JP3618654B2 - 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置に関し、より詳細には、薄膜面に対して垂直にセンス電流が流れるスピンバルブ膜を用いた磁気抵抗効果素子、この磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッド及び磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある種の強磁性体では、電気抵抗が外部磁界の強さに応じて変化するという現象が知られており、これは「磁気抵抗効果」と呼ばれている。この効果は外部磁場の検出に使うことができ、そのような磁場検出素子を「磁気抵抗効果素子(以下、MR素子と称する)」とよぶ。
【0003】
このようなMR素子は、産業的には、ハードディスクや磁気テープ等の磁気記録再生装置において、磁気記録媒体に記憶された情報の読み出しに利用されており(IEEE MAG−7、150(1971)等参照)、そのような磁気ヘッドは「MRヘッド」とよばれている。
【0004】
ところで近年、これらのMR素子が利用されている磁気記録再生装置、特にハードディスク装置においては、磁気記録密度の高密度化が進められており、1ビットのサイズが小さくなり、ビットからの漏れ磁束の量がますます減少している。このため、より低磁界でも大きな抵抗変化率を得ることができる高感度で高S/N比のMR素子を作ることが、磁気媒体に書き込んだ情報の読み出しには必須となってきており、記録密度向上のための重要な基盤技術となっている。
【0005】
ここで「高感度」とは、単位磁場(Oe)あたりの抵抗変化量(Ω)が大きい事を意味しており、より大きなMR変化量をもち、より軟磁気特性に優れているMR素子ほど高感度になる。また、高S/N比を実現するためには、熱雑音をできるだけ低減することが重要となる。このため素子抵抗自体はあまり大きくなることは好ましくなく、ハードディスク用読み取りセンサーとして用いる場合、良好なS/N比を実現するためには、素子抵抗としては5Ω〜30Ω程度の値とする事が望まれている。
【0006】
このような背景のもと、現在ではハードディスクMRへッドに用いるMR素子としては、大きなMR変化率を得ることができるスピンバルブ(spin−valve)膜を用いることが一般化している。
【0007】
図19は、スピンバルブ膜の概略断面構造を例示する概念図である。スピンバルブ膜100は、強磁性層F、非磁性層S、強磁性層P及び反強磁性層Aをこの順に積層した構成を有する。非磁性層Sを挟んで、磁気的に非結合な状態にある2つの強磁性層F、Pのうち、一方の強磁性層Pは反強磁性体Aを用いた交換バイアス等により磁化を固着しておき、もう片方の強磁性層Fは外部磁界(信号磁界等)により容易に磁化回転できるようにされている。そして、外部磁場によって強磁性層Fの磁化のみを回転させ、2つの強磁性層P、Fの磁化方向の相対的な角度を変化させ、大きな磁気抵抗効果をえることができる(Phys. Rev. B45, 806(1992), J. Appl. Phys. 69, 4774(1991)等参照)。
【0008】
ここで、強磁性層Fは、「フリー層」あるいは「磁場感受層」、「磁化自由層」などと称され、強磁性層Pは、「ピン層」あるいは「磁化固着層」などと称され、非磁性層Sは、「スペーサ層」あるいは「非磁性中間層」、「中間層」などと称される場合が多い。
【0009】
スピンバルブ膜は、低磁場でも、フリー層すなわち強磁性層Fの磁化を回転させることができるため、高感度化が可能であり、MRヘッド用のMR素子に適している。
【0010】
このようなスピンバルブ素子に対しては、磁界による抵抗の変化を検出するために「センス電流」を流す必要がある。
【0011】
図20は、一般的に用いられている電流供給方式を表す概念図である。すなわち、現在は、図示したようにスピンバルブ素子の両端に電極EL、ELを設け、センス電流Iを膜面に対して平行に流し、膜面平行方向の抵抗を測定する方式が一般に用いられている。この方法は一般に「CIP(current−in−plane)」方式とよばれている。
【0012】
CIP方式の場合、MR変化率としては10〜20%程度の値を得ることが可能となっている。また現在一般に用いられているシールドタイプのMRへッドでは、スピンバルブ素子はほぼ正方形に近い形状で用いられるため、MR素子の抵抗はほぼMR膜の面電気抵抗値に等しくなる。このため、CIP方式のスピンバルブ膜では面電気抵抗値を10〜30Ωにすることにより良好な S/N特性を得ることが可能となる。このことはスピンバルブ膜全体の膜厚を薄くすることにより比較的簡単に実現することができる。これらの利点から、現時点ではCIP方式のスピンバルブ膜がMRへッド用のMR素子として一般的に用いられている。
【0013】
しかしながら、100Gbit/inch をこえるような高記録密度での情報再生を実現するためにはMR変化率として30%を越える値が必要とされてくると予想される。これに対して従来のスピンバルブ膜では、MR変化率として20%を越える値を得ることは難しい。このため、いかにこのMR変化率を大きくできるかが、更なる記録密度の向上のための大きな技術課題となっている。
【0014】
このような観点から、MR変化率を大きくする目的で、CIP−SV(CIP−スピンバルブ)膜においてピン層とフリー層のそれぞれを強磁性結合した磁性/非磁性層積層膜により構成したスピンバルブが提案されている。
【0015】
図21は、このような積層構造を有するスピンバルブ膜の概略断面図である。すなわち、ピン層Pとフリー層Fとが、それぞれ強磁性層と非磁性層との積層構造を有する。この構造の場合、スピンバルブ膜では磁性層/非磁性層界面におけるスピンに依存した電子散乱がMR高果に寄与するため、伝導電子がなるべくより多くの磁性層/非磁性層界面をとおりぬけるようにピン層Pとフリー層Fの磁性層/非磁性層界面を増やすことにより、大きなMR変化率をえることが可能とされている。
【0016】
しかしながら、図21の構成においては、界面数は増えるものの、センス電流Iは積層構造に対して平行に流れるため、それぞれの電子はいずれか一つの層中を流れる確率が高く、界面を横切る電子の数をさほど増やすことはできない。したがって大きな抵抗変化率の向上を得ることは困難となっている。
【0017】
また上記のような方法では、ピン層Pとフリー層Fのそれぞれにおいて非磁性層が積層されるぶん総膜厚が増加するため、膜面の抵抗値、いわゆる面電気抵抗値は大きく減少してしまい、抵抗変化量(=面電気抵抗×MR変化率)はむしろ減少してしまう。一般にへッド出力は抵抗変化量に比例しているため、実際にセンサーとして用いる場合には、出力の絶対値としては減少してしまうという問題もあった。
【0018】
以上説明したような理由から、図21に表したようにピン層とフリー層を多層構造にしたCIP−SV膜においても20%を越えるような大きなMR変化率と、5〜30Ωの実用的な抵抗変化量を実現することは実質的に不可能となっている。
【0019】
一方、30%を越えるような大きなMRを得る方法として、磁性体と非磁性対を積層した人工格子において膜面に垂直方向(current perpendicular to plane:CPP)にセンス電流を流す形式の磁気抵抗効果素子(以下CPP−人工格子)が提案されている。
【0020】
図22は、CPP−人工格子形の素子の断面構造を表す概念図である。この形式の磁気抵抗効果素子では、強磁性層/非磁性層からなる人工格子SLの上下に電極ELがそれぞれ設けられ、センス電流Iが膜面に対して垂直方向に流れる。この構成では、電流Iが磁性層/非磁性層界面を横切る確率が高くなるため、良好な界面効果を得ることが可能となり大きなMR変化率が得られることが知られている。
【0021】
しかしながら、このようなCPP人工格子タイプの膜では、極薄の金属膜の積層構造からなる人工格子SLの膜面垂直方向の電気抵抗を測定する必要がある。しかしこの抵抗値は一般に非常に小さな値になってしまう。したがってCPP人工格子では、抵抗値をできるだけ大きくすることが重要な技術課題となっている。従来はこの値を大きくするために、人工格子SLと電極ELとの接合面積を可能なかぎり小さくして、かつ人工格子SLの積層回数を増やし、総膜厚をふやすことが必須となっている。たとえば、素子の形状を0.1μm×0.1μmにパターニングした場合、Co2nmとCu2nmを交互に10回積層すれば、総膜厚は20nmとなり、1Ω程度の抵抗値を得ることができる。
【0022】
以上のような理由から、CPP人工格子タイプの膜で、十分なヘッド出力を得、良好なハードディスク用読み取りセンサーとして用いるためには、スピンバルブタイプではなく人工格子タイプにすることが抵抗の面からみると必須である事がわかる。
【0023】
しかし一方で、MR素子をMRヘッドにもちいる場合には、磁性層の磁化の制御を行い、効率よく外部磁場の計測を行えるようにしながら、同時にバルクハウゼンノイズ等が発生しないように、各磁性層を単磁区化する事が必要となってくる。しかし、上述したように、CPP−MR素子では抵抗値を稼ぐために磁性層と非磁性層を交互に何度も積層する必要があり、そのような多くの磁性層にたいして、個別に磁化の制御を行うことは技術上非常に困難となっている。
【0024】
また、MR素子をMRヘッドにもちいる場合には、小さな信号磁界に対して高感度に磁化が回転し、大きなMR変化率が得られるようにする必要があるが、このためにはセンシング部分での信号磁束密度を向上させ、おなじ磁束密度でもより大きな磁化回転量が得られるようにする必要がある。したがって外部磁場によって磁化が回転する層のトータルのMst(磁化×膜厚)を小さくする必要がある。しかし、CPP−MR素子では抵抗値を稼ぐために磁性層と非磁性層とを交互に何度も積層する必要があり、Mstが増大してしまうため、信号磁束に対する感度を向上させることが困難となっている。
【0025】
このため、CPP人工格子タイプの膜では、30%を越えるMR変化率は期待できるもののへッド用のMRセンサーとして用いるには高感度化が困難となっており、実質上不可能となっている。
【0026】
一方、FeMn/NiFe/Cu/NiFe、FeMn/CoFe/Cu/CoFe等を用いたスピンバルブ構造においてCPP方式を採用することも考えられる。
【0027】
図23は、CPP−SV素子の断面構成を表す概念図である。しかし、このようなCPP−SV構成において、抵抗値を大きくするためには磁性層の厚さを20nm程度まで厚くする必要があり、その場合でも抵抗変化率は、4.2Kで30%程度にとどまり、室温においては更にその半分の15%程度の抵抗変化率しか得られないだろうことが予測されている。
【0028】
つまり、CPP方式のスピンバルブ膜では、15%程度のMR変化率しか得られず、しかもフリー層のMstも大きくせざるを得ないため、へッド用のMRセンサーとして用いるには高感度化が困難となっており、実質上用いることは困難となっている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、CIP方式のスピンバルブ膜、CPP方式の人工格子、CPP方式のスピンバルブ等、様々な方式が提案されているものの、現時点では100Gbit/inch を超えるような高記録密度で用いることができる、適当な抵抗値と、大きなMR変化量をもち、かつ磁気的に高感度となるようなスピンバルブ膜は実現が困難となっている。
【0030】
本発明は、このような課題の認識に基づいてなされたものであり、その目的は、スピン依存散乱効果を有効的に利用しながら、適当な抵抗値を有し、高感度化が可能で、かつ制御すべき磁性体層の数の少ない、実用的な磁気抵抗効果素子、それを用いた磁気ヘッド及び磁気記録再生装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の磁気抵抗効果素子は、磁化の方向が実質的に一方向に固着された磁化固着層と、磁化の方向が外部磁界に応じて変化する磁化自由層と、前記磁化固着層と前記磁化自由層との間に設けられた非磁性中間層と、を備え、
前記磁化固着層の前記磁化の方向と前記磁化自由層の前記磁化の方向との相対角度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果素子であって、前記磁化固着層と前記磁化自由層の少なくともいずれかは、強磁性層と非磁性層とを交互に積層した積層体を有し、前記積層体における前記強磁性層は、互いに強磁性結合してなり、前記抵抗の変化を検出するためのセンス電流が、前記磁化固着層、前記非磁性中間層及び前記磁化自由層を膜面に対して略垂直方向に通電されることを特徴とする。
【0032】
ここで、前記積層体に含まれる前記強磁性層の少なくともいずれかは、第1の強磁性体からなる層と、前記第1の強磁性体とは異なる第2の強磁性体からなる層とを含むものとすることができる。
【0033】
また、前記積層体は、第1の強磁性体からなる前記強磁性層と、前記第1の強磁性体とは異なる第2の強磁性体からなる前記強磁性層と、を含むものとすることもできる。
【0034】
また、前記積層体に含まれる前記強磁性層は、鉄(Fe)基合金を含み、
前記積層体に含まれる前記非磁性層は、金(Au)、銀(Ag)、及び金と銀との合金のいずれかを含むものとすることもできる。
【0035】
または、本発明の磁気抵抗効果素子は、磁化の方向が実質的に一方向に固着された磁化固着層と、磁化の方向が外部磁界に応じて変化する磁化自由層と、前記磁化固着層と前記磁化自由層との間に設けられた非磁性中間層と、を備え、
前記磁化固着層の前記磁化の方向と前記磁化自由層の前記磁化の方向との相対角度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果素子であって、前記磁化固着層と前記磁化自由層の少なくともいずれかは、2種類以上の強磁性層を積層した積層体を有し、前記抵抗の変化を検出するためのセンス電流が、前記磁化固着層、前記非磁性中間層及び前記磁化自由層を膜面に対して略垂直方向に通電されることを特徴とする。
【0036】
上記いずれの磁気抵抗効果素子においても、前記積層体に含まれる前記強磁性層の少なくともいずれかは、鉄(Fe)基合金を含むものとすることができる。
【0037】
また、前記積層体に含まれる前記強磁性層の少なくともいずれかは、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)またはコバルト(Co)を含む軟磁性合金からなるものとすることもできる。
【0038】
また、前記磁化固着層と前記磁化自由層は、それぞれ前記積層体を有し、
前記磁化固着層の前記積層体における前記積層の周期と、前記磁化自由層の前記積層体における前記積層の周期とが異なるものとすることもできる。
【0039】
また、前記非磁性中間層は、2種類以上の非磁性層を積層した積層体を有するものとすることもできる。
【0040】
ここで、前記2種類以上の非磁性層は、金(Au)、銀(Ag)及び銅(Cu)のうちのいずれか2つをそれぞれ主成分とした2種類の非磁性層を含むものとすることができる。
【0041】
一方、本発明の磁気ヘッドは、前述のいずれかの磁気抵抗効果素子を備えたことを特徴とする。
【0042】
さらに、本発明の磁気記録再生装置は、上記の磁気ヘッドを備え、磁気記録媒体に格納された磁気的情報を読み取り可能としたことを特徴とする。
【0043】
本発明の磁気抵抗効果素子においては、スピン依存散乱を有効に利用することが可能となり大きなMR変化率と、適度な抵抗値を両立することが可能になる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。すなわち、本発明の磁気抵抗効果素子10Aは、図示しない所定の基板の上に、反強磁性層A、第1の磁性体P、中間非磁性層S、第2の磁性体Fの順に積層されている。
【0045】
さらに、この積層構造の上下には、電極層ELがそれぞれ設けられ、センス電流Iを膜面垂直方向に流すことが特徴となっている。
【0046】
本具体例において、第1の磁性層Pは、反強磁性層Aによる一方向異方性によって磁化が固定された「ピン層」として作用する。また第2の磁性層Fは、図示しない磁気記録媒体などから発生される外部磁場(例えば信号磁界など)により磁化回転される「磁場感受層」あるいは「フリー層」として作用する。
【0047】
本具体例においては、第1の磁性層Pおよび第2の磁性層Fは、それぞれ強磁性層PF/非磁性層PN、強磁性層FF/非磁性層FNの積層構造から構成されている。この強磁性層/非磁性層の積層構造においては、強磁性層同士は強磁性磁気結合をしており、実質的に磁化は一体として振舞う。すなわちこの強磁性層/非磁性層積層構造に含まれる強磁性層の磁化はほぼ平行にそろった状態にあり、ピン層Pにおいてはほぼ同一方向に磁化固着されており、フリー層Fにおいては外部磁場に対応してほぼ同一の磁化方向をもつ。
【0048】
本具体例においては、図23に例示したCPPスピンバルブ構成と比べて、明らかにピン層P、フリー層F中に多くの強磁性層/非磁性層の界面を設けることが可能となる。CPPスピンバルブ膜においては、強磁性層/非磁性層の界面における電子散乱の効果、すなわち界面抵抗が大きなスピン依存性を持ち、CPP−MRを増大させるという作用効果を有する。
【0049】
また、界面抵抗が比較的大きな値を持つため、強磁性層/非磁性層の界面をより多く形成することにより、膜面垂直方向の抵抗値を増大させることもできる。本発明においては、より多くの界面抵抗を利用するができ、図23に例示したCPPスピンバルブ膜に比べて、高抵抗で高MR変化率のCPP−SVを構成することが可能となる。
【0050】
また、本発明においては、電流Iが膜面に対して垂直方向に流れるCPP方式をとっているため、すべての電流成分は強磁性層/非磁性層の界面を横切ることになり、図20や図21に例示したCIP方式の場合には有効に利用できなかった界面効果を極めて有効に利用することが可能となる。このため、CIP構成では十分に得られなかったMR変化率の増大効果を極めて顕著に得ることが可能になる。
【0051】
さらに本発明においては、センス電流Iは膜面に対して垂直方向に流れるため、図21に例示したCIP方式の場合のように、非磁性層を挟むことによる抵抗値の低下の問題は発生しない。
【0052】
以上説明したように、本発明によれば、スピンバルブ構成でありながら、界面抵抗を良好に利用し、適度な抵抗値を持ったCPPスピンバルブ素子を提供することが可能となる。
【0053】
また本具体例においては、ピン層P、フリー層Fの磁化は一体として動作するため、磁化の制御はピン層Pの磁化固着と1つのフリー層Fの磁化制御のみによって可能とになる。その結果として、磁気ヘッド等の読み取りセンサーに用いる場合には、バルクハウゼンノイズが抑制された磁気ヘッドを実現することが可能になる。
【0054】
また、本具体例においては、ピン層P、フリー層Fのトータルの厚さは薄くしたまま、良好な抵抗値、MR変化率を得ることが可能となる。すなわち、図23に例示したような単純なCPPスピンバルブ構成と比較して、本構成の場合には界面抵抗を十分に利用することが可能となるため、ピン層P、フリー層FのトータルのMstが小さい条件でも、十分な抵抗値とMR変化率を得ることが可能となる。具体的には、図23の構成ではピン層P、フリー層Fの磁性体の厚さとしては20nm程度必要であったものが、本構成にすることにより、トータルの磁性層厚が5nm程度で十分な特性を得ることが可能になる。これによって、フリー層FのMstを小さな値に保つことが可能となり、高感度なスピンバルブ素子を構成することができる。またピン層PのMstも小さくすることが可能となるため、反強磁性層Aによる磁化固着特性を向上させることができ、熱的にも安定し、デバイスとしての信頼性を向上させることが可能となる。
【0055】
本具体例における第1および第2の強磁性層/非磁性層積層構造に含まれている強磁性層は、例えばCo(コバルト)単体やCo系磁性合金のようなCoを含む強磁性体、あるいはNiFe(ニッケル鉄)合金のようなNi基合金、あるいはFe基合金等により構成することができる。
【0056】
また、本実施例においては強磁性層/非磁性層界面において大きなスピン依存界面抵抗を得ることが望ましいが、そのような強磁性層、非磁性層の組み合わせとしては、強磁性体層としてはFe基合金、Co基合金、Ni基合金を用い、非磁性層としてはCu(銅),Ag(銀),Au(金)もしくはそれらの合金を用いることが望ましい。
【0057】
また、特にRh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)、Mn(マンガン)、Cr(クロム)、Re(レニウム)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)などの非強磁性遷移金属をもちいることも望ましい。これらのうちでも、特にMnまたはReを用いることが望ましい。
【0058】
特に界面抵抗が大きくなる組み合わせとしては、Fe基合金/Au、Fe基合金/Ag、もしくはFe基合金/Au−Ag合金、Co基合金/Cu、Co基合金/Ag,Co基合金/Au、もしくはCo基合金/Cu−Ag−Au合金のいずれかを用いることが望ましい。
【0059】
強磁性層/非磁性層積層構造に含まれる強磁性層の膜厚としては、全体のMstを増やすことなく界面数を増やすためには、できるだけ薄くすることが望ましい。磁性が保たれる組み合わせにおいては、磁性層は1原子層で構成することも可能である。そのような組み合わせとしてはFe1原子層/Au1原子層で構成された人工格子を用いることができる。また上限としては特に規定は無いが、界面数を増やす為には2nm以下であることが望ましい。
【0060】
強磁性層/非磁性層積層構造に含まれている非磁性層の膜厚としては、強磁性層同士の強磁性結合が強く安定であることが必要であるため、1nm以下であることが望ましい。但し、非磁性層の材料に応じて強磁性結合が安定になる膜厚を選択することが望ましい。また下限としては単原子層でも界面抵抗を発生することは可能である。
【0061】
強磁性層/非磁性層の積層構造を形成する材料の組み合わせとしては界面抵抗を良好に得るためには、強磁性層と非磁性層とが非固溶系となる組み合わせであることが望ましい。但し、本発明は、必ずしも非固溶系の組み合わせに限定する必要はない。
【0062】
強磁性層/非磁性層積層構造は、平坦で、切れ目なく構成されていることが望ましい。しかし良好な強磁性磁気結合を得るためには、図2に表したように非磁性層FN、PNにピンホールHが形成されており、その部分では隣り合う強磁性層FF、PFが直接接合されていても問題はない。
【0063】
逆に、図3に表したように強磁性層FF、PFが島状になっていても積層構造が形成されていても、強磁性層/非磁性層界面が膜面に略平行に存在していれば問題はない。
【0064】
強磁性層/非磁性層積層構造における強磁性層は、必ずしも1種の材料のみで構成されている必要はない。
【0065】
図4に例示した構成においては、2種の強磁性体からなる積層膜が用いられている。つまり、第1の強磁性層Pを構成する強磁性層PFはPF1/PF2/PF1なる積層構成を有し、第2の強磁性層Fを構成する強磁性層FFもFF1/FF2/FF1なる積層構成を有する。
【0066】
より具体的には、例えばピン層Pにおいては、界面抵抗の大きなFe/Au界面を用いることが望ましいが、Feはスピンの揺らぎが大きい為に、室温で用いる為にはスピンの揺らぎを抑えることが望ましい。そのためには強磁性層PFとして、Fe/CoFe/Fe、Fe/NiFe/Fe等のスピン揺らぎの小さな磁性体との積層構造とすることが望ましい。
【0067】
一方、フリー層Fにおいても、界面抵抗の大きなFe/Au界面を用いることが望ましいが、Feだけではフリー層として必要な軟磁気特性を得ることが難しい。そのため強磁性層FFとして、Fe/CoFe/Fe、Fe/NiFe/Fe等の軟磁気特性の優れている磁性材料との積層構造とすることが望ましい。
【0068】
なお、図4においては、フリー層Fの上に、Cu、Ag、Auなどからなる高導電層Gが積層されている。
【0069】
一方、強磁性層/非磁性層の積層構造における強磁性層は、必ずしも1種の材料で構成されている必要はなく、図5に示したように、2種以上の強磁性体で構成されていても良い。例えば、高導電層Gと非磁性中間層Sとの間に設けられるフリー層Fにおいては、界面抵抗の大きなFe/Au界面を用いることが望ましいが、Feによる強磁性層FF1だけではフリー層として必要な軟磁気特性をえることが難しい。そのために強磁性層として強磁性結合したCoFe,NiFe等の軟磁気特性の優れている磁性材料からなる強磁性層FF2を付加することにより軟磁気特性を向上させることが可能になる。
【0070】
また、強磁性層/非磁性層積層構造における強磁性層に、FeもしくはFe基合金が含まれる場合にはfcc(face−centered cubic)構造であることが望ましい。これは非磁性層を構成するAu,Ag,Cu等のfcc金属と積層をした場合により安定にできること、全体として結晶性の良好な積層構造を構成することが可能になり、軟磁気特性の向上、スピン揺らぎの減少等の効果があるためである。但しbcc(body−centered cubic)構造であっても、用いることは可能である。
【0071】
また、図4や図5に例示したように2種類以上の強磁性層を組み合わせる場合には fcc構造の強磁性体とbcc構造の強磁性体とを組み合わせることもできる。この様な組み合わせにおいてはfcc強磁性体とbcc強磁性体の電子状態、フェルミ面の形状、状態密度の分布等が大きく異なる。このため、伝導電子に対する顕著なフィルター効果を得ることが可能となり、大きな抵抗とMR変化率を得ることができる。
【0072】
図6は、bcc強磁性体とfcc強磁性体とを組み合わせた具体例を表す概念図である。すなわち、同図のスピンバルブは、第1の磁性層Pがbcc構造の強磁性層PFと非磁性層PNとの積層構造を有し、第2の磁性層Fがfcc構造の強磁性層FFと非磁性層FNとの積層構造を有する。このようにピン層Pとフリー層Fで強磁性層の結晶構造を異なるものとしても大きなフィルター効果を得ることができる。
【0073】
上述した各種磁性層において、Fe基合金としては、Fe,FeNi、FeCo,FeSi,FeMo、FeAl等軟磁気特性が得られやすい材料を用いることが望ましい。
【0074】
Co系合金としては、CoにFe,Ni,Au,Ag,Cu,Pd,Pt,Ir,Rh,Ru,Os,Hf等の1種または2種以上を添加した合金が挙げられる。添加元素量は5〜50原子%とすることが好ましく、されには8〜20原子%の範囲とすることが望ましい。これは、添加元素量が少なすぎると、バルク効果が十分に増加せず、逆に添加元素量が多すぎると、今度は界面効果が大きく減少するおそれがあるからである。添加元素は大きなMR変化率を得るために、特にFeを用いることが好ましい。
【0075】
ところで、CPP−SVにおいては、伝導電子がピン層Pとフリー層Fを通り抜けるときに、それぞれ電子散乱を受ける。そして、本発明により、ピン層Pもしくはフリー層Fを多層化した場合には、その多層構造の積層周期に基づくバンドポテンシャルの変調をうける。従って、ピン層とフリー層とで積層周期を変えると電子の「フィルター効果」が得られる。
【0076】
図7は、このようにピン層とフリー層とで積層周期を変えたスピンバルブ素子の具体例を表す概念図である。
【0077】
また、図8は、このスピンバルブ素子におけるポテンシャルの変調を表す概念図である。すなわち、図8(a)は、ピン層とフリー層の磁化が平行の場合、図8(b)は、反平行の場合について、それぞれ電子が感じるポテンシャルをアップスピンの場合とダウンスピンの場合について図示したグラフである。
【0078】
図7に表した具体例においては、第1の磁性層(ピン層)Pにおける強磁性層/非磁性層の積層周期が、第2の磁性層(フリー層)Fにおける強磁性層/非磁性層の積層周期よりも短い。
【0079】
ここで、膜面に対して垂直方向に流れる電子の波数ベクトルは、バンドポテンシャルの変調に対応した摂動を受けることになる。この摂動を受ける波数は、多層構造の周期に応じて異なる。このため、図7に例示したようにピン層Pとフリー層Fにおける積層周期を変えることにより、両方の層を通り抜けることができる電子の波数を大きく制限することが可能になる。さらに、このフィルター効果自体もスピン依存効果を持つため、全体の電子の透過確率を低くしながらも、スピン依存性は高く保つことが可能となる。このためピン層Pとフリー層Fの積層周期を故意に変えることにより、より高抵抗にしつつ、高MR変化率が実現できるCPP−SVを構成することが可能になる。
【0080】
図8において、各グラフの縦軸は、伝導電子の感じるポテンシャルを表し、横軸は、スピンバルブ素子の膜厚方向の位置を表す。ここでいう伝導電子の感じるポテンシャルとは、金属中の伝導電子を自由電子モデルで近似した場合の、フェルミ・エネルギーに対応しており、フェルミ面におけるフェルミ波数が大きいほど、フェルミ・エネルギーが大きく、ポテンシャルが深く感じられる。ポテンシャルの深さは金属の種類によって異なっているため、積層構造にすると膜厚方向にポテンシャルの変調が生じる。
【0081】
図8において、ポテンシャルの浅い部分は伝導電子数が少なく、フェルミ・エネルギーが小さい状態を表している。一方、ポテンシャルの深い部分は伝導電子数が多く、フェルミ・エネルギーが大きい状態をあらわしている。磁性体内部では交換エネルギーによって、伝導電子がスピン分裂している為、ダウンスピンとアップスピンでは、伝導電子の感じるポテンシャルの大きさは異なっている。
【0082】
以上のような効果により、本発明のCPP−SV膜において伝導電子の感じるポテンシャルは図8に示したような構造となる。すなわち、第1、第2の磁性層として磁性層/非磁性層の積層構造をもちいているため、伝導電子の感じるポテンシャルはクローニッヒ・ペニー型の変調をうけ、伝導電子のバンド構造にはミニギャップが形成される。そのミニギャップの形成のされ方は、積層周期により影響を受けるため、第1の磁性層と第2の磁性層で積層周期を変えると、ミニギャップの出来る場所が異なってくる。
【0083】
このため、このようなCPP−SVにおいて膜面垂直方向に電子を流した場合には、電子はギャップによって伝導を制約される確率が高くなり、全体として伝導電子の透過確率を制限することが可能になる。
【0084】
また、アップスピンの伝導電子が感じるポテンシャルと、ダウンスピンの伝導電子が感じるポテンシャルとでは、ポテンシャルの深さが異なるため、伝導電子の透過確率の制約のされ方はスピン依存することになり、大きなスピン依存散乱効果を生み出すことが可能になる。
【0085】
以上の効果により、高抵抗で高抵抗変化率のCPP−SVを形成することが可能となる。
【0086】
一方、本発明においては、ピン層P、フリー層Fを構成する強磁性層/非磁性層の積層構造において、強磁性層同士は強磁性結合をしている必要があるが、そのためには、良好な積層構造を形成する必要がある。また、ピン層P、フリー層Fの磁気特性は、積層構造における結晶格子定数を最適な値に調整することによって向上させることができる。
【0087】
このため、図9に示したように非磁性層も例えばAu/Cu/Auのような積層構造とし、大きな界面抵抗を実現しつつ良好な格子定数を実現し、良好な磁気特性を得ることが可能になる。すなわち、図9に表した具体例においては、第1の磁性層(ピン層)Pを構成する強磁性層PF/非磁性層PNにおいて、非磁性層PNが、第1の非磁性層PN1によって第2の非磁性層PN2をサンドイッチした構成を有する。同様に、第2の磁性層(フリー層)Fにおいても、非磁性層FNが、第1の非磁性層FN1と第2の非磁性層FN2とのサンドイッチ構造を有する。
【0088】
図9の構成において、非磁性中間層Sの材料としては、Cu,Au,Agのような伝導電子の平均自由行程の長い物質を用いる事が望ましい。このような物質を用いることにより電子は、電極を形成する強磁性層Pから強磁性層Fにバリスティックに伝導する事が可能となり、より効果的に強磁性体に起因する電子のスピン依存散乱効果を利用することができる。これにより大きなMR変化率をえることが可能となる。またこれら3種類の元素の合金によって構成することも可能である。この場合は積層構造における結晶格子定数を最適な値に調整することが可能な様に組成を調整することが望ましい。
【0089】
一方、非磁性中間層Sを多層化することもできる。
【0090】
図10は、非磁性中間層Sを多層化したスピンバルブ素子を表す概念図である。すなわち、同図のスピンバルブ素子においては、非磁性中間層Sが、第1の非磁性層SN1と第2の非磁性層SN2との積層構造を有する。いずれの非磁性層も、Cu,Au,Ag等の材料により形成することが可能である。このとき非磁性層/非磁性層の積層構造の積層周期によっても、伝導電子に対して摂動を与えることができる。つまり、非磁性中間層Sの非磁性層/非磁性層の積層周期と、ピン層Pもしくはフリー層Fの積層周期とを適当に設定することにより、CPP−SV全体を膜面垂直方向に流れることができる電子の波数ベクトルをより制限し、より高抵抗で高MR変化率が実現できるCPP−SVを構成することが可能となる。
【0091】
一方、反強磁性層Aの材料としては、磁化固着特性に優れた金属反強磁性体を用いることが望ましい。具体的にはPtMn,NiMn,FeMn,IrMn等の反強磁性体を用いることができる。これらの層の膜厚は電気的特性からはできるだけ薄くすることが望ましい。但し余り薄くすると磁化固着特性が劣化してしまうため、ブロッキング温度が減少しない程度の膜厚を選択する必要がある。このため膜厚は5nm以上とすることが望ましい。
【0092】
一方、以上の構成に加えて、第1の磁性層P、第2の磁性層Fのいずれか、もしくは両方において、他の強磁性層と反強磁性結合をしている磁性層を付加して、いわゆる「シンセティック反強磁性層構造」とすることが可能である。
【0093】
図11は、シンセティック構造を有するスピンバルブ素子の断面構成を表す概念図である。すなわち、同図に表した例においては、ピン層Pとフリー層Fのそれぞれが、同図中に矢印で示した方向にそれぞれ磁化する磁性層からなるシンセティック構造を有する。この様なシンセティック構成にすることにより、ピン層Pにおいては見掛け上の磁化をゼロとすることが可能となり、ピン層の磁化固着をより安定なものとすることが可能となる。また、フリー層Fにおいては、見掛け上の磁化を小さくすることにより、より高感度な外部磁界応答性を得ることが可能となる。
【0094】
一方、以上説明した構成においては、電極ELとスピンバルブとの間には特別な層を設けなかったが、実際の素子を形成する場合は、これ以外の層を設けることができる。
【0095】
図12に例示したスピンバルブ素子においては、電極ELと反強磁性層Aとの間には、平滑性を向上させ、また結晶性を向上させるためにバッファ層(下地層)Bが設けられる。また、上部電極ELとフリー層Fとの間には、保護層Cが設けられている。
【0096】
バッファ層(下地層)B、保護層Cとしては、Ta,Ti,Cr等の濡れ性の良い材料、Cu,Au,Ag等の電気抵抗が小さくfcc構造が安定な材料、またはそれらの積層構造等を用いることが望ましい。
【0097】
以上、本発明の第1の実施の形態として、ピン層及びフリー層の少なくともいずれかを強磁性層と非磁性層との積層構造とするCPPタイプのスピンバルブ素子について説明した。
【0098】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0099】
図13は、本発明の第2の実施の形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。すなわち、本発明の磁気抵抗効果素子は、図示しない所定の基板の上に、反強磁性層A、第1の磁性体P、非磁性中間層S、第2の磁性体F、高導電層Gの順に積層されている。
【0100】
さらに、この積層構造の上下には、電極ELが設けられ、センス電流が膜面に対して垂直方向に供給されることが特徴となっている。
【0101】
そして、本具体例においても第1の磁性層Pは、磁化が反強磁性層Aによる一方向異方性により固定された「ピン層」として作用する。また、第2の磁性層Fは、図示しない磁気記録媒体などから発生される外部磁場(例えば信号磁界など)により磁化反転される「磁場感受層」あるいは「フリー層」として作用する。
【0102】
本実施形態においては、第1の磁性層Pまたは第2の磁性層Fは、強磁性層と強磁性層の積層構造から構成されている。すなわち、図13に表した具体例においては、ピン層Pは、第1の強磁性層PN1と第2の強磁性層PN2との積層構造を有し、フリー層Fは、第1の強磁性層FF1と第2の強磁性層FF2との積層構造を有する。
【0103】
本実施形態における強磁性層/強磁性層の積層構造においては、強磁性層同士は強磁性磁気結合をしており、実質的に磁化は一体として振舞う。すなわちこの強磁性層/強磁性層の積層構造に含まれる磁性層の磁化はほぼ平行にそろった状態にあり、ピン層Pにおいては同一方向にそろっており、フリー層Fにおいては外部磁場に対してほぼ同一の磁化方向をもつ。
【0104】
本発明者が界面抵抗の効果を検討した結果、CPP−SVにおいては強磁性層/強磁性層の界面における電子散乱の効果、すなわち界面抵抗が、大きなスピン依存性を持ちCPP−MRを増大させる役目を担うことが明らかになった。
【0105】
本具体例においては、ピン層P、フリー層F中に多くの強磁性層/強磁性層の界面を設けることが可能となり、より多くの界面抵抗を利用することができ、高抵抗で高MR変化率のCPP−SVを構成することが可能となる。
【0106】
また、ピン層P、フリー層Fの磁化は一体として動作するため、磁化の制御はピン層の磁化固着と1つのフリー層の磁化制御のみによって可能になり、ヘッド等の読み取りセンサーに用いる場合にはバルクハウゼンノイズフリーなヘッドを構成することが可能になる。
【0107】
第1および第2の強磁性層は、例えばCo単体やCo系磁性合金のようなCoを含む強磁性体、あるいはNiFe合金のような強磁性体、あるいはFe基合金等により構成されている。
【0108】
特に界面抵抗が大きい組み合わせとしては、NiFe合金/CoFe合金、Fe基合金/NiFe合金、もしくはFe基合金/CoFe合金を用いることが望ましい。
【0109】
強磁性層/強磁性層の積層構造に含まれている強磁性体層の膜厚としては、全体のMstを増やすことなく界面数を増やす為には、できるだけ薄くすることが望ましい。磁性が保たれる組み合わせにおいては、磁性層は1原子層で構成することも可能である。また上限としては特に規定は無いが、界面数を増やす為には2nm以下であることが望ましい。
【0110】
強磁性層/強磁性層の積層構造に含まれている磁性対層の膜厚としては、界面数をできるだけ多くするためには1nm以下であることが望ましい。また下限としては単原子層でも界面抵抗を発生する事は可能である。
【0111】
強磁性層/強磁性層の積層構造を形成する材料の組み合わせとしては界面抵抗を良好に得るためには、隣接する強磁性層同士が非固溶系の組み合わせであることが望ましい。しかし必ずしも非固溶系の組み合わせに限定する必要はない。
【0112】
また、本実施形態におけるピン層P、フリー層Fの強磁性層は、必ずしも2種の材料で構成されている必要はなく、3種類以上の強磁性体層で構成されていても良い。
【0113】
図14は、フリー層が3種類の強磁性層を有する場合を例示した概念図である。すなわち、同図のスピンバルブ素子においては、フリー層Fが第1の強磁性層FF1と、第2の強磁性層FF2と、第3の強磁性層FF3との積層構造を有する。
【0114】
フリー層Fにおいては、界面抵抗の大きなFe/CoFe界面を用いることが望ましいが、Feだけではフリー層として必要な軟磁気特性を得ることが難しい。そのために、強磁性層として強磁性結合したNiFe等の軟磁気特性の優れている強磁性層FF3を付加することにより軟磁気特性を向上させることが可能になる。
【0115】
また、強磁性層/強磁性層の積層構造における強磁性層に、FeもしくはFe基合金が含まれる場合には、fcc構造であることが望ましい。これはCoFe、NiFe等のfcc金属と積層をした場合により安定にできること、全体として結晶性の良好な積層構造を構成する事が可能になり、軟磁気特性の向上、スピン揺らぎの減少等の効果があるためである。但しbcc構造であっても、用いることは可能である。
【0116】
特に2種類の磁性体の組み合わせとして fcc構造の磁性体とbcc構造の磁性体を組み合わせることもできる。このような組み合わせにおいてはfcc磁性体とbcc磁性体の電子状態、フェルミ面の形状、状態密度の分布等が大きく異なるため、顕著な伝導電子のフィルター効果を得ることが可能となり、大きな抵抗とMR変化率を得ることが可能となる。
【0117】
Fe基合金としては、Fe,FeNi、FeCo,FeSi,FeMo、FeAl等軟磁気特性が得られやすい材料を用いることが望ましい。
【0118】
Co系合金としては、CoにFe,Ni,Au,Ag,Cu,Pd,Pt,Ir,Rh,Ru,Os,Hf等の1種または2種以上を天下した合金が挙げられる。添加元素量は5〜50原子%とすることが好ましく、されには8〜20原子%の範囲とすることが望ましい。これは、添加元素量が少なすぎると、バルク効果が十分に増加せず、逆に添加元素量がおおすぎると、今度は界面効果が大きく減少するおそれがあるかれである。添加元素はおおきなMR変化率をえる上で、特にFeを用いる事が好ましい。
【0119】
CPP−SVにおいては、伝導電子がピン層Pとフリー層Fを通り抜けるときに、電子散乱を受けるが、本実施形態に基づいてピン層Pもしくはフリー層Fを多層化した場合には、その積層周期に基づくバンドポテンシャルの変調をうける。このため、膜面に対して垂直方向に流れることができる電子の波数ベクトルはバンドポテンシャルの変調に対応した制限を受けることになる。この制限を受ける波数は積層周期により異なる。このため、図7及び図8に関して前述したものと同様に、本実施形態においても、ピン層Pとフリー層Fにおける積層周期を変えることにより、両方の層を通り抜けることができる波数を大きく制限する事が可能になる。このフィルター効果自体もスピン依存効果を持つため、全体の電子の透過確率を低くしながらも、スピン依存性は高く保つことが可能となる。このためピン層とフリー層の積層周期を故意に変える事により、より高抵抗にしつつ、高MR変化率が実現できるCPP−SVを構成することが可能になる。
【0120】
非磁性中間層Sとしては、Cu,Au,Agのような伝導電子の平均自由行程の長い物質を用いることが望ましい。このような物質を用いることにより電子は、電極を形成するピン層Pからフリー層Fにバリスティックに伝導する事が可能となり、より効果的に強磁性体に起因する電子のスピン依存散乱効果を利用することができる。これにより大きなMR変化率を得ることが可能となる。またこれら3種類の元素の合金によって構成することも可能である。この場合は積層構造における結晶格子定数を最適な値に調整することが可能な様に組成を調整することが望ましい。
【0121】
また、非磁性中間層Sは、図10に関して前述したように、Cu,Au,Ag等の材料を積層した非磁性層/非磁性層の積層構造により構成することも可能である。このとき非磁性層/非磁性層の積層構造の積層周期と、ピン層P、もしくはフリー層Fの積層周期を適当に設定する事により、CPP−SV全体を膜面垂直方向に流れることができる電子の波数ベクトルをより制限し、より高抵抗で高MR変化率が実現できるCPP−SVを構成することも可能となる。
【0122】
一方、反強磁性層Aとしては、磁化固着特性に優れた金属反強磁性体を用いることが望ましい。具体的にはPtMn,NiMn,FeMn,IrMn等の反強磁性体を用いることができる。これらのそうの膜厚は電気的特性からはできるだけ薄くすることが望ましい。但し余り薄くすると磁化固着特性が劣化してしまうため、ブロッキング温度が減少しない程度の膜厚を選択する必要がある。このため膜厚は5nm以上とすることが望ましい。
【0123】
また以上の構成に加えて、第1の磁性層P、第2の磁性層Fのいずれか、もしくは両方において、他の強磁性層と反強磁性結合をしている磁性層を付加して、図11に関して前述したようなシンセティック反強磁性層構造とすることも可能である。この様なシンセティック構成にすることにより、ピン層においては見掛け上の磁化をゼロとすることが可能となり、ピン層の磁化固着をより安定なものとすることが可能となる。またフリー層においては見掛け上の磁化を小さくすることにより、より高感度な外部磁界応答性を得ることが可能となる。
【0124】
また、本実施形態においても、図12に関して前述したものと同様に、バッファ層(下地層)Bや保護層Cを設けることができる。すなわち、電極ELと反強磁性層Aとの間には、平滑性を向上させ、また結晶性を向上させるために下地層を形成することが望ましい。また、上部電極ELとフリー層Fとの間には、保護層となるべき層を配置することが望ましい。これら下地層、保護層としては、Ta,Ti,Cr等の濡れ性の良い材料、Cu,Au,Ag等の電気抵抗が小さくfcc構造が安定な材料、またはそれらの積層構造等を用いることが望ましい。
【0125】
以上、本発明の実施の形態について説明した。
【0126】
次に、実施例を参照しつつ、本発明についてさらに詳細に説明する。
(第1の実施例)
図15は、本発明の第1の実施例としてのスピンバルブ素子の断面構成を表す概念図である。以下、本実施例に関して、その製造プロセスに沿って説明する。
【0127】
まず、図示しない熱酸化シリコン(Si)基板上にスパッタ法によってCu下電極EL1を500nm積層し、フォトリソグラフィーにより幅9μmのストライブ状に形成した。次に、その上に3μm角のCPP−SVを成膜した。膜の積層構成は、以下の如くである。
Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm/CoFe1nm/
Cu1nm/CoFe1nm/Cu1nm/CoFe1nm/
Cu3nm/CoFe1nm/Cu1nm/CoFe1nm/
Cu1nm/CoFe1nm/Cu1nm/Ta5nm
【0128】
その上にさらにAlOxの絶縁膜Zを堆積し、絶縁膜Zに0.1μm角の穴を形成した。その上に、厚さ500nmのCu上部電極EL2をスパッタ法によって積層した。本実施例では、上記構成により絶縁膜Zの0.1μ角の穴を通してCPP−SV特性を測定することが可能となった。
【0129】
室温での測定の結果、抵抗は5Ωとなり、抵抗変化率は10%の値を得ることができた。これにより0.5Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。また、ピン層Pは反強磁性層Aによって良好に磁化固着され、ピン層Pを構成している積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0130】
また、フリー層FのHcも小さく、その磁化は外部磁場に対して一体として動いていることも確認できた。
【0131】
また、さらに本実施例において膜構造の下部構造をなす
Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm
なる構造の部分に微細なスルーホールを形成し、Cu下部電極とCoFe/Cu積層構造が直接接合されるように構成し、さらに絶縁膜Z上にあける穴の大きさを0.05μm角としたところ、Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm構造に起因する寄生抵抗を削除したMRを測定することが可能となった。
【0132】
その結果、抵抗は5Ωとなり、抵抗変化率としては40%の値を得ることができた。これにより2Ωの抵抗変化量をえることが可能となった。またピン層Pは反強磁性層Aによって良好に磁化固着され、ピン層Pを構成している積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0133】
(比較例1)
上記実施例に対する比較例として、ピン層とフリー層をそれぞれ単層としたCPPタイプのスピンバルブ素子を試作した。
【0134】
まず、熱酸化シリコン(Si)基板上にスパッタ法によってCu下電極を500nm積層し、フォトリソグラフィーにより幅9μmのストライブ状に形成した。そのあとその上に3μm角のCPP−SVを成膜した。膜構成は、以下の如くである。
Ta5nm(バッファ層)/NiFe2nm(バッファ層)/
PtMn15nm(反強磁性層)/CoFe3nm(ピン層)/
Cu3nm(非磁性中間層)/CoFe3nm(フリー層)/
Cu1nm(高導電層)/Ta5nm(保護層)
【0135】
その上に、図15に表したものと同様にAlOxの絶縁膜を形成し、AlOxには0.1μm角の穴を形成した。その上にCu上部電極500nmをスパッタ法によって積層した。本実施例ではAlOxの0.1μ角の穴を通してCPP−SV特性を測定することが可能となった。室温での測定の結果、抵抗は3Ωとなり、抵抗変化率は2%の値しか得られなかった。したがって0.06Ωの抵抗変化量しか得られず実施例1の1/8程度の変化量にとどまった。
【0136】
(比較例2)
次に、第2比較例として、膜面に対して平行方向にセンス電流を流すCIPタイプのスピンバルブ素子を試作した。
【0137】
まず、熱酸化シリコン(Si)基板上にスパッタ法によって、第1比較例と同様の積層構造を形成した。
Ta5nm(バッファ層)/NiFe2nm(バッファ層)/
PtMn15nm (反強磁性層)/CoFe3nm(ピン層)/
Cu3nm(非磁性中間層)/CoFe3nm(フリー層)/
Cu1nm(高導電層)/Ta5nm(保護層)
【0138】
そして、その積層膜の両端部に電極を形成し、膜面に対して平行方向にセンス電流を流してMR変化率を測定した。その結果MR変化率として8%の値が得られた。
【0139】
次に、ピン層とフリー層を積層構造にしたCIPタイプのスピンバルブ素子を試作した。その積層構造は以下の通りである。
Ta5nm(バッファ層)/NiFe2nm(バッファ層)/
PtMn15nm(反強磁性層)/CoFe1nm(ピン層)/
Cu1nm(ピン層)/CoFe1nm(ピン層)/Cu1nm(ピン層)/
CoFe1nm(ピン層)/Cu3nm(非磁性中間層)/
CoFe1nm(フリー層)/Cu1nm(フリー層)/
CoFe1nm(フリー層)/Cu1nm(フリー層)/
CoFe1nm(フリー層)/Cu1nm(高導電層)/
Ta5nm(保護層)
を成膜してMR変化率を測定した。その結果MR変化率としては9%の値が得られた。すなわち、比較例1と比べるとMR変化率としては確かに上昇したが、その上昇率は小さな値にとどまった。
【0140】
以上の比較例の結果から、CIPタイプのSV素子においては、ピン層やフリー層を強磁性層と非磁性層との多層構造としても余り大きな効果が得られないことが明確になった。
【0141】
(第2の実施例)
次に、本発明の第2の実施例として、Fe/Au系の積層構造を有するCPPタイプのスピンバルブ素子について説明する。
【0142】
まず、熱酸化シリコン(Si)基板上にスパッタ法によってCu下電極を500nm積層し、フォトリソグラフィーにより幅9μmのストライブ状に形成した。そのあとその上に3μm角のCPP−SVを成膜した。その積層膜構成は、以下の通りである。
Ta5nm(バッファ層)/NiFe2nm(バッファ層)/
PtMn15nm(反強磁性層)/Fe1nm(ピン層)/
Au1nm(ピン層)/Fe1nm(ピン層)/Au1nm(ピン層)/
Fe1nm(ピン層)/Au3nm(非磁性中間層)/
Fe1nm(フリー層)/Au1nm(フリー層)/
Fe1nm(フリー層)/Au1nm(フリー層)/
Fe1nm(フリー層)/Au1nm(高導電層)/Ta5nm(保護層)
【0143】
その上に、図15に表した如く、AlOxの絶縁膜を形成し、AlOxには0.1μm角の穴を形成した。その上にCu上部電極500nmをスパッタ法によって積層した。本実施例では、上記構成によりAlOxの0.1μ角の穴を通してCPP−SV特性を測定することが可能となった。室温での測定の結果、抵抗は8Ωとなり、抵抗変化率は20%の値を得ることができた。これにより1.6Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。
【0144】
また、ピン層は、反強磁性層によって良好に磁化固着されピン積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0145】
また、フリー層のHcは20Oeと大きいものの、磁化は外部磁場に対して一体として動いていることも確認できた。
【0146】
また、さらに本実施例において膜構造の下部構造をなす
Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm
なる構造の部分に微細なスルーホールを形成し、Cu下部電極とCoFe/Cu積層構造が直接接合されるように構成し、さらに絶縁膜Z上にあける穴の大きさを0.05μm角としたところ、Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm構造に起因する寄生抵抗を削除したMRを測定することが可能となった。
【0147】
その結果、抵抗は12Ωとなり、抵抗変化率としては40%の値を得ることができた。これにより4.8Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。またピン層Pは反強磁性層Aによって良好に磁化固着され、ピン層Pを構成している積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0148】
(第3の実施例)
次に、本発明の第3の実施例として、Fe/Au系の積層構造を有し、さらにフリー層にNiFe層を設けて軟磁気特性を向上させたCPPタイプのスピンバルブ素子について説明する。
【0149】
まず、熱酸化シリコン(Si)基板上にスパッタ法によってCu下電極を500nm積層し、フォトリソグラフィーにより幅9μmのストライブ状に形成した。そのあとその上に3μm角のCPP−SVを成膜した。その膜構成は、以下の通りである。
Ta5nm(バッファ層)/NiFe2nm(バッファ層)/
PtMn15nm(反強磁性層)/Fe1nm(ピン層)/
Au1nm(ピン層)/Fe1nm(ピン層)/Au1nm(ピン層)/
Fe1nm(ピン層)/Au3nm(非磁性中間層)/
Fe1nm(フリー層)/Au1nm(フリー層)/
Fe1nm(フリー層))/Au1nm(フリー層)/
NiFe2nm(フリー層)/Ta5nm(保護層)
【0150】
その上に、図15に表した如く、AlOxの絶縁膜を形成し、AlOxには0.1μm角の穴を形成した。その上にCu上部電極500nmをスパッタ法によって積層した。本実施例でも、上記構成によりAlOxの0.1μ角の穴を通してCPP−SV特性を測定することが可能となった。
【0151】
室温での測定の結果、抵抗は7Ωとなり、抵抗変化率は18%の値を得ることができた。これにより1.26Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。
【0152】
また、ピン層は反強磁性層によって良好に磁化固着されピン積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0153】
また、フリー層のHcは8Oeと減少させることが可能になり、磁化は外部磁場に対して一体として動いていることが確認できた。
【0154】
また、さらに本実施例において膜構造の下部構造をなす
Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm
なる構造の部分に微細なスルーホールを形成し、Cu下部電極とCoFe/Cu積層構造が直接接合されるように構成し、さらに絶縁膜Z上にあける穴の大きさを0.05μm角としたところ、Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm構造に起因する寄生抵抗を削除したMRを測定することが可能となった。
【0155】
その結果、抵抗は10Ωとなり、抵抗変化率としては40%の値を得ることができた。これにより4.0Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。またピン層Pは反強磁性層Aによって良好に磁化固着され、ピン層Pを構成している積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0156】
(第4の実施例)
まず、熱酸化シリコン(Si)基板上にスパッタ法によってCu下電極を500nm積層し、フォトリソグラフィーにより幅9μmのストライプ状に形成した。そのあとその上に3μm角のCPP−SVを成膜した。その膜構成は、以下の如くである。
Ta5nm(バッファ層)/NiFe2nm(バッファ層)/
PtMn15nm(反強磁性層)/Fe0.5nm(ピン層)/
CoFe0.5nm(ピン層)/Fe0.5nm(ピン層)/
Au1nm(ピン層)/Fe0.5nm(ピン層)/
CoFe0.5nm(ピン層)/Fe0.5nm(ピン層)/
Au3nm(ピン層)/Fe0.5nm(フリー層)/
CoFe0.5nm(フリー層)/Fe0.5nm(ピン層)/
Au1nm(フリー層)/Fe0.5nm(フリー層)/
CoFe0.5nm(フリー層)/Fe0.5nm(ピン層)/
Au1nm(フリー層)/NiFe2nm(フリー層)/
Ta5nm(保護層)
【0157】
その上に、図15に表したようにAlOxの絶縁膜を形成し、AlOxには0.1μm角の穴を形成した。その上にCu上部電極500nmをスパッタ法によって積層した。本実施例では上記構成によりAlOxの0.1μm角の穴を通してCPP−SV特性を測定することが可能となった。
【0158】
室温での測定の結果、抵抗は9Ωとなり、抵抗変化率は27%の値をえることができた。これにより2.5Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。
【0159】
また、ピン層は良好に磁化固着されピン積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。また、フリー層のHcは8Oeまで減少させることが可能になり、磁化は外部磁場に対して一体として動いていることが確認できた。
【0160】
また、さらに本実施例において膜構造の下部構造をなす
Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm
なる構造の部分に微細なスルーホールを形成し、Cu下部電極とCoFe/Cu積層構造が直接接合されるように構成し、さらに絶縁膜Z上にあける穴の大きさを0.05μm角としたところ、Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm構造に起因する寄生抵抗を削除したMRを測定することが可能となった。
【0161】
その結果、抵抗は20Ωとなり、抵抗変化率としては40%の値を得ることができた。これにより8Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。またピン層Pは反強磁性層Aによって良好に磁化固着され、ピン層Pを構成している積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0162】
(第5の実施例)
まず、熱酸化シリコン(Si)基板上にスパッタ法によってCu下電極を500nm積層し、フォトリソグラフィーにより幅9μmのストライプ状に形成した。そのあとその上に3μm角のCPP−SVを成膜した。その膜構成は、以下の如くである。
Ta5nm(バッファ層)/NiFe2nm(バッファ層)/
PtMn15nm(反強磁性層)/Fe1nm(ピン層)/
CoFe1nm(ピン層)/Fe1nm(ピン層)/
CoFe 1nm(ピン層)/Fe1nm(ピン層)/
Au3nm(非磁性中間層)/Fe1nm(フリー層)/
CoFe1nm(フリー層)/Fe1nm(フリー層)/
CoFe1nm(フリー層)/NiFe2nm(フリー層)/
Ta5nm(保護層)
【0163】
その上に、図15に表したようにAlOxの絶縁膜を形成し、AlOxには0.1μm角の穴を形成した。その上にCu上部電極500nmをスパッタ法によって積層した。本実施例では上記構成によりAlOxの0.1μm角の穴を通してCPP−SV特性を測定することが可能となった。
【0164】
室温での測定の結果、抵抗は6Ωとなり、抵抗変化率は16%の値をえることが出来た。これにより0.96Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。
【0165】
また、ピン層は良好に磁化固着されピン積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。また、フリー層のHcは8Oeまで減少させることが可能になり、磁化は外部磁場に対して一体として動いていることが確認できた。
【0166】
また、さらに本実施例において膜構造の下部構造をなす
Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm
なる構造の部分に微細なスルーホールを形成し、Cu下部電極とCoFe/Cu積層構造が直接接合されるように構成し、さらに絶縁膜Z上にあける穴の大きさを0.05μm角としたところ、Ta5nm/NiFe2nm/PtMn15nm構造に起因する寄生抵抗を削除したMRを測定することが可能となった。
【0167】
その結果、抵抗は8Ωとなり、抵抗変化率としては40%の値を得ることができた。これにより3.2Ωの抵抗変化量を得ることが可能となった。またピン層Pは反強磁性層Aによって良好に磁化固着され、ピン層Pを構成している積層構造の磁化は一体として動いていることが確認できた。
【0168】
(第6の実施例)
次に、本発明の第6の実施例として、本発明の磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドについて説明する。
【0169】
図16は、本発明の磁気抵抗効果素子を用いた磁気ヘッドの要部構成を表す斜視概念図である。すなわち、本発明の磁気ヘッドは、記録媒体200に対向して配置された一対の磁気ヨーク102、102を有する。磁気ヨーク102、102の上には、これらと磁気的に結合された磁気抵抗効果素子104が設けられている。磁気抵抗効果素子104は、図1乃至図15に関して前述した本発明のCPPタイプの素子である。また、一対の磁気ヨーク102、102を跨ぐように、その両端には、一対のバイアス層106、106が形成されている。バイアス層106は、反強磁性体あるいは強磁性体からなり、磁気ヨーク102と磁気抵抗効果素子104のフリー層の磁化を、記録磁界と垂直方向、すなわち同図中のy方向に向けるように作用する。
【0170】
記録媒体200には、記録トラック200Tが形成され、記録ビット200Bが配列している。それぞれの記録ビット200Bには、矢印で例示したような信号磁化が形成され、これらの記録ビットからの信号磁束は、磁気ヨーク102と磁気抵抗効果素子104とを結んだ磁気回路に与えられる。磁気抵抗効果素子104に記録ビット200Bの磁場が与えられると、フリー層の磁化は、バイアス層106によるy方向から面内に回転する。すると、この磁化方向の変化が磁気抵抗の変化として検出される。
【0171】
磁気抵抗効果素子104の磁気検出領域を記録ビット200Bのサイズに合わせるために、磁気抵抗効果素子104の電極のコンタクトは、同図中に表した記録トラックの幅Wに相当する領域に制限して形成されている。
【0172】
本発明によれば、磁気抵抗効果素子104として、図1乃至図15に関して前述したいずれかのCPPタイプの素子を用いることにより、適切な素子抵抗と大きな磁気抵抗の変化を両立することができる。つまり、従来よりも大幅に感度が高く且つ信頼性も安定した磁気ヘッドを実現することができる。
【0173】
なお、本具体例においては、長手(面内)記録方式の磁気記録媒体に適応した磁気ヘッドを例に挙げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、垂直記録媒体に適応した磁気ヘッドについても、本発明の磁気抵抗効果素子を同様に適用して同様の効果を得ることができる。
【0174】
(第7の実施例)
次に、本発明の第7の実施例として、本発明の磁気抵抗効果素子を用いた磁気記録再生装置について説明する。図1乃至図15に関して前述した本発明の磁気抵抗効果素子は、図16に例示したような磁気ヘッドに搭載され、例えば、記録再生一体型の磁気ヘッドアセンブリに組み込まれて磁気記録再生装置に応用することができる。
【0175】
図17は、このような磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。すなわち、本発明の磁気記録再生装置150は、ロータリーアクチュエータを用いた形式の装置である。同図において、長手記録用または垂直記録用磁気ディスク200は、スピンドル152に装着され、図示しない駆動装置制御部からの制御信号に応答する図示しないモータにより矢印Aの方向に回転する。磁気ディスク200は、磁気ディスク200に格納する情報の記録再生を行うヘッドスライダ153は、薄膜状のサスペンション154の先端に取り付けられている。ここで、ヘッドスライダ153は、例えば、第6実施例において前述したような本発明の磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッドをその先端付近に有する。
【0176】
磁気ディスク200が回転すると、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)は磁気ディスク200の表面から所定の浮上量をもって保持される。
【0177】
サスペンション154は、図示しない駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム155の一端に接続されている。アクチュエータアーム155の他端には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ156が設けられている。ボイスコイルモータ156は、アクチュエータアーム155のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、このコイルを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークからなる磁気回路とから構成される。
【0178】
アクチュエータアーム155は、固定軸157の上下2箇所に設けられた図示しないボールベアリングによって保持され、ボイスコイルモータ156により回転摺動が自在にできるようになっている。
【0179】
図18は、アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。すなわち、磁気ヘッドアッセンブリ160は、例えば駆動コイルを保持するボビン部などを有するアクチュエータアーム151を有し、アクチュエータアーム155の一端にはサスペンション154が接続されている。
【0180】
サスペンション154の先端には、本発明の磁気抵抗効果素子を用いた再生用磁気ヘッドを具備するヘッドスライダ153が取り付けられている。記録用ヘッドを組み合わせても良い。サスペンション154は信号の書き込みおよび読み取り用のリード線164を有し、このリード線164とヘッドスライダ153に組み込まれた磁気ヘッドの各電極とが電気的に接続されている。図中165は磁気ヘッドアッセンブリ160の電極パッドである。
【0181】
ここで、ヘッドスライダ153の媒体対向面(ABS)と磁気ディスク200の表面との間には、所定の浮上量が設定されている。
【0182】
磁気ヘッド10を搭載したスライダ153は、磁気ディスク200の表面から所定の距離だけ浮上した状態で動作する。本発明によれば、このような「浮上走行型」の磁気記録再生装置においても、従来よりも高分解能で低ノイズの再生を行うことができる。
【0183】
一方、磁気ヘッド10と磁気ディスク200とを積極的に接触させて、走行させる「接触走行型」の磁気記録再生装置においても、従来よりも高分解能で低ノイズの再生を行うことができることは勿論である。
【0184】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0185】
例えば、スピンバルブ素子としての構造及び各層の材料については、当業者が選択しうるすべての範囲について本発明を同様に適用して同様の効果を得ることが可能である。例えば、「デュアル型」のような構造についても本発明を同様に適用することができる。
【0186】
また、磁気ヘッドの構造、構成する各要素の材料や形状などに関しても、具体例として前述したものには限定されず、当業者が選択しうる範囲のすべてを同様に用いて同様の効果を奏し得る。
【0187】
また、磁気記録再生装置に関しても、再生のみを実施するものでも、記録・再生を実施するものあっても良く、また、媒体は、ハードディスクには限定されず、その他、フレキシブルディスクや磁気カードなどのあらゆる磁気記録媒体を用いることが可能である。さらに、磁気記録媒体を装置から取り外し可能した、いわゆる「リムーバブル」の形式の装置であっても良い。
【0188】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、適当な抵抗値と、大きなMR変化量を有し、且つ磁気的に高感度となるような磁気抵抗効果素子を提供することができる。
【0189】
その結果として、従来よりも微小な記録ビットからの磁気的情報を確実に読みとることが可能となり、記録媒体の記録密度を大幅に向上させることが可能となる。同時に、熱的にも安定するために、磁気記録再生システムの信頼性が向上し、利用範囲が拡がり、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図2】非磁性層FN、PNにピンホールHが形成された磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図3】強磁性層FF、PFが島状に形成された磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図4】2種の強磁性体からなる積層膜が用いられた磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図5】2種以上の強磁性体で構成された磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図6】bcc強磁性体とfcc強磁性体とを組み合わせた磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図7】ピン層とフリー層とで積層周期を変えたスピンバルブ素子の具体例を表す概念図である。
【図8】図7のスピンバルブ素子におけるポテンシャルの変調を表す概念図である。
【図9】非磁性層も積層構造とした磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図10】非磁性中間層Sを多層化したスピンバルブ素子を表す概念図である。
【図11】シンセティック構造を有するスピンバルブ素子の断面構成を表す概念図である。
【図12】バッファ層と保護層とを有する磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面構造を表す概念図である。
【図14】フリー層が3種類の強磁性層を有する場合を例示した概念図である。
【図15】本発明の第1の実施例としてのスピンバルブ素子の断面構成を表す概念図である。
【図16】本発明の磁気抵抗効果素子を搭載した磁気ヘッドの概略構成図である。
【図17】本発明の磁気記録再生装置の概略構成を例示する要部斜視図である。
【図18】アクチュエータアーム155から先の磁気ヘッドアセンブリをディスク側から眺めた拡大斜視図である。
【図19】スピンバルブ膜の概略断面構造を例示する概念図である。
【図20】一般的に用いられている電流供給方式を表す概念図である。
【図21】ピン層とフリー層のそれぞれを強磁性結合した磁性/非磁性層積層膜により構成したスピンバルブを表す概念図である。
【図22】CPP−人工格子形の素子の断面構造を表す概念図である。
【図23】CPP−SV素子の断面構成を表す概念図である。
【符号の説明】
A 反強磁性層
P 磁化固着層(ピン層)
PF 強磁性層
PN 非磁性層
S 非磁性中間層
F 磁化自由層(フリー層)
FF 強磁性層
FN 非磁性層
EL 電極
I センス電流
B バッファ層
C 保護層
150 磁気記録装置
151 磁気ディスク
153 ヘッドスライダ
154 サスペンション
155 アクチュエータアーム
156 ボイスコイルモータ
157 固定軸

Claims (13)

  1. 磁化の方向が実質的に一方向に固着された磁化固着層と、
    磁化の方向が外部磁界に応じて変化する磁化自由層と、
    前記磁化固着層と前記磁化自由層との間に設けられた非磁性中間層と、
    を備え、
    前記磁化固着層の前記磁化の方向と前記磁化自由層の前記磁化の方向との相対角度に応じて抵抗が変化する磁気抵抗効果素子であって、
    前記磁化固着層と前記磁化自由層の少なくともいずれかは、強磁性層と非磁性層とを交互に積層した積層体を有し、
    前記積層体における前記強磁性層は、互いに強磁性結合してなり、
    前記抵抗の変化を検出するためのセンス電流が、前記磁化固着層、前記非磁性中間層及び前記磁化自由層を膜面に対して略垂直方向に通電されることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記積層体に含まれる前記強磁性層の少なくともいずれかは、第1の強磁性体からなる層と、前記第1の強磁性体とは異なる第2の強磁性体からなる層とを含むことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記積層体は、第1の強磁性体からなる前記強磁性層と、前記第1の強磁性体とは異なる第2の強磁性体からなる前記強磁性層と、を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記積層体は、前記強磁性層および前記非磁性層の積層を繰り返したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記積層体に含まれる前記強磁性層は、鉄(Fe)基合金を含み、
    前記積層体に含まれる前記非磁性層は、金(Au)、銀(Ag)、及び金と銀との合金のいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記積層体に含まれる前記強磁性層は、コバルト(Co)基合金を含み、
    前記積層体に含まれる前記非磁性層は、金(Au)、銀(Ag)、及び金と銀との合金のいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記積層体に含まれる前記強磁性層の少なくともいずれかは、鉄(Fe)基合金を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記積層体に含まれる前記強磁性層の少なくともいずれかは、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)またはコバルト(Co)を含む軟磁性合金からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 前記磁化固着層と前記磁化自由層は、それぞれ前記積層体を有し、
    前記磁化固着層の前記積層体における前記積層の周期と、前記磁化自由層の前記積層体における前記積層の周期とが異なることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 前記非磁性中間層は、2種類以上の非磁性層を積層した積層体を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  11. 前記2種類以上の非磁性層は、金(Au)、銀(Ag)及び銅(Cu)のうちのいずれか2つをそれぞれ主成分とした2種類の非磁性層を含むことを特徴とする請求項10記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子を備えたことを特徴とする磁気ヘッド。
  13. 請求項12記載の磁気ヘッドを備え、磁気記録媒体に格納された磁気的情報を読み取り可能としたことを特徴とする磁気記録再生装置。
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