JP2004146820A - 不揮発性ランダムアクセスメモリ - Google Patents

不揮発性ランダムアクセスメモリ Download PDF

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Abstract

【課題】 十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場を有する常磁性層を得ることができ、これにより実用化を図ることのできる不揮発性ランダムアクセスメモリを提供する。
【解決手段】 常磁性層24は、例えば厚さが0.5nm以上5μm以下の内包フラーレン薄膜である。フラーレンは、例えば大きさが0.1nm以上50nm以下の中空を有しており、この中空に常磁性材料が内包されている。内包フラーレン薄膜は、フェルミベクトルが強磁性固定層23および強磁性自由層25の少数スピンバンドまたは多数スピンバンドとよく重なっており、また、内包されている常磁性材料のスピンの配向がランダムとなっている。更に、フラーレン内の電子スピンは、擬0次元空間で量子化された状態にある。これにより内包フラーレン薄膜ではスピンコヒーレンス長が長くなり、スピン偏極した伝導電子の散乱がなくなる。
【選択図】    図2

Description

 本発明は、スピン偏極電子の注入により記録情報の書き込みを行う不揮発性ランダムアクセスメモリに関する。
 1980年代末より、磁性金属人工格子におけるスピン依存電子輸送現象の研究・開発が行われている。例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR;Giant Magnetoresistive、又はスピンバルブ(SV;Spin Valve)ともいう)を利用したランダムアクセスメモリ(RAM; Random Access Memory )の開発により、ハードディスクドライブ(HDD)の高密度化が急速に進展した。更に、半導体プロセス技術を用いたトンネル磁気抵抗効果(TMR;Tunneling Magnetoresistive)による磁性ランダムアクセスメモリ(MRAM;Magnetic Random Access Memory )も実現されている。これら磁気効果を利用したRAMでは、各メモリセルに電流を流し、この電流を中心として発生する磁場を利用することにより、メモリセルへの書き込みが行われる(誘起磁場方式)。
 しかし、このような従来の誘起磁場方式では、書き込みに必要な磁場の大きさがメモリセルの幅に反比例するため、例えばセルの幅が0.2μm場合、必要な電流の大きさは1メモリセル当たり数mAにも及び、大きな値となる。また、メモリセルの微細化に伴い、誘起磁場が隣接するセルに与える影響が無視できなくなる。例えば、隣接セル同士の間が0.1μm程度の大きさになると、隣接したセルに印加される磁場は、配線上のセルに印加される磁場の大きさの80%にも及び、近接漏れ磁場による磁気的相互作用(クロストーク)の問題が生じる。
 ところで、磁性体の物性の理解が進む中で、磁性体から非磁性体へのスピン注入を利用したスピン注入方式のRAMが提案されている(特許文献1)。このスピン注入方式のRAMのメモリセルは、強磁性固定層、常磁性層および強磁性自由層が順に積層された構成を有する。このスピン注入方式のRAMは、伝導電子のスピンによって強磁性自由層の電子のスピンの配向を変えることにより、記録情報の書き込みを行うものであり、上述したような誘起磁場方式のRAMの問題を解決することができると理論的に示されていることから、大いに期待されている。
特開平11−120758号公報
 すなわち、スピン注入方式では、(1)伝導電子の偏極したスピンとセル内の電子のスピンとの直接的な相互作用により、セル内の電子の磁気モーメントを反転させることから、書き込みのために高密度の電流が必要となることはないので、装置の低消費電力を図ることができること、(2)微細化に起因したクロストークの発生を防止することができ、これにより高磁気記録密度を実現させることが可能となること、(3)デバイス構造の簡略化を図ることができること、(4)書き込み時間がスピン伝導の速度にのみ依存することからデバイスの応答速度を向上させることができること、などが理論的に示されている。
 このようなスピン注入方式のRAMでは、その実現を図るために、前述したように伝導電子のスピンを利用していることから、特に常磁性層でのスピンコヒーレンス長の制御が重要である。すなわち、常磁性層においてスピン偏極した伝導電子が散乱される等してスピンの配向が変わると、伝導電子が有するスピン情報が失われてしまうことから、スピンコヒーレンス長が長い常磁性材料が望まれており、これまで常磁性金属材料や半導体材料等を用いて、常磁性層のスピン伝導の研究が行われてきている。
 しかしながら、常磁性層に上記材料を用いた場合には、均一な薄膜成長を行うこと、およびスピンコヒーレンス長を制御することが困難であり、そのため常磁性層において十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場を得ることができないという問題があった。以上のようなことから、スピン注入方式のRAMは、従来の誘導磁場方式に比べて顕著な効果が得られると理論的に示されているものの、実際には十分な特性が得られておらず、そのため実用化に至っていない。
 本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、常磁性層において十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場を得ることができ、これにより実用化を図ることが可能となる不揮発性ランダムアクセスメモリを提供することにある。
 本発明による第1の不揮発性ランダムアクセスメモリは、メモリセルを、磁化の向きが固定される第1の強磁性層と、中空を有し、中空に常磁性材料が内包されると共に所定のスピンコヒーレンス長を有する球殻状分子材料からなり、第1の強磁性層の一面に形成された常磁性層と、常磁性層における第1の強磁性層が形成された面とは反対側の面に形成され、スピン偏極した電子により磁化の向きが変化する第2の強磁性層とを備える構成とし、第2の強磁性層の磁化の向きの変化により記録情報の書き込みが行われるようにしたものである。
 本発明による第2の不揮発性ランダムアクセスメモリは、磁化の向きが固定される第1の強磁性層と、中空を有し、中空に常磁性材料が内包されると共に所定のスピンコヒーレンス長を有する球殻状分子材料からなり、第1の強磁性層の一面に形成された常磁性層と、常磁性層における第1の強磁性層が形成された面とは反対側の面に形成され、スピン偏極した電子が注入される第2の強磁性層とを備えたものである。
 本発明による第1の不揮発性ランダムアクセスメモリでは、第2の強磁性層に対してスピン偏極した電子が注入されると第2の強磁性層の磁化の向きが変化し、記録情報の書き込みが行われる。このとき、スピン偏極された電子流は、常磁性材料が内包された球殻状分子材料(例えば炭素分子フラーレン)からなり、十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場を有する常磁性層を介して、スピン散乱することなく流れる。すなわち、注入電子はそのスピン偏極度を保った状態で常磁性層内を伝導される。
 本発明による第2の不揮発性ランダムアクセスメモリでは、第2の強磁性層に対してスピン偏極した電子が注入されると第2の強磁性層の磁化の向きが変化する。このとき、スピン偏極された電子流は、常磁性材料が内包された球殻状分子材料(例えば炭素分子フラーレン)からなり、十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場を有する常磁性層を介して、スピン散乱することなく流れる。すなわち、注入電子はそのスピン偏極度を保った状態で常磁性層内を伝導される
 以上説明したように本発明の不揮発性ランダムアクセスメモリによれば、常磁性層を常磁性材料を内包した球殻状分子材料により形成するようにしたので、均一な薄膜成長を行うことができる共にスピンコヒーレンス長を制御することが容易となり、十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場が得られる。従って、スピン偏極した伝導電子の常磁性層内での散乱を防止することが可能となり、信頼性が向上し、これにより実用化を図ることが可能となる。また、従来の誘起磁場方式と比較して、記録密度の上限を大幅に高めることができ、読出し時間の短縮や消費電力の削減を図ることが可能となる。
 図1は、本発明の一実施の形態に係る不揮発性ランダムアクセスメモリ10(以下、不揮発性RAM10という)の構成を表すものである。図2は、不揮発性RAM10を構成する1のメモリセル20を取り出して表したものである。
 この不揮発性RAM10は、複数のメモリセル20がマトリクス状に配列(例えば、M列N行配列:M×N配列)されたものであり、各メモリセル20にスピン偏極した電子流が注入されることにより、メモリセル20の記録情報が書き込まれる(スピン注入方式)。このメモリセル20の面内の大きさは0.5nm2 以上5μm2 以下とすることが好ましい。これは、メモリセルの大きさが小さくなるとクロストークが生じる虞があり、隣接するメモリセル20同士で書き込み電流による磁場の影響を抑制するためである。
 メモリセル20は基板21を備えており、この基板21の上には電極層22が形成されている。電極層22の上には強磁性材料からなる強磁性固定層(第1の強磁性層)23が形成されており、この強磁性固定層23は磁化の向きが所定の方向に固定される。強磁性固定層23の上には常磁性層24が形成されている。本実施の形態では、この常磁性層24は常磁性材料が内包された球殻状分子材料、例えば炭素分子フラーレンにより形成されている。その詳細については後述する。常磁性層24の上には強磁性材料からなる強磁性自由層(第2の強磁性層)25が形成されており、この強磁性自由層25は2つの安定した磁化方向を有し、2つの磁化方向のいずれかの一方の方向に向いている。この強磁性自由層25の磁化方向は伝導電子のスピンに応じて変更されるようになっている。強磁性自由層25の上には電極層26が形成されている。
 基板21は例えばシリコン(Si)からなる。電極層22, 26は常磁性金属、例えば金(Au)により形成されている。この常磁性金属としては金以外でも、蒸着法やスパッタ法等によりこれら電極層22, 26に対して容易に配線を作製することができるものであればよい。
 常磁性層24は、上述のように常磁性材料24bを内包したフラーレン24aからなる内包フラーレン薄膜であり、その厚みは例えば0.5nm以上5μm以下である。このような内包フラーレン薄膜は、図3に示したような結晶構造を有している。なお、内包フラーレン薄膜は一般的にfccの結晶構造をとるが、この図では簡単のため2次元単純格子で表している。
 フラーレン24aは、例えば大きさが0.1nm以上50nm以下の中空を有しており、この中空部分に常磁性材料24bが内包されている。フラーレン24aとしては、例えばC36、C60、C70、C72、C74、C76あるいはC82が挙げられる。常磁性材料24bとしては、ランタン(La)、セシウム(Cs)、ジスプロシウム(Dy)、ユウロピウム(Eu)、あるいはガドリニウム(Gd)等の希土類元素や、N(窒素)、P(リン)等の非金属元素が挙げられる。
 内包フラーレン薄膜は、内包されている常磁性材料24bのスピンの配向がランダムとなっていることから、安定な常磁性を有している。更に、フラーレン24a内の電子スピンは、擬0次元空間で量子化された状態にある。以上のことから、内包フラーレン薄膜ではスピン緩和時間が長くなる、すなわちスピンコヒーレンス長が長くなるので、フラーレン24aを介して電子伝導が生じるときに、スピンが散乱することがなく、図に示したように例えば電子が縦方向に伝導したとしても、電子がスピン偏極度を保った状態で伝導することが可能となる。
 本実施の形態では、図2にも示したように、強磁性固定層23の磁化の向きは磁化方向S1 に固定されているのに対し、強磁性自由層25は2つの安定した磁化方向S1,S2 のうちいずれかの方向、例えばS2 の方向に向いている。この強磁性自由層25はスピン偏極された電子流が注入されることにより磁化の向きが回転する。なお、強磁性自由層25の2つ磁化方向が、メモリセル20における2種類の記録情報に対応し、これら記録情報が「1」,「0」の信号として読み出される。なお、図2において、磁化方向S1,S2 は直交系の座標軸として描いている。
 なお、本実施の形態では、強磁性固定層23と強磁性自由層25とが異なる機能を有するようにするために、以下に挙げる強磁性材料が選択的に用いられる。
 単体:(110)配向 bcc Fe
    (001)配向 bcc Fe
     C軸面内配向 hcp Co
    (111)配向 fcc Co
    (110)配向 fcc Co
    (001)配向 fcc Co
 2元合金:Fe1-r Cox (0<x<1)
      Nix Fe1-x (0<x<0.75)
      Ni79Fe21(パーマロイ合金)
 3元合金:MnFeCo
      FeCoNi
 ここで、上記強磁性材料の選択は次の条件に従っている。例えば、強磁性固定層23および強磁性自由層25の強磁性材料を同じ材料とする場合には、強磁性固定層23の方を強磁性自由層25よりも厚く形成する。強磁性固定層23および強磁性自由層25を同じ材料で形成しない場合には、強磁性固定層23のギルバート減衰係数が強磁性自由層25のものよりも非常に大きい材料を選択するようにする。
 また、強磁性固定層23および強磁性自由層25の各層に、電流の偏極効率が互いに異なるものを選択すると、記録情報「0」から「1」、また、「1」から「0」への書込み時に必要な書き込み電流や書き込み時間を異なる値とすることが可能である。このように書き込み電流に非対称性を持たせることによって、例えばチップ上の全メモリセル20を同時にクリアするときに、セル1個当たりに必要な電流が小さくすることが可能な極性を選択することができる等、回路構成上において有利になる。
 更に、強磁性自由層25は、前述したように2つの安定化した磁化方向を持つことから、層内において一軸異方性を有することが重要である。すなわち、熱や磁場の揺らぎによる影響を受けない、例えば磁場Huが100Oe(エルステッド)より大きな一軸異方性を有する必要がある。また、強磁性固定層23の一軸異方性は強磁性自由層25のものよりも大きくなければならない。なお、強磁性自由層25に小さな一軸異方性の磁場Huを有する強磁性材料を用いる場合は、磁化方向S1,S2 の切り換えは容易であるが、こうしたシステムのCPP電圧測定は微妙な実験条件を必要とする。すなわち、一軸異方性の磁場Huが小さ過ぎる材料により作製されたメモリセルは、実際的なデバイスとして適していない。なお、このような一軸異方性は、強磁性材料の組成や、形状、結晶配向、格子歪みの制御することにより、また、これらの層を形成する際に印加する磁場の制御により得られる。具体的には、一軸異方性を有する強磁性薄膜として以下に示すものが挙げられる。
 例えば、磁気異方性で定まる磁化容易軸方向(<001>方向)に沿って磁化された(110)面bcc鉄は、高分極化率および一軸異方性の高い磁場Huを有する。また、例えば、バイアス磁場の存在下で蒸着され、磁場と平行に一軸誘導磁気異方性が付与されたパーマロイは、最適な分極化効率および小さい一軸異方性の磁場Huを有する。更に、例えば、面内c軸方向に一軸異方性を備えたhcpコバルトは、高い分極化効率および大きい一軸異方性の磁場Huを有する。加えて、例えばFe格子サイトのx%でのCo置換によりbcc構造をとるFe1-x Cox 合金は、膜面が(110)であり、<100>方向に面内一軸磁気異方性の磁化容易軸を有する。このFe1-x Cox 合金は、最も高い分極化効率および大きい一軸異方性の磁場Huを有する。
 また、強磁性自由層25において、層の面内で磁化方向を変化させる場合には、短辺が1μm以下の短冊形状の縦横比を選択することによって異方性の磁場Huを最適化することができる。他方、強磁性自由層25の面内とその面内に垂直な方向との間で磁化方向を変化させる場合には、十分な垂直磁気異方性を得るために、強磁性自由層25の厚さを5原子層以下にすることが好ましい。すなわち、強磁性自由層25の厚さを略1nmとすることが好ましい。この厚さは、磁化方向が面内方向となる場合と面内に対して垂直となる場合との間の遷移領域である。更に、強磁性固定層23や強磁性自由層25の偏極電子源としてPtMnSb等のホイスラー合金や半金属材料を用いるようにしてもよい。
 次に、このような構成を有する不揮発性RAM10の作用について説明する。この不揮発性RAM10では、強磁性固定層23は、磁化の向きが所定の方向S1 に固定され、他方、強磁性自由層25は2つの安定した磁化方向S1,S2 を有し、これら磁化方向のいずれかの方向( ここではS2 )に向いている。このような不揮発性RAM10では、強磁性自由層25の2つ磁化方向が各メモリセル20における2つの記録情報に対応しており、この強磁性自由層25にスピン偏極された電子流が注入され、磁化の向きが切り換えられることにより、記録情報「1」または「0」の書き込みがなされる。他方、これら記録情報の読み出しは、メモリセル20において電流を垂直に流すことにより生じる巨大磁気抵抗効果(GMR)を利用することにより行われる。
 記録情報の書き込みを行う場合には、強磁性自由層25の磁化の向きを切り換えるためにパルス電流が用いられ、強磁性自由層25の磁化スイッチング(磁化反転)が行われる。例えば初期状態が平行磁化整合である場合(図4(A))の書き込みは次のように行われる。すなわち、強磁性自由層25でのスピンと同じ向きの電子粒子密度パルスJpが、強磁性自由層25から強磁性固定層23へ流れる。このとき、強磁性固定層23は、電子粒子密度パルスJpと同じ向きのスピン状態が全て占有されているため、強磁性固定層23に注入された電子粒子密度パルスJpのスピンはパウリの排他原理により反転する。このように反転したスピンを有する電子流が、電流密度パルスJe(スイッチング電流I)として電子粒子密度パルスJpと反対方向に流れることにより、強磁性自由層25のスピンの向きが反転する。このスイッチング電流Iは、図4(B)に示したように接合領域における臨界値Jt(A)よりも大きく、ナノ秒単位でパルスが持続される。
 このようにしてスイッチング電流Iにより、強磁性自由層25の磁化の向きが反転され、強磁性自由層25の磁化の向きが強磁性固定層23と逆向きとなり、反平行磁化整合状態となる(図4(C))。これにより書き込みが終了する。なお、「平行磁化整合」とは、強磁性自由層25と強磁性固定層23との磁化の向きが同じ方向であることをいい、また、「反平行磁化整合」とは、強磁性自由層25と強磁性固定層23との磁化の向きが逆の方向であることをいう。
 また、例えば初期状態が反平行磁化整合である場合(図5(A))に書き込みを行うときには、電子粒子密度パルスJpおよび電流密度パルスJeのそれぞれの流れる向きが逆向きとなり、電子粒子密度パルスJpが強磁性固定層23から強磁性自由層25へ流れ、電流密度パルスJe(スイッチング電流I)が、電子粒子密度パルスJpと反対方向に流れることにより開始される。すなわち、強磁性固定層23におけるスピンと同じ向きの電子粒子密度パルスJpが、強磁性固定層23から強磁性自由層25へ流れる。
 このとき、強磁性自由層23には、この強磁性自由層23のスピンと異なる向きのスピンが注入されるが、この注入されたスピンによって、強磁性自由層23のスピンがトルクを及ぼされ、そのスピンの向きが反転する。この反転されたスピンを有する電子流が、電流密度パルスJe(スイッチング電流I)として電子粒子密度パルスJpと反対方向に流れる。このスイッチング電流Iは、図5(B)に示したように接合領域における臨界値Jt(A)よりも大きく、ナノ秒単位でパルスが持続される。このようにスイッチング電流Iにより、強磁性自由層25の磁化の向きが反転し、強磁性自由層25の磁化の向きが強磁性固定層23と同じ向きとなり、平行磁化整合状態となる(図5(C))。これにより書き込みが終了する。
 他方、記録情報の読出しを行う場合には、例えば、メモリセル20において電流を垂直に流すCPP配置とされ、巨大磁気抵抗効果が利用される。例えば、平行磁化整合状態の場合(図6(A))には、臨界値Jt以下の読出し電流パルスが流れることにより、論理「0」に対応する低電圧パルスVlow が得られる(図6(B))。また、例えば反平行磁化整合状態の場合(図7(A))には、臨界値Jt以下の読出し電流パルスが流れることにより、論理「1」に対応する高電圧パルスVhighが得られる(図7(B))。
 このような読出し方法を採用する場合、読み出しに必要な、例えば5%以上のGMR比(ΔR/R)を得るために、強磁性固定層23および強磁性自由層25の各層を構成する材料の電子の偏極Pol1 , Pol2 が下記の数1を満たすものを用いることが好ましい。
Figure 2004146820
 このような不揮発性RAM10のアドレス方式としては、最も単純な方式とし、例えば図8に示したように、1個のメモリセル20に対して1本の書き込み専用の配線41を用いる方式が挙げられる。また、例えば図9に示したように、交差するように配線42および配線43を設け、これら配線42, 43の交点にメモリセル20を配置し、配線42,43への信号の組合わせによりアドレスする、いわゆるxyアドレス方式が挙げられる。
 書き込み専用の配線41を有するアドレス方式の場合には、1個のメモリセル20に必要な結線は、電極層22での 1箇所と、電極層26での2箇所とし、疑似4端子測定が行われる。なお、電極層22,26の各々に1ヵ所結線する2端子測定で十分な場合もある。
 xyアドレス方式の場合には、x,y両配線43,44に同時にパルスが印加される時にのみ、書込み臨界電流を超える電流が流れることによりメモリセル20が選択される。このとき、書き込みが行われるメモリセル20においてパルスの一致を確実なものとするために、x線またはy線の一方(例えばx線)には長いパルスを与え、他方(y線)には短いパルスを与えるようにしてもよい。
 次に、図10〜図16を参照して、上記不揮発性RAM10の製造方法について説明する。なお、図10は図11(A)の平面図であり、図13は図12の平面図、図16は図15(C)の平面図である。
 まず、図10および図11(A)に示したように、例えばシリコンからなる基板21を用意する。この基板21はドーピング処理がなされていないものであり、例えば外径が4インチ、厚さが0.01インチである。また、基板21は、後の工程で電極22の形成領域を切り出すために、ダイアモンド・ポイントにより刻んでおく。基板21の表面を研磨した後、洗浄し酸化処理を施す。次に、例えば蒸着法によって、基板21の面内の略中心の領域(その大きさが例えば2cm×2cm)に、例えばAuからなる電極層22を成膜する。この電極層22の厚さは例えば0.5μmとする。
 次に、図11(B)に示したように、電極層22の上に、例えばフォトリソグラフィ法によって、厚さが50nm以上のレジスト膜31を形成する。このとき、レジスト膜31にメモリセル20の形状に応じてパターニングを施す。
 続いて、図11(C)に示したように、例えば蒸着法によって、Ni81Fe19なる組成を有するパーマロイからなる強磁性固定層23を成膜する。この強磁性固定層23の厚さは例えば4nmとする。また、強磁性固定層23の成膜の際、100Oeの磁場を印加しながら一軸磁気異方性を誘起させる。
 次いで、例えばプラズマ蒸着法によって、例えばLaを内包したC82(La@C82)からなる、厚さが20nmの常磁性層24を成膜する。このC82は例えば大きさが0.1nm以上50nm以下の中空を有しており、この中空にLaを内包させる。このとき、強磁性固定層23の一軸異方性は保持されている。具体的には、プラズマ蒸着法において、例えば外部電極式容量結合型または平行平板電極式容量結合型のプラズマ重合装置を用いる(例えば特開平8−59220号参照)。このプラズマ重合装置は、反応容器内にプラズマ電源に接続されたモリブデンボートが設けられており、このモリブデンボートの中にC82粉末が収容される。反応容器内の、モリブデンボートに対向する位置には、強磁性固定層23が成膜された基板21が配設される。
 このようなプラズマ重合装置を用い、プラズマ電源を例えば交流13.56MHz、出力は150Wにセットすることにより、一定流量系にてLaの正イオンプラズマを発生させ、モリブデンボート中のC82粉末を数百℃で昇華させ、基板21の強磁性固定層23上に、La@C82からなる常磁性層24を成膜させる。本実施の形態では、常磁性層24を常磁性材料を内包したフラーレン(例えばLa@C82)により成膜するようにしたので、均一な薄膜成長を行うことができ、また、スピンコヒーレンス長を制御することが可能となる。
 次に、例えば蒸着法によって、常磁性層24の上に、パーマロイからなる、例えば厚さが1nmの強磁性自由層25を成膜する。このとき、強磁性固定層23の成膜時と同様な磁場を印加しながら成膜を行うことにより、強磁性自由層25のc軸が強磁性固定層23の磁化と平行になるように、強磁性自由層25に一軸磁気異方性を誘起する。これにより強磁性自由層25は、2つの安定した磁化方向S1,S2 を有し、これら磁化方向S1,S2 のいずれかの方向を向く。
 続いて、蒸着法によって、例えば金よりなる、厚さが25nmの電極層26を成膜する。次いで、図12および図13に示したように、レジスト膜31を溶解除去することにより、リフトオフを行う。これによりメモリセル部32aおよび接地端子部32bが選択的に形成される。
 次いで、図14(A)に示したように、基板21の上に、メモリセル部32aおよび接地端子部32bを覆うようにして、例えば厚さ60nmのポリメチルメタクリレートからなる絶縁層33を形成する。この絶縁層33は平坦化膜として機能する。次に、図14(B)に示したように、例えば酸素プラズマエッチング法によってメモリセル部32aおよび接地端子部32bの上面を露出させる。
 続いて、図14(C)に示したように、レジスト膜34を選択的に形成する。レジスト膜34は、接地端子部32bを覆うと共にメモリセル部32aを露出させるようなパターンを有する。このレジスト膜34の厚さは例えば0.2μmとする。次いで、図15(A)に示したように、レジスト膜34を覆うようにして、例えばAuからなる金層35を成膜する。 
 続いて、図15(B)に示したように、レジスト膜34を溶解除去することによりリフトオフを行い、金層35を選択的に除去する。この金層35は、メモリセル20の一方の電気的接点となるもので、電極層26と電気的に接続されている。また、レジスト膜34を溶解除去することにより、接地端子部32bが露出するが、接地端子部32bは他方の電極層22と電気的に接続されている。
 次いで、図15(C)に示したように、これら電気的接点(接地端子部32bおよび金層35に電圧信号用のワイヤ36,37および電流パルス用のワイヤ38,39をボンディングにより接続させる。最後に、銅(Cu)からなるヒートシンク(図示せず)に、メモリセル20が形成された基板21を固着させることにより、不揮発性RAM10が完成する。
 このように構成された不揮発性RAM10では、強磁性自由層25の2つの磁化方向S1,S2 が各メモリセル20における2つの記録情報に対応しており、この強磁性自由層25にスピン偏極された電子流を注入し、磁化の向きを切り換えることにより、「1」または「0」に書き込みがなされる。
 このとき、スピン偏極された電子流は常磁性層24を介して流れる。本実施の形態では、この常磁性層24は内包フラーレン薄膜(図3)からなる。内包フラーレン薄膜は、内包されている常磁性材料24bのスピンの配向がランダムとなっていることから、安定な常磁性を有している。更に、フラーレン24a内の電子スピンは、擬0次元空間で量子化された状態にある。加えて、常磁性層24を内包フラーレン薄膜とすることにより、均一な薄膜成長を行うことおよびスピンコヒーレンス長を制御することを容易に行うことができる。これにより、常磁性層24内では、十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場を得ることができ、スピン散乱を防止することができる。すなわち、電子がそのスピン偏極度を保った状態で常磁性層24内を伝導される。
 このように本実施の形態では、常磁性層24を、大きさが0.1nm以上50nm以下の中空を有し、中空に常磁性材料が内包されたフラーレンにより形成するようにしたので、均一な薄膜成長を行うことおよびスピンコヒーレンス長を制御することが容易となり、十分なスピンコヒーレンス長および均一なスピン場が得られる。従って、スピン偏極した伝導電子の散乱を防止することが可能となり、信頼性が向上する。これによりスピン注入方式の不揮発性RAM10の実用化を図ることが可能となる。特に、従来の誘起磁場方式と比較して、記録密度の上限を大幅に高めることができ、読出し時間の短縮や消費電力の削減を図ることが可能となる。
 以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、強磁性固定層23の磁化の向きを所定の方向に固定するために、強磁性固定層23の一面に、例えば反強磁性材料からなる磁化固定層51(図17参照)を形成するようにしてもよい。反強磁性材料としては、FeMn、IrMn、NiMn、RhMn、CrMnPt、FeMnPt等を挙げられる。これらの中で、NiMnは、高温でも大きいピンニング場(例えば、T=450Kまで650Oe程度)が得られることから好適である。
 このような磁化固定層51により、強磁性固定層23の磁気モーメントがピン止めされ、所定の磁化方向に固定される。この磁化固定層51は、反強磁性材料として金属を用いると電極も兼ねることが可能である。また、上記実施の形態では記録情報を読み出す手法にGMR効果を利用するようにしたが、例えば強磁性自由層25に光を照射するときに生ずる磁気カー効果を利用するようにしてもよい。
 また、上記常磁性層24に加えて、図18に示したように、希薄磁性合金を内包したスピン配列化層52を設けるようにしてもよい。希薄磁性合金は、半導体に磁性体金属をドープさせたもので、半導体の特性を保ちながら磁気秩序を持つ。希薄磁性体と強磁性金属の接合界面においては、磁化が非平衡となり、スピン偏極電子を生じることができる(出典R. FIEDERLING, M. KEIM, G. REUSCHER, W. OSSAU, G. SCHMIDT, A. WAAG & L. W. MOLENKAMP Nature 402, 787 - 790 (1999)"Injection and detection of a spin-polarized current in a light-emitting diode") 。従って、この希薄磁性合金をスピン伝導層を兼ねたスピン配列化層52として利用することにより、より高いスピン偏極度を得ることができる。
 希薄磁性体合金としては、例えば、(In,Mn)As,(Ga,Mn)As,(Cd,Mn)Te,(Zn,Mn)Te, (Zn,Cr)Teが挙げられる。                             
 希薄磁性合金を内包したスピン配列化層52の位置は、2つの強磁性層(強磁性固定層23および強磁性自由層25)の間であればよいが、より好ましくは基準となる強磁性固定層23とスピン伝導層(常磁性層24)の間であり、これにより、スピン注入における伝導スピンの偏極度を高めることができる。
 なお、この希薄磁性合金を、常磁性層24に含まれるフラーレンに内包させるようにすれば、常磁性層24がスピン配列化層およびスピン伝導層として機能する。
 更に、記録情報の読み出し結果に従って他の回路を動作させて論理演算を行わせるために、上記不揮発性RAMに対して、例えば読み出し信号の増幅回路を組み込むようにしてもよい。更に、上記実施の形態では基板21の上に、電極層22, 強磁性固定層23, 常磁性層24, 強磁性自由層25および電極層26をこの順で形成するようにしたが、各層の成膜順序は上記と逆にしてもよい。
〔実施例〕
 本実施例では、以下のような構成を有する不揮発性RAMを作製した。ここでは、電極層26から基板21までの構成を示す。
<試料構造>
  電極層     ;Au膜(厚さ25nm)
  強磁性自由層  ;Ni81Fe19からなるパーマロイ膜(厚さ1nm、c軸が強磁性固定層の磁化と平行となるような一軸異方性を有する)
  常磁性層    ;La@C82薄膜(厚さ20nm)
  強磁性固定層  ;Ni81Fe19からなるパーマロイ膜(厚さ4nm、一軸異方性を有する)
  電極層     ;Au膜(厚さ500nm)
  基板      ;シリコン基板
 本実施例の試料構造の測定結果を以下に示す。
<演算された値>
偏極効率:〜90%
強磁性自由層に対する面内有効異方性磁場:Hu=+2Ku/Ms〜10Oe
スピン数密度:〜1.9×1015cm2
ギルバート減衰係数:0.005
臨界値Jt:〜8×103 A/cm2
電気抵抗:16mΩ
ノイズ電圧(10Hz BW,77k):0.2nV
<測定値>
実験によるスイッチング電流密度:〜2×104 A/cm2
スイッチング時間θ(0〜π):〜0.05μ秒
読出し中のピーク消費電力:〜0.1pW
読出し電流密度:〜3×104 A/cm2
読出し電流パルス:〜5.0μA,1Hz
CPP GMR 4% ΔR/R:〜(800μΩ/20mΩ)
平均読み取り電圧:〜5nV
 また、本実施例の比較例として、常磁性層に厚さが20nmのAu膜を用いることを除き、実施例と同様にして不揮発性RAMを作製した。この比較例の測定結果を以下に示す。
<演算された値>
偏極効率:〜30%
自由層に対する面内有効異方性磁場:Hu=+2Ku/Ms〜10Oe
スピン数密度:〜1.9×1015cm2
ギルバート減衰係数:0.01
臨界値Jt:〜8×103 A/cm2
電気抵抗:16mΩ
ノイズ電圧(10Hz BW,77k):〜0.3nV
<測定値>
実験によるスイッチング電流密度:〜2×104 A/cm2
スイッチング時間θ(0〜π):〜0.1μ秒
読出し中のピーク消費電力:〜0.1pW
読出し電流密度:〜4×103 A/cm2
読出し電流パルス:〜6.4μA,1Hz
CPP GMR 4% ΔR/R:〜(800μΩ/16mΩ)
平均読出し電圧:〜5nV
 以上からわかるように、本実施例では、常磁性層をAu膜の代わりにLa@C82膜とすることにより、偏極効率を著しく高めることができた。すなわち、常磁性層をAu膜の代わりにLa@C82膜とすれば、不揮発性RAMの性能の向上を図ることができることがわかった。
 更に、本実施例の比較例として、従来の誘起磁場方式のRAMの測定結果を以下に示す。
<測定値>
スイッチング電流密度:〜5.8×106 A/cm2
スイッチング時間θ(0〜π):〜0.08μ秒
読出し中のピーク消費電力:〜1.0pW
読出し電流密度:〜1×105 A/cm2
読出し電流パルス:〜5.0μA,1Hz
CPP GMR 4% ΔR/R:〜(800μΩ/20mΩ)
平均読み取り電圧:〜40nV
 従来の誘起磁場方式のRAMと比較して、スイッチングおよび書き込みに必要な電流が2桁のオーダ、スイッチング時間が1桁のオーダ、消費電力が1桁のオーダで特性が向上した。すなわち、スピン注入方式の不揮発性RAMは、従来の誘起磁場方式のものと比較して、読出し時間の短縮や消費電力の削減を図ることが可能となることがわかった。
 以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。
本発明の一実施の形態に係る不揮発性ランダムアクセスメモリの概略構成を表す模式図である。 不揮発性ランダムアクセスメモリを構成するメモリセルの模式図である。 メモリセルの常磁性層に用いられる内包フラーレン薄膜の結晶構造を説明するための図である。 メモリセルへの書き込み動作を説明するための模式図である。 メモリセルへの書き込み動作を説明するための模式図である。 メモリセルへの読み出し信号を示す模式図である。 メモリセルへの読み出し信号を示す模式図である。 メモリセルのアドレス方式を説明するための図である。 メモリセルのアドレス方式を説明するための図である。 図1に示した不揮発性ランダムアクセスメモリの製造工程を説明するための平面図である。 図10に続く工程の断面図である。 図11に続く工程の断面図である。 図12の平面図である。 図12に続く工程の断面図である。 図14に続く工程の断面図である。 図15の平面図である。 メモリセルの変形例である。 メモリセルの他の変形例である。
符号の説明
 10…不揮発性ランダムアクセスメモリ、20…メモリセル、21…基板、22, 26…電極層、23…強磁性固定層、24…常磁性層、25…強磁性自由層、31, 34…レジスト膜、32a…メモリセル部、32b…接地端子部、33…絶縁層、35…金層、36, 37, 38, 39…ワイヤ、41,42, 43…配線, 51…磁化固定層,52…スピン配列化層

Claims (22)

  1.  複数のメモリセルにより構成され、スピン偏極した電子の注入により前記メモリセルの記録情報の書き込みが行われる不揮発性ランダムアクセスメモリであって、
     前記メモリセルは、
     磁化の向きが固定される第1の強磁性層と、
     中空を有し、前記中空に常磁性材料が内包されると共に所定のスピンコヒーレンス長を有する球殻状分子材料からなり、前記第1の強磁性層の一面に形成された常磁性層と、
     前記常磁性層における前記第1の強磁性層が形成された面とは反対側の面に形成され、前記スピン偏極した電子により磁化の向きが変化する第2の強磁性層とを備え、
     前記第2の強磁性層の磁化の向きの変化により前記記録情報の書き込みが行われる
     ことを特徴とする不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  2.  前記常磁性層を構成する球殻状分子材料は炭素分子フラーレンである
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  3.  前記球殻状分子材料は、大きさが0.1nm以上50nm以下の中空を有する炭素分子フラーレンである
     ことを特徴とする請求項2記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  4.  前記常磁性層の厚さは0.5nm以上5μm以下である
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  5.  前記球殻状分子材料に内包される常磁性材料は、ランタン(La),セシウム(Cs),ジスプロシウム(Dy),ユウロピウム(Eu)またはガドリニウム(Gd)である
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  6.  前記球殻状分子材料に内包される常磁性材料は、窒素(N)またはリン(P)である
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  7.  前記第1の強磁性層と第2の強磁性層との間にスピン配列化層を備えた
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  8.  前記スピン配列化層は、希薄磁性体を内包している
     ことを特徴とする請求項7記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  9.  前記希薄磁性体は、(In,Mn)As,(Ga,Mn)As,(Cd,Mn)Te,(Zn,Mn)Te,および (Zn,Cr)Teのうちの少なくとも一種からなる
     ことを特徴とする請求項8記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  10.   前記球殻状分子材料に希薄磁性体が内包されており、前記常磁性層は、スピン配列化層およびスピン伝導層として機能する
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  11.  前記第1の強磁性層の厚みは、前記第2の強磁性層よりも厚い
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  12.  前記第1の強磁性層における前記常磁性層が形成された面とは反対側の面に、前記第1の強磁性層の磁化の向きを固定するための磁化固定層を備えた
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  13.  前記磁化固定層は反強磁性材料からなる
     ことを特徴とする請求項12記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  14.  前記磁化固定層は電極を兼ねている
     ことを特徴とする請求項12記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  15.  前記第2の強磁性層の厚みは5原子層以下である
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  16.  前記メモリセルの両面のそれぞれに電極が形成され、前記電極は常磁性金属材料からなる
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  17.  前記メモリセルの第2の強磁性層にはスピン偏極した電子を注入するための書込み線が接続されている
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  18.  前記メモリセルの面積は0.5nm2 以上5μm2 以下である
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  19.  前記メモリセルの記録情報を、前記メモリセルの積層方向に電流を流し、そのときに生じる巨大磁気抵抗効果を利用して読み出す
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  20.  前記メモリセルの記録情報を、前記第2の強磁性層に光を照射し、そのときに生じる磁気カー効果を利用して読み出す
     ことを特徴とする請求項1記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  21.  磁化の向きが固定される第1の強磁性層と、
     中空を有し、前記中空に常磁性材料が内包されると共に、所定のスピンコヒーレンス長を有する球殻状分子材料からなり、前記第1の強磁性層の一面に形成された常磁性層と、
     前記常磁性層における前記第1の強磁性層が形成された面とは反対側の面に形成され、スピン偏極した電子が注入される第2の強磁性層と
     を備えたことを特徴とする不揮発性ランダムアクセスメモリ。
  22.  前記常磁性層を構成する球殻状分子材料は、炭素分子フラーレンである
     ことを特徴とする請求項21記載の不揮発性ランダムアクセスメモリ。
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