歪増強層23b1を構成する原子とが互いに重なりあいやすくなり、図3に示すエピタキシャルな状態で成長しやすい。
また本発明では、前記第1磁性層23a及び第2磁性層23cは、前記第1磁歪増強層22及び図1に示すRu−X合金で形成された非磁性中間層23b、図7,8に示した第2磁歪増強層23b3、第3磁歪増強層23b1との界面付近あるいは全領域において体心立方格子(bcc)構造をとり、前記界面と平行な方向に、{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものであってもよい。
かかる場合、第1磁歪増強層22及び図1に示すRu−X合金で形成された非磁性中間層23b、図7,8に示した第2磁歪増強層23b3、第3磁歪増強層23b1は、前記第1磁性層23a及び第2磁性層23cとの界面付近あるいは全領域において面心立方(fcc)構造または六方稠密(hcp)構造をとり、前記界面と平行な方向に、fccの場合{111}面として、hcpの場合{0001}面として表される等価な結晶面が優先配向していることが好ましい。
bcc構造を有する結晶の{110}面として表される等価な結晶面の原子配列とfcc構造を有する結晶の{111}面及びhcp構造を有する結晶の{0001}面として表される等価な結晶面の原子配列は類似しており、bcc構造を有する結晶とfcc構造あるいはhcp構造を有する結晶を、各々の原子が重なり合った整合状態、いわゆるヘテロエピタキシャルな状態にすることができる。
なお本発明では、図8と異なり非磁性中間層23bがRu層23b2と、第1磁性層23aとの間に介入する第3磁歪増強層23b1との2層で構成されてもよい。
また本発明における固定磁性層23は、磁性層が3層以上で、その結果、非磁性中間層23bが2層以上を占める多層構造であってもよい。かかる場合、少なくとも一つの非磁性中間層23bの、少なくとも上面側及び/または下面側の格子定数がRuよりも大きくなっていればよい。ただし、少なくとも、前記固定磁性層23を構成する磁性層のうち最も非磁性材料層24に近い位置に形成され、逆にいえば前記第1磁歪増強層22から最も離れた位置にあり前記第1磁歪増強層22の磁歪増強効果が最も弱い第2磁性層23cと、接する非磁性中間層23bが、図1,図4や図7または図8のような構造に形成されて、前記非磁性中間層23bにおける磁歪増強効果によって前記第2磁性層23cの磁歪が大きくなる構成であることが望ましい。
図5は図1に示すCPP型磁気検出素子の多層体T1の構造とは異なる多層体T2の構造を示す模式図である。図5はフリー磁性層25を中心にその上下に非磁性材料層24,32が形成され、さらに前記非磁性材料層24の下に第1磁性層23a,非磁性中間層23b及び第2磁性層23cの人工フェリ構造からなる固定磁性層23が、前記非磁性材料層32の上に、第2磁性層34c,非磁性中間層34b及び第1磁性層34aの人工フェリ構造からなる固定磁性層34が形成され、さらに前記固定磁性層23,34の上下に第1磁歪増強層22,35が形成され、下側に形成された第1磁歪増強層22の下面にはシードレイヤ21が形成され、上側に形成された第1磁歪増強層35の上面には保護層26が形成された、いわゆるデュアルスピンバルブ型薄膜素子の構造である。
図5に示す実施形態では、前記非磁性中間層23b,34bが図1,図4と同様にRu−X合金で形成されるか、あるいは図7,図8と同様にRu層23b2と、第2磁歪増強層23b3及び/または第3磁歪増強層23b1との積層構造で形成されている。
図6は、図1に示すCPP型磁気検出素子の多層体T1の構造とは異なる多層体T3の構造を示す模式図である。図6はシードレイヤ21上に、フリー磁性層25、非磁性材料層24、固定磁性層23(下から第2磁性層23c、非磁性中間層23b、及び第1磁性層23aの積層順で形成された人工フェリ構造)、第1磁歪増強層22、及び保護層26の順に積層された多層体T3の構造である。図6に示す多層体T3は、図1の多層体T1とは逆積層であり、すなわちフリー磁性層25が固定磁性層23よりも下側にある積層タイプである。
図6の磁気検出素子でも、前記非磁性中間層23bは図1,図4と同様にRu−X合金で形成されるか、あるいは図7,図8と同様にRu層23b2と、第2磁歪増強層23b3及び/または第3磁歪増強層23b1との積層構造で形成されている。
図5及び図6の磁気検出素子はいずれもCPP(current perpendicular to the plane)型であるから前記多層体T2,T3の上下には、電極を兼ね備えたシールド層20,30が形成される(図1を参照)。
なお図5、図6では、第1磁歪増強層及び非磁性中間層の部分を斜線で示してある。
図5及び図6の多層体T2,T3でも、固定磁性層23(34)を構成する第1磁性層23a(34a)を第1磁歪増強層22(35)と接して設けることで、前記第1磁性層23a(34a)の磁歪定数を増強するのみならず、前記非磁性中間層23b全体を例えばRuよりも格子定数の大きいRu−X合金で形成することで、前記第1磁性層23aの結晶構造を前記第1磁歪増強層22が設けられている面と反対側の面から、及び第2磁性層23cの磁歪を前記非磁性中間層23bと接した面側から歪ませ、この結果、前記第1磁性層23a及び第2磁性層23cの双方の磁歪を増大でき、これによって前記固定磁性層23(34)の磁歪定数を全体的に大きく出来できる構造となっている。
この結果、より効果的に前記固定磁性層23(34)の磁化をハイト方向に固定でき、ハードバイアス層からの縦バイアス磁界による固定磁性層23(34)の磁化の乱れに起因した再生波形の歪みや非対称性の軽減や、ESD等による固定磁性層23の反転を起きにくくすることも出来るとともに、応力変化があっても、安定した固定磁性層23の磁化状態を保持でき、信頼性の高い磁気検出素子を提供できる。
なお第1磁歪増強層や固定磁性層の材質、さらには結晶配向性等は図1で説明した通りであるのでそちらを参照されたい。
図9は、図1に示すCPP型磁気検出素子の多層体T1の構造とは異なる多層体T4の構造(第4実施形態の構造)を示す模式図である。
まず図10及び図11の多層体T5,T6の構造から説明する。図10の多層体T5の構造、及び図11の多層体T6の構造は、いずれも比較例である。
図10の多層体T5の構造では、下からシードレイヤ21、第1反強磁性層50、固定磁性層51、非磁性材料層52、フリー磁性層53、Cuで形成された非磁性材料層54、固定磁性層55、第2反強磁性層56、固定磁性層57、非磁性材料層58、フリー磁性層59、非磁性材料層60、固定磁性層61、第3反強磁性層62、及び保護層26の順に積層されている。4つある固定磁性層はいずれも人工フェリ構造である。
図10の多層体T5の構造では、最も下に形成された第1反強磁性層50から多層体T5のほぼ中間に形成された第2反強磁性層56までの積層構造が第1のデュアルスピンバルブ型薄膜素子の構造(Dual 1)となっており、前記第2反強磁性層56から最も上に形成された第3反強磁性層62までの積層構造が第2のデュアルスピンバルブ型薄膜素子の構造(Dual 2)となっている。
つまり図10の多層体T5は、デュアルスピンバルブ型薄膜素子の2階建て構造となっている。
スピン依存バルク散乱効果を主として利用するCPP型磁気検出素子においては、図10に示した多層体T5の構造であってもGMR効果を得られるが、しかし図10の構造では、非常に膜厚が厚く比抵抗が高い反強磁性層50,56,62が3層も存在することから、発熱源となる前記反強磁性層50,56,62からのジュール熱によって格子振動やエレクトロマイグレーションが生じ、これによってGMR効果や再生出力を適切に向上させることができない。
一方、図11に示す多層体T6の構造は、図10に示す反強磁性層50,56,62の部分を磁歪増強層63,64,65に置き換えた構造となっている。前記磁歪増強層63,64,65は例えばPtMn合金等である。図11に示す多層体T6の構造では、固定磁性層51,55,57,61を構成する磁性層のうち、Cuで形成された非磁性材料層52,54,58,60から最も離れた第1磁性層51a,55a,57a,61aに磁歪増強層63,64,65を接して設け、逆磁歪効果を利用して前記固定磁性層23の一軸異方性を大きくし、自らの一軸異方性により前記固定磁性層23の磁化を固定するものである。
図10の多層体T5の構造に比べて図11の多層体T6の構造のように、反強磁性層50,56,62を用いず膜厚の薄い磁歪増強層63,64,65に置き換えることで、GMR効果や再生出力の向上を図ることが出来る。
しかし図11の構造でも、特に多層体T6のほぼ中間に位置する磁歪増強層64は、その磁歪増強層64の上下のデュアルスピンバルブ構造(Dual 1とDual 2)を磁気的に分断するためにある程度、厚い膜厚で形成されなければならない。
また前記磁歪増強層63,64,65に、PtMn合金等の比抵抗の比較的高い材質を選択した場合には、前記磁歪増強層63,64,65が、やはり発熱源となってしまう。このとき、前記多層体T6のほぼ中心にある磁歪増強層64は、上下の電極からかなり離れた位置にあるため放熱効果が低く、前記磁歪増強層64からのジュール熱により格子振動やエレクトロマイグレーションの発生によるGMR効果及び再生出力の低下の問題を適切に解消できない。また図11の構造では、固定磁性層51,55,57,61を構成する磁性層のうち第1磁性層51a,55a,57a,61aの磁歪定数λsしか適切に大きくならない。すなわち第2磁性層51c,55c,57c,61cの磁歪定数λsを適切に増強することは出来ない。よって固定磁性層51,55,57,61の磁歪定数λsをもっと大きく出来る構造が望まれる。
そこで図9のような形態を提供する。図9の実施形態の多層体T4では、多層体T4の中央には9層からなる固定磁性層を設け、その上下に非磁性材料層、フリー磁性層、非磁性材料層、固定磁性層、第1磁歪増強層を設けた構成である。
図9に示すように、シードレイヤ21上には第1磁歪増強層63、固定磁性層51、非磁性材料層52、フリー磁性層53、非磁性材料層54の順に積層される。ここまでの積層構造は図11と同じである。
図11では、前記非磁性材料層54の上に、磁歪増強層64を介して磁気的に分断された2つの固定磁性層55,57が形成されるが、図9では、前記非磁性材料層64の上に、多層構造の固定磁性層66を1つだけ設ける。
前記固定磁性層66は、3つの磁性層66a1,66a2,66a3と各磁性層間に介在した磁歪増強層66dとの五層構造で第1磁性層66aが構成される。前記磁歪増強層66dは非常に薄い膜厚で、各磁性層間を磁気的に分断せず前記磁性層間に強磁性結合が作用する。この結果、各磁性層66a1,66a2,66a3はすべて同じ方向に磁化固定される。
前記第1磁性層66aの上下には例えば図1や図4で説明した、Ruよりも格子定数が大きいRu−X合金で形成された非磁性中間層66b,66bを介して第2磁性層66c1,66c2が形成される。図9の実施形態では、全部で9層の積層構造による固定磁性層66が形成される。
上記のように、前記非磁性中間層66b,66bをRu−X合金で形成することで、前記非磁性中間層66bに接する磁性層66a2,66a3のみならず第2磁性層66c1,66c2の磁歪をも大きくすることが出来る。
図9に示す非磁性材料層58上の膜構成は、図11と同じように、フリー磁性層59、非磁性材料層60、固定磁性層61、第1磁歪増強層65及び保護層26の順に積層されている。
図11では多層体T6のほぼ中間に、磁気的に分断された2つの固定磁性層55,57が存在していたが、図9では、前記固定磁性層55,57を多層体T4のほぼ中間で1つの固定磁性層66として構成したものである。図9のように前記固定磁性層66を構成する第1磁性層66aを、3つの磁性層に分断し、その間に非常に薄い膜厚の磁歪増強層66dを介在させることで、前記第1磁性層66aの磁歪定数を大きく出来るとともに、図11の場合のように、磁気的分断のため比較的厚い膜厚で形成された磁歪増強層64の形成が必要ない。
また、特に第2磁性層66c1,66c2の磁歪を増強させるべく、例えば前記非磁性中間層66bをRuよりも格子定数が大きいRu−X合金で形成することで、RKKY相互作用による反平行結合の強さ及び熱的安定性を良好に維持しながら前記第2磁性層66c1,66c2の磁歪を大きく出来る。
なお前記非磁性中間層66bを図7,図8で説明した第2磁歪増強層及び/または第3磁歪増強層とRu層との積層構造で形成してもよいことは言うまでもない。
また固定磁性層51及び61を構成する非磁性中間層51b,61bも図1や図4に示したRu−X合金で、あるいは図7,図8で説明した第2磁歪増強層及び/または第3磁歪増強層とRu層との積層構造で形成してもよい。
また図9に示す複数の前記非磁性材料層と第2磁性層との少なくとも一つの界面に、新たに磁歪増強層を挿入してもよい。前記磁歪増強層には、スピン依存界面散乱係数(γ値)が正の値となる材質(Pt,Au,Pd,Ag,Ir,あるいはRhのうち1種または2種以上)が選択されることがGMR効果の劣化を抑制できて好ましい。
図9の構成では図10に比べて、さらに発熱源となる層を無くし、ジュール熱の発生による格子振動やエレクトロマイグレーションによるGMR効果の低下を抑制できると共に、前記固定磁性層66をより適切に磁化固定でき、GMR効果及び再生出力の向上と安定化を図ることが可能である。
なお本発明の実施形態は全てCPP型の磁気検出素子であったが、図1,4,5,6,7,8の多層膜の構成をCIP型の磁気検出素子に適用可能である。本発明では、特に第2磁性層と非磁性材料層との界面構造は従来と同様の状態を保っているので、スピン依存界面散乱効果が抵抗変化率(ΔR/R)の向上に最も重要なCIP型磁気検出素子に本発明を適用しても抵抗変化率を低下させることなく、前記固定磁性層を強固に磁化固定することが可能である。
本発明の第1実施形態の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 図1に示された磁気検出素子の平面図、 磁歪増強層及び非磁性中間層と固定磁性層が整合しつつ、歪みが生じている状態を示す模式図、 図1の部分模式図、 本発明の別の実施形態の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、 本発明の別の実施形態の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、 本発明の別の実施形態の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、 本発明の別の実施形態の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、 本発明の別の実施形態の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、 図9に対する比較例の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、 図9に対する比較例の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、 従来のCPP型磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分模式図、
符号の説明
20 下部シールド層
21 シードレイヤ
22、35、63、65 第1磁歪増強層
23、34、51、61、66 固定磁性層
23a、34a、51a、61a、66a 第1磁性層
23b、34b、51b、61b、66b 非磁性中間層
23b1 第3磁歪増強層
23b2 Ru層
23b3 第2磁歪増強層
23c、34c、51c、61c、66c 第2磁性層
24、32、52、54、58、60 非磁性材料層
25、53、59 フリー磁性層
26 保護層
30 上部シールド層

Claims (10)

  1. 固定磁性層と、非磁性材料層と、フリー磁性層とが積層されている多層膜を有する磁気検出素子において、
    前記固定磁性層は、複数の磁性層が非磁性中間層を介して積層されたものであり、
    前記複数の磁性層のうち前記非磁性材料層から最も離れた位置に形成されている第1磁性層の、前記非磁性材料層側と反対側の面には、非磁性金属製の第1磁歪増強層が前記第1磁性層に接して設けられ、
    少なくとも一つの前記非磁性中間層の、少なくとも上面側及び/または下面側の格子定数はRuよりも大きくなっており、
    前記第1磁歪増強層内と前記第1磁性層内との少なくとも一部の結晶、及び非磁性中間層内と前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側に接する磁性層内との少なくとも一部の結晶は、エピタキシャルまたはヘテロエピタキシャルな状態であり、前記固定磁性層の記録媒体との対向面側の端面が開放されていることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記固定磁性層は、前記非磁性材料層から最も離れた位置に形成されている第1磁性層と、前記非磁性材料層に最も近い位置に形成された第2磁性層と、前記第1磁性層と第2磁性層間に形成された非磁性中間層との3層構造で形成され、
    少なくとも前記非磁性中間層は前記第2磁性層と接する面側がRuよりも大きい格子定数を有して形成される請求項1記載の磁気検出素子。
  3. 前記非磁性中間層の全体がRuよりも格子定数の大きい非磁性材料で形成される請求項1または2に記載の磁気検出素子。
  4. 前記非磁性中間層はRu−X合金(ただし元素Xは、Re、Ir、Os、Rhのいずれか1種または2種以上)で形成される請求項3記載の磁気検出素子。
  5. 前記非磁性中間層はRuで形成されたRu層と、前記Ru層の上面及び/または下面に形成された、前記Ruよりも格子定数の大きい第2磁歪増強層及び/または第3磁歪増強層との積層構造で形成される請求項1または2記載の磁気検出素子。
  6. 第2磁歪増強層及び第3磁歪増強層は、Re、Ir、Os、Rhのいずれか1種または2種以上の元素で形成される請求項5記載の磁気検出素子。
  7. 前記第2磁歪増強層及び第3磁歪増強層はRu層よりも薄い膜厚で形成される請求項5または6に記載の磁気検出素子。
  8. 前記第1磁歪増強層は、前記第1磁性層側の界面付近あるいは全領域において、及び/または、少なくとも前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側は、面心立方構造(fcc)をとり、前記界面と平行な方向に、{111}面として表される等価な結晶面が優先配向している請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気検出素子。
  9. 前記第1磁性層は、前記第1磁歪増強層側の界面付近あるいは全領域において、及び/または、前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側と接する磁性層は、前記非磁性中間層との界面付近あるいは全領域において面心立方構造(fcc)をとり、前記界面と平行な方向に、{111}面として表される等価な結晶面が優先配向している請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気検出素子。
  10. 前記第1磁性層は、前記第1磁歪増強層側の界面付近あるいは全領域において、及び/または、前記非磁性中間層のRuよりも大きい格子定数を有する面側と接する磁性層は、前記非磁性中間層との界面付近あるいは全領域において体心立方格子(bcc)構造をとり、前記界面と平行な方向に、{110}面として表される等価な結晶面が優先配向している請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気検出素子。
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